JP4408004B2 - ドラム式ショット投射処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークにショットピーニング、ショットブラスト等の投射処理を施すためのドラム式ショット投射処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドラム式ショット投射処理装置(単に、投射処理装置ともいう)の一例について図14を参照して説明する。図14は投射処理装置の1サイクル工程(a)〜(d)を示す略示図である。
図14(a)に示す工程では、投射処理装置1の起動と同時に、扉5が開放される。投射処理装置1内には、ほぼ有底円筒状のドラム2が装備されている。ドラム2内に、複数のワークW(図16参照)が投入される。なお、ドラム2の軸線は、例えば鉛直線に対し30°程度傾斜しており、ドラム2の上面開口部が斜め上方に向けられている。
【0003】
次に、図14(b)に示す工程では、ドラム2が鉛直線回りに約90°方向転換され、ドラム2の上面開口部がショット投射装置6に指向されるとともに、扉5が閉止される。続いて、ドラム2が軸線回りに回転されながら、ショット投射装置6から例えば鉄球等のショット7がドラム2内に投射される。なお、ドラム2は、軸線回りに回転しながら上面開口部を上下方向に移動する方向にも所定角度(例えば、±5°程度)の範囲内で揺動される。
【0004】
上記ショット7の所定時間の投射を終えたならば、ショット投射装置6を停止する。その後も、ドラム2を継続的に所定時間だけ軸線回りに回転させることにより、ドラム2内に残留したショット7をショット抜き孔(後述する)を通してドラム外へ放出させる。
次に、図14(c)に示す工程では、ドラム2の軸線回りに回転が停止された後、扉5が開放されるとともに、ドラム2が鉛直線回りに約90°逆転される。
【0005】
次に、図14(d)に示す工程では、ドラム2が軸線回りに回転されながら上面開口部を下方に指向するように水平軸回りに回転されることによって、ワークWが排出され、その後、ドラム2の軸回りの回転が停止される。さらに、ドラム2が水平軸回りに逆転されて、図14(a)に示す原位置に復帰される。
上記のようにして、投射処理の1サイクルを完了し、次の投射処理のサイクルに進む。
【0006】
上記したショット投射処理装置1(図14(a)〜(d)参照)に装備されたドラム2の従来例が図15に断面図で示されている。図15において、ドラム2は、底板部21と斜板部23と側板部25とを有している。
底板部21は、ほぼ円板状に形成されている。
また、斜板部23は、ほぼ逆円錐筒状に形成されている。斜板部23の下縁と底板部21の外周縁とが接続されている。
また、側板部25は、ほぼ円筒状に形成されている。側板部25の下縁と斜板部23の上縁とが接続されている。
また、斜板部23の上半部及び側板部25の下半部は、ほぼパンチングメタル状に形成されており、全周に渡って多数のショット抜き孔2aを有している。したがって、ドラム2内に投射されたショット7(図14(b)参照)は、ショット抜き孔2aを通ってドラム外に放出される。
【0007】
また、上記ショット投射処理装置1(図14(a)〜(d)参照)によって例えばショットピーニングという投射処理が施されるワークWの一例が、図16に斜視図で示されている。このワーク(符号、Wを付す)は、自動車のオートマチックトランスミッション内に組込まれるクラッチクッションプレートであって、ほぼリング板状に形成されている。なお図15には、多数のワークW(図16参照)からなるワーク群WGが二点鎖線で示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のショット投射処理装置1(図14(a)〜(d)参照)のドラム2(図15参照)では、軸線CL(図15参照)回りに回転させても、投入したワークW(図16参照)がドラム2内を滑り易いためにワークを十分に攪拌することができなかった。このため、ワークWに対するショット7(図14(b)参照)の投射斑が発生し、ワークWに均一な投射処理を施すことが困難になっていた。
【0009】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ドラムの回転によるワークの攪拌性を向上して、ワークに均一な投射処理を施すことのできるドラム式ショット投射処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する請求項1に記載された発明は、
リング板状の多数のワークが重なり合うように投入された有底円筒状のドラムを、その上面開口部が斜め上方に向けられた状態で回転させながら、前記ドラム内にショットを投射することにより、ワークに投射処理を施すドラム式ショット投射処理装置であって、
前記ドラムは、円板状の底板部と、その底板部の外周縁に下縁が接続された逆円錐筒状の斜板部と、その斜板部の上縁に下縁が接続された円筒状の側板部とを有し、
前記ドラムの斜板部の内側面には、そのドラムの回転によりワークに当接可能な横ずらし用突起部が設けられ、
前記横ずらし用突起部は、所定の高さ及び所定の長さの縦片を有する型材により形成され、前記ドラムの斜板部の内側面にその下端部がその上端部よりもドラムの回転方向前方に位置するように傾斜状に設けられ、
前記ドラムの回転により前記ワークが前記横ずらし用突起部の縦片に当接しかつその横ずらし用突起部の縦片を横方向に擦り抜けるようにして流下する構成とした
ことを特徴とするドラム式ショット投射処理装置である。
このように構成すると、ドラムの回転によりワークに対し横ずらし用突起部の縦片が当接し、そのワークが横ずらし用突起部の縦片を横方向に擦り抜けるようにして流下することによって、ドラムの回転によるワークの攪拌性が向上される。このため、ワークに対するショットの投射斑を改善し、ワークに均一な投射処理を施すことができる。
【0011】
請求項2に記載された発明は、
請求項1に記載のドラム式ショット投射処理装置であって、
前記ドラムの下半部の内側面には、そのドラムの回転により前記重なり合うワークのうちの下層部のワークに対し当接可能な分離用突起部が設けられ、
前記分離用突起部は、所定の高さ及び所定の長さを有する棒材により形成され、前記ドラムの下半部の内側面にその下端部がその上端部よりもドラムの回転方向前方に位置するように傾斜状に設けられ、
前記ドラムの回転により前記重なり合うワークのうちの下層部のワークが前記分離用突起部に当接して押上げられる一方、前記分離用突起部に当接しない上層部のワークがその自重により分離用突起部上を流下する構成とした
ことを特徴とするドラム式ショット投射処理装置である。
このように構成すると、ドラムの回転により重なり合うワークのうちの下層部のワークに対し分離用突起部が当接し、そのワークが押上げられる一方、その分離用突起部に当接しない上層部のワークがその自重により流下することにより、重なり合うワークが分離されることによって、ドラムの回転によるワークの攪拌性が向上される
【0012】
請求項3に記載された発明は、
請求項1又は2に記載のドラム式ショット投射処理装置であって、
前記ドラムの下半部の内側面及び斜板部の内側面には、そのドラムの回転により前記ワークに当接可能な反転用突起部が設けられ、
前記反転用突起部は、所定の高さ及び所定の長さの縦片を有する型材により形成され、前記ドラムの下半部の内側面及び斜板部の内側面にその下端部がその上端部よりもドラムの回転方向前方に位置するように傾斜状に設けられ、
前記ドラムの回転により前記ワークが前記反転用突起部の縦片に当接して押上げられていくにしたがって反転されながら落下する構成とした
ことを特徴とするドラム式ショット投射処理装置である。
このように構成すると、ドラムの回転によりワークに対し反転用突起部の縦片が当接し、そのワークが押上げられていくにしたがって反転されながら落下することによって、ドラムの回転によるワークの攪拌性が向上される
【0013】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1について説明する。実施の形態1は従来例で述べたショット投射処理装置1(図14(a)〜(d)参照)のドラム2を流用したものであるからその変更部分について詳述し、重複する説明は省略する。図1にショット投射処理装置のドラムの断面図、図2に同じくドラムの内側面の展開図が示されている。なお、実施の形態1は本発明の関連技術である。
【0014】
図1及び図2に示すように、ドラム2における側板部25の下半部の内側面には、分離用リブ部材31と第1の反転部材32とが交互にほぼ等間隔(本実施の形態の場合、90°間隔)で各2本ずつ計4本設けられている。さらに、ドラム2における斜板部23の内側面には、2本の第2の反転部材33がほぼ等間隔(本実施の形態の場合、180°間隔)で設けられている。以下、分離用リブ部材31、第1の反転部材32、第2の反転部材33の順に説明する。
【0015】
まず、分離用リブ部材31を説明する。分離用リブ部材31は、図3に斜視図で示すように、角棒材により形成されている。なお、分離用リブ部材31の両端部の上隅角部分は切り落とされている。
分離用リブ部材31は、図2に示すように、前記ドラム2における側板部25の下半部の内側面に対し傾斜状に接合されている。分離用リブ部材31の下端部は、その上端部よりもドラム2の回転方向前方に位置している。分離用リブ部材31の傾斜角θは、例えば、37.5°に設定されている。なお、分離用リブ部材31は本明細書でいう「分離用突起部」に相当する。
【0016】
次に、第1の反転部材32を説明する。第1の反転部材32は、図4に斜視図で示すように、縦片32a及び横片32bを有するL型材により形成されている。
第1の反転部材32における横片32bは、図2に示すように、前記ドラム2における側板部25の下半部の内側面に対し傾斜状に接合されている。第1の反転部材32は、前記分離用リブ部材31と平行状をなしている。第1の反転部材32の縦片32aは、横片32bに対してドラム2の回転方向前側に位置されている。
【0017】
次に、第2の反転部材33を説明する。第2の反転部材33は、図5に斜視図で示すように、前記第1の反転部材32と同様、縦片33a及び横片33bを有するL型材によって形成されている。
第2の反転部材33における横片33bは、図2に示すように、前記ドラム2における斜板部23の内側面に対し傾斜状に接合されている。第2の反転部材33は、図1に示すように、前記第1の反転部材32に対し一連状に接合されている。なお、第2の反転部材33の縦片33aは、横片33bに対してドラム2の回転方向前側に位置されている。
【0018】
上記した一連状をなす両反転部材32,33によって、反転用羽根部材(符号、34を付す)が形成されている。なお、反転用羽根部材34の縦片32a,33aは本明細書でいう「反転用突起部」に相当する。なお、各反転部材32,33の縦片32a,33aは、各横片32b,33bに対してドラム2の回転方向後側に位置させてもよい。
【0019】
上記したドラム2を備えたショット投射処理装置1(図14(a)〜(d)参照)は、従来例で述べたように、複数のワークW(図16参照)を投入した状態でドラム2を回転させながらショット7(図14(b)参照)を投射することにより、ワークWに投射処理が施される。なおドラム2には、例えば150〜200枚程度のワークWが投入される。
【0020】
前記ドラム2(図1参照)の回転(軸線CL(図1参照)回りの回転)により、そのドラム2の下部において重なり合う複数のワークWからなるワーク群WGのうちの下層部のワークW(図16参照)に対し分離用リブ部材31が当接する。すると、図6に作用説明図で示すように、分離用リブ部材31に当接するワークW(図6中の符号Wに(a)を付す)は、ドラム2の回転方向前方へ押上げられていくとともに、その分離用リブ部材31に当接しないワークW(図6中の符号Wに(b)を付す)は、その自重により流下していく(図6中、矢印B参照)。
【0021】
上記のように、重なり合うワークWが分離されることによって、ドラム2の回転によるワークWの攪拌性が向上される。このため、ワークWに対するショット7(図14(b)参照)の投射斑を改善し、ワークWに均一な投射処理を施すことができる。
なお、分離用リブ部材31によって押上げられる一部のワークWは、後述する反転用羽根部材34(図7参照)の場合と同様、ドラム2の上部に近づくにしたがってその自重により表裏反転して落下する。
【0022】
また、前記ドラム2(図1参照)の回転(軸線CL(図1参照)回りの回転)により、そのドラム2の下部において重なり合う複数のワーク群WGの各ワークW(図16参照)に対し反転用羽根部材34の縦片32a,33aが当接する。すると、図7に作用説明図で示すように、反転用羽根部材34の縦片32a,33aに当接した各ワークWは、ドラム2の回転方向前方へそのドラム2の回転による慣性力で押上げられていくにしたがって表裏反転されながら落下する(図7中、二点鎖線W(c)及び矢印C参照)。
【0023】
上記のように、ワークWが表裏反転されることによって、ドラム2の回転によるワークWの攪拌性が向上される。このため、ワークWの表裏に対するショット7(図14(b)参照)の投射斑を改善し、ワークWの表裏に均一な投射処理を施すことができる。
【0024】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1で述べたドラム(図1参照)の一部を変更したものであるからその変更部分について詳述し、重複する説明は省略する。図8にショット投射処理装置1のドラム2の断面図、図9に同じくドラム2の内側面の展開図が示されている。
【0025】
すなわち、図8及び図9に示すように、実施の形態1(図1及び図2参照)における2個のうち一方の反転用羽根部材34の第1の反転部材32を分離用リブ部材31に置き換えたものである。これにより、その分離用リブ部材31に対し連続状をなす第2の反転部材33は、独立的な部材となり、横ずらし用羽根部材33(第2の反転部材と同一符号を付す)して形成されている。なお、横ずらし用羽根部材33の縦片33aは本明細書でいう「横ずらし用突起部」に相当する。
【0026】
実施の形態2によっても実施の形態1とほぼ同等の作用効果が得られる。
さらに、ドラム2(図8参照)の回転(軸線CL(図8参照)回りの回転)により、そのドラム2の下部において重なり合う複数のワーク群WGの各ワークW(図16参照)に対し横ずらし用羽根部材33の縦片33aが当接する。すると、図10に作用説明図で示すように、横ずらし用羽根部材33の縦片33aに当接した各ワークWは、その縦片33aを横方向に擦り抜けるようにして流下する(図10中、二点鎖線W(d)及び矢印D参照)。
【0027】
上記のように、横方向に擦り抜けるようにして流下することによって、ドラム2の回転によるワークWの攪拌性が向上される。このため、ワークWに対するショット7(図14(b)参照)の投射斑を改善し、ワークWに均一な投射処理を施すことができる。
なお、横ずらし用羽根部材33の縦片33aによって押上げられる一部のワークWは、前記反転用羽根部材34(図7参照)の場合と同様、ドラム2の上部に近づくにしたがってその自重により表裏反転して落下する。
【0028】
ところで、従来例のドラム2(図15参照)と実施の形態1のドラム2(図1参照)と実施の形態2のドラム2(図8参照)をそれぞれ装備したショット投射処理装置1(図14(a)〜(d)参照)により、1回の投射処理をそれぞれ同様に施した場合のワークW(それぞれ従来のワーク、形態1のワーク、形態2のワークという)の理論上の標準偏差を求めたところ、図11に示す結果が得られた。なお、図11における「未処理のワーク」とは、投射処理前のワークWをいう。
【0029】
図11において、未処理のワークの標準偏差は0.028と小さいが、投射処理によって従来のワークの標準偏差は0.2に大きくなる。
しかし、従来のワークの標準偏差の0.2に比べ、形態1のワークの標準偏差は0.09と小さいため、均一な投射処理が施されることが判る。
さらに、形態1のワークの標準偏差の0.09に比べ、形態2のワークの標準偏差は0.085と小さいため、一層の均一な投射処理が施されることが判る。
【0030】
また、図11における理論上の標準偏差に基づいて良品率を求めたところ、図12の表が得られた。なお、未処理のワークの良品率を100%とした。
図12において、従来のワークは、投射処理回数が1回目、2回目、3回目と増えるほど、良品率が38.5%、60.2%、85.3%と順に高くなることが判る。
また、形態1のワークも、投射処理回数が1回目、2回目、3回目と増えるほど、良品率が73.5%、93.0%、99.5%と順に高くなることが判る。
また、形態2のワークも、投射処理回数が1回目、2回目、3回目と増えるほど、良品率が76.2%、94.3%、99.7%と順に高くなることが判る。
【0031】
さらに、投射処理回数が1回目では、従来のワーク、形態1のワーク、形態2のワークの順で、良品率が38.5%、73.5%、76.2%と順に高くなることが判る。
また、投射処理回数が2回目では、従来のワーク、形態1のワーク、形態2のワークの順で、良品率が60.2%、93.0%、94.3%と順に高くなることが判る。
また、投射処理回数が3回目では、従来のワーク、形態1のワーク、形態2のワークの順で、良品率が85.3%、99.5%、99.7%と順に高くなることが判る。
したがって、従来のワークに比べ、形態1のワークに均一な投射処理が施され、さらに、形態2のワークに一層の均一な投射処理が施されることが判る。
【0032】
ところで、実際の現場において、良品率が90%前後であれば完成品として扱えるとすると、従来のワークでは3回の投射処理が必要であるのに対し、形態1のワーク、形態2のワークでは2回の投射処理でよい。したがって、実施の形態1及び実施の形態2のショット投射処理装置によると、処理能力を向上することができる。
【0033】
また、実際の1回の投射処理による実験データに基づいて良品率を求めたところ、図13の表が得られた。なお、ワークWの調査数は60個である。また、プラス不良はプラス側にばらついたワークWの個数、マイナス不良はマイナス側のばらついたワークWの個数、良品はばらつきの許容範囲内にあるワークWの個数である。また、良品率は、
良品率=(良品数÷調査数)×100
で求められる。
【0034】
図13において、未処理のワークは、プラス不良が0個、良品が59個、マイナス不良が1個で、良品率が98%である。
また、従来のワークは、プラス不良が11個、良品が24個、マイナス不良が25個で、良品率が40%である。
また、従来のワークに比べ、形態1のワークは、プラス不良が1個に減り、良品が35個に増え、マイナス不良が24個に減るため、良品率が58%に向上したことが判る。
さらに、形態1のワークに比べ、形態2のワークは、プラス不良が2個に増えるものの、良品が48個に増え、マイナス不良が10個に減るため、良品率が80%に向上したことが判る。
したがって、分離用リブ部材31と反転用羽根部材34の二種類の部材を複合させたものよりも、分離用リブ部材31と横ずらし用突起部33と反転用羽根部材34の三種類の部材を複合させたものが好結果が得られた。
【0035】
ちなみに、上記実験に際し、1回の投射処理にかかるワークWの個数は60個で、ダミー品140個と合わせて200個とした。また、1回の投射処理にかかる時間は15分とした。
また前記ドラム2(図1、図8及び図15参照)は、例えば、JIS(日本工業規格)でいうところの機械構造用マンガン鋼鋼材(SMn80)により形成されている。
また、分離用リブ部材31、第1の反転部材32及び第2の反転部材33もドラム2と同じ材質で形成されている。
また前記ドラム2は、ショット投射処理装置1(図14(a)〜(d)参照)における電動モータ(図示省略)によって、例えば、軸線回りに毎分15〜20回回転される。
【0036】
また前記ドラム2(図1、図8及び図15参照)の各部の寸法を述べる。底板部21は、例えば、外径21dがφ340mm、厚さ21tが9mmで形成されている。
また斜板部23は、例えば、最小内径が底板部21の外径21dと同じφ340mm、最大外径が後述する側板部25の外径25dと同じφ700mm、高さ23hが180mm、幅23wが246mm、厚さ23tが6mmで形成されている。
また側板部25は、例えば、外径25dがφ700mm、高さ25hが620mm、厚さ25tが6mmで形成されている。
また、ドラム2のショット抜き孔2aは、例えばφ3.5mmで形成されている。
【0037】
また前記分離用リブ部材31(図3参照)は、例えば、高さ31hが30mm、幅(厚さ)31wが10mm、長さ31Lが366mmで形成されている。
また前記第1の反転部材32(図4参照)は、例えば、高さ32hが70mm、幅32wが50mm、長さ32Lが366mm、縦片32a及び横片32bの厚さ32tが10mmで形成されている。
また前記第2の反転部材33(図5参照)は、例えば、高さ33hが70mm、幅33wが50mm、長さ33Lが250mm、縦片33a及び横片33bの厚さ33tが10mmで形成されている。
【0038】
なお、前記ワークW(図16参照)は、例えば、JIS(日本工業規格)でいうところの炭素工具鋼鋼材(SK5M)により形成されている。ワークWのリング部分の概略寸法は、例えば、外径Wdがφ135.5mm、内径Wcがφ105.7mm、厚さWtが1.7mmで形成されている。ワークWは、自由状態では内径側に対し外径側が軸方向にずれていることによる自由高さ(厚さWt方向の高さ、図示省略)が2.35mmで形成されている。
【0039】
また、ショット7(図14(b)参照)には、例えば、0.2πmmの鉄球が用いられる。また、ショット投射装置6(図14(b)参照)によるショット7(図14(b)参照)の投射量は、例えば90kg/分で、ショット7(図14(b)参照)の投射速度は、例えば73m/秒である。また、ショット投射装置6のショット7(図14(b)参照)の投射口からワークWまでの距離は、約1mである。
【0040】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、ドラム2には、横ずらし用突起部(33)のみを設けたり、横ずらし用突起部(33)に分離用突起部(31)及び反転用突起部(34)の少なくとも一方の突起部を設けてもよい。また、分離用突起部(31)、反転用突起部(34)、横ずらし用突起部(33)の個数や配置位置は、適宜変更することができる。また、本発明のショット投射処理装置により処理するワークWは、自動車のオートマチックトランスミッションのクラッチクッションプレートに限定されるものではない。また、ドラム2に投入するワークWの個数も適宜変更することができる
【0041】
【発明の効果】
本発明のドラム式ショット投射処理装置によれば、ドラムの回転によりワークに対し横ずらし用突起部の縦片が当接し、そのワークが横ずらし用突起部の縦片を横方向に擦り抜けるようにして流下することによって、ドラムの回転によるワークの攪拌性が向上される。このため、ワークに対するショットの投射斑を改善し、ワークに均一な投射処理を施すことができる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るショット投射処理装置のドラムを示す断面図である。
【図2】ドラムの内側面を示す展開図である。
【図3】分離用リブ部材を示す斜視図である。
【図4】第1の反転部材を示す斜視図である。
【図5】第2の反転部材を示す斜視図である。
【図6】分離用リブ部材の作用説明図である。
【図7】反転用羽根部材の作用説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るショット投射処理装置のドラムを示す断面図である。
【図9】ドラムの内側面を示す展開図である。
【図10】横ずらし用案内部材の作用説明図である。
【図11】ワークの理論上の標準偏差を示す特性線図である。
【図12】ワークの理論上の標準偏差から良品率を求めた表である。
【図13】ワークの実際の実験データから良品率を求めたデータである。
【図14】ドラム式ショット投射処理装置の1サイクル工程を示す略示図である。
【図15】ドラムの従来例を示す断面図である。
【図16】ワークの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ショット投射処理装置
2 ドラム
7 ショット
31 分離用リブ部材(分離用突起部)
32 第1の反転部材
33 第2の反転部材(横ずらし用突起部)
34 反転用羽根部材(反転用突起部)
W ワーク

Claims (3)

  1. リング板状の多数のワークが重なり合うように投入された有底円筒状のドラムを、その上面開口部が斜め上方に向けられた状態で回転させながら、前記ドラム内にショットを投射することにより、ワークに投射処理を施すドラム式ショット投射処理装置であって、
    前記ドラムは、円板状の底板部と、その底板部の外周縁に下縁が接続された逆円錐筒状の斜板部と、その斜板部の上縁に下縁が接続された円筒状の側板部とを有し、
    前記ドラムの斜板部の内側面には、そのドラムの回転によりワークに当接可能な横ずらし用突起部が設けられ、
    前記横ずらし用突起部は、所定の高さ及び所定の長さの縦片を有する型材により形成され、前記ドラムの斜板部の内側面にその下端部がその上端部よりもドラムの回転方向前方に位置するように傾斜状に設けられ、
    前記ドラムの回転により前記ワークが前記横ずらし用突起部の縦片に当接しかつその横ずらし用突起部の縦片を横方向に擦り抜けるようにして流下する構成とした
    ことを特徴とするドラム式ショット投射処理装置。
  2. 請求項1に記載のドラム式ショット投射処理装置であって、
    前記ドラムの下半部の内側面には、そのドラムの回転により前記重なり合うワークのうちの下層部のワークに対し当接可能な分離用突起部が設けられ、
    前記分離用突起部は、所定の高さ及び所定の長さを有する棒材により形成され、前記ドラムの下半部の内側面にその下端部がその上端部よりもドラムの回転方向前方に位置するように傾斜状に設けられ、
    前記ドラムの回転により前記重なり合うワークのうちの下層部のワークが前記分離用突起部に当接して押上げられる一方、前記分離用突起部に当接しない上層部のワークがその自重により分離用突起部上を流下する構成とした
    ことを特徴とするドラム式ショット投射処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のドラム式ショット投射処理装置であって、
    前記ドラムの下半部の内側面及び斜板部の内側面には、そのドラムの回転により前記ワークに当接可能な反転用突起部が設けられ、
    前記反転用突起部は、所定の高さ及び所定の長さの縦片を有する型材により形成され、前記ドラムの下半部の内側面及び斜板部の内側面にその下端部がその上端部よりもドラムの回転方向前方に位置するように傾斜状に設けられ、
    前記ドラムの回転により前記ワークが前記反転用突起部の縦片に当接して押上げられていくにしたがって反転されながら落下する構成とした
    ことを特徴とするドラム式ショット投射処理装置。
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