JP4398132B2 - ステント、再配置又は回収可能なステント、生体内離脱具、及び再配置又は回収機構を備えた生体内離脱具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも生体温度で形状記憶効果により緩やかに(徐々に)セルフエクスパンディング(自己拡張)し、離脱時及び留置時に血管内を傷付けることがなく、しかも、超弾性をなくし形状記憶効果を有するNi−Ti系合金で作成したステントのため、長期間留置した場合にもステントの周縁部が血管に損傷を与えることがなく、再配置又は回収の際、超弾性金属をなくし、形状記憶効果を有するNi−Ti系合金で作成したステントであるため血管壁を傷つけることがないか、若しくは極力抑えた安全性に優れたステント及び再配置又は回収可能なステント、及び該ステントを目的部位までスムーズに運び、安全かつ確実に留置し得る生体内離脱具、更に、離脱後ステントが動かないよう外表面に滑り止め防止用突起を設け、回収用突起、位置安定用足部及び回収用足部を形成することでステントの位置を再調整したり、緊急時にステントを回収することができる再配置又は回収機構付き生体内離脱具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器などの生体内に生じた狭窄部の管腔又は体腔空間を確保するためのステントとしては、樹脂、ステンレス、Ni−Ti合金等の形状記憶合金などの材料からなるものが種々提案されている。
【0003】
中でも、形状記憶合金製のステントは、生体内への留置作業が容易であり、生体内挿入後において超弾性効果により自己拡張するため、生体管腔及び体腔の拡張性に優れたものである。
【0004】
例えば、特公平5−43392号公報には、生体挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性を示す形状記憶合金を用いたコイル状、ロール状、板バネ状、コイル状、円筒状、異形管状の自己拡張型の生体器官拡張器が提案されている。
【0005】
また、少なくとも生体温度で超弾性を示すTi−Ni系形状記憶合金からなる格子状、メッシュ状、円筒状の側面に形成された複数の切欠部を有するステントが提案されている(例えば、特開平8−738号公報、特開平11−99207号公報、特開平11−99208号公報等)。
【0006】
しかしながら、上記ステントは、いずれも血管、胆管、尿道等の生体管腔又は体腔の狭窄部に挿入し、自己拡張して管腔又は体腔空間を確保することを主目的としており、特に、前記特開平8−738号公報、特開平11−99207号公報、及び特開平11−99208号公報記載のステントは円筒状のステント本体がコイル状、メッシュ状などの空隙を多数備えたものであり、そのままでは動脈瘤の頚部から動脈瘤内への血流を遮断することができず、動脈瘤の治療に用いることができないものであった。
【0007】
また、上記従来のステントは、動脈瘤よりも、血管、胆管、尿道等の生体管腔又は体腔の狭窄部に挿入し、自己拡張して管腔又は体腔空間を確保することを主目的としており、いずれも強い超弾性効果を有し、この強い超弾性によりステントの離脱時及び留置時に瞬時に自己拡張して血管内壁等を傷付けてしまったり、速やかに拡張するため目的部位に正確に留置することが困難な場合があった。このような超弾性効果を有するステントは留置した後、時間の経過と共に、ステント本体および端部が血管内壁に強く当るようになり、更に長期間留置した場合、血管内壁にステント本体及び端部が埋没してしまったり、ステントが血管を突き破って血管外にでてしまうという問題が報告されている。
【0008】
また、動静脈の分岐部や内径3mm以下の微細な血管に生じた動脈瘤(又は静脈瘤)には、従来のステントでは充分に対応することができない、という問題があった。更に、ステントの内径部に内皮細胞の増殖が生じ内径が狭くなりステントで内径を確保するといった本来の目的が達成できず、再度の手術を含め何らかの処置が必要になった。
【0009】
他方、ステントを目的部位まで運び、離脱し留置するための生体内離脱具(主にカテーテル及びガイドワイヤーなど)についても、種々の提案がなされているが、目的部位が複雑に曲りくねった微細な血管、尿管、胆管等であると目的部位までスムーズに挿入することが困難であり、特に動脈瘤は屈曲した血管部位に生じ易く、かかる場合にステントを目的部位まで確実に運び、留置することができるステントの開発が強く望まれており、ステントのサイズを誤ったり、上手く留置できなかった時に回収したり、離脱した後で位置変更することも困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の第1の目的は、少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さない形状記憶性合金製であるため、生体温度で緩やかに(徐々に)自己拡張し、離脱時や留置時に再配置又は再回収時、血管、尿管、胆管壁などを傷付けるおそれが極めて少ないと共に、長期間留置しても血管に損傷を与えることのない高い安全性を有するステントを提供することにある。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、ステントが血流等の外力で変形してもバルーンカテーテル等を用いることで形状記憶した形状まで修復可能であり、位置がズレたりしないようにステントの外表面に滑り止め防止用突起を備えた再配置又は回収可能なステントを提供するところにある。
【0012】
また、本発明の第3の目的は、上記ステントを曲がりくねった目的部位であっても目的部位までスムーズに運ぶことができると共に、蛇行した血管に対してステント自身をその蛇行形状に合わせて変形することにより血管壁への圧迫を軽減し得、長期間留置した場合にもステントの周縁部が血管に損傷を与えることがなく、安全かつ確実に留置することができる生体内離脱具を提供するところにある。
【0013】
また、本発明の第4の目的は、ステントを緊急時に回収したり、ステントを離脱した後で位置変更することが可能な再配置又は回収機構付き生体内離脱具を提供するところにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、下記のステント、再配置又は回収可能なステント、生体内離脱具、及び再配置又は回収機構を備えた生体内離脱具を提供する。
【0015】
請求項1の発明は、不活性雰囲気中において350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金を用いて断面略C字状乃至半円状に形成してなるステントであって、該ステントの外周縁部に少なくとも1個のカット部を形成してなることを特徴とするステントである。
【0016】
請求項2の発明は、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金の管状体を軸方向に切り離すことにより得られた請求項1のステントである。
【0017】
請求項3の発明は、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金の板状体を丸めることにより得られた請求項1のステントである。
【0018】
請求項4の発明は、再配置又は回収可能であって、ステントの外表面に少なくとも1個の滑り防止用突起が形成され、前記ステントの内表面に少なくとも1個の回収用突起が形成された請求項1から3のいずれかのステントである。
【0019】
請求項5の発明は、軸方向の両端部に血管内壁への当りを弱めることができる部を有する請求項1から4のいずれかのステントである。
【0020】
請求項6の発明は、血管内壁への当りを弱めることができる部が、メッシュ状乃至格子状に加工された部、ステントの径方向へのヘリカルカットされた部、及び、多数のカット部から選択された請求項5のステントである。
【0021】
請求項7の発明は、更に、ステントの後端部に少なくとも1本の位置安定用及び回収用足部が設けられた請求項4から6のいずれかのステントである。
請求項8の発明は、Ni−Ti系合金製の管状体の少なくとも先端側を生体温度で変形させたとき、復元するのに0.3秒以上要する請求項1から7のいずれかのステントである。
請求項9の発明は、外径875μm、内径750μmの管状体を用いて三点曲げ試験を行った場合の降伏荷重が8.8N以下、回復荷重が2.9N以下、残留歪みが0.2mm以上であるNi−Ti系合金により形成した請求項1から7のいずれかのステントである。
請求項10の発明は、前記ステントの周方向一端縁部と他端縁部との間隔が、該ステントの周方向長さの1/5以上となるように少なくとも生体温度において断面略C字状乃至半円状に形状記憶させた請求項1から9のいずれかに記載のステントである。
請求項11の発明は、ステントを留置する目的部位の大きさ、形状等に合わせてステントの外周縁部に設けるカット部数及びカット部形状を調整可能とした請求項1から10のいずれかに記載のステントである。
請求項12の発明は、ステントの外周縁部に1〜300個のカット部を設けた請求項1から11のいずれかに記載のステントである。
請求項13の発明は、更に、ステントの外周縁部にメッシュ状乃至は格子状加工を施した請求項1から12のいずれかに記載のステントである。
【0022】
請求項14の発明は、ステントを先端部に着脱可能に取付けてなる子カテーテルと、この子カテーテル内腔に収容されるステントとを一緒に目的部位まで運ぶための親カテーテルとを備えた生体内離脱具であって、
前記ステントとして請求項1乃至13のいずれかに記載のステントを用い、目的部位においてガイドワイヤーを押出すか、又は前記子カテーテルを手前に引くことにより、該子カテーテル先端開口部からステントを拡径状態で離脱させて目的部位で留置可能に構成したことを特徴とする生体内離脱具である。
【0023】
請求項15の発明は、再配置又は回収機構付きの生体内離脱具であって、請求項4から13のいずれかに記載のステントを備えた請求項14に記載の生体内離脱具である。
【0024】
本発明によれば、不活性雰囲気中において350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金を用いて断面略C字状乃至半円状に形成してなるステントであって、該ステントの外周縁部に少なくとも1個のカット部を形成することにより、従来の超弾性金属製のステントのように超弾性効果により瞬時に自己拡張するのではなく、形状記憶効果により緩やかに(徐々に)自己拡張するので、目的部位が複雑に屈曲していてもその屈曲形状に十分追随し得、確実に動脈瘤(稀に静脈瘤)への血流を遮断することができると共に、ステントを離脱時、留置時に目的部位を傷付けるおそれがなく、安全かつ確実に目的部位に留置できることを知見した。
【0025】
この場合、ステントの周方向一端縁部と他端縁部との間隔が、該ステント周方向長さの1/5以上となるように生体温度において形状記憶することにより、離脱時に目的部位の大きさ及び形状に合せて緩やかに自己拡張し得、更に安全かつ確実に留置し得るものである。
【0026】
また、本発明の再配置又は回収可能なステントは、離脱後ステントが動かないよう外表面に滑り止め防止用突起を設けると共に、回収用突起、位置安定用足部及び回収用足部を形成することにより、離脱後ステントの位置を再調整したり、緊急時にステントを回収することができるものである。
【0027】
また、本発明の生体内離脱具は、ステントを先端部に着脱可能に取付けてなる子カテーテルと、この子カテーテル内腔に収容されるステントとを一緒に目的部位まで運ぶための親カテーテルとを備えた生体内離脱具であって、前記ステントとして前記本発明のステントを用い、目的部位においてガイドワイヤーを押出すか、又はカテーテルを手前に引くことによりカテーテル先端開口部からステントを拡径状態で離脱させて目的部位で留置可能に構成したことにより、簡便な操作で、目的部位までステントを確実に運び、留置することができ、ステントの性能を効果的に引き出すことができるものである。
【0028】
また、本発明の再配置又は回収可能なステントと再配置又は回収機構を備えた生体内離脱具によれば、ステントのサイズを誤ったり、上手く目的部位に留置できなかった時にステントを回収したり、ステントを離脱した後で位置を調整することが可能となり、安全性、操作性が大幅に向上するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき図面を参照して更に詳しく説明する。
本発明のステントは、図1(A),(B)に示したように、不活性雰囲気中において350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金を用いて、断面略C字状乃至半円状に形成したものである。なお、図1は断面略C字状のステント1の一例を示す。
【0030】
前記ステント1は、図2(A),(B)に示したように、不活性雰囲気中で350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金製の管状体を軸方向に切り離すことにより断面略C字状乃至半円状に形成することが好ましい。
【0031】
ここで、“生体温度で超弾性又は擬弾性を有さない”とは、超弾性を示す設定温度、及び超弾性効果(又は擬弾性効果)を示し且つ形状記憶効果を示す領域が生体温度より高い温度域にあり、図3(A)に示したように、一端を固定したステント用管状体(切断前)30の少なくとも先端側(少なくとも先端から5mmまでの部分、特に先端から15cmまでの部分)及び個々のステントに切断前の管状体30を生体温度(通常33〜42℃、好ましくは35〜38℃の範囲)において角度α=30〜90度、好ましくは45〜90度に変形したとき(図3(B))、その変形力を解除した場合(或いは管状体の操作中に手を離した場合)、超弾性又は擬弾性により戻る(図3(C))のではなく、形状記憶性で緩やかに(徐々に)戻るものであり、この復元力を時間で表すと0.3秒以上、好ましくは0.5秒以上、より好ましくは1秒以上、更に好ましくは1.5秒以上、最も好ましくは2秒以上要することを意味する。
【0032】
また、“生体温度で超弾性又は擬弾性を有さない”とは、超弾性を示す設定温度、及び超弾性効果を示し且つ形状記憶効果を示す領域が生体温度より高い温度域にあり、ステント用管状体(切断前)を、外径875μm、内径750μmの管体を用いて三点曲げ試験を行った場合の降伏荷重が8.8N以下、回復荷重が2.9N以下、残留歪みが0.2mm以上であるNi−Ti系合金で形成することが好ましい。
【0033】
更に具体的には、上述した三点曲げ試験における降伏荷重、回復荷重及び残留歪みの好適範囲は、ステント用管状体(切断前)の内径、外径に応じて異なり、以下に示す範囲であることが好ましい。
【0034】
<ステント用管状体の内径が800μm以上、外径が950μm以上である場合>
(i)降伏荷重が10.8N以下、好ましくは7.4N以下、より好ましくは6.4N以下、更に好ましくは5.4N以下、最も好ましくは4.4N以下であることが好ましい。
(ii)回復荷重が3.9N以下、好ましくは2.9N以下、より好ましくは2N以下、更に好ましくは1N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0035】
<ステント用管状体の内径が600〜800μm、外径が700〜950μmである場合>
(i)降伏荷重が8.8N以下、好ましくは6.4N以下、より好ましくは5.4N以下、更に好ましくは4.4N以下、最も好ましくは2.9N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0.1N以上であることが好ましい。
(ii)回復荷重が2.9N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.5N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0Nであることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であり、この場合、上限値は特に制限されないが、1.8mm以下であることが好ましい。
【0036】
<ステント用管状体の内径が250μm以上600μm未満、外径が350μm以上700μm未満である場合>
(i)降伏荷重が6.9N以下、好ましくは4.9N以下、より好ましくは3.9N以下、更に好ましくは2.9N以下、最も好ましくは2N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0.1N以上であることが好ましい。
(ii)回復荷重が2N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.5N以下、最も好ましくは0.1N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0037】
<ステント用管状体の内径が250μm未満、外径が350μm未満である場合>
(i)降伏荷重が2N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.9N以下であることが好ましい。
(ii)回復荷重が1N以下、好ましくは0.6N以下、より好ましくは0.1N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0038】
また、図4(A)〜(C)に示したように、不活性雰囲気中で350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金製の板状体4を丸めることにより断面略C字状乃至半円状に形成することが好ましい。
【0039】
前記ステントは、図2,4に示したように、ステントの周方向一端縁部2と他端縁部3との間隔L1が、ステントの周方向長さL2(管状体の場合は切り離す前の外周)の1/5以上、好ましくは1/4以上、より好ましくは1/2以上となるように生体温度(通常33〜42℃付近、好ましくは36〜37℃の範囲)において形状記憶させることが好ましい。
【0040】
このようにステントの一端縁部2と他端縁部3との間隔L1をステントの周方向長さL2(管状体の場合は切り離す前の外周)の1/5以上となるように生体温度で形状記憶することにより、ステントを生体内に留置した際に目的部位で形状記憶効果により緩やかにセルフエクスパンディング(自己拡張)してステントの一端縁部と他端縁部との間隔が十分広がった状態で血管内壁に柔らかに接して動脈瘤への血流を確実に遮断することができるものである。
【0041】
また、ステントの一端縁部2と他端縁部3との間隔L1を可及的に広くすることにより円筒状のステントのように血管内壁を全て覆うことがなく、間隔L1部分から分岐する微細な枝状血管を生かすことができる点からも好ましい。
即ち、ステントの一端縁部2と他端縁部3との間隔L1を可及的に広くすることにより円筒状のステントのように血管内壁を全て覆うことがなく、現在のステントの問題円を解決することができる。例えば、▲1▼間隔L1部分から分岐する微細な枝状血管を生かすことができる点からも好ましい。
また、▲2▼屈曲している血管、胆管、気管、食道、尿道、等の中に留置するステントはその血管等の屈曲に沿ってステントがねじれステント内径を減じてしまう欠点が露呈されている。これは、屈曲の強い血管に留置したステントは真直ぐの血管に留置したステントに比べてステントの内径が減じてしまうためである。更に、▲3▼従来のステントが血管内壁を全て覆うことでそのステント内部に内皮細胞が増殖し、血管内径を減じるか、又は血管閉塞が生じることを予防することができる。
【0042】
前記ステント1は、図5,6に示したように、ステント外周縁部に少なくとも1個、好ましくは1〜300個のカット部1aを設けることが好ましい。
この場合、ステントを留置する動脈瘤(稀に静脈瘤)の大きさ、形状等に合わせてステント1の外周縁部に設けるカット部数及びカット部形状を調整可能とすることが好ましい。
【0043】
また、前記ステントの周縁部には、上記したようなカット部以外にも、図11(A)〜(C)に示したように、ステントの軸方向両端部をメッシュ状乃至格子状に加工することが、ステントの両端部の血管内壁への当りを弱めることができ、長期間留置した場合にも血管内壁を傷付ける恐れが可及的に低下し、安全性を高める上で好ましい。また、図11(D)に示したように、ステントの径方向にヘリカルカットしたり、図11(E)に示したように、ステントの軸方向に多数のカット部を設けることによっても同様の効果を奏することができる。なお、ステントの外周縁部の加工は、図5,6、図11(A)〜(E)に限られるものではなく、ステントを留置する目的部位の大きさ、形状等に合わせて種々変更しても構わない。
【0044】
この場合、メッシュ状乃至格子状に加工する部分は両端部でステント全体の長さの1/5〜2/3程度であることが好ましい。
【0045】
前記ステントの長さ及び外径は、目的部位等に応じて異なり一概には規定できないが、長さは通常1mm〜30cm、外径は300μm〜30mmであり、ステントの厚みは10〜3000μm程度である。
【0046】
前記ステントの内周面及び/又は外周面には操作性を増し、表面に耐久性の高くかつ良好な抗血栓性を与えるポリウレタン系、ナイロン系、ポリオレフィン系等の親水性ポリマーを被覆することが好ましい。なお、不透過性を高めるためステント表面に金、白金を被覆することもできる。
【0047】
また、本発明の再配置又は回収可能なステント1は、図7,8に示したように、ステント本体の周縁部に複数個のカット部が形成されていると共に、必要に応じてステントの後端部に少なくとも1本、好ましくは2〜4本の足部21を設け、かつステント本体の中央部の内表面に少なくとも1個の回収用突起22が形成されたものである。
前記ステント足部21及び回収用突起22を利用して、後述するように、ステントの再配置又は回収を可能とすることができるものである。
【0048】
また、図9,10に示したように、ステント外表面に、滑り防止用突起23を少なくとも1個、好ましくは1〜20個形成し、ステントを離脱し留置する際に滑って位置がずれることを防止できる。なお、滑り防止用突起の形状は特に制限されず適宜調整することができる。
【0049】
本発明のステントは、不活性雰囲気中において350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金製の管状体を所望の厚みにまで延伸した後、所望の長さに切断し、この切断後の管状体30を、図2(A),(B)に示したように、軸方向に沿って切り離して断面略C字状乃至半円状に形成した後、形成された一端縁部2と他端縁部3との間隔L1を生体温度において切り離す前の管状体外周の1/5以上となるように熱処理等の方法で形状記憶することにより作成することができる。
【0050】
また、本発明のステントは、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性雰囲気中で350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金製の板状体4を、図4(A)〜(C)に示したように、丸めて断面略C字状乃至半円状に形成した後、形成された一端縁部2と他端縁部3との間隔L1を生体温度においてステントの周方向長さL2の1/5以上となるように熱処理等の方法で形状記憶することにより作成することができる。
【0051】
前記ステント1は、図12に示したように、管状体を切り離すことにより形成されたステントの周方向一端縁部2を他端縁部3の下側に巻回するか、又は図13に示したように、ステントの他端縁部3を一端縁部2の下側に巻回して略円筒状に縮径した状態でカテーテル内腔に収容するか、又はカテーテルの外周面に装着して用いられる。
【0052】
前記ステントを目的部位まで運び、離脱、留置するための本発明の生体内離脱具(主にカテーテル及びガイドワイヤー)としては、例えば、図14(A),(B)に示したように、目的部位までステントを運ぶためのカテーテルKと、このカテーテル内腔に収容されたステント1と、このステント1を着脱可能な先端部を有するガイドワイヤーGとを具備してなる生体内離脱具が用いられる。
【0053】
この場合、ステント1を図14(A),(B)に示したように縮径状態で先端部に取り付けたガイドワイヤーGをカテーテル内腔に挿入し、目的部位においてガイドワイヤーGを押出すか、又はカテーテルKを手前に引くことにより、カテーテル先端開口部からステント1を拡径状態で離脱させて目的部位で留置することができる(図14(B)参照)。この離脱したステントは、生体温度においてカテーテル外径と同等乃至それ以上(具体的には、カテーテル外径をXとすると1.0X〜2.0X倍、好ましくは1.2X〜1.8X倍)に自己拡張し、これにより確実に動脈瘤への血流を遮断することができると共に、緩やかに(徐々に)自己拡張するため、離脱時、留置時に目的部位を傷付けるおそれがなく、安全かつ確実に留置することができるものである。
【0054】
また、生体内離脱具としては、図15に示したように、先端部にステント放出孔6を有するカテーテルKと、このカテーテルの内腔に縮径状態で収容されたステント1(図示せず)と、該ステント1を先端部に取り付けたガイドワイヤーG(図示せず)とを備えたものである。
【0055】
前記生体内離脱具は、ステントとして上記本発明のステント1を用い、図16に示したように、ステント用管状体を切り離すことにより形成されたステント1の周方向一端縁部2を他端縁部3の下側に巻回してガイドワイヤーGの先端部に縮径した状態で取り付けて上記カテーテルKの内腔に挿入すると共に、ステント放出孔6からステントの他端縁部3を覗かせてガイドワイヤーGをステントの巻回方向とは逆向きに回転させることにより、ステント放出孔6からステント1を離脱させて目的部位で留置可能に構成したものである。なお、ステントのガイドワイヤーへの巻回は逆方向であっても構わない。また、ステント放出孔6から回転させずにガイドワイヤーGを押出すことでステントを放出させても構わない。更に、カテーテルの外側にステントを配置することもできる。
【0056】
この場合、ステント放出孔から放出されたステントは、形状記憶効果により緩やかに自己拡張し、確実に動脈瘤への血流を遮断することができると共に、ステントを離脱時、留置時に目的部位を傷付けるおそれがなく、安全かつ確実に目的部位に留置できるものである。
【0057】
本発明の生体内離脱具を構成するガイドワイヤーGとしては、先端部にステントを着脱可能に取り付けることができるものであれば特に制限されず、例えば、図17に示したように、先端部を二股に形成し、この二股部においてステントを挟んで目的部位まで運び、留置することができるものである。
【0058】
また、前記生体内離脱具として、図18(A)〜(C)に示したように、目的部位までステントを運ぶための子カテーテル7と、この子カテーテル7の内周面又は外周面に装着されたステント1と、上記子カテーテル7を挿通可能な親カテーテル8とを具備してなる生体内離脱具であって、前記ステント1として本発明のステントを用い、該ステント1を縮径状態で内周面又は外周面に装着した子カテーテル7を親カテーテル8の内腔に挿入し、目的部位において子カテーテル7を押出すか、又は親カテーテル8を手前に引くことによりステント1を拡径状態で離脱させて目的部位で留置可能に構成したものを用いることができる。なお、ステントの子カテーテル7の内周面又は外周面への装着方法は特に制限されず、カテーテル内周面又は外周面に巻き付けるだけでもよく、ステントの端部をカテーテルの内周面又は外周面に設けた取付部に着脱可能に取り付けておいてもよい。
【0059】
この場合、前記親及び子カテーテルのカテーテル本体の少なくとも先端側が、不活性雰囲気中において350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金にて形成したものを用いることが好ましい。
【0060】
このように本発明の生体内離脱具によれば、ステントを目的部位までスムーズに運ぶことができ、簡単な操作により目的部位にステントを確実に離脱、留置し得、ステントの性能を効果的に引き出すことができるものである。
【0061】
この場合、本発明の生体内離脱具を構成するカテーテル(親及び子カテーテルを含む)のカテーテル本体及びガイドワイヤーとしては、特に制限されず、従来からカテーテル本体やガイドワイヤーを形成するのに用いられているポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の可撓性のある樹脂製チューブ、ステンレス、形状記憶合金等の金属管などを用いることができるが、これらの中でも、カテーテル及びガイドワイヤーの先端側に優れた柔軟性を付与し、更に操作性、安全性を高めるためには、カテーテル本体及びガイドワイヤーの少なくとも先端側を、少なくとも生体温度において形状記憶性を有するが、超弾性又は擬弾性を有さない形状記憶性金属にて形成したものを用いることが好ましい。
【0062】
また、管状体の全体を上記形状記憶性金属にて形成してもよく、管状体の先端側のみを上記形状記憶性金属にて形成し、残りの部分を少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有する形状記憶合金などにて形成することができる。この場合、管状体の形状記憶性金属部は、少なくとも管状体の先端から2cm以上の部分、好ましくは約5cmまでの部分、より好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上までの部分とすることが、本発明の目的をより効果的に達成する点から推奨される。
【0063】
前記管状体は、Ni−Ti系、Fe系、Cu系などの形状記憶合金を熱処理等をすることにより形状記憶性合金に形成することができる。このような形状記憶合金としては、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Ti−Fe合金、Ni−Ti−Mn合金、Ni−Ti−Cr合金、Ni−Ti−V合金、Ni−Ti−Al合金、Ni−Ti−Nb合金、Cu−Zn系合金、Cu−Zn−Be合金、Cu−Zn−Si合金、Cu−Zn−Sn合金、Cu−Zn−Ga合金、Cu−Al−Ni系合金、Cu−Al−Zn系合金などが挙げられ、用途、形状記憶性等の程度などに応じて合金濃度を変えて用いることができる。中でもNi濃度が49〜58原子%、好ましくは50〜51原子%、より好ましくは50.3〜50.7原子%のNi−Ti合金が好ましい。
【0064】
本発明の管状体を構成する形状記憶合金管は、所定の太さの形状記憶合金製管体に通常の冷間加工を施し(例えば、冷間加工率30〜50%)、常法に従って延伸することによって形成することができる。その後、形状記憶合金の種類、或いはNi−Ti合金の場合、Ni濃度によっても相違し、一義的に決定できないが、350〜700℃の温度で1分〜数時間、特に10分〜1時間熱処理を行うことが好ましい。
【0065】
本発明では、上記形状記憶合金(少なくとも先端側)の形状記憶性を残し、超弾性又は擬弾性を喪失させて形状記憶性合金とするために、更に窒素ガス、アルゴンガス等の不活性雰囲気中で熱処理を行う。この場合、熱処理条件は形状記憶合金の種類等に応じて異なり適宜選定されるが、例えば、Ni−Ti合金の場合には、Ni濃度により異なるが、アルゴンガス等の不活性雰囲気中で350℃以上で1分〜100時間、好ましくは400℃以上で10分〜50時間、より好ましくは450℃以上で1〜30時間加熱する方法を採用することができる。なお場合によっては、アルゴンガス等の不活性雰囲気中で500℃以上で10時間以上加熱する方法を採用することもできる。
【0066】
本発明のステントは、生体温度において超弾性効果ではなく、形状記憶効果により緩やかに自己拡張し、従来のステントのように超弾性効果により急激に自己拡張することがないので、留置時や離脱時に血管壁等を傷付けるおそれが極めて少なく、高い安全性を備えているので血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器などの生体内に生じた狭窄部の管腔又は体腔空間の確保、及び動脈瘤、静脈瘤などの治療を安全かつ確実に行うことができるものである。
【0067】
この場合、ステント1の外周縁部を図5〜10、図11(A)〜(E)に示したように、カット部を設けたり、メッシュ状乃至格子状に加工したことにより、ステントの両端部の血管内壁への当りを弱めることができ、長期間留置した場合にも血管内壁を傷付ける恐れが可及的に低下し、極めて安全なものである。
【0068】
また、本発明の生体内離脱具によれば、従来の生体内離脱具に比べて血管損傷を与えるおそれが極めて小さく、複雑に曲りくねった微細な血管であっても円滑に挿入し得、目的部位までステントを安全かつ確実に運び、留置することができ、ステントの性能を効果的に引き出すことができるものである。
【0069】
図19(A)〜(C)は、再配置又は回収機構を備えた生体内離脱具の一例を示し、足部21と回収用突起22を有するステント1を離脱した後、回収用カテーテルをステント1の近くまで誘導し(図19(A))、ステントの足部21aをカテーテルKの先端に挿入し(図19(B))、この状態で先端部に回収用突起22と係合する係合部を有するガイドワイヤーGをステント1の回収用突起22付近まで送出し、ガイドワイヤーGとステント1とを係合させてステントをカテーテル内に引き込み回収することができる。
また、ステントの位置を再度調整したり、回収したステントを再配置することも可能である。
【0070】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。
【0071】
〔実施例1〕
Niが49〜58原子%のNi−Ti合金製筒体に冷間加工を施し、常法に従って延伸することにより、外径875μm、内径750μm、厚さ約63μmの管状体を作成した。この管状体を400℃で10〜30分間熱処理を行った。
次に、管状体の先端から30cmまでの先端側をアルゴンガス中において450℃で1〜10時間熱処理し、更に、管状体の先端から12.5cmまでをアルゴンガス中において400℃で24時間熱処理を行った。これによって、管状体の基端側は比較的剛性を有し、しなやかさを有する一方、管状体の先端側は先端に向かうに従って柔軟性を持ち、生体温度において形状記憶性を有するが、超弾性又は擬弾性のない形状記憶性合金製管状体を得た。
【0072】
この管状体について、図3に示したように、管状体30の先端から15cmまでの部分をゴム板上で支え、角度α=90度に変形し、この変形力を解除した場合、生体温度(33〜42℃、好ましくは35〜38℃の範囲)において約2秒で緩やかに(徐々に)復元した。
また、図20に示したように、管状体30(切断前)を支点a〜支点dにセットし、各測定部位について下記測定条件で1mm変位時の降伏荷重、回復荷重を測定し、荷重解放後の残留変位量から残留歪みを求めた。結果を表1に示す。
<測定条件>
テストスピード :2mm/min
ポンチ先端形状 :φ5mm
支点形状(a〜d) :φ6mm
支点間距離(a−b) :18mm
支点間距離(c−d) :14mm
ポンチ変位量 :2mm
測定温度 :37±1℃
【0073】
【表1】
【0074】
この形状記憶性合金製管状体を、長さ10mmに切断し、レーザー加工により、周縁部に図5に示したようなカット部1aを設けて、ステントを作製した。
得られたステントは、緩やかにセルフエクスパンディングし、安全性及び操作性に優れたものであった。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のステントのように超弾性効果により瞬時に自己拡張するのではなく、形状記憶効果により緩やかにセルフエクスパンディング(自己拡張)し、目的部位が複雑に屈曲していてもその屈曲形状に十分追随し得、確実に動脈瘤への血流を遮断することができると共に、ステントを離脱時、留置時に目的部位を傷付けるおそれがなく、安全かつ確実に目的部位に留置できるものである。
【0076】
また、本発明の生体内離脱具(特にカテーテル及びガイドワイヤー)によれば、複雑に曲りくねった微細な血管や尿管であっても円滑に挿入し得、目的部位までステントを安全かつ確実に運び、留置することができ、ステントの性能を効果的に引き出すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一例にかかるステントを示し図1(A)はステントの側面図、図1(B)は正面図を示す。
【図2】図2は、同ステントの断面図を示し、図2(A)は切り離し前、図2(B)は切り離し後の状態である。
【図3】図3(A)〜(C)は、曲げ試験方法を示した説明図である。
【図4】図4は、同別のステントを示し、図4(A)は作成前の板状体の正面図、図4(B)は板状体を丸めた後の斜視図、図4(C)は正面図である。
【図5】図5は、ステントにカット部を形成した一例を示す平面図である。
【図6】図6は、ステントにカット部を形成した一例を示す平面図である。
【図7】図7(A)は再配置又は回収可能なステントの一例を示す平面図、図7(B)は側面図である。
【図8】図8(A)は別の再配置又は回収可能なステントの一例を示す平面図、図8(B)は側面図である。
【図9】図9(A)は外表面に滑り防止用突起を形成したステントの一例を示す平面図、図9(B)は側面図である。
【図10】図10(A)は別の外表面に滑り防止用突起を形成したステントの一例を示す平面図、図10(B)は側面図である。
【図11】図11(A)〜(E)は、それぞれステントの両端部を加工した状態を示した側面図である。
【図12】図12は、ステントを巻回して縮径した状態を示した正面図である。
【図13】図13は、逆方向にステントを巻回した状態を示した正面図である。
【図14】図14は、本発明の生体内離脱具の一例を示した概略断面図であり、図14(A)は縮径したステントがカテーテル内に収容された状態、図14(B)はガイドワイヤーでステントを押出して拡径した状態を示す。
【図15】図15は、同別の生体内離脱具を構成するカテーテルの側面図である。
【図16】図16は、同生体内離脱具を用いてステントを離脱し、留置する状態を示した概略図である。
【図17】図17は、ガイドワイヤーの側面図である。
【図18】図18は、更に別の生体内離脱具を示し、図18(A)は親カテーテルにステントを装着した状態を示した側面図、図18(B)は親カテーテルを子カテーテルに挿入する状態を示した側面図、図18(C)は親カテーテルを子カテーテル内に挿入した状態を示した断面図である。
【図19】図19(A)〜(C)は、ステントの回収操作を示す説明図である。
【図20】図20は、三点曲げ試験の測定方法を示した説明図である。
【符号の説明】
1 ステント
2 一端縁部
3 他端縁部
4 板状体
6 ステント放出孔
9 カテーテル本体
10 外側ポリマー層
1a カット部
21 足部
22 回収用突起
23 滑り防止用突起
30 管状体
K カテーテル
G ガイドワイヤー
Claims (15)
- 不活性雰囲気中において350℃以上で1分〜100時間熱処理することにより少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金を用いて断面略C字状乃至半円状に形成してなり、動脈瘤への血流を遮断可能な動脈瘤治療用ステントであって、該ステントの外周縁部に少なくとも1個のカット部を形成してなることを特徴とするステント。
- 超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金の管状体を軸方向に切り離すことにより得られた請求項1に記載のステント。
- 超弾性又は擬弾性を有さないNi−Ti系合金の板状体を丸めることにより得られた請求項1に記載のステント。
- 再配置又は回収可能であって、ステントの外表面に少なくとも1個の滑り防止用突起が形成され、前記ステントの内表面に少なくとも1個の回収用突起が形成された請求項1から3のいずれかに記載のステント。
- 軸方向の両端部に血管内壁への当りを弱めることができる部を有する請求項1から4のいずれかに記載のステント。
- 血管内壁への当りを弱めることができる部が、メッシュ状乃至格子状に加工された部、ステントの径方向へのヘリカルカットされた部、及び、多数のカット部から選択された請求項5に記載のステント。
- 更に、ステントの後端部に少なくとも1本の位置安定用及び回収用足部が設けられた請求項4から6のいずれかに記載のステント。
- Ni−Ti系合金製の管状体の少なくとも先端側を生体温度で変形させたとき、復元するのに0.3秒以上要する請求項1から7のいずれかに記載のステント。
- 外径875μm、内径750μmの管状体を用いて三点曲げ試験を行った場合の降伏荷重が8.8N以下、回復荷重が2.9N以下、残留歪みが0.2mm以上であるNi−Ti系合金により形成した請求項1から7のいずれかに記載のステント。
- 前記ステントの周方向一端縁部と他端縁部との間隔が、該ステントの周方向長さの1/5以上となるように少なくとも生体温度において断面略C字状乃至半円状に形状記憶させた請求項1から9のいずれかに記載のステント。
- ステントを留置する目的部位の大きさ、形状等に合わせてステントの外周縁部に設けるカット部数及びカット部形状を調整可能とした請求項1から10のいずれかに記載のステント。
- ステントの外周縁部に1〜300個のカット部を設けた請求項1から11のいずれかに記載のステント。
- 更に、ステントの外周縁部にメッシュ状乃至は格子状加工を施した請求項1から12のいずれかに記載のステント。
- ステントを先端部に着脱可能に取付けてなる子カテーテルと、この子カテーテル内腔に収容されるステントとを一緒に目的部位まで運ぶための親カテーテルとを備えた生体内離脱具であって、
前記ステントとして請求項1から13のいずれかに記載のステントを用い、目的部位においてガイドワイヤーを押出すか、又は前記子カテーテルを手前に引くことにより、該子カテーテル先端開口部からステントを拡径状態で離脱させて目的部位で留置可能に構成したことを特徴とする生体内離脱具。 - 再配置又は回収機構付きの生体内離脱具であって、請求項4から13のいずれかに記載のステントを備えた請求項14に記載の生体内離脱具。
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