JP4400961B2 - 模様付きプラスチック製成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、意匠外観面を形成する表面側に特定の模様を有するプラスチック製成形品に関するものであり、特に、その表面側に高弾力性を有する軟質プラスチック材を設けるようにし、これによって、柔らかな接触感覚を与えるようにしたプラスチック製成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の模様付きのプラスチック製成形品、例えば車両用インテリアトリム等においては、柔らかな接触感(ソフト感)を与えるようにするために、所定の模様を有する表皮材を別途設けるとともに、このような表皮材の内部に、予め骨格材(強度部材)をインサートさせた状態で、当該骨格材と上記表皮材との間に、所定の発泡材等を注入するようにしているものがある。このような工程を経ることによって、表面に所定の模様を有するものであって、かつ、柔らかな接触感(ソフト感)を与えるインテリアトリム等が形成されるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の方法においては、特殊な模様を有する表皮材の形成を初めとして、これに柔らかな接触感(ソフト感)を持たせるようにするためには複雑な工程を経なければならず、製造コストが嵩むと言う問題点がある。また、発泡材としては主にウレタン系樹脂が用いられるところから、回収時に、他の素材と一緒にリサイクルをすることができないと言う問題点がある。このような問題点を解決するために、発泡材を用いることなく、その表面部にソフト感を持たせることのできるようにした模様付きのプラスチック製成形品を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、プラスチック製基材の、その外表面部側に所定の模様を有するものであって、接触時の感覚が柔らかな感触(ソフト感)を有するプラスチック製成形品に関して、熱可塑性樹脂材からなる基材と、当該基材の表面側に設けられるものであって、プラスチック製フィルムまたはプラスチック製シートからなるものの、そのいずれかの面側に印刷手段等にて所定の模様の描かれた状態の模様層材と、当該模様層材の表面側または上記基材の表面側に設けられるものであって軟質成分を主体とするポリウレタン系樹脂または軟質塩化ビニール樹脂(PVC)からなる高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材と、からなるとともに、これらが積層状に重ね合された状態で所定の温度にて加圧成形されることによって形成されるプラスチック製の成形体を基礎に、その表面側であって上記模様層材の設けられる側に、プラスチック製微細ビーズまたはシルクパウダー等からなる微細粒状体を液状の有機塗料中に混入させることによって形成されるものを塗布することによってトップコート層を設けるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、接触時にソフト感を与えるプラスチック製成形品を、例えば熱プレス成形手段等の簡単な工程を経ることによって形成(製造)することができるようになる。従って、ソフト感のある車両用室内トリム等を安価に得ることができるようになる。
【0005】
また、本発明においては、上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材を、軟質成分を主体とするポリウレタン系樹脂材または軟質塩化ビニール樹脂材(PVC)からなるようにするとともに、このような高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材を上記熱可塑性プラスチック製基材のところに積層状に重ね合せ、更には、このような積層状のものを熱プレス成形手段等にて一体的に成形加工をするようにしたので、表面部がソフト感を有するプラスチック製成形品を効率良く形成(製造)することができるようになる。
【0006】
また、本発明においては、そのトップコート層を、プラスチック製微細ビーズまたはシルクパウダー等からなる微細粒状体を液状の有機塗料中に混入させるとともに、このような状態のものを上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材の表面部または上記模様層材の表面部に塗布することによって形成されるものからなるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、その表面部に微細な粒状体が存在することとなり、これによって上記表面部全体がぼかし状の模様を有するようになる。その結果、全体的につや消し効果が得られるようになり、車両、特に自動車用インストルメントパネル等に利用することができるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1及び図2を基に説明する。本実施の形態にかかるものは、図1に示す如く、熱可塑性プラスチック材からなるものであってコア材を形成する基材1と、当該基材1の表面側に設けられるものであって印刷手段等により所定の模様の設けられたプラスチック製フィルムあるいはプラスチック製シート等からなる模様層材2と、当該模様層材2の表面側に設けられるものであって高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3と、当該高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3の表面側に設けられるものであって透明なプラスチック材からなるトップコート層4と、からなることを基本とするものである。なお、このような構成からなるものにおいて、上記模様層材2は、その取付けられる基礎となる基材1がオレフィン系の樹脂からなるものである場合には、接着性を高めさせるために、基材1との接着面側に所定のプライマ処理が施されるようになっているものである。また、上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3は、図1に示すように模様層(模様層材)2の上側(表面側)に設けられるものである場合には透明体からなるものであることが必要とされるが、上記模様層(模様層材)2の下側、すなわち、基材1に直接接着されるものである場合には、不透明体からなるものであっても良い。
【0008】
次に、このような構成からなる本実施の形態からなるものの、その成形工程(製造工程)について、図2を基に説明する。まず、図2の(A)に示す如く、熱可塑性樹脂材からなる基材1と、熱可塑性プラスチックフィルムあるいは熱可塑性プラスチックシートの表面等に印刷手段等にて所定の模様の設けられた模様層材2と、熱可塑性プラスチック製シート材からなるものであって高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3とを積層状に重ね合せて積層状シート材を形成する。なお、積層状シート材の形成に当っては、上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3が模様層材2の表面側に設置される場合には、上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3は透明体からなるものであることが必要とされる。
【0009】
次に、このような積層状シート材を、図2の(B)に示す如く、所定の熱プレス成形装置に設置して、所定の形態に成形する(塑性加工をする)。そして、このようにして所定の形態に成形されたプラスチック製成形体についてトリミング加工等を施し、所定の形態に仕上げる。なお、上記積層状シート材を基礎に、熱プレス成形手段等の成形手段にて所定の形態からなるプラスチック製成形体が形成されるものであるところから、上記積層状シート材を形成する各素材はすべて熱可塑性樹脂材からなるものであることが必要とされる。具体的には、基材1は、ポリプロピレン(PP)を初めとしたオレフィン系樹脂材が主に用いられるものであって、これらオレフィン系樹脂材に、場合によってはガラス繊維等の強化繊維材が添加されるようになっているものである。また、模様層の設けられるプラスチックフィルムあるいはプラスチックシートもABS樹脂等を初めとした熱可塑性のプラスチックフィルムあるいはシートが用いられるようになっているものである。また、高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3としては、透明体からなるものとしては軟質成分を主体とした熱可塑性ウレタン系樹脂、軟質ポリ塩化ビニール(PVC)が挙げられる。また、不透明体から成るものとしてはスチレン系エラストマ(SBC)、オレフィン系エラストマ(TPO)、熱可塑性シリコーン系エラストマ等が挙げられる。
【0010】
このようして所定の形態に形成されたプラスチック製成形体の表面側であって模様層(模様層材)2の設けられる側に、図2の(C)に示す如く、トップコート層4を設ける。このトップコート層4の形成は、所定の素材を上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材3の表面側あるいは模様層材2の表面側にエアスプレー手段あるいはハケ塗り手段等にて塗布することによって行なわれるものである。なお、本実施の形態においては、このトップコート層4としては、一般的なクリアコート層等の外に、次に示すようなつや消し処理方法が採られるようになっている。その具体的な内容について以下に説明する。
【0011】
まず、下記表1に示すような内容のプラスチック製ビーズ、またはシルクパウダーあるいはコラーゲンパウダー等のたん白質性粒状体をアクリルウレタン系塗料あるいはポリエステルウレタン系塗料またはアクリルシリコーン系塗料等に所定量混入させる。このような状態の液状体を上記模様層2の表面側に塗布する(図2の(C)参照)。なお、この塗布作業に当っては、通常のスプレー方式あるいはハケ塗り方式が採られる。
【表 1】
【0012】
このような工程を経ることによって、図2の(D)に示すような表面にぼかし状のつや消し模様を有するものであって全体的にソフト感を有するプラスチック製成形品が形成されることとなる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、プラスチック製基材の、その外表面部側に所定の模様を有するものであって、接触時の感覚が柔らかな感触(ソフト感)を与えるプラスチック製成形品に関して、熱可塑性樹脂材からなる基材と、当該基材の表面側に設けられるものであって、プラスチック製フィルムまたはプラスチック製シートからなるものの、そのいずれかの面側に印刷手段等にて所定の模様の描かれた状態の模様層材と、当該模様層材の表面側または上記基材の表面側に設けられるものであって高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材と、からなるとともに、これらが積層状に重ね合された状態で所定の温度にて加圧成形されることによって形成されるプラスチック製の成形体を基礎に、その表面側であって上記模様層の設けられる側に、所定のトップコート層を設けるようにした構成を採ることとしたので、接触時にソフト感を与えるプラスチック製成形品を、例えば熱プレス成形手段等の簡単な工程を経ることによって形成(製造)することができるようになり、ソフト感のある車両用室内トリム等を安価に製造することができるようになった。
【0014】
また、上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材を、ポリエステルウレタンを初めとした軟質成分を主体とするポリウレタン系樹脂材または軟質塩化ビニール樹脂材(PVC)からなるようにするとともに、このような高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材を上記熱可塑性プラスチック製基材のところに積層状に重ね合せ、更には、このような積層状のものを熱プレス成形手段等にて一体的に成形加工をするようにしたので、表面部がソフト感を有するプラスチック製成形品を効率良く形成(製造)することができるようになった。
【0015】
また、本成形品の最外表面部に設けられるトップコート層を、プラスチック製微細ビーズまたはシルクパウダー等からなる微細粒状体を液状の有機塗料中に混入させるとともに、このような液状体を上記高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材の表面部または上記模様層材の表面部に塗布することによって形成されるものからなるようにしたので、本発明のものにおいては、その表面部に微細な粒状体が存在することとなり、これによって上記表面部全体がぼかし状の模様を有するようになった。その結果、全体的につや消し効果が得られるようになり、車両、特に自動車用インストルメントパネル等に利用するとができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる模様付きプラスチック製成形品の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1 基材
2 模様層材(模様層)
3 高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材
4 トップコート層
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂材からなる基材と、当該基材の表面側に設けられるものであって、プラスチック製フィルムまたはプラスチック製シートからなるものの、そのいずれかの面側に印刷手段等にて所定の模様の描かれた状態の模様層材と、当該模様層材の表面側または上記基材の表面側に設けられるものであって軟質成分を主体とするポリウレタン系樹脂または軟質塩化ビニール樹脂(PVC)からなる高弾力性を有する軟質プラスチック製シート材と、からなるとともに、これらが積層状に重ね合された状態で所定の温度にて加圧成形されることによって形成されるプラスチック製の成形体を基礎に、その表面側であって上記模様層材の設けられる側に、プラスチック製微細ビーズまたはシルクパウダー等からなる微細粒状体を液状の有機塗料中に混入させることによって形成されるものを塗布することによってトップコート層を設けるようにした構成からなること特徴とする模様付きプラスチック製成形品。
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