JP4408820B2 - 浮上移動装置およびその旋回方法 - Google Patents

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Description

本発明は、羽ばたきに飛行を行なう浮上移動装置およびその旋回方法に関するものである。
従来の航空機との比較において機動性が優れている羽ばたき飛行するロボットの工学的な実現を目指した研究が、近年盛んになっている。
カリフォルニア大学バークレー校のRon Fearingらは、Micromechanical Flying Insectと称する小型羽ばたき飛行ロボットを提案し、論文 ”Attitude Control for a Micromechanical Flying Insect via Sensor Output Feedback” (L. Schenato and W.C. Wu and S.S. Sastry, IEEE Journal of Robotics and Automation, vol. 20, no. 1, pp. 93-106, Feb. 2004.)の中で、その高度の制御について述べている。
Attitude Control for a Micromechanical Flying Insect via Sensor Output Feedback" (L. Schenato and W.C. Wu and S.S. Sastry, IEEE Journal of Robotics and Automation, vol. 20, no. 1, pp. 93-106, Feb. 2004.)
従来においては、羽ばたき飛行ロボットの旋回方法の検討はあまり行なわれてない。羽ばたき飛行ロボットの旋回方法としては、単純に、左の羽部の水平力と右の羽部の水平力とを異ならせる方法が考えられる。しかしながら、実際には、この旋回方法を用いる場合には、次のような理由から羽ばたき飛行ロボットは高速旋回運動を実現することはできない。
一般に、飛行中の羽ばたき飛行ロボットの運動は、重心にかかるトルクおよびモーメントによって決定される。したがって、図11に示されるような従来の旋回方法においては、羽ばたき飛行ロボットは、たとえば、左右の羽部の双方の推進力が+Fhである状態から、左右の羽部のうちのいずれか一方によって生成される推進力が+Fhであって他方によって生成される推進力が−Fhである状態へ、羽ばたき方を急に変更しなければならない。つまり、羽ばたき飛行ロボットは、左右の羽部の羽ばたき方を大きく変更する必要がある。そのため、左右の羽部に生じる浮上力同士の間に大きな差が生じる。その結果、たとえば、左の羽部の浮上力が右の羽部の浮上力に比較して大きく低下すると、羽ばたき飛行ロボットは、図11における進行方向に向かって反時計周りに回転する。したがって、左右の羽部の推進力が変更されても、羽ばたき飛行ロボットは、旋回することなく、落下してしまう。
つまり、従来の第一原理的な旋回手法は、所望の一成分の力についてのみ考察された手法であり、現実的に羽ばたき飛行ロボットが、飛行を維持しつつ高速旋回することができる手法は確立されていない。
本発明は、上述の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高速で旋回することが可能な浮上移動装置を提供することである。
本発明の一の局面の浮上移動装置は、流体が存在する空間は羽ばたくための右羽部および左羽部と、右羽部を駆動する右駆動部と、左羽部を駆動する左駆動部と、駆動動部および左駆動部を制御する制御装置とを備えている。制御装置は、右羽部および左羽部が浮上移動装置の姿勢を変化させる第1の羽ばたき動作をするように右駆動部および左駆動部を制御する手段と、右羽部および左羽部が第1の羽ばたき動作による浮上移動装置の姿勢の変化の一部を相殺する第2の羽ばたき動作をするように右駆動部および左駆動部を制御する手段とを含んでいる。右羽部および左羽部が第1の羽ばたき動作をするように右駆動部および左駆動部を制御した後に、右羽部および左羽部が第2の羽ばたき動作をするように右駆動部および左駆動部を制御することによって、浮上移動装置の移動方向を変化させる。この構成によれば、浮上移動装置は、姿勢を大きく崩すことなく旋回することができる。
また、第1の羽ばたき動作と第2の羽ばたき動作とは、互いに逆向きのロール軸まわりの回転加速度を浮上移動装置に与えることが望ましい。これによれば、姿勢の変化の3成分(ピッチ角、ヨー角、ロール角)のうち1成分(ロール角)の変化が相殺されるため、左右方向への拘束旋回することが可能になる。
本発明の他の局面の浮上移動装置は、流体が存在する空間は羽ばたくための右羽部および左羽部と、右羽部を駆動する右駆動部と、左羽部を駆動する左駆動部と、右駆動部および左駆動部を制御する制御装置とを備えている。
制御装置は、右羽部および左羽部が、左右対称な動作であって、浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングするための動作をするように、右駆動部および左駆動部を制御する手段を含んでいる。また、制御装置は、浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングしているときに、右羽部および左羽部が、左右非対称な動作をするように、右駆駆動部および左駆動部を制御する手段を含んでいる。また、制御装置は、左右非対称な動作の後、右羽部および左羽部が、左右非対称な動作と浮上移動装置の上下方向および前後方向を含む面に対して鏡面対称な動作をするように、右駆動部および左駆動部を制御する手段とを含んでいる。
上記の構成によれば、浮上移動装置は、姿勢を大きく崩すことなく、右または左への旋回を行なうことができる。より具体的には、旋回のための左右非対称な動作が行なわれた後、左右非対称な動作と浮上移動装置の上下方向および前後方向を含む面に対して鏡面対称な動作が行なわれる。このとき、浮上移動装置は、旋回のための羽ばたき方の変更に起因して、その姿勢が変化するが、姿勢の変化の3成分(ピッチ角、ヨー角、ロール角)のうち1成分(ロール角)の変化が相殺される。したがって、浮上移動装置は高速旋回を実現することができる。
また、前述の左右非対称な動作作は、前進、後退、またはホバリングのための動作との比較において、右羽部および左羽部のうち少なくともいずれか一方のストロークが拡大または縮小された動作であることが望ましい。
上記の構成によれば、ストロークの拡大または縮小が行なわれても、ピッチ角の変化が小さい。また、旋回時に行なわれる前半の動作と後半の動作とが左右鏡面対称であるため、ロール角の変化は相殺される。その結果、ヨー角のみの変更が実現される。したがって、右または左への旋回が実現され易くなる。
また、前進、後退、またはホバリングのための左羽部および右羽部の動作のそれぞれは、連続関数である第1の周期関数によって表現され、左右非対称な動作における右羽部および左羽部のそれぞれの動作は、第1の周期関数と、連続関数であってゼロから始まりゼロで終わる第2の周期関数との和または差の関数によって表現される動作であってもよい。また、左右非対称な動作における右羽部および左羽部のそれぞれの動作は、第1の周期関数と、連続関数であって1から始まり1で終わる第2の周期関数との乗算または除算の関数によって表現される動作であってもよい。また、第1の周期関数および第2の周期関数のそれぞれは、その微分された関数が連続関数であってかつゼロから始まりゼロで終わる関数であることが望ましい。これらの構成によれば、羽ばたき方の変更で急激な加速度が右羽部および左羽部に生じることが防止されるため、浮上移動装置は、安定して右または左へ旋回することができる。
また、第1周期関数の周期と第2の周期関数の周期とは一致していることが望ましい。これにより、必要最低限の羽ばたき方の変更で右または左への旋回を実現することができる。
また、ストロークの拡大または縮小は、右羽部および左羽部のそれぞれの前方または後方の切り返し点の変更によって行なわれることが望ましい。この構成によれば、浮上移動装置は、単純な羽ばたき動作の変更によって右または左への旋回を実現することができる。
また、左右非対称な動作は、右羽および左羽部のうち所望する旋回方向とは反対側に位置する羽部の前方の切り返し点を前方へ移動させた動作であり、鏡面対称な動作は、その羽部とは反対側に位置する羽部の前方の切り返し点を前方へ移動させた動作であることが望ましい。これによって、浮上移動装置は、所望する方向への旋回を実現することができる。
また、左右非対称な動作は、右羽および左羽部のうち所望する旋回方向とは反対側に位置する羽部の後方の切り返し点を後方へ移動させた動作であり、鏡面対称な動作は、羽部とは反対側に位置する羽部の後方の切り返し点を後方へ移動させた動作であることが望ましい。これによって、浮上移動装置は、所望する方向への旋回を実現することができる。
また、制御装置は、右羽部および左羽部のそれぞれの後方の切り返し点において、左右非対称な動作と鏡面対称な動作とが切り換えられるように、右駆動部および左駆動部を制御することが望ましい。この構成によれば、羽ばたき方によらず、後方の切り返し点の浮上移動装置に対する相対的な位置は変更されないため、スムーズに羽ばたき方の切り換えを行うことができる。また、制御装置は、羽ばたき方の切り換えのために、切り換えの前の羽ばたき方と切り換えの後の羽ばたき方との間を補完する他の羽ばたき方のための制御を行なう必要がない。したがって、羽ばたき方の切り換えのための制御が容易になる。
また、浮上移動装置の旋回方法においては、制御装置は、まず、右羽部および左羽部が、左右対称な動作であって、浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングするための動作をするように、右駆動部および左駆動部を制御する。次に、制御装置は、浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングしているときに、右羽部および左羽部が、左右非対称な動作をするように、右駆駆動部および左駆動部を制御する。さらに、制御装置は、左右非対称な動作の後、右羽部および左羽部が、左右非対称な動作と上下方向および左右方向を含む面に対して鏡面対称な動作をするように、右駆動部および左駆動部を制御する。
図1〜図23を用いて、本発明の実施の形態の羽ばたき浮上移動装置を説明する。なお、本実施の形態では、左右対称の構成を有するロボットについて説明する。したがって、説明の簡略のため、左右対称である構成要素には同一参照符号が付され、それらのうち一方のみについて説明する。
(全体の構成)
図1に示すように、本体500と、本体500の前後方向に対する左側および右側のそれぞれに設けられた一対の羽部110とを有している。その浮上移動装置は、羽部110が、その運動により周囲流体に流体力を生じさせる。その流体力は、浮上移動装置の重力の方向とは逆向きに、浮上移動装置の重力よりも大きな浮上力を浮上移動装置に生じさせることが可能である。
また、浮上移動装置は、一方端側が、羽部110に固定された駆動機構部800を有している。駆動機構部800は、他方端側が、本体500内の第1および第2の駆動部1001および1002に接続されており、第1および第2の駆動部1001および1002の駆動力を羽部110に伝達する。なお、本実施の形態においては、左半分に対して鏡面対称である構成要素が右半分について設けられているものとするが、本発明においては、浮上移動装置が左右対称の構成からなっていることは、必須の条件ではない。
次に、図1における駆動機構部800(図1中、点線で囲まれた部分)の左羽側を拡大したものを図2に示す。図2では、Z軸によって鉛直方向が示され、Y軸によって前後方向が示され、X軸によって左右方向が示されている。また、図1においては、第1および第2の駆動部1001および1002の共通の回転中心軸をZ軸とする。図2では、図を見易くするため、第1および第2の回転部材102および108のみがそれぞれ独立してZ軸周りに回転するように描かれ、第1および第2の駆動部1001および1002ならびに羽部110は描かれていない。なお、第1および第2の駆動部1001および1002は、それぞれ、何らかの支持部材で本体500に固定されているとともに、本体500に対して相対的に回転することが可能に構成されているが、図1では、その支持部材等の構造の描写は行なわれていない。
ただし、第1の駆動部1001と第1の回転部材102とが接続され、第1の駆動部1001の回転往復運動に伴って、第1の回転部材102が往復回転運動する。また、第2の駆動部1002と第2の回転部材108とが接続され、第2の駆動部1002の往復回転運動に伴って、第2の回転部材108が往復回転運動する。また、第1の駆動部1001と第2の駆動部1002とは、独立して往復回転運動するため、第1の回転部材102と第2の回転部材108とも、互いに独立して、回転往復運動する。それにより、羽部110の先端部109と仮想の所定の基準面(XY平面)とのなす捻り角が変化する。
なお、各実施の形態においては、第1の駆動部1001の回転中心軸と第2の駆動部1002の回転中心軸とが一致している駆動機構部800が示されているが、それらの回転中心軸同士が一致していない駆動機構部であっても、本実施の形態の駆動機構部800によって達成される目的と同様の目的を達成することは可能である。
(羽駆動部の構成)
図2に示した駆動機構部800は、2つの回転部材、2つの中間部材、および3つのヒンジ部、つまり、第1および第2の回転部材102および108、第1および第2の中間部材104および106、第1、第2、および第3のヒンジ部103、105、および107を有している。
第1の回転部材102と第1の中間部材104とは、第1のヒンジ部103を介して接続され、第1の中間部材104と第2の中間部材106とは、第2のヒンジ部105を介して接続され、第2の中間部材106と第2の回転部材108とは、第3のヒンジ部107を介して接続されている。第1の中間部材104は、第1のヒンジ部103が延びる方向の回転中心軸周りに自由に回動することが可能であり、かつ、第2のヒンジ部105が延びる方向の回転中心軸周りに自由に回動することが可能である。第2の中間部材106は、第2のヒンジ部105が延びる方向の回転中心軸周りに自由に回動することが可能であり、かつ、第3のヒンジ部107が延びる方向の回転中心軸周りに自由に回動することが可能である。
なお、本発明においては、少なくとも2つの回転部材の間に接続される中間部材の個数nはn≧1であればよい。ただし、n=1の時は、第1の回転部材102の回転角θ1および第2の回転部材102の回転角θ2の差(θ1−θ2)が変化すると、中間部材の両端の2つのヒンジ部の先端(原点Оから遠方側の端部)同士の間の距離が変化するため、中間部材または回転部材がある程度以上大きく変形できるものでなければならない。それを避けるためには、中間部材の数、すなわち、nが2個以上(n≧2)であることが望ましい。そこで、本実施の形態においては、n≧2という条件を具備するもののうちで最も製造が容易なn=2という条件を具備する浮上移動装置について説明がなされる。
本実施の形態においては、図1に示す羽部110、すなわち、羽膜部100および羽軸部101のうち少なくともいずれか一方は、第1の中間部材104と固定されているものとする。また、羽膜部100に捻り角α(図10参照)を与えるときにも、羽軸部101が延びる方向の回転中心軸がZ軸と成す角(コニング角)が一定値に保たれるように、羽軸部101が延びる方向の回転中心軸の延長線が、回転部材の一端のヒンジ部(たとえば、第1のヒンジ部103)の回転中心軸と重なっているものとする。なお、捻り角αは、羽部110の先端部109がXZ平面となす角度であるものとする。さらに、説明を容易にするため、第1のヒンジ部103の回転中心軸は、X軸上にあるものとする。つまり、Z軸と第1のヒンジ部103とがなすコニング角が直角であるものとする。
一方、回転部材の回転に伴って各中間部材および各ヒンジ部に生じる歪みが小さくなるように、各ヒンジ部の一端(一般にはヒンジ部の回転中心軸の延長線上の所定の点)が原点Оと重なっているものとする。後述する実施の形態では、図5に示されているように、各ヒンジ部および各中間部材は、相互に摩擦が生じず、それぞれの動作がスムーズに行なえるように、原点Оの近傍で切断されたものが描かれているが、図2においては、煩雑さを避けるため、各ヒンジ部および各中間部材は、原点0まで延びているものが描かれている。
(羽駆動の基本原理)
次に、たとえば、第1および第2の回転部材102および108の回転角がθ1およびθ2であり、X軸が延びる方向が角度0°である場合を考える。この場合、羽部110の羽ばたき運動は、XY平面に平行に、±θだけ、第1および第2の回転部材102および108を往復回転運動させることによって行なわれる。一方、羽軸部101が延びる方向の回転軸周りの捻り角α、すなわち、羽軸部101が延びる方向に羽膜部100を見たときに羽膜部100が羽軸部101周りに回転する角度は、2つの回転角θ1およびθ2の差θ2−θ1≡Δθを変化させることによって制御される。
なお、以下の各実施の形態では、第1の駆動部1001の回転に起因した第1の回転部材102の回転によって、羽部110(羽膜部100および羽軸部101)の所定の点は、XY平面に平行な面内の往復回転運動(ストローク運動)を行なう。また、第2の駆動部1002の回転に起因した第2の回転部材108の往復回転運動によって、羽部110(羽膜部100および羽軸部101)の所定の点は、YZ平面に平行な面内の往復回転運動(図10に示す捻り角αが変化する捻り運動)を行なう。
また、2つの回転角θ1およびθ2の差Δθと捻り角αとの関係は、次のように求められる。図2においては、X軸上の第1のヒンジ部103が線分OPによって表わされている。第1のヒンジ部103の長さがbであるとすると、第1のヒンジ部103の先端Pの座標は(b,0,0)である。また、第2のヒンジ部105が線分OQによって表わされる。第2のヒンジ部105の先端Qは、第1のヒンジ部103の先端から距離aだけ離れており、線分OQとXY平面とがなす角度(位置角)は、ωであるものとすると、第2のヒンジ部105の先端Qの座標は(b,a×cosω,b×cosω)である。さらに、第3のヒンジ部107が線分ORによって表わされている。第3のヒンジ部107の先端Rは、XY平面から距離dだけ離れており、かつ、Z軸から距離bだけ離れており、線分ORとXZ平面とがなす角度(位置角)は、λであるものとする。このとき、第3のヒンジ部107の先端Rの座標は(b×cosλ,b×sinλ,d)となる。
ここで、θ1=0°であると仮定され、回転角θ2がΔθであるとすると、2つの回転角θ1およびθ2の差は、θ2−θ1=Δθであり、かつ、羽膜部100が羽軸部101が延びる方向の回転中心軸の周りに捻り角αだけ捻られるとすれば、ωがω+αに変化する。このとき、回転前と回転後との比較において、線分PQの距離は変化しないとすると、次の式(1)および(2)が成立する。
PR2(回転前)=[b−b×cosλ]2+[a×sinω−bsinλ]2+[a×cosω−d]2
PR2(回転後)=[b−bcos(λ+Δθ)]2 …(1)
+[a×sin(ω+α)−b×sin(λ+Δθ)]2+[a×cos(ω+α)−d]2 …(2)
前述の式(1)の右辺と式(2)の右辺とが等しいことから、次の式(3)が成立する。
a×d×cos(ω+α)+a×b×sin(λ+Δθ)×sin(ω+α)
=b2×cosλ−b2×cos(λ+Δθ)+a×b×sinω×sinλ+a×d×cosω
…(3)
この式(3)を解くと、捻り角αが求められる。
以上の結果から、本実施の形態の駆動機構部800において、第1、第2および第3のヒンジ部103、105、および107のそれぞれを配置する適切な位置を求めることができる。その際の設計基準の一つとして、たとえば、(捻り角α)/(2つの回転角の差Δθ)がより大きい場合を検討する。この場合、2つの回転角θ1およびθ2の差Δθが小さく、かつ、大きな捻り角αが得られる浮上移動装置の設計が可能となる。
一般に、b/aおよびa/dが大きい程、(捻り角α)/(2つの回転角θ1およびθ2の差Δθ)も大きくなるが、あまり大きな(捻り角α)/(2つの回転角θ1およびθ2の差Δθ)が採用されると、浮上移動装置のサイズが制約されたり、第1および第2の駆動部1001および1002に大きなトルクが要求されたりする。そのため、本実施の形態においては、b/a=3、かつ、a/d=2とする。また、位置角λを90°に近づけると、駆動機構部800の幅(Y軸方向の長さ)が大きくなるため、λ=0°とする。これらのパラメータから、差Δθが+10°および−10°のそれぞれの場合の捻り角αと位置角ωとの関係が図3のグラフに示されている。図3のグラフから、位置角ω=±45〜135°の範囲であれば、捻り角αの角度の範囲Δαは、約90°という大きな値(α/Δθ≒4.5)になる。後述の実施の形態1においては、位置角ω=90°の場合の実際の駆動機構部800が説明される。
また、たとえば、距離d=0である場合の捻り角αと位置角ωとの関係が図4のグラフに示されている。このとき、位置角λを0°近傍の値にすると、第1の中間部材104と第2の中間部材106とが接近し過ぎるため、一例として、λ=45°が用いられている。この場合、位置角ω=−15〜+40°であるか、または、位置角ω=+140〜−165°であれば、捻り角αの角度の範囲Δαは、約60°という大きな値(α/Δθ≒3)になる。後述する実施の形態2においては、位置角ω=180°の場合の実際の駆動機構部800が説明される。
(羽駆動のキネマティクス)
まず、図5〜図7を用いて、本発明の本実施の形態1の駆動機構部1を説明する。なお、本実施の形態の浮上移動装置の全体構成は、図1に示されている浮上移動装置の全体構成と同一である。つまり、図5に示す駆動機構部800に付されている参照符号と図2に示す駆動機構部800に付されている参照符号とが同一の部位同士は、互いに同一の構造および機能を有している。したがって、以下、図5に示す駆動機構部800の構造および動作の説明においては、主に、前述の図2に示す駆動機構部800の構造および動作と異なる構造の部分の説明がなされる。
本実施の形態においては、図5に示すように、羽軸部101は、第1の中間部材104に接続されている。羽軸部101は、第1の中間部材104を含む平面内に存在する板状部材によって構成されている。また、羽膜部100は、その一辺が羽軸部101に固定されている。羽軸部101を含む平面と羽部110を含む平面とは角度τをなして交差している。
また、角度τに関しては、羽ばたき飛行中に羽膜部100が撓んでも、羽膜部100と羽軸部101との接合部においては、羽膜部100の接平面と羽軸部101の接平面とがなす角は一定であるものとする。また、角度τは90°であることが望ましいが、本発明の浮上移動装置においては、角度τが90°以外の角度である浮上移動装置であっても、角度τが90°である浮上移動装置と同様の目的を達成することができる。
回転部材と中間部材とは、それらを接続するヒンジ部が延びる方向の回転中心軸周りに回転可能である。また、ヒンジ部が延びる方向の延長線の全て(図5中の点線)は、原点Оで交わる。原点Оは、第1および第2の駆動部1001および1002の往復回転運動の共通の回転中心軸であるZ軸上に位置している。このため、第1の回転部材102の回転角θ1と、第2の回転部材108の回転角θ2との差Δθ=θ2−θ1が一定の範囲内であれば、第1および第2の中間部材104および106が滑らかに動作する。これにより、第1および第2の駆動部1001および1002の往復回転運動が、第1の中間部材104および羽軸部101を介して、羽膜部100に伝達され、羽膜部100は、YZ平面に平行な捻り角αの往復回転運動を伴いながら、XY平面と平行な回転角Δθの往復回転運動をする。
また、回転角θ1=θ2=0°の状態では、第1および第2の回転部材102および108は、同一平面(図5ではXZ平面)内に位置している。この状態では、第2のヒンジ部105は、XY平面内でX軸と所定の角度をなしており、第1および第2の中間部材104および106は、第2のヒンジ部105と第1および第2の回転部材102および108との間に位置している。また、図5に示す構造は、図2に示す構造と同様に、Z軸から第1および第2の回転部材102および108のそれぞれの先端までの距離がbであり、第1の回転部材102の先端と第2の回転部材108の先端との間の距離がdであり、第2のヒンジ部105の先端とX軸の距離がaである。
本実施の形態の移動装置においても、図5に示す構造は、理解の容易のために、第1のヒンジ部103が延びる方向の回転中心軸がZ軸となす角(コニング角)が90°(直角)であり、第1および第2の駆動部1001および1002の往復回転運動に伴なう羽軸部101の運動面(ストローク面)が、XY平面上に平行な面であって扇型の面となるものとするが、コニング角は直角以外の角度であってもよい。その場合は、羽軸部101は、ストローク面がZ軸を中心軸とした円錐の側面の一部となるように、往復回転運動する。このように、本実施の形態の浮上移動装置によれば、コニング角が一定に保たれるため、羽軸部101におけるフラッタリング(運動する流体内での振動)を防止することができる。
また、第1の回転部材102が停止した状態(θ1=0)で、第2の回転部材108を、一定のトルクで回転させた場合(θ2−θ1の場合)に、第2の回転部材108の回転角θ2=Δθと羽部110に生じる捻り角αとの関係が、どのように変化するかについて、構造解析が行なわれた。その結果が、図6および図7に示されている。この構造解析においては、第1の回転部材102に与えるトルクを±5gf・cmとし、駆動機構部800のサイズに関しては、a=5mm、b=15mm、およびd=2.5mmであり、また、ヒンジ部の位置角に関しては、λ=0°、および、ω=90°である。
材料に関しては、回転部材および中間部材には、0.1mm厚のアルミウム(ヤング率70GPa、比重2.7g)の板が用いられるが、ヤング率がより大きく、より比重が小さいものとして、CFRP(カーボン繊維強化プラスチック:Carbon Fiber Reinforced Plastic:ヤング率が120GPa、比重が1.6g)などが用いられてもよい。また、ヒンジ部には、5μm厚のPET(ポリエチレン・テレフタレート:ヤング率が3.9GPa、比重が1.2g)が用いられている。
図6は、第1の回転部材102に−5gf・cmのトルクを加えた時の解析結果を示しており、第2の回転部材108の回転角θ2=Δθ=−3.9°であり、羽部110の捻り角α=−21.7°である。また、図7は、第1の回転部材102に+5gf・cmのトルクを加えた時の解析結果を示しており、第2の回転部材108の回転角Δθ=+8.1°であり、羽部110の捻り角α=+35.8°である。合計でΔθ=Δθ−Δθ=12.0°であり、α=α−α=57.5°である。このことから、第1回転部材102の回転角θ1と第2回転部材108の回転角θ2との差Δθが小さな値でも、羽膜部100は大きな捻り角αで捻られることが分かる(α/Δθ=4.8)。
前述のような構造のアクチュエータを動作させて、右羽軸108aおよび右羽軸108bそれぞれを、図8に示すように前後方向(打ち下ろし方向および打ち上げ方向:図1のY軸方向)に往復運動させる。この往復運動も、図1に示すストローク面10内で行なわれる。
前述のような浮上移動装置の羽部110の弾性変形の態様について説明する。
浮上移動装置の左右の羽部110は、前後方向に往復運動し、弾性変形する。つまり、図8に示すように、右の羽部110(左の羽部)の部位のうち右の羽軸101(左の羽軸部101)に対して垂直な方向の先端部の運動が、右の羽軸部101(左の羽軸部101)の運動に比べて、遅れるように、左右の羽膜部100のそれぞれが弾性変形するものとする。
前述のような羽膜部100の弾性変形により、図9に示すように、羽膜部100の表面に沿う方向に、流体の流れが生じる。なお、図9では、羽膜部100は、弾性変形するため、羽ばたき動作の1回の平均では、打ち上げ方向および打ち下ろし方向それぞれに対してほぼ垂直な方向に流体力が発生する。
この流体の力を利用するために、図10に示すように、駆動機構部800の機能を用いて、羽軸部110をストローク面内で面内方向に往復運動(回動角θ1で示される運動)させながら、羽軸部101を、羽軸部101が延びる方向を回転中心軸として、回動させる(回動角αで示される運動)。
それにより、図9に示すように、羽軸部101を水平方向に往復運動させる場合には、羽膜部100の表面に沿って生じる流体の流れにより、浮上移動装置に対して鉛直方向に浮上力が生じる。この浮上力が浮上移動装置の重力よりも大きければ、浮上移動装置は浮上する。
また、図8に矢印で示す打ち上げ方向および打ち下ろしの方向は、地面に垂直な方向を意味するものではない。羽膜部100を羽軸部101が延びる方向を回転中心軸として回動させながら、羽軸部101を往復運動(ストローク面内の運動)させるときの、前後方向の羽軸部101の動きを打ち上げおよび打ち下ろしと名づけている。
要するに、図8に示す打ち上げ方向および打ち下ろしの方向は、ストローク面内の往復運動の方向を意味する。また、ホバリングするときには、ストローク面は、水平面に一致する。
また、前進、後退、またはホバリングのときには、駆動機構部800は、右の羽部110の羽ばたき動作のストローク(羽ばたき角)の大きさと左の羽部110の羽ばたき動作のストローク(羽ばたき角)の大きさとがほぼ同一になるように、右の羽部110および左の羽部110のそれぞれに左右対称の羽ばたき動作を行なわせるが、左旋回または右旋回のときには、本実施の形態の浮上移動装置は、左の羽部110と右の羽部110とに左右非対称の動作をさせる。
(旋回方法)
次に、図12〜図23を用いて、前述の浮上移動装置1の旋回方法を具体的に説明する。なお、本実施の形態の浮上移動装置においては、d=0.5であるものとする。このとき、羽ばたき角としての回転角θ1とねじり角αとの関係は図3に示すようなものとなる。なお、図13、図16、図17、図19、図20、および図21のそれぞれには、羽部110の先端部109の所定の点の軌跡がプロットされている。また、図13、図16、図17、図19、図20、および図21のそれぞれにおいては、浮上移動装置は、前述のような羽部110を前後に往復運動させる羽ばたき方を行なうものとする。
なお、浮上移動装置1は、前進、後退、または、ホバリングしているときには、左右の羽部110が左右対称の動作をするが、一方、左または右への旋回のときには、左右の羽部110は左右非対称の動作をする。したがって、左の羽部110を駆動する左の第1の駆動部1001および第2の駆動部1002の回転角のそれぞれをθ1Lおよびθ2Lと表記し、右の羽部110を駆動する右の第1の駆動部1001および第2の駆動部1002の回転角のそれぞれをθ1Rおよびθ2Rと表記する。
ホバリングのための動作
浮上移動装置がホバリングするときには、図13示すように、左の羽部110は、水平面内の左右方向に延びる軸に対して前後対称動作を行なう。また、図示していないが、右の羽部110も左の羽部110と同様に左右方向に延びる軸に対して前後対称な動作を行なう。さらに、左の羽部110と右の羽部110とは左右対称な動作を行なう。その結果、浮上移動装置は、鉛直下方に作用する流体力を得る。ただし、このとき、浮上移動装置は、GPS(Global positioning system)などの位置センサを用いて自己の位置を検出し、自己の位置がほぼ一定になるように、左右の羽部110の羽ばたき運動の周波数および羽ばたきのストロークなどを調整する必要がある。なお、位置センサの代わりに、ピトー管などの速度センサ、または、錘の変位検出などを用いた加速度センサが用いられ、浮上移動装置の位置が積分またはドリフト処理等の演算によって算出されてもよい。
前進のための動作
浮上移動装置が前進するときには、図17に示すように、左の羽部110は、水平面内の左右方向の軸に対して前方の振幅が小さくかつ後方の振幅が大きな動作を行なう。つまり、左の羽部110は、前方の切返し点が後方の切り返し点よりも左右方向の中心軸に近くなるような動作をする。また、図示しないが、右の羽部110も左の羽部110と同様に、左右方向の軸に対して前方の振幅が小さくかつ後方の振幅が大きな動作を行なう。つまり、右の羽部110も、前方の切返し点が後方の切り返し点よりも左右方向の中心軸に近くなるような動作をする。さらに、左の羽部110と右の羽部110とは左右対称な動作を行なう。それにより、浮上移動装置の後方で鉛直下向きに作用する力が大きくなる。そのため、浮上移動装置は、その前部が後部に対して少し下がった状態になる。その結果、浮上移動装置は、後方に作用する流体力を得る。したがって、浮上移動装置は前進する。このとき、浮上移動装置は、GPS(Global positioning system)などの位置センサを用いて自己の位置の変化を検出し、自己の移動の速度が所望の速度になるように、左右の羽部110の羽ばたき運動の周波数および羽ばたきのストロークなどを調整する必要がある。なお、位置センサを用いて浮上移動装置の速度を算出する代わりに、ピトー管などの速度センサが用いられてもよく、また、錘の変位検出などを用いた加速度センサが用いられ、浮上移動装置の速度が積分またはドリフト処理等の演算によって算出されてもよい。
後退のための動作
浮上移動装置が後退するときには、図16に示すように、左の羽部110は、水平面内の左右方向の軸に対して前方の振幅が大きくかつ後方の振幅が小さな動作を行なう。つまり、左の羽部110は、前方の切返し点が後方の切り返し点よりも左右方向の中心軸から遠くなるような動作をする。また、図示しないが、右の羽部110もまた、左の羽部110と同様に、左右方向の軸に対して前方の振幅が大きくかつ後方の振幅が小さな動作を行なう。つまり、右の羽部110も、前方の切返し点が後方の切り返し点よりも左右方向の中心軸から遠くなるような動作をする。さらに、左の羽部110と右の羽部110とは左右対称な動作を行なう。それにより、浮上移動装置の前方で鉛直下向きに作用する力が大きくなる。そのため、浮上移動装置は、その後部が前部に対して少し下がった状態になる。その結果、浮上移動装置は、後方に作用する流体力を得る。したがって、浮上移動装置は後退する。このときも、浮上移動装置は、GPSなどの位置センサを用いて自己の位置の変化を検出し、自己の移動の速度が所望の速度になるように、左右の羽部110の羽ばたき運動の周波数および羽ばたきのストロークなどを調整する必要がある。なお、位置センサを用いて浮上移動装置の速度を算出する代わりに、ピトー管などの速度センサが用いられてもよく、また、錘の変位検出などを用いた加速度センサが用いられ、浮上移動装置の速度が積分またはドリフト処理等の演算によって算出されてもよい。
旋回時の個別の羽の駆動
本発明者らのシミュレーションによれば、浮上移動装置の旋回運動は、図13に示すホバリング時の左右対称の羽ばたき方を基準として、左右の羽部のうちの一方の羽部110をより大きく前方へ動かしかつ他方の羽部110をより小さく前方へ動かす羽ばたき方(以後、「旋回起動羽ばたき」と称する。)と、前者の羽部110をより小さく前方へ動かしかつ後者の羽部110をより大きく前方へ動かす羽ばたき方(以後、「立て直し羽ばたき」と称する)との組み合わせによって実現される。言い換えれば、浮上移動装置の旋回運動は、前後方向に往復運動する羽ばたき方の前方の切り返し点の位置が異なっている2種類の羽ばたき方の組み合わせによって実現される。なお、旋回起動羽ばたきと立て直し羽ばたきとは、水平面内の前後方向に延びる浮上移動装置の中心軸を基準として、左右対称になっている。
なお、以後、図13に示される水平面内の左右方向に延びる浮上移動装置の中心軸に対して前後対称の振幅の羽ばたき方を通常羽ばたきという。また、通常羽ばたきに比較して前方の振幅が大きくなっている図16に示される羽ばたき方を拡大羽ばたきという。また、通常羽ばたきに比較して前方の振幅が小さくなっている図17に示される羽ばたき方を縮小羽ばたきという。
以下、上記羽ばたき方による旋回の実現手法を詳細に説明する。但し、以下に示される羽ばたき方は、一具体例であり、本発明の範囲は以下の羽ばたき方に制限されるものではない。たとえば、回転角θ1L、θ2L、θ1R、およびθ2Rの値等は、アクチュエータの負荷特性等に依存して変更されるものであるが、説明の簡便のため、後述される単純な関数で表される値であるものとする。
通常羽ばたき
通常羽ばたきは、上述の回転角θ1およびθ2が、それぞれ、式(1):θ1=A×sin(2×π×f×t−Δφ)、および、式(2):θ2=A×sin(2×π×f×t+Δφ)によって表わされる単振動である羽ばたき方である。fは、羽部110の往復運動の周波数すなわち羽ばたき周波数であり、tは時間である。
A=π/4、f=40Hz、かつ、Δφ=0.111である場合の通常羽ばたきの回転角θ1およびθ2と時間との関係を図12に示す。また、通常羽ばたきの羽の先端の軌跡を図13に示す。
拡大羽ばたきおよび縮小羽ばたき
拡大羽ばたきおよび縮小羽ばたきは、羽ばたきの位相に合わせて変化するシフト角Sが式(3):S=B/2×(1−sin(2×π×f×t))によって表わされる場合に、回転角θ1およびθ2のそれぞれにシフト角Sが減算または加算された式によって表わされる羽ばたき方である。なお、拡大羽ばたきおよび縮小羽ばたきのそれぞれは、回転角θ1およびθ2を特定する前述の単振動の関数が、それぞれ、同一周期の単振動の関数で乗算または除算された式で表現されるものであってもよい。
つまり、前進、後退、またはホバリングのための左羽部および右羽部の動作のそれぞれは、連続関数である第1の周期関数(式(1)および式2(2)参照)によって表現される周期運動である。また、旋回起動羽ばたきの右羽部および左羽部のそれぞれの動作は、第1の周期関数と、連続関数であってゼロから始まりゼロで終わる第2の周期関数(式(3)参照)との和または差の関数によって表現される動作である。また、第1周期関数(式(1)および式2(2)参照)の周期と第2の周期関数(式(3)参照)の周期とは一致している。そのため、必要最低限の羽ばたき方の変更で右または左への旋回を実現することができる。
また、旋回起動羽ばたきの右羽部および左羽部のそれぞれの動作は、第1の周期関数と、1から始まり1で終わる第2の周期関数との乗算または除算の関数によって表現される動作であるとも考えられる。このときも、第1周期関数の周期と第2の周期関数の周期とは一致しているものとする。
なお、前述の第1の周期関数および第2の周期関数のそれぞれは、その微分された関数が連続関数であってかつゼロから始まりゼロで終わる関数である。したがって、羽ばたき方の変更で急激な加速度が右羽部および左羽部に生じることが防止されるため、浮上移動装置は、安定して右または左へ旋回することができる。
前述の3つの羽ばたき方の相違を明確にするために、通常羽ばたき、拡大羽ばたきおよび縮小羽ばたきのそれぞれの回転角θ1およびθ2と時間との関係を、図14および図15に示す。また、また、拡大羽ばたきの羽部110の先端部109の所定の点の軌跡を図16に示し、縮小羽ばたきの羽部110の先端部109の所定の点の軌跡を図17に示す。
各羽ばたきの切り替え
図13、図16および図17に示されるように、3つの羽ばたき方のいずれにおいても、後方切り返し点の回転角θの値は常に一定であるため、羽ばたき方の切り換えは、後方切り返し点に羽部110が到達した時点で行われるものとする。このようにすることによって、浮上移動装置は、羽部110の急な動きの変化または3つの羽ばたき方同士の整合をとるための補完的な羽ばたき方を行なう必要がない。そのため、羽ばたきの切り換えを容易に行なうことができる。
次に、シミュレーションの結果を用いて浮上移動装置の旋回運動の様子を説明する。
左旋回
左旋回のための羽部110の動作は次のようなものである。
(旋回前の羽ばたき)
まず、時刻t=36.5msecまで、気流を安定させるための準備羽ばたきの解析を行う。羽ばたき開始当初においては、気流が発生していない。この状態における羽ばたき飛行によって生じる気流は、周期運動の羽ばたき飛行によって行なわれるときの気流とは異なる。したがって、胴体が異常な運動を起こすことを回避する必要がある。したがって、前述の準備羽ばたきが行なわれる。この期間においては、胴体が拘束された状態で解析が行なわれる。
次に、時刻t=60msecまで、ホバリング飛行の1周期の解析が行なわれた後、旋回が行なわれる。この期間においては、図15に示すように、ヨー(Yaw)およびロール(Roll)は、それぞれ、ほとんど変化しない。つまり、浮上移動装置1はホバリングを行なっている。
(旋回起動羽ばたき)
まず、前半の2周期において、右の羽部110は拡大羽ばたきを行ない、左の羽部110は縮小羽ばたきを行なう。
(立て直し羽ばたき)
その後、後半の2周期においては、右の羽部110は縮小羽ばたきを行ない、左の羽部110は拡大羽ばたきを行なう。
図19〜図21は、以上の一連の流体・構造連成Free−Fightシミュレーションによって算出された羽部110の先端部109の変遷を示す図である。図19は、浮上移動装置が左の羽部110および右の羽部110に左右対称な羽ばたき方をさせるときの羽部110の先端部109の所定の点の軌跡を示す図である。図20は、旋回起動羽ばたきのときの羽部110の先端部109の所定の点の軌跡を示す図である。図21は、立て直し羽ばたきのときの羽部110の先端部109の所定の点の軌跡を示す図である。
浮上移動装置は、左旋回するときには、旋回起動羽ばたきによって、まず、進行方向に向かって反時計回りに大きくロール運動を行なう。それにより、浮上移動装置の姿勢が傾く。つまり、左の羽部110が右の羽部110に対して下がる。次に、前述のロール運動による姿勢の傾きを相殺するために、立て直し羽ばたきが行なわれる。立て直し羽ばたきによって浮上移動装置の姿勢が復元される。つまり、左の羽部110が右の羽部110の高さ位置と同じ高さ位置に戻る。その結果、浮上移動装置は、落下することなく、大きく左へ旋回することができる。
一方、右旋回の場合には、左旋回の場合とは逆に、旋回起動羽ばたきの際には、右の羽部100が縮小羽ばたきを行ない、左の羽部110が拡大羽ばたきを行なう。また、立て直し羽ばたきの際には、右の羽部110が拡大羽ばたきを行ない、左の羽部110は縮小羽ばたきを行なう。
前述の左旋回の羽ばたき方と右旋回の羽ばたき方とは、本体800の鉛直方向(上下方向)の中心軸および前後方向の中心軸を含む平面に対して鏡面対称の羽ばたき方である。
その他の羽ばたき方
浮上移動装置の旋回のための羽ばたき方においては、旋回羽ばたきと立て直し羽ばたきとが、それぞれ、左右非対称な羽ばたき動作であればよい。本実施の形態の羽ばたき方とは逆に、羽部110の動作が左右方向の中心軸に対して前後対称である羽ばたき方を通常羽ばたき、通常羽ばたきに比較して左右方向の中心軸に対してより大きく後方に羽部110を動かす羽ばたき方を拡大羽ばたき、かつ、通常羽ばたきに比較して左右方向の中心軸に対してより小さく後方に羽部110を動かす羽ばたき方を縮小羽ばたきとして、左右の旋回を行なってもよい。つまり、前方の切り返し点が一定であり、後方の切り返し点の変更によって、3つの羽ばたき方が変更される浮上移動装置であっても、本発明の目的を達成することは可能である。
その他
上記一連の羽ばたき手法は、解析の便宜ために示された一例であり、旋回起動羽ばたきの後に、立て直し羽ばたきが行われる手順で行なわれる羽ばたき方であれば、羽ばたき方は上記の羽ばたき方に限定されず、いかなる羽ばたき方が採用されてもよい。
本実施の形態では、解析の都合上、旋回起動羽ばたきおよび立て直し羽ばたきは、2周期ずつ行なわれているが、これは目的とする旋回角および飛行の安定性等によって決まるものであり、前述の数値に拘束されるものではない。また、これらの数値は整数である必要はない。また、本実施の形態では、羽部の動作の作成の簡便さから、後方の切り返し点に変化はなく、前方の切り返し点のみ移動させるものとしたが、後方の切り返し点も変更されてもよい。
ただし、羽部を駆動する手法の容易性を考慮すると、羽部の角速度が連続的に変化するような羽部の動作が採用されることが望ましい。その意味では、本実施の形態に示されるように、羽部の後方の切り返し点が変化せず、かつ、後方の切り返し点で羽部の動作が切り換えられる手法であれば、常に羽部の角速度が連続的に変化する羽部の動作は、最も簡便に作成される。
なお、羽ばたき浮上移動装置は、上記の羽ばたき方のデータが記憶された記憶手段と、この記憶手段を参照し、アクチュエータ駆動信号に置き換える演算手段とを備えている。
次に、本実施の形態の浮上移動装置の旋回制御処理を図22および図23を用いて説明する。
まず、本実施の形態の浮上移動装置1のシステム構成を図22に示すブロック図を用いて説明する。
本実施の形態の羽部110は、その羽軸部101が駆動部に接続されている。
駆動部は、前述のように、第1の駆動部1001、第2の駆動部1002、および駆動機構部800を有している。駆動部は、制御装置100から駆動信号を受ける。制御装置100は、タイマ、選択手段、および記憶手段を有している。選択手段は、タイマから得られる計時信号に従って、所定の時間に達した場合に、直進、後退、ホバリング、左旋回、および右旋回のうちいずれか1の羽ばたき方を選択する。また、記憶手段には、羽部110に通常羽ばたきのデータ、羽部110に縮小羽ばたきのデータ、および羽部110に拡大羽ばたきのデータが記憶されている。
通常羽ばたきのデータとは、羽部110に通常羽ばたきを行なわせるために、第1の駆動部1001および第2の駆動部1002がどのように動作すべきかを特定可能なデータである。また、縮小羽ばたきのデータとは、羽部110に縮小羽ばたきを行なわせるために、第1の駆動部1001および第2の駆動部1002がどのように動作すべきかを特定可能なデータである。また、拡大羽ばたきのデータとは、羽部110に拡大羽ばたきを行なわせるために、第1の駆動部1001、および第2の駆動部1002がどのように動作すべきかを特定可能なデータである。
図22において、矢印で示すように、制御装置100が、第1の駆動部1001および第2の駆動部1002のそれぞれに羽ばたき方を特定可能なデータを出力することによって、第1の駆動部1001および第2の駆動部1002のそれぞれが前述のデータに従って動作し、それに伴って、羽部100が所定の羽ばたき方を行なう。したがって、選択手段が、直進、後退、ホバリング、左旋回、および右旋回のうちいずれを選択するかによって、左右の羽部110のそれぞれの羽ばたき方が異なる。また、前述のように、浮上移動装置が、直進、後退、またはホバリングする場合には、左右の駆動部の双方に、通常羽ばたきのデータが出力される。また、浮上移動装置が左右のいずれかに旋回する場合には、左右の駆動部のうちのいずれか一方に拡大羽ばたきまたは縮小羽ばたきのデータが出力されるとともに、左右の駆動部のうちの他方に縮小羽ばたきまたは拡大羽ばたきのデータが出力される。
次に、図23に示すフローチャートを用いて、浮上移動装置が旋回する場合の制御を説明する。
まず、S1において、浮上移動装置が直進、後退またはホバリングするための動作を行なうべきか否かが判別される。S1において、浮上移動装置が直進、後退、またはホバリングをすべきであると判定された場合には、S2において、左の駆動部および右の駆動部のそれぞれに、通常羽ばたきのデータが送信される。したがって、現時点が直進、後退、またはホバリングのためのタイミングであると判定された場合には、左の羽部110および右の羽部110の双方が、通常羽ばたきのデータに従って動作する。このとき、左右の羽部110は、左右対称な動作をするため、浮上移動装置は左および右のいずれにも旋回することなく、直進、後退、またはホバリングする。
また、S1において、現時点が直進、後退、またはホバリングするタイミングでないと判定されれば、S3の処理が実行される。S3においては、左旋回すべきことが決定されており、かつ、現時点が切返しのタイミングであるか否かが判別される。S3において、左旋回することが決定されておらず、または、現時点が切返しのタイミングでないと判定されれば、S8の処理が実行されるが、一方、S3において、左旋回すべきことが決定されておりかつ現時点が切返しのタイミングであると判定されれば、S4の処理が実行される。S4においては、左の駆動部に縮小羽ばたきのデータが送信され、右の駆動部に拡大羽ばたきのデータが送信される。これにより、左右の羽部110は左旋回のための旋回起動羽ばたきの動作を開始する。
次に、S5において、左旋回のための旋回起動羽ばたきの動作が開始された後所定時間Tが経過したか否かが判別される。S5において、所定時間Tが経過していなければS4およびS5の処理が繰返される。つまり、S4およびS5において、所定時間Tの期間において、左の羽部110が、縮小羽ばたきのデータに基づいて動作し、右の羽部110が拡大羽ばたきのデータに基づいて動作する。言い換えれば、所定時間Tの期間において、浮上移動装置は左へ旋回するために旋回起動はばたきを実行する。
次に、S6において、左の駆動部に対して拡大羽ばたきのデータが出力される。また、右の駆動部に対して縮小羽ばたきのデータが出力される。したがって、S4の処理とは逆に、左羽部110は、拡大羽ばたきのデータに基づいて動作し、右の羽部110は、縮小羽ばたきのデータに基づいて動作する。これにより、浮上移動装置は、立て直し羽ばたきのための動作を開始する。したがって、浮上移動装置の姿勢は、左の羽部110が右の羽部110に対して下方に下がっている状態から左右の羽部110がほぼ同一高さにある状態へ戻される。
また、S8においては、右旋回することが決定されておりかつ現時点が切返しのタイミングであるか否かが判別される。S8において、右旋回されていることが決定されていないか、または、現時点が切返しのタイミングでなければ、再びS1の処理が実行される。また、S8において、右旋回すべきことが決定されておりかつ現時点が切返しのタイミングであると判定されれば、S9の処理が実行される。S9においては、左の駆動部に拡大羽ばたきのデータが出力され、右の駆動部に縮小羽ばたきのデータが出力される。したがって、左の羽部110は、拡大羽ばたきのデータに基づいて動作し、右の羽部110は、縮小羽ばたきのデータに基づいて動作する。その結果、浮上移動装置は右へ旋回するために旋回起動羽ばたきを開始する。
次に、S10において、右旋回のための旋回起動羽ばたきの動作が開始されてから所定時間Kが経過したか否かが判別される。S10において、所定時間Kが経過していると判定されるまで、S9およびS10の処理が繰返される。つまり、S9およびS10の処理において、所定時間Kの期間において右旋回のための旋回起動羽ばたきの動作が実行される。
また、S10において、所定時間Kが経過していると判定されれば、S11において、縮小羽ばたきのデータが左の駆動部に出力される。また、右の駆動部には、拡大羽ばたきのデータが出力される。これにより、浮上移動装置は、立て直し羽ばたきの動作を開始する。次に、S12において、立て直し羽ばたきが開始された後所定時間Kが経過したか否かが判別される。S12において、所定時間Kが経過していなければ、S11およびS12の処理が繰返される。また、S12において、所定時間Kが経過していれば、S1の処理が実行される。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、空間を自由に羽ばたき飛行することができる移動装置を提供することができる。
実施の形態の浮上移動装置の全体を示す図である。 図1に示す浮上移動装置の駆動機構部を示す拡大図である。 図2に示す駆動機構部の第2のヒンジ部の位置角ωと羽膜部の捻り角αとの関係を示すグラフである。 図2に示す駆動機構部の第2のヒンジ部の位置角ωと羽膜部の捻り角αとの関係を示す他のグラフである。 実施の形態1の駆動機構部を示す図である。 図5に示す駆動機構部の第1の回転部材に一定のトルクを与えた場合の構造解析の結果を示す図である。 図5に示す駆動機構部の第1の回転部材に図6に示す駆動機構部の第1の回転部材に与えたトルクの方向とは逆方向に一定のトルクを与えた場合の構造解析の結果を示す図である。 羽軸部の往復運動に伴って、羽膜部がどのように変化するかを説明するための図である。 浮上移動装置の羽面部に生じる流体の流れを説明するための図である。 羽ばたき角と捻り角とを説明するための図である。 従来の旋回方法を説明するための図である。 回転角θ1と回転角θ2との関係を示すグラフである。 通常羽ばたきの羽部の先端の軌跡を示す図である。 拡大羽ばたき、縮小羽ばたき、および通常羽ばたきのそれぞれにおいて、回転角θ1がどのように変化するかを示す図である。 拡大羽ばたき、縮小羽ばたき、および通常羽ばたきのそれぞれにおいて、回転角θ2がどのように変化するかを示す図である。 拡大羽ばたきの羽部の先端の軌跡を示す図である。 縮小羽ばたきの羽部の先端の軌跡を示す図である。 対称羽ばたき、旋回起動羽ばたき、および立て直し羽ばたきのそれぞれによって、ピッチ、ヨー、およびロールがどのように変化するかを示すグラフであって、シミュレーションの結果を示す図である。 対称羽ばたきの羽部の先端の軌跡を示す図である。 旋回起動羽ばたきの羽部の先端の軌跡を示す図である。 立て直し羽ばたきの羽部の先端の軌跡を示す図である。 実施の形態の浮上移動装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。 実施の形態の旋回制御処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
100 羽膜部、101 羽軸部、102 第1の回転部材、103 第1のヒンジ部、104 第1の中間部材、105 第2のヒンジ部、106 第2の中間部材、107 第3のヒンジ部、108 第2の回転部材、109 先端部、110 羽部、500 本体、800 駆動機構部、1001 第1の駆動部、1002 第2の駆動部。

Claims (13)

  1. 流体が存在する空間は羽ばたくための右羽部および左羽部と、
    前記右羽部を駆動する右駆動部と、
    前記左羽部を駆動する左駆動部と、
    前記右駆動部および前記左駆動部を制御する制御装置とを備えた浮上移動装置であって、
    前記制御装置は、
    前記右羽部および前記左羽部が前記浮上移動装置の姿勢を変化させる第1の羽ばたき動作をするように前記右駆動部および前記左駆動部を制御する手段と、
    前記右羽部および前記左羽部が前記第1の羽ばたき動作による前記浮上移動装置の姿勢の変化の一部を相殺する第2の羽ばたき動作をするように前記右駆動部および前記左駆動部を制御する手段とを含み、
    前記右羽部および前記左羽部が前記第1の羽ばたき動作をするように前記右駆動部および前記左駆動部を制御した後に、前記右羽部および前記左羽部が前記第2の羽ばたき動作をするように前記右駆動部および前記左駆動部を制御することによって、前記浮上移動装置の移動方向を変化させる、浮上移動装置。
  2. 前記第1の羽ばたき動作と前記第2の羽ばたき動作とは、互いに逆向きのロール軸まわりの回転加速度を前記浮上移動装置に与える、請求項1に記載の浮上移動装置。
  3. 流体が存在する空間は羽ばたくための右羽部および左羽部と、
    前記右羽部を駆動する右駆動部と、
    前記左羽部を駆動する左駆動部と、
    前記右駆動部および前記左駆動部を制御する制御装置とを備えた浮上移動装置であって、
    前記制御装置は、
    前記右羽部および前記左羽部が、左右対称な動作であって、当該浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングするための動作をするように、前記右駆動部および前記左駆動部を制御する手段と、
    当該浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングしているときに、前記右羽部および前記左羽部が、左右非対称な動作をするように、前記右駆駆動部および前記左駆動部を制御する手段と、
    前記左右非対称な動作の後、前記右羽部および前記左羽部が、前記左右非対称な動作と前記浮上移動装置の上下方向および前後方向を含む面に対して鏡面対称な動作をするように、前記右駆動部および前記左駆動部を制御する手段とを含む、浮上移動装置。
  4. 前記左右非対称な動作は、前記前進、前記後退、または前記ホバリングのための動作との比較において、前記右羽部および前記左羽部のうち少なくともいずれか一方のストロークが拡大または縮小された動作である、請求項3に記載の浮上移動装置。
  5. 前記前進、前記後退、または前記ホバリングのための前記左羽部および前記右羽部の動作のそれぞれは、連続関数である第1の周期関数によって表現され、
    前記左右非対称な動作における前記右羽部および前記左羽部のそれぞれの動作は、前記第1の周期関数と、連続関数であってゼロから始まりゼロで終わる第2の周期関数との和または差の関数によって表現される動作である、請求項4に記載の浮上移動装置。
  6. 前記前進、前記後退、または前記ホバリングのための前記左羽部および前記右羽部のそれぞれの動作が、連続関数である第1周期関数で表現され、
    前記左右対称な動作における前記右羽部および前記左羽部のそれぞれの動作は、前記第1の周期関数と、連続関数であって1から始まり1で終わる第2の周期関数との乗算または除算の関数によって表現される動作である、請求項4に記載の浮上移動装置。
  7. 前記第1の周期関数および第2の周期関数のそれぞれは、その微分された関数が連続関数であってかつゼロから始まりゼロで終わる関数である、請求項5または6に記載の浮上移動装置。
  8. 前記第1周期関数の周期と前記第2の周期関数の周期とは一致している、請求項5〜7のいずれかに記載の浮上移動装置。
  9. 前記ストロークの拡大または縮小は、前記右羽部および前記左羽部のそれぞれの前方または後方の切り返し点の変更によって行なわれる、請求項4に記載の浮上移動装置。
  10. 前記左右非対称な動作は、前記右羽および前記左羽部のうち所望する旋回方向とは反対側に位置する羽部の前方の切り返し点を前方へ移動させた動作であり、
    前記鏡面対称な動作は、前記羽部とは反対側に位置する羽部の前方の切り返し点を前方へ移動させた動作である、請求項9に記載の浮上移動装置。
  11. 前記左右非対称な動作は、前記右羽および前記左羽部のうち所望する旋回方向とは反対側に位置する羽部の後方の切り返し点を後方へ移動させた動作であり、
    前記鏡面対称な動作は、前記羽部とは反対側に位置する羽部の後方の切り返し点を後方へ移動させた動作である、請求項9に記載の浮上移動装置。
  12. 前記制御装置は、前記右羽部および前記左羽部のそれぞれの後方の切り返し点において、前記左右非対称な動作と前記鏡面対称な動作とが切り換えられるように、前記右駆動部および前記左駆動部を制御する、請求項10に記載の浮上移動装置。
  13. 流体が存在する空間は羽ばたくための右羽部および左羽部と、
    前記右羽部を駆動する右駆動部と、
    前記左羽部を駆動する左駆動部と、
    前記右駆動部および前記左駆動部を制御する制御装置とを備えた浮上移動装置の旋回方法であって、
    前記制御装置は、
    前記右羽部および前記左羽部が、左右対称な動作であって、当該浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングするための動作をするように、前記右駆動部および前記左駆動部を制御するステップと、
    当該浮上移動装置が前進、後退、またはホバリングしているときに、前記右羽部および前記左羽部が、左右非対称な動作をするように、前記右駆駆動部および前記左駆動部を制御するステップと、
    前記左右非対称な動作の後、前記右羽部および前記左羽部が、前記左右非対称な動作と前記浮上移動装置の上下方向および前後方向を含む面に対して鏡面対称な動作をするように、前記右駆動部および前記左駆動部を制御するステップとを実行する、浮上移動装置の旋回方法。
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