JP4392067B2 - 皮膚賦活剤 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、プルーンの果実若しくはその抽出物を含有することを特徴とする皮膚賦活剤、さらに詳しくは、コラーゲン合成を促進することによって、肌のハリ、ツヤの低下を防ぎ、小ジワ、くすみ等を改善する皮膚賦活剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】
肌のハリ、ツヤの低下や小ジワ等の肌の老化現象は、真皮におけるコラーゲン合成の低下が原因の一つと考えられており、皮膚の老化を予防するためには、真皮のコラーゲン合成を促進させることが有効な手段である。しかしながら、コラーゲン合成促進効果を有する物質は少なく、未だ効果の優れた皮膚賦活剤は得られていないのが現状である。
一方、プルーンの健康面に対する役割としては主に整腸効果、人体のアルカリ度保持に用いられる以外、その有効な利用例はなく、コラーゲン合成促進効果も知られていないことから、皮膚賦活剤等への応用例もない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、コラーゲン合成を促進し、肌の老化予防効果に優れた皮膚賦活剤を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはプルーンの果実若しくはその抽出物について有効性を検討したところ、優れたコラーゲン合成促進効果を示し、かつ、プルーンの果実若しくはその抽出物を含有することを特徴とする皮膚賦活剤が前記の目的に適するものであることを見出し、本発明を完成した。
【０００５】
本発明に用いられるプルーン(Prunus domestica L.)は、バラ科サクラ属に属する西洋スモモの一種であり、果実は楕円形をしている。そして果皮色は、青黒色または黄色で不明瞭な小斑点があり、果肉は黄色く硬く、甘味、酸味及び芳香を有する。特に、カリフォルニア産のものが良品と言われている。
本発明に係るプルーンの果実は、果実をそのまま、若しくはその抽出物として用いる。すなわち、果実をそのまま用いる場合には、細かく裁断したものをそのまま、若しくはそれを乾燥したものを用いる。一方、果実抽出物として用いる場合には、果実をそのまま若しくはその乾燥物を常法に従い、例えば水あるいは水性有機溶剤にて、室温あるいは加温抽出して得られた抽出液を濾過後、そのまま、若しくは必要に応じて濃縮し、若しくは乾燥粉末として用いることができる。果実の抽出物は、市販されている濃縮プルーンエキスを用いることもできる。
【０００６】
本発明の皮膚賦活剤におけるプルーン果実の配合量は、一日の摂取量として0.001〜10g/kg、好ましくは0.01〜5g/kgである。果実の抽出物を用いる場合は、果実に換算して同様の量を配合する。0.001g/kg未満では本発明の目的とする効果が十分に発揮できず、一方、10g/kgを超えても、その増加分に見合った効果の向上は望めない。
【０００７】
本発明の皮膚賦活剤は、経口投与で適用することが好ましく、液剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の剤型を用いることができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてデキストリン、乳糖、コンスターチ、乳化剤、防腐剤、賦形剤、増量剤、甘味剤、香味剤、着色剤等の添加剤を配合することも可能である。
【０００８】
【実験例】
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例−１ コラーゲン合成促進効果
本実験は、コラーゲン合成の低下した疑似老化ラットに対する本発明の影響を検討したものである。なお、コラーゲン合成の測定は、ラットの背部皮膚肉芽中のヒドロキシプロリンを指標とした。
実験は、疑似老化ラットを2群に分け1群8匹とし、一方に水、もう一方にプルーン3g/kgの液剤を4週間経口投与した。投与開始より4週間目に、ネンブタール麻酔下、歯科用綿球をラットの背部皮下の2ヶ所に埋めこんだ。その1週間後に綿球を摘出し、綿球周囲に形成された肉芽中のヒドロキシプロリンをパラジメチルベンズアルデヒド法で測定した。
その結果、表1に示す通り、プルーンによって肉芽中のヒドロキシプロリンは有意に増加し、皮膚コラーゲン合成は促進されることが明らかとなった。
【０００９】

【００１０】
【実施例】
次に本発明を詳細に説明するために代表的な実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量は重量%を示す。
実施例−１ 液剤
処方 配合量(%)
1.濃縮プルーンエキス（糖度70°） 1.0
2.コラーゲンペプチド 10.0
3.クエン酸 0.7
4.果糖ブドウ糖液糖 6.0
5.香料 適量
6.精製水にて全量を100とする。
［製法］6に1〜5を加え、攪拌溶解してろ過し、加熱殺菌後、瓶に充填する。
【００１１】
実施例−２ 錠剤
処方 配合量(%)
1.プルーン乾燥粉末 5.0
2.粉糖 50.0
3.クエン酸 4.0
4.乳糖にて全量を100とする。
5.色素 適量
6.香料 適量
7.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
［製法］1〜5の混合物に80%エタノールを適量加えて造粒を行った後に乾燥する。それに6及び7を加えて、打錠成型する。
【００１２】
実施例−３ 顆粒剤
処方 配合量(%)
1.プルーン乾燥粉末 1.0
2.粉糖 50.0
3.クエン酸 2.5
4.ビタミンＣ 1.0
5.香料 適量
6.乳糖にて全量を100とする。
［製法］1〜6の混合物に80%エタノールを適量加え、押出し造粒を行った後に乾燥する。
【００１３】
実施例−４ 散剤
処方 配合量(%)
1.プルーン乾燥粉末 1.0
2.粉糖 50.0
3.クエン酸 2.5
4.ビタミンＣ 1.0
5.香料 適量
6.乳糖にて全量を100とする。
［製法］1〜6の混合物に80%エタノールを適量加え、よく混和し、乾燥後粉砕して細末とする。
【００１４】
実施例−５ カプセル剤
処方 配合量(%)
1.プルーン乾燥粉末 1.0
2.微結晶セルロース 3.5
3.コンスターチ 2.0
4.ポリビニルピロリドン 0.3
5.乳糖にて全量を100とする。
［製法］1〜3及び5を混和し、4を結合剤として加えて常法により顆粒化した後、ゼラチン硬カプセルに充填する。
【００１５】
実施例−６ シロップ剤
処方 配合量(%)
1.濃縮プルーンエキス（糖度70°） 1.0
2.カルボキシメチルセルロース 2.0
3.単シロップにて全量を100とする。
［製法］1〜3を混和し、均等の粘稠液とする。
【００１６】
実施例−７ トローチ剤
処方 配合量(%)
1.プルーン乾燥粉末 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 2.0
3.白糖末 4.0
4.アラビアゴム 3.0
5.デキストリン 90.0
［製法］1〜5を混和細末とし、水又は単シロップを少量ずつ加え、これを型に注入して成型する。
【００１７】
比較例−１ 従来の液剤
実施例−１において、濃縮プルーンエキスを精製水に置き換えたものを従来の液剤とした。
【００１８】
【実験例】
実験例−２ 使用試験
実施例−１の液剤と比較例−１の従来の液剤を用いて、各々女性50人（30〜45才）を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後の肌のハリ、ツヤ、小ジワ、透明感およびくすみの改善に関するアンケート調査により、美肌効果を判定した。その結果、プルーンを配合した皮膚賦活剤は優れた美肌効果を示した（表２、３）。
【００１９】

【００２０】

【００２１】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明のプルーンの果実若しくはその抽出物を配合した皮膚賦活剤は、コラーゲン合成を促進し、肌のハリ、ツヤの低下を防ぎ、小ジワやくすみ等を改善し、うるおいのある若々しい素肌を保つ優れた美肌効果が認められた。

Claims (1)

1. プルーンの果実若しくはその抽出物を含有することを特徴とする経口投与用のコラーゲン合成促進剤。