JP4407120B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用操舵装置に係り、特に、車両の操舵軸の近傍に配設されたセンサを用いてその操舵軸の絶対角度を検出するうえで好適な車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開2001−194251号公報に開示される如く、車両の操舵軸の絶対角度を検出する車両用操舵装置が知られている。この操舵装置は、操舵軸に設けられた一対のレゾルバセンサと、操舵軸に設けられた多回転アブソリュート検出器と、を備えている。この操舵装置は、一対のレゾルバセンサの出力信号の関係に基づいて操舵軸の360°中における回転角度位置を検出し、また、多回転アブソリュート検出器を用いて操舵軸の回転数を検出する。従って、上記従来の操舵装置によれば、360°中における回転角度位置および回転数に基づいて、操舵軸のロックtoロック間における絶対角度を検出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の操舵装置では、操舵軸の絶対角度を検出するうえで、操舵軸にレゾルバセンサとは別に多回転アブソリュート検出器を設ける必要があるため、製造コストが上昇し、搭載スペースが過大となってしまう。
【0004】
また、かかる点を考慮して、車両のイグニションキーがオフとされ、キー穴から抜かれた後においても、レゾルバセンサおよびその出力信号を処理する処理回路の作動を継続させることで操舵軸の回転角度位置を常時検出し、その絶対角度を検出することが考えられる。しかしながら、かかる手法では、イグニションキーがオフとされ、キー穴から抜かれた後も回転角度位置が常時検出されるため、暗電流が増大し、その結果、車載バッテリの電圧が著しく低下する事態が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、操舵軸の絶対角度の検出を、消費電力の増大を招くことなく簡素な構成で実現することが可能な車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、車両の操舵軸の回転角度位置に応じた信号を出力するセンサと、前記操舵軸回りに等間隔で設けられたロック位置で該操舵軸の回転を規制するロック機構と、を備える車両用操舵装置であって、
前記センサの出力信号の軸倍角がk×であり、また、前記操舵軸回りの前記ロック位置の数がNであるものとした場合、k≦Nが成立する車両用操舵装置により達成される。
【0007】
請求項1記載の発明において、操舵軸は、ロック位置の数がNである場合、360°/Nだけその軸回りに回転できるため、回転規制が許可された後は、その際の絶対角度を含む一定の絶対角度領域内においてのみ回転し得る。また、センサの出力信号の軸倍角がk×である場合、センサは、操舵軸が一回り(=360°)する過程でk周期の信号を出力する、すなわち、360°/kごとに同一レベルの信号を出力する。かかる構成において、k≦Nが成立する場合には、操舵軸が回転できる角度領域(360°/N)が、センサが同一レベルの信号を出力しない角度領域(360°/k)以下であるため、操舵軸が回転できる角度領域内の互いに異なる複数の角度においてセンサから同一レベルの信号が出力されることはない。従って、操舵軸の回転規制が許可された際の絶対角度を含む一定の絶対角度領域と、現時点でセンサを用いて検出される操舵軸の回転角度位置との関係から、現時点での操舵軸の絶対角度を検出することが可能である。この場合には、操舵軸の絶対角度を検出するうえでセンサとは別の検出器を設ける必要はなく、また、操舵軸の回転規制が許可されてから次に絶対角度を検出するまでにセンサ及びその処理回路等に電源を供給する必要もない。このため、本発明によれば、操舵軸の絶対角度の検出を、消費電力の増大を招くことなく簡素な構成で実現することができる。
【0008】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載の車両用操舵装置において、
前記センサの出力信号に基づいて前記操舵軸の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、
前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された後、該回転規制が許可された際の前記操舵軸の絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出する絶対角度検出手段と、
を備えることとすればよい。
【0009】
また、上記の目的は、請求項3に記載する如く、車両の操舵軸のねじれ部の回転角度位置に応じた信号をそれぞれ出力する一対のセンサと、前記操舵軸回りに等間隔で設けられたロック位置で該操舵軸の回転を規制するロック機構と、を備える車両用操舵装置であって、
前記一対のセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれm×,n×であり(m>n)、また、前記操舵軸回りの前記ロック位置の数がNであるものとした場合、(m−n)≦Nが成立する車両用操舵装置により達成される。
【0010】
請求項3記載の発明において、一対のセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれm×,n×である場合、それら一対のセンサの出力信号の組み合わせにより、操舵軸の一回り当たりに(m−n)周期の信号が出力される。すなわち、360°/(m−n)ごとに同一レベルの信号が出力される。かかる構成において、(m−n)≦Nが成立する場合には、操舵軸が回転できる角度領域内の互いに異なる複数の角度において一対のセンサからの出力信号が同一レベルとなることはない。従って、操舵軸の回転規制が許可された際の絶対角度を含む一定の絶対角度領域と、現時点で一対のセンサを用いて検出される操舵軸の回転角度位置との関係から、現時点での操舵軸の絶対角度を検出することが可能である。このため、本発明によれば、操舵軸の絶対角度の検出を、消費電力の増大を招くことなく簡素な構成で実現することができる。
【0011】
尚、操舵軸にねじれが生ずる場合には、操舵軸の一方の回転角度位置と他方の回転角度位置との間にずれが生ずるため、一対のセンサを用いて検出される操舵軸の回転角度位置と現実の角度位置とが一対一で対応しない事態が生じ得る。かかる事態が生ずる場合には、操舵軸の絶対角度の検出を精度よく行うことができない。
【0012】
従って、請求項4に記載する如く、請求項3記載の車両用操舵装置において、
前記操舵軸のねじれ部に許容される許容ねじれ角がβであるものとした場合、(360°/n−360°/m)>βが成立することとすれば、操舵軸に例えば−β/2と+β/2との間の如く角度領域βのねじれが生じても、一対のセンサを用いて検出される操舵軸の回転角度位置と現実の角度位置とが一対一で対応しない事態が生ずることはないため、操舵軸のねじれに起因する絶対角度の誤検出を防止することができる。
【0013】
これらの場合、請求項5に記載する如く、請求項3又は4記載の車両用操舵装置において、
前記一対のセンサの出力信号の関係に基づいて前記操舵軸の回転角度位置を検出する回転角度検出手段と、
前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された後、該回転規制が許可された際の前記操舵軸の絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出する絶対角度検出手段と、
を備えることとすればよい。
【0014】
また、請求項6に記載する如く、請求項2又は5記載の車両用操舵装置において、前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可された際の前記操舵軸の絶対角度を記憶する不揮発性メモリと、前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された際に、前記不揮発性メモリに記憶されている前記絶対角度を読み出す読出手段と、を備え、前記絶対角度検出手段は、前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された後、前記読出手段により読み出した前記絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出することとしてもよい。
また、請求項に記載する如く、請求項2又は5記載の車両用操舵装置において、
車両のイグニションキーがキー穴から抜かれたか否かを判別するキー判別手段を備え、
前記ロック機構は、前記イグニションキーが前記キー穴から抜かれている状況下において前記操舵軸の回転を規制すると共に、
前記絶対角度検出手段は、前記イグニションキーがオフ状態からACC状態へ移行した後、前回前記キー判別手段により前記イグニションキーが前記キー穴から抜かれたと判別された時点での前記操舵軸の絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出することとすればよい。
【0015】
尚、車両のイグニションキーがIGオフに操作された後にキー穴から抜かれたか否かの判別を継続して行うものとすると、その間回転角度位置が常時検出されることとなるため、消費電力の増大を招いてしまう。特に、車両のイグニションキーがイグニションオフに操作された後は車両の動力が停止しているのが一般的であるので、その場合には車載バッテリの電圧低下を招いてしまう。
【0016】
従って、請求項に記載する如く、請求項記載の車両用操舵装置において、前記キー判別手段による判別は、該イグニションキーがイグニションオフに操作された後に所定時間が経過した後には中止されると共に、以後、前記絶対角度検出手段による検出は禁止されることとすれば、操舵軸の絶対角度を検出するうえでイグニションオフ後の消費電力が増大するのを防止することができる。
【0017】
ところで、請求項に記載する如く、請求項1乃至の何れか一項記載の車両用操舵装置において、前記センサは、共に巻線を有するレゾルバステータとレゾルバロータとにより構成されたレゾルバセンサであることとしてもよい。
【0018】
また、請求項10に記載する如く、請求項1乃至の何れか一項記載の車両用操舵装置において、前記操舵軸は、該操舵軸の外周面に沿って設けられた磁界を発生する突起を有し、前記センサは、外部から作用する磁界の強度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を有することとしてもよい。
【0019】
尚、これらの発明において、「軸倍角」とは、対象の一回転当たりの信号周期のことである。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施例である車両用操舵装置20の構成図を示す。図1に示す如く、車両用操舵装置20は、車両の運転者が操作可能なステアリングホイール22を備えている。ステアリングホイール22は、操舵軸24の一端に固定されている。操舵軸24は、ステアリングホイール22の回転に伴って回転する。操舵軸24の他端には、ステアリングギヤボックス26を介してタイロッド28が連結されている。ステアリングギヤボックス26は、操舵軸24の回転運動をタイロッド28の車幅方向への直進運動に変換する機能を有している。タイロッド28の両端には、ナックルアーム(図示せず)を介して車輪30,32が連結されている。従って、車輪30,32は、操舵軸24の回転に伴ってタイロッド28が車幅方向へ変位することにより転舵される。
【0021】
操舵軸24は、ステアリングホイール22が固定される入力シャフト34と、タイロッド28に連結する出力シャフト36と、を備えている。入力シャフト34には上部軸40が、出力シャフト36には下部軸42が、それぞれ接続されている。上部軸40と下部軸42との間には、トーションバー38が介在されている。トーションバー38の一端は上部軸40に固定され、他端は下部軸42に固定されている。
【0022】
上部軸40及び下部軸42は共に、軸方向の互いに対向する側の端部40a,42a同士が軸方向においてラップするように配設されている。上部軸40と下部軸42とは、軸回りの相対的な回転を、機械的なストッパ(図示せず)により所定のねじれ角の範囲内に規制されている。すなわち、トーションバー38は、機械的なストッパによりねじれ角を所定の範囲内に制限されている。以下、トーションバー38に許容されている左右それぞれの最大ねじれ角を±β/2[deg]とする(トーションバー38全体として最大ねじれ角β)。
【0023】
図2は、本実施例の操舵軸24の断面図を示す。図2に示す如く、上部軸40及び下部軸42の外周側には、その上部軸40及び下部軸42を取り囲むように円筒状のケース44が配設されている。ケース44は、車体側に固定されている。ケース44には、その内周にロータ巻線を有する環状の第1レゾルバステータ46が固定して配設されている。また、下部軸42には、円筒状の第1支持体48がその外周に一体に設けられている。第1支持体48には、第1レゾルバステータ46に対して径方向に対向するようにステータ巻線を有する環状の第1レゾルバロータ50が配設されている。従って、第1レゾルバロータ50と第1レゾルバステータ46とは、下部軸42が回転することにより相対的に回転可能となっている。
【0024】
ケース44には、また、その内周に第1レゾルバステータ46に軸方向で隣接し、ロータ巻線を有する環状の第2レゾルバステータ52が固定して配設されている。また、上部軸40には、円筒状の第2支持体54がその外周に一体に設けられている。第2支持体54には、第2レゾルバステータ52に対して径方向に対向するようにステータ巻線を有する環状の第2レゾルバロータ56が配設されている。従って、第2レゾルバロータ56と第2レゾルバステータ52とは、上部軸40が回転することにより相対的に回転可能となっている。
【0025】
上記の構成において、上部軸40が回転すると、それに伴って第2レゾルバロータ56と第2レゾルバステータ52との位置関係が変化する。また、下部軸42が回転すると、それに伴って第1レゾルバロータ50と第1レゾルバステータ46との位置関係が変化する。ロータとステータとの位置関係が変化すると、磁気抵抗の変化に起因して巻線を通過する磁束が変化する。従って、ロータ側の巻線に印加される正弦波電圧と、ステータ側の巻線に作用する誘起電圧との位相差を比較することにより、ロータとステータとの相対的な角度位置を検出することができる。
【0026】
以下、第1レゾルバロータ50と第1レゾルバステータ46とにより構成される、それらの相対的な角度位置に応じた信号を出力するセンサを第1レゾルバセンサ60と称し、また、第2レゾルバロータ56と第2レゾルバステータ52とにより構成される、それらの相対的な角度位置に応じた信号を出力するセンサを第2レゾルバセンサ62と称す。
【0027】
第1レゾルバセンサ60は、下部軸42が車体側に対して一回転する過程においてn周期(例えば、5周期等)のノコギリ状の波形信号、すなわち、360°/nごとに同一レベルの信号を出力するように構成されている。従って、第1レゾルバセンサ60の出力信号は、下部軸42の一回転当たりの周期を示す軸倍角がn×の信号となる。また、第2レゾルバセンサ62は、上部軸40が車体側に対して一回転する過程においてm(>n)周期(例えば、6周期等)の信号、すなわち、360°/mごとに同一レベルの信号を出力するように構成されている。従って、第2レゾルバセンサ62の出力信号は、上部軸40の一回転当たりの周期を示す軸倍角がm×の信号となる。
【0028】
図1に示す如く、第1レゾルバセンサ60及び第2レゾルバセンサ62には、電子制御ユニット(以下、ECU64と称す)が接続されている。第1レゾルバセンサ60の出力信号、及び、第2レゾルバセンサ62の出力信号は、それぞれECU64に供給されている。ECU64は、第1レゾルバセンサ60の出力信号に基づいて第1レゾルバロータ50と第1レゾルバステータ46との相対的な角度位置を検出し、下部軸42の回転角度位置θ1を検出する。また、第2レゾルバセンサ62の出力信号に基づいて第2レゾルバロータ56と第2レゾルバステータ52との相対的な角度位置を検出し、上部軸40の回転角度位置θ2を検出する。そして、回転角度位置θ1とθ2との角度差(すなわち、トーションバー38のねじれ角)を検出し、ステアリングホイール22に作用する操舵トルク(=(ねじれ角)×(ねじりバネ定数))を検出する。
【0029】
ECU64には、ステアリングギヤボックス26に接続するモータ66が接続されている。モータ66は、ECU64からの指令に従って、操舵軸24の回転によるタイロッド28の車幅方向への変位を補うアシスト力を付与する。すなわち、モータ66は、車輪30,32が転舵される際にステアリングホイール22の操舵トルクを補うトルクを発生する。ECU64は、上記の如く検出したトーションバー38におけるねじれ角に応じたアシスト力が発生するようにモータ66を駆動する。
【0030】
図3は、本実施例の車両用操舵装置20が有するロック機構の要部断面図を示す。また、図4は、本実施例の車両のイグニションキーが挿入されるキーシリンダを模式的に表した図を示す。車両用操舵装置20は、操舵軸24の回転を規制するロック機構70を備えている。ロック機構70は、車体側に配設された、入力シャフト34の径方向に延びるロックバー72と、入力シャフト34と一体に回転するロックホルダ74に設けられたN個(図3においては2個)のロック穴76,78と、を有している。
【0031】
ロックバー72は、入力シャフト34の径方向に向けて進退可能に構成されている。ロックバー72は、車両のイグニションキーがキーシリンダ80のキー穴80aに挿入されている状態からそのキー穴80aから抜かれる状態へ変化した場合に、以後、入力シャフト34の軸中心へ向けて突出可能となる。一方、イグニションキーがキー穴80aに挿入され、その後、IGオフ状態からACC状態へ操作された場合に、以後、入力シャフト34の軸中心への突出が不可能となる。
【0032】
また、ロック穴76,78は、入力シャフト34の回りに等間隔で設けられている。本実施例において、ロック穴76,78は2つ設けられているので、具体的には、ロック穴76,78は、入力シャフト34の軸中心を中心にして互いに対向した位置、すなわち、入力シャフト34の周方向において180°だけ異なる位置に設けられている。ロック穴76,78は共に、ロックバー72が挿入可能となるようにロックバー72の径よりも大きな径を有している。
【0033】
かかるロック機構70においては、ロックバー72が入力シャフト34の軸中心へ向けて突出可能である状況下でも、入力シャフト34のロック穴76,78がロックバー72に径方向で対向しない場合には、ロックバー72が突出せず、ロック穴76,78に挿入されない。この場合には、入力シャフト34の回転が規制されることはない。一方、かかる状況下、入力シャフト34の回転操作によってロック穴76,78がロックバー72に径方向で対向する場合には、ロックバー72が突出しロック穴76,78に挿入される。この場合には、入力シャフト34の回転が規制されることとなる。また、入力シャフト34の軸方向へ向けて突出する状況下、イグニションキーがIGオフ状態からACC状態へ移行した場合には、ロックバー72がロック穴76,78から後退し、入力シャフト34の軸中心から離間するように移動する。
【0034】
上記の如く、N個のロック穴76,78は等間隔で設けられている。このため、イグニションキーがIGオフにされ、キー穴80aから抜かれた後には、ステアリングホイール22が最大360°/Nだけ回転操作されれば、ロック機構70により操舵軸24の入力シャフト34の回転が確実に規制されることとなる。具体的には、本実施例において、ロック穴76,78は入力シャフト34の周方向において180°だけ異なる2つの位置に設けられているので、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後には、ステアリングホイール22が最大180°回転操作されれば、入力シャフト34の回転が確実に規制されることとなる。
【0035】
ところで、第1レゾルバセンサ60の出力信号の軸倍角はn×であり、また、第2レゾルバセンサ62の出力信号の軸倍角はm×であるので、両信号の出力差は、操舵軸24の回転角度位置に対して360°/(m−n)ごとに一対一で対応する。従って、ECU64は、第1レゾルバセンサ60による出力と第2レゾルバセンサ62による出力との差に基づいて操舵軸24の360°/(m−n)ごとの回転角度位置θを検出することはできる。
【0036】
しかしながら、上記の構成のみでは、操舵軸24のロックtoロック間における絶対角度δ(操舵軸24の中立位置をδ=0の位置として、右操舵の場合はδ>0とし、左操舵の場合はδ<0とする)を検出することは困難である。すなわち、ECU64がイグニションキーのIGオフ後においても電源オンの状態であれば、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号を常時モニタすることにより操舵軸24の絶対角度δを検出することはできるが、かかる構成では、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号が常時モニタされるため、イグニションキーのIGオフ後においてECU64の作動が継続することに起因して暗電流が増大し、消費電力の増大を招いてしまう。また、実際に車両が走行する状況下において車輪速を検出するセンサやヨー加速度を検出するセンサ等を用いてある程度の時間を費やして車両が直進状態にあるか否かを判定すれば、直進時における第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号を検出することにより操舵軸24の絶対角度δを検出することはできるが、かかる構成では、イグニションキーがIGオフ状態からACC状態へ変化した直後にその絶対角度δの検出を行うことができない。
【0037】
そこで、本実施例においては、第1及び第2レゾルバセンサ60,62以外の検出器を用いることなく、上記した不都合が生じないように操舵軸24の絶対角度δを検出する点に特徴を有している。以下、図5乃至図11を参照して、その特徴部について説明する。
【0038】
本実施例において、ロック機構70は、イグニションキーがキー穴80aから抜かれている状況下において、ステアリングホイール22が多くても360°/Nだけ回転操作された場合に、入力シャフト34(すなわち、操舵軸24)の回転を規制する。このため、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後に操舵軸24が実現可能な絶対角度δは、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の絶対角度を含む360°/Nの領域内に制限される。また、本実施例において、ECU64は、上述の如く、操舵軸24の360°/(m−n)ごとの回転角度位置θを検出することができる。
【0039】
図5は、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,6×である場合(m=6,n=5)での、操舵軸24の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図を示す。また、図6は、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,7×である場合(m=7,n=5)での、操舵軸24の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図を示す。尚、図5及び図6には、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号が一点鎖線,二点鎖線でそれぞれ示されており、両出力信号の差分が実線で示されている。
【0040】
図5に示す如く、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,6×である場合には、m−n=1が成立するので、ECU64において、操舵軸24の360°ごとの回転角度位置θが検出できる。この場合には、一対の信号の出力差が操舵軸24の回転角度位置に対して360°ごとに一対一で対応する。また、入力シャフト34の回りにロック機構70のロック穴が一つ設けられているものとすると、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後に操舵軸24が実現可能な絶対角度δは、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の絶対角度を含む360°の領域内に制限される。この場合には、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後に操舵軸24が360°を超えて回転されることはない。
【0041】
従って、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角について上記の如くその差(=m−n)が1である場合においては、ロック機構70のロック穴が操舵軸24の回りに一つ設けられていれば、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の操舵軸24の絶対角度に基づいてその記憶された絶対角度を含む操舵軸24が許容される360°の角度領域(例えば、記憶絶対角度が120°である場合は0°≦δ<360°、記憶絶対角度が400°である場合は360°≦δ<720°、記憶絶対角度が−230°である場合は−360°≦δ<0°等)を設定することにより、その後、その設定角度領域と一対のレゾルバセンサ60,62による出力差に基づいて検出される操舵軸24の360°ごとの回転角度領域との関係から、操舵軸24の絶対角度δを一義的に検出することができる。尚、この場合においては、ロック機構70のロック穴が操舵軸24の回りに2つ以上設けられていても、操舵軸24の絶対角度δは一義的に検出されることとなる。
【0042】
また、図6に示す如く、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,7×である場合には、m−n=2が成立するので、ECU64において、操舵軸24の180°ごとの回転角度位置θが検出できる。この場合には、一対の信号の出力差が操舵軸24の回転角度位置に対して180°ごとに一対一で対応する。このように一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角についてその差(=m−n)が2である場合において、ロック穴が操舵軸24の回りに一つしか設けられていないものとすると、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後に操舵軸24が180°を超えて回転されることがあるため、その抜かれた際の操舵軸24の絶対角度を含む操舵軸24の回転が許容される360°の角度領域を設定することとしても、その後、その設定角度領域と一対のレゾルバセンサ60,62による出力差に基づいて検出される操舵軸24の180°ごとの回転角度領域θとの関係から、操舵軸24の絶対角度δを一義的に検出することはできない。例えば、記憶絶対角度が50°である場合、操舵軸24が許容される絶対角度の領域は0°≦δ<360°であるが、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差は180°ごとに同一レベルとなるので、操舵軸24の絶対角度が0°≦δ<180°の範囲内にあるのか、或いは、180°≦δ<360°の範囲内にあるのかを区別することができず、操舵軸24の絶対角度δを検出することはできない。
【0043】
一方、入力シャフト34の回りにロック機構70のロック穴が2つ設けられているものとすると、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後に操舵軸24が実現可能な絶対角度δは、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の絶対角度を含む180°の領域内に制限される。この場合には、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後において操舵軸24が180°を超えて回転されることはない。従って、軸倍角の差が2である場合においてはロック穴が操舵軸24の回りに二つ設けられていれば、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の操舵軸24の絶対角度を含む操舵軸24が許容される180°の角度領域(例えば、記憶絶対角度が120°である場合は0°≦δ<180°、記憶絶対角度が400°である場合は360°≦δ<540°、記憶絶対角度が−230°である場合は−360°≦δ<180°等)を設定することにより、その後、その設定角度領域と一対のレゾルバセンサ60,62による出力差に基づいて検出される操舵軸24の180°ごとの回転角度領域θとの関係から、操舵軸24の絶対角度δを一義的に検出することができる。尚、この場合においては、ロック機構70のロック穴が操舵軸24の回りに3つ以上設けられていても、操舵軸24の絶対角度δは一義的に検出されることとなる。
【0044】
このように、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角n×,m×の差(=m−n)と、ロック機構70の入力シャフト34の周りに等間隔で設けられたロック穴の数Nとの関係が次式(1)を満たせば、ロック機構70による回転規制時に操舵軸24が許容される回転の角度領域(=360°/N)が、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が同一レベルを有しない角度領域(=360°/(m−n))以下となる。この場合には、操舵軸24が許容される回転の角度領域内の互いに異なる複数の角度において一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が同一レベルとなることはないため、操舵軸24の絶対角度δを一義的に検出することが可能となる。
【0045】
(m−n)≦N ・・・(1)
また、本実施例においては、操舵軸24がトーションバー38を有するため、下部軸42の絶対角度と上部軸40の絶対角度とが一致しない場合がある。この際、両者の絶対角度の差は、トーションバー38の最大ねじれ角−β/2と+β/2との範囲で変動する。以下、操舵軸24の絶対角度δを検出する場合について説明する。
【0046】
図7は、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,6×である状況下においてトーションバー38の最大ねじれ角β/2が±6°である場合での、操舵軸24の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図を示す。図8は、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ6×,8×である状況下においてトーションバー38の最大ねじれ角β/2が±6°である場合での、操舵軸24の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図を示す。また、図9は、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ6×,8×である状況下においてトーションバー38の最大ねじれ角β/2が±7.5°である場合での、操舵軸24の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図を示す。
【0047】
尚、図7乃至図9には、第1レゾルバセンサ60の出力信号が二点鎖線で、トーションバー38にねじれが生じていない場合での第2レゾルバセンサ62の出力信号が一点鎖線で、上部軸40が下部軸42に対して最大ねじれ角β/2で右操舵側にねじれている場合および左操舵側にねじれている場合での第2レゾルバセンサ62の出力信号が破線で、また、トーションバー38に上記の如くねじれが生ずる場合を含めて第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力信号の差分が取り得る範囲が斜線で囲まれた領域で、それぞれ示されている。
【0048】
図7に示す如く、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,6×であり、トーションバー38の最大ねじれ角β/2が±6°である場合には、両レゾルバセンサ60,62による出力差が斜線で囲まれた領域に現れ得る。例えば、第1レゾルバセンサ60の出力信号が0.4である場合には、θ≒30、102、174、246、及び318が操舵軸24の360°ごとの回転角度位置θの候補として抽出される(図7に点A1、A2、A3、A4、及びA5で示す)。しかしながら、かかる構成においては、トーションバー38のねじれに起因して、各候補に対して一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が取り得る範囲(実線矢印で示す範囲)が、隣接する候補についての範囲と重複する部分が存在する。例えば点A1に対する出力差の上限(実線矢印の上側)よりも点A2に対する出力差の下限(実線矢印の下側)の方が大きいため、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差に基づいて検出される操舵軸24の360°ごとの回転角度位置θが、現実の角度位置と一対一で対応しない事態が生ずる。このため、操舵軸24の絶対角度δの検出が精度よく行われないこととなる。
【0049】
一方、図8に示す如く、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角がそれぞれ6×,8×であり、トーションバー38の最大ねじれ角β/2が±6°である場合には、両レゾルバセンサ60,62による出力差が斜線で囲まれた領域に現れ得る。例えば、第1レゾルバセンサ60の出力信号が0.4である場合(図8に点B1、B2、B3、B4、B5、及びB6で示す)には、θ≒25、85、及び145、或いは、θ=205、265、及び325が操舵軸24の180°ごとの回転角度位置θの候補として抽出される。かかる構成においては、トーションバー38に最大ねじれ角±β/2のねじれが生ずる場合にも、各候補に対して一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が取り得る範囲(実線矢印で示す範囲)が、隣接する候補についての範囲と重複することは回避される。このため、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差に基づいて検出される操舵軸24の180°ごとの回転角度位置θが、現実の角度位置と一対一で対応しない事態が生ずることはなく、操舵軸24(具体的には、上部軸40)の絶対角度δの検出が精度よく行われることとなる。
【0050】
また、図9に示す如く、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角が図8に示す場合と同様にそれぞれ6×,8×である一方、トーションバー38の最大ねじれ角β/2が±7.5°である場合には、両レゾルバセンサ60,62による出力差が斜線で囲まれた領域に現れ得る。例えば、第1レゾルバセンサ60の出力信号が0.4である場合(図9に点C1、C2、C3、C4、C5、及びC6で示す)には、θ≒25、85、及び145、或いは、θ=205、265、及び325が操舵軸24の180°ごとの回転角度位置θの候補として抽出される。しかしながら、かかる構成においては、トーションバー38のねじれに起因して、各候補に対して一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が取り得る範囲(実線矢印で示す範囲)が、隣接する候補についての範囲と重複する部分が存在するため、図7に示す構成と同様に、操舵軸24の絶対角度δの検出が精度よく行われないこととなる。
【0051】
このように、互いに隣接する候補に対してトーションバー38のねじれに起因して一対のレゾルバセンサ60,62による出力差の取り得る範囲に重複部分が存在すると、すなわち、各候補についての出力差の最大値(トーションバー38に最大ねじれ角+β/2が生じた場合)、及び、最小値(トーションバー38に最大ねじれ角−β/2が生じた場合)が、隣接する候補についての出力差が取り得る範囲に属すると、操舵軸24の絶対角度δを誤検出する。一方、互いに隣接する候補に対して一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が取り得る範囲に重複部分が存在しなければ、すなわち、各候補についての出力差の最大値及び最小値が隣接する候補についての出力差が取り得る範囲に属さなければ、操舵軸24の絶対角度δの検出を精度よく行うことが可能となる。
【0052】
互いに隣接する候補に対して一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が取り得る範囲に重複部分が存在しないためには、次式(2)に示す如く、第2レゾルバセンサ62による出力信号(軸倍角の大きい方;m)の基準時の角度周期(=360°/m)に、トーションバー38の左右それぞれの最大ねじれ角±β/2を合わせた全体としての最大ねじれ角βを加算した角度が、第1レゾルバセンサ60による出力信号(軸倍角の小さい方;n)の角度周期(360°/n)に達しなければ十分である。
【0053】
360°/m+β<360°/n ・・・(2)
すなわち、トーションバー38に左右それぞれ最大ねじれ角±β/2の範囲でねじれが生ずるものとすると、具体的には、上部軸40が下部軸42に対して左右それぞれ最大ねじれ角±β/2の範囲でねじれるものとすると、第2レゾルバセンサ62の出力信号がトーションバー38のねじれに応じて変動し、その結果、第2レゾルバセンサ62による出力信号の位相が最大で全体として最大ねじれ角βだけずれる。
【0054】
この場合、上記(2)式の関係が満たされない構成においては、第1レゾルバセンサ60の出力信号によって360°/nごとに現れる操舵軸24の回転角度位置θの各候補に対して第2レゾルバセンサ62の出力信号から定まる一対のレゾルバセンサ60,62による出力差の取り得る範囲が、隣接する候補についての出力差の取り得る範囲と一部で重なる。一方、上記(2)式の関係が満たされる構成、すなわち、次式(3)の関係が成立する構成においては、トーションバー38に左右それぞれ最大ねじれ角±β/2のねじれが生じても、第1レゾルバセンサ60の出力信号により360°/nごとに現れる操舵軸24の回転角度位置θの各候補に対して第2レゾルバセンサ62の出力信号から定まる一対のレゾルバセンサ60,62による出力差の取り得る範囲が、隣接する候補についての出力差の取り得る範囲と重なることは回避される。
【0055】
(360°/n−360°/m)>β ・・・(3)
そこで、本実施例においては、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角n×,m×とロック機構70のロック穴の数Nとを、上記(1)式の関係が満たされるように設定すると共に、それらの軸倍角n×,m×とトーションバー38の全体としての最大ねじれ角βとを、上記(2)式(すなわち、(3)式)の関係が満たされるように設定する。かかる構成によれば、操舵軸24の絶対角度δを検出することが可能となると共に、その際に絶対角度δの検出を精度よく行うことが可能となる。
【0056】
図10及び図11は、操舵軸24の絶対角度δを検出すべく、本実施例においてイグニションキーのIGオフ時およびACCオン時にそれぞれECU64が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図10に示すルーチンは、イグニションキーがACC状態からIGオフ状態へ移行するごとに起動されるルーチンである。図10に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0057】
ステップ100では、イグニションキーがACC状態からIGオフ状態へ移行した時点で時計tの計時を開始する処理が実行される。
【0058】
ステップ102では、上記ステップ100で計時の開始された時計tが所定時間t0に達したか否かが判別される。尚、所定時間t0は、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の操舵軸24の絶対角度δを記憶する過程で、イグニションキーがIGオフ状態になった後、暗電流の増加が著しくなると判断できる最小時間tに設定されている。t≧t0が成立しない場合には、イグニションオフ後に暗電流が著しく増加していないと判断でき、現時点が操舵軸24の絶対角度δの記憶処理を継続すべきタイミングであると判断できる。従って、本ステップ102においてt≧t0が成立しないと判別された場合は、次にステップ104の処理が実行される。
【0059】
ステップ104では、イグニションキーがキー穴80aから抜かれているか否かが判別される。かかる判別は、例えば既存のイグニションキーの操作位置を検出するセンサ等を用いて行われる。その結果、否定判定がなされた場合は、ロック機構70のロックバー72が入力シャフト34の軸中心へ向けて突出可能な状態ではないので、操舵軸24が自由にロックtoロック間で回転可能であり、従って、ロックバー72が突出可能な状態となるまで上記ステップ102以降の処理が繰り返し実行される。そして、本ステップ104において肯定判定がなされた場合は、ロックバー72が突出可能な状態であり、操舵軸24の回転が所定領域内に規制されるので、次にステップ106の処理が実行される。
【0060】
ステップ106では、本ステップ106の処理が行われる時点において検出されている操舵軸24の絶対角度δを不揮発性メモリに記憶する処理が実行される。そして、ステップ108では、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の終了モードが正常であることを不揮発性メモリに記憶する処理が実行される。本ステップ108の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0061】
一方、上記ステップ104においてt≧t0が成立する場合には、イグニションオフ後に暗電流が著しく増加したと判断でき、現時点が操舵軸24の絶対角度δの記憶処理を中止すべきタイミングであると判断できる。従って、かかる判別がなされた場合は、次にステップ110の処理が実行される。
【0062】
ステップ110では、記憶すべき操舵軸24の絶対角度δが存在しないことを示す情報を不揮発性メモリに記憶する処理が実行される。そして、ステップ112では、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の終了モードが異常であることを不揮発性メモリに記憶する処理が実行される。本ステップ112の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0063】
上記図10に示すルーチンによれば、車両のイグニションキーがキー穴80aから抜かれた場合、すなわち、ロック機構70による操舵軸24の回転規制が許可された場合に、その際の操舵軸24の絶対角度δを記憶することができる。この際、その操舵軸の絶対角度δは、ECU64の不揮発性メモリに記憶されるため、ECU64が電源オフされた後に再び電源オンにされても、その時点でその絶対角度は記憶されていることとなる。
【0064】
図11に示すルーチンは、イグニションキーがIGオフ状態からACC状態へ移行するごとに起動されるルーチンである。図11に示すルーチンが起動されると、まずステップ120の処理が実行される。
【0065】
ステップ120では、イグニションキーがIGオフ状態からACC状態へ移行した時点で不揮発性メモリに記憶されている終了モードが正常であるか或いは異常であるか否かが判別される。その結果、終了モードが正常であると判別された場合は、次にステップ122の処理が実行される。
【0066】
ステップ122では、不揮発性メモリに記憶されている記憶絶対角度δを読み出す処理が実行される。そして、ステップ124では、ロック機構70による回転規制が許可されている操舵軸24が実現可能な絶対角度の領域として、上記ステップ122で読み出した記憶絶対角度δに応じたその絶対角度δを含む操舵軸24回りのロック穴の間隔(=360°/N)の領域Aを特定する処理が実行される。
【0067】
ステップ126では、上記ステップ124で特定された領域Aが、例えば既存のセンサによる車輪速やヨー加速度,操舵トルクに基づいて特定される領域との一致により正しいか否かが判別される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ128の処理が実行される。
【0068】
ステップ128では、本ステップ128の処理時点において第1及び第2レゾルバセンサ60,62から供給された出力信号の出力差に基づいて、操舵軸24の360°/(m−n)ごとの回転角度位置θを検出する処理が実行される。
【0069】
ステップ130では、上記ステップ124で特定したロック機構70の作動により制限される操舵軸24が実現可能な絶対角度の領域A内において、或いは、後述のステップ132で特定する操舵軸24が実現可能な絶対角度の領域B内において、上記ステップ128で検出した回転角度位置θに対応する角度を、操舵軸24の絶対角度として設定する処理が実行される。本ステップ130の処理が実行されると、以後、操舵軸24の絶対角度としてその設定した角度を用いてモータ66によるアシスト力の演算やその他の処理が進められることとなる。本ステップ130の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0070】
一方、上記ステップ120において否定判定がなされた場合および上記ステップ126において否定判定がなされた場合は、ロック機構70と一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号との関係に基づく上記した手法を用いて操舵軸24の絶対角度δを検出することはできないので、次にステップ132の処理が実行される。
【0071】
ステップ132では、例えば、既存の車輪速を検出するセンサやヨー加速度を検出するセンサ等を用いて判定できる車両の直進状態の有無に基づいて、ロック機構70による回転規制が許可されている操舵軸24が実現可能な絶対角度の領域として、操舵軸24の中立位置近傍の領域Bを特定する処理が実行される。本ステップ132の処理が終了すると、上記ステップ128以降の処理が実行される。
【0072】
上記図11に示すルーチンによれば、イグニションキーがIGオフ状態からACC状態へ移行した時点で前回イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の操舵軸24の絶対角度δが記憶されている場合、その記憶絶対角度δを含む操舵軸24が実現可能な絶対角度の360°/Nの領域内において、イグニションキーのIGオフ状態からACC状態への移行時点で一対のレゾルバセンサ60,62による出力差に基づいて検出される360°/(m−n)ごとの回転角度位置θに対応する角度を、操舵軸24の絶対角度として検出することができる。
【0073】
本実施例においては、上記の如く、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角n×,m×とロック機構70のロック穴の数Nとが(m−n)≦Nの関係を満たすため、ロック機構70により制限される操舵軸24が許容される回転の角度領域360°/Nが、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が同一レベルを有しない角度領域360°/(m−n)以下となる。この場合には、ロック機構70により制限される操舵軸24が許容される回転の角度領域内における互いに異なる複数の角度で一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が同一レベルとなることはなく、その出力差と角度とは一対一で対応する。従って、上記の処理によれば、操舵軸24の絶対角度δを一義的に検出することができる。
【0074】
このように操舵軸24の絶対角度δを検出する手法として、ロック機構70と一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号との関係を用いることとすれば、第1及び第2レゾルバセンサ60,62以外に絶対角度δを検出するための検出器を設けることは不要となる。従って、本実施例によれば、操舵軸24の絶対角度δの検出を、別途の検出器を用いる構成に比して簡素な構成で実現することができ、これにより、製造コストの上昇を抑制し、その検出器の搭載スペースを削減することが可能となっている。
【0075】
また、ロック機構70は、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた場合に操舵軸24の回転を規制するので、本実施例の如くイグニションキーがキー穴80aから抜かれた時点での絶対角度δを記憶すれば、その後、イグニションキーのIGオフ状態からACC状態への移行によりロック機構70による操舵軸24の回転規制が解除される時期まで、ECU64や第1及び第2レゾルバセンサ60,62の電源をオフにすることとしても、操舵軸24の絶対角度δを検出することは可能となる。従って、本実施例によれば、操舵軸24の絶対角度δを検出するうえでECU64等の電源を常時オンにする構成に比して電力消費の軽減を図ることができ、暗電流の増大による消費電力の増大を抑制することが可能となっている。
【0076】
また、本実施例においては、イグニションキーがIGオフ状態からACC状態へ移行した際に、前回イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際に記憶された絶対角度δを含む操舵軸24が実現可能な絶対角度の領域と、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差に基づく360°/(m−n)ごとの回転角度領域θとの関係を用いて、操舵軸24の絶対角度δが検出される。このため、本実施例によれば、操舵軸24の絶対角度δの検出を車両の電源がオンになった後速やかに行うことができる。
【0077】
従って、本実施例の車両用操舵装置20によれば、操舵軸24の絶対角度の検出を、消費電力の増大を招くことなく簡素な構成で実現しつつ、電源オン後速やかに行うことが可能となっている。
【0078】
尚、本実施例の如く、操舵軸24の絶対角度δを検出するうえで、ロック機構70が操舵軸24の回転を規制し得るイグニションキーがキー穴80aから抜かれた時点における絶対角度δを記憶する構成においては、イグニションキーがIGオフに操作された後にキー穴80aから抜かれたか否かの判別を、肯定判定がなされる時期まで継続して行う必要がある。しかしながら、イグニションキーがIGオフに操作された後、キー穴80aから抜かれるまでに長期間を要するものとすると、消費電力の増大を招いてしまう。特に、車両のイグニションキーがIGオフに操作された後は車両動力が停止しているのが一般的であるので、車載バッテリに蓄えられている電力を消費することによりその電圧低下を招いてしまう。
【0079】
これに対して、本実施例においては、イグニションキーがACC状態からIGオフ状態へ移行した後、キー穴80aから抜かれると判別されるまでに所定時間t0が経過した場合、その判別を中止すると共に、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の操舵軸24の絶対角度δの記憶がないものとして、ロック機構70と一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号との関係を用いた操舵軸24の絶対角度δの検出を禁止する。このため、本実施例によれば、操舵軸24の絶対角度δを検出するうえでIGオフ後の消費電力が増大するのを防止することができ、暗電流の増加に起因する車載バッテリの電圧低下を防止することができる。
【0080】
更に、本実施例においては、上述の如く、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号のn×,m×とトーションバー38の全体としての最大ねじれ角βとが、(360°/n−360°/m)>βの関係を満たすため、トーションバー38に左右それぞれ最大ねじれ角±β/2のねじれが生じても、第1レゾルバセンサ60の出力信号により360°/nごとに現れる操舵軸24の回転角度位置θの各候補に対して第2レゾルバセンサ62の出力信号から定まる一対のレゾルバセンサ60,62による出力差の取り得る範囲が、隣接する候補についての出力差の取り得る範囲と重なることは回避される。このため、本実施例の車両用操舵装置20によれば、操舵軸24の絶対角度δが誤検出されることはなく、その検出を精度よく行うことが可能となっている。
【0081】
尚、上記の第1実施例においては、第1及び第2レゾルバセンサ60,62が特許請求の範囲に記載した「センサ」、「レゾルバセンサ」、及び「一対のレゾルバセンサ」に、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の軸倍角の差(m−n)が特許請求の範囲に記載した「k」に、操舵軸24の入力シャフト34回りに設けられたロック穴76,78の位置が特許請求の範囲に記載した「ロック位置」に、上部軸40および下部軸42が特許請求の範囲に記載した「操舵軸のねじれ部」に、所定時間t0が特許請求の範囲に記載した「所定時間」に、それぞれ相当している。
【0082】
また、上記の第1実施例においては、ECU64が、第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力差に基づいて操舵軸24の回転角度位置を検出することにより特許請求の範囲に記載した「回転角度位置検出手段」が、上記図11に示すルーチン中ステップ130の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「絶対角度検出手段」が、上記図10に示すルーチン中ステップ104の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「キー判別手段」が、それぞれ実現されている。
【0083】
ところで、上記の第1実施例においては、一対のレゾルバセンサ60,62の出力信号の軸倍角n×,m×とロック機構70のロック穴の数Nとを、(m−n)≦Nの関係が満たされるように設定することとしているが、かかる関係に代えて(m−n)+1≦Nの関係が満たされるように設定することが好ましい。
【0084】
すなわち、ロック機構70のロック穴76,78はロックバー72が挿入可能となるようにその径よりも大きな径を有しているため、その寸法バラツキにより、ロック機構70による操舵軸24の回転規制が許可された後において操舵軸24が許容されていると予想される回転の角度領域360°/Nを微小角度だけ超えて回転する事態が生じ得る。かかる事態が生ずると、ロック機構70により回転が規制されても操舵軸24が回転し得る角度領域が、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が同一レベルを有しない角度領域360°/(m−n)以下とならないことがあり、操舵軸24の絶対角度δが一義的に検出されないこととなってしまう。
【0085】
これに対して、上記のパラメータm,n,Nが(m−n)+1=Nの関係を満たす構成によれば、(m−n)=Nの関係を満たす構成に比して、操舵軸24の回りのロック穴の数Nが1だけ増加することで、ロック機構70により回転が規制された際に操舵軸24が回転し得る角度領域が狭くなるので、その角度領域360°/Nが、一対のレゾルバセンサ60,62による出力差が同一レベルを有しない角度領域360°/(m−n)以下とならない事態が防止され、操舵軸24の絶対角度δが確実に一義的に検出することが可能となるからである。
【0086】
また、上記の第1実施例においては、トーションバー38に許容されている左右それぞれの最大ねじれ角を±β/2とし、トーションバー38の全体としての最大ねじれ角をβとすることとしているが、左右それぞれの最大ねじれ角が同一の絶対値を有しなくても、トーションバー38の全体としての最大ねじれ角がβとなっていれば、本実施例の構成と同様の効果を得ることが可能となる。
【0087】
更に、上記の第1実施例においては、操舵軸24がトーションバー38を有し、上部軸40および下部軸42にそれぞれ対応して設けられた第1及び第2レゾルバセンサ60,62の出力差を用いて操舵軸24の絶対角度δを検出する構成を用いているが、操舵軸がトーションバーを有することなく、操舵軸に対応して唯一つ設けられたレゾルバセンサの出力信号の軸倍角k×を用いてその操舵軸の絶対角度を検出する構成に適用することも可能である。
【0088】
すなわち、かかる構成においては、レゾルバセンサの出力信号の軸倍角k×とロック機構70のロック穴の数Nとを、k≦N(好ましくは、k+1≦N)の関係が満たされるように設定すると共に、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた後、記憶絶対角度δを含む操舵軸24が実現可能な絶対角度の360°/Nの領域内において、イグニションキーのIGオフ状態からACC状態への移行時点でレゾルバセンサの出力信号に基づいて検出される360°/kごとの回転角度位置θに対応する角度を、操舵軸24の絶対角度として検出する。この場合には、ロック機構70により制限される操舵軸24が許容される回転の角度領域360°/Nが、レゾルバセンサによる出力信号が同一レベルを有しない角度領域360°/k以下となるので、操舵軸24の絶対角度δを一義的に検出することが可能となる。
【0089】
次に、上記図1と共に、図12乃至図14を参照して、本発明の第2実施例について説明する。
【0090】
本実施例のシステムは、上記図1に示す構成において、操舵軸24の絶対角度δ並びに上部軸40及び下部軸42の回転角度位置を検出するうえで、第1及び第2レゾルバセンサ60,62に代えて、外部から作用する磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子(Magnetic Resistance Element)を有するMRセンサを用いることにより実現される。
【0091】
図12は、本実施例の車両用操舵装置200の要部構成図を示す。尚、図12において、上記図1に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。図1に示す如く、車両用操舵装置200は、操舵軸202を備えている。操舵軸202には、その一端にステアリングホイール22が固定され、他端にステアリングギヤボックス26が連結固定されている。操舵軸202は、ステアリングホイール22の回転に伴って一対に回転する。
【0092】
操舵軸202の外周面には、突起204がその外周面に沿って螺旋状に等間隔にk個(例えば8個)設けられている。突起204は、操舵軸202の外周表面が展開された際にk個のノコギリ波が形成されるように配置されている。突起204は、炭素鋼やケイ素鋼,Baフェライト等の磁性材料により構成されており、周囲に磁界を発生する。
【0093】
また、車両用操舵装置200は、操舵軸202の外周側の車体固定部に配設されたMRセンサ206を備えている。MRセンサ206は、操舵軸202と所定の隙間を空けて平行に設けられている。MRセンサ206は、外部から作用する磁界の強度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を有しており、その磁気抵抗素子と定抵抗値を有する抵抗とからなる分圧回路の分圧値を出力する。
【0094】
上記の構成において、操舵軸202が回転すると、それに伴って、その操舵軸202における、MRセンサ206に対向する突起204部分の軸方向位置が変化する。この突起204部分の軸方向位置変化は、突起204の軸方向位置が360°/kごとに同一位置となるように操舵202が車体側に対して一回転する過程においてk周期のノコギリ状の波形となる。
【0095】
図13は、MRセンサ206の出力信号の軸倍角が8×である場合での、操舵軸202の回転角度位置θとセンサ出力との関係を表した図を示す。MRセンサ206には、対向する操舵軸202の突起204部分の軸方向位置に応じた磁界が作用する。MRセンサ206に作用する磁界の強度は、例えば、対向する操舵軸202の突起204部分の軸方向位置がステアリングセンサ22側の端部にあるほど大きく、一方、ステアリングギヤボックス26側の端部にあるほど小さくなる。
【0096】
上記の如く、MRセンサ206は、作用する磁界の強度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を有している。従って、MRセンサ206は、図13に示す如く、対向する操舵軸202の突起204部分の軸方向位置に応じて、操舵軸202が車体側に対して一回転する過程においてk(=8)周期のノコギリ状の波形信号、すなわち、360°/k(例えば360°/8=45°)ごとに同一レベルの信号を出力する。かかる構成において、MRセンサ206の出力信号は、操舵軸202の一回転当たりの周期を示す軸倍角がk×の信号となる。
【0097】
すなわち、MRセンサ206の出力信号は、操舵軸202の回転角度位置θに対して360°/kごとに一対一で対応する。MRセンサ206には、上記したECU64が接続されている。MRセンサ206の出力信号は、ECU64に供給されている。従って、ECU64は、MRセンサ206の出力信号に基づいて操舵軸202の360°/kごとの回転角度位置θを検出することができる。
【0098】
本実施例の車両用操舵装置200は、上記第1実施例と同様の、操舵軸202の回転を規制するロック機構70を備えている。このロック機構70は、車体側に配設された、操舵軸202の径方向に延びるロックバー72と、操舵軸202と一体に回転するロックホルダ74に設けられたN個のロック穴76と、を有している。かかる構成においては、イグニションキーがIGオフにされ、キー穴80aから抜かれた後、ステアリングホイール22が最大360°/Nだけ回転操作されれば、ロック機構70により操舵軸202の回転が確実に規制されることとなる。
【0099】
従って、MRセンサ206の出力信号の軸倍角が“k”である場合においては、ロック機構70のロック穴が操舵軸202の回りにk個以上設けられていれば、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の操舵軸202の絶対角度に基づいてその記憶された絶対角度を含む操舵軸202が許容される360°/Nの角度領域を設定することにより、その後、その設定角度領域とMRセンサ206の出力信号に基づいて検出される操舵軸202の360°/kごとの回転角度領域との関係から、操舵軸202の絶対角度δを一義的に検出することができる。
【0100】
そこで、本実施例においては、MRセンサ206の出力信号の軸倍角k×と、ロック機構70の操舵軸202周りに等間隔で設けられたロック穴の数Nとを、k≦Nの関係が満たされるように設定する。例えば、軸倍角が8×である場合には、ロック穴の数Nを8以上に設定する。また、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際、その抜かれた時点における操舵軸202の絶対角度δを記憶する。そして、その後、その記憶絶対角度δを含む操舵軸202が実現可能な絶対角度の360°/Nの領域内においてイグニションキーのIGオフ状態からACC状態への移行時点でMRセンサ206の出力信号に基づいて検出される360°/kごとの回転角度位置θに対応する角度を、操舵軸202の絶対角度として検出する。
【0101】
かかる構成においては、ロック機構70による回転規制時に操舵軸202の許容される回転の角度領域(=360°/N)が、MRセンサ206の出力信号が同一レベルを有しない角度領域(=360°/k)以下となる。この場合には、操舵軸24が許容される回転の角度領域内においてMRセンサ206の出力信号が同一レベルとなることはないため、従って、本実施例の車両用操舵装置200によれば、操舵軸202の絶対角度δを一義的に検出することが可能となる。
【0102】
このように操舵軸202の絶対角度δを検出する手法として、ロック機構70とMRセンサ206の出力信号との関係を用いることとすれば、MRセンサ206及び操舵軸202の外周面に配設した突起204以外に絶対角度δを検出するための検出器を設けることは不要となる。従って、本実施例の車両用操舵装置200によれば、操舵軸202の絶対角度δの検出を、別途の検出器を用いる構成に比して簡素な構成で実現することができ、これにより、製造コストの上昇を抑制し、その検出器の搭載スペースを削減することが可能となっている。
【0103】
また、本実施例においても、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた時点での絶対角度δを記憶するので、その後、ロック機構70による操舵軸202の回転規制が解除される時期までECU64やMRセンサ206の電源をオフにすることとすれば、操舵軸202の絶対角度δを検出するうえでそれらの電源を常時オンにする構成に比して電力消費の軽減を図ることができ、暗電流の増大による消費電力の増大を抑制することが可能である。
【0104】
また、本実施例において、操舵軸202の絶対角度δは、イグニションキーがIGオフ状態からACC状態へ移行した際に、前回イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際に記憶された絶対角度δを含む操舵軸24が実現可能な絶対角度の領域と、MRセンサ206の出力信号に基づく360°/kごとの回転角度領域θとの関係を用いて検出される。
【0105】
従って、本実施例の車両用操舵装置200によれば、上記第1実施例の車両用操舵装置20と同様に、操舵軸202の絶対角度の検出を、消費電力の増大を招くことなく簡素な構成で実現しつつ、電源オン後速やかに行うことが可能となっている。
【0106】
更に、本実施例においても、イグニションキーがACC状態からIGオフ状態へ移行した後、キー穴80aから抜かれると判別されるまでに所定時間t0が経過した場合、その判別を中止すると共に、イグニションキーがキー穴80aから抜かれた際の操舵軸202の絶対角度δの記憶がないものとして、ロック機構70とMRセンサ206の出力信号との関係を用いた操舵軸202の絶対角度δの検出を禁止することとしてもよい。これは、イグニションキーがIGオフに操作された後、キー穴80aから抜かれるまでに長期間を要することに起因した消費電力の増大を防止することができ、車載バッテリの電圧低下を防止できるからである。
【0107】
尚、上記の第2実施例においては、MRセンサ206が特許請求の範囲に記載した「センサ」に、MRセンサ206の有する磁気抵抗素子が特許請求の範囲に記載した「磁気抵抗素子」に、操舵軸202の回りに設けられたロック穴の位置が特許請求の範囲に記載した「ロック位置」に、それぞれ相当している。また、ECU64が、MRセンサ206の出力信号に基づいて操舵軸202の回転角度位置を検出することにより特許請求の範囲に記載した「回転角度位置検出手段」が、上記図11に示すルーチン中ステップ130の処理と同様の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「絶対角度検出手段」が、それぞれ実現されている。
【0108】
ところで、上記の第2実施例においては、MRセンサ206の出力信号の軸倍角k×とロック機構70のロック穴の数Nとを、k≦Nの関係が満たされるように設定することとしているが、かかる関係に代えてk+1≦Nの関係が満たされるように設定することが好ましい。k+1=Nの関係を満たす構成によれば、k=Nの関係を満たす構成に比して、操舵軸202の回りのロック穴の数Nが1だけ増加することで、ロック機構70により回転が規制された際に操舵軸202が回転し得る角度領域が狭くなる。この点、k+1≦Nの関係を満たす構成によれば、ロック穴における寸法バラツキ等に起因して回転規制時における操舵軸202の回転し得る角度領域360°/NがMRセンサ206の出力信号が同一レベルを有しない角度領域360°/k以下とならない事態が確実に防止され、操舵軸24の絶対角度δが確実に一義的に検出することが可能となるからである。
【0109】
また、上記の第2実施例においては、操舵軸202がトーションバーを有することなく、その操舵軸202に対応して唯一つ設けられたMRセンサ206の出力信号の軸倍角k×を用いてその操舵軸202の絶対角度δを検出することとしているが、上記の第1実施例の如く操舵軸がトーションバーを有し、上部軸および下部軸にそれぞれ対応して設けられた第1及び第2MRセンサの出力差を用いて操舵軸の絶対角度を検出する構成に適用することも可能である。
【0110】
すなわち、図14は、本変形例の車両用操舵装置250の要部構成図を示す。尚、図14において、上記図1及び図12に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。車両用操舵装置250は、操舵軸252を備えている。操舵軸252は、入力シャフト34に接続された上部軸254と、出力シャフト36に接続された下部軸256と、上部軸254と下部軸256との間に介在されたトーションバー258と、を有している。上部軸254と下部軸256とは、軸回りの相対的な回転を機械的なストッパにより所定のねじれ角の範囲内に規制されている。すなわち、トーションバー258のねじれ角は所定の範囲内(全体としての最大ねじれ角β)に制限されている。
【0111】
上部軸254の外周面には、突起260がその外周面に沿って螺旋状に等間隔に例えばm個設けられている。また、下部軸256の外周面には、突起262がその外周面に沿って螺旋状に等間隔に例えばn(<m)個設けられている。各突起260,262はそれぞれ、上部軸254および下部軸256の外周表面が展開された際にm,n個のノコギリ波が形成されるように配置されている。各突起260,262は、炭素鋼やケイ素鋼,Baフェライト等の磁性材料により構成されており、周囲に磁界を発生する。
【0112】
また、車両用操舵装置250は、下部軸256の外周側の車体固定部に配設されたMRセンサ264、及び、上部軸254の外周側の車体固定部に配設されたMRセンサ266を備えている。MRセンサ264,266は共に、対応する軸256,254と所定の隙間を空けて平行に設けられている。各MRセンサ264,266はそれぞれ、外部から作用する磁界の強度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を有しており、その磁気抵抗素子と定抵抗値を有する抵抗とからなる分圧回路の分圧値を出力する。以下、下部軸256側のMRセンサ264を第1MRセンサ264と、上部軸254側のMRセンサ266を第2MRセンサ266と、それぞれ称す。
【0113】
上記の構成において、上部軸254が回転すると、それに伴って、その上部軸254における、第2MRセンサ266に対向する突起260部分の軸方向位置が変化する。また、下部軸256が回転すると、それに伴って、その下部軸256における、第1MRセンサ264に対向する突起262部分の軸方向位置が変化する。この突起260,262の軸方向位置変化は、突起260,262の軸方向位置が360°/m又は360°/nごとに同一位置となるように上部軸254および下部軸256が車体側に対して一回転する過程においてm周期又はn周期のノコギリ状の波形となる。
【0114】
第1MRセンサ264には、対向する下部軸256の突起262の軸方向位置に応じた磁界が作用する。また、第2MRセンサ266には、対向する上部軸254の突起260の軸方向位置に応じた磁界が作用する。MRセンサ264,266に作用する磁界の強度は、例えば、対向する軸256,254の突起262,260の軸方向位置がステアリングセンサ22側の端部にあるほど大きく、一方、ステアリングギヤボックス26側の端部にあるほど小さくなる。
【0115】
上記の如く、各MRセンサ266,264はそれぞれ、作用する磁界の強度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を有している。従って、各MRセンサ266,264は、対向する軸254,256の突起260,262の軸方向位置に応じて、上部軸254および下部軸256が車体側に対して一回転する過程においてm又はn周期のノコギリ状の波形信号、すなわち、360°/m又は360°/nごとに同一レベルの信号を出力する。かかる構成において、第1MRセンサ264の出力信号は、下部軸256の一回転当たりの周期を示す軸倍角をn×とする信号となり、また、第2MRセンサ266の出力信号は、上部軸254の一回転当たりの周期を示す軸倍角をm×とする信号となる。
【0116】
本変形例においては、一対のMRセンサ266,264の出力信号の軸倍角m×,n×とロック機構70のロック穴の数Nとを、(m−n)≦Nの関係が満たされるように設定すると共に、それらの軸倍角m×,n×とトーションバー38の全体としての最大ねじれ角βとを、(360°/n−360°/m)>βの関係が満たされるように設定する。
【0117】
かかる構成においても、上記した第1実施例の如く、ロック機構70による回転規制時に操舵軸252の許容される回転の角度領域(=360°/N)が、第1及び第2MRセンサ264,266の出力差が同一レベルを有しない角度領域(=360°/(m−n))以下となる。この場合には、操舵軸252が許容される回転の角度領域内においてMRセンサ264,266の出力差が同一レベルとなることはないため、従って、本実施例の車両用操舵装置250によれば、操舵軸252の絶対角度δを一義的に検出することが可能となる。
【0118】
また、かかる構成においても、上記した第1実施例の如く、トーションバー258の全体として最大ねじれ角βのねじれが生じても、第1MRセンサ264の出力信号により360°/nごとに現れる操舵軸252の回転角度位置θの各候補に対して第2MRセンサ266の出力信号から定まる一対のMRセンサ264,266による出力差の取り得る範囲が、隣接する候補についての出力差の取り得る範囲と重なることは回避される。このため、本変形例の車両用操舵装置250によれば、操舵軸252の絶対角度δが誤検出されることはなく、その検出を精度よく行うことが可能となる。
【0119】
ところで、上記の第1及び第2実施例においては、操舵軸の絶対角度δ並びに上部軸及び下部軸の回転角度位置を検出するうえで用いるセンサとして、レゾルバステータとレゾルバロータとにより構成されたレゾルバセンサ、及び、外部から作用する磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を有するMRセンサを用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一回転当たりに複数周期のノコギリ状の波形を出力するセンサを用いることとすればよい。
【0120】
【発明の効果】
上述の如く、発明によれば、操舵軸の絶対角度の検出を、消費電力の増大を招くことなく簡素な構成で実現することができる。
【0121】
請求項4記載の発明によれば、操舵軸のねじれに起因する絶対角度の誤検出を確実に防止することができる。
【0122】
また、請求項記載の発明によれば、操舵軸の絶対角度を検出するうえでイグニションオフ後の消費電力が増大するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である車両用操舵装置の構成図である。
【図2】本実施例の車両用操舵装置の要部断面図である。
【図3】本実施例の車両用操舵装置が有するロック機構の要部断面図である。
【図4】本実施例の車両のイグニションキーが挿入されるキーシリンダを模式的に表した図である。
【図5】一対のレゾルバセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,6×である場合での、操舵軸の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図である。
【図6】一対のレゾルバセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,7×である場合での、操舵軸の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図である。
【図7】一対のレゾルバセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれ5×,6×である状況下において操舵軸に±6°のねじれが生ずる場合での、操舵軸の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図である。
【図8】一対のレゾルバセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれ6×,8×である状況下において操舵軸に±6°のねじれが生ずる場合での、操舵軸の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図である。
【図9】一対のレゾルバセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれ6×,8×である状況下において操舵軸に±7.5°のねじれが生ずる場合での、操舵軸の回転角度位置θとレゾルバ出力との関係を表した図である。
【図10】本実施例においてイグニションオフ時に実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図11】本実施例においてイグニションオン時に実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施例である車両用操舵装置の要部構成図である。
【図13】MRセンサの出力信号の軸倍角が8×である場合での、操舵軸の回転角度位置θとセンサ出力との関係を表した図である。
【図14】本実施例の変形例である車両用操舵装置の要部構成図である。
【符号の説明】
20,200,250 車両用操舵装置
22 ステアリングホイール
24,202,252 操舵軸
38,258 トーションバー
40,254 上部軸
42,256 下部軸
60 第1レゾルバセンサ
62 第2レゾルバセンサ
64 電子制御ユニット(ECU)
70 ロック機構
72 ロックバー
76,78 ロック穴
80 キーシリンダ
80a キー穴
204,260,262 突起
206,264,266 MRセンサ

Claims (10)

  1. 車両の操舵軸の回転角度位置に応じた信号を出力するセンサと、前記操舵軸回りに等間隔で設けられたロック位置で該操舵軸の回転を規制するロック機構と、を備える車両用操舵装置であって、
    前記センサの出力信号の軸倍角がk×であり、また、前記操舵軸回りの前記ロック位置の数がNであるものとした場合、k≦Nが成立することを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記センサの出力信号に基づいて前記操舵軸の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、
    前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された後、該回転規制が許可された際の前記操舵軸の絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出する絶対角度検出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用操舵装置。
  3. 車両の操舵軸のねじれ部の回転角度位置に応じた信号をそれぞれ出力する一対のセンサと、前記操舵軸回りに等間隔で設けられたロック位置で該操舵軸の回転を規制するロック機構と、を備える車両用操舵装置であって、
    前記一対のセンサの出力信号の軸倍角がそれぞれm×,n×であり(m>n)、また、前記操舵軸回りの前記ロック位置の数がNであるものとした場合、(m−n)≦Nが成立することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 前記操舵軸のねじれ部に許容される許容ねじれ角がβであるものとした場合、(360°/n−360°/m)>βが成立することを特徴とする請求項3記載の車両用操舵装置。
  5. 前記一対のセンサの出力信号の関係に基づいて前記操舵軸の回転角度位置を検出する回転角度検出手段と、
    前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された後、該回転規制が許可された際の前記操舵軸の絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出する絶対角度検出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の車両用操舵装置。
  6. 前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可された際の前記操舵軸の絶対角度を記憶する不揮発性メモリと、
    前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された際に、前記不揮発性メモリに記憶されている前記絶対角度を読み出す読出手段と、を備え、
    前記絶対角度検出手段は、前記ロック機構による前記操舵軸の回転規制が許可後に解除された後、前記読出手段により読み出した前記絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出することを特徴とする請求項2又は5記載の車両用操舵装置。
  7. 車両のイグニションキーがキー穴から抜かれたか否かを判別するキー判別手段を備え、
    前記ロック機構は、前記イグニションキーが前記キー穴から抜かれている状況下において前記操舵軸の回転を規制すると共に、
    前記絶対角度検出手段は、前記イグニションキーがオフ状態からACC状態へ移行した後、前回前記キー判別手段により前記イグニションキーが前記キー穴から抜かれたと判別された時点での前記操舵軸の絶対角度と、前記回転角度位置検出手段により検出される前記操舵軸の回転角度位置との関係に基づいて、前記操舵軸の絶対角度を検出することを特徴とする請求項2又は5記載の車両用操舵装置。
  8. 前記キー判別手段による判別は、該イグニションキーがイグニションオフに操作された後に所定時間が経過した後には中止されると共に、以後、前記絶対角度検出手段による検出は禁止されることを特徴とする請求項記載の車両用操舵装置。
  9. 前記センサは、共に巻線を有するレゾルバステータとレゾルバロータとにより構成されたレゾルバセンサであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の車両用操舵装置。
  10. 前記操舵軸は、該操舵軸の外周面に沿って設けられた磁界を発生する突起を有し、
    前記センサは、外部から作用する磁界の強度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の車両用操舵装置。
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