JP4399725B2 - ステアリングシャフトおよびこれを備えるステアリング装置ならびにステアリングシャフトの製造方法 - Google Patents

ステアリングシャフトおよびこれを備えるステアリング装置ならびにステアリングシャフトの製造方法 Download PDF

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本発明は、ステアリングシャフトおよびこれを備えるステアリング装置に関し、さらにステアリングシャフトの製造方法に関する。
通例、ステアリング装置は、ステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトと、ステアリングシャフトを取り囲むコラムチューブとを備えている。伸縮可能なコラムチューブとして、互いに嵌め合わされるアッパコラムチューブとロアコラムチューブとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、伸縮可能なステアリングシャフトとして、互いに嵌め合わされる中実軸と中空軸とを備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。具体的には、中実軸は、軸端側から順に、太径の外歯状部と細径の細径軸部とを有している。また、中空軸は、内周に内歯状部を有している。
これら中実軸と中空軸との連結は、以下ようにして行われる。すなわち、まず、中空軸の内歯状部に、中実軸の外歯状部および細径軸部を挿入する。次に、中空軸にかしめ突起を形成する。このかしめ突起は、中実軸の細径軸部の外周に臨むように形成される。そして、中空軸と中実軸とを互いに引き離すように動かして、中空軸のかしめ突起を、細径軸部の外周から外歯状部の外周に移動させて外歯状部に係合させる。これにより、中空軸および中実軸間の周方向のガタを除去している。
実用新案登録第2588337号公報 特開2002−293252号公報
中空軸と中実軸とを互いに引き離すように動かす際、中空軸のかしめ突起は、外歯状部の外周に対して互いに強く押し付けられながら摺動する。したがって、中空軸と中実軸とを組み付ける際に大きな力を必要とし、手間がかかる。
一方、かしめ突起に代えて、中空軸の外周に、薄板からなる有端環状の板ばね(輪ばね)を別途取り付けることが考えられる。この場合、中実軸と中空軸を嵌め合わせた後に、板ばねを拡径しながら中空軸に取り付け、中空軸と中実軸との重なり部分に配置する。これにより、中空軸および中実軸を所定の締め付け力で締め付け、両軸間の周方向のガタを除去することができる。しかしながら、上記の締め付け力を一定にするには、板ばねの寸法管理を厳密に行う必要があり、手間がかかってしまう。しかも、部品点数が多い。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、製造にかかる手間を低減することのできるステアリングシャフトおよびこれを備えるステアリング装置ならびにステアリングシャフトの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、内軸と、内軸にセレーション嵌合する筒状の外軸と、上記外軸の端部領域の内周面に突出形成され内軸の外周面を加圧するための加圧用突起と、上記外軸の端部領域に形成され外軸の軸方向に延びるスリットとを備え、上記外軸は、スリット幅を強制的に拡大することにより加圧用突起による内軸の加圧を回避可能な内径に弾性的に拡径可能であることを特徴とするステアリングシャフトを提供するものである。
本発明によれば、例えば、工具等を用いてスリット幅を拡大する簡易な作業で、外軸の加圧用突起による内軸の加圧を回避でき、外軸と内軸とを極めて小さい力で嵌合することができる。また、工具を取り外す等してスリット幅の拡大を解除する簡易な作業で、内軸を加圧でき、両軸間のガタを容易に除去できる。さらに、外軸に内軸を加圧させるための部品を別途取り付ける必要が無い。その結果、組付作業にかかる手間を低減でき、製造にかかる手間を格段に低減することができる。
上記外軸のセレーション部は、外軸の開口端から軸方向に延びる欠け歯領域を含み、上記スリットはこの欠け歯領域に設けられることが好ましい。この場合、スリット幅を拡大したときに変形するおそれのある、スリット付近の歯部を予め除去しておくことになる。したがって、外軸と内軸とを嵌合させる際に、互いの噛み合わせが悪くなることを抑制できる。
また、本発明は、上記ステアリングシャフトと、ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムとを備え、ステアリングコラムはステアリングシャフトのスリットに対向する孔を含むことを特徴とするステアリング装置を提供するものである。本発明によれば、例えば、スリット幅を拡大するための工具を、ステアリングコラムの孔を通して容易にスリットに挿入したり容易にスリットから抜脱したりすることができ、作業性が良い。
また、本発明は、軸方向に延びるスリットを有し内周面に加圧用突起を有する外軸のスリットに介在物を挿入することにより、スリット幅を強制的に拡大して外軸を加圧用突起による内軸の加圧を回避可能な内径に弾性的に拡径する工程と、上記弾性的に拡径された外軸内に内軸を挿入して外軸および内軸を互いにセレーション嵌合させる工程と、上記スリットから介在物を抜脱することにより外軸を弾性的に縮径させて、外軸の加圧用突起によって内軸の外周面を加圧する工程とを含むことを特徴とするステアリングシャフトの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、スリットに介在物を挿入してスリット幅を拡大する簡易な作業で、外軸の加圧用突起による内軸の加圧を回避できる。この状態で外軸と内軸とを嵌合することで、外軸と内軸とを極めて小さい力で容易に嵌合することができる。また、スリットから介在物を抜脱する簡易な作業で、内軸を加圧して両軸間のガタを容易に除去することができる。さらに、外軸に内軸を加圧させるための部品を別途取り付ける必要が無い。その結果、組付作業にかかる手間を低減でき、製造にかかる手間を格段に低減することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるステアリング装置1の概略構成を示す模式的な断面側面図である。図1を参照して、本ステアリング装置1は、ステアリングホイール2に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3を内部に通して回転自在に支持するステアリングコラム4とを備えている。
ステアリングシャフト3の一端部には、上記のステアリングホイール2が連結されている。ステアリングシャフト3の他端部には、他端部には、自在継手5、中間軸6および自在継手7を介して、舵取り機構8の入力軸9が連結されている。舵取り機構8は、車輪(図示せず)を操向するためのものである。上記の構成により、ステアリングホイール2が操舵されると、操舵トルクがステアリングシャフト3等を介して舵取り機構8に伝達され、車輪を操向することができる。
ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2に連なる筒状をなす中空の外軸としてのアッパシャフト11と、自在継手5に連なる中実の内軸としてのロアシャフト12とを備えている。アッパシャフト11とロアシャフト12とは、同軸上に並んでおり、一体回転可能且つ軸方向に相対摺動可能に連結されている。
ステアリングコラム4は、アッパシャフト11を同心に取り囲むアッパコラムチューブ13と、ロアシャフト12を同心に取り囲むロアコラムチューブ14とを備えている。アッパコラムチューブ13とロアコラムチューブ14とは、同軸上に並んでおり、軸方向に相対摺動可能に嵌め合わされている。なお、以下では、アッパシャフト11の軸方向Sを単に「軸方向S」といい、径方向Rを単に「径方向R」という。
アッパコラムチューブ13およびロアコラムチューブ14はそれぞれ、対応する軸受(図示せず)を介して、対応するアッパシャフト11およびロアシャフト12を回転自在に支持している。
アッパコラムチューブ13およびロアコラムチューブ14には、それぞれ、対応するアッパ固定ブラケット15およびロア固定ブラケット16が固定されている。ロア固定ブラケット16は、車体10に固定されている。アッパ固定ブラケット15は、車体10に所定の保持力で保持されている。
図2は、ステアリングシャフト3およびステアリングコラム4の一部の分解斜視図である。図3〜図7は、それぞれステアリング装置1の製造について説明するための要部の断面側面図である。
図2および図7を参照して、アッパコラムチューブ13の内周面の一部が、ロアコラムチューブ14の外周面の一部に嵌合されている。
アッパシャフト11とロアシャフト12とは、互いにセレーション嵌合している。具体的には、アッパシャフト11は雌セレーション部17を有し、ロアシャフト12は雄セレーション部としての雄セレーション歯18を有している。
雌セレーション部17は、アッパシャフト11の端部領域Cに設けられており、雌セレーション歯19と欠け歯領域Dとを有している。なお、端部領域Cとは、アッパシャフト11の開口端20から所定長さの領域(例えば、開口端20から40mm〜100mmの領域)をいう。雌セレーション歯19は、アッパシャフト11の端部領域Cの内周面の一部に形成されており、この内周面の周方向に沿って連続的に並んでいる。
アッパシャフト11の内部領域Cの内周面には、雌セレーション歯19が形成されていない欠け歯領域Dが設けられている。欠け歯領域Dは、断面形状が、雌セレーション歯19の歯底円と同心且つ同径の円弧をなす場合がある。
雄セレーション歯18は、ロアシャフト12の端部領域Eの外周面の全周に形成されている。なお、端部領域Eとは、ロアシャフト12の一端から所定長さの領域(例えば、一端から40mm〜120mmの領域)をいう。アッパシャフト11の端部領域Cの内周面に、ロアシャフト12の端部領域Eの外周面が嵌め合わされており、雌セレーション歯19および雄セレーション歯18が互いに噛合している。
アッパシャフト11内にロアシャフト12を容易に挿入することができるように、両セレーション歯18,19間には、回転方向に所定のクリアランス(ガタ)が設定されている。また、アッパシャフト11には、加圧用突起21が設けられており、この加圧用突起21がロアシャフト12を加圧することで、アッパおよびロアシャフト11,12間の回転方向のガタつきを抑制して噛み合い騒音の発生を抑制するようにしている。
加圧用突起21は、アッパシャフト11の端部領域Cの肉の一部を径方向Rの内向きに塑性変形させてなる。この加圧用突起21は、例えば、雌セレーション歯19の内周面に突出形成されており、先端部が径方向Rの内側を向いている。
加圧用突起21の先端部は、ロアシャフト12の雄セレーション歯18の外周面の相対向する部分を加圧(押圧)している。加圧用突起21の先端部は、雄セレーション歯18の外周面を例えば弾性変形させつつ加圧する。
本実施の形態の特徴とするところは、アッパシャフト11に形成されたスリット22の幅を強制的に拡大することにより、アッパシャフト11の内径を弾性的に拡径させ、これにより、アッパシャフト11にロアシャフト12を挿入する際に、加圧用突起21によるロアシャフト12の加圧を一時的に回避し、挿入後にアッパシャフト11の拡径を解除して、加圧用突起21によるロアシャフト12の十分な加圧を可能にした点にある。
スリット22は、アッパシャフト11の端部領域Cを弾性的に拡径するためのものであり、アッパシャフト11の欠け歯領域Dに設けられている。このスリット22は、軸方向Sに延びる長孔に形成されており、アッパシャフト11の開口端20に開放されていない形状となっている。
スリット22の長手方向の中間部には、介在物としての工具23を挿通するための幅広部24が形成されている。なお、工具23は、アッパシャフト11の周方向に関するスリット22の幅広部24の幅Wを拡大するためのものである。スリット22の相対向する縁部22a,22bに、相対向する一対の凹部25,26がそれぞれ形成されており、これら一対の凹部25,26間に上記の幅広部24が区画されている。
各凹部25,26は、円弧状をなしている。各凹部25,26を円弧状に形成することで、工具23を工具23の軸線回りに回転させながら幅広部24に挿入することもできる。また、工具23を幅広部24に挿入することで、工具23をスリット22の長手方向に位置決めすることができる。したがって、スリット22の幅の拡大作業を行い易い。さらに、スリット22の必要な位置の幅を確実に拡大させることができる。
上記の構成により、アッパシャフト11を軸方向Sに沿ってみたときに、スリット22の幅広部24と加圧用突起21とは、アッパシャフト11の周方向に所定の位相差を有している。この位相差の値は、幅広部24の幅Wを所定量拡大した際の、加圧用突起21の径方向Rの移動量がより大きくなるように設定され、例えば90°に設定される。また、軸方向Sに関して、加圧用突起21は、スリット22が形成されている範囲内に設けられている。本実施の形態において、スリット22の幅広部24と加圧用突起21とは、軸方向Sに近接して配置されている。
工具23は、例えば、円柱状に形成されている。工具23の外径は、自由状態(工具23が取り付けられていない状態)におけるスリット22の幅広部24の幅Wよりも若干大きくされている。工具23の先端部はテーパ状に形成されており、先端に向かうに連れて縮径している。これにより、工具23をスリット22の幅広部24に挿通し易い。
ステアリングコラム4のアッパおよびロアコラムチューブ13,14には、工具23を挿通可能な孔27,28がそれぞれ形成されている。径方向Rに関して、各孔27,28は、スリット22の幅広部24に対向して配置されると共に、互いの周縁が概ね重なっている。各孔27,28の内径は、工具23の外径よりも大きく設定されている。
以上が本ステアリング装置1の概略構成である。次に、本ステアリング装置1の製造(組み立て)について説明する。
本ステアリング装置1の製造方法は、以下の工程を含む。すなわち、アッパシャフト11の端部領域Cを弾性的に拡径させる第1の工程(図4参照)と、第1および第2のサブアッセンブリ29,30を並べる第2の工程(図5参照)と、第1および第2のサブアッセンブリ29,30を互いに組み付ける第3の工程(図6参照)と、アッパシャフト11の端部領域Cを弾性的に縮径させる第4の工程(図7参照)とを含んでいる。
図3を参照して、第1の工程において、単品のアッパシャフト11を用意する。次に、図4に示すように、工具23をこのアッパシャフト11のスリット22に挿入し、幅広部24の凹部25,26に係合させる。これにより、スリット22の長手方向中間部の幅、すなわち幅広部24の幅Wを強制的に拡大して、アッパシャフト11の端部領域Cの内径を弾性的に拡径する。これに伴い、加圧用突起21は、径方向Rの外側(図4において、上側)に向けて移動し、ロアシャフト12の加圧を回避可能な回避位置に至る。
図5を参照して、第2の工程において、ロアコラムチューブ14およびロアシャフト12が互いに組み付けられた第1のサブアッセンブリ29と、アッパコラムチューブ13およびアッパシャフト11が互いに組み付けられた第2のサブアッセンブリ30とを、軸方向Sに沿って並べる。
より具体的には、アッパおよびロアコラムチューブ13,14を同軸上に並べると共に、アッパおよびロアシャフト11,12を同軸上に並べる。同時に、アッパコラムチューブ13の周方向に関するアッパおよびロアコラムチューブ13,14の孔27,28の位置を互いに一致させておく。なお、スリット22の幅広部24とアッパコラムチューブ13の孔27とは、第2のサブアッセンブリ30の形成時に、径方向R(図5において、紙面に垂直な方向)に相対向させておく。
図6を参照して、第3の工程において、アッパコラムチューブ13内にロアコラムチューブ14を嵌め込んで、アッパおよびロアコラムチューブ13,14の孔27,28の軸方向Sの位置を揃える。このとき、アッパコラムチューブ13およびロアコラムチューブ14と共に、対応するアッパシャフト11およびロアシャフト12が一体的に移動し、アッパシャフト11内にロアシャフト12が挿入される。
加圧用突起21によるロアシャフト12の加圧が回避されているので、ロアシャフト12を、アッパシャフト11内に極めて小さい力(荷重)で挿入することができる。アッパシャフト11の雌セレーション歯19とロアシャフト12の雄セレーション歯18との互いの噛合が達成される。
第4の工程において、例えばペンチ等の第2の工具(図示せず)を、アッパおよびロアコラムチューブ13,14の孔27,28に通して工具23を掴み、この工具23をスリット22から引き抜く(抜脱する)(図7参照)。これにより、アッパシャフト11の端部領域Cの拡径を解除し、弾性的に縮径させる。これに伴い、加圧用突起21は、回避位置から径方向Rの内側(図7において、下側)に移動し、ロアシャフト12の雄セレーション歯18の外周面を加圧可能な加圧位置に至る。すなわち、加圧用突起21は雄セレーション歯18の外周面を加圧する。スリット22から引き抜かれた工具23は、アッパおよびロアコラムチューブ13,14の孔27,28を通ってステアリングコラム4の外に出される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、工具23を用いてスリット22の幅広部24の幅Wを拡大する簡易な作業で、アッパシャフト11の加圧用突起21によるロアシャフト12の加圧を回避でき、アッパシャフト11とロアシャフト12とを極めて小さい力で容易に嵌合することができる。仮に、加圧用突起21の加圧が完全に回避されなくても、加圧用突起21による摺動抵抗を十分に低減して、アッパおよびロアシャフト11,12を十分に小さい力で嵌合させることができる。
また、工具23をスリット22から抜脱してスリット22の幅広部24の幅Wの拡大を解除する簡易な作業で、ロアシャフト12を加圧でき、アッパおよびロアシャフト11,12間のガタを容易に除去できる。さらに、アッパシャフト11にロアシャフト12を加圧させるための部品を別途取り付ける必要が無い。その結果、組付作業にかかる手間を低減でき、製造にかかる手間を格段に低減することができる。
また、スリット22を雌セレーション部17の欠け歯領域Dに設けることで、スリット22の幅を拡大したときに変形するおそれのある、スリット22付近の歯部を予め除去しておくことになる。したがって、アッパおよびロアシャフト11,12を嵌合させる際に、アッパシャフト11の雌セレーション歯19とロアシャフト12の雄セレーション歯18との噛み合わせが悪くなることを抑制できる。
さらに、アッパおよびロアコラムチューブ13,14に、孔27,28をそれぞれ形成しておくことで、工具23を、各孔27,28を通して容易にスリット22に挿入したり、容易にスリット22から抜脱したりすることができ、作業性が良い。
スリット22を欠け歯領域Dに設けているので、仮に、スリット22の近傍にアッパシャフト11の内方へ突出するバリ等が生じていたとしても、摺動時にバリ等がロアシャフト12と干渉することが無い。したがって、摺動抵抗が増加するおそれがない。また、多少のバリは許容できることから、バリ取り作業を簡素化でき、製造コストを安くすることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されない。
例えば、アッパシャフト11がロアシャフト12内に挿入される構成でもよい。また、アッパコラムチューブ13がロアコラムチューブ14内に挿入される構成でもよい。さらに、加圧用突起21を、雌セレーション部17の欠け歯領域Dに設けてもよい。また、アッパシャフト11の周方向に関する加圧用突起21とスリット22の幅広部24との位相差は、90°未満でもよいし、90°より大きくても良い。さらに、第1の工程と第2の工程とを入れ替えても良い。また、スリット22を複数設けても良い。
本発明の一実施の形態にかかるステアリング装置の概略構成を示す模式的な断面側面図である。 ステアリングシャフトおよびステアリングコラムの一部の分解斜視図である。 ステアリング装置の製造について説明するための要部の断面側面図である。 ステアリング装置の製造について説明するための要部の断面側面図である。 ステアリング装置の製造について説明するための要部の断面側面図である。 ステアリング装置の製造について説明するための要部の断面側面図である。 ステアリング装置の製造について説明するための要部の断面側面図である。
符号の説明
1 ステアリング装置
3 ステアリングシャフト
4 ステアリングコラム
11 アッパシャフト(外軸)
12 ロアシャフト(内軸)
17 雌セレーション部
20 開口端
21 加圧用突起
22 スリット
23 工具(介在物)
27,28 孔
C 端部領域
D 欠け歯領域
S 軸方向
W (スリットの幅広部の)幅

Claims (4)

  1. 内軸と、
    内軸にセレーション嵌合する筒状の外軸と、
    上記外軸の端部領域の内周面に突出形成され内軸の外周面を加圧するための加圧用突起と、
    上記外軸の端部領域に形成され外軸の軸方向に延びるスリットとを備え、
    上記外軸は、スリット幅を強制的に拡大することにより加圧用突起による内軸の加圧を回避可能な内径に弾性的に拡径可能であることを特徴とするステアリングシャフト。
  2. 請求項1において、上記外軸のセレーション部は、外軸の開口端から軸方向に延びる欠け歯領域を含み、上記スリットはこの欠け歯領域に設けられることを特徴とするステアリングシャフト。
  3. 請求項1または2に記載のステアリングシャフトと、
    ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムとを備え、
    ステアリングコラムはステアリングシャフトのスリットに対向する孔を含むことを特徴とするステアリング装置。
  4. 軸方向に延びるスリットを有し内周面に加圧用突起を有する外軸のスリットに介在物を挿入することにより、スリット幅を強制的に拡大して外軸を加圧用突起による内軸の加圧を回避可能な内径に弾性的に拡径する工程と、
    上記弾性的に拡径された外軸内に内軸を挿入して外軸および内軸を互いにセレーション嵌合させる工程と、
    上記スリットから介在物を抜脱することにより外軸を弾性的に縮径させて、外軸の加圧用突起によって内軸の外周面を加圧する工程とを含むことを特徴とするステアリングシャフトの製造方法。
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