JP4406387B2 - エンジン用燃料系部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等のエンジンに使用され、弁座に対する弁体の開作動に伴い燃料出口から燃料を導出するインジェクタやリリーフバルブ等のエンジン用燃料系部品の製造方法に関する。
従来、この種のエンジン用燃料系部品としては、エンジンの燃料供給装置に使用されるインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)やリリーフバルブ等の部品がある。例えば、エンジンに設けられる燃料供給装置は、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンクから燃料を汲み上げる燃料ポンプと、燃料ポンプから吐出される燃料をエンジン近傍に配置されたデリバリパイプへ送る燃料ラインとを備える。このデリバリパイプへ送られた燃料を各気筒へ噴射供給するために、デリバリパイプにインジェクタが設けられる。また、燃料ラインやデリバリパイプの中の燃料圧力を一定に保つために、燃料ライン等にリリーフバルブが設けられる。
ここで、インジェクタとしては、例えば、下記特許文献1に記載されるものがある。このインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)は、電磁石の吸引力により弁座に対して開閉作動する弁体(ニードルバルブ)を備え、その弁体(ニードルバルブ)の開作動に伴い、ノズル本体(ノズルボディ)の噴孔(オリフィス)から燃料を噴射するように構成されている。一般に、この種のインジェクタは、ノズル本体、弁座及び弁体等がステンレス鋼等を精密加工することにより形成される。
一方、リリーフバルブとしては、例えば、下記特許文献2に記載されるものがある。このリリーフバルブは、弁座に当接する弁体と、一端で弁体を弁座方向に付勢するスプリングと、スプリングの他端を受け、弁本体に加締め又は圧入により固定されるアジャスタと、弁体、スプリング、及びアジャスタを収納するパイプ材からなる弁本体と、弁本体を外部機器に取り付ける弁本体固定部材とから構成されている。この種のリリーフバルブの弁本体(ボディ)、弁体及び弁座は、一般に耐摩耗性の高いステンレス鋼等により形成される。特に、弁座は切削加工により形成されることが多い。この弁座に対し、弁体を当接することにより、弁座と弁体との間のシール性を確保している。
ところが、前記したようなインジェクタやリリーフバルブは、油密を保持するために非常に精密な加工が必要であるが、従来、ノズル本体(弁本体)、弁座及び弁体等はステンレス鋼等の旋盤(ボールミル盤)加工により形成されるため、製造に長時間必要であり、製造コストが高騰する原因になっていた。また、ステンレス鋼はヤング率が相対的に高いことから、硬質であり、油密保持が難しいという難点があった。
そこで、未だ実用化はされていないが、金属ガラス(非晶質合金)を素材として、鋳造によりノズル本体(弁本体)や弁座、弁体等を成型する技術が開発されている(特許文献3〜6参照)。
特開2001−193596号公報(第2〜5頁、図1、図2) 特開2001−271950号公報(第2〜6頁、図1〜図5) 特開2004−239245号公報(特許請求の範囲) 特開2004−190563号公報(特許請求の範囲) 特開2001−132587号公報(特許請求の範囲) 特開2001−132588号公報(特許請求の範囲)
前記のように、エンジン燃料系部品のノズル本体(弁本体)、弁座及び弁体の少なくとも一つを金属ガラスで構成することにより、金属ガラスはヤング率がステンレス鋼等に比べて低いことから、部品同士の密着性が良くなり、そのため油密性が良くなり、さらに耐食性が向上し、また成形部品の軽量化を図れる、という効果が期待できる。
しかしながら、前記のような部品を金属ガラスの鋳造により一工程で成型するために、鋳造時の急激な冷却により溶湯の圧力が充分に伝わりにくいため、一般的に使用されているステンレス鋼製のインジェクタやリリーフバルブに比べ、弁座表面が粗く、従って弁座と弁体の弁部の接触する部分(シール部)の真円度が悪く、弁座と弁部の密着性においては改良の余地があった。
従って、本発明の目的は、素材としての金属ガラス使用による前記効果に加えて、シール部の密着性がさらに向上し、液密性や気密性(以下、代表して油密性という)が良く、それによって高圧の燃料の噴射と遮断を高精度で行えるエンジン用燃料系部品の製造方法を提供し、もって低燃費、高出力のエンジンを製造可能とすることにある。
さらに本発明の目的は、このような優れた特性を有するエンジン用燃料系部品を比較的低コストで生産性良く製造できるエンジン用燃料系部品の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、先端部に燃料出口と該燃料出口の内側周囲に対応して設けられた弁座を有し、内部に燃料が供給される弁座ボディと、該弁座ボディの内部に上記弁座に向かって移動自在に配設され、先端に上記弁座に着座可能な弁部を有する弁体とを備えたエンジン用燃料系部品において、上記弁座ボディと上記弁体の少なくとも弁部のいずれか一方又は両方が非晶質合金から成り、かつ、上記弁座及び弁部の接触する環状部分の真円度が0.5μm以下であるエンジン用燃料系部品を製造できる方法を提供するものである
ここで、真円度とは、弁座及び弁部の接触する環状部分(シール部)の真円からの各円弧部分のずれ(凹凸)の度合いを意味し、実際に測定した環状部分(シール部)の円形形体を同心2円で挟んだ時(例えば、同心の内接円、外接円)、2円の間隔が最小となる場合の半径差(μm又はmm)で表す。
本発明によれば、先端部に燃料出口と該燃料出口の内側周囲に対応して設けられた弁座を有し、内部に燃料が供給される弁座ボディと、該弁座ボディの内部に上記弁座に向かって移動自在に配設され、先端に上記弁座に着座可能な弁部を有する弁体とを備えたエンジン用燃料系部品の製造方法が提供され、その第一の態様は、少なくとも上記弁座ボディを非晶質合金から金型鋳造法により成型する工程と、成型された弁座ボディの弁座を、押圧部材の押圧部が、上記弁座と接触する弁体の弁部と同じ断面形状を有する押圧部材によって押圧成形する工程とを含むことを特徴としている。好適な態様においては、鋳造時又は押圧成形時にオリフィスプレートを弁座ボディの先端に一体的に取り付けるか、あるいは鋳造時又は押圧成形時にオリフィス形状を弁座ボディの先端に成形する。
また、本発明のエンジン用燃料系部品の製造方法の第二の態様は、少なくとも上記弁体の弁部を非晶質合金から金型鋳造法により成型する工程と、成型された弁体の弁部を、押圧部材の押圧部が、上記弁体の弁部と接触する弁座と同じ断面形状を有する押圧部材によって押圧成形する工程とを含むことを特徴としている。
本発明のエンジン用燃料系部品及びその製造方法において、前記非晶質合金は、体積率50%以上の非晶質相を含むことが好ましい。
なお、本発明のエンジン用燃料系部品は、ガソリンや軽油等の液体のみならず、水素や液化ガス等の気体にも適用可能である。
本発明の方法により製造されるエンジン用燃料系部品は、前記弁座ボディと前記弁体の少なくとも弁部のいずれか一方又は両方が非晶質合金から成り、かつ、上記弁座及び弁部の接触する環状部分(シール部)の真円度が0.5μm以下であり、上記非晶質合金から成る部材の接触面が押圧成形によって上記真円度となるように形成されたものであるため、素材としての非晶質合金使用による効果に加えて、非晶質合金はヤング率がステンレス鋼等に比べて低いことから、部品同士の密着性が良くなり、そのため油密性が良くなり、さらに耐食性が向上し、また成型部品の軽量化を図れるという効果に加えて、シール部の密着性がさらに向上し、油密性が良く、それによって高圧の燃料の噴射と遮断を高精度で行える。また、用いる合金材料の非晶質相体積率を50%以上とした場合、良好な真円度が得られる。
また、本発明に係るエンジン用燃料系部品の製造方法によれば、その第一の態様では少なくとも前記弁座ボディを、また第二の態様では少なくとも前記弁体の弁部を、非晶質合金から金型鋳造法により成型した後、成型された非晶質合金から構成される部材(少なくとも弁座ボディ又は弁体の弁部)を、その過冷却液体領域での粘性流動を利用して押圧部材によって押圧成形するため、弁座と弁部の接触する環状部分(シール部)の真円度が0.5μm以下(0は含まない)、好ましくは0.1〜0.5μmとなるように容易に形成することができ、シール部の密着性がさらに向上し、油密性が良く、それによって高圧の燃料の噴射と遮断を高精度で行えるエンジン用燃料系部品を比較的低コストで生産性良く製造できる。また、上記押圧部材の押圧部、上記弁体の弁部と接触する弁座と同じ断面形状を有するため、シール部の密着性がさらに向上し、油密性が良くなる。さらに、鋳造時又は押圧成形時にオリフィスプレートを弁座ボディの先端に一体的に取り付ける好適な態様、あるいは鋳造時又は押圧成形時にオリフィス形状を弁座ボディの先端に成形する態様においては、より一層の製造時間の短縮及び生産性の向上が図れる。
燃料噴射部品の特性を充分なものにするためには、連続的に行える安価で高精度な成型方法と、油密特性を向上できる低ヤング率の材料が必要である。このため、エンジン用燃料系部品の弁座ボディ(ノズルボディもしくはシートボディ)と、弁体の少なくとも弁部のいずれか一方又は両方の素材として非晶質合金を用いることが望ましい。しかしながら、非晶質合金の金型鋳造法のみでは、弁座と弁部の接触する環状部分(シール部)に所望の真円度を達成することは困難である。また、弁座に要求される特性の1つに「油密性(燃料が漏れないこと)」がある。バルブの開閉は、一般に電磁石により行われるが、バルブが「閉」のときに密着性が劣っていると、そこから油漏れ(燃料漏れ)が生じる。そのため、鋳造時に注意すべき点は、要求される真円度を達成することは勿論必要であるが、シール面に「湯じわ」や「巣(穴)」がないことも重要である。
本発明者らは、前記した要求を達成すべく鋭意研究の結果、エンジン用燃料系部品の弁座ボディ及び/又は弁体の弁部を、非晶質合金から金型鋳造法により成型した後、成型された非晶質合金から構成される部材(少なくとも弁座ボディ又は弁体の弁部)を、その過冷却液体領域での粘性流動を利用して押圧部材によって押圧成形(鍛造成形)することにより、弁座と弁部の接触する環状部分(シール部)の真円度が0.5μm以下となるように容易に形成することができ、シール部の密着性がさらに向上し、油密性が良く、それによって高圧の燃料の噴射と遮断を高精度で行えるエンジン用燃料系部品を生産性良く製造できることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。例えば、非晶質合金により超精密ダイカスト法を利用して成型した弁座(又は該弁座に着座する弁体先端部の弁体)の真円度は、0.5〜1.5μm程度、一般に0.6〜1.1程度であるが、さらにプレス法を採用し、非晶質合金の過冷却液体領域での粘性流動を利用して押圧成形した弁座(又は弁体の弁部)の真円度は0.5μm以下、例えば0.1〜0.4μm程度にまで向上する。その結果、弁座と弁部の接触する環状部分(シール部)の表面平滑性及び密着性に優れ、油密性が格段に向上する。
以下、添付図面に示す各種実施形態を説明しながら、本発明についてより具体的に説明する。
図1は、本発明をエンジン用燃料系部品としてのインジェクタに具体化した第1の実施形態を示している。このインジェクタ1は、ハウジング2の内部に設けられたコア3と、コア3の内部に設けられた調整パイプ4と、ハウジング2とコア3の先端側に設けられたソレノイド5と、ハウジング2の先端側に設けられたロワボディ6と、ロワボディ6の内部に設けられた弁座ボディとしてのノズルボディ7、ストッパ8及び弁体9と、ノズルボディ7の先端に設けられたキャップ10と、ノズルボディ7とキャップ10との間に設けられたオリフィスプレート11とを備える。この実施形態では、互いに組み付けられたノズルボディ7、キャップ10及びオリフィスプレート11により噴射ノズルが構成される。ノズルボディ7と弁体9のいずれか一方は、本発明に従って非晶質合金の精密金型成形法に鋳造される。例えば、どちらか一方をステンレス鋼で作製することにより、柔らかい非晶質合金と硬いステンレス鋼の組合せにより、油密性が向上する。
コア3の基端部は、デリバリパイプ(図示省略)に接続される配管コネクタ12となっている。配管コネクタ12の周囲には、Oリング13が装着されている。配管コネクタ12の内部には、異物を除去するためのストレーナ14が設けられている。また、ハウジング2には、配線コネクタ15が一体形成されている。配線コネクタ15には、ターミナル16が設けられている。
ソレノイド5は、コイル17とボビン18から構成される。ボビン18は、ターミナル16に接続されている。ノズルボディ7の先端部には、弁座7a及び燃料出口の一部を構成する噴孔7bが形成されている。この噴孔7bに対応して、オリフィスプレート11には、本発明の燃料出口としての燃料噴射用の複数のオリフィス(図示略)が設けられる。
図2及び図3はノズルボディ7を示し、図2は平面図、図3は断面図である。ノズルボディ7は、カップ状をなし、その底壁に段部7cを含む。この段部7cの中央に、円錐形状の内面を弁座7aとする凹部7dが形成されている。この凹部7dの中央に、噴孔7bが形成されている。この実施形態では、ノズルボディ7は、弁座7a、噴孔7b、段部7c及び凹部7dと共に、非晶質合金を素材として精密鋳造により同時に一体成型される。
図4及び図5はオリフィスプレート11を示し、図4は断面図、図5は平面図である。オリフィスプレート11は、扁平なカップ状をなし、その中央に燃料出口としての複数のオリフィス11aを含む。図4に示すように、複数のオリフィス11aは、中心軸線Oに対して所定角度傾いて形成されている。これらオリフィス11aの傾きにより、燃料の噴射方向に傾きが与えられる。また、図5に示すように、複数のオリフィス11aは、分散配置されている。これにより、噴射燃料の霧化及び微粒化が図られる。オリフィスプレート11は、ステンレス鋼等により別途作製できるが、非晶質合金を素材として精密鋳造によりノズルボディ7を成形する際に同時にオリフィス11aの形成も含めて一体成型することもできるし、あるいは後述するように、非晶質合金を素材として精密鋳造によりノズルボディ7を成型する際に、予めステンレス鋼等で作製しておいたオリフィスプレート11を同時に一体的に固着することもできるし(インサート成形)、あるいはまた、成型したノズルボディ7に予め作製しておいたオリフィスプレート11を溶接等により固着することもできる。
上記実施形態のように、インジェクタ1は、先端部に複数のオリフィス11aを含み、内部に燃料が供給されるノズルボディ7を備えている。ノズルボディ7の内部には、オリフィス11aに対応して弁座7aが設けられており、また、ノズルボディ7の内部には、弁座7aに着座可能な弁部19bを含む弁体9が設けられている。
以上説明した実施形態のインジェクタ1によれば、弁体9のアーマチュア20にソレノイド5の磁力による吸引力が作用することにより、スプリング21に抗して弁体9が移動し、その弁部19bが弁座7aから離れて開弁する。これにより、配管コネクタ12からコア3の内部に供給される燃料が、ノズルボディ7の噴孔7b及びオリフィスプレート11の各オリフィス11aを通じて噴射される。一方、アーマチュア20に対するソレノイド5の吸引力が消失することにより、弁体9がスプリング21により押圧されて移動し、その弁部19bが弁座7aに密着して閉弁する。これにより、噴孔7b及び各オリフィス11aからの燃料噴射が停止する。即ち、このインジェクタ1は、弁座7aに対する弁体9の弁部19bの開作動に伴い燃料を各オリフィス11aから噴射するようになっている。
図6は、金型鋳造法により前記ノズルボディ7を製造する装置及び方法の一実施態様の概略構成を示している。なお、装置自体は例えば特開2001−246451号公報等に記載のものが好適に使用でき、本明細書中に引用加入するので、詳細については同公報を参照されたい。
強制冷却鋳型30は上型31と下型32とからなり、これらの内部にはノズルボディ7の外径寸法を規制する製品成形用キャビティ33が形成されており、このキャビティ33内にはノズルボディ7の内径寸法を規制する中子34が配設される。キャビティ33は湯道35によって下型32の下面に開口する注湯口36と連通している。
なお、強制冷却鋳型30は、銅、銅合金、超硬合金、鋼材その他の金属材料など、耐熱性のある材料から作製することができるが、キャビティ33内に注入された溶湯の冷却速度を速くするために、熱容量が大きくかつ熱伝導率の高い材料とすることが好ましい。また、上型には冷却水、冷媒ガス等の冷却媒体を流通させる流路を配設することもできる。
溶解用容器37は、前記下型32の注湯口36の真下に昇降自在に配設されている。溶解用容器37は、円筒状の原料収容部38と、該原料収容部38の原料収容孔の直径と略等しい直径を有する溶湯移動具39とからなり、溶湯移動具39は原料収容部38の原料収容孔内に摺動自在に配置されている。該溶湯移動具39は図示しない油圧シリンダ(又は空圧シリンダ)により上下動される。また、溶解用容器37の原料収容部38の周囲には、加熱源として誘導コイル40が配設されている。加熱源としては、高周波誘導加熱の他、抵抗加熱等の任意の手段を採用できる。上記原料収容部38及び溶湯移動具39の材質としては、セラミックス、耐熱皮膜コーティング金属材料などの耐熱性材料が好ましい。
なお、溶湯の酸化皮膜形成を防止するために、装置全体を真空中又はArガス等の不活性ガス雰囲気中に配置するか、あるいは少なくとも下型32と溶解用容器37の原料収容部38上部との間に不活性ガスを流すことが好ましい。
本発明のノズルボディ7の製造に際しては、まず、溶解用容器37が強制冷却鋳型30の下方に離間した状態において、原料収容部38内の溶湯移動具39上の空間内に後述するような非晶質合金を生じ得る組成の合金原料Aを装填する。合金原料Aとしては棒状、ペレット状、粉末状等の任意の形態のものを使用できる。
次いで、誘導コイル40を励磁して合金原料Aを急速に加熱する。合金原料Aが溶解したかどうかを、例えば熱電対等により溶湯温度を検出して確認した後、誘導コイル40を消磁し、図7に示すように、溶解用容器37をその上端部が下型32の注湯口36周囲に圧接されるまで上昇させ、次いで油圧シリンダを作動させて溶湯移動具39を急速に上昇させ、溶湯A’を強制冷却鋳型30の注湯口36から射出する。射出された溶湯A’は湯道35を経て製品成形用キャビティ33内に注入、加圧され、急速に凝固される。この際、射出温度、射出速度等を適宜設定することにより、103 K/s以上の冷却速度が得られ、例えば1100℃以上の溶湯は常温〜200℃程度まで冷却される。その後、溶解用容器37を下降させ、上型31と下型32を分離して製品を取り出す。
前記の方法で製造された鋳造品のノズルボディ部分から湯道部分を切断・分離し、その切断面を研磨することにより、鋳型のキャビティ面を忠実に再現した平滑な表面を有する図2及び図3に示すようなノズルボディ7が得られる。
前記のような高圧ダイカスト法によれば、鋳造圧力が100MPa程度まで、射出速度が数m/s程度まで可能であり、以下のような利点が得られる。
(1)溶湯の金型への充填が数ms以内で完了し、急冷作用が大きい。
(2)溶湯の金型との高密着性による冷却速度の増大とともに、精密成形が可能である。
(3)鋳造品の凝固収縮時における引け巣などの欠陥を低減できる。
(4)複雑な形状の成形品の作製が可能になる。
(5)高粘度の溶湯の鋳込みが可能になる。
次に、前記したように鋳造された弁座ボディとしてのノズルボディ7は、図8に示すように、プレス成形台41内に配置される。プレス成形台41は、ノズルボディ7の外形寸法の孔部44を有する上台42と、オリフィスプレート11を配置するための凹部45を有する下台43とからなる。また、プレス成形台41の上部には、先端にノズルボディ7の弁座7aと同一形状の押圧部47を有する押圧部材46が上下動自在に配設されている。押圧部材46はステンレス鋼等から作製することができる。なお、押圧部材46としては、弁体自体を用いることが好ましい。下台43の凹部45に予めステンレス鋼等により作製されたオリフィスプレート11を配置した状態で上台42を整合して配置し、上台42の孔部44内に鋳造後のノズルボディ7を配置する。この状態で、押圧部材46を下方に移動させ、その先端の押圧部47でノズルボディ7の弁座7aの表面を押圧し、弁座7aの表面の成形と、ノズルボディ7とオリフィスプレート11の圧着(接合)を同時に行う。
この押圧成形は、ノズルボディ7の素材である非晶質合金の過冷却域(例えば400〜480℃)で結晶化しない時間行う。押圧成形後、徐冷し、上台42と下台43を分離して、ノズルボディ7とオリフィスプレート11が一体化した製品を取り出す。なお、本実施態様では、オリフィスプレートのノズルボディとの固着面に凹凸形状を形成させておくことで、ノズルボディとオリフィスプレートを強固に固着することが可能となる。また、ノズルボディ7を押圧成形する際に、予め作製しておいたオリフィスプレート11を同時に一体的に固着したが、押圧成形したノズルボディ7に予め作製しておいたオリフィスプレート11を溶接等により固着することもできる。また、プレス成形台41(上台42、下台43)は耐熱性材料であれば全て使用可能であり、また、この押圧成形は必ずしも真空中で行わない。
図9は、本発明をエンジン用燃料系部品としてのインジェクタに具体化した第2の実施形態を示している。この実施形態は、オリフィスを含むプレート(オリフィスプレート)がノズルボディに装着されるタイプの噴射ノズルを備えたインジェクタである。
このインジェクタ51は、噴射ノズル52に関する部品を除き、基本構成については、前記図1に示す第1の実施形態のインジェクタ1と同じである。例えば、この実施形態では、ノズルボディ52に複数のオリフィス11aを含むオリフィスプレート11(図4及び図5参照)を組み付けてなる噴射ノズル52を備えている点で、第1の実施形態と構成が類似している。この噴射ノズル52は、ハウジング2の先端部に直接組み付けられている。ノズルボディ53は、チューブ54と、弁座ボディとしてのシートボディ55によりカップ状に構成されている。シートボディ55は、弁座55aを含み、弁座ボディとして機能する。オリフィスプレート11は、シートボディ55の先端面に装着され、プレートホルダ56によりチューブ54に固定される。プレートホルダ56の先端は、チューブ54に対して溶接される。オリフィスプレート11の構成は、第1の実施形態におけるそれと同じである。
このインジェクタ51の弁体57は、軸部57aと、該軸部57aの先端に設けられ、弁座55aに着座可能な球状の弁部57bと、軸部57aの基端に設けられるアーマチュア部57cとから構成される。この弁体57は、磁性材料により一体成形されている。
この実施形態では、弁座55aを有するシートボディ55と、弁体57の少なくとも弁部57bのいずれか一方は、本発明に従って非晶質合金の精密金型成形法により鋳造される。例えば、どちらか一方を非晶質合金よりもヤング率が高いステンレス鋼で作製することにより、柔らかい非晶質合金と硬いステンレス鋼の組合せにより、油密性が向上する。
従って、この実施形態のインジェクタ51では、アーマチュア部57cにソレノイド5の磁力による吸引力が作用することにより、スプリング21に抗して弁体57が移動し、その弁部57bが弁座55aから離れて開弁する。これにより、コア3の内部に供給された燃料が、オリフィスプレート11の各オリフィスを通じて噴射される。一方、アーマチュア部57cに対するソレノイド5の吸引力が消失することにより、弁体57がスプリング21により押圧され、弁部57bが弁座55aに密着して閉弁する。これにより、オリフィスプレート11の各オリフィスからの燃料噴射が停止する。即ち、弁座55aに対する弁体57の弁部57bの開作動に伴い燃料をオリフィスプレート11の各オリフィスから噴射するようになっている。
前記した弁座ボディとしてのシートボディ55が、本発明に従って非晶質合金から金型鋳造法により成型された場合、その後、図10に示すように、プレス成形台41内に配置される。プレス成形台41は、シートボディ55の外形寸法の孔部44を有する上台42と、シートボディ55の先端部を配置するための凹部45を有する下台43とからなる。また、プレス成形台41の上部には、先端に弁部57bと同じ球状の押圧部47aを有する押圧部材46が上下動自在に配設されている。押圧部材46はステンレス鋼等から作製することができる。なお、押圧部材46としては、弁体自体を用いることが好ましい。下台43に上台42を整合して配置し、上台42の孔部44内に鋳造後のシートボディ55を配置する。この状態で、押圧部材46を下方に移動させ、その先端の押圧部47aでシートボディ55の弁座55aの表面を押圧し、弁座55aの表面の成形を行う。この押圧成形の条件は、前記図8で説明したものと同様である。
図11は、非晶質合金を素材として精密鋳造によりノズルボディ7を成型する際に、予め作製しておいたオリフィスプレート11を同時に一体的に固着する態様を示している(インサート成形)。強制冷却鋳型30の下型32の製品成形用キャビティ33内に予めオリフィスプレート11を配置した状態で鋳造を行う以外は、前記図6及び図7を参照して説明した装置及び方法と同じであるため、説明は省略する。
図12は、弁体9を非晶質合金から鋳造した後、押圧成形する態様の一実施態様を示している。この実施態様の場合、プレス成形台41aは、弁体9の外形寸法の孔部44aを有する上台42aと、弁体9の基部の外形寸法の凹部45aを有する下台43aとからなる。また、プレス成形台41aの上部には、弁体9の弁部19bと同一の断面形状の押圧部47bを有する押圧部材46aが上下動自在に配設されている。押圧部材46aは400℃以上の耐熱材料、ステンレス鋼等から作製することができる。鋳造された弁体9を、プレス成形台41a内に配置、固定した状態で、押圧部材46aを下方に移動させ、その下端の押圧部47bで弁体9の弁部19bの表面を押圧し、成形を行う。
本発明で用いる非晶質合金としては、体積率50%以上の非晶質相を含む実質的に非晶質の種々の合金を好適に用いることができるが、特に下記一般式(1)〜(6)のいずれか1つで示される組成を有する非晶質合金を好適に用いることができる。
一般式(1):M Ln
但し、MはZr及びHfから選ばれる1種又は2種の元素、MはNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、Ti、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはBe、B、C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはTa、W及びMoよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはAu、Pt、Pd及びAgよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、0≦e≦15、0≦f≦15である。
上記非晶質合金は、下記一般式(1−a)〜(1−p)の非晶質合金を含む。
一般式(1−a):M
この非晶質合金は、M元素がZr又はHfと共存するために、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス形成能が良い。
一般式(1−b):M Ln
この非晶質合金のように、上記一般式(1−a)の合金に希土類元素を添加することによりアモルファスの熱的安定性が向上する。
一般式(1−c):M
一般式(1−d):M Ln
これらの非晶質合金のように、原子半径の小さな元素M(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向上する。
一般式(1−e):M
一般式(1−f):M Ln
一般式(1−g):M
一般式(1−h):M Ln
これらの非晶質合金のように、高融点金属M(Ta,W,Mo)を添加した場合、アモルファス形成能に影響を与えずに耐熱性、耐食性が向上する。
一般式(1−i):M
一般式(1−j):M Ln
一般式(1−k):M
一般式(1−l):M Ln
一般式(1−m):M
一般式(1−n):M Ln
一般式(1−o):M
一般式(1−p):M Ln
これらの貴金属M(Au,Pt,Pd,Ag)を含んだ非晶質合金の場合、結晶化が起きても脆くならない。
一般式(2):Al100−g−h−iLn
但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはBe、B、C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10である。
上記非晶質合金は、下記一般式(2−a)及び(2−b)の非晶質合金を含む。
一般式(2−a):Al100−g−hLn
この非晶質合金は、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス形成能が良い。
一般式(2−b):Al100−g−h−iLn
この非晶質合金においては、原子半径の小さな元素M(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向上する。
一般式(3):Mg100−p
但し、MはCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦60である。
この非晶質合金は、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス形成能が良い。
一般式(4):Mg100−q−r
但し、MはCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはAl、Si及びCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25である。
この非晶質合金のように、前記一般式(3)の合金において原子半径の小さな元素M(Al,Si,Ca)でアモルファス構造中の隙間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向上する。
一般式(5):Mg100−q−s
一般式(6):Mg100−q−r−s
但し、MはCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはAl、Si及びCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、MはY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦25である。
これらの非晶質合金のように、前記一般式(3)及び(4)の合金に希土類元素を添加することによりアモルファスの熱的安定性が向上する。
前記した非晶質合金の中でも、ガラス遷移温度(Tg)と結晶化温度(Tx)の温度差が極めて広いZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系(TM:遷移金属)非晶質合金は、高強度、高耐食性であると共に、過冷却液体領域(ガラス遷移領域)ΔTx=Tx−Tgが30K以上、特にZr−TM−Al系非晶質合金は60K以上と極めて広く、この温度領域では粘性流動により数10MPa以下の低応力でも非常に良好な加工性を示す。また、冷却速度が数10K/s程度の鋳造法によっても非晶質バルク材が得られるなど、非常に安定で製造し易い特徴を持っている。これらの合金は、溶湯からの金型鋳造によっても、またガラス遷移領域を利用した粘性流動による成形加工によっても、非晶質材料ができると同時に、金型形状及び寸法を極めて忠実に再現する。
本発明で使用されるこれらのZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系非晶質合金は、合金組成、測定法によっても異なるが、非常に大きなΔTxの範囲を持っている。例えばZr60Al15Co2.5Ni7.5Cu15合金(Tg:652K、Tx:768K)のΔTxは116Kと極めて広い。硬度は室温からTg付近までビッカース硬度(Hv)で460(DPN)、引張強度は1,600MPa、曲げ強度は3,000MPaに達する。熱膨張率αは室温からTg付近まで1×10−5/Kと小さく、ヤング率は91GPa、圧縮時の弾性限界は4〜5%を超える。さらに靭性も高く、シャルピー衝撃値で60〜70kJ/mを示す。このように非常に高強度の特性を示しながら、ガラス遷移領域まで加熱されると、流動応力は10MPa程度まで低下する。このため極めて加工が容易で、低応力で複雑な形状の微小部品や高精度部品に成形できるのが本合金の特徴である。しかも、いわゆるガラス(非晶質)としての特性から加工(変形)表面は極めて平滑性が高く、結晶合金を変形させたときのように滑り帯が表面に現われるステップなどは実質的に発生しない特徴を持っている。
一般に、非晶質合金はガラス遷移領域まで加熱すると長時間の保持によって結晶化が始まるが、本合金のようにΔTxが広い合金は非晶質相が安定であり、ΔTx内の温度を適当に選べば2時間程度までは結晶が発生せず、通常の成形加工においては結晶化を懸念する必要はない。
また、本合金は溶湯からの凝固においてもこの特性を如何なく発揮する。一般に非晶質合金の製造には急速な冷却が必要とされるが、本合金は冷却速度10K/s程度の冷却で溶湯から容易に非晶質単相からなるバルク材を得ることができる。その凝固表面はやはり極めて平滑であり、金型表面のミクロンオーダーの研磨傷でさえも忠実に再現する転写性を持っている。
また、本発明に用いる非晶質合金としては、前記したような非晶質合金の他、特開平10−186176号、特開平10−311923号、特開平11−104281号、特開平11−189855号等に記載されている非晶質合金など、従来公知の各種非晶質合金を用いることができる。
以下に本発明の効果を具体的に確認した実施例及び比較例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
実施例1〜10
図6に示されるような装置を用い、1×10−4Torrの真空雰囲気中に保持した雰囲気下において、予め溶製したZr55−Al10−Cu30−Ni合金インゴットを高周波溶解し、キャビティを有する金型内に射出して充填させた。射出により充填された鋳物を冷却後取り出し、ランナー部を切断除去し、図2及び図3に示すような形状のノズルボディを作製した。
次いで、作製されたノズルボディに対して、図8に示すような圧力成形機によって、真空中あるいは大気中において、450℃の温度域において所定の圧力で押圧成形を行い、ノズルボディの弁体と当接する弁座部分を押圧し、表面を平坦化した。
比較例1〜10
前記実施例と同様に、図6に示されるような装置を用い、1×10−4Torrの真空雰囲気中に保持した雰囲気下において、予め溶製したZr55−Al10−Cu30−Ni合金インゴットを高周波溶解し、キャビティを有する金型内に射出して充填させた。射出により充填された鋳物を冷却後取り出し、ランナー部を切断除去し、図2及び図3に示すような形状のノズルボディを作製した。前記実施例と異なり、押圧成形は行わなかった。
上記のように作製した各ノズルボディに対して、以下の評価試験を行った。
真円度測定:
真円度測定は真円度測定機(ミツトヨ社製:RA2000)を用い、測定倍率を20000倍、回転速度を2.0rpm、フィルタタイプをガウシアン、カットオフ値を15山/回転として測定を行い、真円度が0.5μm以下のものは○、0.5μmを超えるものは×とした。
油密評価:
予めノズルボディ先端の形状測定を行い、弁体(9)と弁座部分(7a)に押し当てた時に密着部から噴射口(7b)に生じる隙間の体積を算出する。油密評価は、後方から200〜500gの荷重を付与した弁体(9)を弁座部分(7a)に押し当て密着させた後、ノズルボディ(7)内に試験油を300kPaにて充填する。エアー又はウェス等で噴射口(7b)の油漏れを拭き取った後、噴射口(7b)から試験油が染み出してくるまでの時間を測定し、予め算出した密着部から噴射口(7b)に生じる隙間の体積とから油漏れ量[mm/分]を計測した。
上記各評価試験の結果を表1に示す。
Figure 0004406387
表1に示される結果から、本発明に従って作製したノズルボディの弁座は、真円度が0.5μm以下(0は含まない)と非常に高い真円度を示し、さらに油密性(漏れ量)についても、比較例が4.4〜9.2mm/分という値を示しているのに対し、0.4mm/分以下(0は含まない)という非常に良好な値を示した。なお、ステンレス鋼を鋳造して成形し、砥石研磨、内面加工を施して成形した一般的なインジェクタの場合、漏れ量は約1mm/分程度である。
本発明のエンジン用燃料系部品の第1の実施形態に係るインジェクタを示す断面図である。 図1に示すインジェクタのノズルボディの平面図である。 図1に示すインジェクタのノズルボディの断面図である。 図1に示すインジェクタのオリフィスプレートの断面図である。 図1に示すインジェクタのオリフィスプレートの平面図である。 図1に示すインジェクタのノズルボディの製造装置の一実施形態を示す概略部分断面図である。 図1に示すインジェクタのノズルボディの製造装置の一実施形態を示す概略部分断面図であり、鋳造時の状態を示す。 鋳造されたノズルボディの弁座の押圧成形装置の一実施形態を示す概略部分断面図である。 本発明のエンジン用燃料系部品の第2の実施形態に係るインジェクタを示す断面図である。 鋳造された弁体の押圧成形装置の一実施形態を示す概略部分断面図である。 インジェクタのノズルボディの製造装置の他の実施形態を示す概略部分断面図であり、鋳造時の状態を示す。 鋳造された弁体の弁部の押圧成形装置の一実施形態を示す概略部分断面図である。
1,51 インジェクタ
7,52 ノズルボディ
7a,55a 弁座
9,57 弁体
11 オリフィスプレート
11a オリフィス
19b,57b 弁部
21 スプリング
55 シートボディ
30 強制冷却鋳型
33 製品成形用キャビティ
37 溶解用容器
38 原料収容部
39 溶湯移動具
41,41a プレス成形台
46,46a 押圧部材
47,47a,47b 押圧部
A 合金原料
A’ 合金溶湯

Claims (6)

  1. 先端部に燃料出口と該燃料出口の内側周囲に対応して設けられた弁座(7a,55a)を有し、内部に燃料が供給される弁座ボディ(7,55)と、該弁座ボディの内部に上記弁座に向かって移動自在に配設され、先端に上記弁座に着座可能な弁部(19b,57b)を有する弁体(9,57)とを備えたエンジン用燃料系部品の製造方法であって、少なくとも上記弁座ボディを非晶質合金から金型鋳造法により成型する工程と、成型された弁座ボディの弁座を、押圧部材(46)の押圧部(47,47a)が、上記弁座と接触する弁体の弁部(19b,57b)と同じ断面形状を有する押圧部材(46)によって押圧成形する工程とを含むことを特徴とするエンジン用燃料系部品の製造方法。
  2. 鋳造時又は押圧成形時にオリフィスプレート(11)を弁座ボディ(7,55)の先端に一体的に取り付けることを特徴とする請求項に記載の方法。
  3. 鋳造時又は押圧成形時にオリフィス形状を弁座ボディ(7,55)の先端に成形することを特徴とする請求項に記載の方法。
  4. 先端部に燃料出口と該燃料出口の内側周囲に対応して設けられた弁座(7a,55a)を有し、内部に燃料が供給される弁座ボディ(7,55)と、該弁座ボディの内部に上記弁座に向かって移動自在に配設され、先端に上記弁座に着座可能な弁部(19b,57b)を有する弁体(9,57)とを備えたエンジン用燃料系部品の製造方法であって、少なくとも上記弁体の弁部を非晶質合金から金型鋳造法により成型する工程と、成型された弁体の弁部を、押圧部材(46a)の押圧部(47b)が、上記弁体の弁部と接触する弁座(7a)と同じ断面形状を有する押圧部材(46a)によって押圧成形する工程とを含むことを特徴とするエンジン用燃料系部品の製造方法。
  5. 前記非晶質合金が体積率50%以上の非晶質相を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記押圧成形は、素材である非晶質合金の過冷却領域で行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
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