JP4395397B2 - スローアウェイチップおよびそれを用いた切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、各種部品の切削加工に用いるスローアウェイチップおよびそれを用いた切削工具に関する。
従来、各種部品加工用切削工具としては、図11に示すようなホルダの先端部に切刃部をロー付け固着したロー付け型や、図12に示すようなホルダの先端部にスローアウェイチップを取付自在に装着したスローアウェイ型等が用いられてきた。
これらのうち、ロー付け型は切刃部のロー付け作業に手間を要し、しかもコストが高くつくため、現在ではスローアウェイ型が多く用いられている。ただし、スローアウェイ型は、その構造上、最小加工径には限界があるため、一般的には自動車部品等の大径加工用として用いられ、OA機器用部品、電子部品等の小径加工用には、図13に示すようなスリーブタイプのホルダへの取付部となる棒状基部と先端に切刃を備えた突出部とが一体的に形成されたスローアウェイチップや、図8に示すようなホルダへの取付部となる平板状基部と先端に切刃を備えた突出部とが一体的に形成されたスローアウェイチップが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特に後者のスローアウェイチップにおいては、平板状基部でホルダに装着されるためチップの拘束力が大きくてビビリ振動を発生し難いことに加えて、刃先位置の繰り返し精度が高いため、厳しい加工精度が要求される前述したようなOA機器用部品、電子部品等の精密加工に多用されている。
特開平11−277309号公報
しかしながら、図8に示すような従来のスローアウェイチップで加工した場合、図9に示すように切刃部先端が鋭角に突出したような形状となっているため、摩耗による刃先位置の後退が著しい。図10に示すように、加工初期では刃幅W3であるのが加工が進むにつれて刃幅W4まで拡大するので、加工部品の寸法が急激に変化しやすく、寸法が公差を外れ不良が多発するという問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、各種部品の切削加工に用いるスローアウェイチップおよびそれを用いた切削工具において、加工時における工具摩耗の影響による刃先位置の急激な後退をなくして加工部品の寸法変化を抑制し、良品率を高めることのできるスローアウェイチップを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明のスローアウェイチップは、ホルダ固定用基部と、突出部とを一体的に形成してなり、前記突出部の先端部位には、該突出部の周面より側方に張り出して形成される切刃稜と、該切刃稜に連続した逃げ面とすくい面とが形成されるスローアウェイチップにおいて、前記切刃稜は、前記すくい面から見た場合に、前記突出部の軸線と交差するように形成される先端切刃と、該先端切刃に連続する略円弧状切刃と、該略円弧状切刃に連続し、前記突出部の軸線と略平行な方向をなす平行切刃とからなり、前記平行切刃に対応する逃げ面の後端側には、該突出部の軸線に対して直交する段差部と、該段差部に連続して形成され、かつ前記突出部の軸線に向かうにしたがって、前記後端側に延びて前記突出部周面に連続する後側逃げ部とが配置されていることを特徴としている。
かかる構成によれば、先端切刃に連続して略円弧状切刃を設けていることにより、被削材へ切り込むときの切削抵抗を軽減できる。そして、該第一略円弧状切刃に連続して前記突出部周面と略平行な方向をなす平行切刃が形成されていることにより、加工の初期においても被削材との接触面積が大きくとられ工具摩耗による刃先位置の急激な後退が防止されているとともに、加工中の全期間にわたってほぼ同一の接触面積のまま工具摩耗が進行するようにされているので、加工中のすべてにわたり刃先位置の後退が緩やかなものとなることから、工具寿命を延命できる。
また、ある実施態様においては、前記平行切刃が、前記略円弧状切刃より曲率半径の大きい円弧状をなすことを特徴とするものであり、スローアウェイチップは、前記平行切刃が、直線状をなすことを特徴とするものである。
いずれの形態においても、切削時に被削材との接触面積が大きいために、切刃の摩耗の進行を遅くできて刃先位置の急激な後退が防止できる。
特に、加工中の切削初期における切刃摩耗の急激な進行を防止して安定した加工が可能である。
さらに、ある実施態様においては、前記段差部に垂直な前記第二略円弧状切刃の幅が0.03mm以上で0.10mm以下であることを特徴としている。かかる構成によれば、被削材との接触面積が加工初期からより一定となるので、刃先位置の後退がさらに安定して進行する。
また、前記段差部の奥行きが0.03mm以上で0.10mm以下であることを特徴としている。かかる構成によれば、加工中のすべてにわたる刃先位置の後退を、刃先強度を低下させることなく緩やかなものにできる。
さらに、ある実施態様においては内径加工用であることを特徴としており、最大加工径に制限がある小径の内径加工においても上述した構成により、加工のごく初期における刃先位置の急激な後退が防止されるとともに、加工中のすべてにわたり刃先位置の後退が緩やかなものとなる。
また、切削工具は、上述したスローアウェイチップを装着することにより、加工中のすべてにわたって刃先位置が安定し、寸法不良を発生することのない加工が可能となる。
本発明のスローアウェイチップによれば、ホルダ固定用基部と、その先端近傍に切刃を備えた突出部とを一体的に形成してなり、前記突出部の先端部位には被削材を加工すべく形成された切刃稜と該切刃稜に連続した逃げ面とすくい面とを具備し、さらに該切刃稜の一部を突出部の周面より側方に張り出してなるスローアウェイチップにおいて、前記突出部の周面より側方に張り出した部分の前記逃げ面とすくい面との交叉稜線には、先端切刃と、該先端切刃に連続する第一略円弧状切刃と、該第一略円弧状切刃にさらに連続する、第一略円弧状切刃より曲率半径の大きい第二略円弧状切刃が形成されているとともに、該第二略円弧状切刃から段差部を介して前記突出部周面に連続する後側逃げ部が配置される構成としたことにより、先端切刃に連続して略円弧状切刃を設けていることにより、被削材へ切り込むときの切削抵抗を軽減できる。そして、該略円弧状切刃に連続して前記突出部周面と略平行な方向をなす平行切刃が形成することにより、加工のごく初期から被削材との接触面積が大きくとられ工具摩耗による刃先位置の急激な後退が防止されていることから工具摩耗の進行が抑制されているので、加工中のすべてにわたり刃先位置の後退が緩やかなものとなることから、工具寿命を延命できる。
以下、本発明の実施形態を添付図面により説明する。
図1乃至図5は本発明の一実施例を示すものであり、図1は本実施例によるスローアウェイチップの平面図、図2は図1の側面図、図3は図1のA部拡大図、図4は被削材と切刃との接触状態、すなわち加工状態を示す概略図であり、(a)は加工初期、(b)は加工後期の状態を示している。図5は本発明のスローアウェイチップをホルダに装着した状態の平面図である。
図1、2、6において、本実施例によるスローアウェイチップ1は、ホルダ固定用の平板状基部2に一体的に突出部4を突出させてなり、前記平板状基部2中央部には底面まで貫通したチップネジ止め用のネジ穴5が穿設されており、チップ固定用ネジ6によってホルダ7に装着される。
また、図1、2の前記突出部4の先端部位には、被削材を加工すべく切刃稜8と該切刃稜8に連続した逃げ面9とすくい面10とを形成し、さらに該切刃稜8の一部を突出部4の周面より側方に張り出した構成となっている。
そして、図3に示すように、前記突出部4の周面より側方に張り出した部分の前記逃げ面9とすくい面10との交叉稜線には、先端切刃11と、該先端切刃11に連続する略円弧状切刃12と、該略円弧状切刃12にさらに連続し、前記突出部周面と略平行な方向をなして略円弧状切刃12より曲率半径の大きい略円弧状をなす平行切刃(以下、略円弧状平行切刃と略す。)13が形成されているとともに、該略円弧状平行切刃13から突出部4側へ後退する段差部14を介して前記突出部4の周面に連続する後側逃げ部15が配置されている。
ここで、図4に本発明のスローアウェイチップ1の摩耗状態、図10に従来のスローアウェイチップ30の摩耗状態を示すように、図4のスローアウェイチップ1によれば、加工中における被削材16とスローアウェイチップ1との接触幅は、加工初期をW1、加工後期をW2とした場合、W1≒W2と加工時全般として摩耗の進行が小さいのに対して、図10の従来形状のチップ30ではW3<<W4で、W3が非常に小さく、加工初期における摩耗の進行が速くて寸法変化が大きくなる可能性があり、加工全般を総合すると工具摩耗の進行が図10のチップ30より速く寿命が短くなる。
なお、平行切刃(略円弧状平行切刃13)と後側逃げ部15との間に、突出部4側へ後退する段差部14を設けることによって、切屑の排出性を妨げることなく良好な加工が可能である。すなわち、段差部14を設けることなく略円弧状平行切刃13から段差部14を介さずに後側逃げ部15が連続する形態では、切屑の排出性が悪くなって切屑の噛みこみ等が発生する可能性がある。
また、図3において、段差部14に垂直な略円弧状平行切刃13の幅Wが、0.03mm以上で0.10mm以下であるのが、切刃部の摩耗を抑制し、安定加工が可能となる点で望ましい。Wがこの範囲であれば、段差部14の摩耗の進行が抑制できるとともに、被削材との接触面積が増加することにより切削抵抗を低く抑えて、ビビリ振動の発生も抑制できる。
また、段差部14の奥行きdが、0.03mm以上で0.10mm以下であることが、刃先強度を低下させることなく刃先の後退を延長できる点で望ましい。
また、図6には本発明の他の実施例として、平行切刃を直線状とした直線状平行切刃17タイプ(以下、直線状平行切刃と略す。)の切刃部分についての拡大図を示している。加工部断面において送り目によって形成される仕上げ面の段差は、仕上げ加工用切刃を直線状平行切刃17で構成しても角度関係を適正な範囲に保つことによって小さく出来るため、前記第2略円弧状切刃13と同様の効果を得ることが出来るが、この場合においても、直線状平行切刃17と後側逃げ部15との間に段差部14を介することで、摩耗による刃先位置の急激な後退が防止され、安定した刃先位置で加工が継続されるので、結果として、寸法変化が少なく、寸法不良を発生することのない加工が可能となる。
ここで、平行切刃の形状は略円弧状平行切刃13または直線状平行切刃17のいずれであってもよいが、略円弧状平行切刃13の方が初期加工時にスローアウェイチップのホルダへの取り付け角度が微妙にずれた場合でも加工面形状がずれて加工面粗度が荒れることがない点で望ましい。さらに、この略円弧状平行切刃13の場合、切刃13の両終端を結んだ直線に対する切刃13の最大突出高さhが2〜10μmであることが、摩耗の進行を抑制できるとともに、安定した仕上げ面粗度を達成できる点で望ましい。
なお、図1〜6には、ホルダ固定用基部が平板状をなすものであったが、図7には本発明の他の実施例として、棒状基部22を具備したスローアウェイチップ21の平面図を示している。棒状基部22と一体的に形成された突出部4の先端には、上述した平板状基部2を具備したスローアウェイチップと同じ構成の切刃稜8を備えており、被削材の面粗度を良好に保つことができるとともに、略円弧状平行切刃13あるいは直線状平行切刃17と後側逃げ部15との間に段差部14を介することで、摩耗による刃先位置の急激な後退が防止され、安定した刃先位置で加工が継続されるので、結果として、寸法変化が少なく、寸法不良を発生することのない加工が可能となる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の目的を逸脱しない限り任意のものとすることができることは云うまでもない。
本発明のスローアウェイチップの平面図である。 図1のスローアウェイチップの側面図である。 図1のA部拡大図である。 被削材と切刃との接触状態、すなわち加工状態を示す概略図であり、(a)は加工初期、(b)は加工後期の状態を示している。 本発明のスローアウェイチップをホルダに装着した状態の平面図である。 本発明の他の実施例によるスローアウェイチップの刃先拡大図である。 本発明の他の実施例による棒状基部タイプのスローアウェイチップの平面図である。 従来の平板状基部タイプのスローアウェイチップをホルダに装着した状態の平面図である。 図8のB部拡大図である。 図8のスローアウェイチップの被削材と切刃との接触状態、すなわち加工状態を示す概略図であり、(a)は加工初期、(b)は加工後期の状態を示している。 従来のロー付け型の内径加工用工具先端部の平面図である。 従来のスローアウェイ型の内径加工用工具先端部の平面図である。 従来のスリーブタイプのホルダへ取付可能な棒状基部と切刃を備えた突出部とが一体的に形成されたスローアウェイチップの平面図である。
符号の説明
1 スローアウェイチップ
2 平板状基部
3 側面
4 突出部
5 ネジ穴
6 チップ固定用ネジ
7 ホルダ
8 切刃稜
9 逃げ面
10 すくい面
11 先端切刃
12 略円弧状切刃
13 略円弧状平行切刃(略円弧状をなす平行切刃)
14 段差部
15 後側逃げ部
16 被削材
17 直線状平行切刃(直線状をなす平行切刃)

Claims (6)

  1. ホルダ固定用基部と、突出部とを一体的に形成してなり、
    前記突出部の先端部位には、該突出部の周面より側方に張り出して形成される切刃稜と、該切刃稜に連続した逃げ面とすくい面とが形成されるスローアウェイチップにおいて、
    前記切刃稜は、前記すくい面から見た場合に、前記突出部の軸線と交差するように形成される先端切刃と、該先端切刃に連続する略円弧状切刃と、該略円弧状切刃に連続し、前記突出部の軸線と略平行な方向をなす平行切刃とからなり、
    前記平行切刃に対応する逃げ面の後端側には、該突出部の軸線に対して直交する段差部と、該段差部に連続して形成され、かつ前記突出部の軸線に向かうにしたがって、前記後端側に延びて前記突出部周面に連続する後側逃げ部とが配置されており、
    前記段差部に垂直な前記平行切刃の幅が0.03mm以上で0.10mm以下であることを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 前記平行切刃が、前記略円弧状切刃より曲率半径の大きい円弧状をなすことを特徴とする請求項1記載のスローアウェイチップ。
  3. 前記平行切刃が、直線状をなすことを特徴とする請求項1記載のスローアウェイチップ。
  4. 前記段差部の奥行きが0.03mm以上で0.10mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のスローアウェイチップ。
  5. 前記スローアウェイチップは内径加工用であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のスローアウェイチップ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載のスローアウェイチップをホルダに装着してなる切削工具。
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