本発明に係る排気ガス浄化装置の管理装置は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスをフィルタに通過させることで排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集する排気ガス浄化装置を管理するための管理装置に関する。
そして、本発明に係る排気ガス浄化装置の管理装置は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。即ち、本発明は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明の排気ガス浄化装置の管理装置における第1の特徴は、前記フィルタによる前記パティキュレートの捕集量に関する捕集量データを取得する捕集量データ取得手段と、予め設定された所定の単位期間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手段で計測される前記単位期間毎の前記捕集量データの最小値及び最大値を記憶する記憶手段と、前記捕集量データが新たに取得されたときに、その新たに取得された捕集量データと前記記憶手段に記憶されている捕集量データの最小値とを、前記単位期間内において比較してそのうちの値の小さい方を最小値と判断する最小値判断手段と、前記捕集量データが新たに取得されたときに、その新たに取得された捕集量データと前記記憶手段に記憶されている捕集量データの最大値とを、前記単位期間内において比較してそのうちの値の大きい方を最大値と判断する最大値判断手段と、前記記憶手段に記憶されている捕集量データの最小値を、前記最小値判断手段で最小値と判断された捕集量データに更新する最小値更新手段と、前記記憶手段に記憶されている捕集量データの最大値を、前記最大値判断手段で最大値と判断された捕集量データに更新する最大値更新手段と、を備えていることである。
この構成によると、捕集量データが取得されたときに、その取得した捕集量データを所定の単位期間内において既に記憶されている最小値データと比較して、そのうちの値の小さい方のみが最小値データとして記憶されることになる。また、捕集量データが取得されたときに、その取得した捕集量データを所定の単位期間内において既に記憶されている最大値データと比較して、そのうちの値の大きい方のみが最大値データとして記憶されることになる。このため、所定の単位期間毎の捕集量データの最小値及び最大値のデータを簡易な構成で容易に得ることができる。所定の単位期間毎の捕集量データの最小値及び最大値が把握できれば、フィルタ使用状況に対する再生の頻度やタイミング等は適切であるか、再生しても十分に回復していない状態になっておりフィルタの交換時期が近づいてはいないか、パティキュレートの捕集は適切に行われているか、などといった観点からの判断を行うにあたり必要なデータを無駄なく取得することができる。即ち、フィルタが効率よく使用されているかどうかを判断するためにフィルタの使用状況や再生状況を長期的に把握したい場合に、必要なデータを容易に且つ効率よく管理することができる。そして、記憶容量も少なくてすむとともにデータの処理も容易な排気ガス浄化装置の管理が可能となる。
本発明の排気ガス浄化装置の管理装置における第2の特徴は、前記記憶手段は、前記捕集量データ取得手段によって前記単位期間内において最初に取得される前記捕集量データを、当該単位期間における最小値の初期値として記憶するとともに、当該単位期間における最大値の初期値としても記憶することである。
この構成によると、所定の単位期間内において最初に取得される捕集量データをそのまま捕集量データの最小値及び最大値の初期値として用いるため、データの処理を容易且つ円滑に行うことができる。
この構成によると、一日毎の単位で捕集量データの最小値及び最大値のデータを簡易な構成で容易に得ることができる。一日単位で作業状況が管理されているような場合には、排気ガス浄化装置のフィルタの再生処理も一日単位で行われることが多いが、このような場合において、フィルタが効率よく使用されているかどうかを判断するためにフィルタの使用状況や再生状況を長期的に把握したい場合に、必要なデータを容易に且つ効率よく管理することができる。
本発明の排気ガス浄化装置の管理装置における第4の特徴は、前記記憶手段に記憶された前記単位期間毎の前記捕集量データの最小値及び最大値のデータを当該単位期間と対応付けて端末装置に送信するための通信手段を更に備えていることである。
この構成によると、管理装置とは別途備えられる端末装置において、所定の単位期間毎の捕集量データの最小値及び最大値のデータを把握することができる。従って、遠隔地において複数の排気ガス浄化装置に関するデータを収集することにより集中的に各排気ガス浄化装置のフィルタの使用状況や再生状況を判断するためのデータを管理することができる。また、必要に応じて個々の排気ガス浄化装置のフィルタの使用状況や再生状況を判断するためのデータを管理することもできる。
また、本発明に係る排気ガス浄化装置の管理システムは、ディーゼルエンジンにより駆動されるディーゼル車両における当該ディーゼルエンジンから排出される排気ガスをフィルタに通過させることで排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集する排気ガス浄化装置を有するディーゼル車両に備えられる前述の管理装置であってその第4の特徴を備える管理装置と、前記端末装置とを備える管理システムに関する。
そして、本発明に係る排気ガス浄化装置の管理システムは、前述の目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。即ち、本発明は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
前述の目的を達成するための本発明の排気ガス浄化装置の管理システムにおける第1の特徴は、前記端末装置は、前記通信手段から送信されたデータに基づいて、前記捕集量データの最小値及び最大値が前記単位期間毎に順番に並ぶようにグラフィック表示する画面が、ディスプレイに表示されるように制御する表示制御手段を備えていることである。
この構成によると、端末装置によって、管理装置から送信された捕集量データの最小値及び最大値が所定の単位期間毎に順番に並ぶようにグラフィック表示される。このため、効率よく管理された所定のデータに基づいて、端末装置を介して、排気ガス浄化装置のフィルタの使用状況や再生状況を長期的に把握でき、フィルタが効率よく使用されているかどうかを容易に判断することができる。
本発明の排気ガス浄化装置の管理システムにおける第2の特徴は、前記時間計測手段は、更に、前記ディーゼルエンジンが作動しているエンジン作動時間を前記単位期間毎に積算するように計測し、前記記憶手段は、前記時間計測手段で計測される前記単位期間毎の前記エンジン作動時間を更に記憶し、前記通信手段は、前記記憶手段に記憶された前記単位期間毎の前記エンジン作動時間のデータを当該単位期間と対応付けて端末装置に更に送信し、前記表示制御手段は、前記通信手段から送信されたデータに基づいて、前記エンジン作動時間も前記単位期間毎に順番に並んで前記画面に更に表示されるように制御することである。
この構成によると、端末装置によって、捕集量データの最小値及び最大値が所定の単位期間毎に順番に並ぶようにグラフィック表示されるとともに、エンジン作動時間も所定の単位期間毎に順番に並んで表示される。このため、端末装置を介して、排気ガス浄化装置のフィルタの使用状況や再生状況と、エンジン作動時間とを対比させて把握することができる。即ち、エンジン作動時間に比して捕集量が多すぎるような場合であれば、エンジンオイルが異常燃焼していることを把握することができる。
この構成によると、複数のディーゼル車両の運転がそれぞれ個別に行われている場合であっても、各ディーゼル車両の排気ガス浄化装置における所定の単位期間毎の捕集量データの最小値及び最大値データを端末装置にて一括して把握することができる。従って、複数のディーゼル車両の各排気ガス浄化装置のフィルタが効率よく使用されているかどうかを判断するためのデータを容易に且つ効率よく管理することができる。また、複数のディーゼル車両についてのデータを比較することにより、各ディーゼル車両毎の排気ガス浄化装置の使用状況や再生状況にムラが生じないように平準化するための判断材料を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の実施形態に係る排気ガス浄化装置の管理装置、及び排気ガス浄化装置の管理システムは、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスをフィルタに通過させることで排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集する排気ガス浄化装置を管理する場合に、広く適用することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る排気ガス浄化装置の管理システム2(以下、単に管理システム2ともいう)について、ディーゼルエンジンにより駆動されるディーゼル車両の例示であるフォークリフト1とともに示した模式図である。フォークリフト1は、昇降自在に設けられるフォーク1aを備えており、フォーク1aに荷を載置した状態で走行して荷の搬送作業を行う。フォークリフト1の走行動作及び各種荷役動作は、ディーゼルエンジン14からの動力で駆動されることにより、又はディーゼルエンジン14と連結されてディーゼルエンジン14の駆動により油圧を発生させる図示しない油圧ポンプから供給される油圧で駆動されることにより制御される。また、このフォークリフト1は、ディーゼルエンジン14とともに、排気ガス浄化装置(DPF:Diesel Particulate Filter)15を備えている。
排気ガス浄化装置15は、ディーゼルエンジン14から排出される排気ガスを後述するフィルタ(図3参照)に通過させることでその排気ガス中に含まれるパティキュレート(排気ガス中における黒煙・すすなどの微粒子成分)を捕集するものである。そして、この排気ガス浄化装置15は、例えば、フォークリフト1による一日の作業が終了した終業後の夜間や、昼休みの作業休憩の時間などに、フィルタに捕集されたパティキュレートが燃焼されることで、フィルタの再生が行われる。
また、図1に示すように、フォークリフト1には、DPFコントローラ16と、ディスプレイ13と、管理システム2に備えられる排気ガス浄化装置の管理装置3(以下、単に管理装置3ともいう)とが備えられている。DPFコントローラ16は、排気ガス浄化装置15におけるフィルタの再生処理のための作動(フィルタに捕集されたパティキュレートの燃焼動作)を制御するとともに、排気ガス浄化装置15の状態等を検出する後述の各種センサからの検出値に基づいて、フィルタによるパティキュレートの捕集量を推定する演算を行う。そして、この演算結果に基づいて、フィルタによるパティキュレートの捕集量に関する捕集量データをディスプレイ13に対して随時出力する。また、DPFコントローラ16は、管理装置2に対しても捕集量データを随時出力する。
ディスプレイ13は、例えばLED表示器や液晶表示器などの表示手段を備えて構成されており、DPFコントローラ16から入力された捕集量データを所定の形式で表示する。これにより、フォークリフト1の運転者である作業者に対して、捕集量データが随時ガイダンスされることになる。図2は、ディスプレイ13における捕集量データの表示例を示したものであり、ディスプレイ13における表示パネル19を例示したものである。表示パネル19は、フィルタによるパティキュレートの捕集状態をデザインした図柄が表示された図柄部分20と、図柄部分20に対応させて配置されたランプ部分21とを備えている。ランプ部分21は、複数(図2では7個の場合を例示)の表示ランプ21aを有しており、各表示ランプ21aは、捕集量データの値に応じて点灯されるようになっている。捕集量データは、例えば、捕集量に比例する1〜7の7段階のレベルデータ(捕集量がほぼゼロ、即ちフィルタにほとんどパティキュレートが捕集されていないレベル「0」も含めると、0〜7の8段階のレベルデータ)として、各表示ランプ21aが点灯又は消灯していることで表示される。図2において図柄部分20の三角マークの角度が広がる方向に向かって(図中右側に向かって)並んで配置される表示ランプ21aの1個ずつが捕集量の7段階のうちの各レベルを表示しており、この図2では、レベルデータ1からレベルデータ5に対応する5個の表示ランプ21aが点灯(図中網掛けで示した部分が、点灯している表示ランプ21aを示す。)しているレベル「5」の捕集量状態を図示している。なお、レベル「7」の捕集量状態では、再生処理を行わないで使用し続けると過捕集状態となってパティキュレートがほとんど捕集できなくなってしまう状態となる。
図1において、管理システム2は、フォークリフト1に備えられる管理装置3と、この管理装置3と通信可能な端末装置4とを備えている。管理装置3は、排気ガス浄化装置15を管理するための本実施形態に係る排気ガス浄化装置の管理装置を構成しており、情報端末11と無線通信機(移動局)12とを備えている。情報端末11は、DPFコントローラ16と接続されており、このDPFコントローラ16から前述した捕集量データが入力されるようになっている。そして、その入力された捕集量データに基づいて、後述するように、所定の単位期間毎の捕集量データの最小値及び最大値を記憶するようになっている。無線通信機12は情報端末11に接続されており、情報端末11は、この無線通信機12を介して、捕集量データの最小値及び最大値を端末装置4に送信できるようになっている。
また、端末装置4は、管理コンピュータ17と無線通信機(固定局)18とを備えている。無線通信機18は管理コンピュータ17に接続されており、管理コンピュータ17は、無線通信機12・18を介して情報端末11と無線通信可能になっている。この管理コンピュータ17は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどで構成されている。
ここで、排気ガス浄化装置15について説明する。図3は、排気ガス浄化装置15をディーゼルエンジン14やDPFコントローラ16などとともに示したブロック図である。排気ガス浄化装置15は、フィルタ収容ケース22、フィルタ23、及びヒータ24を備えている。フィルタ収容ケース22の一方の端部(上流側端部)22aには、ディーゼルエンジン14の排気主管33と送気用枝管34とが接続されている。これにより、ディーゼルエンジン14の排気ガスが排気主管33を介してフィルタ収容ケース22内に誘導され、送気用枝管34を介してフィルタ再生処理の際の給気が行われる。また、フィルタ収容ケース22の他方の端部(下流側端部)22bには、尾管36が接続され、浄化された排気ガスが外部に排出されるようになっている。
フィルタ23は、フィルタ収容ケース22内に収容されている。そして、セラミックハニカムフィルタで構成され、コージェライトなどを素材として円柱形状に焼成されることで形成されている。フィルタ23は、その両端面を貫通する多数の通気孔を備えており、互いに隣接する通気孔のうちの一方の通気孔は上流端側(端部22a側)で封栓され、他方の通気孔は下流端側(端部22b側)で封栓されている。このため、排気主管33からフィルタ収容ケース22内に誘導された排気ガスは、互いに隣接する通気孔の間の多孔性隔壁を通過することになり、パティキュレートだけが下流端側が封栓された通気孔と多孔性隔壁とに捕集されることになる。
また、ヒータ24もフィルタ収容ケース22内に収容されている。そして、ヒータ24は、ニクロム線を素材とする電熱抵抗体で構成され、DPFコントローラ16と接続されており、このDPFコントローラ16を介して給電されて加熱されるようになっている。このヒータ24は、フィルタ収容ケース22内においてフィルタ23の上流側(端部22a側)に配置されている。なお、ヒータ24とフィルタ23との間で区画される上流側室22cには、この上流側室22c内の温度を検出する温度センサ25が取り付けられている。温度センサ25はDPFコントローラ16と接続されており、温度センサ25での検出信号がDPFコントローラ16に入力されるようになっている。
送気用枝管34には、電磁弁26、エアフローメータ27、及びエアポンプ28が直列に接続されるとともに、フィルタ31を介して圧力ホース35が分岐するように接続されている。そして、圧力ホース35の先端には圧力センサ30が接続され、これにより、送気用枝管34を介して連通しているフィルタ23の上流側における排気ガスの圧力を検出できるようになっている。圧力センサ30はDPFコントローラ16に接続されており、圧力センサ30での検出信号がDPFコントローラ16に入力されるようになっている。また、エアポンプ28はモータ29により駆動されるようになっており、モータ29にはDPFコントローラ16を介して給電が行われるようになっている。
また、電磁弁26、エアフローメータ27、及びディーゼルエンジン14に設けられているエンジン回転センサ32も、DPFコントローラ16に接続されている。これにより、DPFコントローラ16からの指令に基づいて電磁弁26の開閉制御が行われるようになっている。そして、送気用枝管34を通じて供給される空気の流量がエアフローメータ27で検出されるとともにその検出信号がDPFコントローラ16に入力されるようになっている。また、エンジン回転センサ32で検出されたディーゼルエンジン14の回転数の検出信号もDPFコントローラ16に入力されるようになっている。なお、DPFコントローラ16は、バッテリ37から給電されるようになっている。
排気ガス浄化装置15では、ディーゼルエンジン14から排出される排気ガスが排気主管33を介してフィルタ収容ケース22内に誘導され、上述のようにフィルタ23でパティキュレートが捕集される。そして、フィルタ2を通過して浄化された排気ガスが尾管36から排出されることになる。そして、ディーゼルエンジン14が作動して排気ガス浄化装置15が排気ガス浄化処理を行っている間(パティキュレート捕集中)は、各種センサ(温度センサ25、圧力センサ30、エンジン回転センサ32)からの検出信号がDPFコントローラ16に入力され、DPFコントローラ16では、これらの検出信号に基づいて、前述した捕集量データの演算処理が行われる。
また、捕集したパティキュレートを燃焼させるフィルタ再生処理は、手動スイッチ38の操作によって開始される。手動スイッチ38が操作されると、DPFコントローラ16からの指令に基づいて、ヒータ24が加熱され、さらに、電磁弁26が開弁されるとともに、モータ29によりエアポンプ28が駆動されて外気が送気用枝管34を通じてフィルタ収容ケース22内に送入される。これにより、加熱されたヒータ24により昇温加熱された空気がフィルタ23に対してその上流側から給気される。そして、加熱して給気される空気によりパティキュレートが加熱されてその着火温度に達するとパティキュレートの燃焼が開始されることになる。
次に、本実施形態に係る排気ガス浄化装置の管理システム2及び管理装置3についてさらに詳しく説明する。図4は、管理装置3を備える管理システム2の電気的構成を示すブロック図をDPFコントローラ16などともに示したものである。DPFコントローラ16は、通信インターフェース(通信I/F)40・41及び各種インターフェース(各種I/F)42を備えている。そして、通信I/F40がディスプレイ13の通信インターフェース(通信I/F)39と接続されており、これにより、DPFコントローラ16とディスプレイ13との間で捕集量データの通信が可能になっている。通信I/F41は、管理装置3の通信インターフェース(通信I/F)43と接続されており、これにより、DPFコントローラ16が、管理装置3における情報端末11に対して捕集量データを出力できるようになっている。また、各種I/F42は、排気ガス浄化装置15の状態などを検出する前述の各種センサ(温度センサ25、圧力センサ30、エンジン回転センサ32、エアフローメータ27)や各種機器(電磁弁26、モータ29)に接続されている。
また、管理装置3には、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)44、ROM(Read Only Memory)45、RAM(Random Access Memory)46、リアルタイムクロックIC47、通信インターフェース(通信I/F)43・48、バックアップ電池49等が備えられている。
通信I/F43は、DPFコントローラ16から出力される捕集量データの入力を可能にする。そして、CPU44に、その捕集量データが通信I/F43を介して入力される。ROM45には、本実施形態に係る排気ガス浄化装置の管理装置3としての処理を実行するためのプログラムを含む各種ソフトウェアが格納されており、適宜CPU44により読み出されて実行される。RAM46には、排気ガス浄化装置の管理装置3としての処理を実行するためのプログラムの実行により生成されるデータ等の各種データが記憶される。なお、RAM46にはバックアップ電池49が接続されて電源供給遮断時にバックアップ電池49から電源供給されるようになっており、記憶されるデータが損失されないようになっている。
リアルタイムクロックIC47は、CPU44に接続されており、時間を計測するとともに、時刻に関するデータをCPU44に対して出力する。なお、リアルタイムクロックIC47にはバックアップ電池49が接続されており、電源供給遮断時にバックアップ電池49から電源供給されるようになっている。通信I/F48は、無線通信機12で構成されており、排気ガス浄化装置の管理装置3としての処理をするためのプログラムの実行により生成されるデータを無線通信により端末装置4に対して送信する。
また、端末装置4には、CPU(Central Processing Unit)53、RAM(Random Access Memory)51、HD(Hard Disk)52、ROM(Read Only Memory)55、通信インターフェース(通信I/F)50・54等が備えられている。
通信I/F50は、無線通信機18で構成されており、管理装置3から送信されるデータの入力を可能にする。そして、CPU53に、その捕集量データが通信I/F50を介して入力される。ROM55には、本実施形態に係る管理システム2における端末装置4としての処理を実行するためのプログラムを含む各種ソフトウェアが格納されており、適宜CPU53により読み出されて実行される。RAM51やHD52には、管理システム2における端末装置4としての処理を実行するためのプログラムの実行により生成されるデータ等の各種データが記憶される。通信I/F54は、管理コンピュータ17に接続されてCRTモニタや液晶表示モニタ等で構成されたディスプレイ56へのデータの入力を可能にする。
上述したハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、図5の機能ブロック図に示すように、各部(57〜64)が管理装置3内に構築されることになり、表示制御部65が管理コンピュータ17内に構築されることになる。
図5は、管理装置3及び端末装置4からなる管理システム2の構成を示す機能ブロック図を例示したものである。本図に示すように、管理装置3は、捕集量データ取得部(捕集量データ取得手段)57と、時間計測部(時間計測手段)58と、記憶部(記憶手段)59と、通信部(通信手段)60と、最小値判断部(最小値判断手段)61と、最小値更新部(最小値更新手段)62と、最大値判断部(最大値判断手段)63と、最大値更新部(最大値更新手段)64と、を備えている。一方、端末装置4における管理コンピュータ17は、表示制御部(表示制御手段)65を備えている。
捕集量データ取得部57は、通信I/F43及びCPU44によって実現され、フィルタ2によるパティキュレートの捕集量に関する前述の捕集量データをDPFコントローラ16から随時(例えば、管理装置3の情報端末11における所定の処理周期時間毎に)取得する。即ち、捕集量データ取得部57では、図2にて説明したように、DPFコントローラ16からディスプレイ13に対して出力される「0」から「7」のいずれかのレベルデータと同じレベルデータが捕集量データとして随時取得される。
時間計測部58は、リアルタイムクロックIC47及びCPU44によって実現され、捕集量データ取得部57によって捕集量データが取得される時間と予め設定された所定の単位期間Pとを計測する。この予め設定される所定の単位期間Pとしては、例えば、一日ごとの単位で作業状況が管理されているような場合であれば、この作業管理形態に合わせて一日を一つの単位とした期間として設定されている。従って、時間計測部58は、常時時間を計測しており、捕集量データが取得されるとその取得されたタイミングの時刻(例えば、「年・月・日・時・分・秒」からなる時刻データ)を把握(取得)するとともに、この取得されたタイミングの時刻データが属する単位期間データ(その単位期間Pを特定する「年・月・日」からなるデータ)を把握(取得)する。
記憶部59は、RAM46によって構成され、時間計測部58で計測される単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値を記憶する。この記憶部59では、まず、捕集量データ取得部57によって単位期間P内において最初に取得される捕集量データを、当該単位期間Pにおける捕集量データの最小値の初期値として記憶するとともに、当該単位期間Pにおける最大値の初期値としても記憶する。そして、一つの単位期間Pに対して、最小値としての捕集量データと最大値としての捕集量データとが、1個ずつ(合計2個)その単位期間Pと対応づけて記憶されている。
最小値判断部61は、CPU44によって実現され、捕集量データ取得部57によって捕集量データが新たに取得されたときに、その新たに取得された捕集量データと記憶部59に記憶されている捕集量データとを、時間計測部58での計測結果に基づいて、単位期間P内において比較してそのうちの値の小さい方を最小値として判断する。即ち、新たに捕集量データが取得された段階では、記憶部59においては、その取得された捕集量データが対応する単位期間Pに対しては、最小値として一つの捕集量データが対応付けて記憶されている。そして、その最小値として記憶されている捕集量データと新たに取得された捕集量データとが比較されて、そのうちの値の小さい方が最小値として判断される。捕集量データとしては、レベルデータとしての「0」から「7」のいずれかの数値データが対応しているため、この数値データの小さい方が捕集量データの最小値として判断される。
最小値更新部62は、CPU44によって実現され、最小値判断部61での最小値の判断がなされるごとに、記憶部59に記憶されている捕集量データを、最小値判断部61で最小値と判断された捕集量データに更新する。これにより、捕集量データが新たに取得されたときに、それまでの捕集量データの最小値として記憶されているデータが新たに取得された捕集量データと比較された上で新たな最小値データに記憶更新されることになる。
最大値判断部63は、CPU44によって実現され、捕集量データ取得部57によって捕集量データが新たに取得されたときに、その新たに取得された捕集量データと記憶部59に記憶されている捕集量データとを、時間計測部58での計測結果に基づいて、単位期間P内において比較してそのうちの値の大きい方を最大値として判断する。即ち、新たに捕集量データが取得された段階では、記憶部59においては、その取得された捕集量データが対応する単位期間Pに対しては、最大値として一つの捕集量データが対応付けて記憶されている。そして、その最大値として記憶されている捕集量データと新たに取得された捕集量データとが比較されて、そのうちの値の大きい方が最大値として判断される。捕集量データとしては、前述のように、レベルデータとしての「0」から「7」のいずれかの数値データが対応しているため、この数値データの大きい方が捕集量データの最大値として判断される。
最大値更新部64は、CPU44によって実現され、最大値判断部63での最大値の判断がなされるごとに、記憶部59に記憶されている捕集量データを、最大値判断部63で最大値と判断された捕集量データに更新する。これにより、捕集量データが新たに取得されたときに、それまでの捕集量データの最大値として記憶されているデータが新たに取得された捕集量データと比較された上で新たな最大値データに記憶更新されることになる。
通信部60は、無線通信機12により構成される通信I/F48とCPU44とによって実現され、記憶部59に記憶された単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値のデータをその単位期間Pと対応づけて端末装置4に送信する。単位期間P毎の捕集量データの最小値データ及び最大値データの送信のタイミングは、種々に設定することができる。例えば、フォークリフト1を運転している作業者や端末装置4における管理コンピュータ17の操作者の操作に応じて送信されるようにしたり、一定の期間ごとに定期的に送信されるようにしたり、種々に設定することができる。なお、記憶部59は、通信部60が最小値データ及び最大値データを送信すると、その最小値データ及び最大値データに関する記憶を消去するようにしてもよい。
端末装置4の管理コンピュータ17内に構築される表示制御部65は、CPU53によって実現される。そして、管理装置3の通信部60から送信されて無線通信機18を介して受信されたデータに基づいて、捕集量データの最小値及び最大値が単位期間P毎に順番に並ぶようにグラフィック表示する画面が、ディスプレイ56に表示されるように制御する。
図6は、管理コンピュータ17にて受信されたデータに基づいて捕集量データの最小値及び最大値を単位期間P毎に並ぶようグラフィック表示した画面66を例示したものである。この画面66においては、特定の年における特定の月(○○月)の特定のフォークリフトに取り付けて用いられた排気ガス浄化装置におけるパティキュレート捕集量についての単位期間P毎である日毎の推移(黒煙捕集量推移)をグラフ化して表示する場合を例示している。図6に示すように、管理コンピュータ17の操作者がディスプレイ56上に表示される画面66を確認することで、日付(単位期間P)ごとの捕集量データの最小値と最大値とを明確且つ容易に把握することができる。
次に、上述した本実施形態に係る排気ガス浄化装置の管理装置3での処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、フォークリフト1が起動されて運転が開始されている状態(パワーオンの状態)、即ち、ディーゼルエンジン14の作動が開始されると、管理装置3での処理も開始される。そして、まず、ステップ101(以下、S101ともいう。他のステップも同様)において、捕集量データ(レベルデータ)の取得があったか否かの判断が、捕集量データの取得があるまで繰り返される(S101、NO)。捕集量データの取得があったと判断された場合(S101、YES)は、その捕集量データが取得された時間(時刻)が属している日付(即ち、その取得された時間が属している単位期間P)に関するデータもあわせて取得(把握)される(S102)。
そして、新たに取得された捕集量データに対応する単位期間Pである日付内において(取得日付内において)、捕集量データの最大値データが既に記憶されているか否かが判断される(S103)。捕集量データの最大値データが既に記憶されていれば(S103、YES)、新たに取得された捕集量データが既に記憶されている最大値データよりも大きいか否かが判断される(S104)。ステップ103において、取得日付内における捕集量データの最大値データが記憶されていない場合(S103、NO)は、その新たに取得された捕集量データが最大値データの初期値として記憶される(S105)。
ステップ104において、新たに取得された捕集量データが既に記憶されている捕集量データの最大値データよりも大きいと判断された場合(S104、YES)は、最大値データの記憶更新が行われ、新たに取得された捕集量データが新たな最大値データとして記憶される(S105)。なお、ステップ104において、新たに取得された捕集量データが既に記憶されている最大値データよりも大きくないと判断された場合(S104、NO)は、最大値データの記憶更新は行われない。
捕集量データの最大値データの記憶更新が行われなかった場合(S104、NO)、及び最大値データの記憶更新が行われた場合(S105)とも、続いて、新たに取得された捕集量データに対応する単位期間Pである日付内において(取得日付内において)、捕集量データの最小値データが既に記憶されているか否かが判断される(S106)。捕集量データの最小値データが既に記憶されていれば(S106、YES)、新たに取得された捕集量データが既に記憶されている最小値データよりも小さいか否かが判断される(S107)。ステップ106において、最小値データが記憶されていない場合(S106、NO)は、その新たに取得された捕集量データが最小値データの初期値として記憶される(S108)。
ステップ107において、新たに取得された捕集量データが既に記憶されている捕集量データの最小値データよりも小さいと判断された場合(S107、YES)は、捕集量データの最小値データの記憶更新が行われ、新たに取得された捕集量データが新たな最小値データとして記憶される(S108)。ステップ107において、新たに取得された捕集量データが既に記憶されている最小値データよりも小さくないと判断された場合(S107、NO)は、最小値データの記憶更新は行われない。
捕集量データの最小値データの記憶更新が行われなかった場合(S107、NO)、及び最小値データの記憶更新が行われた場合(S108)とも、続いて、パワーオンの状態(即ち、ディーゼルエンジン14が作動している状態)が継続しているか否かが判断される(S109)。パワーオンの状態が継続していると判断されれば(S109、YES)、ステップ101以降の処理が繰り返される。一方、パワーオンの状態が継続していないと判断されれば(S109、NO)、図7に示す処理は終了する。
管理装置3では、上述した処理が行われ、管理装置3で記憶された単位期間Pごとの捕集量データの最小値データ及び最大値データは、通信部60を介して端末装置4にて受信される。そして、管理コンピュータ17の操作者が所定の操作(例えば、管理コンピュータ17に設けられたキーボード(図示せず)の操作やディスプレイ56に表示されるグラフィカルユーザインターフェース画面(図示せず)を通じてのポインティングデバイス(図示せず)による操作)を行って表示制御部65を作動させることで、図6に示す画面66がディスプレイ56に表示されることになる。
以上説明したように、本実施形態の排気ガス浄化装置の管理装置3によると、捕集量データが取得されたときに、その取得した捕集量データを所定の単位期間P内において既に記憶されている最小値データと比較して、そのうちの値の小さい方のみが最小値データとして記憶されることになる。また、捕集量データが取得されたときに、その取得した捕集量データを所定の単位期間P内において既に記憶されている最大値データと比較して、そのうちの値の大きい方のみが最大値データとして記憶されることになる。このため、所定の単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値のデータを簡易な構成で容易に得ることができる。所定の単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値が把握できれば、排気ガス浄化装置15のフィルタ23の使用状況に対する再生の頻度やタイミング等は適切であるか、再生しても十分に回復していない状態になっており(フィルタ再生処理を行っても捕集量が十分に減っておらず)フィルタの交換時期が近づいてはいないか、パティキュレートの捕集は適切に行われているか、などといった観点からの判断を行うにあたり必要なデータを無駄なく取得することができる。即ち、排気ガス浄化装置15のフィルタ23が効率よく使用されているかどうかを判断するためにフィル23の使用状況や再生状況を長期的に把握したい場合に、必要なデータを容易に且つ効率よく管理することができる。そして、RAM46の記憶容量も少なくてすむとともにデータの処理も容易な排気ガス浄化装置15の管理が可能となる。
また、通常、ディーゼルエンジンで駆動されるとともに排気ガス浄化装置を備えているフォークリフトにおいては、排気ガス浄化装置のフィルタによるパティキュレートの捕集量のレベルをディスプレイ等でそのフォークリフトを運転している作業者に表示することが多い。本実施形態の排気ガス浄化装置の管理装置3では、そのようなフィルタによるパティキュレート捕集量のレベルをディスプレイ等で表示するためのデータ(捕集量データ)をそのまま捕集量データ取得部57で取得するだけでよく、フィルタ23が効率よく使用されているかどうかを判断するための必要なデータを簡易な構成で効率よく取得することができる。
また、本実施形態の排気ガス浄化装置の管理装置3によると、所定の単位期間P内において最初に取得される捕集量データをそのまま捕集量データの最小値及び最大値の初期値として用いるため、データの処理を容易且つ円滑に行うことができる。
また、本実施形態の排気ガス浄化装置の管理装置3によると、一日を一つの単位とする単位期間Pを設定しており、一日毎の単位で捕集量データの最小値及び最大値のデータを簡易な構成で容易に得ることができる。一日単位で作業状況が管理されているような場合には、排気ガス浄化装置15のフィルタ23の再生処理も一日単位で行われることが多いが、このような場合において、フィルタ23が効率よく使用されているかどうかを判断するためにフィルタ23の使用状況や再生状況を長期的に把握したい場合に、必要なデータを容易に且つ効率よく管理することができる。
また、本実施形態の排気ガス浄化装置の管理装置3では、捕集量データの最小値データ及び最大値データを単位期間Pと対応付けて端末装置4に送信するための通信部60が備えられている。これにより、管理装置3とは別途備えられる端末装置4において、単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値のデータを把握することができる。従って、遠隔地において複数の排気ガス浄化装置15に関するデータを収集することにより集中的に各排気ガス浄化装置15のフィルタ23の使用状況や再生状況を判断するためのデータを管理することができる。また、必要に応じて個々の排気ガス浄化装置15のフィルタ23の使用状況や再生状況を判断するためのデータを管理することもできる。
また、本実施形態の排気ガス浄化装置の管理システム2によると、端末装置4によって、管理装置3から送信された捕集量データの最小値及び最大値が単位期間P毎に順番に並ぶようにグラフィック表示される。このため、効率よく管理された所定のデータに基づいて、端末装置4を介して、排気ガス浄化装置15のフィルタ23の使用状況や再生状況を長期的に把握でき、フィルタ23が効率よく使用されているかどうかを容易に判断することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のような発明を実施することもできる。
(1)上記実施形態では、通信部60を介して通信可能に遠隔地に配置された端末装置4の管理コンピュータ17において、捕集量データの最小値及び最大値の単位期間P毎の長期的なトレンドグラフが表示されるものを説明したが、フォークリフト1自体に管理コンピュータ17が搭載されるものであってもよい。この場合、フォークリフト1を運転している作業者自身が、排気ガス浄化装置15のフィルタ23の使用状況や再生状況を長期的に把握できる。即ち、フィルタ23が効率よく使用されているかどうか判断するためのデータを作業者自身がすぐに確認することができる。
(2)また、上記実施形態では、一日を一つの単位とする期間を単位期間Pとして設定する場合について説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。例えば、半日を一つの単位期間(昼休みを挟んだ午前と午後とをそれぞれ一つの単位期間)として設定するものであってもよい。また、勤務を交代して連続的に作業が行われるような場合(一日3交代などの勤務形態の場合)は、そのような交代勤務の形態にあわせて単位期間を設定してもよい。
(3)また、上記実施形態においては、無線通信を可能にするための通信部60を備えるものを説明したが、必ずしも通信部60でなくてもよい。例えば、情報端末11にて、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、FD(Flexible Disk)、MO(Magneto-Optic)、メモリカードなどの種々のリムーバブル型記憶媒体に単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値を記憶させて、そのリムーバブル型記憶媒体から管理コンピュータ14に読み込ませるものであってもよい。なお、この場合は、情報端末11が、単独で排気ガス浄化装置の管理装置を構成することになる。
(4)また、上記実施形態においては、排気ガス浄化装置の管理装置がDPFコントローラと別個に構成されているものを説明したが、DPFコントローラと一体に構成されている排気ガス浄化装置の管理装置であってもよい。
(5)また、上記実施形態においては、管理装置が適用される排気ガス浄化装置として、フィルタ収容ケースとフィルタとヒータとを備えるものを説明したが、このとおりでなくてもよい。例えば、DPFコントローラや各種センサやフィルタ再生のためのエアポンプなどを適宜含んで構成されるものとして定義されてもよい。
(6)また、上記実施形態においては、管理装置が適用される排気ガス浄化装置として、ディーゼルエンジンによって駆動されるフォークリフトの場合を説明したが、このとおりでなくてもよい。例えば、フォークリフト以外のディーゼル車両であってもよい。また、ディーゼルエンジンと排気ガス浄化装置とが備えられるものであれば、必ずしも車両でなくてもよい。
(7)また、上述した排気ガス浄化装置の管理システム2において、端末装置4の表示制御部65によってディスプレイ56に表示されて捕集量データの最小値及び最大値を単位期間P毎に並ぶようグラフィック表示する画面に、ディーゼルエンジン14の作動時間も単位期間P毎に並ぶように表示するものであってもよい。
この場合、管理システム2の管理装置3の時間計測部58が、更にディーゼルエンジン14が作動しているエンジン作動時間を単位期間P毎に積算するように計測するように構成される。例えば、ディーゼルエンジン14の作動状態に関するデータ(ディーゼルエンジン14が作動しているか否かについてのデータ。以下、エンジンオンオフデータという)が、フォークリフト1の走行荷役動作を制御する走行荷役コントローラによって把握されている場合であれば、管理システム2においては、この走行荷役コントローラからエンジンオンオフデータを取得することができる。図8は、図4に示す管理システム2のブロック図をDPFコントローラ16及び走行荷役コントローラ67とともに示したものである。図8に示すように、管理システム2の管理装置3は、DPFコントローラ16と接続されるとともに、フォークリフト1の走行荷役動作を制御する走行荷役コントローラ67とも接続されている。そして、管理装置3では、走行荷役コントローラ67の通信インターフェース(通信I/F)68を介してエンジンオンオフデータを取得することができるようになっている。これにより、時間計測部58において、取得されたエンジンオンオフデータに基づいて、単位期間P毎にエンジン作動時間を積算するように計測することができる。
そして、管理装置3において、記憶部59は、時間計測部58で計測される単位期間P毎のエンジン作動時間も更に記憶されるように構成される。また、通信部60は、単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値のデータに加え、記憶部59に記憶された単位期間P毎のエンジン作動時間のデータをその単位期間Pと対応付けて端末装置4に更に送信する。一方、端末装置4においては、管理装置3の通信部60から送信されたデータに基づいて、表示制御部65は、捕集量データの最小値及び最大値を単位期間P毎に並んで表示する画面に、更に、エンジン作動時間も単位期間P毎に順番に並んでグラフィック表示するように制御する。
図9は、管理コンピュータ17にて受信されたデータに基づいて、捕集量データの最小値及び最大値を単位期間P毎に並ぶようグラフィック表示するとともに、エンジン作動時間も単位期間P毎に並ぶようにグラフィック表示した画面69を例示したものである。この画面69においては、特定の年における特定の月(○○月)の特定のフォークリフトに取り付けて用いられた排気ガス浄化装置におけるパティキュレート捕集量についての日毎(単位期間P毎)の推移(黒煙捕集量推移)がグラフ化して画面69の上側に表示されている。一方、画面69の下側には、同じ特定の月(○○月)における同じ特定のフォークリフトのエンジン作動時間(フォークリフト稼動時間)についての日毎(単位期間P毎)の推移(稼動時間推移)がグラフ化して表示されている。
この変形例に係る排気ガス浄化装置の管理システムによると、端末装置4によって、捕集量データの最小値及び最大値が単位期間P毎に順番に並ぶようにグラフィック表示されるとともに、エンジン作動時間も単位期間P毎に順番に並んで表示される。このため、端末装置4を介して、排気ガス浄化装置15のフィルタ23の使用状況や再生状況と、エンジン作動時間とを対比させて把握することができる。即ち、エンジン作動時間に比して捕集量が多すぎるような場合であれば、エンジンオイルが異常燃焼していることを把握することができる。
(8)また、複数のフォークリフト1にそれぞれ管理装置3が備えられている排気ガス浄化装置の管理システムを構成することもできる。この場合、この管理システムは、端末装置4と複数の管理装置3とを備えることで構成されることになる。そして、端末装置4は、複数の管理装置3から各通信部60を介して各記憶部59に記憶された単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値のデータを単位期間Pと対応づけて受信する。図10は、この管理システムを例示したブロック図であり、3台のフォークリフト1にそれぞれ備えられている各管理装置3と、これらの各管理装置3と無線通信可能であって、管理コンピュータ17と無線通信機(固定局)18とを有している端末装置4とを備えて構成されたものを例示している。
この管理システムによると、複数のフォークリフト1の運転がそれぞれ個別に行われている場合であっても、各フォークリフト1の排気ガス浄化装置15における単位期間P毎の捕集量データの最小値及び最大値データを端末装置4にて一括して把握することができる。従って、複数のフォークリフト1の各排気ガス浄化装置15のフィルタ23が効率よく使用されているかどうかを判断するためのデータを容易に且つ効率よく管理することができる。また、複数のフォークリフト1についてのデータを比較することにより、各フォークリフト1毎の排気ガス浄化装置15の使用状況や再生状況にムラが生じないように平準化するための判断材料を得ることができる。