JP4407422B2 - スイッチングハブ - Google Patents

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本発明は、1台に複数のフィルタリングデータベースを備えたスイッチングハブに係り、ステーションムーブに対処できるスイッチングハブに関する。
1台のスイッチングハブが複数のフィルタリングデータベース(以下、FDBという)を持っている場合がある。例えば、複数枚のラインカードを有し、各ラインカードが複数個のポートを有し、それぞれのラインカードが個別にFDBを備えたシャーシ型のスイッチングハブがある。この場合のFDBの登録内容について図2を用いて説明する。
スイッチングハブ1に含まれる複数枚のラインカード2のうち3枚のラインカード2が図示されている。各ラインカード2にはフロントエンド3が設けられており、それぞれのフロントエンド3がスイッチ機構4に接続されている。各々のラインカード2中にあるFDB5には図示左側から順に#1,#2,#3の番号が付いているものとする。
各ラインカード2にはそれぞれ複数個のポートが有るが、ここでは簡単のため、図示左側のラインカード2にポートa,bが有り、図示中央のラインカード2にポートc,dが有り、図示右側のラインカード2にポートe,fが有るものとする。各ポートには任意の端末6を接続することができる。ここでは、3台の端末6をUSER1,USER2,USER3と呼び、この符号はアドレスをも意味しているものとする。USER1は左側のラインカード2のポートaに接続され、USER2は中央のラインカード2のポートdに接続され、USER3は右側のラインカード2のポートfに接続されているものとする。
なお、各ラインカード2におけるFDBのアドレス学習及び宛先検索のアルゴリズムについては後述する。
今、USER1とUSER2とが及びUSER1とUSER3とが相互にユニキャストを用いて、即ち、パケットに送信元として自端末のアドレスと宛先として相手端末のアドレスを格納して通信を行っており、図示しない他の端末は通信をしていないものとする。スイッチ機構4はUSER1とUSER2との間のパケット転送(実線双方向矢印付き)及びUSER1とUSER3との間のパケット転送(破線双方向矢印付き)を行っていることになる。
FDB#1,#2,#3はアドレス学習及びエージング(一定期間内にパケットが来ない登録内容を抹消すること)を行うので、各FDB#1,#2,#3の登録内容は図示のようになっている。FDB#1にUSER1とポートaの組が登録されているのはUSER1が送信したパケットがポートaで受信されるからである。FDB#1にUSER2とポートdの組が登録されているのはUSER2が送信したパケットがスイッチ機構4から左側のラインカード2へ転送されてくるからである。同様に、FDB#2にはUSER1とポートaの組及びUSER2とポートdの組が登録されているが、USER3が送信したパケットはスイッチ機構4から中央のラインカード2へは転送されてこないので、FDB#2にはUSER3に関する情報は登録されていない。
特開2000−151671号公報
上記のような状態でUSER1が左側のラインカード2のポートaから中央のラインカード2のポートcへ接続先を変えたとする。これにより、図2の接続形態が図3の接続形態へと変わる。その接続変え(以下、ステーションムーブという)の瞬間には各FDB#1,#2,#3の登録内容は変化せず、図2と同じままである。このまま、USER1が全くパケットを送信しなければ、各FDB#1,#2,#3の登録内容は変化せず、仮にUSER2若しくはUSER3がUSER1に宛てたパケットを送信すると、これらのパケットはスイッチ機構4を介して左側のラインカード2へ転送され、USER1には到着しない。この状況は、USER1が全く接続を切ってしまった状態と同じである。その後、エージングにより各FDB#1,#2,#3からUSER1とポートaの組の登録内容が抹消されると、各ラインカード2においてUSER1に宛てたパケットがフラッディングされるようになり、ポートcに接続しているUSER1にもパケットは届くようになる。
一方、ステーションムーブの直後(エージング期間内)でもUSER1からUSER2若しくはUSER3への送信は可能である。例えば、ステーションムーブの直後にUSER1がUSER3に宛てたパケットを送信すると、このパケットが中央のラインカード2のポートcで受信されることにより、FDB#2にはUSER1とポートcの組が登録され、USER1とポートaの組の登録は抹消される。同時に、FDB#2にはUSER3に関する情報は登録されていないので、このパケットはフラッディングされる。このフラッディングにより、パケットはスイッチ機構4を介して左側及び右側のラインカード2へ転送され、これらのラインカード2においてはパケットが転送されてきたことにより、FDB#1,#3にUSER1とポートcの組が登録される。従って、これ以降はUSER2若しくはUSER3がUSER1に宛てたパケットを送信すると、これらのパケットは中央のラインカード2の内部で或いはスイッチ機構4を介して中央のラインカード2へ転送され、USER1に到着するようになる。
ところが、ステーションムーブの直後にUSER1がUSER2に宛てたパケットを送信すると、このパケットが中央のラインカード2のポートcで受信されることにより、FDB#2にはUSER1とポートcの組が登録され、USER1とポートaの組の登録は抹消される(図3の矢印31参照)。同時に、FDB#2にはUSER2とポートdの組が登録されているので、このパケットはポートdのみに転送される。これ以降はUSER2がUSER1に宛てたパケットを送信すると、このパケットは中央のラインカード2の内部でのみ転送され、USER1に到着するようになる。しかし、右側のラインカード2においてUSER3がUSER1に宛てたパケットを送信すると、このパケットはスイッチ機構4を介して左側のラインカード2へ転送され、USER1に到着することがない。つまり、図3に破線片方向矢印付きで示したUSER1からUSER3への送信が発生しない限り、USER3からUSER1への通信は×印32で示したように不可能である。
このように、USER1が左側のラインカード2のポートaから中央のラインカード2のポートcへステーションムーブをした場合、中央のラインカード2に接続しているUSER2がUSER1への通信を回復するチャンスに比べて、右側のラインカード2に接続しているUSER3がUSER1への通信を回復するチャンスは少ない。
従来、このようなステーションムーブに対処する方法として、ステーションムーブが起きたとき当該ラインカードのCPUが他のラインカードのCPUに対してFDBの学習内容を更新するよう命令を出すという方法、及びステーションムーブが起きたとき当該ラインカードから他のラインカードへ専用回線を通して専用パケットを送信してFDBの学習内容を更新するよう命令を出すという方法がある。しかし、CPUが処理を行う方法は時間がかかり問題である。また、専用パケットを送信する方法は専用回線を設ける必要があり問題である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ステーションムーブに対処できるスイッチングハブを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、それぞれ複数個のポートを持つ複数枚のカードとこれらカード間でパケットを転送するスイッチ機構とを備えたスイッチングハブであって、
各カードは、それぞれフィルタリングデータベースを有し、
各カードは、自カード内のポートでパケットを受信したときにはそのパケットから送信元アドレスを取得してこのアドレスとそのパケットを受信したポートとを対応付けて自カード内のフィルタリングデータベースに登録し、一方、スイッチ機構から当該カードへパケットが転送されてきたときにはそのパケットから送信元アドレスを取得してこのアドレスとそのパケットを受信した他カードのポートとを対応付けて自カード内のフィルタリングデータベースに登録し、
各カードは、自カード内のポートでパケットを受信したとき及び他カードから当該カードへパケットが転送されてきたときに自カード内のフィルタリングデータベースを参照することにより、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが自カード内のポートに対応しているときにはそのパケットを自カード内のみで当該ポートへ転送し、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが他カード内のポートに対応しているときにはそのパケットをスイッチ機構経由で他カードへ転送し、一方、スイッチ機構から転送されてきたパケットの宛先アドレスが自カード内のポートに対応しているときにはそのパケットを当該ポートへ転送し、
さらに、各カードは、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが自カード内のフィルタリングデータベースに登録されていないときにはそのパケットを当該受信ポートを除く自カード内の全てのポート及びスイッチ機構経由で全カードへ転送(フラッディング)するスイッチングハブにおいて、
各カードは、既に当該カードのいずれかのポートに対応付けて登録されている送信元アドレスを持つパケットが当該カードの他のポートで受信されたときにはこのパケットに学習用情報を付加してこの学習用情報付きパケットをスイッチ機構経由で全カードへ転送し、
各カードは、スイッチ機構から上記学習用情報付きパケットが転送されてきたときには上記フィルタリングデータベースの登録を行うと共にこのパケットから学習用情報を取り除くものである。
上記学習用情報はパケットのインターバル又はプリアンブル中に付加されてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)ステーションムーブが発生したときのアドレス情報の学習が的確に行われる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
今、図2に示されているスイッチングハブは本発明に係るスイッチングハブである。ここで、各ラインカード2におけるFDBのアドレス学習及び宛先検索並びにステーションムーブ時処理のアルゴリズムについて説明する。
まず、アドレス学習については次の通りである。
各カードは、自カード内のポートでパケットを受信したときにはそのパケットから送信元アドレスを取得してこのアドレスをそのパケットを受信したポートに対応付けて自カード内のフィルタリングデータベースに登録し、一方、スイッチ機構から当該カードへパケットが転送されてきたときにはそのパケットから送信元アドレスを取得してこのアドレスをそのパケットを受信した他カードのポートに対応付けて自カード内のフィルタリングデータベースに登録する。
次に、宛先検索については次の通りである。
各カードは、自カード内のポートでパケットを受信したとき及び他カードから当該カードへパケットが転送されてきたときに自カード内のフィルタリングデータベースを参照することにより、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが自カード内のポートに対応しているときにはそのパケットを自カード内のみで当該ポートへ転送し、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが他カード内のポートに対応しているときにはそのパケットをスイッチ機構経由で他カードへ転送し、一方、スイッチ機構から転送されてきたパケットの宛先アドレスが自カード内のポートに対応しているときにはそのパケットを当該ポートへ転送する。
次に、フラッディングについては次の通りである。
各カードは、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが自カード内のフィルタリングデータベースに登録されていないときにはそのパケットを当該受信ポートを除く自カード内の全てのポート及びスイッチ機構経由で全カードへ転送する。
次に、ステーションムーブ時処理については次の通りである。
各カードは、既に当該カードのいずれかのポートに対応付けて登録されている送信元アドレスを持つパケットが当該カードの他のポートで受信されたときにはこのパケットに学習用情報を付加してこの学習用情報付きパケットをスイッチ機構経由で全カードへ転送し、一方、スイッチ機構から学習用情報付きパケットが転送されてきたときにはこのパケットから学習用情報を取り除く。
以下、本発明のスイッチングハブの動作を説明する。
背景技術の欄で説明したケースと同様に、USER1とUSER2とが及びUSER1とUSER3とが相互にユニキャストにより通信を行っており、各FDB#1,#2,#3の登録内容は図示のようになっているものとし、その状態でUSER1が左側のラインカード2のポートaから中央のラインカード2のポートcへステーションムーブし、その直後にUSER1がUSER2に宛てたパケットを送信したとする。
本発明では、直前までポートaに対応付けて登録されていたUSER1からのパケットがポートcで受信されたことにより、FDB#2にはUSER1とポートcの組が登録され、USER1とポートaの組の登録は抹消される(図1の矢印11参照)。同時に、中央のラインカード2ではこのパケットに学習用情報を付加する。そして、ラインカード2は、この学習用情報付きパケットを実線片方向矢印付きで示すようにスイッチ機構4経由で全ラインカード2へ転送する。従って、左側のラインカード2及び右側のラインカード2には、それぞれこの学習用情報付きパケットが転送されてくる。
左側のラインカード2及び右側のラインカード2では、スイッチ機構4から転送されてきたパケットから送信元アドレスを取得してこのアドレスをそのパケットを受信した中央のラインカード2のポートcに対応付けてFDB#1,#3に登録し、USER1とポートaの組の登録は抹消する(図1の矢印12,13参照)。同時に、左側のラインカード2及び右側のラインカード2では、このパケットから学習用情報を取り除く。そして、学習用情報が取り除かれたこのパケットはUSER2に宛てたユニキャストのパケットであるから、ポートa,b,e,fに転送されることはない。
この結果、各FDB#1,#2,#3の登録内容は、ステーションムーブ後の接続形態と一致することになる。よって、右側のラインカード2においてUSER3がUSER1に宛てたパケットを送信すると、このパケットはスイッチ機構4を介して中央のラインカード2へ転送され、USER1に到着する。USER2がUSER1に宛てたパケットがUSER1に到着することは言うまでもない。
このように、本発明ではステーションムーブが発生したときのアドレス情報の学習が的確に行われる。ラインカード2によって通信を回復するチャンスが相違するという問題もなくなる。
また、本発明では、FDBやスイッチ機構4の機能は従来と変わりがなく、ステーションムーブを認識した時点でパケットに学習用情報を付加する機能と、転送されてきたパケットから学習用情報を取り除く機能を設ければ実現することができる。
次に、学習用情報の実施形態を説明する。
図4に示されるように、パケット41は宛先アドレスDA、送信元アドレスSA、プロトコルタイプTypeなどからなるヘッダ42とその後に続くデータ43とからなり、直前のパケットとの間には、96ビット以上のインターバル44とパケットの開始予告を示す64ビットのプリアンブル45が挿入される。このインターバル44又はプリアンブル45中に1ビットの学習用情報を挿入する。インターバル44やプリアンブル45中に情報を埋め込むことはスイッチングハブ1の外の伝送路では通信規約に適合していないかもしれないが、本発明の学習用情報はスイッチングハブ1の中だけで通用すればよいので、このような形態が可能である。そして、この学習用情報はパケットがアドレス学習のために使われた後除去されるので、スイッチングハブ1の外に漏れたりして外部に悪影響を及ぼすことがない。
本発明の一実施形態を示すスイッチングハブの内部構造及び接続された端末及びFDBの登録内容を示す図である。 本発明の一実施形態を示すスイッチングハブの内部構造及び接続された端末及びFDBの登録内容を示す図である。 従来のスイッチングハブの内部構造及び接続された端末及びFDBの登録内容を示す図である。 本発明に用いる学習用情報付きパケットの構成図である。
符号の説明
1 スイッチングハブ
2 ラインカード
3 フロントエンド
4 スイッチ機構
5 FDB
6 端末

Claims (2)

  1. それぞれ複数個のポートを持つ複数枚のカードとこれらカード間でパケットを転送するスイッチ機構とを備えたスイッチングハブであって、
    各カードは、それぞれフィルタリングデータベースを有し、
    各カードは、自カード内のポートでパケットを受信したときにはそのパケットから送信元アドレスを取得してこのアドレスとそのパケットを受信したポートとを対応付けて自カード内のフィルタリングデータベースに登録し、一方、スイッチ機構から当該カードへパケットが転送されてきたときにはそのパケットから送信元アドレスを取得してこのアドレスとそのパケットを受信した他カードのポートとを対応付けて自カード内のフィルタリングデータベースに登録し、
    各カードは、自カード内のポートでパケットを受信したとき及び他カードから当該カードへパケットが転送されてきたときに自カード内のフィルタリングデータベースを参照することにより、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが自カード内のポートに対応しているときにはそのパケットを自カード内のみで当該ポートへ転送し、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが他カード内のポートに対応しているときにはそのパケットをスイッチ機構経由で他カードへ転送し、一方、スイッチ機構から転送されてきたパケットの宛先アドレスが自カード内のポートに対応しているときにはそのパケットを当該ポートへ転送し、
    さらに、各カードは、自カード内のポートで受信したパケットの宛先アドレスが自カード内のフィルタリングデータベースに登録されていないときにはそのパケットを当該受信ポートを除く自カード内の全てのポート及びスイッチ機構経由で全カードへ転送(フラッディング)するスイッチングハブにおいて、
    各カードは、既に当該カードのいずれかのポートに対応付けて登録されている送信元アドレスを持つパケットが当該カードの他のポートで受信されたときにはこのパケットに学習用情報を付加してこの学習用情報付きパケットをスイッチ機構経由で全カードへ転送し、
    各カードは、スイッチ機構から上記学習用情報付きパケットが転送されてきたときには上記フィルタリングデータベースの登録を行うと共にこのパケットから学習用情報を取り除くことを特徴とするスイッチングハブ。
  2. 上記学習用情報はパケットのインターバル又はプリアンブル中に付加されることを特徴とする請求項1記載のスイッチングハブ。
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