JP4402493B2 - 車両用ドア開確保装置 - Google Patents
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Description
図13(c)に示す車両用ドア開確保装置300(第2の従来技術)は、段差面部305をセンタピラー311の外側面311aに被せ、センタピラー311のコーナ部312には後面部304並びに段差面部305へ向かってスイングするシーソー部材313を取付けた構成である。
上記図13(c)に示す車両用ドア開確保装置300についても同様である。
ここで、「フロントドアに所定の過大な変形や変位が発生し得る」とは、例えば、フロントドアとリヤドアとが噛み込む程度の変形や変位が発生し得ることや、フロントドアの交換が必要な程度の変形や変位が発生し得ることである。
その後、車両に作用した衝突エネルギーにより、フロントドアやリヤドアが変位並びに変形した場合であっても、フロントドアの後端部とリヤドアの前端部とが、互いに噛み込むことはない。従って、車両へ衝突エネルギーが作用した後に、フロントドアやリヤドアを、より確実に開くことができる。すなわち、フロントドアやリヤドアの開扉性を、より確実に確保することができる。このため、車両用ドア開確保装置の信頼性を大幅に高めることができる。
さらには、車両用ドア開確保装置は車両に衝突エネルギーが作用する前に、衝突を予知した時点で作動するものである。このため、衝突エネルギーによる衝撃や車体変形の影響が、車両用ドア開確保装置の作動に及ぼす心配は全く無い。従って、車両用ドア開確保装置の信頼性は大幅に高まる。
図1は本発明に係る車両用ドア開確保装置を搭載した車両の斜視図である。図2は本発明に係る車両用ドア開確保装置を搭載した車両の模式的側面図である。
図1及び図2に示すように、車両10は車両用ドア開確保装置40を搭載したことを特徴とする。車両用ドア開確保装置40は、車両10へ衝突エネルギーが作用した後であっても、フロントドア20やリヤドア30を確実に開くことができるようにする、すなわち開扉性を確保する装置である。
複数の接近物検出手段41〜45は、例えば超音波センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、可視光線センサ、レーザセンサ、レーダ式センサ、CCD等の撮像システム(カメラシステム)からなる、接近物検出センサである。
図3に示すように、フロントドア20は、内側のインナパネル22と外側のアウタパネル23とを所定の間隔を有して組み合わせた、周知のドアである。
フロントドア20の後端部21は、インナパネル22をプレス成形することにより平面視略L字状に形成した部分であって、内側面22aの後端から外側方へ延びる後面部24と、後面部24の先端から後方へ延びる段差面部25と、段差面部25の後端から更に外側方へ延びる後端面部26と、後端面部26の先端から後方へ延びるフランジ27とからなる。フランジ27はアウタパネル23の縁と一体化する部分である。
リヤドア30の前端部31は、インナパネル32をプレス成形することにより平面視略L字状に形成した部分であって、内側面32aの前端から外側方へ延びる前面部34と、前面部34の先端から前方へ延びる段差面部35と、段差面部35の前端から更に外側方へ延びる前端面部36と、前端面部36の先端から前方へ延びるフランジ37とからなる。フランジ37はアウタパネル33の縁と一体化する部分である。
センタピラー13の外側面13cにヒンジ14にてリヤドア30の前端面部36を取付けることができる。
図4に示すようにラッチ機構71は、ストライカ61に対してロック・アンロックする方向に回転するラッチ72と、ラッチ72を回転可能に支持する第1の支持軸73と、ストライカ61に対してラッチ72をアンロックする方向(矢印X1方向)に弾発するラッチ用の弾発部材74と、ラッチ72に掛け止める掛止部材75と、掛止部材75を回転可能に支持する第2の支持軸76と、ラッチ72に対して掛止部材75を掛け止める方向(矢印Y1方向)に弾発する掛止部材用の弾発部材77と、これらの部材71〜77を収納するラッチ用ケース78と、からなる。
形状記憶材料の素子95を加熱する加熱方式としては、電源92から素子95へ直接に電力を供給することによって、素子95自体のジュール熱を利用する直接加熱方式を採用した。
図6は本発明に係るドア閉規制手段の断面図であり、車両の右側方から見たドア閉規制手段100の断面構造を示す。図7は本発明に係るドア閉規制手段の作用図である。
図6はドア閉規制手段100が非作動状態にあることを示す。ストッパピン作動スイッチ114はオフ状態にある。素子115,115はストッパピン用の弾発部材105,105にて弾発されることで、コイルが収縮した状態にセットされている。ストッパピン用の弾発部材105,105にて弾発されたストッパピン104,104が段部101aに掛かっているので、ロックピン101はケース102内に収納された状態にある。また、ロックピン用の弾発部材103は圧縮された状態にある。
このようにしてドア閉規制手段100は、図7に示すようにロックピン101を後端面部26の貫通孔26aから後方へ突出することができる。
Dr;自車10と接近物Anとの間の離間距離(相対距離)。
ベクトルVrv;自車10に対する接近物Anの相対速度ベクトル。
Vr;自車10と接近物Anとの相対速度。
θp;自車10の進行方向に対する接近物Anの角度。
Xp;自車10に対する接近物Anの位置であり、座標(x、y)で表す。
なお、相対速度ベクトル(ベクトルVrv)については、図8にも記載した如く次のように記号で表すことができる。
ST01;接近物検出手段41〜45から各接近物検出信号を読み込む。
ST02;接近物検出信号が有るか否かを調べ、YESなら接近物Anを検出したのでST03に進み、NOなら自車10の周囲には接近物Anが無いのでST01に戻る。
接近物検出信号は、図2の接近物検出手段41〜45のうち、いずれかの検出可能な範囲に接近物Anが有った場合に、その検出した接近物検出手段(以下、「接近物Anを検出した接近物検出手段」と言う。)が発する信号である。
ST04;自車10の実車速Vaを計測する。実車速Vaは、図1の車速検出手段51で現実の車速Vaを計測すればよい。
ST05;実車速Vaに基づいて基準接近距離Dsを求める。基準接近距離Dsは実車速Vaの大きさに応じて大きくなる、例えば比例関係となるように設定されることになる。この基準接近距離Dsについては、予め設定された計算式又はマップで求めればよい。
ST07;自車10と接近物Anとの相対速度ベクトルVrv(ベクトルVrv)を求める。相対速度ベクトルVrvについては、接近物Anを検出した接近物検出手段にて現実の相対速度ベクトルVrvを計測すればよい。例えば、極く微小な一定時間毎に変化する、自車10と接近物Anとの相対的な位置の変化量を計測し、この変化量に基づく演算によって、相対速度ベクトルVrvを求める。
ST09;自車10の進行方向に対する接近物Anの角度θpを求める。角度θpについては、接近物Anを検出した接近物検出手段にて現実の角度θpを計測すればよい。
ST10;離間距離Dr及び角度θpに基づいて、自車10に対する接近物Anの位置Xpを求める。
ST12;自車10と接近物Anとが衝突する可能性があるか否かを調べ、YESなら可能性があるとしてST13に進み、NOならST01に戻る。例えば、ST11で得られた評価点Ecが、予め設定された一定の基準評価点Esを超えた(Ec>Es)ときにYESとなる。
ST14;予想衝突時間Trが、予め設定された一定の基準衝突時間Tsよりも小さいか(Tr<Ts)否かを調べ、YESなら上記接近物Anが「自車10と衝突する衝突物」であると予知して出結合子A1に進み、NOならST01に戻る。
ST22;相対速度ベクトルVrv(ベクトルVrv)、自車10に対する接近物Anの位置Xp及び予想衝突時間Trに基づいて、自車10に対する接近物Anの予想進入角度θcを推定する。すなわち、自車10に接近物Anが衝突するときに、自車10に対して接近物Anが衝突する角度θcを推定する。
ここで、「衝突規模が大きい」という判断は、接近物An(衝突物An)から自車10へ作用する衝突エネルギーによって、フロントドア20に所定の過大な変形や変位が発生し得ると推測したことを言う(以下同じ。)。また、「フロントドア20に所定の過大な変形や変位が発生し得る」とは、例えば、フロントドア20とリヤドア30とが噛み込む程度の変形や変位が発生し得ることや、フロントドア20の交換が必要な程度の変形や変位が発生し得ることである。
ST28;相対速度Vrに基づいて自車10と接近物Anとの相対加速度αr、すなわち相対的な加速の程度を求める。相対加速度αrは、例えば、極く微小な一定時間毎の相対速度Vrの変化量に基づく演算によって求めればよい。
ST29;相対加速度αrが基準相対加速度αsを超えたか(αr>αs)否かを調べ、YESなら衝突規模が大きいと判断して出結合子A2に進み、NOなら出結合子A3から図9の入結合子A3を経てST01に戻る。
この結果、図4に示す半ドア駆動用アクチュエータ91によって、ドアロック機構60はハーフロック状態(半施錠状態)になる。フロントドア20は全閉から一定量だけ開方向に変位する。
ST33;ドアスイッチ55がオンであるか否かを調べ、YESならフロントドア20が半開状態になったと判断してST34に進み、NOならST31に戻る。
ST34;ラッチ作動スイッチ94をオフにする。
この結果、ピン駆動用アクチュエータ111,111によってストッパピン104,104は引っ込む。ロックピン101はリヤドア30側へ突出する。これで、ドア半開駆動手段90によって開いたフロントドア20の後端部21が、閉方向へ変位並びに変形することを規制する。
図9に示すST01〜ST14の集合は、車両10と衝突する接近物An(衝突物An)の有無を予知する衝突予知判断手段121を構成する。
これらの衝突予知判断手段121と過大変形推測手段122と予知信号出力手段123の集合は、車両10と衝突する接近物An(衝突物An)を予知したときに予知信号Prを発する衝突予知手段120を構成する。
図11に示すST32、ST33及びST35の集合は、フロントドア20が半開状態になったときにドア閉規制信号Cnを発する、ドア閉規制信号手段131を構成する。
図1及び図12に示すように、車両用ドア開確保装置40は、車両10と衝突する衝突物An(図8参照)があることを制御部56の衝突予知手段120が予知したときに、その予知信号Prを受けたドア半開駆動手段90が、全閉状態のフロントドア20を予め一定量SLだけ開方向に変位させた半開状態、いわゆる半ドア状態にして、実際に発生し得る衝突に備えることができる。この結果、フロントドア20の後端部21はリヤドア30の前端部31よりも車幅方向の外寄りに開くことになる。
また、形状記憶材料の素子95,115を加熱する加熱方式としては、素子95,115の周囲に配置した別部材からなるヒータによって間接的に素子95,115を加熱する間接加熱方式であってもよい。その場合には、電源92,112から各スイッチ94,114を介してヒータに電力を供給すればよい。また、電源92,112は1個で共用してもよい。
また、制御部56に過大変形推測手段122を備えることは任意である。過大変形推測手段122を備えない場合には、図9のST14から出結合子A1及び図11の入結合子A2を経て、ST31に進めばよい。
Claims (3)
- 車両と衝突する衝突物を予知したときに予知信号を発する衝突予知手段と、前記車両のフロントドアを車体にロックするドアロック機構とを備え、
このドアロック機構は、センタピラーの前面から前方へ延びるストライカと、このストライカにロックするべく前記フロントドアの後面部に取付けられたラッチ機構とからなり、
このラッチ機構は、前記ストライカに対してロック・アンロックする方向に回転する略円盤状のラッチと、このラッチを回転可能に支持する第1の支軸と、前記ラッチに掛け止める掛止部材と、この掛止部材を回転可能に支持する第2の支軸とを備え、
前記ラッチの外周面には、前記ストライカにロックする略U字状のロック溝と、前記ストライカに完全ロック状態のときに前記掛止部材を掛け止める第1止め段部と、前記ストライカに半ロック状態のときに前記掛止部材を掛け止める第2止め段部とが形成され、
前記予知信号に応じて前記フロントドアを全閉から一定量だけ開方向に変位させるべく、前記掛止部材を前記第2止め段部に掛けるドア半開駆動手段を備えた車両用ドア開確保装置。 - 前記衝突予知手段は、前記衝突物から前記車両へ作用する衝突エネルギーによって、前記フロントドアに所定の過大な変形や変位が発生し得ると推測したときに前記予知信号を発するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用ドア開確保装置。
- 前記フロントドアは、後端部において内部にドア閉規制手段を備え、
このドア閉規制手段は、前記ドア半開駆動手段によって開いた前記フロントドアの後端部が閉方向へ変位並びに変形することを規制すべく、前記フロントドアの後端面部から前記車両の後方へ向かって突出するロックピンからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用ドア開確保装置。
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