JP4403588B2 - 生体音検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の心臓や呼吸器系等の疾患を診断するために、生体内で生じる生体音を検出して、その生体音を表す生体音信号を出力する生体音検出装置に関し、特にその生体音検出装置に生体音が一層好適な状態で検出されるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、心疾患や呼吸器系等の疾患を診断するために、聴診法により医師が直接聴診することが行われている。しかし、この聴診法による診断では、聴診する医師の個人差により、心音、呼吸音、胸膜音、動脈音、腸音等の生体音の音量、音色などが相違するため、客観性及び定量性に欠け、また、生体音を記録しておくこともできない。
【0003】
そこで、聴診法に代わる手段、または聴診法を補充する手段として、体表面の所定部位に装着され、その生体内で生じる生体音を表す生体音信号を出力する生体音検出装置を用いた診断が行われている。上記生体音検出装置から出力された生体音信号は測定する者による個人差がなく、客観的な情報として得られ、記録に残すことができる。たとえば、胸部の皮膚上に装着されるマイクロホンにより心音を検出して心音図を測定し、その心音図から心疾患の診断が行なわれる。患者に心疾患がある場合は、その患者を測定して得られた心音図は、正常な心音に加えて、心疾患に起因して発生する心雑音が含まれるため、心疾患を診断することができるのである。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、上記生体音検出装置から出力される信号には、診断に必要な生体音に加えて、被測定者以外から発生する環境雑音、たとえば人の話声、足音、およびドアの開閉音等が含まれ、正確な診断を行なうことが困難な場合も生じていた。上記環境雑音の一部は、被測定者の生体組織を経由して伝播し且つ広い周波数帯域を持つため、生体音と分離することは困難であり、従って、正確な診断を行なうためには静かな場所で測定される必要があった。また、上記従来の生体音検出装置は、両面テープあるいは吸着により生体の体表面に装着されるが、被測定者の体表面の条件(たとえば、生体が痩せていて装着位置の凹凸が大きい、皮膚が非常に乾燥している、体毛が多いなど)によっては安定して装着することができず、被測定者の体動により生体音検出装置がずれることに起因する雑音も生じていた。
【0005】
本発明は以上のような事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、被測定者の体内で発生する生体音以外の信号を含まない信号を出力することができる生体音検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、一方向において開口するハウジングと、振動板を有してそのハウジング内に設けられ、その振動板の振動を電気信号に変換するマイクロホンとを備え、生体の皮膚上に装着されてその生体の内部で生じる生体音を検出して、そのマイクロホンからその生体音を表す生体音信号を出力する生体音検出装置であって、前記ハウジングと前記マイクロホンとの間に密閉された空気室が備えられていることにある。
【0007】
【第1発明の効果】
このようにすれば、生体外から空気中を伝わってハウジングに到達する環境雑音が空気室で反射あるいは吸収され、且つその空気室は密閉とされていることからその空気室内で環境雑音が共鳴することもないので、環境雑音によりハウジング内において空気室の内側に位置するマイクロホンの振動板が振動させられることが抑制される。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】
かかる目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、一方向において開口するハウジングと、振動板を有して該ハウジング内に設けられ、その振動板の振動を電気信号に変換するマイクロホンとを備え、生体の皮膚上に装着されてその生体の内部で生じる生体音を検出して、そのマイクロホンからその生体音を表す生体音信号を出力する生体音検出装置であって、前記マイクロホンの前記生体の皮膚側の面よりも小さい貫通孔を有し、そのハウジングの開口面に対して略水平にそのハウジング内に備えられる振動吸収シートを含み、そのマイクロホンはその振動吸収シートの前記生体の皮膚とは反対側の面のその貫通孔を塞ぐ位置に固設されていることにある。
【0009】
【第2発明の効果】
このようにすれば、環境雑音が空気中を伝わって、或いは空気中から生体組織を経由して、生体音検出装置のハウジングに伝わった場合においても、振動吸収シートにその環境雑音が吸収されることから、環境雑音によりマイクロホンの振動板が振動させられることが抑制される。一方、生体音はハウジングの開口からその開口面に対して略水平に位置する振動吸収シートの貫通孔を通って、その貫通孔の生体の皮膚と反対側の面に固設されたマイクロホンの振動板を振動させることができる。よって、マイクロホンから出力される生体音信号に含まれる環境雑音成分を低減することができる。
【0010】
【課題を解決するための第3の手段】
かかる目的を達成するための第3発明の要旨とするところは、一方向において開口するハウジングと、そのハウジング内に備えられて振動板の振動を電気信号に変換するマイクロホンとを備え、生体の皮膚上に装着されてその生体の内部で生じる生体音を検出して、そのマイクロホンからその生体音を表す生体音信号を出力する生体音検出装置であって、前記ハウジング内に重りを備えたことにある。
【0011】
【第3発明の効果】
このようにすれば、環境雑音が空気中を伝わって、或いは空気中から生体組織を経由して、生体音検出装置のハウジングに伝わった場合においても、ハウジング内に備えられた重りによりその環境雑音が遮音されるので、環境雑音によりマイクロホンの振動板が振動させられることが抑制される。さらに、その重りにより生体音検出装置全体の共振周波数を生体音よりも低周波側とすることができ、生体音が生体音検出装置内で共振してしまうことが解消されるので、生体音を効率よく検出することができ、また、生体音検出装置が好適な一定圧で生体の皮膚を押圧するので、安定した再現性のある生体音信号の検出ができる。
【0012】
【課題を解決するための第4の手段】
かかる目的を達成するための第4発明の要旨とするところは、振動板を有してその振動板の振動を電気信号に変換するマイクロホンを備えて、生体の皮膚上に装着されてその生体の内部で生じる生体音を検出して、そのマイクロホンからその生体音を表す生体音信号を出力する生体音検出装置であって、一方向に開口して、外周のその開口側の面が前記生体の皮膚に接触させられるように前記マイクロホンを収納するハウジングを備えたことにある。
【0013】
【第4発明の効果】
このようにすれば、生体音検出装置が生体の皮膚に装着された状態では、一方向に開口したハウジングの開口側の面が生体の皮膚に接触させられるので、生体組織中を伝播してきた環境雑音がそのハウジングの皮膚との接触面で遮断されるので、環境雑音によりマイクロホンの振動板が振動させられることが抑制される。
【0014】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記第3発明の生体音検出装置は、前記ハウジングと重りとの間に振動吸収体を備えたものである。このようにすれば、重りの位置ずれが抑制されるとともに、振動吸収体によってもハウジングに伝播した環境雑音を吸収することができる。
【0015】
また、好適には、前記第4発明の生体音検出装置は、前記ハウジングの前記生体と接触させられる面に軟質シートを備えたものである。このようにすれば、生体組織中を伝播してきた環境雑音がそのハウジングの皮膚との接触面で一層好適に遮断される。また、生体音検出装置の装着位置がずれることが好適に防止される利点もある。
【0016】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用され、生体音として心音を検出する心音検出装置10の外観を示す斜視図であり、図2はその構成を説明する断面図であって、生体の胸部中央の表皮11上の所定の心音検出部位に載置された心音検出装置10の断面図が示されている。図1および図2において、心音検出装置10は、ABS樹脂等の比較的硬質な材料により構成され、一方向が開口している偏平な円柱状の上ハウジング12と、同様に比較的硬質な材料により構成され、両方向が開口している偏平な円柱状の下ハウジング14とが、上ハウジング12の開口側に設けられた環状突起16と、下ハウジング14の底部18が設けられていない側の開口に設けられた環状突起20とが嵌合することにより全体として一方向に開口する偏平な円柱上の筐体22を成している。
【0018】
下ハウジング14の底部18は中央に比較的大きな円形穴24を有し、その底部18の上ハウジング12側がある側とは反対側に位置する面が生体の表皮11に接触させられる側の面になるのである。
【0019】
上記上ハウジング12と下ハウジング14とで形成された筐体22の内部において、下ハウジング14の底部18には、シリコンゴム等の軟質部材により構成され、外側直径が筐体22の内側の直径に等しく且つ内側直径が底部18の円形穴24の直径よりもやや小さい環状の振動吸収体28が嵌め付けられて、下ハウジング14からの振動を吸収する。
【0020】
さらに、その振動吸収体28の底部18とは反対側の面には、比較的硬質の樹脂により構成され、直径が筐体22の内側直径よりもやや短い円形の縁部29と、その縁部29の中央に位置し外周直径が振動吸収体28の内側直径と等しい凸部30とを有する皿型部材32が、その凸部30が振動吸収体28の中央の穴を貫通するように嵌め付けられている。
【0021】
上記皿型部材32の凸部30の表皮11側には、底側ほど小径となるテーパ状の集音穴34が形成されており、下ハウジング14の開口と略平行に開口する集音穴34の表皮11側の開口部は、キャップ状をなして凸部30の側壁面に嵌め着けられた比較的硬質の可撓性樹脂膜36により塞がれている。この可撓性樹脂膜36は、たとえば0.1mm程度のポリ塩化ビニル樹脂等、聴診器の偏平押圧部の押圧面に設けられる可撓性樹脂膜と同様のものであり、集音穴34の内部において音響室を形成する。
【0022】
また、上記皿型部材32の凸部30の表皮11とは反対側には、円筒部材38が備えられることにより、マイクロホン40を収容するための収容室42が形成されている。そして、円筒部材38の集音穴34側の端面には、中央にマイクロホン40の直径よりも小さい直径を有する貫通孔44を備えた円形の振動吸収シート46が、集音穴34の開口面に対して略水平に固設されている。さらに、その振動吸収シート46の収容室42と反対側には、その振動吸収シート46の面方向に垂直な振動を可能とするために、厚み方向において振動吸収シート46よりも薄い円形室47が形成されている。
【0023】
上記振動吸収シート46はブチルゴム等の振動吸収性の材料により構成され、振動吸収シート46に振動が伝播されていない状態ではマイクロホン40の重さで振動吸収シート46が撓まない程度の厚み方向の応力が必要であるため、好適には厚さが1.0 〜2.0mm のものである。この振動吸収シート46に振動が伝播すると、振動吸収シート46は面方向に垂直に振動して伝播してきた振動を吸収し、特に50Hz以下の振動を好適に除去するローパスフィルタとして機能する。そして、心音の周波数は50Hz以上(たとえばII音は100〜150Hz )であるので、低周波数側のノイズを取り除いた好適な状態で心音が検出できる。
【0024】
マイクロホン40は、収容室42において振動吸収シート46の貫通孔44を塞ぐように接着剤等により固設され、その貫通孔44側に開口するマイクロホンケース48と、そのマイクロホンケース48内においてその貫通孔44側に振動吸収シート46と平行となるように収容されて電極として機能する振動板50と、その振動板50と0.01〜0.05mm程度の僅かな隙間を隔てて対向する固定電極52と、そのマイクロホンケース48の貫通孔44とは反対側において導線54と接続される一対の接続端子56と、その一対の接続端子56間を絶縁する絶縁部材58とを備えた静電容量型マイクロホン、すなわちコンデンサ型マイクロホンであり、振動板50が振動させられることにより皮膚11からの心音を検出し、その心音を表す心音信号を出力する。
【0025】
上記皿型部材32の振動吸収体28と接している側とは反対側の面は重り60と接している。その重り60は、鉛、銅、鉄等の比較的比重の重い材料で構成され、好適には80〜150g程度の重さとされた、直径が皿型部材32の縁部29の直径と等しい偏平な円柱形であり、皿型部材32と接している側とは反対側の面、すなわち上ハウジング12の内側平面62と向かい合う面の中央部と、その上ハウジングの内側平面62の中央部との間には、前記振動吸収体28と同じ材質で構成された振動吸収体64が固設され、上ハウジング12からの振動を吸収するとともに、振動吸収体28と振動吸収体64とによって重り60が浮動状態で挟持されることにより、重り60の位置ずれが抑制される。この重り60が上記のように比較的重い比重の材料で構成され且つ上記の重量を有していることから、生体外からの雑音が重り60により遮音され、且つ心音検出装置10が好適な一定の押圧力で生体の皮膚11を押圧するので、安定した再現性のある心音信号が検出できる。さらに、心音検出装置10全体の共振周波数が心音の周波数よりも低周波数域となることから、生体内からの心音のエネルギーが生体音検出装置10を振動させるエネルギーとして消費されることがないので、心音がマイクロホン40に効率よく検出される。
【0026】
上記重り60の直径および皿型部材32の縁部29の直径は、前述したように筐体22の内側直径よりもやや短くされ、さらに重り60と上ハウジング12との間には振動吸収体64が固設されているので、その筐体22と、重り60および皿型部材32との間には密閉された空気室66が形成される。生体外からの環境雑音は、この密閉された空気室66と筐体22の境界面で反射され、或いは空気室66内で共鳴することなく吸収されるので、環境雑音が空気室66の内側に備えられたマイクロホン40に検出されることが抑制される。
【0027】
また、テーパ状の集音穴34と収容室42との間は、一端がテーパ状集音穴34と連通し他端が収容室42と連通する連通路68により連通させられ、さらに、絶縁部材58には、その絶縁部材58を貫通する気圧調整孔70が設けられ、振動板50の両面の気圧が同一となるように調整されているので、テーパ状の集音穴34内の圧力の変動成分(AC成分)のみがマイクロホン40に検出される。
【0028】
そして、マイクロホン40の接続端子に接続された導線54は、皿型部材32および重り60の一部に設けられた穴72を通って、筐体22の側面に設けらた貫通穴74に差し込まれたコード75の先端の接続端子76に接続されている。
【0029】
また、前記可撓性樹脂膜36の皮膚11と接触させられる側の面には軟質シート77が貼りつけられている。この軟質シート77は、本実施例の装着用シートを構成するものであって、たとえば0.5 〜2.0 mm程度の厚みを有しているとともに、たとえばJIS A型スプリング式硬さ試験機で1°〜15°程度の人体の皮膚と略同様の硬さを備え、さらに皮膚11と同様の密度を有する弾性体或いはゲル状粘性体である。この軟質シート77の存在により、心音検出装置10が皮膚11上に装着されたときの違和感を軽減できるとともに、皮膚11上の体毛78を覆うことができる、すなわち、可撓性樹脂膜36と皮膚11との間に空気層ができないので、生体内からの心音がその空気層で反射されることがなくなる。また、軟質シート77は皮膚11の密度と略同様の密度を備えていることから、軟質シート77の固有音響抵抗Rと皮膚11の固有音響抵抗Rとは比較的一致しているとみることができるので、皮膚11と軟質シート77との境界面での反射も少なく、且つ軟質シート77は上記のように比較的薄いことから、軟質シート77中での心音の吸収も少ないので、皮膚11から心音検出装置10内に伝播する心音の減少が抑制される。
【0030】
さらに、前記下ハウジング14の底部18の皮膚11側の面には、前記軟質シート77と同様の材質で構成され、底部18の皮膚側の面と略同一の環状の軟質シート80が貼りつけられている。この環状の軟質シート80は、心音検出装置10が皮膚11上に装着されたときの違和感を軽減するとともに、下ハウジング18が直接皮膚11に装着された場合よりも、生体組織中を伝播して心音検出装置10に到達する環境雑音を一層好適に遮断する。さらに、心音検出装置10の装着された部位の皮膚11に多少の凹凸があっても、軟質シート80がその皮膚11に密着するので、心音検出装置10の装着位置がずれることが防止される。
【0031】
図3は、前記軟質シート77が装着されていない従来の心音検出装置82において、空気層ができてしまうことによって、心音検出装置82に検出される心音が減少することを説明する図であり、心音検出装置82が生体の皮膚11上の所定の心音検出部位に装着された状態が示されている。
【0032】
図3において、皮膚11上の体毛78により、心音検出装置82の皮膚との接触面84と皮膚11との間に空気層86が形成されている。この状態において、心音波88が皮膚11から空気層86に進む際、および空気層86から心音検出装置82へ進む際に一部が反射波90として反射されるので、心音検出装置82に検出される心音波88が減少してしまう。
【0033】
上述のように、本実施例によれば、筐体22とマイクロホン40との間に密閉された空気室66が備えられているので、生体外から空気中を伝わって筐体22に到達する環境雑音が空気室66で反射あるいは吸収され、且つその空気室66は密閉とされていることからその空気室66内で環境雑音が共鳴することもないので、環境雑音により筐体22内において空気室66の内側に位置するマイクロホン40の振動板50が振動させられることが抑制される。
【0034】
また、本実施例によれば、環境雑音が空気中を伝わって、或いは空気中から生体組織を経由して、筐体22に伝わった場合においても、振動吸収シート46にその環境雑音が吸収されることから、環境雑音によりマイクロホン40の振動板50が振動させられることが抑制される。一方、心音は下ハウジング14の開口からその開口面に対して略水平に位置する振動吸収シート46の貫通孔44を通って、その貫通孔44の生体の皮膚11と反対側の面に固設されたマイクロホン40の振動板50を振動させることができる。よって、マイクロホン40から出力される心音信号に含まれる環境雑音成分を低減することができる。
【0035】
また、本実施例によれば、環境雑音が空気中を伝わって、或いは空気中から生体組織を経由して、筐体22に伝わった場合においても、筐体22内に備えられた重り60によりその環境雑音が遮音されるので、環境雑音によりマイクロホン40の振動板50が振動させられることが抑制される。さらに、その重り60により心音検出装置10全体の共振周波数を心音よりも低周波側とすることができ、心音が心音検出装置10内で共振してしまうことが解消されるので、心音を効率よく検出することができ、また、心音検出装置10が好適な一定圧で皮膚11を押圧するので、安定した再現性のある心音信号の検出ができる。
【0036】
また、本実施例によれば、心音検出装置10が生体の皮膚11に装着された状態では、一方向に開口した筐体22の開口側の底部18が生体の皮膚11に接触させられるので、生体組織中を伝播してきた環境雑音が底部18の皮膚11との接触面で遮断されるので、環境雑音によりマイクロホン40の振動板50が振動させられることが抑制される。
【0037】
また、本実施例によれば、筐体22と重り60との間に振動吸収体28、64が備えられているので、重り60の位置ずれが抑制されるとともに、振動吸収体28、64によってもハウジングに伝播した環境雑音を吸収することができる。
【0038】
また、本実施例によれば、下ハウジング14の底部18に軟質シート80を備えているので、生体組織中を伝播してきた環境雑音が底部18の皮膚との接触面で一層好適に遮断される。また、心音検出装置10の装着位置がずれることが好適に防止される利点もある。
【0039】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0040】
たとえば、前述の実施例では、マイクロホン40には、静電容量型マイクロホンが用いられていたが、圧電型マイクロホンやムービングコイル型マイクロホンであってもよい。
【0041】
その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である心音検出装置10の斜視図である。
【図2】図1の実施例の心音検出装置10の断面図である。
【図3】空気層により生体内からの心音波の一部が反射される状態を説明する図である。
【符合の説明】
10:心音検出装置
12:上ハウジング
14:下ハウジング
18:底部
22:筐体
28:振動吸収体
40:マイクロホン
44:貫通孔
46:振動吸収シート
50:振動板
60:重り
64:振動吸収体
66:空気室
77、80:軟質シート
Claims (3)
- 一方向において開口するハウジングと、振動板を有して該ハウジング内に設けられ、該振動板の振動を電気信号に変換するマイクロホンとを備え、生体の皮膚上に装着されて該生体の内部で生じる生体音を検出して、該マイクロホンから該生体音を表す生体音信号を出力する生体音検出装置であって、
前記ハウジング内に、
前記マイクロホンの前記開口側の面よりも小さい貫通孔を有し、該ハウジングの開口面に対して略水平に備えられる振動吸収シートと、
前記マイクロホンより前記開口と反対側に備えられる重りとを含み、
該マイクロホンは該振動吸収シートの前記開口側の面とは反対側の面の該貫通孔を塞ぐ位置に固設されていることを特徴とする生体音検出装置。 - 前記ハウジングと前記重りとの間に振動吸収体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体音検出装置。
- 前記マイクロホンは、前記貫通孔側に開口し、気圧調整用の貫通孔を有する絶縁部材で一部が形成され、その内部において前記振動板が前記貫通孔を塞ぐ位置に、前記振動吸収シートと平行に収容されるマイクロホンケースを有し、
前記ハウジング内の、前記振動吸収シートから見て前記開口が位置する側と反対側に備えられ、前記開口側の面とは反対側の前記振動吸収シートの面を内壁の一部とし、前記重りが前記内壁に接した、前記マイクロホンを収容するための収容室と、
前記開口側の前記振動吸収シートの面を内壁の一部とし、前記貫通孔と連結して形成される、前記ハウジング内の円形室と、
前記円形室と前記開口との間に備えられ、前記円形室に連結される、前記ハウジング内の音響室と、
前記収容室と前記音響室とを連通する連通路とを含む、請求項1または2に記載の生体音検出装置。
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