JP4396207B2 - 空調室内機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒を供給するために熱交換器に接続された補助冷媒配管を備えた空調室内機に関する。
従来から、ビルや住宅などの建物内において、空気調和された空気を室内に供給して建物内の快適性を向上させる空気調和装置が広く普及している。
このような空気調和装置は、室内機、室外機、冷媒配管、ドレンホースなど備えている。室内機は、空調対象となる室内の壁面上部に設置され、室内熱交換器や送風ファンを有している。室内熱交換器は、補助冷媒配管に接続され、接触する空気との間で熱交換を行わせる。送風ファンは、室内等から空気を取り込み室内熱交換器において熱交換された空気を室内に給気する。室外機には、圧縮機、四路切換弁、アキュムレータ、室外熱交換器などが設けられている。これらの機器により加熱または冷却された冷媒が、冷媒配管を介して室内機内の補助冷媒配管に供給され、この補助冷媒配管から室内熱交換器へ冷媒がl供給される。
冷媒配管は、室内機と室外機との間を行き来する冷媒を循環させるための配管である。補助冷媒配管は、室内機内部に設けられている冷媒配管の一部であって、室内熱交換器へその冷媒を供給する配管である。ドレンホースは、室内熱交換器などにおいて発生するドレン(結露水)を室外に排出するためのホースである。
補助冷媒配管は、例えば、特許文献1の図1および図2に示されているように、室内熱交換器の側方に設けられている。特に、冷媒の偏流や流動音の発生を防止するために形成される直線状の補助冷媒配管からなる直管部は、室内機の高さ方向に沿って形成されている。さらに、補助冷媒配管を室内熱交換器の直前で室内熱交換器に接続された複数の枝に分流する分流器も、室内熱交換気の側方に設けられている。
特開平8−313116号公報(平成8年11月29日公開) 特開2002−31365号公報(平成14年1月31日公開)
しかしながら、上記従来の空調室内機では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に記載された空調室内機では、上述のように、補助冷媒配管の直管部、分流器が室内熱交換器の側方に配置されている。
ここで、再熱ドライ方式の運転を行う空調室内機では、補助冷媒配管内に気液2層状態の冷媒が流れる。よって、分流器の上流側に位置する補助冷媒配管の直管部が所定の長さ以上ない場合には、冷媒の偏流や流動音の発生等の問題が生じるおそれがある。
上記従来の空調室内機においては、直管部が室内熱交換器の側方に配置されているため、直管部の長さを最大で空調室内機の縦幅までしかとることができない。これにより、補助冷媒配管の直管部の長さを十分に確保することが困難であることから、再熱ドライ方式の運転が行われると冷媒の偏流や流動音の発生等の問題が生じ易い。
本発明の課題は、冷媒の偏流および流動音の発生を抑制するとともに、熱交換器側方のスペースを有効活用できる空調室内機を提供することにある。
請求項1に記載の空調室内機は、空気調和された空気を室内に供給する空調室内機であって、室内に供給される空気と冷媒との間で熱交換を行わせる第1室内熱交換器及び第2室内熱交換器を有する熱交換器と、第1室内熱交換器と第2室内熱交換器との間に設けられた室内機電動弁と、室内機電動弁と第2室内熱交換器との間に接続された補助冷媒配管と、第2室内熱交換器に対して冷媒を供給する補助冷媒配管を枝分けする分流器と、を備えている。そして、分流器の上流側に接続された補助冷媒配管には直線状の直管部が形成されている。さらに、直管部と分流器とは熱交換器の背面側の空間に配置されている。
ここでは、補助冷媒配管に形成される直線状の配管である直管部を熱交換器の背面側に配置している。ここで、熱交換器の背面側の空間とは、横長形状のルームエアコン等の室内機の正面視における背面側の空間、換言すれば、壁に取り付けられた状態の室内機における熱交換器と壁取り付け面との間の空間をいう。直管部は、補助冷媒配管を複数の枝に分流するための分流器の上流側の補助冷媒配管の直線状の部分であり、主として冷媒の偏流や流動音の発生を防止するために形成されるものである。
従来の空調室内機においては、直管部は十分な長さを確保できればより効果的に冷媒の偏流や流動音の発生を防止できることがわかっていながら、室内機内部のスペースの関係で熱交換器の側方に配置されていた。しかし、このスペースでは直管部の長さは最大でも室内機の高さ分しか確保することができない。
そこで、本発明の空調室内機では、熱交換器の背面側のスペースに直管部および分流器を配置することで、最大で室内機の横幅方向における長さの直管部を形成することができる。このため、従来よりも直管部を長く形成することができ、冷媒の偏流や冷媒の流動音の発生を効果的に防止できる。さらに、従来、分流器や直管部が配置されていた熱交換器側方に空きスペースができるため、他の部品を熱交換器の側方に配置する、室内機を小型化する等、スペースの有効活用が可能になる。
請求項2に記載の空調室内機は、請求項1に記載の空調室内機であって、分流器には気液2層状態の冷媒が流れる。
いわゆる、再熱ドライ方式の冷凍サイクルにおいては、室内機の分流器に不安定な気液2層状態の冷媒が流れる。このため、補助冷媒配管の直管部が短い場合には、流動音が大きくなりやすい。
そこで、本発明の空調室内機では、直管部を熱交換器の背面側の空間に配置することで直管部の長さを大きく取れるため、再熱ドライ方式の冷凍サイクルで運転を行う空調室内機において、冷媒の流動音の発生を効果的に防止できる。
請求項3に記載の空調室内機は、請求項1または2に記載の空調室内機であって、直管部の長さは、前記直管部における配管径の約15倍以上である。
ここでは、配管径を基準にして、冷媒の流動音を防止するために最低限必要な直管部の長さを規定している。ここで、冷媒の流動音は直管部の配管径に依存する側面があることから、この配管径を基準にして直管部の長さを規定することで、冷媒流動音の発生を確実に防止することができる。
請求項4に記載の空調室内機は、請求項1から3のいずれか1項に記載の空調室内機であって、壁面への取り付け状態において左右方向に長い形状である。
ここでは、例えば、住宅用壁掛けルームエアコンの室内機に本発明を適用することができる。
請求項5に記載の空調室内機は、請求項4に記載の空調室内機であって、直管部の長さは、空調室内機の左右方向の長さの約1/3以上である。
ここでは、空調室内機の横幅を基準にして、冷媒の流動音の発生を防止するために必要な最低限の直管部の長さを規定している。このため、十分な長さの直管部を形成できるため冷媒の流動音の発生を確実に防止することができる。
請求項6に記載の空調室内機は、請求項1から5のいずれか1項に記載の空調室内機であって、熱交換器に室内空気を通過させるためのクロスフローファンをさらに備え、第2室内熱交換器は、クロスフローファンの上方後ろ半分を覆うように配置され、直管部と分流器とは、第2室内熱交換器の背面側に配置されている。
ここでは、補助冷媒配管の直管部や分流器を配置するスペースとして、熱交換器の上部背面側にできるスペースを利用することができる。本発明では、このような熱交換器を搭載した空調室内機において、補助冷媒配管の直管部や分流器を配置するための十分なスペースを確保できる。
請求項7に記載の空調室内機は、請求項1から6のいずれか1項に記載の空調室内機であって、略直方体形状である。
ここでは、本発明を略直方体形状の空調室内機に適用している。
通常、直方体形状にすると丸みを帯びた形状と比較して大きく見えやすい。しかし、省スペース化が可能な本発明の空調室内を適用することで、直方体形状であっても薄型で小型の空調室内機を提供できる。
請求項1に記載の空調室内機によれば、従来よりも直管部を長く形成することができ、冷媒の偏流や冷媒の流動音の発生を効果的に防止できる。さらに、分流器と直管部とが配置されていた熱交換器の側方に他の部品を配置する、熱交換器の側方の空いたスペースをなくして室内機を小型化する等、スペースの有効活用が可能になる。
請求項2に記載の空調室内機によれば、再熱ドライ方式の冷凍サイクルで運転を行う空調室内機において、冷媒の流動音の発生を効果的に防止できる。
請求項3に記載の空調室内機によれば、配管径を基準にして直管部の長さを規定することで、冷媒流動音の発生を確実に防止することができる。
請求項4に記載の空調室内機によれば、例えば、住宅用壁掛けルームエアコンの室内機に本発明を適用することができる。
請求項5に記載の空調室内機によれば、十分な長さの直管部を形成できるため冷媒の流動音の発生を確実に防止することができる。
請求項6に記載の空調室内機によれば、補助冷媒配管の直管部や分流器を配置するための十分なスペースを確保できる。
請求項7に記載の空調室内機によれば、直方体形状であっても薄型で小型の空調室内機を提供できる。
<空気調和装置の全体構成>
本発明の一実施形態に係る室内機(空調室内機)2を備えた空気調和装置1の外観を図1に示す。
この空気調和装置1は、調和された空気を室内に供給するための装置である。空気調和装置1は、室内の壁面などに取り付けられる略直方体形状の室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。
室内機2内には、後段にて説明する室内熱交換器20が収納され、室外機3内には室外熱交換器30が収納されている。また、各熱交換器20,30が図1に示す冷媒配管4によって接続されることにより、図2に示す冷媒回路が構成されている。
<空気調和装置の冷媒回路の概略構成>
空気調和装置1の冷媒回路の構成を図2に示す。この冷媒回路は、再熱ドライ(除湿)方式の冷媒回路であって、主として室内熱交換器20、室外熱交換器30、アキュムレータ31、圧縮機32、四路切換弁33および電動膨張弁34で構成される。
室内機2に設けられている室内熱交換器20は、第1室内熱交換器20a、第2室内熱交換器20bとから構成されている。そして、第1室内熱交換器20aと第2室内熱交換器20bとの間には室内機電動弁26が設けられている。また、図3に示すように、第1室内熱交換器20aは、クロスフローファン21の上方の前半分を覆うように配置されている。第2室内熱交換器20bは、クロスフローファン21の前方を覆う部分と上方の後半分を覆う部分とに分かれて配置されている。そして、図示しない搬送空気吹き出し口が、第1室内熱交換器11aの前方に設けられている。また、室内機2には、室内空気を吸い込んで室内熱交換器20に通し熱交換が行われた後の空気を室内に排出するためのクロスフローファン21が設けられている。このクロスフローファン21は、長細い円筒形状に構成され、中心軸が水平方向に平行になるように配置されている。クロスフローファン21は、室内機2内に設けられる室内ファンモータ22によって中心軸を中心にして回転駆動される。
室外機3には、圧縮機32と、圧縮機32の吐出側に接続される四路切換弁33と、圧縮機32の吸入側に接続されるアキュムレータ31と、四路切換弁33に接続された室外熱交換器30と、室外熱交換器30に接続された電動膨張弁34とが設けられている。
電動膨張弁34は、フィルタ35および液閉鎖弁36を介して配管41に接続されており、この配管41を介して室内熱交換器20の一端と接続される。四路切換弁33は、ガス閉鎖弁37を介して配管42に接続されており、この配管42を介して室内熱交換器20の他端と接続されている。なお、配管41、42は、図1の冷媒配管4に相当する。
また、室外機3には、室外熱交換器30での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン38が設けられている。このプロペラファン38は、室外ファンモータ39によって回転駆動される。
<室内機の構成>
室内機2は、図1に示すように、正面視において横方向に長い形状であって、略直方体形状の外観を有しており、従来よりも薄型化されている。また、室内機2は、図3に示すように、主として、熱交換器ユニット5、上部ケーシング6、下部ケーシング7、前面パネル8およびクロスフローファン21を含む送風ユニットによって構成されている。
以下、図3および図4に示す室内機2の断面図を参照して、室内機2の各構成について説明する。
室内熱交換器ユニット5は、室内熱交換器20、補助配管(補助冷媒配管)27等によって構成されている。室内熱交換器20は、クロスフローファン21の円周面に対向して配置されており、クロスフローファン21の前方および上方を取り囲むように取り付けられている。室内熱交換器20は、クロスフローファン21が回転することにより、図4に示す吸い込み口23a,23bから吸い込まれた空気をクロスフローファン21側に通過させ、伝熱管の内部を通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。また、室内熱交換器20の直下には、ドレンパン24a,24bが設けられている。ドレンパン24a,24bは、室内熱交換器20を流れる冷媒と空気調和される空気との間で行われる熱交換によって室内熱交換器20の表面に発生する水滴を集めてドレン水として屋外へ排出する。
補助配管27は、室内熱交換器20と室内機2の外部にある冷媒配管4とを繋ぐ。この補助配管27には、室内熱交換器20と室外熱交換器30との間を循環する冷媒が流れている。なお、この補助配管27の配置については後段にて詳述する。
上部ケーシング6は、室内機2の上部を覆うとともに、室内機2の外郭を構成している。また、上部ケーシング6は、上述したドレンパン24aと一体成形されている。
下部ケーシング7は、室内機2の下部を覆うとともに、室内機2の外郭を構成している。また、下部ケーシング7は上述したドレンパン24bと一体成形されている。そして、下部ケーシング7には、上方からクロスフローファン21等を含む送風ユニット、電装品箱50、室内熱交換器20を含む室内熱交換器ユニット等が取り付けられて、これらを下方から支持する。
前面パネル8は、上部パネル8a、下部パネル8bおよびカバー8cとで構成されている。上部パネル8aは、空調室内機2が運転状態になると、図4に示すように前方に移動する。一方、下部パネル8bは上方向に移動してカバー8cの中に収納される。これにより、吸い込み口23a,23bと吹き出し口25とを形成することができる。
ここで、上記下部ケーシング7の構成について、さらに詳しく説明すれば以下の通りである。
下部ケーシング7は、外面部71、スクロール72および水平フラップ(風向調整板)73等によって構成されている。
外面部71は、正面視において室内機2の外面として視野に現れる部分であり、上端が室内機2の前側に傾斜するように配置されている。また、外面部71には、室内機2の長手方向に沿う開口からなる吹き出し口25が設けられている。この吹き出し口25は、図4に示すように、クロスフローファン21が収納されている内部の空間に連通しており、クロスフローファン21によって生成された空気流は前面パネル8(下部パネル8b)の移動と後述する水平フラップ73の回動によって形成された吹き出し口25を通って室内へと吹き出す。また、吹き出し口25には、室内へと吹き出される空気の吹き出し方向を決定する水平フラップ73が設けられている。
スクロール72は、クロスフローファン21によって吹き上げられた空気を吹き出し口25まで誘導する。
水平フラップ73は、略直方体形状の室内機2の下面側に配置されており、室内機2の長手方向に平行な軸を中心に回動自在に設けられている。この水平フラップ73は、フラップモータ(図示せず)によって回転駆動されることにより、空気調和された空気の上下方向における吹き出し角度を調整する。
<補助配管>
補助配管27は、室内機2内部に引き込まれた冷媒配管4の一部であって、図5および図6に示すように、室内熱交換器20に冷媒を供給する。また、補助配管27は、図6に示すように、分流器28を介して複数の枝葉補助配管27bに枝分かれして室内熱交換器20に冷媒を供給する。さらに、補助配管27は、図5および図6に示すように、分流器28の上流側に長さxの直管部27aを有している。ここでは、直管部27aの長さxは、室内機2の横幅の約1/3の長さになるように形成されている。
分流器28は、室外機3の室外熱交換器30から冷媒配管4を介して送られた冷媒を1本の補助配管27から複数の枝葉補助配管27bに分流する。これにより、室内熱交換器2に対して複数の配管から冷媒を供給することができる。
本実施形態の室内機2では、特に、この補助配管27と分流器28とが室内熱交換器20の背面側、つまりクロスフローファン21の上方後ろ半分を覆うように配置された室内熱交換器20bと室内機2を構成するフレームの壁面取り付け側との間のスペースSに配置されている。
<再熱ドライ運転時の制御>
本実施形態の室内機2におけるドライ運転時には、室内熱交換器20の一部を凝縮器、他の部分を蒸発器として機能させて室内を除湿する第2再熱制御を行う。すなわち、四路切換弁33を図2に示す実線の位置に設定し、電動弁34を全開にして、室内機電動弁26を絞って圧縮機32を起動する。圧縮機32から吐出される高圧冷媒は、室外熱交換器30、電動弁34を介して第1室内熱交換器20aに流入する。そして、第1室内熱交換器20aで凝縮された冷媒は、室内機電動弁26で減圧される。減圧された低圧冷媒は、第2室内熱交換器20bで蒸発した後、四路切換弁33、アキュムレータ31を介して圧縮機32に戻る。このとき、第1室内熱交換器20aでは、冷媒が凝縮するため室内空気は加熱され、第2室内熱交換器20bでは、冷媒が蒸発するため室内空気を冷却、除湿される。
室内機2では、上記の第2再熱制御と併せて第1再熱制御が行われる。従って、室内機2では、第1室内熱交換器20aの前方に配置された搬送空気吹出し口から高温空気が吹き出す。すなわち、第1室内熱交換器20aを通る空気流の第1室内熱交換器20aより上流側に高温空気が吹き出す。このため、高温空気は、室内から取り込まれた空気の一部と共に、凝縮器として機能している第1室内熱交換器20aを通る際に加熱される。また、室内から取り込まれた他の空気は、蒸発器として機能している第2室内熱交換器20bを通る際に冷却されて除湿される。第1室内熱交換器20aを通って加熱された空気と第2室内熱交換器20bを通って除湿された除湿空気とは、混合されて室内機2から吹き出し、室内へと供給される。これにより、室温を落とさずに室内空気の除湿だけを行うことができる。
[本実施形態の空調室内機の特徴]
(1)
本実施形態の室内機2は、分流器28の上流側に接続された補助配管27が直線状の直管部27aを有しており、この直管部27aと分流器28とが室内熱交換器20の背面側のスペースSに配置されている。
通常、補助配管27は、冷媒の流動音等の発生を防止するために、できるだけ直線部分を長く確保する必要がある。このため、直線状部分を長く取れるスペースとして、従来は分流器等とともに室内熱交換器20の側方、つまり室内機の正面から見て室内熱交換器20の右横のスペースを利用していた。しかし、壁掛け式のルームエアコン等の室内機2は、通常、横長形状であるため縦幅は比較的短くなる。このため、冷媒の流動音の発生等を防止するために十分な長さの直管部27aが形成されているとは言い難い。特に、本実施形態のような再熱ドライ方式の運転を行う室内機2では、分流器28内を気液2層の不安定な状態の冷媒が流れることになるため、流動音が発生しやすい。
そこで、本実施形態の室内機2では、直管部27aおよびこれに接続された分流器28の配置スペースとして、室内機2の正面から見て室内熱交換器20の背面側のスペースSを使用している。これにより、通常は横長形状の室内機2の長手方向に沿って直管部27aを配置することができるため、冷媒の偏流や流動音の発生等を効果的に防止できるだけの十分な長さの直管部27aを形成することができる。
(2)
本実施形態の室内機2は、再熱ドライ方式の運転を行う。この再熱ドライ方式の運転では、直管部27aや分流器28に流れる冷媒が気液2層が混合した不安定な状態となっている。このため、通常の冷凍サイクルで運転を行う室内機2と比較して冷媒の流動音等の問題が発生しやすい。
そこで、本実施形態の室内機2では、直管部27aや分流器28を室内熱交換器20の背面側のスペースSに配置して十分な長さの直管部27aを形成しているため、再熱ドライ方式の冷凍サイクルで運転を行う室内機であっても、容易に冷媒の流動音等の発生を効果的に防止できる。
(3)
本実施形態の室内機2は、直管部27aの長さが室内機2の全幅の約1/3になっている。
これにより、例えば、再熱ドライ方式の冷凍サイクルを採用した室内機であっても、冷媒の流動音等の発生を防止できるだけの十分な長さの直管部27aを形成することができる。
(4)
本実施形態の室内機2は、断面形状が逆V字型となる室内熱交換器20を備えている。
このため、室内機2内部における逆V字型の室内熱交換器20の頂点の両側には、大きなスペースができることになる。特に、室内熱交換器20は横長形状の室内機2の内部に沿って配置されているため、このスペースの最大長さはほぼ室内機2の全幅に相当する。
これにより、この長細いスペースを直管部27a等の配置スペースとして利用することができるため、冷媒の流動音等の発生を効果的に防止した室内機2を提供できる。
(5)
本実施形態の室内機2は、略直方体形状のケーシングに各構成部材が収納されている。
通常、直方体形状の室内機を形成した場合には、一般的な丸みを帯びた室内機と比較して大きく見えやすいという欠点がある。しかし、本実施形態の室内機2では、直管部27a、分流器28を室内熱交換器20の背面側のスペースSに配置している。このため、従来、直管部27a等が配置されていた室内熱交換器20横のスペースが空くことになる。よって、このスペースの分だけ室内機2を小型化することで、大きく見えやすい略直方体形状の室内機であっても、ユーザに大きいと感じさせないで提供することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、直管部27aの長さが室内機2の全幅の約1/3である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、直管部27aの径の15倍以上の長さの直管部であれば、上記と同様に、冷媒の流動音の発生等を効果的に防止できる。
(B)
上記実施形態では、再熱ドライ方式の冷凍サイクルによる運転を行う室内機2を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通常の冷凍サイクルによる運転を行う室内機2にであっても、冷媒の流動音等の発生を効果的に防止できる。
ただし、上述した再熱ドライ方式の運転を行う室内機2の場合には、特に、分流器28を流れる冷媒が気液2層の不安定な状態であることから流動音が発生しやすい。このため、上記実施形態のように、再熱ドライ方式の運転を行う室内機2に本発明を適用した場合には、冷媒の流動音等の問題を容易に解決できるためより好ましい。
本発明は、再熱ドライ方式の運転を行う空調室内機等のように、補助冷媒配管において冷媒の流動音が発生しやすい構造の空調室内機に対して適用可能である。
本実施形態の空調室内機を備えた空気調和装置を示す斜視図。 図1の空気調和装置における再熱除湿方式の冷媒回路を示す概略図。 図1の空調室内機の内部の構成を示す断面図。 図3の空調室内機の冷房運転中における状態を示す断面図。 本実施形態の空調室内機における補助配管の配置について室内機内部の構成を示す斜視図。 図5の平面図。
2 室内機(空調室内機)
3 室外機
5 熱交換器ユニット
6 上部ケーシング
7 下部ケーシング
8 前面パネル
8a 上部パネル
8b 下部パネル
8c カバー
20 室内熱交換器
21 クロスフローファン
22 ファンモータ
23a 吸い込み口
23b 吸い込み口
24a ドレンパン
24b ドレンパン
25 吹き出し口
26 室内機電動弁
27 補助配管(補助冷媒配管)
27a 直管部
27b 枝葉補助配管
28 分流器
30 室外熱交換器
31 アキュムレータ
32 圧縮機
33 四路切換弁
34 電動膨張弁
71 外面部
73 水平フラップ(風向調整板)
S スペース(熱交換器の背面側の空間)

Claims (7)

  1. 空気調和された空気を室内に供給する空調室内機(2)であって、
    前記室内に供給される空気と冷媒との間で熱交換を行わせる第1室内熱交換器(20a)及び第2室内熱交換器(20b)を有する熱交換器(20)と、
    前記第1室内熱交換器(20a)と前記第2室内熱交換器(20b)との間に設けられた室内機電動弁(26)と、
    前記室内機電動弁(26)と前記第2室内熱交換器(20b)との間に接続された補助冷媒配管(27)と、
    前記第2室内熱交換器(20b)に対して冷媒を供給する補助冷媒配管(27)を枝分けする分流器(28)と、
    を備え、
    前記分流器(28)の上流側に接続された補助冷媒配管(27)には直線状の直管部(27a)が形成されており、
    前記直管部(27a)と前記分流器(28)とは、前記熱交換器(20)の背面側の空間(S)に配置されている空調室内機(2)。
  2. 前記分流器(28)には気液2層状態の冷媒が流れる、
    請求項1に記載の空調室内機(2)。
  3. 前記直管部(27a)の長さは、前記直管部(27a)における配管径の約15倍以上である、
    請求項1または2に記載の空調室内機(2)。
  4. 壁面への取り付け状態において左右方向に長い形状である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の空調室内機。
  5. 前記直管部(27a)の長さは、前記左右方向の長さの約1/3以上である、
    請求項4に記載の空調室内機(2)。
  6. 前記熱交換器(20)に室内空気を通過させるためのクロスフローファン(21)をさらに備え、
    前記第2室内熱交換器(20b)は、前記クロスフローファン(21)の上方後ろ半分を覆うように配置され、
    前記直管部(27a)と前記分流器(28)とは、前記第2室内熱交換器(20b)の背面側に配置されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の空調室内機(2)。
  7. 略直方体形状である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の空調室内機(2)。
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