JP4406338B2 - 車両用液圧マスタシリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や自動二・三輪車等のブレーキやクラッチを液圧で作動させる車両用液圧マスタシリンダに係り、詳しくは、プランジャタイプの液圧マスタシリンダの液圧室に配設されるスプリング機構の組み付け構造に関する。
プランジャタイプの液圧マスタシリンダは、シリンダ本体内に形成したシリンダ孔にプライマリピストンとセカンダリピストンとを内挿し、前記プライマリピストンのシリンダ孔底部側に凹部を、前記セカンダリピストンのシリンダ孔開口側にスプリング機構の取付部をそれぞれ設け、前記凹部と前記取付部との間に第1液圧室を、前記セカンダリピストンのシリンダ孔底部側とシリンダ孔底部との間に第2液圧室を画成し、前記第1,第2液圧室にそれぞれスプリング機構を配設して、前記プライマリピストンとセカンダリピストンとを後退方向へ付勢するようにしている。
第1液圧室に配設されるスプリング機構は、前記凹部の底面と前記取付部のいずれか一方に当接する略円筒状のリテーナと、該リテーナ内に挿通され、その頭部を前記リテーナに係止し、基部を、前記凹部の底部と前記取付部の他方に係着板を介して係着するガイドピンと、前記係着板と前記リテーナとの間に縮設されるリターンスプリングとで構成されている。
このようなスプリング機構は、プライマリピストン又はセカンダリピストンに連結されていないので、プライマリピストンやセカンダリピストンに組み付けにくかった。
このため、ピストンの凹部に係合溝を設け、該係合溝にリターンスプリングの外周部を拡径させて係合させることによって、ピストンとスプリング機構とを連結させるもの(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)や、シリンダ孔底部側に設けたユニオン孔に取り付けられるパイプシートにリテーナを係合させることにより固定させるようにしたものがある(例えば、特許文献3参照。)。
特開平10−44967号公報 特開昭64−36554号公報 実開平6−29965号公報
しかし、上述の係合溝にリターンスプリングの外周部を拡径させて係合させるものでは、係合溝にリターンスプリングの拡径した外周部を係合させるのが困難であり、リターンスプリング組み付けの方向性も発生していた。また、外周部が拡径したリターンスプリングは、スプリング力の設定が複雑になるとともに製造するのにも手間が掛かっていた。さらにユニオン孔に取り付けられるパイプシートを利用してリテーナを固定させるものでは、ユニオン孔を設ける位置が決められてしまいレイアウトが制約されていた。
さらに、上述のもののように、有底のシリンダ孔を一体に形成したシリンダ本体を用いたマスタシリンダでは、ピストン及びスプリング機構を組み付ける際の組み付け方向は決まっているが、両端が開口したシリンダ本体の一端開口部に、蓋部材を装着して有底のシリンダ孔を形成するシリンダ本体を用いたマスタシリンダでは、組み付け時に、シリンダ本体のどちらの開口部側からでもピストンやスプリング機構を組み付けられるようにすることが望まれていた。
そこで本発明は、ピストンとスプリング機構とを容易に連結させることができ、ピストン及びスプリング機構の組み付け作業を簡単に短時間で行うことができるとともに、組み付ける方向に制約のない車両用液圧マスタシリンダを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため第1の発明は、シリンダ本体内に形成したシリンダ孔にプライマリピストンとセカンダリピストンとをカップシールを介して内挿し、前記プライマリピストンとセカンダリピストンのシリンダ孔底部側に、第1凹部と第2凹部とをそれぞれ形成し、前記第1凹部と前記セカンダリピストンのシリンダ孔開口側端部に設けた凹状取付部との間に第1液圧室を、前記第2凹部と前記シリンダ孔底部との間に第2液圧室をそれぞれ画成し、前記第1液圧室には、略円筒状の第1リテーナと、該第1リテーナ内に挿通され、頭部を前記第1リテーナの先端部に係止する第1ガイドピンと、前記プライマリピストンをシリンダ孔開口側に付勢する第1リターンスプリングとを備えた第1スプリング機構を、前記第2液圧室には、略円筒状の第2リテーナと、該第2リテーナ内に挿通され、頭部を前記第2リテーナの先端部に係止する第2ガイドピンと、前記セカンダリピストンをシリンダ孔開口側に付勢する第2リターンスプリングとを備えた第2スプリング機構をそれぞれ配設した車両用液圧マスタシリンダにおいて、前記第1凹部の周壁底部側に第1係合溝部を、前記凹状取付部の周壁底部側に第2係合溝部を、前記第2凹部の周壁底部側に第3係合溝部を、前記シリンダ孔の周壁底部側に第4係合溝部をそれぞれ形成し、前記第1リテーナの基端部に第1係合突部を形成し、該第1係合突部を前記第1係合溝部と前記第2係合溝部のいずれか一方に係合させ、前記第1ガイドピンを係着する第1係着板の外周側に第1係合突片を形成し、該第1係合突片を前記第1係合溝部と前記第2係合溝部の他方に係合させるとともに、前記第2リテーナの基端部に第2係合突部を形成し、該第2係合突部を前記第3係合溝部と前記第4係合溝部のいずれか一方に係合させ、前記第2ガイドピンを係着する第2係着板の外周側に第2係合突片を形成し、該第2係合突片を前記第3係合溝部と前記第4係合溝部の他方に係合させることを特徴としている。
第2の発明では、前記第1,第2リテーナの係合突部は、各リテーナの基端部に設けたフランジ部であって、該フランジ部は、外周を液圧室内方に折り返した折返し部を有し、該折返し部の内周に、前記第1,第2リターンスプリングの端部をそれぞれ配設することを特徴としている。
第3の発明では、前記第1,第2係着板の係合突片は、液圧室内方に折り曲げたフランジ部であって、該フランジ部の内周に、前記第1,第2リターンスプリングの端部をそれぞれ配設することを特徴としている。
第4の発明では、前記第4係合溝部は、前記シリンダ孔よりも大径の環状溝で形成され、該第4係合溝部に前記第2係着板が装着され、該第2係着板の第2係合突片は、第2係着板の外周から、液圧室内方に向けて傾斜させて突出し、その先端が前記カップシールの内周面よりも内側に位置するように形成され、前記シリンダ孔内にプライマリピストンとセカンダリピストンと第1,第2スプリング機構を組み付けた後に、セカンダリピストンをフルストロークさせて、該セカンダリピストンの先端で前記第2係合突片を前記第4係合溝部内に押し広げることを特徴としている。
第5の発明では、前記シリンダ本体は、両端が開口し、一端開口部に蓋部材を装着して前記シリンダ孔を形成することを特徴としている。
第1の発明によれば、第1,第2ガイドピンの頭部を第1,第2リテーナにそれぞれ係止させ、第1,第2リテーナと第1,第2係着板との間に第1,第2リターンスプリングをそれぞれ縮設し、第1,第2ガイドピンの基部を、第1,第2係着板にそれぞれ係着させることによって、第1,第2スプリング機構を仮組することができる。仮組された第1スプリング機構は、前記第1係合溝部と前記第2係合溝部のいずれか一方に前記第1リテーナの第1係合突部を係合させ、他方に前記第1係着板の第1係合突片を係合させるとともに、仮組された第2スプリング機構も、前記第3係合溝部と前記第4係合溝部のいずれか一方に前記第2リテーナの第2係合突部を係合させ、他方に前記第2係着板の第2係合突片を係合させることにより、プライマリピストン及びセカンダリピストンと第1,第2スプリング機構とを一体化させることができる。これにより、シリンダ孔内への組付けを簡単に行うことができる。また、各リターンスプリングは一端から他端までが同一径のスプリングを用いることができるので、スプリング力の設定が容易で、組み付けの方向性がない。さらに、第1,第2スプリング機構のリテーナ,ガイドピンを共用することができ、コストの削減を図ることができる。
第2の発明によれば、第1,第2リテーナの係合突部となるフランジ部に、各リターンスプリングの一端部を保持させることができ、組み付け性を向上させることができるとともに、リターンスプリングを安定して保持させることができる。
第3の発明によれば、第1,第2係着板の係合突片を簡単に前記係合溝部に組み付けることができる。
第4の発明によれば、プライマリピストンとセカンダリピストンと第1,第2スプリング機構とを一体に組み付けたものをシリンダ孔内に挿入した後、セカンダリピストンをフルストロークさせれば、セカンダリピストンの先端部が第2係合突片の内側傾斜面を押圧しながら前進し、該第2係合突片を前記第4係合溝部内に押し開かせることができ、第2係着板を第4係合溝部に簡単に組み付けることができる。
第5の発明によれば、両端が開口したシリンダ本体を用いる際には、第1,第2スプリング機構の組み付け方向が限定されることがなく、組み付け手順を適宜変更することができ、作業性が向上し、工数の削減や組み付けの自動化を図ることができる。
以下、本発明の一形態例を図面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明の一形態例を示す液圧マスタシリンダの断面正面図、図2は液圧マスタシリンダの第1液圧室側を示した要部拡大断面図、図3は液圧マスタシリンダの第2液圧室側を示した要部拡大断面図、図4は第2係着板の斜視図である。
液圧マスタシリンダ1は、両端が開口した略円筒状のシリンダ本体2の底部側開口部に、有底ガイド部材3とプラグ4とから成る蓋部材5を装着して有底のシリンダ孔6を形成し、該シリンダ孔6にプライマリピストン7と、セカンダリピストン8とがカップシール9,10,11,12を介して内挿されている。プライマリピストン7とセカンダリピストン8のシリンダ孔底部側には、第1凹部7aと第2凹部8aとがそれぞれ形成され、第1凹部7aとセカンダリピストン8のシリンダ孔開口側端部との間には第1液圧室13が、第2凹部8aとシリンダ孔底部との間には第2液圧室14がそれぞれ画成されている。
前記シリンダ本体2の内周には、シリンダ孔底部となる底部側開口部から順に、プラグ4を螺着する大径雌ねじ孔2a,有底ガイド部材3を挿入するガイド部材挿通孔2b,プライマリピストン7及びセカンダリピストン8を挿入するピストン挿通孔2c,プライマリピストン7を挿通させる小径挿通孔2dが形成される。ピストン挿通孔2cの内周面には、シリンダ本体2の吐出ポートに連通する液通路を備えたピストンガイド15aが装着されている。また、ガイド部材挿通孔2bとピストン挿通孔2cとの間と、ピストン挿通孔2cの小径挿通孔2d側とには、シール支持部材16a,16bがそれぞれ装着され、これらシール支持部材16a,16bには、第1カップシール9と第2カップシール10と第3カップシール11とがそれぞれ装着され、小径挿通孔2dの内周面に、第4カップシール12が嵌着されている。
前記蓋部材5は、前述のように、有底円筒状の有底ガイド部材3と該有底ガイド部材3を抜け止めするプラグ4とで構成されている。有底ガイド部材3は、セカンダリピストン8が進入可能な底部側の小径部と、内周に液通路を備えたピストンガイド15bを装着する大径部とを有するとともに、底部内面中央部には、ピン収容凹部3aが形成され、シリンダ本体2に、シールリング17,17を介して開口側をシリンダ本体2内部に向けて内挿される。さらに、有底ガイド部材3の底部外面中央部には、シリンダ本体2の底部側開口部方向に突出する円筒状の凸部3bが形成され、周壁には、シリンダ本体2の吐出ポートに連通する液通路が形成されている。プラグ4は、外周に雄ねじを備えた円板部4aと、該円板部4aの外面中心部に突出する六角凸部4bとを有するもので、円板部4aの内面には、有底ガイド部材3に形成した凸部3bの収容凹部4cが形成されている。プラグ4は、雄ねじをシリンダ本体2の大径雌ねじ孔2aにねじ込み、シリンダ本体2の底部側開口よりも内側に円板部4aを螺着させる。この取り付けにより、収容凹部4c内に前記凸部3bが収容され、円板部4aの内面と、有底ガイド部材3の底部外面とが当接して、有底ガイド部材3が抜け止めされる。また、シリンダ本体2上部の底部側開口部近傍には、位置決めピン18がシリンダ本体2の内部に突出するように装着され、先端側が円板部4aの外面側に配設される。このように、シリンダ本体2の底部側開口部に蓋部材5を装着することによってシリンダ本体2内にシリンダ孔6が形成される。
シリンダ孔6の開口側には、前記プライマリピストン7が、底部側には前記セカンダリピストン8がそれぞれ配設される。プライマリピストン7は、プッシュロッドの収容孔7bと、前記第1凹部7aとが形成され、シリンダ孔開口側に取り付けた閉塞部材19及び前記第4カップシール12,第3カップシール11によって、シリンダ孔6内に液密に収容される。前記第1凹部7aを内部に備えたプライマリピストン7のシリンダ孔底部側の周壁には複数の通孔7cが穿設されている。また、第1凹部7aの周壁底部側には、環状突部7dが周設され、該環状突部7dと第1凹部7aの底部との間に第1係合溝部7eが形成されている。
セカンダリピストン8は、シリンダ孔底部側に前記第2凹部8a,プライマリピストン側の端面に凹状取付部8bがそれぞれ形成され、第1カップシール9及び第2カップシール10を介して、シリンダ孔6に液密に収容される。第2凹部8aを内部に備えたセカンダリピストン8のシリンダ孔底部側の周壁には複数の通孔8cが穿設され、また、第2凹部8aの周壁底部側には、環状突部8dが周設され、該環状突部8dと第2凹部8aの底部との間に第3係合溝部8eが形成されている。凹状取付部8bの中央には、ピン収容凹部8fが形成されるとともに、周壁底部側には、環状突部8gが周設され、該環状突部8gと凹状取付部8bの底部との間に第2係合溝部8hが形成されている。さらに、前記有底ガイド部材3の周壁底部側には、前記シリンダ孔6よりも大径の第4係合溝部3cが底部に連続して形成されている。
前記第1液圧室13には、略円筒状の第1リテーナ20と、該第1リテーナ20内に挿通され、頭部21aを第1リテーナ20の先端部に係止し、基部を第1係着板22に係着させる第1ガイドピン21と、プライマリピストン7をシリンダ孔開口側に付勢する第1リターンスプリング23とを備えた第1スプリング機構24が配設され、前記第2液圧室14には、略円筒状の第2リテーナ30と、該第2リテーナ30内に挿通され、頭部31aを第2リテーナ30の先端部に係止し、基部を第2係着板32に係着する第2ガイドピン31と、セカンダリピストン8をシリンダ孔開口側に付勢する第2リターンスプリング33とを備えた第2スプリング機構34が配設されている。
第1スプリング機構24の第1リテーナ20及び第1ガイドピン21と、第2スプリング機構34の第2リテーナ30及び第2ガイドピン31とは、それぞれ同一形状のものが用いられる。各リテーナ20,30は、円錐台状のガイド部20a,30aと、該ガイド部20a,30aの基端側に形成されるフランジ部20b,30b(本発明の係合突部)とを有するもので、ガイド部20a,30aは、先端部に、前記ガイドピン21,31の頭部21a,31aを係止するとともに、各ガイドピン21,31の軸部に沿って各リテーナ20,30が移動することを許容する挿通孔20c,30cが形成され、先端部近傍には、複数の液通孔20d,30dが周方向に等間隔に形成されている。また、フランジ部20b,30bの端部から各液通孔20d,30dに亘って、軸線方向にスリット20e,30eが形成されている。フランジ部20b,30bは、外周を第1,第2液圧室13,14内方へそれぞれ断面略L字状に折り返して形成され、第1凹部7a,第2凹部8aの底面にそれぞれ当接する当接部20f,30fと折返し部20g,30gとを備えている。また、第1リターンスプリング23及び第2リターンスプリング33の径は、各折返し部20g,30gの外径よりも小径に形成されている。
前記第1係着板22は、中央に前記第1ガイドピン21の基部側を係着する係着孔22aを有する円板状の底板22bと、底板外周にシリンダ孔開口側に折り曲げて形成したフランジ部22c(本発明の係合突片)とを備えた短円筒状に形成される。第2係着板32は、中央に前記第2ガイドピン31の基部側を係着する係着孔32aを有する円板状の底板32bと、底板外周の対向する位置に突設された2つの係合爪片32c,32c(本発明の係合突片)とを備え、該係合爪片32c,32cは、第2係着板32の外周から、第2液圧室14内方に向けて傾斜させて突出し、その先端が前記カップシール9,10,11,12の内周面よりも内側に位置するように形成されている。
前記第1スプリング機構24は、第1ガイドピン21の頭部21aを第1リテーナ20の挿通孔20cに係止し、第1リテーナ20のフランジ部20bと第1係着板22の底板22bとの間に第1リターンスプリング23を縮設し、第1ガイドピン21の基部側を第1係着板22の係着孔22aに係着して仮組する。このように仮組した第1スプリング機構24は、第1係着板22のフランジ部22cを前記第2係合溝部8hに嵌め込み、第1ガイドピン21の基部をピン収容凹部8fに収容させる。第1リテーナ20のフランジ部20bを第1係合溝部7eに嵌合させ、フランジ部20bとともに第1リターンスプリング23を第1凹部7aに係合させる。これにより第1スプリング機構24が、前記第1凹部7aと凹状取付部8bとの間に組み付けられるとともに、プライマリピストン7とセカンダリピストン8とが連結される。
前記第2スプリング機構34は、第2ガイドピン31の頭部31aを第2リテーナ30の挿通孔30cに係止し、第2リテーナ30のフランジ部30bと第2係着板32の底板32bとの間に第2リターンスプリング33を縮設し、第2ガイドピン31の基部側を第2係着板32の係着孔32aに係着して仮組する。このように仮組した第2スプリング機構34は、第2係着板32の底板32bを有底ガイド部材3の底部に当接させ、第2ガイドピン31の基部をピン収容凹部3aに収容させる。第2リテーナ30のフランジ部30bを第3係合溝部8eに嵌合させ、フランジ部30bとともに第2リターンスプリング33を第2凹部8aに係合させる。これにより、プライマリピストン7及びセカンダリピストン8と、第1スプリング機構24及び第2スプリング機構34とが一体に連結される。以上のように一体に連結されたプライマリピストン7とセカンダリピストン8と第1,第2スプリング機構24,34をシリンダ孔6に挿入して、セカンダリピストン8をフルストロークさせる。これによって、セカンダリピストン8の先端が第2係着板32の係合爪片32c,32cの内側に当接し、該係合爪片32c,32cを半径方向外方に広げながら前進し、係合爪片32c,32cは第4係合溝部3c内に押し広げられ、第2スプリング機構34がシリンダ孔6内に組み付けられる。そして、プライマリピストン7及びセカンダリピストン8と、第1スプリング機構24及び第2スプリング機構34とがシリンダ孔6内の所定位置に配置される。
シリンダ本体2上部には一対のボス部2e,2fが突設され、該ボス部2e,2fにはグロメットシールを介してリザーバ40が設けられる。シリンダ本体2のシリンダ孔開口側の周壁には、シリンダ本体2のシリンダ孔開口側近傍に形成されたボス部2eの底壁と連通する液通孔2gが穿設され、前記シール支持部材16bには、液通孔2gとシリンダ孔6内とに連通する連通孔16cが穿設され、第1液圧室13は、プライマリピストン7に形成した通孔7cと、前記連通孔16c及び前記液通孔2gとを介して、リザーバ40と連通している。また、シリンダ本体2のシリンダ孔底部側の周壁には、シリンダ本体2底部側開口部近傍に形成されたボス部2fの底壁と連通する液通孔2hが穿設され、シール支持部材16aには、液通孔2hとシリンダ孔6内とに連通する連通孔16dが穿設され、第2液圧室14は、セカンダリピストン8に形成した通孔8cと、前記連通孔16d及び前記液通孔2hとを介してリザーバ40と連通している。
上述のように形成された液圧マスタシリンダ1は、非制動時には、プライマリピストン7とセカンダリピストン8とは、第1,第2リターンスプリング23,33の弾発力によって、図1に示される位置に配設され、第1液圧室13及び第2液圧室14は、リザーバ40とそれぞれ連通している。作動時にプッシュロッドがプライマリピストン7を押動すると、プライマリピストン7が第1液圧室13内の第1リターンスプリング23を圧縮しながらシリンダ孔6を底部方向へ前進し、これと同時にセカンダリピストン8がシリンダ孔底部方向への前進を開始する。セカンダリピストン8の通孔8cが第1カップシール9に塞がれると、第2液圧室14とリザーバ40との連通が遮断されることにより、第2液圧室14に液圧を発生させる。昇圧された作動液は、有底ガイド部材3の液通路を通り、シリンダ本体2の吐出ポートを介して、一方のブレーキ系統に供給される。
この前進に伴って、第2リターンスプリング33のセット荷重と第2液圧室14の圧力が、第1リターンスプリング23のセット荷重を上回ると、第1液圧室13が圧縮されて第1液圧室13に液圧を発生させ、昇圧された作動液は、ピストンガイド15aの液通路を通り、シリンダ本体2の吐出ポートを介して、他方のブレーキ系統に供給される。また、制動を解除すると、プライマリピストン7とセカンダリピストン8とは第1,第2リターンスプリング23,33により初期の位置に復帰する。
本形態例の第1,第2スプリング機構24,34は、上述のように簡単に仮組することができ、仮組された第1スプリング機構24は、第1リテーナ20のフランジ部20bと第1係着板22のフランジ部22cを、第1係合溝部7eと第2係合溝部8hにそれぞれ押し込んで嵌合させるだけで簡単に組み付けられるとともに、プライマリピストン7とセカンダリピストン8とを連結させることができる。また、仮組された第2スプリング機構34も、第2係着板32の底板32bを有底ガイド部材3の底部に当接させ、第2リテーナ30のフランジ部30bを第3係合溝部8eに押し込んで嵌合させるだけで簡単に組み付けられると共に、プライマリピストン7及びセカンダリピストン8と、第1スプリング機構24及び第2スプリング機構34とが一体に連結される。
このように一体に連結されたプライマリピストン7とセカンダリピストン8と第1,第2スプリング機構24,34をシリンダ孔6に挿入して、セカンダリピストン8をフルストロークさせれば、第2スプリング機構34がシリンダ孔6内に組み付けられ、プライマリピストン7及びセカンダリピストン8と、第1スプリング機構24及び第2スプリング機構34とがシリンダ孔6内の所定位置に配置することができる。また、第1,第2リターンスプリング23,33は一端から他端までが同一径のスプリングを用いることができるので、スプリング力の設定が容易で、組み付けの方向性がない。さらに、第1,第2リテーナ20,30と、第1,第2ガイドピン21,31はそれぞれ共用することができるので、コストの削減を図ることができる。また、本形態例では両端が開口したシリンダ本体2が用いられ、第1,第2スプリング機構24,34には、組み付け時にカップシール9,10,11,12の内周面よりもシリンダ孔外周側に突出する部材がないので、第1,第2スプリング機構24,34の組み付け方向が限定されることがなく、組み付け手順を適宜変更することができ、作業性が向上し、工数の削減や組み付けの自動化を図ることができる。
なお、本発明の第4係合溝部は、上述の形態例に限らず、第2係合溝部と同様に、環状突部を有底ガイド部材の底部近傍に設け、該環状突部と有底ガイド部材との間に形成し、第1係着板と同様の係着板を用いるものでも良く、さらに、第1,第2リテーナのフランジ部を第2,第4係合溝部に嵌合させ、第1,第2係着板を第1,第3係合溝部に嵌合させてもよい。また、有底のシリンダ孔を一体に形成したシリンダ本体を用いた液圧マスタシリンダにも適用することができる。
本発明の一形態例を示す液圧マスタシリンダの断面正面図である。 同じく液圧マスタシリンダの第1液圧室側を示した要部拡大断面図である。 同じく液圧マスタシリンダの第2液圧室側を示した要部拡大断面図である。 同じく第2係着板の斜視図である。
符号の説明
1…液圧マスタシリンダ、2…シリンダ本体、3…有底ガイド部材、3a…ピン収容凹部、3b…凸部、3c…第4係合溝部、4…プラグ、5…蓋部材、6…シリンダ孔、7…プライマリピストン、7a…第1凹部、7b…収容孔、7c,8c…通孔、7d,8d,8g…環状突部、7e…第1係合溝部、8…セカンダリピストン、8a…第2凹部、8b…凹状取付部、8e…第3係合溝部、8h…第2係合溝部、9…第1カップシール、10…第2カップシール、11…第3カップシール、12…第4カップシール、13…第1液圧室、14…第2液圧室、15a,15b…ピストンガイド、16a,16b…シール支持部材、17…シールリング、20…第1リテーナ、20a…ガイド部、20b…フランジ部、20c…挿通孔、20d…液通孔、20e…スリット、20f…当接部、20g…折返し部、21…第1ガイドピン、22…第1係着板、22a…係着孔、22b…底板、22c…フランジ部、23…第1リターンスプリング、24…第1スプリング機構、30…第2リテーナ、30a…ガイド部、30b…フランジ部、30c…挿通孔、30d…液通孔、30e…スリット、30f…当接部、30g…折返し部、31…第2ガイドピン、32…第2係着板、32a…係着孔、32b…底板、32c…係合爪片、33…第2リターンスプリング、34…第2スプリング機構、40…リザーバ

Claims (5)

  1. シリンダ本体内に形成したシリンダ孔にプライマリピストンとセカンダリピストンとをカップシールを介して内挿し、前記プライマリピストンとセカンダリピストンのシリンダ孔底部側に、第1凹部と第2凹部とをそれぞれ形成し、前記第1凹部と前記セカンダリピストンのシリンダ孔開口側端部に設けた凹状取付部との間に第1液圧室を、前記第2凹部と前記シリンダ孔底部との間に第2液圧室をそれぞれ画成し、前記第1液圧室には、略円筒状の第1リテーナと、該第1リテーナ内に挿通され、頭部を前記第1リテーナの先端部に係止する第1ガイドピンと、前記プライマリピストンをシリンダ孔開口側に付勢する第1リターンスプリングとを備えた第1スプリング機構を、前記第2液圧室には、略円筒状の第2リテーナと、該第2リテーナ内に挿通され、頭部を前記第2リテーナの先端部に係止する第2ガイドピンと、前記セカンダリピストンをシリンダ孔開口側に付勢する第2リターンスプリングとを備えた第2スプリング機構をそれぞれ配設した車両用液圧マスタシリンダにおいて、前記第1凹部の周壁底部側に第1係合溝部を、前記凹状取付部の周壁底部側に第2係合溝部を、前記第2凹部の周壁底部側に第3係合溝部を、前記シリンダ孔の周壁底部側に第4係合溝部をそれぞれ形成し、前記第1リテーナの基端部に第1係合突部を形成し、該第1係合突部を前記第1係合溝部と前記第2係合溝部のいずれか一方に係合させ、前記第1ガイドピンを係着する第1係着板の外周側に第1係合突片を形成し、該第1係合突片を前記第1係合溝部と前記第2係合溝部の他方に係合させるとともに、前記第2リテーナの基端部に第2係合突部を形成し、該第2係合突部を前記第3係合溝部と前記第4係合溝部のいずれか一方に係合させ、前記第2ガイドピンを係着する第2係着板の外周側に第2係合突片を形成し、該第2係合突片を前記第3係合溝部と前記第4係合溝部の他方に係合させることを特徴とする車両用液圧マスタシリンダ。
  2. 前記第1,第2リテーナの係合突部は、各リテーナの基端部に設けたフランジ部であって、該フランジ部は、外周を液圧室内方に折り返した折返し部を有し、該折返し部の内周に、前記第1,第2リターンスプリングの端部をそれぞれ配設することを特徴とする請求項1記載の車両用液圧マスタシリンダ。
  3. 前記第1,第2係着板の係合突片は、液圧室内方に折り曲げたフランジ部であって、該フランジ部の内周に、前記第1,第2リターンスプリングの端部をそれぞれ配設することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用液圧マスタシリンダ。
  4. 前記第4係合溝部は、前記シリンダ孔よりも大径の環状溝で形成され、該第4係合溝部に前記第2係着板が装着され、該第2係着板の第2係合突片は、第2係着板の外周から、液圧室内方に向けて傾斜させて突出し、その先端が前記カップシールの内周面よりも内側に位置するように形成され、前記シリンダ孔内にプライマリピストンとセカンダリピストンと第1,第2スプリング機構を組み付けた後に、セカンダリピストンをフルストロークさせて、該セカンダリピストンの先端で前記第2係合突片を前記第4係合溝部内に押し広げることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用液圧マスタシリンダ。
  5. 前記シリンダ本体は、両端が開口し、一端開口部に蓋部材を装着して前記シリンダ孔を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両用液圧マスタシリンダ。
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