JP4395232B2 - 砂礫分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂礫分離装置、特に、泥水シールド工法等における建設発生泥土の再生処理のための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の泥土の再生処理には、振動篩が用いられている。また、川砂採取用としては、振動篩を水槽内から傾斜して上方に延びるベルトコンベヤと組み合わせたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の振動篩は、騒音、及び振動が激しくて、環境問題を生じさせるばかりでなく、分離した砂礫に付着して残る泥分が多く、砂礫の再利用の妨げとなり、さらには、篩の網が頻繁に目詰まりを起こす等の問題がある。 また、後者では、騒音、振動は少ないが、泥土再処理用としては、作業効率がよくない。
【0004】
本発明は、上述の問題点に鑑み、低騒音低振動でありながら、効率よく泥水中から含泥率の小さい砂礫を分離できる砂礫分離装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 砂礫混入泥水が流入する水槽の底部に、後端が水面の上方となるように傾斜して配設された排砂コンベヤベルトと、該排砂ベルトコンベヤの上ベルトの中間部分を振動させる振動手段とを備える砂礫分離装置において、前記排砂コンベヤベルトの駆動モータの負荷電流値を検出する電流検出手段と、前記負荷電流値を設定負荷電流値と比較する比較手段と、前記負荷電流値が前記設定負荷電流値よりも大きければ、前記駆動モータの回転数を上げて、前記排砂コンベヤベルト上の砂礫層の厚さを一定に維持するように自動制御するようにした送り速度制御手段とを設ける。
【0006】
(2) 砂礫混入泥水が流入する水槽の底部に、後端が水面の上方となるように傾斜して配設された排砂コンベヤベルトと、該排砂ベルトコンベヤの上ベルトの中間部分を振動させる振動手段とを備える砂礫分離装置において、前記排砂コンベヤベルトの後端側における前記上ベルト上の砂礫層の厚さを検出する砂層レベルセンサと、該砂層レベルセンサにより検出した砂礫層の厚さを設定砂層厚さと比較する比較手段と、前記砂礫層の厚さが前記設定砂礫層厚さよりも厚ければ、前記排砂コンベヤベルトの駆動モータの回転数を上げて、前記排砂コンベヤベルト上の砂礫層の厚さを一定に維持するように自動制御するようにした送り速度制御手段とを設ける。
【0007】
(3) 上記(1)または(2)項において、砂礫混入泥水が導入される水槽の前段に、サイフォン式サイクロンを配設する。
【0008】
(4) 上記(3)項において、サイフォン式サイクロンの真空度を一定値に制御することにより分離砂礫の含泥率が最小になるように自動制御する手段を設け、前記水槽に含泥率の少ない砂礫混入泥水を供給するようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の砂礫分離装置の第1の実施形態を示す。
【0010】
再生処理しようとする砂礫混入泥水を導入するタンク(1)には、ポンプ(2)を介して、上方に立ち上がる管路(3)が接続されており、管路(3)の上端は、サイフォン式サイクロン装置(4)の上側部に、接線方向に接続されている。
【0011】
サイフォン式サイクロン装置(4)は、上部チャンバ(5a)とサイクロンコーン(5b)とからなるサイクロン(5)を有し、その下部は、アンダーフロー調整弁(6)を介して回収タンク(7)に開口している。アンダーフロー調整弁(6)は、サイクロン(5)内の真空度に応じて開閉するものである。
【0012】
回収タンク(7)からは、管路(8)が斜め下方に延び、後述する沈殿脱水装置(9)のホッパ(10)に達している。
【0013】
サイフォン式サイクロン装置(4)の上部チャンバ(5a)の頂部には、オーバーフロー管路(11)が接続され、オーバーフロー管路(11)は下方に延び、泥水回収タンク(12)に接続されている。
【0014】
オーバーフロー管路(11)の頂部には、エアチャンバ(13)、大気側への逆流を防止する逆止弁(14)、圧力センサ(15)、真空計(16)及び大気と連通する電動弁(17)が配設されており、圧力センサ(15)からの信号が、圧力調節器(18)に入り、圧力調節器(18)の出力により、エアチャンバ(13)内が常時一定の真空度を維持するように、電動弁(17)が開閉制御される。
【0015】
沈殿脱水装置(9)は、底部が、ホッパ(10)側の前端から後端にかけて上向きに傾斜する水槽(19)を有するもので、水槽(19)の底部には、排砂ベルトコンベヤ(20)が、その後端を水面上に充分に突き出るようにして、傾斜配置されている。
【0016】
排砂ベルトコンベヤ(20)は、その後端の駆動ローラ(21)を駆動モータ(22)により駆動しており、上ベルト(20a)は、水中にある前端部からトラフ状に丸められながら上方に移動し、再び平らに開いて駆動ローラ(21)のある前端に達するようにしてある。
【0017】
上ベルト(20a)の中間部分には、加振機(23)により振動させられる振動手段(24)が配設されており、振動手段(24)の前端近くには、洗浄水を噴射する噴射水管(25)が設けられている。
【0018】
交流電源から、駆動ローラ(21)を回転させる駆動モータ(22)への給電線路の途中には、電流検出手段である電流センサ(26)と、送り速度制御手段であるインバータ(27)とが配設されている。
【0019】
電流センサ(26)で検出された電流値は、比較手段である電流調節器(28)に送られ、電流調節器(28)の出力はインバータ(27)に送られ、電流センサ(26)により検出された負荷電流値が設定負荷電流値よりも大きければ、駆動モータ(22)の回転速度を上げて、排砂コンベヤベルト(20)上の砂礫層の厚さを一定に維持するように機能する。
【0020】
次にこの実施形態の作動について述べる。再生処理しようとする砂礫混入泥水は、タンク(1)に導入され、ここからポンプ(2)により管路(3)を通り、サイフォン式サイクロン装置(4)の上部チャンバ(5a)に側部から接線方向に注入される。
【0021】
注入された砂礫混入泥水は、高速で旋回しながら、サイクロンコーン(5b)を下方に流れ、この間に、重い砂礫は、遠心力によりサイクロンコーン(5b)の内壁面に沿って集まり、泥水は内部側となる。砂礫は、泥水の一部とともに回収タンク(7)に落ちるが、アンダーフロー調整弁(6)の存在により、この落下量は調整され、その結果、サイクロン(5)内に一定の真空圧が確立される。
【0022】
一方、泥水の大部分は、確立された真空圧により、上部チャンバ(5a)の頂部からオーバーフロー管路(11)に吸い上げられ、サイフォン作用により泥水回収タンク(12)に回収される。
【0023】
上述の真空圧は、電動弁(17)を介してサイフォン(5)内に導入される空気量により左右されるので、真空圧を圧力センサ(15)により検出し、その圧力値を圧力調節器(18)に入力し、圧力調節器(18)の出力により電動弁(17)の開度を制御することにより、真空圧が最適値になるようにしてある。すなわち、サイクロン(5)内で最適な砂礫の分離がなされるようにしてある。
【0024】
真空圧が大きすぎると、砂礫がオーバーフロー管路(11)に流出し、また、小さすぎると、過量の泥水が回収タンク(7)に落ちる。
【0025】
回収タンク(7)に落ちた砂礫と泥水は、管路(8)を介して、沈殿脱水装置(9)のホッパ(10)に入る。
【0026】
ホッパ(10)から水槽(19)に達した砂礫は、排砂ベルトコンベヤ(20)の上ベルト(20a)の上に沈殿する。上ベルト(20a)は、矢印により示すように上方に移行しているので、上ベルト(20a)上の砂礫は、まず振動手段(24)による上ベルト(20a)の微振動を受け、その前後において噴射水管(25)からの洗浄水の衝突により、付着していた泥を吹き飛ばされ、ついで、振動により泥を完全に分離させられ、泥水から脱水される。
【0027】
このようにして、分離された砂礫は、砂礫層(29)となって、排砂ベルトコンベヤ(20)の後端から回収されるが、上ベルト(20a)上の砂礫量、すなわち砂礫層の厚さは、駆動モータ(22)に給電される負荷電流量として表れる。この負荷電流量を電流センサ(26)により検出し、電流調節器(28)により、基準の電流量すなわち砂礫量と比較して、負荷電流量すなわち砂礫量が大きければ送り速度を速めるように、小さければ遅くするように、インバータ(27)により駆動モータ(22)を制御する。この結果、常時一定の層厚の砂礫を回収することができる。
なお、水槽(9)内の泥水は、ドレン(30)より排出する。
【0028】
図2に示す第2の実施形態においては、砂礫層の厚さは、砂礫層レベルセンサ(31)により直接的に検出され、その検出値が、比較手段であるレベル調節器(32)に入力されて基準レベルと比較され、レベル調節器(32)の出力がインバータ(27)に入力されて、駆動モータ(22)の回転速度、すなわち上ベルト(20a)の送り速度を、砂礫層の厚さが厚ければ、送り速度を速めるように、薄ければ遅くするように制御される。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、砂礫の分離は、水中における排砂ベルトコンベヤの振動によるので、網を用いる振動篩に比べて、振動、騒音の双方が小さく、公害の源とはならない。また、網が頻繁に目詰まりして分離効率を低下させるなどのトラブルもない。
さらに、排砂ベルトコンベヤ上の砂礫層の厚さが常にほぼ一定となるように自動制御されるので、作業効率が向上するとともに、排出される砂礫の含泥率が、最小かつ一定になる。
【0030】
請求項2記載の発明によれば、砂礫層の厚さを直接的に検出するので、鋭敏な自動制御を行うことができる。
【0031】
請求項3記載の発明によれば、砂礫混入水を予備的に分離濃縮処理したものを、最終的に処理することにより、排出される砂礫の含泥率をさらに少なくすることができる。
【0032】
請求項4記載の発明によれば、サイフォン式サイクロンの処理による分離砂礫中の泥分を最少とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の砂礫分離装置の第1の実施形態を示す略図的側面図である。
【図2】本発明の砂礫分離装置の第2の実施形態の一部分を示す略図的側面図である。
【符号の説明】
(1)タンク
(2)ポンプ
(3)管路
(4)サイフォン式サイクロン装置
(5)サイクロン
(5a)上部チャンバ
(5b)サイクロンコーン
(6)アンダーフロー調整弁
(7)回収タンク
(8)管路
(9)沈殿脱水装置
(10)ホッパ
(11)オーバーフロー管路
(12)泥水回収タンク
(13)エヤチャンバ
(14)逆止弁
(15)圧力センサ
(16)真空計
(17)電動弁
(18)圧力調節器
(19)水槽
(20)排砂コンベヤベルト
(20a)上ベルト
(21)駆動ローラ
(22)駆動モータ
(23)加振機
(24)振動手段
(25)噴射水管
(26)電流センサ(電流検出手段)
(27)電流調節器(比較手段)
(28)インバータ(送り速度制御手段)
(29)層
(30)ドレン
(31)砂層レベルセンサ
(32)レベル調節器(比較手段)
Claims (4)
- 砂礫混入泥水が流入する水槽の底部に、後端が水面の上方となるように傾斜して配設された排砂コンベヤベルトと、該排砂ベルトコンベヤの上ベルトの中間部分を振動させる振動手段とを備える砂礫分離装置において、
前記排砂コンベヤベルトの駆動モータの負荷電流値を検出する電流検出手段と、前記負荷電流値を設定負荷電流値と比較する比較手段と、前記負荷電流値が前記設定負荷電流値よりも大きければ、前記駆動モータの回転数を上げて、前記排砂コンベヤベルト上の砂礫層の厚さを一定に維持するように自動制御するようにした送り速度制御手段とを設けたことを特徴とする砂礫分離装置。 - 砂礫混入泥水が流入する水槽の底部に、後端が水面の上方となるように傾斜して配設された排砂コンベヤベルトと、該排砂ベルトコンベヤの上ベルトの中間部分を振動させる振動手段とを備える砂礫分離装置において、
前記排砂コンベヤベルトの後端側における前記上ベルト上の砂礫層の厚さを検出する砂層レベルセンサと、該砂層レベルセンサにより検出した砂礫層の厚さを設定砂層厚さと比較する比較手段と、前記砂礫層の厚さが前記設定砂礫層厚さよりも厚ければ、前記排砂コンベヤベルトの駆動モータの回転数を上げて、前記排砂コンベヤベルト上の砂礫層の厚さを一定に維持するように自動制御するようにした送り速度制御手段とを設けたことを特徴とする砂礫分離装置。 - 砂礫混入泥水が導入される水槽の前段に、サイフォン式サイクロンを配設した請求項1または2記載の砂礫分離装置。
- サイフォン式サイクロンの真空度を一定値に制御することにより、分離砂礫の含泥率が最小になるように自動制御する手段を設け、前記水槽に含泥率の少ない砂礫混入泥水を供給するようにした請求項3記載の砂礫分離装置。
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