JP4397015B2 - ゲル化組成物 - Google Patents

ゲル化組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4397015B2
JP4397015B2 JP2003162503A JP2003162503A JP4397015B2 JP 4397015 B2 JP4397015 B2 JP 4397015B2 JP 2003162503 A JP2003162503 A JP 2003162503A JP 2003162503 A JP2003162503 A JP 2003162503A JP 4397015 B2 JP4397015 B2 JP 4397015B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
polysaccharide derivative
composition according
branched polysaccharide
hyperbranched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003162503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004358073A (ja
Inventor
豊次 覚知
敏文 佐藤
Original Assignee
マクロテック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マクロテック株式会社 filed Critical マクロテック株式会社
Priority to JP2003162503A priority Critical patent/JP4397015B2/ja
Publication of JP2004358073A publication Critical patent/JP2004358073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397015B2 publication Critical patent/JP4397015B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル化組成物、特に医療用接着剤、癒着防止材料および創傷被覆材料等として有用な医療用ゲル化組成物、この組成物を用いたゲル化および接着方法、並びにゲル化により得られるゲルおよびこのゲルを含む人工組織に関する。
【0002】
【従来の技術】
手術時や受傷時においては、生体、特に血管に生じた破孔や損傷、接合部を安全、確実かつ迅速に封鎖する必要がある。こうした目的には、縫合や吻合時に人工繊維片を補助として用いるか、ゲル化材料が用いられてきた。
【0003】
人工繊維片としては、天然の線維状のコラーゲンが生化学的な止血作用を奏することを利用して、これを成形した止血材料が記載されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、天然の線維状のコラーゲンは生体内での分解性が低く、長期間残留することによって異物反応が起きる可能性がある。そこで、抗原決定基を酵素処理またはアルカリ処理して抗原性を低下させて得られるアテロコラーゲンも用いられる(例えば、特許文献2および3)。しかし、これらのアテロコラーゲンは止血性が弱いため、再線維化に加え架橋を施さないと、止血するまでの一定期間、生体内に溶解させずに留置させることは難しい。しかし、強度に架橋を加えたアテロコラーゲンは、生体適合性が低く、炎症性を発現するという報告がある(非特許文献1)。
【0004】
ゲル化材料としては、現在、外科用接着剤、止血剤として用いられている医療用ゲル材料の殆どは、人の血漿蛋白質や、牛や豚の骨や皮といった生体材料(フィブリノゲン、ゼラチン、コラーゲンなど)を原料にして製造されている。例えば、特許文献4は、エチレンオキシドにより滅菌されたコラーゲン蛋白部分加水分解物質および多価フェノール化合物を主成分とする糊剤成分およびアルデヒド類を主成分とする硬化成分を含む生体用止血乃至組織接着剤を開示している。ここで、コラーゲン蛋白部分加水分解物質はゼラチンまたは膠である。しかし、一般に生体由来材料には肝炎ウイルス、発熱性物質、アレルゲン、牛海綿状脳症(BSE)等が含まれているおそれがあり、感染症等に対する懸念から他の材料への置換えが望ましい。
【0005】
そこで、人体や動物に由来する原料を用いないで製造された、化学合成による外科用接着剤や止血剤も検討されている。例えば、特許文献5には特定構造の直鎖ジアミンの塩を架橋剤として用いた分子内にカルボキシル基を有する多糖類からなる水膨潤性高分子ゲルが記載されている。カルボキシル基を有する多糖類としてはアルギン酸塩またはヒアルロン酸塩が、直鎖ジアミンの塩としてはN−ヒドロキシコハク酸イミド塩が挙げられている。
【0006】
また、特許文献6には、カルボキシル基を有する多糖に、カルボニルジイミダゾール、カルボニルトリアゾール、ヨウ化クロロメチルピリジリウム(CMP−J)、ヒドロキシベンゾトリアゾール、p−ニトロフェノールp−ニトロフェニルトリフルオロアセテート、N−ヒドロキシスクシンイミド等と反応させてなる化合物を特定構造のポリアミンで架橋するゲル化方法が記載されている。この公報にはカルボキシル基を有する多糖としてカルボキシメチルセルロースも挙げられているが、実施可能な特性を備えたカルボキシメチルセルロースを用いた医療用接着材料は具体的には開示されていない。また、ポリアミンとしては直鎖ジアミンのみが記載されている。
【0007】
化学合成品として現段階で実用化されているのは、シアノアクリレート系、およびポリエチレングリコール系の材料のみであるが、その性能や毒性に基づく制約から適用はごく限られたものにとどまっている。
【0008】
そこで、本発明者らはスクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体とポリアミンとを含む医療用組成物を開発し、本願と同日付で出願した。これは迅速かつ確実なゲル化という点で従来ない優れた組成物であるが、鎖状多糖誘導体は比較的粘性が高いという問題があり、場合によっては、より低粘性のゲル化組成物も必要とされる。
【0009】
【特許文献1】
特願2002−56901号
【0010】
【特許文献2】
特開平6−339483号公報
【特許文献3】
特開平6−197946号公報
【特許文献4】
特開平8−196614号公報
【特許文献5】
特開平10−314294号公報
【特許文献6】
特許第3107726号
【非特許文献1】
Koide et al.,Journal of Biomedical Materials Research,27(1)(1993)p.79−87
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明は、それ自体は粘性が低いが、適用時には迅速にゲル化して安定な被覆、閉塞、接着、分離等の機能を示すとともに、生体適合性にも優れた医療用組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、デンドリマー等の一般の球状高分子では従来の高分子にない物理的および化学的特性が得られる点に着目し、先に無水糖の重合体からなる多分岐多糖およびその製造方法を提案した(特願2002-56901号)。本発明者らは、さらに検討を進めた結果、特願2002-56901号に記載の多分岐多糖に特定の基を導入することにより反応性を高め、ゲル化材料としての可能性を有する反応性多分岐多糖誘導体を開発することに成功し、これがゲル組成物として有用であることを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、以下のゲル組成物、この組成物を用いたゲル化および接着等の方法、並びにゲル化により得られるゲルおよびこの医療用ゲルを含む人工組織を提供する。
〔1〕 (a)多分岐多糖分子中の水酸基の少なくとも一部の水素原子を
【化2】
Figure 0004397015
〔式中、Yは置換されていてもよいカルバモイル基であり、Zは−OR11または−NHR12(式中、R11は水素原子、金属原子、脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素または−N(COCH22で表わされるN−スクシンイミド基を表わし、R12は1個以上のアミノ基で置換されている脂肪族炭化水素基を表わす。)から選択され、分子中に複数の種類のYが混在してもよい。〕で置換してなる多分岐多糖誘導体を含む第1液と
(b)(a)と反応してゲルを形成する化学種を含む第2液
を含み両者の混合によりゲル化する組成物。
【0014】
〔2〕 多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−OR11でありR11が−N(COCH22であり、化学種(b)がポリアミンである前記1に記載のゲル化組成物。
〔3〕 多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−OR11でありR11が水素原子または金属原子であり、化学種(b)が2価の金属塩である前記1に記載のゲル化組成物。
【0015】
〔4〕 多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−NHR12であり、化学種(b)がスクシンイミド基含有ポリマーまたはイソシアナートである前記1に記載のゲル化組成物。
〔5〕 多分岐多糖誘導体(a)の分岐度が0.05〜1.00の範囲である前記1乃至4のいずれかに記載のゲル化組成物。
【0016】
〔6〕 多分岐多糖誘導体(a)が、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−アロース、D−アルトロース、D−イドース、D−タロース、D−キシロース、D−リボースおよびD−アラビノースからなる群から選択される1種または複数の単糖類を構成単位として含む前記1乃至5のいずれかに記載のゲル化組成物。
【0017】
〔7〕 多分岐多糖誘導体(a)において、構成単位当たり平均して0.01〜3個の水素原子が前記式(I)の置換基で置換されている前記1乃至6のいずれかに記載のゲル化組成物。
〔8〕 多分岐多糖が無水糖の重合反応によって得られるものである前記1乃至7のいずれかに記載のゲル化組成物。
【0018】
〔9〕 多分岐多糖誘導体(a)の一部が分岐度が0.05未満であり多分岐多糖誘導体(a)と同種の置換基を有する鎖状多糖誘導体で代替されている前記1乃至8のいずれかに記載のゲル化組成物。
〔10〕 多分岐多糖誘導体が、透析によって低分子量の不純物を除去したものである前記1乃至9のいずれかに記載のゲル化組成物。
〔11〕 ゲルがヒトもしくは動物の任意の組織または人工組織の接着、吻合、閉鎖、閉塞、分離、被覆を含む用途に用いられる前記1乃至10のいずれかに記載の医療用ゲル化組成物。
【0019】
〔12〕 前記1乃至10のいずれかに記載のゲル組成物における多分岐多糖誘導体(a)とゲル形成化学種(b)とを混合して反応させて得られるゲル。
〔13〕 多分岐多糖誘導体(a)を含む第1液とゲル形成化学種(b)を含む第2液を同時または異時に適用することによるヒトもしくは動物の任意の組織または人工組織の接着、吻合、閉鎖、閉塞、分離または被覆を行なう方法。
〔14〕 前記13に記載の方法により医療用ゲル組成物が付与された人工組織。
【0020】
【発明の実施の形態】
(A)ゲル組成物
本発明のゲル組成物は、簡単に言えば、
(a)反応性多分岐多糖分子を含む第1液と
(b)(a)と反応してゲルを形成する化学種を含む第2液
を含むゲル化組成物、およびそのゲル化組成物をゲル化して形成するゲルである。
【0021】
(a)反応性多分岐多糖分子
本発明に使用する多分岐多糖誘導体(a)は反応性置換基を有する多分岐多糖の誘導体であり、模式的には、次式:
【化3】
Figure 0004397015
で示される。式中、Rは水素原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素等の糖鎖に可能な任意の基であるが、少なくともその一部は次式(I):
【0022】
【化4】
Figure 0004397015
〔式中、Yは置換されていてもよいカルバモイル基であり、Zは−OR11または−NHR12(式中、R11は水素原子、金属原子、脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素または−N(COCH22で表わされるN−スクシンイミド基を表わし、R12は1個以上のアミノ基で置換されている脂肪族炭化水素基を表わす。)から選択され、分子中に複数の種類のYが混在してもよい。〕の反応性置換基を含む。
【0023】
本発明の典型的態様では、反応性多分岐多糖分子(a)は球状分子であり、その表面またはこれに近い層の糖単位の水酸基が上記式(I)で表わされる反応性置換基で置換されていている(球状分子内部の水酸基も置換されていてもよい)。複数の反応性多分岐多糖誘導体(a)が存在する系中にこれと適当な化学種を添加すると、反応性多分岐多糖誘導体(a)表面の上記反応性置換基を介して分子間に架橋または相互作用を生じさせる。この結果、ゲル体が生じることになる。ゲル形成化学種(b)は反応性多分岐多糖誘導体(a)との組み合わせによって決まる。具体例については後述する。
【0024】
式(II)ではD−グルコースを構成単位として描いているが、本発明の多分岐多糖誘導体を構成する単糖類は特に限定されない。構成単位として使用できる単糖類の例としては、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−アロース、D−アルトロース、D−イドース、D−タロース等のヘキソアルドース(6炭糖)、D−キシロース、D−リボース、D−アラビノース等のペントアルドース(5炭糖)またはこれらの誘導体が挙げられる。但し、これらは例示であって、例えば、D−フルクトース等のケトースも用い得る。また、対応するL体でもよい。
【0025】
式(II)に示すタイプの多分岐多糖類は、例えば、次式:
【化5】
Figure 0004397015
で表わされる分子内脱水糖(無水糖)を適当な開始剤の存在下に重合することにより得られ(特願2002-56901号)、無水糖としては、1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース、1,6−アンヒドロ−β−D−マンノピラノース、1,6−アンヒドロ−β−D−ガラクトピラノース、1,6−アンヒドロ−β−D−アロピラノース、1,6−アンヒドロ−β−D−アルトロピラノース等の1,6−アンヒドロ糖;1,4−アンヒドロ−β−D−リボピラノース、1,4−アンヒドロ−β−D−キシロピラノース、1,4−アンヒドロ−β−D−アラビノピラノース、1,4−アンヒドロ−β−D−リキソピラノース等の1,4−アンヒドロ糖;1,3−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース、1,3−アンヒドロ−β−D−マンノピラノース等の1,3−アンヒドロ糖;1,2−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース、1,2−アンヒドロ−β−D−マンノピラノース等の1,2−アンヒドロ糖;さらに5,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース等の5,6−アンヒドロ糖;および3,5−アンヒドロ糖等が含まれる。これらの無水糖は、例えば、木材等の含セルロース材料のマイクロ波処理や熱分解により得ることができる。
【0026】
式(II)に示す本発明の多分岐多糖類は大きな多分岐度を有しており、この結果、ユニークな特徴を有する。例えば、分子形状が球に近く(球状体)分子同士の「絡み合い」が少ない結果として粘性が小さい。また、鎖状分子と比べて分子全体の形状の変化が少なく、前記球状体の表面またはそれに近い層の糖単位に集中して修飾基(前記式(I)の置換基)が導入されやすく、かつ、導入された修飾基が常に表面層に存在することから、安定的かつ優れた反応性が得られる。
【0027】
多分岐多糖誘導体中に導入することが望ましい修飾基(置換基−YCOZ)の数は、多分岐多糖誘導体の使用目的や修飾基の種類、分子量によって変わる。通常は構成単位当たり0.01%個以上、好ましくは0.1個以上、より好ましくは0.4個以上であり、さらに好ましくは1個以上の修飾基を含む。なお、置換度の上限値については、5個の糖と結合している分岐ユニットが0個、4個の糖と結合している分岐ユニットが1個、3個の糖と結合している分岐ユニットが2個、2個の糖と結合している直鎖ユニットが3個、1個の糖と結合している末端ユニットが4つであり、従って、単位構成あたり3個である。一般的には、重合度が高い場合、特に分子形状が球状に近い場合は、表面または表面に近い層に修飾基が分布していればよい。なお、導入する置換基の数は、反応原料の量比の制御等や反応時間、温度等の反応条件の制御によって容易に調整することができる。
【0028】
本願において、多分岐度は以下の式(Frechetの式)で定義される。
分岐度=(分岐ユニット数+ポリマー末端数)/(分岐ユニット数+ポリマー末端数+直鎖ユニット数)
ここで、分岐ユニット数とは分岐を有する糖単位(すなわち、隣接する糖3分子以上と結合している糖単位)の数であり、直鎖ユニット数とは分岐を有さず隣接する2分子とのみ結合している糖単位の数であり、ポリマー末端数とは隣接する1分子とのみ結合している糖単位の数である。また、分子数は測定対象とする分子集団に含まれる多糖分子の合計数である。
【0029】
分岐度の範囲は、構成単位や多糖誘導体の用途にもよるが、通常は0.05〜1.00、好ましくは0.4〜1.0の範囲である。分岐度0.05未満では一般には多分岐多糖としての特徴が十分に現れない。多糖は前記構成糖の1種のみから構成されるホモ多糖、またはこれらの構成糖類の2種以上から構成されるヘテロ多糖でもよい。
【0030】
なお、式(I)の置換基は、多分岐多糖分子とアミノ酸エステルイソシアナートOCN−CH(R2)−COOR3(式中、R2およびR3は同一でも異なっていてもよく炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)とを反応させ、必要に応じて脱エステルし、さらにN−ヒドロキシスクシンイミドまたはポリアミンと反応させることにより導入できる。
アミノ酸エステルイソシアナート:OCN−CH(R2)−COOR3は、アミノ酸:NH2CH(R2)COOHから誘導される化合物である。特にいわゆる必須アミノ酸や慣用されるその誘導体から誘導されるアミノ酸エステルイソシアナートが好ましい。なお、ここで必須アミノ酸としては、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、チロシン、スレオニン、トリプトファン、セリン等が挙げられ、慣用されるその誘導体にはヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン等が挙げられる。
【0031】
また、得られた多分岐多糖誘導体は、好ましくは透析により低分子不純物を除去することが望ましい。例えば、透過分子量14000以下の透析膜を用いて、2時間〜3日間程度、好ましくは1〜2日間程度かけて行なうことが好ましい。特に好適な透析は、室温で蒸留水中、所定時間(例えば、1時間)おきに蒸留水を交換することで行なうことができる。
【0032】
(b)ゲル形成化学種
本発明で用い得るゲル形成化学種(b)は反応性多分岐多糖誘導体(a)との組み合わせによって決まるが、典型的には以下の組み合わせである。
(i)多分岐多糖誘導体(a)におけるZ(式(I))が−OR11でありR11が−N(COCH22であり、化学種(b)がポリアミンであるゲル組成物。
(ii)多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−OR11でありR11が水素原子または金属原子であり、化学種(b)が2価の金属塩であるゲル組成物。
(iii)多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−NHR12であり、化学種(b)がスクシンイミド基含有ポリマーまたはイソシアナートであるゲル組成物。
【0033】
上記(i)は、複数の反応性多糖誘導体分子の端部カルボニル基(式(I):YCOZにおけるカルボニル基)とポリアミン分子中の複数のアミノ基とが架橋する反応と考えられる。この際、HO−N(COCH22(すなわち、N−ヒドロキシスクシンイミド)の脱離を伴う。
【0034】
ここで、ポリアミンは、分子中に2以上のアミノ基を有する化合物であり、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のポリアルキレンポリアミン、側鎖にアミノ基を有する次式:
【化6】
Figure 0004397015
(式中、R4は、水素原子、炭素数1乃至10個のアルキル、フェニルまたはベンジル基であり、Bは単結合または炭素数1乃至10個のアルキレン、好ましくは炭素数1乃至6個のアルキレンであり、Aは単結合またはヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン、アルコキシ、アミノもしくはアリール基により置換されていてもよい炭素数1乃至10個のアルキレンまたはアルキレンにより結合された1個以上のオキシ基、カルボニル基もしくはアミノ基を表わし、mは2以上の整数であり、R4、BおよびAは上記単位ごとに異なっていてもよい。)等が挙げられる。なお、式(III)のポリアミンにおいて定義していない末端基は、例えば水素原子またはメチル等のアルキル基である。
【0035】
上記(ii)は、複数の反応性多糖誘導体分子の端部カルボキシル基(式(I))と2価の金属塩とが反応してゲル化が進行する。この機構はグルコマンナンのゲル化と同様にイオン性の機構と考えられる。2価の金属としてはカルシウム等が挙げられ、その金属塩としては水溶性のもの、例えば、塩化カルシウムが挙げられる。
【0036】
上記(iii)は、多分岐多糖誘導体(a)に含まれるポリアミノ基中の少なくとも一部のアミノ基がスクシンイミド含有含有ポリマーと反応して、上記(i)と同様の反応(但し、N−ヒドロキシスクシンイミドはスクシンイミド含有含有ポリマーからの脱離する。)が進行して分子間架橋が形成される。
ここで、スクシンイミド含有含有ポリマーの例としては、
・上記(i)の反応性多糖誘導体分子、
・上記(i)と同様に糖鎖にスクシンイミドが導入された鎖状の(すなわち、多分岐ではない)反応性多糖誘導体分子、または
・上記(i)と同様に水酸基にスクシンイミドが導入された鎖状または多分岐の反応性の非多糖類ポリマーが挙げられる。
【0037】
上記(i)と同様に糖鎖にスクシンイミドが導入された鎖状反応性多糖誘導体分子の例としては、本発明者らが本願と同日付で出願した主鎖がセルロースまたはキチン、キトサンであるセルロース骨格系カーバメート誘導体、鎖状多糖誘導体(この場合、式(I)のYは置換されていてもよいカルバモイル基またはYは置換されていてもよいアルキレンであり、後者の場合にはセルロースはカルボキシル化セルロース誘導体である。)、同様のアミロース誘導体が含まれ、さらにヒアルロン酸等の糖水酸基がカルボキシル基化された糖鎖の誘導体が含まれる。また、水酸基にスクシンイミドが導入された反応性の非多糖類ポリマーの例としては分岐あるいは多分岐のポリエチレングリコール誘導体、ポリアルキルアルコール誘導体(ポリビニルアルコール誘導体等)、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0038】
また、イソシアナートの例としては、4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル、トルエン−2,4−ジイソアナート等のジイソアナート類、各種のトリイソシアナート、多置換芳香族イソシアナート、多置換脂肪族イソシアナート等が挙げられる。なお、イソシアナートは、多分岐多糖誘導体(a)におけるZ(式(I))が−OR11でありR11が水素原子、金属原子、脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素である多分岐多糖誘導体(a)に対してもゲル形成剤として用い得る。
【0039】
(C)ゲル化反応
ゲル化は、反応性多分岐多糖分子を含む第1液またはゲル形成化学種を含む第2液の一方を対象面に塗付し、次いで、前記対象面に他方の液を塗付または滴下してゲル状反応生成物を生じさせることによってゲル化させる重層塗布法が通常であるが、接着においては、接続または吻合すべき患部の一方に第1液(第2液)を塗布し、他方に第2液(第1液)を塗布する二面塗布法でもよい。または同時に上記2液を滴下する方法、あるいはスプレー法等の混合塗布法等も用い得る。
【0040】
反応性多分岐多糖分子は、そのままでも用い得るが、コストを考慮して希釈して用いてもよい。希釈に用いる溶媒は特に限定されないが、生体内での使用または生体組織との接触を考慮すると、水性溶媒、特に水や希エタノール等が好ましい。通常、1〜75質量%程度、好ましくは2〜60質量%、より好ましくは3〜30質量%、最も好ましくは4〜20質量%に希釈する。また、分岐度が0.05未満であり多分岐多糖誘導体(a)と同種の置換基を有する鎖状多糖誘導体(前述の本発明者らが本願と同日付で出願した主鎖がセルロースまたはキチン、キトサンであるセルロース骨格系カーバメート誘導体等)を併用してもよい。
【0041】
また、ゲル形成化学種を含む第2液は、通常の濃度で用い得るが、特に広い範囲に適用する場合には水性溶媒、特に水や希エタノール等で通常、1〜75質量%程度、好ましくは2〜60質量%、より好ましくは3〜30質量%、最も好ましくは4〜20質量%に希釈して用いることが好ましい。反応に害を及ぼさない範囲の任意の塩類を含んでもよく、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、カルボン酸塩等でpHを調節してもよい。
【0042】
(D)適用対象
本発明の医療用ゲル化材料は、前述の通り、組織の接着、接合、被覆、補強、封鎖、分離(癒着防止)などに広く用いることができる。組織は人体、動物の任意の組織を含み、さらに人工血管などの人工組織を含む。より具体的には、例えば、硬膜、腹膜、筋膜、胸膜の接着、骨あるいは軟骨の接着、実質臓器切開部の接着、皮膚の接着、神経吻合、微小血管吻合、腸管吻合、卵管吻合、植皮片あるいは創傷被覆保護材の貼付等の組織の接着を目的とした生体接着剤として用いることができる。また、本発明の医療用ゲル化材料は、血液、体液のような水分存在下においてもゲルを形成し、生体組織に対して高い接着性を示すので、実質臓器の微小血管からの出血、縫合時の縫合糸穴からの出血等の止血を目的とした止血材や、髄液、胆汁等の体液の漏出防止、鼓膜欠損の閉鎖、代用血管の閉鎖、肺手術後の空気漏れ穴の閉鎖、気管支の閉鎖、シャントチューブのシールを目的とした生体または医療材料の閉鎖材等として用いることができる。さらに外科手術によって分離された組織間の術後癒着の防止材としても有用である。
【0043】
特に本発明の反応性多分岐多糖誘導体(a)は低粘度なので、これを含む第1液を人工組織(例えば、人工血管)の内部に流し、しかる後にゲル形成化学種(b)を含む第2液を流すことにより、内部被覆が容易に行なえる(液の適用順序は反対でもよい)。同様の理由で反応性多分岐多糖誘導体(a)を含む第1液に人工組織を浸漬し、しかる後にゲル形成化学種(b)を含む第2液に浸漬することにより、内部に中空部を有する構造や組織内外面の被覆が容易に行なえる(液の適用順序は反対でもよい)。
【0044】
【実施例】
以下、参考例および実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、以下の例において「置換度」は、元素分析の結果から算出した糖鎖水酸基の置換度である。また、以下の例においてハイパーブランチグルカンは、前記特願2002-56901号の実施例1に準じて合成した多分岐多糖であり、重量平均分子量:70,000(分子量は静的光散乱測定法により測定した。)である。
また、アミノ酸エステルイソシアナートは、原料のアミノ酸としてL−ロイシン、L−アスパラギン酸、L(−)−フェニルアラニンを使用し(すべて関東化学社製)、参考例1、2に記載の方法で合成した。
【0045】
参考例1:アミノ酸エステルの合成
各種アミノ酸に、アミノ酸がすべて溶解するまで1.0mol/Lアルコール性塩酸(キシダ社製)を加えた。10時間加熱還流した後、溶液を冷ましてアルコールを減圧留去した。残留物をジクロロメタンに溶解し、アンモニア水を用いてpH10に調製した水とともに分液漏斗にて抽出を行った。有機相を飽和食塩水でもう一度抽出し、硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧蒸留にて精製した。
【0046】
参考例2:アミノ酸エステルイソシアナートの合成
ジクロロメタンにアミノ酸エステルを溶解した溶液を、ジクロロメタンに4−ジメチルアミノピリジン(1.0eq)(和光純薬)と二炭酸ジ−t−ブチル(1.4eq)(和光純薬社製)を溶解した溶液に滴下した。10分後、0.5mol/L塩酸と氷を用いて抽出を2回行い、さらに有機層を飽和食塩水にて抽出した。得られた有機相を硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧蒸留にて精製した。
【0047】
実施例1:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチルエステルカルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチルエステルカルバメート)を合成した。
【化7】
Figure 0004397015
【0048】
ハイパーブランチグルカン1.0gをドライピリジン(関東化学社製)45mLに溶解した。この溶液を100℃に加熱した後、L−ロイシンエチルエステルイソシアナート11.5gを加え、撹拌しながら24時間反応させた。冷却後、反応溶液を過剰量のメタノールに注ぎいれて反応を停止し、標題の化合物(ポリマー)を得た(収量:1.96g)。得られたポリマーはアセトン、メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、ジクロロメタン、トルエン、ジクロロメタン等の有機溶媒に可溶で、水、へキサン等の溶媒に不溶であった。
置換度は元素分析の結果から2.9と見積もられた。
<元素分析値=C:54.84%;H:7.62%;N:5.78%>
生成物の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
【0049】
実施例2:ハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸エチルエステルカルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸エチルエステルカルバメート)を合成した。
【化8】
Figure 0004397015
【0050】
ハイパーブランチグルカン0.2gをドライピリジン(関東化学社製)9mLに溶解した。この溶液を100℃に加熱した後、L−アスパラギン酸エチルエステルイソシアナート1.33gを加え、撹拌しながら24時間反応させた。冷却後、反応溶液を過剰量のメタノールに注ぎいれて反応を停止し、標題の化合物(ポリマー)を得た(収量:0.74g)。得られたポリマーはアセトン、メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、ジクロロメタン、トルエン、ジクロロメタン等の有機溶媒に可溶で、水、へキサン等の溶媒に不溶であった。
置換度は元素分析の結果から2.7と見積もられた。
<元素分析値=C:48.75%;H:6.11%;N:5.04%>
生成物の1H−NMRスペクトルを図2に示す。
【0051】
実施例3:ハイパーブランチグルカン(L−フェニルアラニンエチルエステルカルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸エチルエステルカルバメート)を合成した。
【化9】
Figure 0004397015
【0052】
ハイパーブランチグルカン0.2gをドライピリジン(関東化学社製)9mLに溶解した。この溶液を100℃に加熱した後、L−フェニルアラニンエチルエステルイソシアナート1.4gを加え、撹拌しながら24時間反応させた。冷却後、反応溶液を過剰量のメタノールに注ぎいれて反応を停止し、標題の化合物(ポリマー)を得た(収量:0.45g)。得られたポリマーはアセトン、メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、ジクロロメタン、トルエン、ジクロロメタン等の有機溶媒に可溶で、水、へキサン等の溶媒に不溶であった。
置換度は元素分析の結果から2.4と見積もられた。
<元素分析値=C:61.02%;H:6.08%;N:4.89%>
生成物の1H−NMRスペクトルを図3に示す。
【0053】
実施例4:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンカルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−ロイシンカルバメート)を合成した。
【化10】
Figure 0004397015
【0054】
実施例1で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチルエステルカルバメート)に1MNaOH溶液(20ml)を加え、室温で12時間撹拌した。反応溶液を透析膜(透過分子量1000)に入れ、48時間、蒸留水を用いて透析を行った。凍結乾燥による乾燥後、標題化合物(ポリマー)を得た。得られたポリマーは白色の粉末で、水に可溶性であった。
生成物の1H−NMRスペクトルを図4に示す。
【0055】
実施例5:ハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸カルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸カルバメート)を合成した。
【化11】
Figure 0004397015
【0056】
実施例2で得られたハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸エチルエステルカルバメート)に1MNaOH溶液(20ml)を加え、室温で12時間撹拌した。反応溶液を透析膜(透過分子量1000)に入れ、48時間水を用いて透析を行った。凍結乾燥による乾燥後、標題化合物(ポリマー)を得た。得られたポリマーは白色の粉末で、水に可溶性であった。
【0057】
実施例6:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)を合成した。
【化12】
Figure 0004397015
【0058】
実施例4で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンカルバメート)(0.5g)のグルコース単位ユニットに対しN−ヒドロキシコハク酸イミド(0.09g)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.11g)をメタノールと水の混合溶媒(メタノール:水=1:2)(4mL)に入れ、脱水縮合剤として1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル−カルボジイミド)(0.12g、ペプチド研究所製)を滴下した。室温で24時間撹拌後、過剰量のメタノールに注ぎ入れて反応を止め、蒸留水を用いた透析により精製し、凍結乾燥して白色固体状の標題化合物(ポリマー)を得た(収量:0.44g)。得られたポリマーは水、メタノールおよびジメチルスルホキシドに可溶であった。
生成物の1H−NMRスペクトルを図5に示す。
【0059】
実施例7:ハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)を合成した。
【化13】
Figure 0004397015
【0060】
実施例5で得られたハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸カルバメート)(0.2g)のグルコース単位ユニットに対し1当量のN−ヒドロキシコハク酸イミド(0.04g)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.48g)をメタノールと水の混合溶媒(メタノール:水=1:2)(3mL)に入れ、脱水縮合剤として1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル−カルボジイミド)(0.06g、ペプチド研究所製)を滴下した。室温で24時間撹拌後、過剰量のメタノールに注ぎ入れて反応を止め、水を用いた透析により精製し、凍結乾燥して白色固体状の標題化合物(ポリマー)を得た(収量:0.22g)。得られたポリマーは水に可溶性、メタノールおよびジメチルスルホキシドに不溶性であった。
【0061】
実施例8:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチレンジアミンエステルカルバメート)
前記式(II)においてRが次式で表わされるハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチレンジアミンエステルカルバメート)を合成した。
【化14】
Figure 0004397015
【0062】
実施例1で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチルエステルカルバメート)(0.2g)をメタノール(8.31mL)に溶解し、撹拌しながらエチレンジアミン(5.23g)を加えた。室温で24時間反応した後、メタノールを用いた透析により精製し、標題化合物(ポリマー)を得た(収量:0.17g)。
【0063】
実施例9:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)とポリアリルアミンとのゲル化反応
実施例6で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)(0.1g)をpH7.4のリン酸緩衝溶液(0.1mL)に溶解し、10wt%ポリアリルアミン水溶液(0.6g、分子量15,000、日東紡)を加え、室温で撹拌した。滴下後、系内は瞬時に白濁し、ゲルを形成した。
【0064】
実施例10:ハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)とポリアリルアミンとのゲル化反応
実施例7で得られたハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)(0.1g)をpH7.4のリン酸緩衝溶液(0.1mL)に溶解し、10wt%ポリアリルアミン水溶液(0.6g、分子量15,000、日東紡)を加え、室温で撹拌した。滴下後、系内は瞬時に白濁し、ゲルを形成した。
【0065】
実施例11:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)とポリアリルアミンとのゲル化反応
実施例6で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)(0.1g)をpH7.4のリン酸緩衝溶液(0.1mL)に溶解し、40wt%ポリアリルアミン水溶液(0.4g、分子量3,000、日東紡)を加え、室温で撹拌した。滴下後、系内は瞬時に白濁し、ゲルを形成した。
【0066】
実施例12:ハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)とポリアリルアミンとのゲル化反応
実施例7で得られたハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)(0.1g)をpH7.4のリン酸緩衝溶液(0.1mL)に溶解し、40wt%ポリアリルアミン水溶液(0.4g、分子量3,000、日東紡)を加え、室温で撹拌した。滴下後、系内は瞬時に白濁し、ゲルを形成した。
【0067】
実施例13:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)とハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチレンジアミンエステルカルバメート)とのゲル化反応
実施例6で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)(0.2g)をpH7.4のリン酸緩衝溶液(1mL)に、実施例7で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチレンジアミンエステルカルバメート)(0.2g)をエタノール(0.4mL)に各々溶解し、これらの溶液を混合した。2液混合後、系内は瞬時に白濁し、糊状のゲルを形成した。
【0068】
実施例14:ハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)とハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチレンジアミンエステルカルバメート)の架橋反応を用いたゲルの合成)
実施例7で得られたハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸コハク酸イミドエステルカルバメート)をpH7.4のリン酸緩衝溶液に、実施例8で得られたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチレンジアミンエステルカルバメート)をエタノールに各々溶解し、これらの溶液を混合した。2液混合後、系内は瞬時に白濁し、糊状のゲルを形成した。
【0069】
実施例15:ハイパーブランチグルカンと4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニルとのゲル化反応
前記特願2002-56901号の実施例1に準じて合成したハイパーブランチグルカン(0.1g)をジメチルスルホキシド(2mL)に溶解させた後、4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル(0.12g)を加え、100℃で撹拌した。4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル投入後、約1分でゲル化し、系内の溶媒をすべて取り込んだ透明な膨潤体を形成した。得られたゲルは薄黄味がかった透明なゼリー状固体であり、ジメチルスルホキシド中で膨潤、水中で収縮した。
【0070】
実施例16:ハイパーブランチグルカンと2,4−ジイソシアン酸トリレンとのゲル化反応
実施例15と同じハイパーブランチグルカン(0.1g)をジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させた後、2,4-ジイソシアン酸トリレン(0.11g)を加え、100℃で撹拌した。2,4−ジイソシアン酸トリレン投入後、約1分でゲル化し、系内の溶媒をすべて取り込んだ透明な膨潤ゲルを形成した。得られたゲルは薄黄味がかった透明なゼリー状固体であり、ジメチルスルホキシド中で膨潤、水中で収縮した。
【0071】
実施例17:ハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチルエステルカルバメート)と4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニルとのゲル化反応
実施例1に準じて合成したハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチルエステルカルバメート)(0.02g、置換度0.8)をジメチルスルホキシド(0.2mL)に溶解させた後、4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル(0.03g)を加え、100℃で撹拌した。4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル投入後、約1分でゲル化し、系内の溶媒をすべて取り込んだ透明な膨潤ゲルを形成した。
【0072】
実施例18:ハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸エチルエステルカルバメート)と4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニルとのゲル化反応
実施例2に準じて合成したハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸エチルエステルカルバメート)(0.02g、置換度0.6)をジメチルスルホキシド(0.2mL)に溶解させた後、4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル(0.03g)を加え、100℃で撹拌した。4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル投入後、約1分でゲル化し、系内の溶媒をすべて取り込んだ透明な膨潤ゲルを形成した。
【0073】
実施例19:ハイパーブランチグルカン(L−フェニルアラニンエチルエステルカルバメート)と4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニルとのゲル化反応
実施例3に準じて合成したハイパーブランチグルカン(L−フェニルアラニンエチルエステルカルバメート)(0.02g、置換度0.7)をジメチルスルホキシド(0.2mL)に溶解させた後、4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル(0.03g)を加え、100℃で撹拌した。4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル投入後、約1分でゲル化し、系内の溶媒をすべて取り込んだ透明な膨潤ゲルを形成した。
【0074】
【発明の効果】
本発明は、分子形状が球に近く(球状体)分子同士の「絡み合い」が少ない結果として粘性が小さく、また、鎖状分子と比べて分子全体の形状の変化が少ないという特異な性質を有する多分岐多糖の水酸基を反応性の官能基に置換した反応性多分岐多糖を提供したものである。前記球状多糖の表面またはそれに近い層の糖単位に修飾基(前記式(I)の置換基)を有することから、安定的かつ優れた反応性が得られる。このため、それ自体としては低粘度であるが、適当なゲル形成剤との組み合わせで安定なゲルを迅速に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で合成されたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンエチルエステルカルバメート)の1H−NMRスペクトルである。
【図2】 実施例2で合成されたハイパーブランチグルカン(L−アスパラギン酸エチルエステルカルバメート)の1H−NMRスペクトルである。
【図3】 実施例3で合成されたハイパーブランチグルカン(L−フェニルアラニンエチルエステルカルバメート)の1H−NMRスペクトルである。
【図4】 実施例4で合成されたハイパーブランチグルカン(L-ロイシンカルバメート)の1H−NMRスペクトルである。
【図5】 実施例6で合成されたハイパーブランチグルカン(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカルバメート)の1H−NMRスペクトルである。

Claims (14)

  1. (a)多分岐多糖分子中の水酸基の少なくとも一部の水素原子を
    Figure 0004397015
    〔式中、Yは下記式(IV):
    Figure 0004397015
    (式中、R2は水素原子または炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)で表わされる置換されていてもよいカルバモイル基であり、Zは−OR11または−NHR12(式中、R11は水素原子、金属原子、脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素または−N(COCH2)2で表わされるN−スクシンイミド基を表わし、R12は1個以上のアミノ基で置換されている脂肪族炭化水素基を表わす。)から選択され、分子中に複数の種類のYが混在してもよい。〕で置換してなる多分岐多糖誘導体を含む第1液と
    (b)(a)と反応してゲルを形成する化学種を含む第2液
    を含み両者の混合によりゲル化する組成物。
  2. 多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−OR11でありR11が−N(COCH2)2であり、化学種(b)がポリアミンである請求項1に記載のゲル化組成物。
  3. 多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−OR11でありR11が水素原子または金属原子であり、化学種(b)が2価の金属塩である請求項1に記載のゲル化組成物。
  4. 多分岐多糖誘導体(a)におけるZが−NHR12であり、化学種(b)がスクシンイミド基含有ポリマーまたはイソシアナートである請求項1に記載のゲル化組成物。
  5. 多分岐多糖誘導体(a)の分岐度が0.05〜1.00の範囲である請求項1乃至4のいずれかに記載のゲル化組成物。
  6. 多分岐多糖誘導体(a)が、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−アロース、D−アルトロース、D−イドース、D−タロース、D−キシロース、D−リボースおよびD−アラビノースからなる群から選択される1種または複数の単糖類を構成単位として含む請求項1乃至5のいずれかに記載のゲル化組成物。
  7. 多分岐多糖誘導体(a)において、構成単位当たり平均して0.01〜3個の水素原子が前記式(I)の置換基で置換されている請求項1乃至6のいずれかに記載のゲル化組成物。
  8. 多分岐多糖が無水糖の重合反応によって得られるものである請求項1乃至7のいずれかに記載のゲル化組成物。
  9. 多分岐多糖誘導体(a)の一部が分岐度が0.05未満であり多分岐多糖誘導体(a)と同種の置換基を有する鎖状多糖誘導体で代替されている請求項1乃至8のいずれかに記載のゲル化組成物。
  10. 多分岐多糖誘導体が、透過分子量14000以下の透析膜により低分子量の不純物を除去したものである請求項1乃至9のいずれかに記載のゲル化組成物。
  11. ゲルがヒトもしくは動物の任意の組織または人工組織の接着、吻合、閉鎖、閉塞、分離、被覆を含む用途に用いられる請求項1乃至10のいずれかに記載の医療用ゲル化組成物。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載のゲル組成物における多分岐多糖誘導体(a)とゲル形成化学種(b)とを混合して反応させて得られるゲル。
  13. 請求項1に記載の多分岐多糖誘導体(a)を含む第1液とゲル形成化学種(b)を含む第2液を同時または異時に適用することによる人工組織の接着、吻合、閉鎖、閉塞、分離または被覆を行なう方法。
  14. 請求項13に記載の方法により医療用ゲル組成物が付与された人工組織。
JP2003162503A 2003-06-06 2003-06-06 ゲル化組成物 Expired - Fee Related JP4397015B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003162503A JP4397015B2 (ja) 2003-06-06 2003-06-06 ゲル化組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003162503A JP4397015B2 (ja) 2003-06-06 2003-06-06 ゲル化組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004358073A JP2004358073A (ja) 2004-12-24
JP4397015B2 true JP4397015B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=34054632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003162503A Expired - Fee Related JP4397015B2 (ja) 2003-06-06 2003-06-06 ゲル化組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4397015B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007252699A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Mcrotech Kk ゲル組成物、それを用いた移植用材料及びそれらの製造方法
WO2007127198A2 (en) 2006-04-24 2007-11-08 Incept, Llc Protein crosslinkers, crosslinking methods and applications thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004358073A (ja) 2004-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU670030B2 (en) Water insoluble derivatives of polyanionic polysaccharides
Jeon et al. Rapidly light-activated surgical protein glue inspired by mussel adhesion and insect structural crosslinking
AU2008274807B2 (en) Formation of a Rapid-Gelling Biocompatible Hydrogel and the Preparation of a Spraying Agent
FI94357B (fi) Menetelmä veteen liukenemattomien hyaluronihappogeelien ja -kalvojen valmistamiseksi
US11389568B2 (en) Tyrosine peptide cross-linked biocompatible hydrogel and method of production
JPH07163650A (ja) 外科用の新規な接着剤組成物
AU2015328825A1 (en) Tissue-adhesive porous haemostatic product
CN109381738A (zh) 一种壳聚糖基水凝胶及其制备方法和应用
JPH05508161A (ja) ヒアルロン酸の非水溶性誘導体
US20090035356A1 (en) Modified biodegradable polymers, preparation and use thereof for making biomaterials and dressings
JP7830616B2 (ja) 多糖誘導体の用途
CN1898315B (zh) 半互穿聚合物网络组合物
WO2020241904A1 (ja) 生体組織修復用の生体材料
WO2016117569A1 (ja) 外科用シーラント
JP4397015B2 (ja) ゲル化組成物
JP4669919B2 (ja) 医療用組成物
CN112512602A (zh) 防粘连材料
JP2023161851A (ja) 接着剤、創傷被覆材、癒着防止材、止血材、シーラント、及び噴霧キット
WO2023181563A1 (ja) 癒着防止材、及び癒着防止材の製造方法
JP2005075815A (ja) 止血性組織修復材
JP2005290147A (ja) 反応性多分岐多糖誘導体
CN113717380B (zh) 一种超低浓度单组分聚肽水凝胶及其制备方法与应用
JPWO2006016600A1 (ja) 酒石酸誘導体及び該誘導体により合成された高分子架橋体
KR101282394B1 (ko) 콜라겐에 대한 소수성 물질의 공유 그래프팅법
EP4032558A1 (en) Biological tissue adhesive sheet, biological tissue reinforcing material kit, and method for manufacturing biological tissue adhesive sheet

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051215

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091019

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees