JP4403604B2 - インクジェットヘッド及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オンデマンド型のインクジェットヘッド及びインクジェット記録方法に関するものである。さらに詳しくは、1画素を複数回のインク液滴により構成する形式のインクジェットヘッド及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットヘッドとしてはインク吐出メカニズムに応じて各種の形式のものが知られている。例えば、特開平7−266564号公報には、インクが保持されているノズル内にヒータを配置しておき、当該ヒータにパルス信号を与えることにより当該ヒータを加熱してインクを沸騰させ、それによって生ずる気泡圧でインク液滴を吐出する形式のインクジェットヘッドが開示されている。また、特開平7−148920号公報には、インクを貯留した圧力室に貼り付けた圧電素子に電圧を印加することにより圧力室の容積を膨張および収縮させることにより、インク液滴を吐出する形式のインクジェットヘッドが開示されている。
【0003】
また、静電気力を利用してインクを貯留したインク室の容積を変化させて、インク液滴の吐出を行う形式のものも知られている。この形式のインクジェットヘッドは、例えば、特開平6−71882号、同6−55732号、同5−50601号の各公報に記載されている。
【0004】
これらの各形式のインクジェットヘッドにおいて、印刷画像の濃度を一定に保持するためには、記録媒体表面に付着または浸透するインク液滴の量を安定的に増大させることが必要である。
【0005】
これらの課題に対処するために、従来例えば、複数のインク液滴の吐出により1画素を記録するインクジェット記録方法として、特公平4−48626が知られている。
【0006】
これは1画素の領域に複数回のインク液滴を吐出させ、複数のインク液滴を互いに位置を所定量ずらして重ね打ちし、記録濃度を高めるものであった。
【0007】
また、特開平8−72314号報では、同一領域に重ねて記録を行う際に、記録情報を間引いて情報を作成した後、記録ヘッドにより記録を行うことにより、用紙への裏移りを防止する技術が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の重ね打ちによるインクジェット記録方法には、次のような解決すべき課題がある。
【0009】
印刷用紙を搬送し、印刷用紙を搬送(主走査)する方向と直交する方向にインクジェットヘッドを移動(副走査)させて印刷を行う際に、従来のインクジェット記録方法を適用する場合は、主走査方向に位置をずらして、インク液滴を重ね打ちして画素を形成する際、印刷用紙やインクジェットヘッドの搬送距離のバラツキ等により、1画素が2つ以上のドットに分離してしまう(ドット着弾乱れ)現象によるゴースト印刷や印刷結果のぼやけ等といった印刷品位の低下といった不具合が発生した。
【0010】
また、主走査方向に微小な印刷用紙の搬送の後再度インクジェットヘッドを副走査方向に走査する必要があり、印刷用紙をセットしてから印刷を行い、印刷用紙が排出されるまでの印刷速度(スループット)が1/2以下に低下してしまう等の不具合があった。
【0011】
更に、上述の課題に対してインクジェットヘッドのノズル間の距離(ノズルピッチ)を細かくする方法が考えられる。しかし、この場合、制御するノズル数の増加に伴う制御用の配線数の増加とそれに伴う接続面積の増大、接続端子間ピッチの微細化等の製造上の課題が更に生ずることとなった。
【0012】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、1画素を複数のインク液滴の吐出により構成する際に、微細な紙送りによるインクジェットヘッドの繰り返の走査を必要とせず、ドット着弾乱れによるゴースト印字や印刷結果のぼやけ等の印刷品位の低下がなく、スループットの低下がなく、印刷品質が高く、印刷に要する時間が短くて、簡便に印刷濃度を調整可能で、印刷結果の裏写りやブリーディング等の不具合が生じないインクジェットヘッド及びその制御方法を提案し、印刷装置を提供可能とすることにある。
【0013】
また、インクジェットヘッドのノズルピッチの微細化による配線数の増加や、接続端子間ピッチの微細化がなく、製造し易く、制御しやすいインクジェットヘッドを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェットヘッドは、インク液滴を吐出するインクノズルと、当該インクノズルに連通しているインク室と、当該インク室を区画形成している周壁に形成され面外方向に変位可能な振動板と、前記インク室の外側において前記振動板に隙間をおいて対向配置した対向板と、当該対向板および前記振動板のそれぞれに形成した対向電極とを有し、これらの対向電極の間にパルス状の電気信号を印加して前記振動板を変形させて前記インクノズルからインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
複数の相互に隣接して組をなす前記インクノズルからなるノズル群を有し、該ノズル群において、前記インクノズルに対応する前記対向電極が補助電極と主電極とからなり、前記主電極は前記ノズル群内で相互に短絡されおり、前記補助電極は前記ノズル群間で相互に短絡されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のインクジェットヘッドは上述のインクジェットヘッドにおいて、前記インクノズルが前記インクジェットヘッドの端面に開口されていることを特徴とする。
【0016】
更に、本発明のインクジェットヘッドは上述のインクジェットヘッドにおいて、前記インクノズルが前記インクジェットヘッドの最も広い面に開口されていることを特徴とする。
【0017】
加えて、本発明のインクジェットヘッドの制御方法は、インク液滴を吐出するインクノズルと、当該インクノズルに連通しているインク室と、当該インク室を区画形成している周壁に形成され面外方向に変位可能な振動板と、前記インク室の外側において前記振動板に隙間をおいて対向配置した対向板と、当該対向板および前記振動板のそれぞれに形成した対向電極とを有し、
複数の相互に隣接して組をなす前記インクノズルからなるノズル群を有し、該ノズル群において、前記インクノズルに対応する前記対向電極が補助電極と主電極とからなり、前記主電極は前記ノズル群内で相互に短絡されおり、前記補助電極は前記ノズル群間で相互に短絡されているインクジェットヘッドにおいて、前記対向電極と前記振動板との間にパルス状の電気信号を印加して前記振動板を変形させて前記インクノズルからインク液滴を吐出させ、画素を形成することを特徴とする。
【0018】
更に、加えて、本発明のインクジェットヘッドの制御方法は、上述のインクジェット記録方法において、1画素の形成を前記ノズル群を構成する前記インクノズルから繰り返し吐出されるインク液滴により行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1、図2、図3及び図4に本発明によるインクジェットヘッドの構成例を示す。図1はインクジェットヘッド100の分解斜視図であり、図2はインクジェットヘッド100の斜視略図であり、図3は図2におけるA−A断面を示すインクジェットヘッド100の断面略図である。また、図4は図2におけるB−B断面を示すインクジェットヘッド100の断面略図である。これら実施例の図により本発明のインクジェットヘッドについて説明する。102はノズル基板、103はキャビティ基板である。ノズル基板102とキャビティ基板103はそれぞれ単結晶の半導体基板よりなる。104は電極ガラス基板で、ホウ珪酸ガラスよりなる。この形式のインクジェットヘッド100は、3枚の基板102、103、104を積層してなる。ノズル基板102には複数のインクノズル105と、供給口110と、インク取り入れ口112が形成されている。インクノズル105はインクジェットヘッド100の端面に三角形形状をして開口している。キャビティ基板103にはインクノズル105に連通する独立したインク室106を区画形成すると共に、各インク室106の底壁を面外方向に振動可能な振動板107としてある。また、キャビティ基板103には各インク室へインクを分配する共通インク室111が形成されている。113はキャビティ基板103表面に設けられたPt金属による共通電極である。共通電極113と各振動板107は電気的に導通され、各振動板107は共通電極113と同電位となって機能する。
【0020】
振動板107に対峙する下側の電極ガラス基板104によって規定される対向板108の部分に対向電極109を形成してある。共通電極113と対向電極109の間に駆動電圧を印加することによって発生する静電気力を利用して、振動板107を吸引して撓ませることができるようになっている。
【0021】
また、本例に示すインクジェットヘッド100では隣接する振動板107に対峙する対向電極109Aは、更に主電極109aと補助電極109bにより構成される。主電極109aは隣接する対向電極109と電極リード部115により相互に短絡され、主電極109aは対向電極109aと同電位となるよう構成されている。補助電極109bはインクジェットヘッド100内の他の補助電極と補助電極リード部115aにより相互に短絡されている。補助電極109bはインクジェットヘッド100内では全て同一電位となるように構成されている。
【0022】
各インク室106は図示されていない供給口110により共通インク室111に連通し、更に共通インク室111はインク取り入れ口112に連通している。インク取り入れ口112にはインク供給パイプ112aが接着剤等で固着されて接続され、インクジェットヘッド100へ外部よりインクを供給している。
【0023】
インクノズル105、インク室106、供給口110は連通してインク流路を形成している。インクジェットヘッド100は8本のインク流路から構成されている。
【0024】
振動板107の吸引と復元によって、インク室106の容積が増減し、これによってインク室106内に発生するインク圧力の変動に基づき、インク室106に連通し、インクジェットヘッド100の端面に開口したインクノズル105からインク液滴が吐出される。吐出したインク液滴はノズルに対向する印刷用紙(図示されない)に着弾し、付着または浸透してドットを形成する。
【0025】
さて、図1及び図2において、インクノズル105は等間隔に配置されている。インクノズル105は相互に隣接する2つのインクノズル105(1)、105(2)は組みをなしてノズル群となっている。図中のインクジェットヘッド100は4つのノズル群からなる。組をなしノズル群となるインク流路に対応する対向電極109は、電極リード部115にて短絡しており、1つの個別電極端子114に繋がっている。更に、前述したように、インクノズル105(2)に対応す対向電極109Aは主電極109aと補助電極109bにより構成されている。
【0026】
個別電極端子114及び補助電極端子114aは共通電極113と同じくインクジェットヘッド100の電極接続部で、何れもインクジェット記録装置の駆動装置に接続するための端子である。図1、図2において、インクジェットヘッド100の個別電極端子114は4つのノズル群に対応して4端子設けられている。また、補助電極端子114aは1端子設けられている。
【0027】
図5は上述の図1、図2に示したインクジェットヘッド100の電極ガラス基板104の平面略図で、対向電極109、対向電極109A、主電極109a、補助電極109b、電極リード部115、補助電極リード部115a、個別電極端子114と補助電極端子114aについて上述のそれぞれの位置関係について説明している。
【0028】
任意に1つの個別電極端子114を駆動することにより1つのノズル群から少なくとも1つのインク液滴を吐出することができる。また、補助電極端子114aを個別電極端子114と同時に駆動することにより1つのノズル群から一斉にインク液滴を吐出することができる。ここでは2つのノズルから同時にインク液滴を吐出する。各インクノズル群は印刷結果における1画素を構成する複数のインク液滴を同時に吐出するか、より少ないインクノズルからインク液滴を吐出するかを補助電極114a1本を駆動するか否かの選択により決められる。従って、図2に示すインクジェットヘッド100を印刷面に対して走査させながらインク液滴を吐出させる場合、一回の走査で4画素分の印刷が可能である。各画素を構成するドット数(濃度)は、補助電極114a1本を駆動するか否かの選択により決められる。
【0029】
図6、図7及び図8により対向電極109が補助電極と主電極に分割されたインク流路の動作について以下に説明する。それぞれの図は全て図2に示すインクジェットヘッド100のB−B断面の略図を示す。それそれの図で、駆動されている対向電極109Aの状態と、インク室106内部の発生圧力(とそれによるノズルでのインクの引き込み状態)が異なる。
【0030】
振動板107に対応する対向電極109Aは主電極109aと補助電極109bよりなる。対向電極109Aは振動板107の長さに等しくLに設定している。補助電極109bはインク室106のインクノズル105側にL/2の長さに設定している。この場合、補助電極109bの長さは、略L/2に設定することが望ましい。補助電極109bがL/2より短い場合は、主電極109aのみの駆動により、インク液滴がインクノズル105より吐出してしまう可能性があり、また、L/2より長い場合は、補助電極109bのみの駆動によりインク液滴が吐出してしまう可能性があるからである。この他、主電極109aと補助電極109bの長さは、インク流路のノズル105側のイナータンスと供給口110側のイナータンスの比にほぼ等しくなるよう設定してもよい。
【0031】
図6では主電極109aが駆動されており、対向する振動板107の一部が主電極109aに吸引されて主電極109aに当接している。このとき、インク液滴はインクノズル105より吐出しない。即ち、図6に示す状態の駆動では、振動板107は一部しか当接していないので、インク室106の圧力の上昇と排除されるインクの体積がインク吐出するに不十分である上に、ノズル105と供給口110のインクのイナータンスバランスが悪く、吐出効率が悪い。このとき電極リード部115によって短絡されている対向電極109も駆動されている。つまり、隣接するインクノズルからはインク液滴が吐出される。
【0032】
図7では補助電極109bが駆動されており、対向する振動板107の一部が補助電極109bに吸引されて補助電極109bに当接している。このとき図6で説明した同理由によりインク液滴は吐出しない。このとき、インクジェットヘッド100内にある補助電極リード部115aで電気的に導通されている全ての補助電極109bに対向する振動板107は同じ状態になる。
【0033】
図8では主電極109aと補助電極109bが同時に駆動されていて、対向する振動板107は対向電極109Aに当接している。このとき、インク液滴はインクノズル105から吐出される。このとき電極リード部115によって短絡されている対向電極109も駆動されている。つまり、隣接するインクノズルを含むノズル群全て(この場合2ノズル)から同時にインク液滴が吐出される。
【0034】
インクジェットヘッド100ではインクノズル105のピッチを1/360インチとして等間隔にしたので、ノズル群のピッチは1/180インチとなる。従って、インクジェットヘッド100にて一回の走査を行えば1/180インチピッチの画素を印刷可能である。ここで、ノズルピッチは等間隔に設定したが、ノズル群ピッチが等間隔であれば、ノズルピッチは不均一であってもよい。ノズルピッチを不均一にすると、隣接するノズル群のインク室相互の隔壁の幅を広くして、ノズル群間でのクロストークを防止する効果を有する。
【0035】
この様に、本発明のインクジェットヘッドではインクノズル群を形成し、インクノズル群内のインクノズルから同時にインク液滴を吐出させて印刷を行うので、印刷用紙を画素の1/2以下のピッチで微小に移動させて再度インクジェットヘッドを走査させて画素を形成する必要がない。
【0036】
本例のインクジェットヘッド100は、静電気力を利用して振動板を吸引、振動させることによりノズルに連通したインク室の容積を変化させてインク液滴の吐出を行なう形式のものである。
【0037】
インクジェットヘッド100を上述の構成とすることにより、容易に微細な加工が可能であり、駆動時の消費電力も少なく、発熱に対する課題が少ない。このため、上述の構成は、近年のインクジェットヘッドが保持するインクノズル数の増大や印刷結果解像度の高画質化に伴うノズルピッチの微細化に対して、その効果を最大に発揮することができる。
【0038】
本例ではノズル群を2つのインクノズルにより構成した。ノズル群を構成するインクノズルの数は2つ以上の複数でもよい。この場合、ノズルピッチをより微細にすることにより、更に発明の効果を増大させることが可能である。ノズルピッチを細かくしても、個別電極端子114は1つのインクノズル群に対して少なくとも1端子あれば十分であり、ノズルピッチの微細化には個別電極端子114のピッチの微細化が伴わない。また、加えて、濃度調整を行うための補助電極端子114aも、少なくとも濃度段階数以下の本数で構成すればよい。個別電極端子114、補助電極端子114aの何れの電極端子においても、ノズル数の増加による端子数の増加がなく、制御端子数が増加することがない。ノズルピッチを細かくして、インクノズル群を構成するインクノズルの数を増加させることにより、印刷用紙表面により平均的にインク液滴を分散して着弾させることが可能であり、同一濃度の画素を形成するに必要なインク液滴の量はより少なくて済み、インクタンク等の交換頻度をより少なく低減することが可能となる。更に、印刷媒体(用紙)へのインクの浸透量を抑制することができるので、インクの裏写りを防止可能である。また、複数のインクジェットヘッド100によりインクとして複数のカラーインクを用いた場合には印刷媒体へのインクの注入(浸透)量を簡便に制御可能で、色の滲みによるコントラストの低下やブリーディングもまた抑制することができる。
【0039】
更に、バーコード印刷を行う際、罫線印刷を行う際と文字印刷を行う際との切り替えも簡便に行うことができる。即ち、画素の繋がりが重視されるバーコード印刷や罫線印刷の場合は、補助電極端子114aを駆動しながらインク液滴を吐出させて、印刷を行い、印刷結果の読み取り不良を防止すると共に、印刷結果における文字の潰れを防止し、使用するインクを節約するために、補助電極114aを駆動しないで、印刷を行えばよい。
【0040】
図9は、本発明を適用したインクジェットヘッドの駆動制御装置の概略ブロック図である。この図に示す駆動制御装置1により駆動制御されるインクジェットヘッド100は図1に示すものと同一である。インクジェットヘッド100に関する詳細な説明は省略するものとする。
【0041】
インクジェットヘッドの駆動制御装置1はインクジェットヘッド制御部2を有し、このインクジェットヘッド制御部2は、CPUを中心に構成されている。すなわち、CPUには外部装置3からバスを介して印刷情報が供給される。CPUには、内部バスを介してROM、RAMおよびキャラクタジェネレータ4が接続されており、RAM内の記憶領域を作業領域として用いて、ROM内に格納されている制御プログラムを実行し、キャラクタージェネレータ4から発生するキャラクター情報に基づき、インクジェットヘッド駆動用の制御信号を生成する。駆動パルス発生回路6は駆動パルス信号P(n)を生成する。制御信号はゲートアレイ5および駆動パルス発生回路6を介して、印刷情報に対応した駆動制御信号となって、コネクタ7を経由して、ヘッド基板8に形成されたヘッドドライバIC9に供給される。ヘッドドライバIC9では、供給された駆動制御信号および電源回路10から供給される駆動電圧Vpにより、インクジェットヘッド100の各ノズル群に対応するインク室と対向板に形成された対向電極間に印加すべき駆動電圧のパルス信号P(n)をGNDを供給された駆動制御信号により切り換えることにより、当該対向電極間に所定のタイミングで印加する。この結果、駆動電圧パルス信号P(n)とGNDによる電位差が印加されたノズル群からインク液滴が吐出される。
【0042】
図10にインクジェットヘッド100の制御方法の例を示す。図10は、インクジェットヘッド制御部2における、各インク吐出モード毎の共通電極端子113、個別電極端子109(109a)と補助電極端子109bへの電圧の切り替え方法を示している。図10において、インクジェットヘッド100の吐出モードとして4種類の吐出モードを切り換えている。各吐出モードにおいて、2回のインク液滴吐出が成される。共通電極113、任意の個別電極端子114と補助電極端子吐出114aの各端子へは前述したように、インクジェットヘッド制御部2により、駆動電圧パルス信号P(n)またはGND(0V電位)の何れかが印可される。
【0043】
吐出モード1では共通電極113と個別電極端子114及び補助電極端子114aとの間でVpの電位差が生じ、ノズル群内全てのノズルからインク液滴が吐出する。このとき印刷結果は最も濃い印刷結果となる。吐出モード2では共通電極113と個別電極端子114間のみにVpの電位差が生じ、ノズル群内の一部のノズルからインク液滴が吐出される。このときの印刷結果は間引かれた普通の印刷結果となる。非吐出1では共通電極113と補助電極端子114a間のみの間でVpの電位差が生じ、このときインク液滴は吐出しない。このとき、他のノズル群では前述の吐出モード1のインク吐出が可能である。非吐出2では共通電極113と個別電極端子114及び補助電極端子114aとの間の電位差は殆ど0であるので、ノズル群内全てのノズルからインク液滴が吐出しない。このとき、他のノズル群では前述の吐出モード2のインク吐出が可能である。
【0044】
図11に本発明のインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録方法による画素の形成例を示す。図11において、200a、200bはそれぞれ1つの画素を示し、201a、201bはそれぞれ画素200を構成す印刷面に着弾したインク滴にによるドットを示す。図11(a)の画素200aはインクジェットヘッド100の1つのノズル群から、前述の吐出モード1による吐出を行った結果、ドット201aが4つ着弾して構成されている。また、図8(b)の画素200bは1つのノズル群から、前述の吐出モード2による吐出を行った結果、ドット200Aが2つ着弾することにより構成されている。
【0045】
このように、1つのノズル群から1つの画素を形成する際に、ノズル群から、正の整数倍(n倍)の回数繰り返しインク液滴を同時吐出することは画素の濃度向上に有効である。この場合、1画素は最高1つのノズル群を構成するインクノズルの数をn倍したドットにより構成される。これにより印刷面に均一にインク液滴を着弾させて、均一な印刷濃度を得ることができる。また、印刷する情報の種類や紙などの印刷媒体により簡易にこの濃度を調整することができる。印刷する情報が罫線、文字、あるいは写真であるかを判断して、情報の種類と印刷媒体にとって最適な繰り返し吐出の回数と、吐出モードを組み合わせて、印刷制御を行うことが可能である。例えば、1つのノズル群が2つのインクノズルにより構成されている場合に、n=2とすると、1画素を構成するドットの数は最高4ドットと3ドット、縦長2ドット、横長2ドット、最低1ドットの5つの種類の画素を簡便に制御することが可能である。勿論、この場合、n=3でも4でも得られる効果は同様である。nを増やして制御する場合には、ノズルの大きさやインク室の大きさを小さくする等して、1つのインク液滴の量を少なくして、更に制御可能な濃度の種類(段階や階調)を多くすることが可能である。
【0046】
(その他の実施の形態)
図12は本発明によるインクジェットヘッドの別の構成例を示す分解斜視略図である。図1、図2にて説明したインクジェットヘッド100と同様に、インクジェットヘッド100Bはノズル基板102B、キャビティ基板103Bと電極ガラス基板104Bの3つの基板を積層して構成される。インクジェットヘッド100に対して、同一機能を有する部位の名称は同一とし、符号はインクジェットヘッド100の各符号にBを付加して区別した。同一名称に対する説明は省略する。また、インクジェットヘッド100Bにおいて図示されていない供給口等の断面流路構成は同一である。
【0047】
図5において、ノズル基板102Aに形成されたインクノズル105Bはノズル基板102Bの最も面積の広い面に開口して、インク室106Bに連通している。インク室106Bはインクノズル105Bに対して、キャビティ基板103Bに千鳥状に配置され区画形成ている。インク取り入れ口112Bは電極ガラス基板104Bに開口していて、キャビティ基板103Bの共通インク室111Bに連通している。
【0048】
インクジェットヘッド100Bでは例えば、隣接するノズル105(1)Bと105(2)Bが組をなし、ノズル群となる。インク室106Bは千鳥状に配置された1組のインク室106Bが組をなし、それぞれに対向する対向電極109Bは1つの個別電極114Bに直列に結合される。
【0049】
インクジェットヘッド100Bではインクジェットヘッド100と同等の作用・効果を有する。更に、インクジェットヘッド100Bではインク室106Bが千鳥状に配置され、ノズルピッチの2倍のピッチでインク室106Bを配置可能なのでインクノズル105Bはより細かいピッチで作成することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェットヘッド及びインクジェット記録方法においては、1画素を複数のインク液滴の吐出により構成する際に、微細な紙送りによるインクジェットヘッドの繰り返の走査を必要とせず、1画素を構成するドットの分離着弾によるゴースト印字や印刷結果のぼやけ等の印刷品位の低下がなく、スループットの低下がないので十分な印刷濃度を得てかつ、印刷に要する時間が短い、印刷装置を提供可能である。
【0051】
本発明のインクジェットヘッド及びインクジェット記録方法を高解像度の印刷印結果出力用の印刷装置に適用すれば、刷品質が高くて美しい印刷結果を、高速に得ることが可能となる。また、同様に、低解像度の印刷結果出力用の印刷装置に適用すれば、インクの消費量が少なく、十分な濃度が得られる上に、裏写りが生じない良好な印刷結果を得ることができる。
【0052】
また、印刷濃度の調整を容易に行うことが可能で、インクの滲み方が異なる様々な用紙への印刷に対しても印刷品位を安定的に確保可能で、階調印刷を行うの際もブリーディングによる印刷品位の低下がない。
【0053】
更に、インクジェットヘッドのノズルピッチの微細化による配線数の増加や、接続端子間ピッチの微細化がなく、製造し易く、制御しやすいインクジェットヘッドが提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェットヘッドの構成例を示す概略分解斜視図である。
【図2】本発明によるインクジェットヘッドの構成例を示す概略斜視図である。
【図3】図2に示すインクジェットヘッドのA−A断面略図である。
【図4】図2に示すインクジェットヘッドのB−B断面略図である。
【図5】図1におけるインクジェットヘッドの対向電極の平面構成略図である。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの動作を示す断面略図である。
【図7】本発明のインクジェットヘッドの動作を示す断面略図である。
【図8】本発明のインクジェットヘッドの動作を示す断面略図である。
【図9】本発明を適用したインクジェットヘッドの駆動制御装置の制御系の概略ブロック図である。
【図10】本発明を適用したインクジェットヘッドの駆動制御装置の制御系の概略ブロック図である。
【図11】本発明のインクジェット記録方法による画素の形成結果を示す拡大図である。
【図12】本発明によるインクジェットヘッドの別の構成例を示す概略分解斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッドの駆動制御装置
2 インクジェットヘッド制御部
8 ヘッド基板
9 ヘッド駆動IC
14 温度検出回路
15 サーミスタ
100 100B インクジェットヘッド
105 インクノズル
106 インク室
107 振動板(電極)
108 対向板
109 109A 対向電極
109a 主電極
109b 補助電極
112 インク取り入れ口
114 個別電極端子(接続部)
115 電極リード部
200 画素
201 ドット
Claims (4)
- インク液滴を吐出するインクノズルと、当該インクノズルに連通しているインク室と、当該インク室を区画形成している周壁に形成され面外方向に変位可能な振動板と、前記インク室の外側において前記振動板に隙間をおいて対向配置した対向板と、当該対向板に形成した対向電極とを有し、前記振動板と該対向電極の間にパルス状の電気信号を印加して前記振動板を変形させて前記インクノズルからインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
複数の相互に隣接して組をなす前記インクノズルからなるノズル群を有し、
該ノズル群において、一部の前記インクノズルでは前記対向電極が補助電極と第1の主電極とからなり、残りの前記インクノズルでは前記対向電極が第2の主電極のみからなり、
前記第1の主電極と前記第2の主電極は前記ノズル群内で相互に短絡されており、前記補助電極は前記ノズル群間で相互に短絡されていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、前記インクノズルが前記インクジェットヘッドの端面に開口されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、前記インクノズルが前記インクジェットヘッドの最も広い面に開口されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
- インク液滴を吐出するインクノズルと、当該インクノズルに連通しているインク室と、当該インク室を区画形成している周壁に形成され面外方向に変位可能な振動板と、前記インク室の外側において前記振動板に隙間をおいて対向配置した対向板と、当該対向板に形成した対向電極とを有し、
複数の相互に隣接して組をなす前記インクノズルからなるノズル群を有し、
該ノズル群において、一部の前記インクノズルでは前記対向電極が補助電極と第1の主電極とからなり、残りの前記インクノズルでは前記対向電極が第2の主電極のみからなり、
前記第1の主電極と前記第2の主電極は前記ノズル群内で相互に短絡されており、前記補助電極は前記ノズル群間で相互に短絡されていることを特徴とするインクジェットヘッドにおいて、
前記振動板と前記対向電極との間にパルス状の電気信号を印加して前記振動板を変形させて前記インクノズルからインク液滴を吐出させ、1画素の形成を前記ノズル群を構成する前記インクノズルから繰り返し吐出されるインク液滴により行うことを特徴とするインクジェットヘッドの制御方法。
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