JP4400483B2 - ラインヘッドモジュール、露光装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、長寿命で且つ十分な印刷速度が得られ、更に高品質な出力が可能なラインヘッドモジュールと、このラインヘッドモジュールを備えた露光装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
この構成によれば、1つの感光体に対して複数のラインヘッドが割り当てられているため、ラインヘッドの寿命を見かけ上延ばすことができ、高速且つ高光量の印字が可能になる。また、ラインヘッドの切り換えは支持体の回転によって行なわれるため、ラインヘッドモジュール自体の構成がコンパクトになり、露光装置、さらにはこの露光装置を露光手段とする画像形成装置の小型化が可能になる。さらに、同一支持体上に複数の仕様の異なるラインヘッドを設けているため、これらを用途に合わせて切り換えることで、その時々のユーザの要求に合わせた出力が可能になる。また、ラインヘッドを切り換えて使用することで、個々のラインヘッドの有効活用が可能であると共に、プリンタ等の出力機器のハイスペック化にもつながる。
この構成によれば、使用頻度が高く劣化の早い印字形態についても長期間安定した印字品質を得ることができる。なお、光量の劣化は、センサ等によって直接検知してもよいし、印字条件(光量、印刷速度等)や印字枚数等に基づいて判断してもよい。ラインヘッドの切り換えは、光量の劣化に応じて自動的に行なわれることが望ましい。
この構成によれば、各発光素子から出射した光が感光体上により良好に結像されるようになる。
EL素子はLEDなどに比べて輝度(光量)は低いが、本発明においては、複数の発光素子列を切り換えて使用することにより高輝度な状態を長期間維持することができるため、十分に高い実用性を備えたものとなる。なお、EL素子としては、特に発光点を精度よく作り込むことができる有機EL素子が好適である。
この構成によれば、高速且つ多印字枚数可能な画像形成装置を提供することができる。
まず、本発明の露光装置について説明する。
図1は、本発明の露光装置の一実施形態を示す図であり、図1中符号100は露光装置である。この露光装置100は、後述する画像形成装置において露光手段として用いられるもので、ラインヘッド1と、このラインヘッド1からの光を結像させるレンズアレイ(光学結像系)31と、前記レンズアレイ31を透過した前記ラインヘッド1からの光によって露光される感光体ドラム(感光体)9と、を備えて構成されたものである。
図2は、ラインヘッドモジュール101の概略構成を示す図であり、図2(a)はその斜視図、図2(b)はその断面図である。
図2に示すように、ラインヘッドモジュール101は、複数の発光素子3を整列配置したラインヘッド1(1A,1B)と、ラインヘッド1からの光を結像させるレンズ素子を整列配置したレンズアレイ31と、ラインヘッド1を支持する支持体10と、を備えて構成されている。
図3のラインヘッドモジュール101においては、支持体10は断面が正方形をなす角柱体として構成されている。支持体10の中央には、感光体ドラム9の回転軸9aと平行な回転軸10aが設けられている。回転軸10aは制御手段110に接続されており、この制御手段110からの制御信号によって、その回転が制御されるようになっている。支持体10の周方向に配置された複数の周面、すなわち支持体10の4つの側面には、それぞれラインヘッド1(1C、1D)が設けられている。そして、回転軸10aを中心とした支持体10の回転によって、これらのラインヘッド1C,1Dが切り換えられるようになっている。ラインヘッド1の切り換えは、回転軸10aを基点として支持体10を90°ずつ回転することによって行われる。なお、これら複数のラインヘッド1C,1Dは、その切り換えに応じて駆動も切り換えられるようになっており、特定のラインヘッドが選択されている間は、他のラインヘッド1の駆動は停止される。
ラインヘッド1Dは、精細度を要求される写真等の出力に対応した仕様(例えば結像面積50μm、出力速度20ppm)であり、印字速度は落ちるが極めて高品質な出力が可能である。このラインヘッド1Dは、使用頻度が低いため、1本だけ装備されている。
また、図3ではラインヘッド1Cと1Dの比率を3:1としたが、この比率は必ずしもこれに限定されない。写真出力用として位置付けられるプリンタ等においては、ラインヘッド1Dの比率を高めてもよい。また、4本のラインヘッドそれぞれを異なる仕様とし、あらゆるユーズに最適なラインヘッドを自動的に選び出す方式としてもよい。
さらに、本実施形態ではラインヘッド1の仕様として精細度、出力光量、出力速度を挙げたが、本発明における仕様は必ずしもこれらに限定されない。
図4は、ラインヘッド1を模式的に示した図である。このラインヘッド1は、長細い矩形の素子基板2上に、複数の発光素子3を整列配置してなる発光素子列(発光部ライン)3Aと、発光素子3を駆動させる駆動素子4からなる駆動素子群と、これら駆動素子4(駆動素子群)の駆動を制御する制御回路群5とを一体形成したものである。発光素子3としては有機EL素子を用いるが、この代わりに無機EL素子や発光ダイオード(LED)等を用いてもよい。ラインヘッド1は、図1に示したようにその光出射側の面が感光体ドラム9に対向して配置されるようになっており、その際、前記の発光素子列3Aの列方向(発光素子の整列方向)が、感光体ドラム9の回転軸9aと平行に配置されるようになっている。
なお、有機EL素子3および駆動素子4の詳細な構造については後述する。
図5は、レンズアレイ31としてのSLアレイの斜視図である。このレンズアレイ(SLアレイ)31は、SL素子31aを千鳥状に2列配列(配置)したものである。そして、千鳥状に配置された各SL素子31aの隙間には黒色のシリコーン樹脂32が充填されており、さらにその周囲にはフレーム34が配置されている。
よって、このSL素子31aの長さを調整すれば、画像を正立等倍結像させることができる。そして、このように正立等倍結像するSL素子31aにあっては、隣接するSL素子31aどうしが作る像を重ね合わせることが可能になり、広範囲の画像を得ることができる。したがって、図5に示したSLアレイ31は、ラインヘッド1全体からの光を精度よく結像させることができるようになっている。
次に、ラインヘッドにおける有機EL素子や駆動素子等の詳細な構成について、図6(a)、(b)を参照して説明する。
発光層60で発光した光を画素電極23側から出射する、いわゆるボトムエミッション型である場合には、素子基板2側から発光光を取り出す構成であるので、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。
本実施形態では、ボトムエミッション型が採用され、したがって素子基板2には透明なガラスが用いられるものとする。
そして、このような構成のもとに有機EL素子3は、図6(a)に示すように、正孔輸送層70から注入された正孔と陰極50からの電子とが発光層60で結合することにより、発光をなすようになっている。
正孔輸送層70の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔輸送層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
また、この陰極50上には接着層を介して封止基板(図示せず)が貼着されている。
なお、この例では、EL素子を駆動する素子として、素子基板2上にTFTなどの駆動素子4を作り込んだ例を挙げたが、駆動素子4を素子基板2上に作り込まず、駆動素子4を外付けにする、具体的にはEL素子基板の端子領域にドライバICをCOG実装する、またはドライバICを実装したフレキシブル回路基板をEL素子基板に実装するようにしても良い。
(タンデム方式の画像形成装置)
図7は本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す図であり、図7中符号80はタンデム方式の画像形成装置である。この画像形成装置80は、有機ELアレイラインヘッド101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム41K、41C、41M、41Yにそれぞれ配置したことにより、露光装置を構成した、タンデム方式のものである。
ここで、有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)は、前述したようにヘッドケース等によってSLアレイ(図示せず)とともに互いにアライメントされた状態で一体的に保持され、ラインヘッドモジュールとして用いられている。
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態について説明する。図8は4サイクル方式の画像形成装置の縦断側面図である。図8において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、前記ラインヘッドモジュールからなる像書込手段167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより、現像ローラ162aとは逆の方向となる矢印D方向に回転駆動されるようになっている。なお、像書込手段167を構成するラインヘッドモジュールは、これと感光ドラム165との間で位置合わせ(光軸合わせ)がなされた状態に配設されている。
定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢印G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
したがって、これら画像形成装置80、160にあっては、前述したようにラインヘッドの切り換えによって十分な寿命を確保することができ、また高速な印字も可能である。さらに、1つのラインヘッドモジュールに仕様の異なる複数のラインヘッドが設けられているため、ラインヘッドの効率的な活用が可能になり、ハイスペック化にもつながる。
なお、本発明の露光装置を備えた画像形成装置は前記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。また、本発明のラインヘッドモジュールは、プリンタ、コピー機等の種々の画像形成装置に広く適用可能である。
Claims (7)
- 整列配置された複数の発光素子を有するラインヘッドを備え、前記発光素子からの光によって感光体に対して露光をなすラインヘッドモジュールであって、
前記感光体に対して平行な回転軸を有する支持体と、
前記支持体の周面上に設けられ、前記回転軸を中心とした前記支持体の回転によって前記感光体に対して切り換え可能に構成された複数の前記ラインヘッドとを備え、
前記複数のラインヘッドには、仕様の異なる複数種類のラインヘッドが含まれており、これらのラインヘッドが、用途に応じて切り換えて使用されると共に、
相対的に使用頻度の高い仕様については、同一仕様に係る前記ラインヘッドが複数設けられており、センサによって検知された前記発光素子の光量が前記感光体の露光に不十分となった場合に、これらのラインヘッドが切り換えて使用されることを特徴とする、ラインヘッドモジュール。 - 前記支持体は、柱状体又は板状体からなることを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッドモジュール。
- 前記複数のラインヘッドのそれぞれについて、前記発光素子からの光を結像させる光学結像系が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のラインヘッドモジュール。
- 前記発光素子はエレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載のラインヘッドモジュール。
- 前記発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする、請求項4記載のラインヘッドモジュール。
- 請求項1〜5のいずれかの項に記載のラインヘッドモジュールと、前記ラインヘッドモジュールに備えられる発光素子からの光によって露光される感光体とを備えたことを特徴とする、露光装置。
- 請求項6記載の露光装置を露光手段として備えたことを特徴とする、画像形成装置。
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