JP4400109B2 - カイガラムシ類の次年度発生密度抑制方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カイガラムシ類の次年度発生密度抑制方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カイガラムシ類は樹木の難防除害虫として知られている。現在、実用化されているカイガラムシ類の防除方法としては、スプラサイド乳剤又はダーズバン乳剤をカイガラムシ類の活動期個体又は芽の動きがある生育期の作物若しくは樹木に対して施用する方法や、マシン油乳剤をカイガラムシ類の越冬個体又は芽の動きの止まった休眠期の作物若しくは樹木に対して施用する方法が知られている。(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)
【0003】
【非特許文献1】
茶樹の害虫、南川仁博、刑部勝共著、日本植物防疫協会発行(昭和54年7月10日発行)、第91頁、第12表
【特許文献1】
特開平10−25203号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在、実用化されているスプラサイド乳剤又はダーズバン乳剤は、上述のように、芽の動きがある生育期の作物若しくは樹木に対する施用において優れた防除効果を示すが、その他の時期、特に、芽の動きの止まった休眠期の作物若しくは樹木に対する施用においては、その防除効果が著しく低い。またこれら農薬組成物の施用時期を誤ると、いたずらに天敵の減少を招く場合もあり、逆にカイガラムシの大繁殖をみる結果となるため、その施用時期は限られた狭いものであった。
一方、マシン油乳剤は、カイガラムシ類の越冬個体又は芽の動きの止まった休眠期の作物若しくは樹木に対する施用において防除効果を示すが、作物若しくは樹木の種類によっては薬害を生じることが知られており、またその防除効果は、必ずしも充分なものではなく満足できるものであるとは言えなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者は、カイガラムシ類の優れた防除方法を見出すべく鋭意検討した結果、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル含有農薬組成物をカイガラムシ類の越冬個体又は芽の動きの止まった休眠期の作物若しくは樹木に対して施用することにより、カイガラムシ類の次年度の発生密度を極めて効果的に抑制できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル含有農薬組成物をカイガラムシ類の越冬個体又は芽の動きの止まった休眠期の作物若しくは樹木に対して施用することを特徴とするカイガラムシ類の次年度の発生密度を抑制する方法(以下、本発明方法と記すこともある。);
2.作物若しくは樹木が、落葉樹又は茶樹であることを特徴とする前項1記載の方法;
3.カイガラムシ類が、クワシロカイガラムシ又はウメシロカイガラムシであることを特徴とする前項1記載の方法;
4.カイガラムシ類の次年度の発生密度を抑制するための、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル含有農薬組成物の使用(以下、本発明使用と記すこともある。);
5.有効成分として、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテルを含有することを特徴とするカイガラムシ類次年度発生密度抑制剤(以下、本発明抑制剤と記すこともある。);
等を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において有効成分として用いられる、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル(例えば、一般名:ピリプロキシフェンとしても知られている。)は、公知の化合物(特公平5−64140)である。因みに、当該有効成分を含有する農薬組成物は、すでにカイガラムシ類の活動期個体又は芽の動きがある生育期の作物若しくは樹木に対する施用において優れた防除効果を示すことは知られているが、カイガラムシ類の越冬個体又は芽の動きの止まった休眠期の作物若しくは樹木に対する施用において、カイガラムシ類の次年度の発生密度を極めて効果的に抑制できることは全く知られていなかった。
【0007】
本発明において「カイガラムシ類の越冬個体」とは、越冬のために適する形態状態にあるカイガラムシ類の個体であって、活動停止期にあたる個体である。通常、枝や幹に寄生して越冬したり、粗皮下、枝の切り口、芽と芽との間で越冬する。越冬形態は卵、幼虫、成虫など、種によってはっきりと決まっているもの多く、種々の越冬形態をもつ種でも、越冬の主体をなす形態が認められることが多い。
また本発明において「芽の動きの止まった休眠期の作物若しくは樹木」とは、例えば、一般的には冬の低温期において、鱗片葉や幼葉から成る冬芽、休眠芽を形成することにより休眠状態に入り、成長は殆ど停止し、物質代謝活動も著しく低下している作物若しくは樹木を意味し、具体的には例えば、落葉樹の場合には、落葉してから冬芽が発芽、展葉する直前までの期間にある樹木であり、茶樹の場合には、冬芽の生長停止期から冬芽が発芽、展葉する直前までの期間にある樹木である。
【0008】
本発明方法において対象となるカイガラムシ類としては、特に制限はないが、例えば、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、ウメシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis prunicola)等のカイガラムシ類をあげることができる。これらのカイガラムシが寄生する作物若しくは樹木としては、例えば、前者の場合には、チャ、シダレヤナギ、コリヤナギ、ポプラ、オニグルミ、クワ、コウゾ、ヤマブキ、モモ、オウトウ、ナシ、リンゴ、イボタノキ、ヤマハギ、クズ、サンショウ、アカメガシワ、センダン、ヤマウルシ、ブドウ、アオギリ、カキ、キリ、ソテツ、キハダ、ニガキ、ムクノキ等をあげることができ、また後者の場合には、ウメ、アンズ、スモモ、モモ、オウトウ、モクセイ、エニシダ、スグリ、ムラサキハシドイ、ネズミモチ等があげられる。
【0009】
本発明において有効成分として用いられる4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテルは、通常、固体担体又は液体担体と混合し、必要により界面活性剤、安定剤などの製剤用補助剤を添加して、水和剤、顆粒水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水性液剤、油剤などに製剤化して用いられる。これらの製剤中には、上記の有効成分が通常1〜99重量%含有される。
【0010】
本発明において用いられる農薬組成物は、そのままで又は水等で希釈して用いる。また、さらに他の殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤と混用または併用することもできる。
【0011】
本発明において用いられる農薬組成物を用いる場合には、上記の有効成分の施用量として、通常、10アールあたり、0.5g〜5000gであり、水で希釈して用いる場合には、その施用濃度は通常、0.5ppm〜5000ppm、好ましくは、5ppm〜1000ppmである。これらの施用量、施用濃度は、いずれも施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲にかかわることなく増減することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を試験例により、さらに詳しく説明するが、本発明は以下の試験例に限定されるものではない。
【0013】
試験例
休眠期の茶樹(3月19日)に対して、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル(一般名:ピリプロキシフェン)含有農薬組成物(市販品:ピリプロキシフェン10%(W/W)を含有する乳剤)の1000倍水希釈液を1000L/10a換算で散布施用した。対照剤はマシン油乳剤(市販品:マシン油97%(W/W)を含有する乳剤)の75倍水希釈液を同様に散布施用した。尚、散布施用には背負式動力噴霧機を使用した。試験区は1区10m、3連制で実施した。調査は、次年度の生育期(6月及び8月)の茶樹におけるクワシロカイガラムシ雄繭の発生密度(発生量)を、0:発生無し、1:少発生、2:中発生、3:多発生の4種類の基準にて判定した。その結果を表1に示した。
【0014】
【表1】
Figure 0004400109
【0015】
【発明の効果】
本発明により、カイガラムシ類の次年度の発生密度を極めて効果的に抑制できるようになった。

Claims (4)

  1. 4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル含有農薬組成物をクワシロカイガラムシの越冬個体又は芽の動きの止まった休眠期の茶樹に対して施用することを特徴とするクワシロカイガラムシの次年度の発生密度を抑制する方法。
  2. 4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル含有農薬組成物をクワシロカイガラムシの越冬個体に対して施用することを特徴とするクワシロカイガラムシの次年度の発生密度を抑制する方法。
  3. クワシロカイガラムシの次年度の発生密度を抑制するための、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル含有農薬組成物の使用。
  4. 有効成分として、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテルを含有することを特徴とするクワシロカイガラムシ次年度発生密度抑制剤。
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