JP4405579B1 - 樹木造形用円形中空回転刃部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、玉つげや玉さつきのように、樹木を曲面状に剪定するときに、剪定はさみやバリカン式トリマのような直線型の刃物を用いた場合には時間を要し、また曲面にムラが生じることである。
【解決手段】樹木を平面だけでなく曲面も容易に剪定できるようにするため、操作杆に取り付ける回転刃を、一般的に使用されている平面的な回転刃に代えて、回転刃の内部をくり抜いた円形中空回転刃部品とし、中空部に樹木が入り込むことにより、曲面状に手軽に剪定することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、樹木を曲面状に剪定できる回転刃部品に関する。
操作杆の先端の内装された回転軸(以下内装回転軸)に円形の回転刃を取り付け、後端に動力源を設け、動力源の回転を操作杆の内装回転軸により回転刃に伝達させて草や樹木を刈取る、あるいは剪定する草刈機や刈払機が使用されている。回転刃の種類や刈る対象により草刈機あるいは刈払機と称しているが、その構造は、ほとんど同じである。また、動力源の回転運動を、カム等により前後運動や左右運動に代えて剪定等を行うヘッジトリマやバリカン等を付けた刈込機も使用されているし、草刈機や刈払機において、回転刃とヘッジトリマやバリカンの両方が使用できるものもある。さらには、動力源を操作杆より離し、動力源の回転をフレキシブルシャフトで操作杆の内装回転軸に伝達する方式もあり、多くの剪定等の器具が市販・使用されている。ここでは、前端の内装回転軸に回転刃等が取り付けられ、その回転刃等を回転するため、動力源から内装回転軸により、前端にある回転刃等に回転が伝達され、樹木等に対しその回転刃等をあてていく操作する部位を操作杆とする。回転の動力源が操作杆に直接設けられているか、離れているかは、問わない。
よく目にする玉つげや玉さつきのように樹木を半球状に剪定するときには、剪定はさみやバリカン式トリマのような直線型の刃物を用い、上下、左右、斜めと、腕・手・体全体を使って行っている。そのため、曲面のムラが生じやすく、作業時間が長くなっている。
樹木を曲面状にカットするものとして、円弧上のヘッジトリマが提案されている(特許文献1)。ヘッジトリマとは、生垣など面を均一に刈込むための刈込機であって、駆動源を内蔵した本体から、前方にまっすぐに延びる2枚の切断プレートを往復運動させ、そのプレートに装着されている刃によって樹木を剪定するトリマであり、電動式、発動式などがある。この直線的なヘッジトリマの往復切断プレートを平面とし、刃先を略円弧状にしたものが特許文献1のヘッジトリマである。本ヘッジトリマでは、刃先が円弧状になっており、樹木の曲面カットは、これまでの直線的なヘッジトリマより容易にできるものと思われる。しかし刃先を略円弧状にしたものでは、樹木を半球状に剪定する場合、左右、前後等各方向から円弧状にした刃先を移動させる必要があり、剪定に時間がかかることが予想される。
また、曲面カットできるものとして、バリカン型茶摘機があるが、樹木の剪定には不適である。
特開2005−261275 インターネット上での「落合刃物工業株式会社」製品カタログ
さて、本発明者は、園芸販売・観葉植物のレンタル並びに樹木の剪定の業務を長年にわたり営んできた。樹木の剪定は、労働集約的であり、経験も必要とし、その技能者を雇用することは、高齢化に向かう中で、待遇の面からも困難に直面している。樹木を曲面状に剪定する顧客の要望もかなり多く、曲面状に剪定するために、直線型の刃物を用いて行う作業では、熟練を必要とし、前述のように時間もかかっている。そこで、本発明者は、汎用品の刈払機等の操作杆を利用して樹木を曲面に手軽に仕上げる用具について検討してきた。試行錯誤の結果、汎用品の草刈機、刈払機、刈込機等においては、その操作杆に取り付ける替刃の径は統一されていることから、これらの汎用品の刈払機等の操作杆の回転を利用して、平面的な回転刃に代え、円形で中空形の回転刃を操作杆に取り付けることで、樹木を曲面状に剪定し易くできることを見出した。
本発明が解決しようとする課題は、玉つげや玉さつきのように、樹木を曲面状に剪定するときに、剪定はさみやバリカン式トリマのような直線型の刃物を用いた場合には時間を要し、また曲面がムラになってしまうことにある。
そこで、樹木を平面だけでなく曲面も容易に剪定できるようにするため、操作杆に取り付ける回転刃を、一般的に使用されている平面的な回転刃に代えて円形で中空形の回転刃部品とするものである。
すなわち、1発明は、平面状の円周縁を有し、円周縁の端から中心に向かって凸状にして内部を空洞とし、凸状の頂上部に軸孔を設けた円形中空回転体において、その円周縁に環状の切刃を接合し、円形中空回転体の中心に設けられた軸孔に操作杆の内装回転軸を取り付けて使用する円形中空回転刃部品である。
円形の円周には、平面状の円周縁があり、この平面的な円周縁の端から中心に向かい凸状となって内部が空洞となっている。その凸状の頂上部に操作杆の内装回転軸に取り付けるための軸孔が設けられている。軸孔がある頂上部では、軸孔で操作杆の内装回転軸とボルト等で取り付けるため、平面となっている。この円周縁と、これに連続して中心に軸孔がある凸状の形状を有するものを円形中空回転体とする。円形中空回転体は、その断面図から見ると、円周縁を有する半球型あるいは台形型になっていて、その内部は空洞であり、帽子でいうハットの形となっている。円周縁からの凸状の頂上部までの高さは任意である。円周縁には樹木を切断する環状の切刃が接合される。丸のこ状の切刃の中央部をくり抜き、環状として、円形中空回転体の空洞部に、切刃に邪魔されず、直接樹木が入り込むことができる構造とするためである。円周縁の幅は、環状の切刃の形状や環状の切刃と円周縁の接合方法により決められる。環状の切刃を円形中空回転体の円周縁に接合し、回転運動ができるものを円形中空回転刃部品とする。中空回転体の円周縁と環状の切刃を接合するには、円周縁と環状の切刃をボルトで接合、あるいは溶接等各種方法があるが、その方法は問わない。円形中空回転刃部品は、その内部が空洞となっていて、樹木がそこに入り込むことができる。この円形中空回転刃部品が、その中央に設けられた軸孔を用い、操作杆の内装回転軸とボルト等の取り付け金具で取り付けられ、回転軸の回転が円形中空回転刃部品に伝達されて、円形中空回転刃部品が回転し、手軽に樹木を曲面状に剪定することができる。また円形中空回転刃部品を平面的に動かせば、平面状にも剪定することができる。
続いて、2発明は、円形丸のこ、円形チップソー、円形ナイロンカッターの内部をくり抜き、環状の切刃とし、これを円形中空回転体の円周縁に接合した1発明に記載の円形中空回転刃部品である。
草刈機や刈払機に使用されている丸のこ、円形のチップソー、ナイロンカッター等は、替刃として市販されている。この市販されている丸のこ等を加工して環状の刃物とし、円形中空回転体の円周縁に接合し、円形中空回転刃部品にするものである。丸のこ等を環状の刃物とするためには、レーザー光による溶断、プレスによるくり抜き等があるが、方法は問わない。なお、チップソーとは、鋼製丸のこを母体とした刃先に、タングステンカーバイトの超硬刃がロウ付されているものをいう。また、丸のこ、チップソー、ナイロンカッターには円形の周全体がのこぎり刃となっているものだけでなく8枚刃や4枚刃のものも含まれる。
続いて、3の発明は、環状の刃物と円形中空回転体を一体的に形成させた1発明の円形中空回転刃部品である。
鋼板をプレス加工により、円周縁と中央に軸孔を有する凸状の円形中空回転体を形成させ、次に円周縁の一部を切刃状に加工し、あるいは超硬刃をロウ付け等して、一体的に形成することができる。また、射出成型により、金型内に環状の切刃を予め入れておき、円形中空回転体を形成させると同時に円形中空回転刃部品を形成することも可能である。ここで、一体的に形成とは、環状の切刃と円形中空回転体をそれぞれ別に生産し、その後、環状の切刃と円形中空回転体を接合する必要がないことをいう。ただし、一体的に成形した後、環状の切刃の部分をのこぎり刃状の切刃に形成させたり、母体とした刃先に超硬刃をロウ付する作業等は行われる。一体的に形成する方法は問わないが、一体的に形成することにより円形中空回転刃部品を単独で替刃として販売することができる。
続いて、4発明は、円形中空回転体の空洞部内周にも内周の切刃を設けた1ないし発明のいずれかに記載の円形中空回転刃部品である。
円形中空回転体では、平面的な円周縁があり、そこから中心に向かい凸状となって内部が空洞となっている。この空洞に樹木が入り込んできて曲面状に剪定できることが容易となる。そこで、この空洞部に入り込んだ樹木の一部を空洞部内周にも設けられた切刃によって切断し、剪定作業時間を短縮することが可能となる。空洞部内周の内周の切刃は、凸状の内周に設けられ、円周縁に付けられた環状の切刃より樹木に対し高い位置となる。内周の切刃は円形中空回転体の内周全体に連続して付けるだけでなく、断続的にさらに高さを変えて付けることもできる。
続いて、5発明は、円形中空回転体に複数のくり抜き窓を設けた1ないし4のいずれかの発明に記載の円形中空回転刃部品である。
円形中空回転体に複数のくり抜き窓を設け、円形中空回転刃部品の重量を軽減し、剪定作業者の負担を軽くするためである。複数のくり抜き窓の形状等は、円形中空回転刃部品の回転数や剪定する樹木により安全性を考慮して決められる。
続いて、6発明は、1ないし5のいずれかの発明に記載の円形中空回転刃部品を操作杆に取り付けた草刈機、刈払機、刈込機である。
草や樹木の刈込みあるいは剪定する用具としては、草刈機、刈払機あるいは刈込機等の名称がある。ここでは、操作杆の前方に回転刃等が回転軸に取り付けられ、その回転刃等を回転するため、内装回転軸により、前端に回転が伝達され、樹木等に対しその回転刃等をあてていく操作する操作杆を有し、草木の刈込みあるいは剪定する用具の名称を列記して円形中空回転刃部品を使用したものを保護範囲とするものである。
1発明の効果は、円形中空回転刃部品を使用して剪定するときには、円形中空回転体の空洞部に樹木を入り込ませることができるため、樹木を容易に曲面状にすることができる。
2発明の効果は、汎用品である丸のこ等をくり抜いて環状の切刃として利用することにより、本発明の円形中空回転刃部品の供給が容易となる。
3発明の効果は、円形中空回転刃部品を一体として形成し、生産するため、替刃として使用することができ、販売ルートに載せることが容易となる。
4発明の効果は、円形中空回転体の空洞部内周にも切刃を設け、空洞部に入り込んだ樹木の一部を切断することができ、剪定時間を短縮させることができる。
5の発明の効果は、くり抜き窓を設けて、円形中空回転刃部品の重量を軽減し、剪定作業をし易くすることができる。
6発明の効果は、本発明の円形中空回転刃部品の使用範囲を明確にしたものである。



円形中空回転刃部品の断面図 切刃と環状の切刃 一体的に形成した円形中空回転体 内周刃の付いた円形中空回転刃部品の断面図と平面図 試作品の平面からの写真 試作品の底面からの写真 円形中空回転刃部品と操作杆の取り付け金具
本発明の実施例を以下に示す。
図1は、円形中空回転刃部品1の断面図を示す。円形中空回転体は、円周縁21の端211から中心に向かい凸状となり、内部は空洞である。凸部23の形は図1(A)が台形、図1(B)が楕円の半球状となっているが、これに限定するものではない。凸部の頂上部は、平面となっていて、中心に円形中空回転刃部品1を操作杆5に取り付けるための軸孔22が設けられている。
環状の切刃31は、市販品切刃3をレーザー光にて内部を溶断して作ることもできるが、この方法に限定するものではなく、円形中空回転体2の空洞を塞ぐことがないような環状であって円周縁21に接合できる切刃であればよい。環状の切刃は円周縁21に接合される。図1では、接合金具4であるボルトにより接合されている。切刃の先端32は、円周縁21の外周より外側に突出して、樹木を切断する。図1では、切刃はのこぎり状となっているが、これに限定するものではなく、8枚刃や4枚刃であってもよい。図2に市販の切刃3をレーザー光にて内部を溶断して環状の切刃31とした状態を示す。
図3に、円形中空回転体2と環状の切刃31を一体的に形成した円形中空回転刃部品1を示す。一体的に形成する方法としては、金属製ならば、プレス加工して円周縁21と凸部23を形成し、円周縁の外周をさらに加工して切刃とする方法、プラスチック製ならば射出成型による方法等があるが、これらに限定するものではない。
図4に空洞部の内周の切刃33が付けられた円形中空回転刃部品1が操作杆5に取り付けられている状態を示す。円形中空回転体2には、くり抜き窓24を設けその重量を軽減している。内周の切刃33は、円周縁21と凸部頂上部との間に凸部内面上に付けられる。この内周の切刃33は、8枚刃のように断続的に付けられている。環状の切刃31より高い位置に付けられることにより、曲面状に剪定され易くするためである。
さらに、円形中空回転刃部品1は、取り付け金具7により操作杆5に取り付けている。動力源6の回転が操作杆5に内装された内装回転軸51に伝達されて、これに連結された円形中空回転刃部品1が回転し樹木を切断して剪定する。
図5及び図6は、本発明の試作品である。図5が操作杆5に取り付けられた円形中空回転刃部品1を上面側から撮ったものであり、図6は底面側から撮ったものである。また参考までに、円形中空回転刃部品1と操作杆5の取り付け金具7の部品例を図7に示す。
前述のように、樹木の剪定作業は、労働集約的であり、経験も必要とし、その技能者を雇用することは、高齢化に向かう中で、待遇の面からも困難に直面している。こうした中で、樹木を曲面に剪定する顧客の要望もかなり多く、曲面に剪定するために、直線型の刃物を用いて行う作業では、ムラが生じさらに時間もかかっている。本発明の円形中空回転刃部品を使用することにより、樹木を曲面に剪定する作業は直線的切刃を使用する場合に比べ、手軽にできるため、需要が期待される。
1 円形中空回転刃部品
2 円形中空回転体 21 円周縁 211 円周縁の端 22 軸孔 23 凸部
24 くり抜き窓
3 切刃 31 環状の切刃 32 切刃の先端 33 (空洞部)内周の切刃
4 切刃と円形中空回転体の円周縁との接合金具
5 操作杆 51 内装回転軸
6 動力源
7 円形中空回転刃部品と操作杆の取り付け金具

Claims (3)

  1. 平面状の円周縁を有し、円周縁の端から中心に向かって凸状にして内部を空洞とし、凸状の頂上部に軸孔を設けた円形中空回転体と、その円周縁に環状の切刃を備え、その中心に設けられた軸孔に操作杆の内装回転軸を取り付けて使用する円形中空回転刃部品において 円周縁と凸部頂上部との間の凸部内面上に、断続的に切刃が付けられていることを特徴とする樹木造形用円形中空回転刃部品。
  2. 円形丸のこ、円形チップソー、円形ナイロンカッターのいずれかの部品の内部をくり抜き、環状の切刃とし、これを円形中空回転体の円周縁に備え、その中心に設けられた軸孔に操作杆の内装回転軸を取り付けて使用する円形中空回転刃部品において 円周縁と凸部頂上部との間の凸部内面上に、断続的に切刃が付けられていることを特徴とする樹木造形用円形中空回転刃部品。

  3. 円形中空回転体に複数のくり抜き窓を設けた請求項1又は請求項2の樹木造形用円形中空回転刃部品。
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