JP4392414B2 - 木造建築物補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、簡易な施工によって木造建築物の構造部材結合部位に対して耐震補強を施す木造建築物補強工法に関する。
建築物においては、2005年7月1日に「建築物の安全性及び市街地の防災機能等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律」が施行され、この基準に基づいて構造各部材、部位の結合部位における耐震性や耐久性の向上が図られている。一方、同改正法の施行以前に建設された建築物においては、同基準と同等の耐震性、耐久性まで向上させる補強対策が極めて大きな課題となっている。
建築物においては、図10に標準的な木造家屋(木造建築物)モデル例で示すように、基礎を対象とした有筋化の対策或いは1階及び2階部分における各柱脚部の耐震金物の追加や筋交いの追加等の補強対策が行われる。基礎の有筋化対策は、既存基礎のハツリ、配筋と型枠組みの施工、コンクリートの打設及び脱型と仕上げ等の煩雑かつ大規模な工事が必要であり、また2週間以上の工事期間も必要となる。
1階部分の工事は、筋交いを追加するために外壁を壊すことが必要であり、足場組みと外壁撤去、合板と金物の取付、外壁復旧と足場撤去等の工事が必要となる。また、1階部分の工事においては、エアコンディショナや各種配管の移動と再設置等の付帯作業も必要であり、同様にして2週間程度の工事期間も必要となる。さらに、2階部分の工事では、内壁ボードや断熱材の撤去、補強金物の取付、内壁復旧とクロス貼り等の工事が必要となり1週間程度の工事期間を必要とするとともに、必要に応じてエアコンディショナや各種配管の移動も必要となる。なお、木造家屋の補強工事は、基礎コンクリートや外壁モルタルの養生期間も必要であることから、さらに工事期間も長くなる。
建築物においては、鉄筋や各種金物を用いる上述した一般的な補強工法に対して、例えば基礎と土台、土台と柱或いは柱と筋交い等の結合部位に対して繊維シートと接着剤とからなる補強材を用いることによって補強工事の期間短縮化や簡易化等を図った補強工法が提案されている(特許文献1乃至特許文献4を参照)。特許文献1は、基礎、土台、柱、横架材、筋交い等の建築物の躯体を構成する建築部材同士の接合部に接着剤を塗布するとともに接着面に靱性に優れた高引張り強度の繊維シートを貼り付けた後にさらに接着剤を塗布する補強工法である。特許文献1には、繊維シートとしてアラミド繊維、炭素繊維及びガラス繊維が例示されるとともに、接着剤として2液混合型のエポキシ系接着剤が例示されている。
また、特許文献2は、木造建造物の接合部を、アラミド繊維単独又は他の強化繊維とからなる複合繊維と、接着剤及び又は釘、ネジ或いはボルトとナットとから選択された接合部材を用いて接合する補強工法である。特許文献2には、強化繊維として炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維或いはポリエステル繊維等の有機繊維が例示されるとともに、接着剤としてエポキシ樹脂系接着剤、アクリル系樹脂接着剤或いはポリアミド系樹脂接着剤が例示されている。
さらに、特許文献3は、土台と柱の接合部位に、熱可塑性樹脂の長繊維を素材とする不織布にエポキシ樹脂剤を含浸させた補強材を重ね合わせ接合する補強工法である。特許文献3には、不織布を構成する熱可塑性樹脂繊維として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリルが例示されている。
また、既設コンクリート建造物においても、例えば特許文献4に開示されるように、炭素繊維テープと炭素繊維シートを既設受台に貼着するとともにエポキシ樹脂剤によって固定することにより既設受台を補強する補強工法が開示されている。
特開2001−279814公報 特開2002−30727公報 特開2004−100303公報 特開平8−120948号公報
ところで、木造建築物においては、例えば土台と柱の結合部位を補強する場合に、一般にスチールやステンレス等の金属材によって形成されたホールダウン金物が用いられている。かかるホールダウン金物等を用いた補強工法は、ホールダウン金物が極めて高価であることから、上述した図10に示した標準的な木造家屋モデル例で示す各所に取り付ける場合に部材費だけでも極めて高額となってしまう。また、補強金物を用いた補強工法は、既存の建築物において実施する場合に、最適な位置に取り付けるために必要に応じて梁や根太或いは根太掛け等の構造部材を移動させるといった対応を図る必要もある。さらに、補強金物を用いた補強工法は、土台や柱等の構造部材にボルト等を打ち込む多数個の孔を穿孔することから、木製のこれら構造部材自体の強度を低下させてしまうといった問題もあった。
一方、各特許文献に開示された繊維シートを用いた補強工法は、構造部材に対して負荷をかけずに簡易な作業で取り付けることが可能である。しかしながら、各特許文献に開示された繊維シートには、アラミド繊維、炭素繊維或いはガラス繊維が用いられるが、これら繊維材が補強金物と比較してやや廉価であるものの一般的な繊維材料としては比較的高価であり、また繊維径も大きく接着剤の含浸効率も小さい。また、かかる繊維シートは、各繊維間に接着剤が存在することによってアンカー的作用による機械的結合と分子間引力による物理的結合とにより一体化され、接着剤の接着力によって構造部材に接合されることになる。
したがって、各特許文献に開示された繊維シートを用いた補強工法によれば、接着剤によって構造部材に接合された繊維シートによ結合部位の機械的強度を保持することから、繊維シートの強度特性によって補強強度も決定されることになる。かかる補強工法においては、上述した補強金物を用いた補強施工と比較して、充分な補強強度を得ることが困難であるとともに繊維の並び方向に対してのみ機械的強度が発揮されることになる。かかる補強工法においては、補強金物と同様に構造部材の配置構造によって最適な位置に取り付けることが困難であり例えば土台と柱の相対する直交面に跨ってL字状に接合した場合に充分な補強作用を期待し得ない。
また、上述した補強金物を用いた補強工法や繊維シートを用いた補強工法は、いずれも補強金物や繊維シートの寸法仕様が決められており、特定の部位にのみ使用されることになる。したがって、従来の補強工法においては、補強金物や繊維シートが、それぞれの現場において例えば柱と土台、柱と梁等のように補強対象箇所に適合した専用のものを選択して用いられ、互換性が無かった。従来の補強工法においては、例えば無筋の基礎補強等のように広範囲な領域を対象とした補強を施す場合に、多くの手間と補強部材とが必要であった。
さらに、上述した炭素繊維テープや炭素繊維シートを用いた補強工法においては、剛性が大きいためにコーナ部位で略直角に折曲して柱等に密着させて貼着することが困難である。かかる補強工法においては、炭素繊維テープが比較的高価であるとともに、所定の機械的強度が発揮し得ないといった問題がある。また、かかる補強工法においては、例えば剛性が大きな炭素繊維テープが外周部に密着するように柱のコーナ部位を円弧状に削るといった大規模な段取り作業も行われ、施工コストも増えるとともに工期も長くなるといった問題があった。
したがって、本発明は、木造建築物あらゆる構造部材の結合部位等の補強対象箇所に適用可能であり、簡易な施工により結合強度の向上を図る木造建築物補強工法を提供することを目的に提案されたものである。
上述した目的を達成する本発明にかかる木造建築物補強工法は、基礎を含む補強対象箇所の土台、柱、梁或いは筋交い等の構造部材間の結合部位に対して、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と、セルロース材吹き付け工程と、第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程を施して構造部材間に跨る補強体を形成して耐震補強を施す。本発明にかかる木造建築物補強工法は、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程が、補強対象箇所の相対結合された構造部材に跨ってその表面にエポキシ樹脂接着剤を吹き付けて含浸させることにより構造部材間を接合する第1エポキシ樹脂接着剤層を形成する。本発明にかかる木造建築物補強工法は、セルロース材吹き付け工程が、第1エポキシ樹脂接着剤層の未硬化状態において、その表面にセルロース材を吹き付けて付着させることにより、所定の厚みを有して構造部材間に跨るセルロース層を形成する。本発明にかかる木造建築物補強工法は、第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程が、セルロース層上にエポキシ樹脂接着剤を吹き付けて第2エポキシ樹脂接着剤層を形成する。
本発明にかかる木造建築物補強工法においては、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程において吹き付けられた第1エポキシ樹脂接着剤層を形成するエポキシ樹脂接着剤の一部が構造部材の内部に含浸してその接合特性により結合部位を強固に接合する。本発明にかかる木造建築物補強工法においては、第1エポキシ樹脂接着剤層と第2エポキシ樹脂接着剤層間に形成されたセルロース層に対してその表裏面からエポキシ樹脂接着剤が内部に含浸して硬化することにより、基材のセルロース材とエポキシ樹脂が化学的に結合して一体化した補強体を形成する。本発明にかかる木造建築物補強工法においては、補強体が、第1エポキシ樹脂接着剤層により接合された構造部材間に跨ってこれらを被覆することにより、第1エポキシ樹脂接着剤層と共同して補強対象箇所を補強する。
本発明にかかる木造建築物補強工法においては、素材として用いるセルロース材がアラミド繊維等の合成樹脂繊維等と比較してOH基を多く有しており、これらOH基が二官能性化合物からなる硬化剤の作用により開環したエポキシ基と重合することによってエポキシ樹脂が硬化する分子間架橋構造をエポキシ樹脂とセルロース材との間でも生じさせて化学的に結合(重合)した補強体を形成する。本発明にかかる木造建築物補強工法においては、基材としてセルロース材を用いることにより、硬化状態で大きな硬度を有して部材間を強固に接合するが脆さもあるエポキシ樹脂接着剤の特性が、化学的に結合したセルロース材の弾力特性によって補完されてより強靱でかつ弾性も有する補強材を形成する。本発明にかかる木造建築物補強工法においては、セルロース材とエポキシ樹脂が化学的に結合して一体化されてなる補強体が、合成樹脂繊維等にエポキシ樹脂を含浸させて基材間を接合してなる補強シート体と比較して、より強靱でかつ弾性も有する。本発明にかかる木造建築物補強工法においては、かかる補強体が下地層の第1エポキシ樹脂接着剤層により接合された構造部材間に跨った状態で結合部位を被覆するようにして形成され、地震等に際して当該構造部材の結合部位にエポキシ樹脂接着剤の接合力よりも大きな力が作用された場合でも強靱な補強体が結合部位から剥離することも無く結合部位を確実かつ強固に保持して補強する。
木造建築物補強工法においては、エポキシ樹脂接着剤とセルロース材の吹き付け領域と吹き付け量とによって任意の大きさかつ厚みを有する補強体を形成する。したがって、木造建築物補強工法においては、建築物のあらゆる箇所の構造部材間の結合部位に対して適用することが可能であり、補強工事のコスト低減や工期短縮が図られるようになる。
木造建築物補強工法は、セルロース材として、例えば脱脂処理を行ったコットンが用いられる。木造建築物補強工法においては、かかるコットンを用いることによって、エポキシ樹脂との重合がさらに効率よく行われ、より強靱でかつ弾性を有する補強体を形成して相対する構造部材の結合部位間を補強する。
木造建築物補強工法は、エポキシ樹脂接着剤として、一般に用いられている取り扱いが簡易な主剤に硬化剤を混合することにより硬化する2液型エポキシ樹脂接着剤が用いられ、これら主剤と硬化剤とを混合した状態で吹き付け手段によって吹き付けを行う。また、木造建築物補強工法には、エポキシ樹脂接着剤として、混合処理が不要な1液常温硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いて、吹き付け手段によって吹き付けを行うようにしてもよい。
木造建築物補強工法においては、上述したようにエポキシ樹脂接着剤とセルロース材の吹き付け領域と吹き付け量とによって任意の大きさかつ厚みを有する補強体を形成することが可能である。したがって、木造建築物補強工法においては、あらゆる箇所の構造部材間の結合部位に対して適用することが可能であり、補強工事のコスト低減や工期短縮が図られるようになる。また、木造建築物補強工法においては、基礎と土台、土台と柱、柱と梁或いは柱と筋交い等の構造部材間の結合部位と同時に、これら構造部材によって囲まれた壁面に対しても第1及び第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース吹き付け工程とを施すようにしてもよい。木造建築物補強工法においては、壁面を被覆して強靱でかつ弾性を有し所定の厚みのセルロース層を形成することによって、強度が向上された構造壁(耐力壁)が構成されるようにするとともに、セルロース層が断熱防音層として機能も作用する。
本発明にかかる木造建築物補強工法によれば、構造部材間の結合部位に対して、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と、セルロース材吹き付け工程と、第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程を施してセルロース材とエポキシ樹脂が化学的に結合されて強靱でかつ弾性も有する補強体を形成し、この補強体が構造部材間に跨ってこれを被覆してなる。したがって、本発明にかかる木造建築物補強工法によれば、構造部材の解体や組み替え等の大規模な工事を不要とし、木造建築物のあらゆる構造部材の結合部位或いは広範囲な領域に対して実施され、簡易な施工により引張り力と圧縮力とに対しても大きな耐性を付与する補強を行うことが可能である。本発明にかかる木造建築物補強工法によれば、地震等に際して構造部材間の結合部位に大きな力が作用されても補強対象箇所を被覆して形成された補強体に剥離や破断の発生がほとんど生じることは無く、補強対象箇所を確実かつ強固に保持して耐震性や耐久性の向上を図る補強を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態として示した木造建築物補強工法(以下、建築物補強工法と略称する。)について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示す建築物補強工法は、上述した図10に示した既存建築物における補強対策が必要な各結合部位に対して共通して実施することが可能である。また、建築物補強工法は、材質が同一の構造部材間の結合部位ばかりでなく、例えば基礎と土台のように材質を異にする構造部材間の結合部位に対しても共通して実施することが可能である。建築物補強工法は、既存建築物ばかりでなく、新築の建築物においても実施することが可能である。
建築物補強工法は、詳細を後述するように補強対象箇所に対してエポキシ樹脂接着剤とセルロース材とを吹き付け、当該箇所を被覆して全層においてセルロース材にエポキシ樹脂接着剤が含浸して硬化した補強体を形成する。建築物補強工法は、補強体が、エポキシ樹脂の高接着性と高強度特性とが発揮されるとともに、エポキシ樹脂接着剤の脆性特性がセルロースにより補完されて弾力性を有する補強体を形成する。建築物補強工法は、補強対象箇所に対して、エポキシ樹脂接着剤とセルロース材を交互に吹き付ける工法や、エポキシ樹脂接着剤とセルロース材とを混合した混合補強材を吹き付ける工法により補強体を形成する。以下、最初に交互吹付け工法について説明し、次に混合補強材吹付け工法について説明する。
建築物補強工法は、例えば図1に示すように、現状のままでは充分な補強施工が困難である土台1A、1Bが直交するとともにこの直交部位に柱2が立設されさらに筋交い3が設けられている補強対象部位4のような構造部材が輻輳する箇所においても、後述する各工程を経てこれら土台1A、1Bと柱2及び筋交い3の結合部位を同時に補強することが可能である。建築物補強工法は、土台1A、1Bや柱2或いは筋交い3や木摺り5で囲まれる壁部位に対しても各工程を経て同時に補強を行うことにより、断熱・防音機能を有する構造壁6として構成することが可能である。建築物補強工法においては、後述する各工程を経て上述した土台1柱2及び筋交い3等に跨ってこれらを被覆して補強する補強体7を形成する。
補強体7(構造壁6)は、図1に示すように土台1Bと柱2の相対する直交面の全域に亘って形成されることにより、これら土台1Bと柱2とを広範囲に一体化する。補強体7は、土台1Bと柱2及び図示しない梁とにより囲まれた壁面に構造壁6を構成して形成されることから、土台1Bと柱2を補強する筋交い3の実質的な断面積を大幅に増加させ或いは一体化された筋交い3を構成する。したがって、建築物補強工法により形成される補強体7は、構造部材間を極めて大きな機械的剛性で結合させて、耐震性や耐久性の向上が図られるようにする。
建築物補強工法は、詳細を後述するが、補強体7の形成領域に対してエポキシ樹脂接着剤8を吹き付けて第1エポキシ樹脂接着層8Aを形成する第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と、エポキシ樹脂接着剤8が未硬化状態においてセルロース材9を吹き付けて付着させることによりセルロース層10を形成するセルロース材吹き付け工程と、セルロース層10上にさらにエポキシ樹脂接着剤8を吹き付けて第2エポキシ樹脂接着層8Bを形成する第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを有する。建築物補強工法においては、必要に応じて第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程に続いてセルロース材吹き付け工程とエポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを繰り返すことによって、所定の厚みを有する補強体7が形成される。
建築物補強工法には、セルロース材9として、例えば脱脂処理を施したコットン、パンヤ綿或いはセルロースファイバー等が用いられる。これらのセルロース材9は、従来技術として提案されている補強シートに用いられるアラミド繊維等と比較して廉価であり、小さな径の繊維複雑に絡み合って柔軟性や保水性が大きい特性を有している。セルロース材9は、天然素材であり、万一火災が発生した場合でも有毒ガスが発生することは無い。なお、パンヤ綿は、パンヤ科の常緑高木から得られる繊維綿であり、例えばクッション、布団或いは枕等の充填材として用いられている安全な素材である。また、セルロースファイバーは、天然木素材を主原料とした段ボールを粉砕して繊維質とした素材であり、建築材として例えば天井裏等に敷き込んで断熱材として用いられている素材である。
セルロース材9は、塊状態で用いることに限定されないが、不織布或いは砕片化したものを用いることにより第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程で塗布されたエポキシ樹脂接着剤8に対して大きな面積で接着することが可能となり、第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程に際して周囲に飛び散ることが抑制されるようになる。セルロース材9は、[C(OH)の分子式で示され、アラミド繊維等の合成樹脂繊維や炭素繊維或いはガラス繊維等と比較して多くのOH基を有することによって未硬化のエポキシ化合物の酸素原子に付加して分子間架橋させる性質がある。セルロース材9は、上述したように脱脂コットンを用いることによってOH基の露出度が大きくなり、エポキシ化合物との反応性がより大きくなる。
建築物補強工法においては、エポキシ樹脂接着剤8として、取り扱いが簡易で一般に用いられている主剤に硬化剤を混合することにより硬化する2液型エポキシ樹脂接着剤、或いは混合処理が不要な1液常温硬化型エポキシ樹脂接着剤が用いられる。2液混合型エポキシ樹脂接着剤は、周知のようにビスフェノールAとエピクロロヒドリンの重合により生成され1分子中に2個以上のエポキシ基を有する熱硬化性樹脂を主剤とし、この主剤に対して例えばジエチレントリアミン等のアミン類、有機酸或いは酸無水物等の二官能性化合物からなる硬化剤を混合して用いられる。2液混合型エポキシ樹脂接着剤は、主剤に硬化剤を混合することによってエポキシ基の開環及びOH基との反応が起こり、架橋結合が生じて安定した三次元構造となって硬化する。2液混合型エポキシ樹脂接着剤は、高硬度で硬化時の収縮が小さくかつ強力な接着強度を有しているが、脆性が大きいといった特徴がある。なお、2液混合型エポキシ樹脂接着剤には、硬化剤に例えば三級アミン等の低温反応性硬化促進剤も添加される。
1液常温硬化型エポキシ樹脂接着剤としては、例えばコニシ(株)製のエポキシ樹脂系1液常温硬化形接着剤「ユニエポ補修用プライマー」が用いられる。1液常温硬化型エポキシ樹脂接着剤は、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と硬化剤のケチミンとに、酸化カルシウムやシリカ、酸化亜鉛を混合したもので、大気に晒すことによってOH基と反応して硬化する特性を有している。
建築物補強工法は、上述したエポキシ樹脂接着剤8を用いるエポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材9を用いるセルロース材吹き付け工程とを施すことにより各構造部材1〜3に跨って一体化された補強体7を形成する。補強体7は、第1エポキシ樹脂接着剤層8Aと第2エポキシ樹脂接着剤層8Bとの間において、所定の厚みで形成されたセルロース層10が吹き付けられたエポキシ樹脂接着剤8がセルロース材9に含浸して化学的に結合することから、硬化状態で強力な接着特性と大きな硬度を発揮するエポキシ樹脂接着剤8の脆さがセルロース材9との結合によって補完されて引張り力と圧縮力とに対する大きな機械的耐性を有しかつ適宜の弾性も保持される。
建築物補強工法は、上述した補強体7が、大きな地震に際して縦揺れや横揺れによって土台1に仕口結合された柱2や筋交い3に対して大きな力が作用された場合でも、エポキシ樹脂接着剤の強力な接着力とともにセルロース材の弾性変形による作用力の緩和作用とによりこれら部材から剥離することなく強固な結合状態を保持する。したがって、建築物補強工法は、各部材間に跨る補強体7を形成することによって建築物の耐震性や耐久性を向上させる。
建築物においては、例えば土台1と柱2との間を補強する場合に、充分な機械的強度を得るようにするために一般に適宜の補強部材がこれらの結合部位の隣り合う同一面内に跨って取り付けられるようにする。建築物においては、補強対象部位4のように多数の構造部材が輻輳して存在する箇所では、土台1と柱2とに対して補強部材を上述した位置に取り付けることが困難である。したがって、建築物においては、機械的強度が低下するが補強部材を、例えば相対する直交面に跨ってL字状の態様で取り付けている。建築物は、このために大型の補強部材を用いたり、邪魔になる部材を組み替えたりする対応によって所定の機械的強度を得るようにしている。
建築物補強工法においては、上述した図10に示した既存建築物における補強対策が必要な全ての部位に対して共通して実施することが可能であり、また補強体7の形成位置にも限定されることは無い。さらに、建築物補強工法においては、材質が同一の構造部材間の結合部位ばかりでなく、例えば基礎と土台のように材質を異にする構造部材間の結合部位に対しても共通して実施することも可能である。
以下、図2に示した補強対象部位4における建築物補強工法の施工手順について説明する。補強対象部位4には、同図(A)に示すように互いに仕口結合されて土台1Aと土台1Bとが直交して結合されるとともに、この直交部位に仕口結合された柱2が立設されている。補強対象部位4には、筋交い3がその下端部を土台1Aと柱2とに跨って仕口結合されるとともに上端部を図示しない梁に仕口結合されて設けられている。なお、建築物補強工法は、上述したように補強対象部位4に、土台1Aや柱2或いは筋交い3に固定されて外側に適宜の外壁11が設けられる多数の木摺り5を被覆して所定の厚みを有して形成される補強体7により、これら各部材を固定しかつ断熱・防音機能を奏する構造壁6も同時に形成することも可能である。
建築物補強工法においては、上述した補強対象部位4に対して、図2(B)に示すように土台1A、1Bと柱2及び筋交い3の所定箇所にエポキシ樹脂接着剤8を塗布して第1エポキシ樹脂接着剤層8Aを形成する第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程が施される。第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程は、補強対象部位4の補強対象部位、例えば土台1Aや土台1Bと柱2との相対する直交面、土台1B及び柱2と筋交い3との結合部位に、エポキシ樹脂接着剤吹付け装置12によってエポキシ樹脂接着剤8を吹き付ける。形成された第1エポキシ樹脂接着剤層8Aは、各部材と後工程によって形成されるセルロース層10とを接合させる機能と、各部材の結合部位に浸潤して接合させる機能とを奏し、ある程度の厚みを以ってやや広い範囲で形成される。
図3に示したエポキシ樹脂接着剤吹付け装置12は、2液混合型エポキシ樹脂接着剤8を塗布する装置であり、エポキシ樹脂接着剤8の主剤8Aを充填して収納する第1タンク13と、硬化剤8Bを充填して収納する第2タンク14とを備える。エポキシ樹脂接着剤吹付け装置12は、エポキシ樹脂接着剤8として混合処理が不要な1液常温硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いる場合には、1個のタンクが備えられる。
エポキシ樹脂接着剤吹付け装置12は、第1タンク13と第2タンク14に空気供給管16Aを介してそれぞれ圧縮空気を送り込んで内部から主剤8Aと硬化剤8Bを供給管15A、15Bに送り出すコンプレッサ16と、供給管15A、15Bから供給された主剤8Aと硬化剤8Bを混合して所定部位に吹き付けるエアガン18等によって構成される。エポキシ樹脂接着剤吹付け装置12は、新築現場等のように電源設備が整っていない現場でも使用されることから、コンプレッサ16に電源を供給する発電機19が備えられる。
エポキシ樹脂接着剤吹付け装置12は、発電機19を起動してコンプレッサ16から第1タンク13と第2タンク14に圧縮空気を送り込み、補強対象部位に向けてエアガン18の引き金を引くことによって供給管15A、15Bを介して供給された主剤8Aと硬化剤8Bを混合したエポキシ樹脂接着剤8を噴射させる。エポキシ樹脂接着剤吹付け装置12は、供給管15A、15Bを引き回すことにより、床下や天井裏等の極めて狭い場所にある補強対象部位の各部材に対してもエポキシ樹脂接着剤8を均一に塗布することが可能である。
建築物補強工法においては、図2(C)に示すように上述した第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程によってエポキシ樹脂接着剤8を吹き付けて第1エポキシ樹脂接着剤層8Aを形成した土台1A、1Bと柱2及び筋交い3にセルロース材9を吹き付けるセルロース材吹き付け工程が施される。セルロース材吹き付け工程は、エポキシ樹脂接着剤8が未硬化状態で実施され、セルロース材吹付け装置20によって各部材に形成した第1エポキシ樹脂接着剤層8A上に上述したセルロース材9を所定の厚みで吹き付ける。セルロース材9は、エポキシ樹脂接着剤層8Aにより各部材の表面に接合されてセルロース層10を形成する。また、セルロース材9は、各部材の表面に近い内層部分に未硬化状態のエポキシ樹脂接着剤8が含浸して化学的な結合も行われる。
セルロース材吹付け装置20は、図4に示すように、セルロース材9を充填して収納する材料タンク21と、この材料タンク21からセルロース材9が供給されるチャンバ22とを備える。セルロース材吹付け装置20は、チャンバ22内にファン23が設けられ、ファン23がモータ24によって回転駆動されることによってチャンバ22内に空気流が発生される。セルロース材吹付け装置20には、チャンバ22にファン23と対向してセルロース材供給口22Aが設けられ、このセルロース材供給口22Aに接続されたホース25の先端にノズル26が取り付けられる。セルロース材吹付け装置20にも、電源設備が整っていない現場での使用を可能とするために、モータ24に電源を供給する発電機2が備えられる。なお、セルロース材吹付け装置20は、発電機2を上述したエポキシ樹脂接着剤吹付け装置12の発電機19と共用するようにしてもよい。
セルロース材吹付け装置20は、チャンバ22内に材料タンク21からセルロース材9が供給されており、この状態で発電機26を起動してモータ24に電源を供給してファン23が回転駆動される。セルロース材吹付け装置20は、ファン23の回転により生じた空気流によりチャンバ22内のセルロース材9をセルロース材供給口22Aからホース25へと送り出し、各部材に形成した第1エポキシ樹脂接着剤層8Aに向けたノズル26からセルロース材9を吹き付ける。セルロース材吹付け装置20においても、ホース25を引き回すことにより、床下や天井裏等の極めて狭い場所にある補強対象部位の各部材に対してセルロース材9を均一に吹き付けることが可能である。
建築物補強工法においては、図2(D)に示すように上述したセルロース材吹き付け工程により形成したセルロース層10上に、再度エポキシ樹脂接着剤8を吹き付けて第2エポキシ樹脂接着剤層8Bを形成する第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程が実施される。第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程においては、上述したエポキシ樹脂接着剤吹付け装置12が用いられ、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と同様の手順によってセルロース層10上にエポキシ樹脂接着剤8の吹き付けを行う。
建築物補強工法においては、第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程によりセルロース層10上に第2エポキシ樹脂接着剤層8Bを形成するとともに、上塗りされたエポキシ樹脂接着剤8が表面から内部へと含浸して、層全体に亘ってエポキシ樹脂接着剤8とセルロース材9とが化学結合したセルロース層10を形成する。建築物補強工法においては、上述した工程を経て第1エポキシ樹脂接着剤層8Aと第2エポキシ樹脂接着剤層8Bとの間において、セルロース材9間にエポキシ樹脂接着剤8が含浸しかつエポキシ樹脂接着剤8とセルロース材9とが化学結合したセルロース層10からなる補強体7を形成する。
補強体7は、各部材の結合部位において充分な機械的強度を有するためにはある程度の厚みが必要である。補強体7は、上述したように構造壁6を構成する場合に、セルロース層10が機械的強度とともに充分な断熱作用や防音作用を奏するためにある程度の厚みが必要となる。補強体7は、上述したセルロース材吹き付け工程により形成するセルロース層10がある程度の厚みを超えると、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とにより塗布されるエポキシ樹脂接着剤8が内層にまで行き渡らず所定の強度が得られない虞もある。
したがって、建築物補強工法においては、図2(E)に示すよう上塗りした第2エポキシ樹脂接着剤層8Bを形成するエポキシ樹脂接着剤8が未硬化状態において、セルロース材吹付け装置20を用いてセルロース材9の再吹き付けを行って2層目のセルロース層10Bを形成する。建築物補強工法においては、図示を省略するがこのセルロース層10Bに対してもエポキシ樹脂接着剤吹付け装置12を用いてエポキシ樹脂接着剤8の上塗り工程が施される。建築物補強工法においては、セルロース材吹き付け工程とエポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを繰り返すことにより所定の厚みを有する補強体7を形成する。
なお、建築物補強工法においては、例えば構造壁等の箇所においてエポキシ樹脂接着剤8を上塗りした後にさらにセルロース材9を吹き付けて補強体7に上塗りセルロース層を形成するようにしてもよい。上塗りセルロース層は、補強機能とともに、より効果的な断熱や防音機能も奏する。
上述した建築物補強工法は、補強対象部位4における土台1A、1Bと柱2及び筋交い3の結合部位を対象とした補強について説明したが、本発明はかかる適用例に限定されるものでは無い。第2の実施の形態として図5に示した建築物補強工法は、いわゆる無筋の基礎30を補強する基礎補強工法への適用例である。なお、この基礎補強工法は、無筋基礎30ばかりでなく、機械的強度が不足する鉄筋入り基礎に対しても実施されることは勿論である。
一般的な木造家屋の基礎30は、土台1を固定する布基礎31をフーチング32から一体に立設して形成される。基礎30は、布基礎31やフーチング32内に所定量の鉄筋が入れられていない場合に、大きな引張力等が作用されることによって布基礎31の立ち上がり部位から損壊される虞がある。基礎補強工法は、建築物に対応して広範囲に形成された基礎30の全体に対して、互いに直交する布基礎31の側面31Aとフーチング32の上面32Aとに跨って補強体33を形成することによって補強を行う。
基礎補強工法は、覆土を取り除いてフーチング32の上面32Aを露出させ、この上面32Aと布基礎31の側面31Aから汚れを除去した状態で、上述した建築物補強工法と同様に第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを施して補強体33を形成する。基礎補強工法においても、大きな厚みを有する補強体33を形成する場合には、第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程に引き続いてセルロース材吹き付け工程とエポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とが適宜繰り返し行われる。
第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程も、上述したエポキシ樹脂接着剤吹付け装置12が用いられ、図5(A)に示すように布基礎31の側面31Aとフーチング32の上面32Aとにエポキシ樹脂接着剤8を吹き付けて第1エポキシ樹脂接着剤層34を形成する。第1エポキシ樹脂接着剤層34は、補強体33を布基礎31とフーチング32とに跨って接合させる機能を奏することから、ある程度の厚みを以って形成される。
セルロース材吹き付け工程も、上述したセルロース材吹付け装置20が用いられ、図5(B)に示すように第1エポキシ樹脂接着剤層34上にセルロース材9を吹き付けてセルロース層35を形成する。セルロース材吹き付け工程においても、エポキシ樹脂接着剤8が未硬化状態で実施することにより、セルロース材9にエポキシ樹脂接着剤8が含浸して化学的結合が行われるようにする。
第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程も、上述したエポキシ樹脂接着剤吹付け装置12が用いられて、図5(C)に示すようにセルロース層35上にエポキシ樹脂接着剤8を吹き付けて第2エポキシ樹脂接着剤層36を形成する。第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程においても、上塗りされたエポキシ樹脂接着剤8が表面から内部へと含浸して、層全体に亘ってエポキシ樹脂接着剤8とセルロース材9とが化学結合したセルロース層35を形成する。
基礎補強工法においては、上述した工程を経て第1エポキシ樹脂接着剤層34と第2エポキシ樹脂接着剤層36との間に、セルロース材9間にエポキシ樹脂接着剤8が含浸しかつエポキシ樹脂接着剤8とセルロース材9とが化学結合したセルロース層35からなる補強体33を形成する。なお、基礎補強工法においても、第2エポキシ樹脂接着剤層36に対してセルロース材吹き付け工程とエポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを繰り返して、所定の厚みを有する補強体33を形成するようにしてもよい。
基礎補強工法においては、互いに直交する布基礎31の側面31Aとフーチング32の上面32Aとに対して、これらに跨るとともに全面に亘って確実に接合する強靱かつ弾性を有する補強体33を形成する。補強体33は、地震等に際して変形が生じる基礎30や土台1に倣って弾性変形することによってある程度作用力を吸収し、基礎30から剥離することなくこれを保持して損壊の発生を低減する。基礎補強工法においては、エポキシ樹脂接着剤8とセルロース材9の吹き付けによる簡易な作業により補強体33を形成することから、塗布ローラにより布基礎31の側面31Aとフーチング32の広い領域に接着剤を塗布した後に補強シートを接合する従来工法と比較して大幅な工数削減が図られるようにする。
上述した建築物補強工法と他の補強工法について次の条件による比較試験を実施し、この比較試験の結果特性を図6に示す。すなわち、比較試験は、土台に柱を立設した柱脚部に対して各工法による補強を行った試験体を製作し、これら試験体に対して柱に引張り荷重を加えて土台から破損が発生するまでの状態を実測するものである。同図において、縦軸を引張り荷重(KN)、横軸を変位量(mm)として、試験体Aの変化を実線、試験体Bの変化を破線、試験体Cの変化を一点鎖線、試験体Dの変化を二点鎖線で示している。
試験体Aは、上述した本発明にかかる建築物補強工法によって、土台1と柱2の直交面に跨って柱側に145mmの高さかつ土台側に100mmの範囲で補強体7を形成して補強を行ったものである。試験体Bは、柱2の側面から土台1のほぞ溝に達する直径30mmの充填孔37を穿孔し、この充填孔37にエポキシ樹脂接着剤8を充填することによりアンカ作用生じさせて補強を行ったものである。試験体Cは、土台1と柱2の直交面に跨って柱側に145mmの高さかつ土台側に100mmの範囲でエポキシ樹脂接着剤8を塗布するとともに体積比10%のビニロン繊維を混合した補強体38によって補強を行ったものである。試験体Dは、土台1と柱2の直交面に跨って柱側に145mmの高さかつ土台側に100mmの範囲でそれぞれエポキシ樹脂接着剤8を塗布し3mmの厚さのエポキシ樹脂接着剤層39を形成して補強を行ったものである。
試験体Aにおいては、図6から明らかなように、他の試験体B〜Dとの比較において引張り荷重に対する耐性が極めて大きい結果が得られた。試験体Aにおいては、土台1と柱2とに跨った形成された補強体7のL字状の形態が保持され、引張り荷重が22KNを超えた時点で土台1と柱2との結合状態を保持するものの土台1側に割裂破壊が生じて測定不能となった。
これに対して、試験体Bにおいては、引張り荷重が18KNを超えた時点で土台割れが生じて測定不能となったが、引張り荷重に対してある程度の耐性の向上が図られる結果を得た。しかしながら、試験体Bにおいては、エポキシ樹脂接着剤8の流動特性によっては充填孔37の底部まで充分に充填されないこともあることで信頼性にバラツキも生じることが判明した。また、試験体Bにおいては、土台1と柱2に跨る充填孔37の穿孔作業が極めて面倒である。試験体Cにおいては、引張り荷重が11KNを超えた時点で補強体38に破断が発生し、引張り荷重に対する充分な耐性を得ることができなかった。試験体Dにおいても、引張り荷重が4KNを超えた時点でエポキシ樹脂接着剤層39に破断が発生し、また土台1から剥離する状態となった。
本発明にかかる建築物補強工法によれば、エポキシ樹脂接着剤8とセルロース材9とが化学的に結合することによりエポキシ樹脂接着剤8の脆性をセルロース材9が補完してある程度の弾性力を有する補強体7が強力な接着力を以って土台1と柱2とを強固に補強する。したがって、建築物補強工法によれば、他の補強工法と比較して簡易な作業により建築物を強固に補修することを可能とする。
本発明は、上述した実施の形態として示した木造家屋への適用例ばかりでなく、コンクリート建造物にも適用することが可能である。コンクリート建造物においても、建築基準法の改正により鉄筋の外径や設置間隔の仕様も変更され、建築年代に応じて鉄筋の引張り許容耐力が不足する建物に対して補強の対応が必要となっている。参考例として図7に示した建築物補強工法は、鉄筋コンクリート製の独立した鉄筋コンクリート柱40を補強する補強工法への適用例である。
鉄筋コンクリート柱40は、フーチング等から立設された複数本の主筋41に対して高さ方向に所定の間隔を以って帯筋42を組み合わせて鉄筋芯材を構成し、この鉄筋芯材の外周部に組み立てた図示しない型枠内にコンクリートを打設することによりコンクリート躯体43を形成する。鉄筋コンクリート柱40は、主筋41と帯筋42の引張り耐力とコンクリート躯体43の剪断耐力とにより所定の強度を得る。
鉄筋コンクリート柱補強工法は、この鉄筋コンクリート柱40に対して、表面の汚れ等を除去した状態で、上述した建築物補強工法と同様に第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを施すことにより、コンクリート躯体43の外周部を所定の高さで全周に亘って被覆する強靱性と弾性を有する補強体44を形成する。鉄筋コンクリート柱補強工法においては、補強体44を、鉄筋コンクリート柱40の外周部において、略直角の各稜線部を跨る部位においても浮いた状態を呈することがなく全周に亘って密着した状態で形成することが可能である
鉄筋コンクリート柱補強工法においては、上述した工程を経て鉄筋コンクリート柱40の外周部を被覆する補強体44を形成することにより、この補強体44が地震等に際して鉄筋コンクリート柱40に作用される剪断力に対して重要な耐力要素である帯筋42を補強する作用を奏する。また、鉄筋コンクリート柱補強工法においては、地震等に際して変形が生じる鉄筋コンクリート柱40に倣って弾性変形してある程度作用力を吸収し、コンクリート躯体43の表面から剥離することなくこれを確実に保持する補強体44を形成する。なお、鉄筋コンクリート柱補強工法は、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを適宜繰り返すことによって、所定の厚みを有する補強体4を形成する。
他の参考例として図8に示した建築物補強工法は、鉄筋コンクリート製の柱46に壁47を一体化した耐震壁構造体45を補強する耐震壁構造体補強工法への適用例である。耐震壁構造体45は、柱46と壁47とに連続した配筋が行われて鉄筋芯材が形成され、この鉄筋芯材を埋設して柱と壁とを一体化したコンクリート躯体が形成されて構成される。なお、耐震壁構造体45は、壁47が、柱46とともに図示しない梁に対しても一体化されて形成される。
耐震壁構造体補強工法は、表面の汚れ等を除去した状態で耐震壁構造体45の両面に上述した建築物補強工法と同様に第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを施して強靱性と弾性を有する表裏補強体48A、48Bからなる補強体48を形成する。耐震壁構造体補強工法は、図8に示すように耐震壁構造体45の両面において、柱46の表面とこの柱46を挟んで両側に沿った壁47の表面に跨ってそれぞれ所定の幅を有する各補強体48を形成する。耐震壁構造体補強工法は、耐震壁構造体45が柱46の稜線と柱46と壁47との連設部に略直角の部位を有しているが、上述した吹き付け工法によりこれら部位においても浮いた状態を呈することがなく全周に亘って密着した状態で補強体48を形成する。
耐震壁構造体補強工法においては、上述した工程を経て柱46とその両側に沿った壁47の所定幅領域を被覆して形成された補強体48が、地震等に際して大きな力が作用される耐震壁構造体45を補強する。耐震壁構造体補強工法においては、柱46に沿って壁47の表面に所定の幅を有する補強体48を形成することにより、地震により作用される剪断力に対して重要な耐力要素である46内に配筋された帯筋を補強する作用を奏する。また、耐震壁構造体補強工法においては、補強体48が、地震等に際して変形が生じる柱46や壁47に倣って弾性変形してある程度作用力を吸収することで、コンクリート躯体の表面から剥離することなく耐震壁構造体45を確実に保持する。なお、耐震壁構造体補強工法においても、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを適宜繰り返すことによって、所定の厚みを有する補強体48を形成する。
さらに他の参考例として図9に示した建築物補強工法は、鉄筋コンクリート製の梁50と、この梁50に一体に連設された鉄筋コンクリート製のスラブ51を補強する梁・スラブ補強工法への適用例である。梁50やスラブ51にも、複数本の主筋に対して所定の間隔を以って帯筋が組み合わされて鉄筋芯材が形成され、この鉄筋芯材を埋設して梁50とスラブ51とを一体化してコンクリート躯体が形成される。
梁・スラブ補強工法は、表面の汚れ等を除去した状態で梁50とスラブ51の表面に上述した建築物補強工法と同様に第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを施して強靱性と弾性を有する補強体52を形成する。梁・スラブ補強工法は、図9に示すように梁50の表面とこの梁50を挟んだ両側のスラブ51の表面に跨って所定の幅を有する補強体52を形成する。梁・スラブ補強工法は、梁50の稜線と梁50とスラブ51との連設部に略直角の部位を有しているが、上述した吹き付け工法によりこれら部位においても浮いた状態を呈することがなく全域に亘って密着した状態で補強体52を形成する。
梁・スラブ補強工法においては、上述した工程を経て梁50とその両側に沿ったスラブ51の所定幅の領域を被覆して形成された補強体52が、地震等に際して大きな力が作用される梁50やスラブ51を補強する。梁・スラブ補強工法においては、補強体52が、スラブ51の表面に所定の幅を有して形成されることにより、地震により作用される剪断力に対して重要な耐力要素である梁50内に配筋された帯筋を補強する作用を奏する。また、梁・スラブ補強工法においては、補強体52が、地震等に際して変形が生じる梁50やスラブ51に倣って弾性変形してある程度作用力を吸収することで、コンクリート躯体の表面から剥離することなく梁50やスラブ51を確実に保持する。なお、梁・スラブ補強工法においても、第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とセルロース材吹き付け工程と第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを適宜繰り返すことによって、所定の厚みを有する補強体52を形成する。
上述したように本発明によれば、コンクリート建造物を対象として、柱や梁或いは壁やスラブ等の何れの部位に対しても同様の工程を施して強靱性と弾性を有する補強体を形成することが可能である。したがって、本発明によれば、建築基準法の改正前に建築され現基準の耐震強度に達しなくなったコンクリート建造物に対しても、簡易な作業によって各部に補強体を形成して機械的強度を向上させることにより現基準値を確保することを可能とする。
上述した各実施の形態は、交互吹付け工法を適用した各部の補強工法について説明したが、混合補強材吹付け工法によっても同様の補強を行うことが可能である。すなわち、交互吹付け工法においては、補強対象箇所に対してエポキシ樹脂接着剤吹付け装置12から供給したエポキシ樹脂接着剤を吹き付ける工程と、セルロース材吹付け装置20から供給したセルロース材を吹き付ける工程とが別工程により行われる。これに対して、混合補強材吹付け工法はエポキシ樹脂接着剤とセルロース材とを混合して混合補強材を生成する混合補強材生成工程と、この混合補強材を補強対象箇所に対して吹き付ける混合補強材吹付け工程とを有する1回吹付けを特徴とする。
かかる混合補強材吹付け工法においては、上述した未硬化状態の2液型或いは1液型エポキシ樹脂接着剤8に対して、例えば粉末状のセルロース材を予め混合した混合補強材が用いられて吹付け装置により補強対象箇所に吹き付けが行われる。粉末状のセルロース材としては、例えばエコライフ社製セルロースファイバー(商品名:ハイサーム)や三菱商事社販売の天然セルロース油吸着剤(商品名:フロアーゲイター&セルソープ)等が好適に用いられる。
混合補強材吹付け工法においては、攪拌機等を用いて未硬化状態のエポキシ樹脂接着剤8に対して粉末状のセルロース材を均一な状態で混合して混合補強材を生成する。混合補強材吹付け工法においては、混合補強材を適宜の吹付け装置を用いて補強対象箇所に吹き付けることにより、この補強対象箇所上に補強体を形成する。混合補強材吹付け工法においては、混合補強材の吹付け時間を調整することにより、適宜の厚みの補強体を形成することが可能である。混合補強材吹付け工法においては、作業時間の短縮化を図るとともに、吹付け設備の簡易化が図られるようになる。
実施の形態として示す木造建築物補強工法によって補強体を形成した木造建築物の出隅部位を示す要部斜視図である。 木造建築物補強工法の施工手順を示す説明図であり、同図(A)は施工前の出隅部位、同図(B)は第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程、同図(C)はセルロース材吹き付け工程、同図(D)は第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程、同図(D)は上塗りセルロース材吹き付け工程を示す。 エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程に用いるエポキシ樹脂接着剤吹付け装置の構成図である。 セルロース材吹き付け工程に用いるセルロース材吹付け装置の構成図である。 第2の実施の形態として示す基礎補強工程の施工手順を示す説明図であり、同図(A)は第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程、同図(B)はセルロース材吹き付け工程、同図(C)は第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程を示す。 木造建築物補強工法と他の補強工法とによる柱脚部の引抜き強度の特性図である。 参考例として示す鉄筋コンクリート柱を補強する補強工法を説明する要部斜視図である。 参考例として示す耐震壁構造体を補強する補強工法を説明する要部斜視図である。 参考例として示す梁・スラブを補強する補強工法を説明する要部斜視図である。 標準的な木造家屋モデル例出示す補強対象箇所の説明図である。
1 土台、2 柱、3 筋交い、4 出隅部位、5 木摺り、6 構造壁、7 補強体、8 エポキシ樹脂接着剤、8A 第1エポキシ樹脂接着剤層、8B 第2エポキシ樹脂接着剤層、9 セルロース材、10 セルロース層、11 外壁、12 エポキシ樹脂接着剤吹付け装置、20 セルロース材吹付け装置、30 基礎、33 補強体、40 鉄筋コンクリート柱、41 主筋、42 帯筋、43 コンクリート躯体、44補強体、45 耐震壁構造体、46 柱、47 壁、48 補強体、50 梁、51 スラブ、52 補強体

Claims (6)

  1. 木造建築物の構造部材結合部位に対して耐震補強を施す木造建築物補強工法であり、
    補強対象箇所の相対結合された構造部材の表面に跨ってエポキシ樹脂接着剤を吹き付けて含浸させることにより、上記構造部材間を接合する第1エポキシ樹脂接着剤層を形成する第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と、
    上記第1エポキシ樹脂接着剤層が未硬化状態においてその表面にセルロース材を吹き付けて付着させることにより、所定の厚みを有して上記構造部材間に跨るセルロース層を形成するセルロース材吹き付け工程と、
    上記セルロース層上にエポキシ樹脂接着剤を吹き付けて第2エポキシ樹脂接着剤層を形成する第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程とを有し、
    上記セルロース層に対してその表裏面から上記第1エポキシ樹脂接着剤層と上記第2エポキシ樹脂接着剤層のエポキシ樹脂接着剤が内部に含浸して硬化することにより、基材の上記セルロース材とエポキシ樹脂が化学的に結合して一体化されてなる補強体を形成し、
    上記補強体が、第1エポキシ樹脂接着剤層により接合された上記構造部材間を被覆して形成されて上記補強対象箇所を補強することを特徴とする木造建築物補強工法。
  2. 上記第1エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と上記セルロース材吹き付け工程と上記第2エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程が、上記エポキシ樹脂接着剤及び上記セルロース材の吹き付け領域と吹き付け量を変えて吹き付けを行うことにより、所定の大きさかつ厚みを有する上記補強体を形成することを特徴とする請求項1に記載の木造建築物補強工法。
  3. 上記セルロース材に、コットンを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木造建築物の補強工法。
  4. 上記エポキシ樹脂接着剤として、主剤に硬化剤を混合することによって硬化する2液型エポキシ樹脂接着剤が用いられ、
    主剤と硬化剤とを混合した状態で、吹き付け手段によって吹き付けが行われることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の木造建築物補強工法。
  5. 上記エポキシ樹脂接着剤として、1液常温硬化型エポキシ樹脂接着剤が用いられ、吹き付け手段によって吹き付けが行われることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の木造建築物補強工法。
  6. 上記各エポキシ樹脂接着剤吹き付け工程と上記セルロース材吹き付け工程とが、構造部材の結合部位間とともに構造部材で囲まれた壁面或いはスラブに対しても同時に施されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の木造建築物補強工法。
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