JP4392635B2 - 脈動式ダイヤフラムポンプ - Google Patents

脈動式ダイヤフラムポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの運転に伴ってクランクケース内や吸気マニホルド内に発生する圧力脈動によって駆動され、2サイクルまたは4サイクルガソリンエンジンに燃料を供給することに用いられる脈動式ダイヤフラムポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農業機械、船外機、軽自動車などの動力源である2サイクルまたは4サイクルの小形ガソリンエンジンに燃料を供給する手段として、脈動式ダイヤフラムポンプは機械式や電磁式などのポンプと比較して構造が簡単であるとともに、機械的損失を伴わずに駆動できる、という利点をもっていることから広く使用されている。
【0003】
図3は従来の一般的な脈動式ダイヤフラムポンプの一例を示す断面図であって、本体51の一つの面にポンプダイヤフラム52とカバー体53とが重ねられていて、本体51に設けられてポンプダイヤフラム52で覆われたくぼみはポンプ室54を形成し、またカバー体53の内部はパルス室55を形成していてダイヤフラムスプリング57を収装している。
【0004】
本体51のもう一つの面にはパルセータダイヤフラム58とキャップ59とが重ねられていて、本体51に設けられてパルセータダイヤフラム58で覆われた二つのくぼみは吸込室60および吐出室62を形成し、またキャップ59の内部は大気に連通した空気室64を形成している。更に、吸込室60とポンプ室54との間に吸込弁65が、ポンプ室54と吐出室62との間に吐出弁67がそれぞれ設けられている。
【0005】
エンジンの運転に伴ってクランクケース内または吸気マニホルド内に発生する空気の圧力脈動、一般にはクランクケース内に発生する圧力脈動がカバー体53に設けたパルス導入口56からパルス室55に導入されてポンプダイヤフラム52を往復変位させ、図示しない燃料タンクの燃料を燃料入口61から吸込室60,吸込弁65、ポンプ室54,吐出弁67,吐出室62を経て燃料出口63へと送り、図示しない気化器よりエンジンに供給する。パルセータダイヤフラム58は吸込室60および吐出室62の燃料の脈動を平滑化して吸込効率、吐出効率を向上させるように働く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
吸込弁65および吐出弁67は本体51のポンプ室54と吸込室60,吐出室62とを区画した底壁に取り付けられた逆止弁であり、吸込室60とポンプ室54とを連通する弁座口、ポンプ室54と吐出室62とを連通する弁座口をそれぞれ開閉する弁体66,68を必要最小限の部品としており、閉弁を確実なものとするために弁体66,68に作用させる閉弁ばね、閉弁ばねを押えるばね受けなどの部品を用いて構成した逆止弁も多く使用されている。
【0007】
このため、ポンプ構成部品点数が多いとともに組立て工数が多くなることを避けられず、殊に吸込弁65および吐出弁67の構成部品はきわめて小形の微細部品であるため組立てが厄介である。また、パルス室55に導入される圧力脈動の振幅はエンジンの種類によって異なるので、これらに対応して適確な開閉動作を行なうように吸込弁65,吐出弁67の弁体66,67の動作特性や閉弁ばねのばね力を選定するのも面倒であり、信頼性あるポンプ機能を具えたものを安価に購入したい、という要求に応えることが困難である。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、部品点数が少なく、従って組立て工数が削減され安価に提供することを可能としたうえで、エンジンの種類によらず信頼性あるポンプ機能を発揮する脈動式ダイヤフラムポンプを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は本体に背中合わせに設けられた燃料の吸込室、吐出室およびポンプ室と、エンジンの運転に伴って発生する圧力脈動により往復変位してポンプ室の容積を変えるポンプダイヤフラムと、吸込室および吐出室に生ずる燃料の脈動を平滑化するパルセータダイヤフラムと、吸込室とポンプ室とを連通・遮断する吸込弁と、ポンプ室と吐出室とを連通・遮断する吐出弁とを具えた脈動式ダイヤフラムポンプがもっている、殊に吸込弁および吐出弁が原因である前記課題を次のようにして解決することとした。
【0010】
即ち、吸込弁はポンプ室の内部に突出させた弁座体およびポンプダイヤフラムの弁座体に向かい合った部分からなる弁体を具えたものとするとともに、吐出弁は吐出室の内部に突出させた弁座体およびパルセータダイヤフラムの弁座体に向かい合った部分からなる弁体を具えたものとした。
【0011】
ポンプダイヤフラムがポンプ室容積を拡大する方向へ変位する吸込行程でその弁体部分が吸込弁の弁座体端面であるシート面から離れるが、ポンプ室容積を縮小する方向へ変位する吐出行程で弁体部分がシート面に接触着座する。一方、パルセータダイヤフラムの弁体部分は吸込行程で吐出弁の弁座体端面であるシート面に接触着座するが、吐出行程でシート面から離れる。このように、往復変位する二つのダイヤフラム自身が吸込弁、吐出弁のそれぞれの弁体として働くことにより、ポンプ室の燃料吸込みと吐出とを行なうことができる。
【0012】
そして、このように機能部品として本来具えているポンプダイヤフラムおよびパルセータダイヤフラムを弁体に利用したことにより、吸込弁および吐出弁を微細部品を用いることなく構成できるとともに、全体の部品点数が少なく、従って組立て工数を削減して安価に提供することが可能となる。
【0013】
本発明は前記のようにしたうえで、エンジンの種類即ち2サイクルまたは4サイクルの種別および気筒数の相違によって生じる圧力脈動の振幅の差異に対応して吸込弁、吐出弁の開閉動作を適確なものとするための手段を次のようにした。
【0014】
その手段の一つは、本体とその一つの面に重ねられたポンプダイヤフラムとの間、および本体とそのもう一つの面に重ねられたパルセータダイヤフラムとの間の少なくともいずれかに、弁座体のシート面と弁体との間隔を所定間隔に調整する少なくとも一枚のシムを挟み込んだ、というものである。
【0015】
また、もう一つの手段は、吸込弁および吐出弁の弁座体を本体の吸込室、吐出室とポンプ室とを区画している底壁から突出させるとともに、その少なくともいずれかを底壁と別体に作ってシート面と弁座体との間隔を所定位置に調整可能にした、というものである。
【0016】
圧力脈動の振幅の差異によるポンプダイヤフラムやパルセータダイヤフラムの往復変位量の差異を、シート面と弁体との間隔を調整することによって相殺し、常に適確な開閉動作を行なって信頼性あるポンプ機能を発揮させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1を参照して本発明の実施の形態を説明すると、本体1の一つの面にポンプダイヤフラム3とカバー体5とが重ねられており、本体1に設けられてポンプダイヤフラム3に覆われたくぼみはポンプ室6を形成している。カバー体5はエンジンのクランクケースまたは吸気マニホルドに接続されるパルス導入孔7を有しているとともに、その内部はパルス室8を形成していてダイヤフラムスプリング9を収装している。
【0018】
本体1の前記の面と平行なもう一つの面にはパルセータダイヤフラム10とキャップ11とが重ねられており、本体1に設けられてパルセータダイヤフラム10に覆われた二つのくぼみは吸入室12および吐出室14を形成していて、吸込室12は燃料タンクに接続される燃料入口13を有するとともに、吐出室14は気化器に接続される燃料出口15を有している。キャップ11の内部は大気に連通した空気室16を形成している。
【0019】
本体1の二つの面に開放して背中合わせに設けられたくぼみが形成するポンプ室6と吸入室12,吐出室14とを区画する底壁2の吸込室12の部分には、円筒状の弁座体22がポンプ室6の内部へ突出させて設けられており、この弁座体22は吸込室12とポンプ室6とを連通する通路である弁座口23を有するとともにポンプ室6側の先端面をシート面24としている。このシート面24はポンプダイヤフラム3に接近した個所に位置しており、ポンプダイヤフラム3のシート面24に向かい合った部分は弁座口23を開閉する弁体25として働く。前記の弁座体22,弁座口23,シート面24および弁体25は吸込弁21を構成している。
【0020】
一方、底壁2の吐出室14の部分には、円筒状の弁座体27が吐出室14の内部へ突出させて設けられており、この弁座体27はポンプ室6と吐出室14とを連通する通路である弁座口28を有するとともに吐出室14側の先端面をシート面29としている。このシート面29はパルセータダイヤフラム10に接近した個所に位置しており、パルセータダイヤフラム10のシート面29に向かい合った部分は弁座口28を開閉する弁体30として働く。前記の弁座体27,弁座口28,シート面29および弁体30は吐出弁26を構成している。
【0021】
ポンプダイヤフラム3に重ねられてダイヤフラムスプリング9を受けるダイヤフラムリテーナ4は従来品と同様にポンプダイヤフラム3と同心とされてもよいが、図1に示した実施の形態では吐出室14の方へ偏心させ、吸込弁21の閉弁時にダイヤフラムリテーナ4がシート面24に重なることがなく、可撓性あるポンプダイヤフラム3のみがシート面24に接触して完全な閉弁ができるようにした。また、このようにするとポンプダイヤフラム3は一般的に小さいストロークの伸縮を繰り返すダイヤフラムスプリング9によるストローク制限を受けない部分が弁体25としてシート面24に接触・離間するので、吸込弁21を大きく開弁させて燃料流量を増加させることができる。
【0022】
以上に説明した構成のポンプにおいて、エンジンの運転に伴ってクランクケース内または吸気マニホルド内に発生する圧力脈動の内でクランクケース内の圧力脈動をパルス導入口7よりパルス室8に導入すると、エンジンピストンが上死点へ移動することにより発生する負圧でポンプダイヤフラム3がパルス室8の方へ変位してポンプ室6に負圧を生じさせるとともに弁体25がシート面24から離れる。このことにより、吸込室12の燃料がポンプ室6に流入し、その一方でパルセータダイヤフラム10がポンプ室6の負圧に吸引されてシート面29に密着し吐出弁26を閉弁状態とする。
【0023】
エンジンピストンが下死点へ移動することにより発生する正圧でポンプダイヤフラム3がポンプ室6の方へ変位すると、ポンプ室6の燃料は加圧されてパルセータダイヤフラム10を空気室16の方へ変位させ、弁体30がシート面29から離れることによってポンプ室6の燃料を吐出室14から燃料出口15へと送出する。その一方でポンプダイヤフラム3の弁体25がシート面24に接触密着して吸込弁21を閉弁状態とする。
【0024】
以上の繰り返しによって燃料が吸込室12からポンプ室6を経て吐出室14に送られるものであり、吸込弁21および吐出弁26は弁体25,30をポンプの機能部品であるポンプダイヤフラム3,パルセータダイヤフラム10によって形成し、圧力差で独自に動作する専用の弁体、更には閉弁ばねやばね受を用いていない構造であるため、部品点数および組立て工数を減少して安価に提供することが可能であることに加えて、二つのダイヤフラム3,10の殊に弁体25,30部分の変位量とシート面24,29の位置とによって大きな燃料流量を得ることが可能となる。
【0025】
次に、このようなポンプを用いるエンジンについて見ると、その種類即ち2サイクルまたは4サイクルの種別、気筒数の相違によって発生する圧力脈動の圧力値に差異があり、或るエンジンについて適正なポンプ機能を発揮するように諸元を設定して製造したポンプを別のエンジンに使用すると、二つのダイヤフラム3,10の往復変位量が異なったものとなるため、吸込弁21および吐出弁25のいずれかまたは両方が開弁不充分、閉弁不完全となって所要量の燃料を輸送することができない、という問題を生じる。
【0026】
このことは、エンジンの種類に応じて諸元を設定したポンプを製造することによって解決されるが、多種類のポンプを製造しなければならないので製造面、管理面、価格面で不利を免かれない。
【0027】
本発明は一部分の寸法を変更するだけで、異なる種類のエンジンに対して吸込弁21および吐出弁26が適確な開閉動作を行なって所要量の燃料を輸送することができるポンプを、本体1,ポンプダイヤフラム3,カバー体5,ダイヤフラムスプリング9,パルセータダイヤフラム10、キャップ11を多種類のエンジンに対して共通とし、従って製造面、管理面、価格面で不利を伴なわずに提供することを最終の目的としている。
【0028】
この目的を達成させるため、請求項1に記載した発明の実施の形態を示す図1においては、吸込弁21および吐出弁26の各弁座体22,27が底壁2に一体形成によって設けられているものについて、本体1とポンプダイヤフラム3との重ね合わせ面の間、および本体1とパルセータダイヤフラム10との重ね合わせ面の間のそれぞれにシム35を二枚ずつ挟み込んだものとした。
【0029】
シム35は周知のように二つの部品の隙間を調整するためそれらの間に挟み込む薄い板部材であって、その一枚または複数枚が挟み込まれる。
【0030】
実際の組付けにあたっては、複数枚例えば三枚のシム35を挟み込んだときに平均的な振幅の圧力脈動を発生するエンジンについて適正な開閉動作が行なわれるように諸元を設定したポンプを作る。種類が異なるエンジンに使用するときはそのエンジンが発生する圧力脈動の振幅が平均的な振幅よりも大きいときは挟み込むシム35の数を増加し、小さいときは挟み込んであるシム35を抜き取ってその数を減少することにより、各ダイヤフラム3,10の弁体25,30のシート面24,29に対する間隔を調整する。
【0031】
このことにより、圧力脈動の振幅、従って圧力値が変ることにより各ダイヤフラム3,10の往復変位量に差異を生じるにかかわらず、弁体25,30がシート面24,29に確実に接触密着して完全閉弁し、また弁体25,30がシート面24,29から充分に離れて完全開弁し所要量の燃料を輸送することができるようになる。
【0032】
また、本実施の形態では、最小振幅の圧力脈動を発生するエンジンについて、シム35を挟み込まないで適正な開閉動作が行なわれるように諸元を設定したポンプを作り、圧力脈動の振幅の大きさに応じた枚数のシム35を挟み込むことによって異なる種類のエンジンに対応させることができる。或いは、最大振幅の圧力脈動を発生するエンジンについて、多数枚のシム35を挟み込んで適正な開閉動作が行なわれるように諸元を設定したポンプを作り、圧力脈動の振幅の大きさに応じてシム35の枚数を減少することによっても異なる種類のエンジンに対応させることができる。
【0033】
このように、本実施の形態によると、シム35の枚数を変えてシート面24,29に対する弁体25,30の位置、即ちこれらの間隔を調整する、というきわめて簡単な手段で構成部品に変更を加えることなく多種類のエンジンに対応させることができる。
【0034】
尚、エンジンの特性によってはポンプダイヤフラム3およびパルセータダイヤフラム10のいずれかについてシム35を使用し、吸入弁21および吐出弁26のいずれか一方のみを調整すればよい場合もある。
【0035】
図2はシート面24,29に対する弁体25,30の位置を変える代りに、弁体25,30に対するシート面24,29の位置を変えることによってこれらの間隔を調整するようにした、請求項2,3に記載した発明の実施の形態を示すものである。
【0036】
即ち、このものは図2(A)に示すように、弁座体22,27の基部に外径が弁座体22,27の外径よりも小径の円筒状嵌込片37を突出形成するとともに底壁2に取付孔39を設け、弁座体22,27と嵌込片37とが形成する段部38を底壁2の表面に接触させて嵌込片37を取付孔39に嵌入し、必要により溶接または接着により液密に固定したものである。
【0037】
弁座体22,27は図2(A),(B)に示すようにそれ自体の長さである段部38からシート面24,29までの長さ、即ち段部38を底壁2の表面に接触させて底壁2に取り付けたときのポンプ室または吐出室への突出長さH1,H2,H3の異なるものを複数種準備しておき、エンジンの種類によって異なるダイヤフラム3,10の往復変位量に対応して弁体25,30に対するシート面24,29の間隔が適正なものを選んで使用する。
【0038】
弁座体22,27を底壁2と別体に作ってシート面24,29と弁座25,30との間隔を調整可能とした本発明は、例えば最小振幅の圧力脈動を発生するエンジンに対して適正な開閉動作を行なう突出長さとした弁座体22,27を作っておき、それよりも大きい振幅の圧力脈動に応じて弁座体22,27の基端を切削し段部38からシート面24,29までの長さを短かくすることによっても実施することができる。
【0039】
しかし、多種類のエンジンに対応させるには、図2(A),(B)に示したように複数種の弁座体22,27を予め準備してその中から適切なものを選んで取り付けるのが製造面で有利である。
【0040】
尚、エンジンの特性によっては吸込弁21および吐出弁26の各弁座体22,27のいずれか一方のみを底壁2と別体に作って突出長さを調整すればよい場合もある。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると吸込弁および吐出弁の弁体をポンプ自体の機能部品であるポンプダイヤフラム、パルセータダイヤフラムによって形成したことにより、部品点数および組立て工数を削減することができ、加えてシート面と弁体との間隔をシムを用いるかまたは弁座体の突出長さを変えるというきわめて簡単な手段で調整するようにしたことにより、多種類のエンジンに対して逆止弁としての機能を損うことがない吸込弁、吐出弁を具えた信頼性あるポンプが容易に得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面図。
【図2】本発明の異なる実施の形態を示す縦断面部分図。
【図3】従来例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 本体,2 底壁,3 ポンプダイヤフラム,6 ポンプ室,10 パルセータダイヤフラム,12 吸込室,14 吐出室,21 吸込弁,22,27 弁座体,24,29 シート面,25,30 弁体,26 吐出弁,35 シム,39 取付孔,

Claims (3)

  1. 本体に背中合わせに設けられた燃料の吸込室、吐出室およびポンプ室と、エンジンの運転に伴って発生する圧力脈動により往復変位して前記ポンプ室の容積を変えるポンプダイヤフラムと、前記吸込室および吐出室に生ずる燃料の脈動を平滑化するパルセータダイヤフラムと、前記吸込室とポンプ室とを連通・遮断する吸込弁と、前記ポンプ室と吐出室とを連通・遮断する吐出弁とを具えた脈動式ダイヤフラムポンプにおいて、
    前記吸込弁は前記ポンプ室の内部に突出させた弁座体および前記ポンプダイヤフラムの前記弁座体に向かい合った部分からなる弁体を具えたものとされているとともに、前記吐出弁は前記吐出室の内部に突出させた弁座体および前記パルセータダイヤフラムの前記弁座体に向かい合った部分からなる弁体を具えたものとされており、
    そして、前記本体とその一つの面に重ねられた前記ポンプダイヤフラムとの間、および前記本体とそのもう一つの面に重ねられた前記パルセータダイヤフラムとの間の少なくともいずれかに、前記弁座体のシート面と前記弁体とが所定間隔で向かい合うようにそれらの間隔を調整する少なくとも一枚のシムが挟み込まれていることを特徴とする脈動式ダイヤフラムポンプ。
  2. 本体に背中合わせに設けられた燃料の吸込室、吐出室およびポンプ室と、エンジンの運転に伴って発生する圧力脈動により往復変位して前記ポンプ室の容積を変えるポンプダイヤフラムと、前記吸込室および吐出室に生ずる燃料の脈動を平滑化するパルセータダイヤフラムと、前記吸込室とポンプ室とを連通・遮断する吸込弁と、前記ポンプ室と吐出室とを連通・遮断する吐出弁とを具えた脈動式ダイヤフラムポンプにおいて、
    前記吸込弁は前記ポンプ室の内部に突出させた弁座体および前記ポンプダイヤフラムの前記弁座体に向かい合った部分からなる弁体を具えたものとされているとともに、前記吐出弁は前記吐出室の内部に突出させた弁座体および前記パルセータダイヤフラムの前記弁座体に向かい合った部分からなる弁体を具えたものとされており、
    そして、前記吸込弁および吐出弁の弁座体が前記本体の吸込室、吐出室とポンプ室とを区画している底壁から突出しており、前記弁座体の少なくともいずれかが前記底壁と別体に作られていて、そのシート面と前記弁体とが所定間隔で向かい合うようにそれらの間隔を調整可能とされていることを特徴とする脈動式ダイヤフラムポンプ。
  3. 前記底壁と別体の弁座体は前記ポンプ室または吐出室への突出長さの異なるものが複数種準備され、その中から選ばれた一つがそのシート面を前記弁体と所定間隔で向かい合わせて前記底壁に取り付けられている請求項2に記載した脈動式ダイヤフラムポンプ。
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