JP4669919B2 - 医療用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用組成物、特に止血用接着剤、癒着防止材料および創傷被覆材料等として有用な医療用組成物、医療用ゲル、この組成物を用いたゲル化および接着方法、並びにこの組成物の主要成分である糖鎖誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
手術時や受傷時においては、生体、特に血管に生じた破孔や損傷、接合部を安全、確実かつ迅速に封鎖する必要がある。こうした目的には、縫合や吻合時に人工繊維片を補助として用いるか、ゲル化材料が用いられてきた。
【0003】
人工繊維片としては、天然の線維状のコラーゲンが生化学的な止血作用を奏することを利用して、これを成形した止血材料が記載されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、天然の線維状のコラーゲンは生体内での分解性が低く、長期間残留することによって異物反応が起きる可能性がある。そこで、抗原決定基を酵素処理またはアルカリ処理して抗原性を低下させて得られるアテロコラーゲンも用いられる(例えば、特許文献2および3)。しかし、これらのアテロコラーゲンは止血性が弱いため、再線維化に加え架橋を施さないと、止血するまでの一定期間、生体内に溶解させずに留置させることは難しい。しかし、強度に架橋を加えたアテロコラーゲンは、生体適合性が低く、炎症性を発現するという報告がある(非特許文献1)。
【0004】
ゲル化材料としては、現在、外科用接着剤、止血剤として用いられている医療用ゲル材料の殆どは、人の血漿蛋白質や、牛や豚の骨や皮といった生体材料(フィブリノゲン、ゼラチン、コラーゲンなど)を原料にして製造されている。例えば、特許文献4は、エチレンオキシドにより滅菌されたコラーゲン蛋白部分加水分解物質および多価フェノール化合物を主成分とする糊剤成分およびアルデヒド類を主成分とする硬化成分を含む生体用止血乃至組織接着剤を開示している。ここで、コラーゲン蛋白部分加水分解物質はゼラチンまたは膠である。しかし、一般に生体由来材料には肝炎ウイルス、発熱性物質、アレルゲン、牛海綿状脳症(BSE)等が含まれているおそれがあり、感染症等に対する懸念から他の材料への置換えが望ましい。
【0005】
そこで、人体や動物に由来する原料を用いないで製造された、化学合成による外科用接着剤や止血剤も検討されている。例えば、特許文献5には特定構造の直鎖ジアミンの塩の架橋剤として用いた分子内にカルボキシル基を有する多糖類からなる水膨潤性高分子ゲルが記載されている。カルボキシル基を有する多糖類としてはアルギン酸塩またはヒアルロン酸塩が、直鎖ジアミンの塩としてはN−ヒドロキシコハク酸イミド塩が挙げられている。
【0006】
また、特許文献6には、カルボキシル基を有する多糖に、カルボニルジイミダゾール、カルボニルトリアゾール、ヨウ化クロロメチルピリジリウム(CMP−J)、ヒドロキシベンゾトリアゾール、p−ニトロフェノールp−ニトロフェニルトリフルオロアセテート、N−ヒドロキシスクシンイミド等と反応させてなる化合物を特定構造のポリアミンで架橋するゲル化方法が記載されている。この公報にはカルボキシル基を有する多糖としてカルボキシメチルセルロースも挙げられているが、実施可能な特性を備えたカルボキシメチルセルロースを用いた医療用接着材料は具体的には開示されていない。また、ポリアミンとしては直鎖ジアミンのみが記載されている。
【0007】
化学合成品として現段階で実用化されているのは、シアノアクリレート系、およびポリエチレングリコール系の材料のみであるが、その性能や毒性に基づく制約から適用はごく限られたものにとどまっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−339483号公報
【特許文献2】
特開平6−197946号公報
【特許文献3】
特開平8−196614号公報
【特許文献4】
特開平10−314294号公報
【特許文献5】
特許第3107726号
【特許文献6】
特表2002−529549号
【非特許文献1】
Koide et al.,Journal of Biomedical Materials Research,27(1)(1993)p.79−87
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、生体適合性に優れ、迅速かつ強力に硬化し、しかも、硬化後においても適当な柔軟性を保持する医療用ゲル化材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するべく検討した結果、スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体とポリアミンとを含む医療用ゲル化材料を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の医療用組成物、医療用ゲル、この組成物を用いたゲル化および接着方法、並びにこの組成物の主要成分である糖鎖誘導体およびその製造方法を提供する。
【0012】
〔1〕 スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体を含む第1液とポリアミンを含む第2液とを含み両者の混合によりゲル化する医療用組成物。
〔2〕 スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体が、多糖分子の水酸基の水素原子を、前記ポリアミンとの反応によりゲル化を起こすのに十分な量、下記式(I):
【化13】
(式中、Yは置換されていてもよいアルキレンまたはカルバモイル基を表わす。
)で表わされるスクシンイミド含有基で置換してなるものである前記1に記載の医療用組成物。
【0013】
〔3〕 スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体が主要構造として下記式(II):
【化14】
〔式中、
R1は、水素原子、金属原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素または下記式(I):
【化15】
(式中、Yは置換されていてもよいアルキレンまたはカルバモイル基を表わす。
)で表わされるスクシンイミド含有基もしくは下記式(III):
【化16】
(式中、Yは上に定義した通りであり、R2は水素原子、金属原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)で表わされる基であり、
Xは、-OR1、−NHR1(式中、R1は上記定義と同じ。)またはカルバモイル基であり、
分子中のR1はそれぞれ同一でも異なってもよいが、その少なくとも1個は前記式(I)のスクシンイミド含有基である。〕を繰り返し単位として含む糖鎖である前記2に記載の医療用組成物。
【0014】
〔4〕 スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体の主要構造が下記式(IV):
【化17】
(式中、R1およびXは前記定義の通りであり、nは3以上の整数である。)で表わされる直鎖状誘導体である前記3に記載の医療用組成物。
〔5〕 鎖状多糖誘導体における前記Yが炭素数1乃至3のアルキレンまたは下記式(V):
【化18】
(式中、R3は水素原子または炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)で表わされる基である前記2乃至4のいずれかに記載の医療用組成物。
【0015】
〔6〕 鎖状多糖誘導体が、各繰り返し単位に平均0.01個以上の前記式(I)のスクシンイミド含有基を含有する前記2乃至5のいずれかに記載の医療用組成物。
〔7〕 鎖状多糖誘導体が、透析によって低分子量の不純物を除去したものである前記1乃至6のいずれかに記載の医療用組成物。
〔8〕 ポリアミンが側鎖にアミノ基を有するポリアミンである前記1乃至7のいずれかに記載の医療用組成物。
〔9〕 前記1乃至8の医療用組成物の鎖状多糖誘導体とポリアミンとを混合して反応させて得られる医療用ゲル。
【0016】
〔10〕 スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体を含む第1液またはポリアミンを含む第2液の一方を対象面に塗付し、次いで、前記対象面に他方の液を塗付または滴下することにより対象面上をゲルで被覆するゲル化方法。
〔11〕 スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体を含む第1液またはポリアミンを含む第2液の一方を第1の対象面に塗付し、次いで、第2の対象面に他方の液を塗付または滴下した後、両者を接触させてゲル化させ第1と第2の対象面を接着させる接着方法。
【0017】
〔12〕 下記式(II):
【化19】
〔式中、
R1は、水素原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素または下記式(I):
【化20】
(式中、Yは置換されていてもよいアルキレンまたはカルバモイル基を表わす。
)で表わされるスクシンイミド含有基もしくは下記式(III):
【化21】
(式中、Yは上に定義した通りであり、R2は水素原子、金属原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)で表わされる基であり、
Xは、-OR1、−NHR1(式中、R1は上記定義と同じ。)またはカルバモイル基であり、
分子中のR1はそれぞれ同一でも異なってもよく、その少なくとも1個は前記式(II)のスクシンイミド含有基である。〕を繰り返し単位として含む糖鎖誘導体。
【0018】
〔13〕 鎖状多糖誘導体における前記Yが炭素数1乃至3のアルキレンまたは下記式(V):
【化22】
(式中、R3は水素原子または炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)で表わされる基である前記12に記載の糖鎖誘導体。
【0019】
〔14〕 下記式(VI):
【化23】
で表わされる繰り返し単位を有し、分子中における少なくとも1個のR4が下記式(VII):
【化24】
(式中、Yは置換されていてもよいアルキレンまたはカルバモイル基を表わし、R5は水素原子または金属原子である。)で表わされる糖鎖誘導体にN−ヒドロキシスクシンイミドを反応させることを含む糖鎖誘導体の製造方法。
〔15〕 反応が水性媒体中で行なわれ、反応後透析によって低分子量の不純物を除去する前記14に記載の糖鎖誘導体の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用組成物は、スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体成分とポリアミン成分とを含む材料であり、施用時において両成分を混合して反応硬化させ、接着等の機能を果たすものである。なお、本明細書において「接着」とは、解離した組織の接着や吻合だけでなく、組織の接着、接合、被覆、補強、封鎖等を含み、「接着材料」とはこのような意味で組織に接着してこれを保護するための材料を指す。
【0021】
(A)鎖状多糖誘導体
本発明で用いるスクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体成分は、1種の糖または複数の糖を繰り返し単位として含む概ね直線状の多糖において、糖の水酸基から誘導される側鎖にスクシンイミド残基を導入してなる。
糖は、鎖状の多糖を形成するものであれば限定されず、D−グルコース、D−マンノース、D−フルクトース、D−ガラクトース、D−キシロース、D−アラビノースまたはこれらの誘導体を含み、ホモ多糖またはヘテロ多糖のいずれでもよい。また、糖間の結合はα(1→4)、α(1→6)、β(1→4)などを含み、従って、分岐鎖を含んでもよいが、概ね直鎖状の、すなわち、明白に分子の長さ方向が定義され得る分子である。
【0022】
鎖状多糖誘導体成分は、好ましくは以下の化合物:
【化25】
を繰り返し単位として含む糖鎖であり、式中、R1が、以下の4群のいずれかの基である。
【0023】
(i)水素原子;
(ii)炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素および/または芳香族炭化水素;
(iii)下記式(I):
【化26】
(式中、Yは置換されていてもよいアルキレンまたはカルバモイル基を表わす。
)で表わされるスクシンイミド含有基;および
(iv)下記式(III):
【化27】
(式中、Yは上に定義した通りであり、R2は水素原子、金属原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)で表わされる基。
【0024】
第(i)群は、糖本来の水酸基である。
第(ii)群は、糖本来の水酸基をエーテル化またはエステル化したものであり、有用な種々の修飾を含む。脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素は特に限定されず、脂肪族炭化水素基は直鎖、分岐鎖、環状のいずれでもよく任意の不飽和基を含み得るが、(iii)群のスクシンイミド含有基の反応を妨害しないように炭素数1乃至30の鎖長が好ましい。これらの脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素は、生体中で有害な反応や分解を引き起こさない限りにおいて任意の置換基を有してもよく、化学的に可能であれば鎖内の炭素原子を置き換えたものをも含む。同様に、芳香環は複素環でもよい。こうした置換基の例としては、水酸基、オキシ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、メルカプト基、チオエーテル基などが含まれる。
【0025】
第(iii)群は本発明の接着作用に不可欠の基であり、従って、鎖状多糖誘導体成分中のR1の少なくとも1つは、第(iii)群のスクシンイミド含有基でなければならない。第(iv)群はその前駆体である。
【0026】
従って、第(iii)群および第(iv)群中のYは糖鎖の水酸基との反応性を有する化合物から誘導され、かつ、スクシンイミド基導入を妨害しない基である。こうした基としてはアルキレンまたはカルバモイル基が含まれる。アルキレンとしては、好ましくは炭素数1乃至30のアルキレン、より好ましくは炭素数1乃至20、さらに好ましくは炭素数1乃至10、最も好ましくは炭素数1乃至5のアルキレンである。カルバモイル基は、例えば、下記式で表わされる基である。
【化28】
【0027】
式中、R3は前記R2と同様に水素原子、金属原子または炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。
従って、好ましいスクシンイミド含有R1基の例としては、
【化29】
(式中、pは1〜5の整数)、
【化30】
で表わされる基が挙げられる。式中、R3は前記定義と同じであるが、−NHCH(R3)COO−が、いわゆる必須アミノ酸およびその慣用される誘導体に由来する基であることが望ましい。なお、ここでいう必須アミノ酸としては、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、チロシン、スレオニン、トリプトファン、セリン等が挙げられ、慣用されるその誘導体にはヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン等が挙げられる。
また、式(I)中、Xは、-OR1、−NHR1またはカルバモイル基であり、式中、R1およびカルバモイル基は上記定義と同様である。
【0028】
鎖状多糖誘導体は好ましくは下記式(IV)の糖鎖である。
【化31】
式中、R1およびXは前記定義の通りであり、nは3以上の整数である。Xの種類に応じて、セルロース誘導体(-OR1)、キトサン誘導体(−NHR1)またはキチン誘導体(カルバモイル基)である。
【0029】
(B)ポリアミン
ポリアミンは、分子中に2以上のアミノ基を有するものであり、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のポリアルキレンポリアミンも用い得るが、側鎖にアミノ基を有する次式:
【化32】
(式中、R4は、水素原子、炭素数1乃至10個のアルキル、フェニルまたはベンジル基であり、Zは単結合または炭素数1乃至10個のアルキレン、好ましくは炭素数1乃至6個のアルキレンであり、Aは単結合またはヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン、アルコキシ、アミノもしくはアリール基により置換されていてもよい炭素数1乃至10個のアルキレンまたはアルキレンにより結合された1個以上のオキシ基もしくはアミノ基を表わし、mは2以上の整数であり、R4、ZおよびAは上記単位ごとに異なっていてもよい。)が好ましい。なお、式(VI)のポリアミンにおいて末端基は水素原子またはメチル等のアルキル基である。
【0030】
このような化合物の例としては、R4が水素原子でありZが単結合でありAが単結合であるポリビニルアミン、R4が水素原子でありZがメチレンでありAが単結合であるポリアリルアミンが挙げられる。好ましくは分子量500以上、より好ましくは分子量1000〜8000程度、さらに好ましくは分子量2000〜5000程度のポリアリルアミンが用いられる。分子量が500未満ではゲル強度の増加に時間を要し接着材料としての性能が劣る。分子量が過大であると粘性が大きくなり取扱性が低下するという問題がある。
【0031】
(C)ゲル化反応
スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体を含む第1液またはポリアミンを含む第2液の一方を対象面に塗付し、次いで、前記対象面に他方の液を塗付または滴下してゲル状反応生成物を生じさせることによってゲル化させる重層塗布法が通常であるが、接着においては、接続または吻合すべき患部の一方に第1液(第2液)を塗布し、他方に第2液(第1液)を塗布する二面塗布法でもよい。または同時に上記2液を滴下する方法、あるいはスプレー法等の混合塗布法等も用い得る。
【0032】
スクシンイミド基含有鎖状多糖誘導体は、そのままでも用い得るが、一般に粘性が高いため希釈して用いてもよい。希釈に用いる溶媒は特に限定されないが、生体内での使用または生体組織との接触を考慮すると、水性溶媒、特に水や希エタノール等が好ましい。通常、1〜75質量%程度、好ましくは2〜60質量%、より好ましくは3〜30質量%、最も好ましくは4〜20質量%に希釈する。また、ポリアミンを含む第2液も、そのままで用い得るが、特に広い範囲に適用する場合には水性溶媒、特に水や希エタノール等で通常、1〜75質量%程度、好ましくは2〜60質量%、より好ましくは3〜30質量%、最も好ましくは4〜20質量%に希釈して用いることが好ましい。反応に害を及ぼさない範囲の任意の塩類を含んでもよく、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、カルボン酸塩等でpHを調節してもよい。好適pHは、中性域pH6.5〜7.7、より好ましくはpH7.3〜7.6である。
ゲル化反応は、基本的にはポリアミン分子中の複数のアミノ基が複数の多糖誘導体分子の端部カルボニル基(式(I)のYCO・・・におけるカルボニル基)と反応する架橋反応(この際、N−ヒドロキシスクシンイミドの脱離を伴う。)と考えられる。
【0033】
(D)製造方法
本発明の医療用組成物は、上記のように実質的にはスクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体成分とポリアミンとからなる。スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体成分は、スクシンイミド残基の好適タイプに応じて以下のようにして製造できる。
【0034】
すなわち、好ましいスクシンイミド含有R1基の例としては、
(a):
【化33】
(式中、pは1〜5の整数)で表わされる基と
(b):
【化34】
(式中、R3は前記定義と同じ。)で表わされる基が挙げられるが、(a)の場合、多糖の水酸基−OHの少なくとも1個を慣用の方法により−O(CH2)pCOOHに転換するか、市販のカルボキシル化多糖を用い、これをN−ヒドロキシスクシンイミドと反応させる。
【0035】
カルボキシル化多糖とN−ヒドロキシスクシンイミドとの間のエステル化反応は、一般的には水溶液中で行なうことができる。多糖とN−ヒドロキシスクシンイミドとの量比は、多糖に含有されるカルボキシル基の量によるが、通常、カルボキシル基に対して0.25モル以上のN−ヒドロキシスクシンイミドを用いる。
また、カルボキシル化多糖とN−ヒドロキシスクシンイミドとの間のエステル化反応は、好ましくは水溶性カルボジイミドの存在下に行なう。水溶性カルボジイミドの存在によりエステル化反応が顕著に促進される。
【0036】
本発明における水溶性カルボジイミドとしては、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド、またはこれらの塩酸塩もしくはスルホン酸塩等が好ましく使用できる。エステル化反応の反応時間は特に限定されないが、1分間〜3時間が好ましい。また、反応温度も特に限定されないが、0〜40℃が好ましい。水溶性カルボジイミドに加え、1−ヒドロキシルベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下に反応させることによりエステル化合物がさらに効率良く生成される。可溶性カルボジイミドおよび/または1−ハイドロキシルベンゾトリアゾール(HOBt)の添加量は等モル程度である。
【0037】
また、前記(b)の場合、種々の方法で製造可能であるが、典型的には、はじめに多糖の水酸基−OHの少なくとも1個を−OCONHCH(R3)COOR5(R3は前記定義と同じ。R5はR3と同様に定義される基である。)に転換して多糖アミノ酸カーバメート誘導体とした後、これを脱エステル化し、さらにN−ヒドロキシスクシンイミドとの間のエステル化させることが好ましい。
【0038】
多糖アミノ酸カーバメート誘導体の製造方法は、本発明者らによる特願2002-89565号に記載されている。すなわち、OCN−HCH(R3)COOR5で表わされるアミノ酸エステルイソシアナートを塩化リチウム等の存在下、多糖と反応させる。ここで、アミノ酸エステルイソシアナートはアラニンエステルイソシアナート等であり、アミノ酸部分は前記の通り種々の必須アミノ酸およびその慣用の誘導体を用いることができる。もっとも、多糖アミノ酸カーバメート誘導体の製造方法は、特願2002-89565号に記載の方法に限定されるものではない。
多糖アミノ酸カーバメート誘導体の脱エステル化反応は、例えば、希アルカリ水溶液中で希水酸化ナトリウム水溶液や希水酸化カリウム水溶液等を作用させて行なうことができる。脱エステル化反応後のカルボキシル化多糖とN−ヒドロキシスクシンイミドとの間のエステル化反応は、前記と同様であり、一般的には水溶液中で行なうことができる。多糖とN−ヒドロキシスクシンイミドとの量比は、多糖に含有されるカルボキシル基の量によるが、通常、カルボキシル基に対して0.25モル以上のN−ヒドロキシスクシンイミドを用いる。また、上記と同様に可溶性カルボジイミドおよび/または1−ヒドロキシルベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下に反応させることによりエステル化合物が効率良く生成される。
【0039】
後述の実施例および比較例に示すように、上記の製造方法で得たスクシンイミドエステル化多糖類はそのままではポリアミンと反応して良好なゲル化を示さない。ところが、スクシンイミドエステル化多糖類を透析することにより、ポリアミンとの反応が迅速に進行して接着剤として用い得ることが判明した。このようなスクシンイミドエステル化多糖類の透析によるポリアミンとの急速ゲル化反応は従来知られていない。
【0040】
透析は慣用の条件に従って行なうことができるが、例えば、透過分子量14000以下の透析膜を用いて、2時間〜3日間程度、好ましくは1〜2日間程度かけて行なうことが好ましい。特に好適な透析は、室温で蒸留水中、所定時間(例えば、1時間)おきに蒸留水を交換することで行なうことができる。
【0041】
(E)適用対象
本発明の医療用ゲル化材料は、前述の通り、組織の接着、接合、被覆、補強、封鎖、分離(癒着防止)などに広く用いることができる。組織は人体、動物の任意の組織を含み、さらに人工血管などの人工組織を含む。より具体的には、例えば、硬膜、腹膜、筋膜、胸膜の接着、骨あるいは軟骨の接着、実質臓器切開部の接着、皮膚の接着、神経吻合、微小血管吻合、腸管吻合、卵管吻合、植皮片あるいは創傷被覆保護材の貼付等の組織の接着を目的とした生体接着剤として用いることができる。また、本発明の医療用ゲル化材料は、血液、体液のような水分存在下においてもゲルを形成し、生体組織に対して高い接着性を示すので、実質臓器の微小血管からの出血、縫合時の縫合糸穴からの出血等の止血を目的とした止血材や、髄液、胆汁等の体液の漏出防止、鼓膜欠損の閉鎖、代用血管の閉鎖、肺手術後の空気漏れ穴の閉鎖、気管支の閉鎖、シャントチューブのシールを目的とした生体または医療材料の閉鎖材等として用いることができる。さらに外科手術によって分離された組織間の術後癒着の防止材としても有用である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、以下の例において「置換度」は、元素分析の結果から算出した糖鎖水酸基の置換度である。
【0043】
実施例1:カルボキシメチルセルロースコハク酸イミドエステルの合成
模式的に次式で示される反応によりカルボキシメチルセルロースコハク酸イミドエステルを製造した(なお、次式では、6位に誘導されたアセチル基が1/2エステル化されているが、これは説明の便宜上のためであり、必ずしもこの位置および割合で反応が進行することを示すものではない。)。
【0044】
【化35】
【0045】
カルボキシメチルセルロース(2.58g、置換度1.2、アルドリッチ)を水(40ml)に溶かし、N―ヒドロキシコハク酸イミド(1.16g、純正化学社製)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾル(1.35g、関東化学社製)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル−カルボジイミド)(1.5514g、ペプチド研究所製)を入れ室温で150分間撹拌した。反応終了後、生成物を透析膜(透過分子量14,000、三光純薬社製)にて2日間、蒸留水中で透析した。透析後、凍結乾燥しカルボキシメチルセルロースコハク酸イミドエステルを得た(2.07g)。生成物の溶解性を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
反応はIRスペクトルにより確認した。すなわち、生成物にはスクシンイミドのカルボニル基に対応する吸収(1660cm-1、1735cm-1)が新たに現れており、スクシンイミドが分子内に導入されたことを示している。
【0048】
(2)カルボキシメチルセルロースコハク酸イミドエステルとポリアリルアミンとによるゲル化
試料瓶中、実施例1で得られたカルボキシメチルセルロースコハク酸イミドエステル(0.1g)をリン酸緩衝溶液(2ml、pH7.4)に溶解させ、10質量%ポリアリルアミン水溶液(2ml、分子量15,000、日東紡製)を加えて撹拌した。添加後、瞬時にゲルが生成した。生成したゲルはほとんどの溶媒に不溶性である。得られたゲルについて含水率(乾量基準、すなわち、含水時質量/乾燥時質量×100)を測定した結果、130〜170%であった。
【0049】
実施例2
(1)セルロース(L−ロイシンエチルエステルカーバメート)の合成
特願2002-089565号記載の方法に準じてセルロース(L−ロイシンカーバメート)を製造した。
具体的には、セルロース(微結晶セルロース粉末(メルク社製))1gを塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド(脱水)の1/10(w/v)溶液45mlに加え、100℃で24時間撹拌した。これを室温まで冷却した後、L−ロイシンエチルエステルイソシアネート10gを加え、100℃で撹拌しながら48時間反応させた。冷却後、反応溶液を過剰量のアセトンに注ぎ入れて反応を停止した。元素分析の結果から置換度は1.6であった。
【0050】
(2)セルロース(L−ロイシンスクシンイミドカーバメート)の合成
(1)で合成したセルロース(L−ロイシンエチルエステルカーバメート)に2MNaOH水溶液を加え室温で24時間撹拌した。ろ過により不溶物を除いてセルロース(L−ロイシンカーバメート)を得た。
メタノール:蒸留水=2:1の混合溶媒(15ml)を入れたフラスコに上記セルロース(L−ロイシンカーバメート)(1.01g、置換度1.6)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(0.20g)を添加した。3時間後、蒸留水中で透過分子量約14000の透析膜を用いて透析した。2日間透析を行なった後、凍結乾燥を行ない、白色固体を得た(ポリマー収量1.11g)。得られたポリマーは、アルカリ性の水、メタノールに可溶性で、ジメチルスルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、クロロホルムに不溶であった。スクシンイミドの導入率は約50%であった。
反応は1H−NMRスペクトルにより確認した。1H−NMR(δ/ppm):4.10〜3.90(ロイシン不斉炭素のメチレン水素)、2.77(スクシンイミドのメチレン水素)、1.75〜1.44(ロイシンのメチレン水素及びメチン水素)、0.78(ロイシンのメチル水素)。
【0051】
(3)セルロース(L−ロイシンコハク酸イミドエステルカーバメート)とポリアリルアミンを用いたゲル化
置換度を1.00とした他は上記と同様に合成したセルロース(L−ロイシンスクシニルエステルカーバメート)0.1gとリン酸緩衝溶液(2mL,pH7.4)を試料管に入れ、ここへ10wt%ポリアリルアミン水溶液(1mL)を滴下した。瞬時に系内はゲル化した。得られた白色ゲルは蒸留水でよく洗浄し、真空オーブンで加熱乾燥した(収量0.12g)。生成物はほとんどの溶媒に不溶性であった。
【0052】
比較例1〜2
得られたカルボキシメチルセルロースコハク酸イミドエステルまたはセルロース(L−ロイシンスクシンイミドカーバメート)の透析を省略した他は実施例1または2と全く同様にゲル化を試みたが、混合物は1日以上放置してもゲル化しなかった。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に使用する多糖は天然多糖の誘導体および生体適合性の良い高分子のポリアミンである。この新しい糖鎖は医療材料として以下のような優れた素質を兼ね備えている。
1)入手が容易な物質から実用的なコストで再現性よく合成できる材料である。
2)原料や生成方法の選択によって物理的、化学的性質を広く制御できる。
3)安全な糖を用いているため、分解後の生成物の生物学的安全性面からも問題がない。
従って、本発明の医療用ゲル化材料は、感染の危険性をはらむ人・動物由来の材料を使用せずに既存の汎用医療材料、用具を製造する選択肢ができることによって、医療の安全向上に貢献する。
Claims (6)
- スクシンイミド残基を側鎖に導入した鎖状多糖誘導体が主要構造として下記式(II):
〔式中、R1は、水素原子、金属原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素または下記式(I):
(式中、Yは請求項1の定義と同じ。)で表わされるスクシンイミド含有基もしくは下記式(III):
(式中、Yは上に定義した通りであり、R2は水素原子、金属原子、炭素数1乃至30の置換されていてもよい脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を表わす。)で表わされる基であり、Xは、−OR1、−NHR1(式中、R1は上記定義と同じ。)またはカルバモイル基であり、分子中のR1はそれぞれ同一でも異なってもよいが、その少なくとも1個は前記式(I)のスクシンイミド含有基である。〕を繰り返し単位として含む糖鎖である請求項1に記載の医療用組成物。 - 鎖状多糖誘導体が、各繰り返し単位に平均0.01個以上の前記式(I)のスクシンイミド含有基を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の医療用組成物。
- ポリアミンが側鎖にアミノ基を有するポリアミンである請求項1乃至4のいずれかに記載の医療用組成物。
- 請求項1乃至5の医療用組成物の鎖状多糖誘導体とポリアミンとを混合して反応させて得られる医療用ゲル。
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