JP4398173B2 - 燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、ノートパソコン、家庭電源、自動車などの電源として用いる燃料電池及び燃料電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、負極における燃料、つまり、水素もしくは卑な電位にて酸化反応可能な燃料の酸化反応と、正極における酸化剤、つまり、酸素もしくは貴な電位にて還元反応可能な酸化剤の還元反応とを、電気化学的に行い、両極の電位差と電気化学反応にて取り出される電流から出力を得る装置である。従来の固体高分子電解質型燃料電池の電極構造は、上記機能を有する負極もしくは正極電極、負極と正極間でイオンを伝達するための固体高分子電解質膜で構成される。更に正極、負極において、燃料の均一な供給を促すため、ガス拡散層がそれぞれの電極の固体高分子電解質膜と相対する面に配置される。燃料電池が駆動する際、前記燃料と前記酸化剤とがガス拡散層に供給され、更に各電極に供給されることとなる。固体高分子電解質膜をセパレータとして、燃料と酸化剤とは混合しないようにシール構造が取られる。
【0003】
固体高分子電解質膜のシール構造については、固体高分子電解質が電極部からはみ出した部位にシール部材を配置する構造が提案されている。しかし、固体高分子電解質膜に応力がかかった際、シール部材による固体高分子電解質膜の傷つきが生じ、問題視されている。従って例えば、ガス拡散層を固体高分子電解質膜と略同一寸法にする方法(例えば、特許文献1参照)や、固体高分子電解質膜の一方の電極周囲にのみシール部材を配置する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−289722号公報(第3−4頁、第1図)
【0005】
【特許文献2】
特開2003−17092号公報(第4−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、固体高分子電解質膜にはフッ素系樹脂が用いられてきた。フッ素系樹脂は接着性が極めて悪いため、シール部材を固体高分子膜に接着する方法を取ろうとすると有効なシール性を得る事が困難であった。従って、有効なシール性を得るためには、固体高分子電解質膜を両面から押さえつける必要があった。これは、電極周囲の構造を複雑化、大型化することとなり、体積当りのエネルギー密度を低下する要因となっていた。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決し、膜電極接合体周囲における燃料の漏れが無く、小型で、かつエネルギー密度の高い燃料電池と、その製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池は、固体高分子電解質膜と、電気化学反応により燃料を消費する負極と、電気化学反応により酸化剤を消費する正極の両電極とから成る膜電極接合体と、燃料と酸化剤との混合を防止する機能を有するシール部材と、これらを保持する取付部位を備え、シール部材が負極もしくは正極のいずれか一方に配置することとした。これにより、シール部材が膜電極接合体と接合し易くなる。従って、シーリングのために固体高分子電解質膜を押さえつける必要が無くなり、小型化が可能となる。つまり、体積あたりのエネルギー密度を向上する事ができる。
【0009】
更に、シール部材が配置する負極もしくは正極の部位に、封止材が含浸され、シール部材を固着することを特徴としている。これにより、シール部材が配置された電極面において、燃料もしくは酸化剤が漏れる事が無くなる。従ってよりシール性を向上する事ができるようになる。
【0010】
更に、シール部材が、取付部位に接着もしくは接合して固着されることを特徴としている。これにより、膜電極接合体と取付部位との間をシール部材によりシーリングできるようになる。またこのシール構造は、接着もしくは接合により形成されることから、簡便に作製できるようになる。
【0011】
更に、シール部材と前記電極の固着部位において、シール部材が、電極と電気接続しており、リードを兼ねていることを特徴としている。これにより、シール部材を固着することによりリードを取る事ができるようになり、リードを別に設ける必要が無くなる。従って、作製工程の減少、作製方法の簡便化につながる。
【0012】
更に、シール部材に、前記負極と電気接続され、負極で生じた電子を通電する部位が形成されてなることを特徴としている。これにより、正極と負極のそれぞれのリードがシール部材で形成されるため、省スペース化される。従ってより体積当りのエネルギー密度を向上する事ができるようになる。
【0013】
更に、シール部材が一方の電極に固着されており、シール部材が固着されている電極の寸法が、シール部材を配置する部位の分、他方の電極より大きいことを特徴としている。これにより、シール部材を配置する電極の反応面積と、シール部材を配置しない電極の反応面積と同等の面積とする事が出来、反応部位を有効に確保する事ができるようになる。
【0014】
シール部材が、シール部材を固着した電極の固体高分子電解質膜側の面に固着されてなることを特徴としている。これにより、取付部材と膜電極接合体の高さの差を小さくする事ができるようになる。従って、膜電極接合体は取り付け部位において厚みを減ずる事ができ、寸法をより小さくする事ができるようになる。
【0015】
シール部材を固着した電極に構成される固体高分子電解質膜が、シール部材側面にかかって構成されることを特徴としている。これにより、シール部材と固体高分子電解質膜との間の空隙がなくなる。
【0016】
シール部材と固体高分子電解質膜とが接しており、当該部位の封止が電極と固体高分子電解質膜の固着材により成される。これにより、シール部材と固体高分子電解質膜との間のシール性がより確保される。また、電極と固体高分子電解質膜の接合時に、シール部材の側面に固着材を塗布する事ができるため、より性能の高いシール構造を簡便に得る事ができるようになる。
【0017】
また、本発明の燃料電池の製造方法は、固体高分子電解質膜と、正極と負極から成る電極と、燃料と酸化剤との混合を防止する機能を有するシール部材と、これらを保持する取付部位から構成された燃料電池の製造方法において、一方の電極の周囲に沿って封止材を塗布する工程と、シール部材を封止材により該電極に固着する工程と、シール部材に囲まれる該電極上の部位に固体高分子電解質膜を形成する工程と、シール部材を固着した電極と対向する固体高分子電解質膜の面上に他方の電極を固着する工程と、シール部材に取付部位を固着する工程からなることを特徴としている。これにより、シール部材を介して電極と取付部位とを接続する際に、有効なシーリング性を得る事ができるようになる。また、電極と取付部位は接着しやすいため、例えばディスペンサやスクリーン印刷で封止材を塗布することにより、簡便かつ短時間に小型燃料電池を製造できる。
【0018】
更に、一方の電極に封止材を塗布する工程が、塗布部位を圧縮硬化する工程と、封止材を塗布する工程から成る事を特徴としている。これにより、電極の封止部位において、燃料もしくは酸化剤の漏れがなくなる構造とする事ができる。
【0019】
更に、封止材とシール部材が金属であり、シール部材を電極に固着する工程が、封止材とシール部材とを金属接合する工程であることを特徴としている。これにより、電極とシール部材とを有効なシーリング性を保ちつつ、強固に固着する事ができるようになる。また、電極とシール部材とが導通し、シール部材をリードとする事ができるようになる。
【0020】
また、一方の電極に封止材を塗布する工程が、封止材の塗布する工程と、封止材を電極に含浸する工程から成ることを特徴としている。これにより、封止部位における電極のシーリング性を簡便に得る事ができるようになる。また、封止材を塗布し含浸した後、シール部材を配置し、封止材を硬化することにより、電極とシール部材との接着工程が連続して行えるようになる。従って、本工程における製造ピッチを向上する事ができるようになる。
【0021】
また、シール部材に囲まれる電極上に固体高分子電解質膜を形成する工程が、電極上に電解質前駆体を含む溶液を滴下する工程と、固体高分子電解質膜を溶液上に配置する工程と、電極と固体高分子電解質膜とを加熱圧着する工程からなることを特徴としている。これにより、シール部材がガイドとなり、電解質前駆体を含む溶液が不要な部位に塗布されなくなる。また、シール部材と電極とで形成される角部内側に電解質前駆体を含む溶液が溜まるため、ここで更なるシール性を確保する事ができるようになる。
【0022】
また、シール部材に囲まれる電極上に固体高分子電解質膜を形成する工程が、電極上に電解質前駆体を含む溶液を滴下する工程と、加熱して硬化する工程からなることを特徴としている。これにより、固体電解質膜を得る事ができる。また作製時、スピンコートにより電解質前駆体を含む溶液を押し広げると、シール部材が壁になり、電極の所望の部位のみを溶液でぬらす事ができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池を、図面を参照して以下に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明に関わる燃料電池の電極部位周辺の斜視図である。本燃料電池は、膜状の固体高分子電解質2と、電極と、燃料と酸化剤との混合を防止する機能を有するシール部材4と、これらを保持する取付部位6から構成されている。電極は電気化学反応により酸化剤を消費する正極1と電気化学反応により燃料を消費する負極3であり、両極は固体高分子電解質2を介して対向して配置されている。図1では、固体高分子電解質2上に配置した正極1の周辺に沿って、シール部材4が固着されている。
【0025】
酸化剤には、酸素、過酸化水素などに代表される還元可能な物質が使われる。また、燃料には、以下に限らないが、例えば水素、アルカン、アルコール、エーテル類、詳しくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、ジメチルエーテルなど、また、有機もしくは無機のケミカルハイドライドなどから成る群の少なくともいずれか一種を含む物質が使われる。
【0026】
図2は、図1の一点鎖線部における断面図である。正極1と負極3とが固体高分子電解質2を挟んで接合されている。シール部材4は正極1の周囲に沿って固着されている。尚、正極1と負極3とが入れ替わっても、機能は同一である。
【0027】
従来は、シール部材が固体高分子電解質に配置されてきたが、実用的な固体高分子電解質がフッ素系樹脂であるため、接着性が悪く、有効なシール性を得る事が困難であった。しかし、正極1にシール部材4を固着することは容易であるため、本発明により、対向する電極で用いられる酸化剤や燃料が相互に混合しないシール構造を簡便に得る事ができるようになる。
【0028】
(実施の形態2)
図3は本発明に関わる燃料電池の断面図である。本燃料電池においては、実施の形態1に加えて、シール部材4と正極1が固着する正極1の部位に、封止材5を含浸している。
【0029】
本構造は、正極1の周縁部に封止材5を塗布し、含浸する工程と、シール部材4を封止材5上に配置し、固着する工程により製造される。封止材5は溶剤であり、好ましくは、熱硬化性、もしくは、嫌気性である事が望ましい。正極1に含浸しやすいこと、反応条件を整え易いことがその理由である。また、封止材5を導電性接着剤であっても良い。これによりシール部材4が金属である場合、もしくは金属パターンが形成してある場合、正極1とシール部材4とを電気接続することが可能となる。
【0030】
本構造により、正極1とシール部材4の固着部位において、酸化剤が流通する事が無くなり、シール性を向上することができる。尚、正極1と負極3とを入れ替えた場合は、負極3とシール部材4の固着部位において、燃料が流通することが無くなり、燃料のシール性を向上することができる。
【0031】
(実施の形態3)
図4は本発明に関わる燃料電池の断面図で、これまでの実施の形態と異なる形態である。本燃料電池は、正極1、固体高分子電解質2、負極3、シール部材4から構成されるユニットを、ケースの取付部位6に固定した状態を示している。取付部位6は、シール部材4の固体高分子電解質2側の面に配置される。但し、シーリングはシール部材4と正極1に含浸した封止材5とで成されるため、取付部位6の位置が本図と逆でも良い。
【0032】
本構造の通り、取付部位6へのユニットの固定は、シール部材4と取付部位6との固着による。シール部材4、取付部材6は金属、樹脂いずれでも良い。いずれも接着性が良いため、接着材により簡便に固着する事ができる。
【0033】
(実施の形態4)
図5は本発明に関わる燃料電池の断面図で、これまでの実施の形態と異なる形態である。本図は、正極1、固体高分子電解質2、負極3、シール部材4で構成されるユニットが、ケースの取付部材6に固定した状態を示している。シール部材4は、正極1の固体高分子電解質2側の面に固着されている。正極1は、負極3より、シール部材4が固着される分大きくなっている。
【0034】
本構造によれば、燃料電池の外に面しているのが正極1のみで、固体高分子電解質2は燃料電池ケース内部に入るようになるため、固体高分子電解質2への摩擦、引っ掛けなどによる劣化が無く、各電極と固体高分子電解質2との接合へのダメージも小さくなる利点がある。
【0035】
ここで、固体高分子電解質2とシール部材4との関係を図6に示す。図6は本実施の形態における固体高分子電解質2とシール部材4の封止構造を拡大して記した断面図である。本構造では、正極1に固体高分子電解質2を接合する際に用いる接合材13が、シール部材4や負極3の側面に達し、固体高分子電解質2とシール部材4との間を満たしている。このような接合材は、製造上主に固体高分子電解質2を構成する成分よりなる事が好ましいが、それに限らない。
【0036】
これにより、負極3側の燃料が正極1に達することを防止する事ができる。また、負極3とシール部材4とを絶縁する事が可能となる。
【0037】
(実施の形態5)
図7は本発明に関わる燃料電池の断面図である。電極と、導電性を有するシール部材4との電気接続構造を記す。本燃料電池の構造は、正極1、固体高分子電解質2、負極3が順に積層して接合している。正極1周縁部の固体高分子電解質2側に、シール部材4を固着している。
【0038】
シール部材4は、基材が金属などの導電性を有する部材である。従ってシール部材4は正極1と同電位となっている。また、シール部材4の負極3側には、絶縁体7、リード8を形成している。リード8は負極3と取出し電極11により電気接続する。従って、リード8は負極3と同電位となっている。取出し電極11と負極3やリード8との接合方法は、特にこだわらないが、溶接が好ましい。それは最も安定で、強固な構造をとり易いためである。また絶縁体7の例では、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ゴムが挙げられるが、特に限定したものではない。
【0039】
正極1へシール部材4を固着することにより、同時に正極1のリードがシール部材により得られるため、取出し電極11による接続は負極3のみ行えばよい。したがって、リードを取り出すための工数の減少につながる。また、シール部材4をリードとして用いるため、電極周辺の配線が複雑にならない利点がある。
【0040】
(実施の形態6)
図8は本発明に関わる燃料電池の断面図であり、電極と、導電性を有するシール部材4との電気接続構造を記す。本実施の形態ではシール部材4の構造以外は実施の形態5と同じ構造である。
【0041】
本実施例のシール部材4は、絶縁体7の基材と、基材の両面に形成されたリード8と、基材を貫通する導電パターン12から成っている。リード8には2種のパターンがある。一方のパターンは、取出し電極11を介して負極3と接続しているパターンである。他方のパターンは、正極1と直接接続されており、導電パターン12により、シール部材4の負極側の面に形成されたリード8と接続されているパターンである。このような構成により、配線がシール部材4の負極側の同一面上に形成されていることから、他の電極との接続や、外部端子、回路などへの接続がし易い利点がある。
【0042】
(実施の形態7)
図9は本発明に関わる燃料電池の断面図である。電極とシール部材4との固着構造を記す。本燃料電池の構造は、正極1、固体高分子電解質2、負極3が順に積層して接合している。正極1周縁部の固体高分子電解質2側に、シール部材4を固着している。
【0043】
正極1周縁部は加圧圧縮されており、密度の高い状態になっている。ここに金属膜14を形成し、シール部材4と金属膜14とは金属接合される。これにより、強固な接合が得られ、また金属であるため、よりシール性を増す事ができる。
【0044】
金属膜14の材質の例としては、金、銀、銅、錫、鉛、亜鉛、インジウム、ニッケルなどが挙げられる。これに限定されたものではない。また金属接合だけでなく、陽極接合、ガラス接合を行うことも可能である。またシール部材4も金属である必要があるが、金属膜14との接合部位のみ金属としても良い。また実施の形態5、6のように、シール部材のリード8を金属接合に用いても良い。
【0045】
(実施の形態8)
本発明に関わる燃料電池の製造方法の一例を、順に、図10(a)から図10(f)に模式的に示す。まず図10(a)は、正極1の周縁部に封止材5を塗布し、含浸する工程である。封止材5の塗布には、印刷やディスペンサの利用が行える。また、封止材5を含浸するには、単なる放置だけでなく、超音波を当てたり、当該部位のみ陰圧にしたりして封止材5の正極1内部への拡散を早めても良い。
【0046】
次に図10(b)は、封止材5上にシール部材4を配置し、正極1とシール部材4とを固着する工程である。本工程で封止材5を硬化する事が好ましいが、図10(a)の工程にて封止材5を一旦固めた後再度封止材を塗布し、シール部材4を固着しても良い。
【0047】
次に図10(c)は、接合材13を正極1上のシール部材4で囲まれる部位に滴下する工程である。滴下後にスピンコートを行い、正極1上をむらなく接合材13がぬれ広がることが好ましい。滴下、スピンコートに変えて、スプレーコートを行っても良い。また、接合材13は、固体高分子電解質2の前駆体、もしくは、膜となる成分が分散されている事が望ましい。
【0048】
次に図10(d)は、膜状の固体高分子電解質2を形成する工程である。本図では、膜状の固体高分子電解質2を接合材13上に配置し固着することとしている。但し膜状の固体高分子電解質2を用いない方法も可能である。例えば図10(c)の工程において固体高分子電解質2の前駆体を含む溶液を接合材13として用い、本工程でゾルゲル法や加熱による溶媒の除去などにより接合材13を膜状に形成することも可能である。
【0049】
次に図10(e)は、固体高分子電解質2上に負極3を配置し固着する工程である。本図には示していないが、本工程では接合材13を固体高分子電解質2上に滴下し、負極3を配置し加熱圧着により固体高分子電解質2と負極3とを接合する。
【0050】
最後に図10(f)は、シール部材4をケースの取付部材6に固定する工程である。固定は、接着剤もしくは金属接合などにより行う事ができる。
【0051】
以上により、膜電極接合体周囲におけるシール構造を、パッキンを用いることなく小型な構造にする事ができ、簡便に製造する事ができるようになる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、上記課題を解決するために、本発明においては、固体高分子電解質膜を有する燃料電池において、固体高分子電解質膜と、電気化学反応により燃料を消費する負極と、電気化学反応により酸化剤を消費する正極の両電極とから成る膜電極接合体と、燃料と酸化剤との混合を防止する機能を有するシール部材と、これらを保持する取付部位から構成され、前記シール部材が前記負極もしくは前記正極のいずれか一方に配置されることを特徴としている。これにより、シール部材が膜電極接合体と接合し易くなる。従って、シーリングのために固体高分子電解質膜を押さえつける必要が無くなり、小型化が可能となる。つまり体積あたりのエネルギー密度を向上する事ができる。
【0053】
また、本発明の燃料電池の製造方法は、固体高分子電解質膜を有する燃料電池において、固体高分子電解質膜と、正極と負極から成る電極と、燃料と酸化剤との混合を防止する機能を有するシール部材と、これらを保持する取付部位から構成され、一方の電極の周囲に沿って封止材を塗布する工程と、シール部材を封止材により該電極に固着する工程と、シール部材に囲まれる該電極上の部位に固体高分子電解質膜を形成する工程と、シール部材を固着した電極と対向する固体高分子電解質膜の面上に他方の電極を固着する工程と、シール部材に取付部位を固着する工程からなることを特徴としている。これにより、シール部材を介して電極と取付部位とを接続する際に、有効なシーリング性を得る事ができるようになる。また、シール部材を電極と取付部位に貼りあわせることにより、簡便かつ短時間に小型燃料電池を製造する事が可能となる。
【0054】
以上、本発明によれば、固体高分子電解質膜における燃料の漏れが無く、小型で、かつエネルギー密度の高い燃料電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態1の燃料電池を示す斜視図である。
【図2】本発明による実施の形態1の燃料電池を表す断面図である。
【図3】本発明による実施の形態2の燃料電池を表す断面図である。
【図4】本発明による実施の形態3の燃料電池を表す断面図である。
【図5】本発明による実施の形態4の燃料電池を表す断面図である。
【図6】本発明による実施の形態4の燃料電池を表す断面図である。
【図7】本発明による実施の形態5の燃料電池を表す断面図である。
【図8】本発明による実施の形態6の燃料電池を表す断面図である。
【図9】本発明による実施の形態7の燃料電池を表す断面図である。
【図10】本発明による燃料電池の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 固体高分子電解質
3 負極
4 シール部材
5 封止材
6 取付部材
7 絶縁体
8 リード
9 正極側リード
10 負極側リード
11 取出し電極
12 スルーホール
13 接合材
14 金属膜
Claims (10)
- 電気化学反応により燃料を消費する負極と、
電気化学反応により酸化剤を消費する正極と、
前記負極と前記正極に挟持される固体高分子電解質膜と、
前記負極と前記正極のいずれか一方の外縁部に含浸された封止材と、
前記外縁部に沿った形状であり、前記外縁部において前記封止材によって固着され、前記燃料と前記酸化剤の混合を防止するシール部材とを備えることを特徴とする燃料電池。 - 前記シール部材と前記負極あるいは前記正極のいずれか一方との固着部位において、前記シール部材が、前記負極あるいは前記正極と電気接続しており、リードを兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記シール部材の前記負極あるいは前記正極のいずれか一方との固着部位を除く面に形成された絶縁体と、
前記絶縁体の前記シール部材に接する面と対向する面に形成された導電性物質と、
前記導電性物質と前記負極あるいは前記正極の他方とを電気接続する取出し電極とを備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。 - 前記シール部材と固着している前記負極あるいは前記正極の一方の寸法は、前記負極あるいは前記正極の他方の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記シール部材は、前記負極あるいは前記正極のいずれか一方の前記固体高分子電解質膜と対向する面における、前記固体高分子電解質膜との接触面以外において、前記負極あるいは前記正極のいずれか一方に固着されることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
- 前記シール部材は、前記固体高分子電解質膜と接していることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
- 前記負極あるいは前記正極のいずれか一方と前記固体高分子電解質膜は接合材により接合されており、
前記シール部材と前記固体高分子電解質膜の接触部位は、前記接合材により接合されることを特徴とする請求項5あるいは6に記載の燃料電池。 - 電気化学反応により燃料を消費する負極あるいは電気化学反応により酸化剤を消費する正極のいずれか一方の外縁部に封止材を含浸する工程と、
前記外縁部に、前記外縁部に沿った形状のシール部材を固着する工程と、
前記シール部材に囲まれる前記負極上あるいは前記正極上のいずれか一方に固体高分子電解質膜を形成する工程と、
前記固体高分子電解質膜の、前記負極あるいは前記正極の一方と接する面と対向する面上に、前記負極あるいは前記正極の他方を形成する工程とを備えることを特徴とする燃料電池の製造方法。 - 前記シール部材に囲まれる前記負極上あるいは前記正極上のいずれか一方に固体高分子電解質膜を形成する工程が、
前記負極上あるいは前記正極上のいずれか一方に電解質前駆体を含む溶液を滴下する工程と、
固体高分子電解質膜を前記溶液上に配置する工程と、
前記負極上あるいは前記正極上のいずれか一方と前記固体高分子電解質膜とを加熱圧縮する工程を備えることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池の製造方法。 - 前記シール部材に囲まれる前記負極上あるいは前記正極上のいずれか一方に固体高分子電解質膜を形成する工程が、
前記負極上あるいは前記正極上のいずれか一方に電解質前駆体を含む溶液を滴下する工程と、
前記電解質前駆体を加熱して硬化する工程を備えることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池の製造方法。
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