JP4391757B2 - 手術装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織に対して超音波処置を行うとともに高周波処置も可能な手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、20kHz以上の超音波振動により生体組織を超音波処置する装置が知られており、大きく分けた2つの種類があった。
【0003】
第1の種類の超音波処置装置は、特に超音波吸引器と呼ばれるものである。超音波吸引器は、超音波振動をする中空のプローブとプローブ先端以外を覆うシースを有し、プローブとシースの間から冷却水をプローブ先端に送水しプローブ内腔から吸引することによって、超音波振動による生体組織の破砕、乳化、吸引を行うものである。
【0004】
また、この超音波吸引器は、超音波振動の組織選択性を利用しており、血管や肝管、神経などを選択的に温存できるため特に肝臓切除や脳腫瘍摘出に用いられている。
【0005】
ここで、組織選択性とは、弾力性のある血管や神経は破砕しにくく、脂肪や脳腫瘍などのもろい組織は破砕しやすいため、血管や神経を温存しつつ組織を処置できる効果のことである。
【0006】
第2の種類の超音波処置装置は、超音波凝固切開装置と呼ばれるものである。これは更に2つの種類に分けることができる。
【0007】
第1の種類の超音波凝固切開装置は、超音波振動する中実のプローブと生体組織の超音波摩擦を利用して生体組織の蛋白変性による凝固を行うとともに、超音波振動を利用して生体組織の切開を行うものである。
【0008】
このような第1の種類の超音波凝固切開装置は、出血を抑えつつ切開することができる。ここで、蛋白変性とは、蛋白質はある温度以上になると不可逆的な変質を生じ凝固する性質があることを示している。
【0009】
第2の種類の超音波凝固切開装置は、超音波振動する中実のプローブとプローブ先端に配置され前記プローブに対して開閉するジョーとを有し、生体組織をプローブとジョーの間に把持してプローブと生体組織の超音波摩擦を利用した生体組織の蛋白変性による凝固を行うと同時に、プローブとジョーの把持力(切断力)及び超音波振動を利用して生体組織の切開を行うものである。
【0010】
このような第2の種類の超音波凝固切開装置は、特に血管や脈管などを閉塞しつつ切離することができるものであり、主に内視鏡下外科手術に用いられている。しかしながら、第2の種類の超音波凝固切開装置は、構造上外径が太くなってしまうこととピンセット形状では無いことなどにより脳外科では使用されていない。
【0011】
これらの超音波処置装置の中には、プローブ(又はチップ)を放電電極として利用し、約0.5MHz程度のモノポーラ形式の高周波処置を行えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
モノポーラ形式の高周波処置とは、生体組織へ放電を行う放電電極が単極で、高周波処置電流生体組織に放電し、生体内部を通った電流を対極板という拡散電極から回収することによって生体組織を焼灼することである。
【0013】
超音波処置とモノポーラ形式の高周波処置を行える機器では、機器を交換せずに超音波処置と高周波処置を行えるため、特に肝臓切除時の微少血管の止血などに有効であった。
【0014】
しかし前述のような超音波吸引器は、プローブやシースの冷却などの目的で冷却水(生理食塩水)をプローブ先端へと供給するようになっており、目的の組織に対してもこの冷却水が飛散する。更に一般的に処置中の生体組織は切離面が出ていることが多く血液や体液などが貯留していることが多い。
【0015】
このため前述の超音波処置とモノポーラの高周波電流による処置を併用する装置においては、プローブ先端から流される電流が生理食塩水や血液、体液などの電解質を有する液体中に拡散してしまい、目的の組織を効率良く処置しにくい場合があることも知られている。
【0016】
これに対してバイポーラ形式の高周波電流による処置は、血液や体液の影響を受けにくい特徴があることが知られている。このバイポーラ形式の高周波処置とは、2極の放電電極間に挟まれた目的の生体組織のみに高周波電流を流して焼灼するものである。
【0017】
また、モノポーラ形式の高周波電流による処置は、電極から放電された電流を人体を通じて回収しなくてはならないため、焼却部位〜その他の人体組織〜拡散電極(対極板)というように焼却部位以外の組織にも電流が流れる。このため脳という神経組織が集合している重要な組織に電流を流すことについてコンセンサスがえられておらず、脳外科手術においては前述の血液の影響を受けにくい特徴もあるため一般的にピンセット形状の処置具によるバイポーラ形式の高周波電流処置が行われている。
【0018】
しかし構造上ジョーを使用しないタイプの超音波吸引器や超音波凝固切開装置にバイポーラ形式の高周波電流処置機能を組み合わせることは構造上困難なため実現されていなかった。そのためこのような形式の機器による超音波処置とバイポーラによる高周波処置は機器の交換が必要であった。特に狭い術野を顕微鏡にて拡大視しながら手術を行う脳外科において、機器の交換は手術時間の延長に繋がるため、このようなタイプの超音波手術装置に拡散電極(対極板)を使用しない高周波処置ができる機器を組み合わせて欲しいという脳外科医の要望が強かった。
【0019】
また、超音波振動を生体組織に伝達するプローブと、前記プローブに対向して開閉する開閉部材との間に生体組織を把持し、超音波振動により生体組織を凝固・切開する超音波凝固・切開装置が主に一般外科において血管の止血・切断などに使用されている。このなかで特にプローブと把持部材を互いに電気的に接続し、拡散電極と組み合わせることによって、プローブを把持部材のバイポーラと切り換え、プローブを拡散電極あるいは把持部材を拡散電極のモノポーラとして適時切り替えて使用できるものがあった(例えば、特許文献2参照)。しかしなから、この形態は、把持部材を有するからこそ可能であった。
【0020】
このような把持部材はプローブの超音波振動を吸収する必要があるため、把持面には耐熱樹脂などの柔軟な素材を使用しており、把持部材を電極として使用するためには柔軟な部材に少なくとも一部分は金属面を露出させて電極を形成する必要があったが、金属面がプローブと干渉するとプローブの耐久性に影響する場合もあった。
【0021】
また、0.5MHz程度の高周波電流では無く、8MHz〜60MHzの高帯域ラジオ波電流による電磁界効果とアーク放電を主に利用した高周波処置装置があった。この高帯域ラジオ波電流による高周波処置装置は、モノポーラ形式でありながら電流の回収が不要で目的の組織以外の人体組織に電流を流さず拡散電極が不要であるとともに、血液などの電解質液体中でも焼灼性能が無いという特徴から、特に脳外科手術装置において有効であった(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、高帯域ラジオ波電流による高周波処置装置は、プローブ先端以外からの放射や超音波手術装置との電気的な干渉など問題があるため、超音波手術装置と組み合わせたものは無かった。
【0022】
また、一般的にボルト締めランジュバン型振動子と呼ばれる超音波振動子では、電流のリークや漏れ電流の防止などのために、フロントマス(ホーン)、リアマス(バックマス)と電極(端子)や圧電素子の間に絶縁物を挟んだり(例えば、特許文献4参照)、全体を絶縁剤でコーティングしたものがあったが(例えば、特許文献5参照)、これらはあくまでも超音波振動子を駆動する電流に対しての対策であり、ホーンやプローブを経由して生体組織に高周波電流処置を行う際の漏れ電流やリークの対策のためのものでは無かった。
【0023】
【特許文献1】
特公平6−42893号公報(第3−5頁、第1−7図)
【0024】
【特許文献2】
特開平8−299351号公報(第3−5頁、図1−6)
【0025】
【特許文献3】
特許第3245815号公報(第4−8頁、図1−6)
【0026】
【特許文献4】
特開平10−429号公報(第2−3頁、図1−2)
【0027】
【特許文献5】
特開平10−277483号公報(第3頁、図2)
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
従来の8MHz〜60MHzの高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置装置は、モノポーラ形式であり、特に脳外科手術装置において有効であったが、プローブ先端以外からの放射や超音波手術装置との電気的な干渉など問題があるため、超音波手術装置と組み合わせることができなかった。
【0029】
また、従来のボルト締めランジュバン型振動子では、ホーンやプローブを経由して生体組織に高周波電流処置を行う際に、漏れ電流やリークを防止できなかった。
【0030】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置と超音波処置を機器の交換無しに併用できる手術装置を提供することを目的とする。
【0031】
また、本発明は、高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置と超音波処置を機器の交換無しに併用できるとともに、超音波処置と高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置を同時に行うことにより、超音波処置による組織の破砕または乳化、吸引効果及び組織選択性の効果と、高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置による凝固または切開効果を複合的に得ることができる手術装置を提供することを目的とする。
【0032】
本発明は、前記高帯域ラジオ波電流を用いた時の漏れ電流やノイズの増加、機器の誤動作やリーク、生体処置に使用できない電磁波の外部への放出などを防止し、信頼性が高く効率良い高周波電流処置を行うことができる手術装置を提供することを目的とする。
【0033】
本発明は、前記複合的な効果を高めるために超音波処置と高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置の動作を互いに連動させることができる手術装置を提供することを目的とする。
【0034】
本発明は、把持機能を有する装置において、プローブもしくはプローブと把持部材を電極とした高周波処置とプローブの耐久性を両立しようとするものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載の手術装置は、生体組織に放電可能な高帯域のラジオ波電流を発生可能なラジオ波電流発生手段と、前記ラジオ波電流発生手段で発生された前記ラジオ波電流を前記生体組織に放電して処置可能な放電電極部材と、前記放電電極部材の基端部に連結され、前記生体組織を処置可能な超音波振動を発生可能な超音波振動子と、前記超音波振動子を駆動するための超音波電流の駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、前記ラジオ波電流及び前記超音波電流の少なくとも一方に対して、他方の電流、又は少なくとも前記他方の電流の基本周波数の整数倍あるいは1/整数倍の周波数成分の電流の流入を防ぐ手段と、前記駆動信号発生手段と前記ラジオ波電流発生手段とを制御可能な制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0036】
請求項2に記載の手術装置は、生体組織を処置可能な超音波振動を発生可能な超音波振動子と、前記超音波振動子に設けられたアクティブ端子及びニュートラル端子に接続され、前記超音波振動子を駆動するための超音波電流の駆動信号を供給可能な駆動信号供給手段と、前記超音波振動子の前記ニュートラル端子に電気的に接続可能に導電性部材で形成され、前記駆動信号で駆動された前記超音波振動子からの前記超音波振動を伝達するために前記超音波振動子と機械的に連結されるプローブと、前記プローブが電気的に接続された前記ニュートラル端子の導電路に接続され、前記導電路を介して前記プローブに放電可能な高帯域のラジオ波電流を供給可能なラジオ波電流供給手段と、前記ラジオ波電流及び前記超音波電流の少なくとも一方に対して、他方の電流、又は少なくとも前記他方の電流の基本周波数の整数倍あるいは1/整数倍の周波数成分の電流の流入を防ぐ手段と、前記ラジオ波電流発生手段と前記駆動信号発生手段とを制御可能な制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は超音波手術装置のハンドピースを示す断面図、図2は超音波手術装置の全体構成の概略を示すブロック図である。
【0038】
(構成)
図1に示すように、ハンドピース10は、内部に超音波振動子11を有している。
【0039】
この超音波振動子11は、電歪型という形式で一般的にボルト締めランジュバン型振動子と呼ばれている。即ち、超音波振動子11は、複数のPZT{チタン酸鉛(PbTiO3)とジルコン酸鉛(PbZrO3)を混合して焼結した圧電セラミック}12を振動子アクティブ端子13と振動子ニュートラル端子14により挟み込み、ホーン15とバックマス16によって締結して組み立てたものである。
【0040】
この締結を行うため、例えばホーン15の手元側には図示しない雄ねじ部を有する管状部が設けられており、この管状部は、PZT12、振動子アクティブ端子13、振動子ニュートラル端子14及びバックマス16に挿入され吸引口金24のバックマス16側に形成された雌ねじ部に螺入されている。
【0041】
また、後述する超音波電流とラジオ電流のリークを防止するために超音波振動子11の表面には導通が必要な部分以外、図示しない薄膜で超音波振動を阻害しない例えばフッ素系あるいはシリコン系の絶縁コーティングが施されている。
【0042】
また、超音波振動子11のホーン15の末端部分(フランジ部)から後端側は、ケーシング17によって密封されており、洗滌・滅菌時などに内部に水分や汚れが入ることを防止している。
【0043】
ホーン15、バックマス16及びプローブ21は、超音波振動の伝達性の良さからチタンやジェラルミンなどの金属材料で形成されている。
【0044】
ホーン15先端及びプローブ21の末端には、互いに螺合する雌ネジ18及び雄ねじ22が形成されている。これにより、ホーン15とプローブ21は着脱自在に機械的及び電気的に結合することができる。プローブ21は、管状に形成されており、先端側から手元側に貫通する吸引孔23が形成されている。そしてプローブ21、ホーン15、バックマス16には吸引孔23から吸引口金24に連通した吸引路が形成されている。吸引口金24には吸引チューブ25が接続できるようになっている。これによりハンドピース10は、ローブ21先端から吸引口金24末端まで連通した吸引路を形成している。
【0045】
超音波振動子11への電力の供給はケーブル26の超音波アクティブ線27と超音波ニュートラル線28によって行われる。超音波アクティブ線27及び超音波ニュートラル線28は、それぞれ振動子アクティブ端子13及び振動子ニュートラル端子14に接続されている。また、振動子ニュートラル端子14とホーン15とプローブ21は電気的に接続されている。
【0046】
ケーシング17の先端側にはシース30が接続されている。シース30はプローブ21の生体に触れさせたくない部分を覆う。このシース30には送水口金31が設けられている。送水口金31には、送水チューブ32が接続できるようになっている。これによりハンドピース10は、送水チューブ32からの冷却水を送水路33を経由してプローブ21先端に送水することができる。
【0047】
このケーシング17とシース30は電気絶縁性を有する例えば耐熱樹脂材料で形成されており、術者や患者に対し電撃が加わることを防止している。
【0048】
そして、このケーシング17とシース30には電磁波やノイズを捕らえるためのシールド34,35が形成されている。このシールド34,35は例えば金属をメッシュ状もしくは編み込んだものを電気絶縁材料を覆って形成されている。さらに、シールド34,35はケーブル26のシールド線29に電気的に接続されている。これにより本超音波手術装置1を使用した際に、超音波電流もしくは後述するラジオ波電流を発生源とする治療に使用できない空間への放射を捕らえることができるため、この電磁波によるノイズや生体への悪影響などを防止できる。
【0049】
次に、図2を用いて本発明の第1の実施の形態に係わる超音波手術装置の概略を示す。
【0050】
図2において、超音波手術装置1は、前記ハンドピース10、電源部40、送水ポンプ81、吸引装置82によって構成されている。電源部40は、大きく分けて超音波電源41、ラジオ波電源42、制御回路43、表示装置44、操作装置45、スイッチ46及びマッチング回路47から成る。
【0051】
制御回路43には送水ポンプ81と吸引装置82が接続されている。
この制御回路43は、超音波電源41、ラジオ波電源42、送水ポンプ81、吸引装置82を制御することができる他、超音波電源41及びラジオ波電源42の出力状態を検知する機能と、送水ポンプ81の総水量及び吸引装置82の吸引量(圧)状態を検知する機能を有している。
【0052】
操作装置45は本超音波手術装置1の超音波出力、ラジオ波出力、冷却水量、吸引量(圧)の他、各動作のモードなどの操作を行うためのものである。
【0053】
表示装置44は各種設定や動作状況を表示する。スイッチ46は超音波出力、ラジオ波出力、冷却水、吸引を制御するための操作を行うものである。
【0054】
送水ポンプ81は、超音波振動に伴うプローブ21やシース30の発熱を冷却するために超音波出力に連動して冷却水を送水できる他、必要に応じて例えば組織の洗滌などのために冷却水を希望の量だけ送水することができる。また、送水ポンプ81は、冷却水の送水状態を検知する手段と有している。
【0055】
吸引装置82は後述する超音波処置時に破砕または乳化された組織を吸引する他、必要に応じて吸引のみを行うことができるようになっている。また、吸引装置82は吸引量や吸引圧を検知する手段を有する。
【0056】
超音波電源41は超音波アンプ51とフィルタ52とから成る。超音波アンプ51は超音波電流を作り出す。フィルタ52はラジオ波電流の流入による誤動作や漏れ電流の増加などを防止する。
【0057】
超音波アンプ51のアクティブ側の出力端子は、超音波アクティブ線53、フィルタ52、超音波アクティブ線54を経由して電源コネクタ70の超音波アクティブ端子71に接続されている。
【0058】
超音波アンプ51のニュートラル側の出力端子は、超音波ニュートラル線55、フィルタ52、超音波ニュートラル線56、超音波ニュートラル線60を経由して電源コネクタ70の超音波ニュートラル端子72に接続されている。
【0059】
そして超音波電源41は図1に示した前記超音波振動子11を駆動する20kHz以上の超音波電流を発生することができる。
【0060】
また、フィルタ52は少なくともラジオ波電流の基本周波数の倍数成分(整数倍あるいは1/整数倍)の超音波電源41への流入を低減する能力がある。倍数成分を特に低減させる理由は通常特定の周波数成分を有する電流には倍数成分が強調された高周波あるいは低周波のノイズ成分を含むためである。超音波電源41はフィルタ52によりラジオ波電流に由来する機器の誤動作や漏れ電流の増加を効果的に防止できるようになっている。
【0061】
ラジオ波電源42はラジオ波アンプ61フィルタ62から構成される。
ラジオ波アンプ61はラジオ波電流を作り出す。フィルタ62は超音波電流の流入による誤動作や漏れ電流の増加などを防止する。
【0062】
ラジオ波アンプ61のアクティブ側の出力端子はラジオ波アクティブ線63、フィルタ62及びラジオ波アクティブ線64を経由して超音波ニュートラル線60に接続されている。
【0063】
ラジオ波アンプ61のニュートラル側の出力端子は、ラジオ波ニュートラル線65、フィルタ62及びラジオ波ニュートラル線66を経由してマッチング回路47に接続されている。
【0064】
マッチング回路47はラジオ波電源42のアクティブ側とニュートラル側の間のインピーダンスを最適な値に適時制御すると同時に、シールド線29及びシールド34,35によって捕らえられた超音波電流及びラジオ波電流による生体組織の処置に使用できない電磁放射を、適時グランドあるいはラジオ波電源42のニュートラル側へ流すことができるようになっている。
【0065】
このマッチング回路47はシールド線67を経由して電源コネクタ70のシールド端子73に接続されている。そしてラジオ波電源42は生体組織をアースとすることが可能な8MHz以上のラジオ波電流をプローブ21を経由して生体に放電することはできる。
【0066】
また、フィルタ62は少なくとも超音波電流の基本周波数の倍数成分(整数倍あるいは1/整数倍)のラジオ波電源42への流入を低減する能力がある。この理由はフィルタ52がラジオ波電流の倍数成分を低減する理由と同じである。
【0067】
ラジオ波電源42はフィルタ62により超音波電流に由来する機器に誤動作や漏れ電流の増加を効果的に防止できる。
【0068】
前記マッチング回路47、超音波アンプ51、ラジオ波アンプ61からはそれぞれグランド端子68、グランド端子58、グランド端子67が設置されている。
【0069】
前述の超音波アクティブ端子71、超音波ニュートラル端子72,シールド端子73は電源コネクタ70に設けられており、前述のハンドピース側のケーブル26の超音波アクティブ線27、超音波ニュートラル線28、シールド線29がそれぞれハンドピースコネクタ36に接続されている。
【0070】
このハンドピースコネクタ36と電源コネクタ70は着脱自在であり、接続時に前述の超音波アクティブ線27と超音波アクティブ端子71、超音波ニュートラル線28と超音波ニュートラル端子72、シールド線29とシールド端子73が接続されるようになっている。
【0071】
また電源部40には制御回路43が設けられており、超音波電源41とラジオ波電源42、送水ポンプ81、吸引装置82を各種設定操作を行う操作装置45の設定及び、本機器の動作を行うためのスイッチ46の操作によって制御することができ、この設定制御、動作の状態は表示装置44に表示されるようになっている。スイッチ46は一つの筺体に複数の機能(例えば超音波電源41の操作とラジオ波電源42の操作)を有していても良いが、機能に応じて適時分離した形状(例えば超音波電源41の操作は足踏み式とし、ラジオ波電源42の操作はハンドピース10に取り付けられるハンドピーススイッチ式とするなど)としても良く、本発明の範囲内ならばその形態は問わない。
【0072】
このような超音波手術装置1においては一般に超音波出力を強くしていくにしたがって、シース30やプローブ21の超音波振動による発熱量が増大するため冷却水量を増やしていく必要がある。また、超音波手術装置1の切れ味(処置能力)は超音波出力の強さ、吸引量(圧力)の増加に伴って高くなるが、超音波手術装置1の特徴である生体組織選択性(弾力性の高い血管や神経などは破砕しにくく、脂肪や腫瘍などのもろい生体組織は破砕しやすい特徴)が弱くなるため、必要に応じて超音波出力と吸引量(圧力)を調整して使用する必要がある。また、ラジオ波を含めた高周波電流による処置においては、出力を上げていくとある一定レベルまでは生体組織に凝固能力が高まるが、それ以上は切開能力が強くなり、更に出力を上げていくと生体組織の蒸散が生じるため、必要に応じて出力で使用する必要がある。ここで一般的な拡散電極による電流の回収を行うモノポーラ形式の高周波処置の場合、体液や生理食塩水、血液などの電解質の液体が貯留している状態で使用すると、液体中に電流が拡散してしまい能力が発揮しにくいという欠点があるが、本実施の形態のようなラジオ波電流の場合は電解質の液体中で使用しても電流が拡散することが無いため、能力の低下が起きないという利点がある。
【0073】
更に超音波振動による処置と高周波電流による処置を同時に行った場合、例えば肝臓切除を行う時に特に処置しなくてはならない重要な太い血管や肝管は温存しつつ、切ってしまっても良い細かい血管などを凝固切開することができるため、出血を抑えながら効率良く切除を行うことができることが知られている。そのため、超音波出力と高周波出力を適度に調節して使用することは手術に効果がある。
【0074】
このような理由により本実施の形態では各種設定を手動で行うこともできる上に、例えば超音波出力設定に連動して超音波出力時の冷却水量、吸引量(圧)、超音波出力と同時に出力する場合のラジオ波出力設定が、予め設定されているマッピングにより自動的に値が設定されるようになっている。これは超音波出力設定をにする場合は無く、例えば超音波出力と同時に出力する際のラジオ波出力を手動で決めると自動的に超音波出力や冷却水量などが決まるようになっていても良く、どのようなパラメーターをにして他のパラメーターを自動的に設定するようになっていても構わない。この機能によりいつでも各種パラメーターの値を最適な状態に設定して使用することが簡単にできる。
【0075】
このような構成により、ラジオ波電源42は、生体組織に放電可能な高帯域のラジオ波電流を発生可能なラジオ波電流発生手段となっている。
【0076】
プローブ21は、前記ラジオ波電流発生手段で発生された前記ラジオ波電流を前記生体組織に放電して処置可能な長尺の放電電極部材となっている。
【0077】
超音波振動子11は、前記放電電極部材の基端部に連結され、前記生体組織を処置可能な超音波振動を発生可能になっいている。
【0078】
超音波電源41は、前記超音波振動子11を駆動するための駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段となっている。
【0079】
制御回路43は、前記駆動信号発生手段と前記ラジオ波電流発生手段とを制御可能な制御手段となっている。
【0080】
また、プローブ21は、前記超音波振動子11の前記ニュートラル端子14に電気的に接続可能に導電性部材で形成され、前記駆動信号で駆動された前記超音波振動子11からの前記超音波振動を伝達するために前記超音波振動子11と機械的に連結さている。
【0081】
ラジオ波電源42は、前記プローブ21が電気的に接続された前記ニュートラル端子14の導電路に接続され、前記導電路を介して前記プローブ21に放電可能な高帯域のラジオ波電流を供給可能になっている。
【0082】
また、超音波手術装置1はハンドピース10と電源部40を有する。
超音波電源41は、前記電源部40に設けられ、周波数が20kHz以上の超音波電流を発生する超音波アンプ51を有している。
【0083】
超音波振動子11は、前記ハンドピース10に設けられ、前記超音波電源41の超音波電流出力のアクティブ側とニュートラル側の間に閉回路を形成するように配置され、前記アクティブ側に接続された振動子アクティブ端子13を有するとともに、前記ニュートラル側に接続された振動子ニュートラル端子14を有し、前記超音波電流を超音波振動に変換する。
【0084】
プローブ21は、前記ハンドピース10に設けられ、前記超音波振動子11に機械的に着脱自在に締結され、生体組織に前記超音波振動を伝達するとともに、前記超音波電源41の超音波電流出力のニュートラル側と電気的に着脱自在になっている。
【0085】
ケーシング17は、前記ハンドピース10に設けられ、電気絶縁性を有し、前記超音波振動子11を覆う。
【0086】
シース30は、前記ハンドピース10に設けられ、電気絶縁性を有し、前記プローブ21の前記生体組織に触れさせたくない部分を覆う。
【0087】
ラジオ波電源42は、前記電源部40に設けられ、前記生体組織をアースとして放電することによって前記生体組織を処置する高帯域のラジオ波電流を発生するラジオ波アンプ61を有し、このラジオ波アンプ61のラジオ波電流出力のアクティブ側を前記超音波振動子11の振動子ニュートラル端子14に電気的に接続している。
【0088】
フィルタ52,62は、前記電源部40に設けられ、前記超音波電流及び前記ラジオ波電流の少なくとも一方に対して、相手方の出力電流による誤動作もしくはノイズの流入あるいは漏れ電流の増加の少なくとも一つ以上を防止するために、相手方の出力電流もしくは少なくとも相手方の出力電流の基本周波数の整数倍の周波数成分を有する電流の流入を防ぐ電気的フィルタとなている。
【0089】
(作用)
次いで本実施の形態の動作について説明する。
超音波手術装置1を使用する場合には、まず初めにプローブ21を超音波振動子11に締結し、シース30をケーシング17に接続する。次に、ハンドピースコネクタ36を電源コネクタ70に接続し、送水チューブ15を送水口金31と送水ポンプ81に接続して冷却水を送水する準備をする。次いで吸引チューブ25をバックマス24と吸引装置82に接続して吸引を行う準備をする。
【0090】
この後、電源部40、送水ポンプ81、吸引装置82の電源を投入する。次に操作装置45を操作して各種設定を行い、スイッチ46を操作して送水ポンプ81を動作させて冷却水を送水路33に満たし使用準備を完了する。
【0091】
この際に超音波電源41の出力設定を行うと予め規定されているマップに従って送水ポンプの冷却水量と吸引装置82の吸引量(圧)が自動的に設定される。又、後述する超音波処置とラジオ波電流による処置を同時併用する場合は、超音波電源41の出力設定を行うと同時併用の際のラジオ波電流の出力が予め規定されているマップに従って自動的に設定される。
【0092】
このように何か一つのパラメーターを設定した場合に、関連する他のパラメーターが自動的に設定されるようになっていることによって、術者はいつでも簡単に最適な設定で機器を使用することが可能となる。又、冷却水の送水状態や吸引量や吸引圧の状態を検知できるため、動作状況に応じてリアルタイムで関連する他のパラメーターを例えば適切な設定に自動的に変更できるようになっていても良い。
【0093】
生体組織を超音処置する場合は、プローブ21の先端を目的の生体組織に軽く触れさせ、スイッチ46を操作し超音波電源41を動作させて超音波振動子11によって超音波振動を発生させる。この時に送水ポンプ81が同時に作動してプローブ21やシース30の発熱を抑えるように冷却水を供給する。プローブ21先端に触れている生体組織は超音波振動によって破砕または乳化され、冷却水と共に吸引孔23を通って吸引装置82に回収される。処置を止める場合にはスイッチ46の操作を停止して超音波電源41を停止する、この時に送水ポンプ81も同時に停止する。
【0094】
生体組織をラジオ波電流により処置する場合は、プローブ21先端を目的の生体組織に軽く触れさせ、スイッチ46を操作しラジオ波電源42を動作させてプローブ21先端より目的の生体組織にラジオ波電流を流し、生体組織の凝固もしくは切開や蒸散を行う。処置を止める場合にはスイッチ46の操作を停止してラジオ波電源42の動作を停止させる。
【0095】
生体組織を超音波とラジオ波を併用して処置する場合は、プローブ21先端を目的の生体組織に軽く触れさせ、スイッチ46を操作し超音波電源41を動作させて、超音波振動子11によって超音波振動を発生させる。この時に送水ポンプ81が同時に作動してプローブ21やシース30の発熱を抑えるように冷却水を供給する。プローブ21先端に触れている生体組織は超音波振動によって破砕または乳化され、冷却水と共に吸引孔23を通って吸引装置82に回収される。
【0096】
ここで同時にラジオ波電源42が動作してプローブ21先端より目的の生体組織にラジオ波電流を流し、例えば超音波処置によって切断されてしまった微細な血管からの出血を超音波処置と同時に凝固する。
【0097】
この際に前述のシールド34,35及びシールド線29によって、超音波電流及びラジオ波電流を発生源とした治療に使用できない空間への放射を捕らえマッチング回路47に回収する。
【0098】
ここでマッチング回路47は回収した放射を適時電流としてラジオ波電源42のニュートラル側あるいはグランド端子68に流すようになっている。
【0099】
超音波電流を発生源とした放射は超音波電流を基準とした倍数成分を含んでおり、ラジオ波電流を発生源とした放射はラジオ波電流を基準とした倍数成分を含んでいる。
【0100】
そこで、マッチング回路47はこれらの周波数を検出して分別したのち超音波電流を発生源とした放射はグランド端子68に流し、ラジオ波電流を発生源とした放射はラジオ波電源42のニュートラル側へ回収するようになっている。
【0101】
これに加えて、フィルタ52は少なくともラジオ波電流の基本周波数の倍数成分の超音波電源41への流入を低減する。フィルタ62は少なくとも超音波電流の基本周波数の倍数成分のラジオ波電源42への流入を低減する。
【0102】
これにより機器の誤動作やノイズなどを防止しつつ、特に放射を余剰電流として回収できるためラジオ波電源の効率を向上させることができる。
【0103】
又、このような機能を有効に作用させるためには、超音波電流とラジオ波電流の互いの周波数が互いに整数倍になっていない方がより検知しやすく、更に前述のフィルタ52、フィルタ62のフィルタリング能力を高めるためにも超音波電流とラジオ波電流の互いの周波数が整数倍になっていない方が良いため、本実施の形態では例えば超音波電流が235KHzで、ラジオ波電流が10MHzというように整数倍にならない周波数を選択している。
【0104】
(効果)
以上、説明したように第1の実施の形態によれば、プローブ21の先端以外からの超音波電流を発生源とした放射がラジオ波電源42へ流入するのを防止するとともに、ラジオ波電源42と超音波電源41の電気的な干渉を低減できるので、高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置と超音波処置を機器の交換無しに併用できるとともに、超音波処置と高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置を同時に行うことにより、超音波処置による組織の破砕または乳化、吸引効果及び組織選択性の効果と、高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置による凝固・切開効果を複合的に得ることができる。
【0105】
また、第1の実施の形態によれば、前記高周波電流処置時の漏れ電流やノイズの増加、機器の誤動作やリーク、生体処置に使用できない電磁波の外部への放出などを防止し、超音波手術装置において信頼性が高く効率の良い高周波電流処置が可能になる。
【0106】
また、第1の実施の形態によれば、冷却水を使用する超音波処置に高周波電流処置を併用した場合に、不必要な電流の拡散を防止して高周波処置の効率を向上させることができる。
【0107】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る超音波手術装置のハンドピースを示す断面図である。
【0108】
図3を用いた第2の実施の形態の説明において、図1及び図2に示した第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0109】
(構成)
図3に示すように、第2の実施の形態のハンドピース110は第1の実施の形態のハンドピース10と基本的には同様な構成であるが、第1の実施の形態と比較して冷却水の送水機能と吸引機能を有しておらず、主に生体組織の切開または凝固に用いられる。
【0110】
ハンドピース110は内部に超音波振動子111を有している。この超音波振動子111は、複数のPZT12を振動子アクティブ端子13、振動子ニュートラル端子14により挟み込み、ホーン115、バックマス16及びボルト124によって締結して組み立てられている。ホーン115の手元側には図示しない雄ねじ部を有する棒状部が設けられており、この棒状部は、複数のPZT12、振動子アクティブ端子13、振動子ニュートラル端子14、バックマス16を介してボルト124に接続されている。
【0111】
また、超音波振動子111の表面には導通が必要な部分以外、図示しない薄膜で超音波振動を阻害しない例えばフッ素系あるいはシリコン系の絶縁コーティングが施されている。
【0112】
超音波振動子111のホーン115の末端部分(フランジ部)から後端側を密閉するケーシング117及びシールド134の背面には、ケーブル26を通す孔のみ形成している。
【0113】
ホーン115及びプローブ121は、図1の実施の形態と異なり吸引孔を形成していない。プローブ121の先端部123は、超音波処置時に生体組織の凝固・切開に適した湾曲形状に形成されている。
【0114】
シース130及びシールド135は、図1の実施の形態と異なり送水口金を取り付けていない。
【0115】
ハンドピース110を用いた超音波手術装置では、図2に示した送水ポンプ81と吸引装置82を設けていない。
【0116】
(作用)
次いで本実施の形態の動作について説明する。
第2の実施の形態では、ハンドピース110で送水及び給水を行わず、超音波処置時に生体組織に対して与える作用が、破砕または乳化では無く、凝固または切開になる点が第1の実施の形態と異なる。これ以外の第2の実施の形態の作用は、第1の実施の形態と同様である。
【0117】
(効果)
このような第2の実施の形態によれば、超音波処置時に生体組織に対して与える作用が凝固または切開になる超音波手術装置においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
(第3の実施の形態)
図4乃至図7は本発明の第3の実施の形態に係り、図4は超音波手術装置のハンドピースの内部構造の概略を示す断面図、図5はハンドピースの外観を示す側面図、図6はハンドピースのジョーを操作する機構を示す断面図、図7は図6のハンドルと操作棒の連結構造を図6のA方向から見た状態を示す説明図である。
【0119】
図4乃至図7を用いた第3の実施の形態の説明において、図3に示した第2の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0120】
(構成)
図4に示すように、本実施の形態の超音波手術装置201は、超音波手術装置のなかでも一般的に超音波凝固切開装置と呼ばれるものであり、ハンドピース210のプローブ121と把持部材あるジョー281の間に生体組織を挟み込んだ状態で超音波処置を行うことにより、生体組織を凝固しながら切開することができるものである。
【0121】
ハンドピース210のケーシング217に、プローブ121の先端を除く部分、超音波振動子111及び操作棒282収納されている。
【0122】
ジョー281は、ケーシング217の先端側の軸283を介して回転可能な状態で設けられている。これにより、ジョー281は、プローブ121の先端部123に対してロープ121に対向して開閉可能になっている。ジョー281は、操作棒282の操作によりにより、プローブ121の先端部123に対してプローブ121に対向して開閉する。
【0123】
操作棒282は、ジョー281を軸283を中心として開閉させるためものであるとともに、導電性を有している。
【0124】
ケーシング217とシース230は第2の実施の形態と基本的に同一構造を有する超音波振動子111の手元側が格納される区画241と、ホーン115及びプローブ121が格納される区画242と、操作棒282が格納される区画243とに分かれている。区画241,242,243には、それぞれシールド234,235,236を備えている。
【0125】
操作棒282はシールド234,235,236と電気的に接続されており、シールド234,235,236は第1及び第2の実施の形態と同様にシールド線29に接続され、第1の実施の形態と同様に図2に示されている電源部40に接続されている。
【0126】
この構造により、ラジオ波電流による処置を行った場合、プローブ121先端から生体組織に流されたラジオ波電流をジョー281によって回収し、ラジオ波電源42のニュートラル側に戻すことが出来るため、ラジオ波電源42の効率を向上させることができるようになっている。
【0127】
次に、図5を用いて本発明に係る第3の実施の形態のハンドピース210の全体を示す。
【0128】
図5に示すように、ハンドピース210のケーシング217には第1ハンドル284と第2ハンドル285を備えている。
【0129】
ハンドピース210は、第2ハンドル285を軸286を中心として第1ハンドル284に対して開閉操作することにより図4に示した操作棒282を前後に動かしジョー281をプローブ121に対して開閉することが出来る。
【0130】
次に、図6及び図7を用いて本発明に係る第3の実施の形態のジョー281の開閉機構を示す。
【0131】
図6及び図7に示すように、ジョー281はプローブ121の超音波振動を吸収する必要があるため、表面は耐熱性と柔軟性のある樹脂(例えばテフロン(R)など)によってパッド287が形成されるが、強度確保のためにその内部には金属の芯金288を有する。
【0132】
ラジオ波電流は例え表面が絶縁性のある部材で覆われていても内部に金属などの導電性の部材があれば電流を流すことが可能であるため、プローブ121からのラジオ波電流は生体組織を経てジョー281の芯金288に到達することができる。このためパッド287のプローブ121と対向する面に金属面を露出させる必要が無く、万一、プローブ121と金属面と接触した場合にもプローブ121の超音波振動による破損を防止出来る。ここで芯金288は軸283を中心として図5に示したシース230に回動自在に接続されている。芯金288には操作棒282が軸289によって回動自在に接続されている。操作棒282の手元側には球状部290が形成されている。球状部290は、第2ハンドル285上部に設けられた溝291と摺動自在に係合している。この溝291には導電板292が設けられており、この導電板292から図示しない配線を経て図4に示したシールド234,235,236と電気的に接続される。
【0133】
この構造により前述の芯金288〜軸289〜操作棒282〜球状部290〜導電板292〜シールド234,235,236は電気的に接続される。
【0134】
また、前述のように第2ハンドル285を第1ハンドル284に対して開閉すると操作棒282が進退し、それに伴いジョー281がプローブ121に対して開閉する。
【0135】
(作用)
次いで本実施の形態の動作について説明する。
準備段階は送水ポンプ81及び吸引装置82に係る部分以外は第1の実施の形態と同様である。次いで生体組織を把持して処置を行う場合は生体組織をプローブ121とジョー281で挟み込み、第2ハンドル285を第1ハンドル284に対して閉じることによりジョー281とプローブ121で生体組織を把持する。
【0136】
超音波処置の場合は図2に示したスイッチ46を操作して超音波電源41を作動させ、生体組織をプローブ121との超音波摩擦を利用して凝固切開し、処置が終了したらスイッチ46の操作を停止し超音波電源41の動作を停止させ、第2ハンドル285を第1ハンドル284に対して開くことによりジョー281をプローブ121に対して開き次の処置に備える。この際に把持されていた生体組織は殆どの場合、前述の超音波凝固または切開によりジョー281をプローブ121に対して開かなくとも自然とジョー281及びプローブ121から離れる。
【0137】
又、ラジオ波電流による処置を行う場合は、同様にプローブ121とジョー281で生体組織を把持し図2に示したスイッチ46を操作してラジオ波電源42を作動させプローブ121より生体組織にラジオ波電流を流して焼灼する。この際に生体に流れたラジオ波電流がジョー281の芯金288に捕らえられる。このため生体組織に流れたラジオ波電流が収束するので焼灼能力が向上する利点がある。又、よりピンポイントでの焼灼が可能となるため微細な処置に適する。この捕らえられたラジオ波電流は前述のジョー281からシールド234,235,236への電気的な接続によりシールド234,235,236に流れる。これと同時にプローブ121などから放射されるラジオ波電流の生体の処置に使用出来無い放射成分がシールド234,235,236によって捕らえられ、両者はともに第1の実施の形態の動作説明で説明したようにラジオ波電源42のニュートラル側に回収される。処置が終了したらスイッチ46の操作を停止しラジオ波電源42の動作を停止させ、第2ハンドル285を第1ハンドル284に対して開くことによりジョー281をプローブ121に対して開き、焼灼された生体組織を離すと同時に次の処置に備える。
【0138】
超音波処置とラジオ波電流による処置を同時に行う場合は、例えばスイッチ46を操作すると同時に両者が出力されるように設定しておくか、前述の第1の実施の形態と同様にスイッチ46を複数に分割しておき、手と足で超音波電源41及びジオ波電源42の動作を各々行うようにしておく。そしてスイッチ46を操作し超音波電源41とラジオ波電源42を作動させ生体組織を処置する。
【0139】
又、プローブ121とジョー281で生体組織を把持せずにプローブ121のみを利用して超音波処置とラジオ波電流による処置を行うこともできる。この場合には第2ハンドル285の操作が省略される以外は上記の動作と同様である。
【0140】
(効果)
このような第3の実施の形態によれば、プローブと把持部材を用いた超音波手術装置においても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができるとともに、プローブもしくはプローブと把持部材を電極とした高周波処置時におけるプローブの耐久性を向上させることができる。
【0141】
(第4の実施の形態)
図8及び図9は本発明の第4の実施の形態に係り、図8は超音波手術装置のハンドピースを示す断面図、図9は超音波手術装置の全体構成の概略を示すブロック図である。
【0142】
図8及び図9を用いた第4の実施の形態の説明において、図1及び図2に示した第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0143】
(構成)
図8に示すように、第4実施の形態に係るハンドピース310は、ホーン15、プローブ21、バックマス316が超音波振動子311のその他の部分と電気的に絶縁されており、後述するラジオ波電源42のアクティブ側のラジオ波アクティブ線391がホーン端子392を経由してホーン15に電気的に接続されている点が第1の実施の形態と異なる。この場合、前述のホーン15とバックマス316の絶縁のためにPZT17及び振動子アクティブ端子13、振動子ニュートラル端子14との間には、絶縁材393、絶縁材394が挟み込まれている。
【0144】
ケーブル326のシールド線29内には、ラジオ波アクティブ線391、超音波アクティブ線27、超音波ニュートラル線28が設けられている。
【0145】
又、吸引口金324は樹脂などの電気絶縁性を有する材質で形成され、バックマス316との接続部にはOリング395を介していることにより、超音波振動子311の振動を妨げること無く吸引路396の水密を確保すること、及び吸引口金324を介してラジオ波電流が漏れることを防止している。
【0146】
更に第1実施の形態同様に超音波振動子311の表面は導通が必要な部分以外、図示しない薄膜で超音波振動を阻害しない例えばフッ素系あるいはシリコン系の絶縁コーティングが施されており、超音波電流やラジオ波電流のリークを防止している。
【0147】
以上の構造によりホーン15及びプローブ21は電気的に完全に超音波電流の回路とは分離されており、ラジオ波アクティブ線391を経出してホーン15、プローブ21に流れるラジオ波電流が超音波電流の回路に流れ込むことが無く、第1の実施の形態と比較して超音波電流の回路とラジオ波電流の回路相互の漏れ電流やノイズなどを防止する効果が高くなっている。
【0148】
本実施の形態の他の構成は基本的に図1に示す第1実施の形態のハンドピース310と同様な構造である。
【0149】
図9を用いて本発明の第4実施の形態に係る超音波手術装置301の概略を示す。
【0150】
図9に示すように、超音波手術装置301の電源部340は、ラジオ波電源42のラジオ波アクティブ線64が独立した経路でラジオ波アクティブ端子374、ラジオ波アクティブ線397を経由して図8のラジオ波アクティブ線391に接続されていることにより、超音波電流の回路とラジオ波電流の回路が完全に分離されている点である。
【0151】
第4の実施の形態の他の構成は基本的に図2に示す第1の実施の形態の超音波手術装置1と同様な構造である。
【0152】
尚、第4の実施の形態は、図9の構造と前述の図8のハンドピース310の構造により第1の実施の形態よりも超音波電流とラジオ波電流回路相互の漏れ電流やノイズを防止する効果が高いが、ケーブル326に格納されている配線間の放射による相互の信号の混入も考慮し、第1実施の形態と同様にフィルタ52、フィルタ62が装備している。
【0153】
(作用)
次いで本実施の形態の動作について説明する。
第4の実施の形態では、ラジオ波電源42のラジオ波電流を、ラジオ波アクティブ線64が独立した経路で、ラジオ波アクティブ端子374、ラジオ波アクティブ線297を経由して図7のラジオ波アクティブ線391、ホーン端子392、ホーン15及びプローブ21を介して目的の生体組織に流している。
【0154】
これ以外の動作は第1の実施の形態と同様である。
(効果)
このような第4の実施の形態によれば、、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができるとともに、第1の実施の形態よりも超音波電流とラジオ波電流回路相互の漏れ電流やノイズを防止する効果が高くなる。
【0155】
以上のように本発明の目的及び請求項に沿った範囲であれば、超音波手術装置の実施の形態には特に制限は無く、プローブの形状やハンドピースの形状、動作などによらず、どのようなものでも構わない。
【0156】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0157】
(付記項1) ハンドピースと電源部を有する超音波手術装置において、
前記電源部に設けられ、周波数が20kHz以上の超音波電流を発生する超音波アンプを有した超音波電源と、
前記ハンドピースに設けられ、前記超音波電源の超音波電流出力のアクティブ側とニュートラル側の間に閉回路を形成するように配置され、前記アクティブ側に接続されたアクティブ端子を有するとともに、前記ニュートラル側に接続されたニュートラル端子を有し、前記超音波電流を超音波振動に変換する超音波振動子と、
前記ハンドピースに設けられ、前記超音波振動子に機械的に着脱自在に締結され、生体組織に前記超音波振動を伝達するとともに、前記超音波電源の超音波電流出力のニュートラル側と電気的に着脱自在なプローブと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記超音波振動子を覆うケーシングと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記プローブの前記生体組織に触れさせたくない部分を覆うシースと、
前記電源部に設けられ、前記生体組織をアースとして放電することによって前記生体組織を処置する高帯域のラジオ波電流を発生するラジオ波アンプを有し、このラジオ波アンプのラジオ波電流出力のアクティブ側を前記超音波振動子のニュートラル端子に電気的に接続したラジオ波電源と、
前記電源部に設けられ、前記超音波電流及び前記ラジオ波電流の少なくとも一方に対して、相手方の出力電流による誤動作もしくはノイズの流入あるいは漏れ電流の増加の少なくとも一つ以上を防止するために、相手方の出力電流もしくは少なくとも相手方の出力電流の基本周波数の整数倍の周波数成分を有する電流の流入を防ぐ電気的フィルタと、
を具備したことを特徴とする超音波手術装置。
【0158】
(付記項2) 前記ラジオ波電流の周波数は、8MHz以上であることを特徴とする付記項1に記載の超音波手術装置。
【0159】
(付記項3) 前記超音波電流と前記ラジオ波電流の周波数の関係は、整数倍以外であることを特徴とする付記項1または2に記載の超音波手術装置。
【0160】
(付記項4) 前記ケーシング、前記シース、前記超音波電源と前記超音波振動子を接続するケーブル、前記プローブと前記ラジオ波電源を接続するケーブルの少なくとも一つ以上は、前記ラジオ波電流及び前記超音波電流のうちの少なくとも一方の、生体組織の処置に使用できない空間への放射を捕らえるシールド構造を有し、
前記シールド構造とグランドが電気的に接続されているか、もしくはインピーダンスのマッチングを最適にするためのマッチング回路を経由して前記ラジオ波電源のラジオ波電流出力のニュートラル側に電気的に接続されていることを特徴とする付記項1乃至3のいずれか一つに記載の超音波手術装置。
【0161】
(付記項5) 前記マッチング回路は、前記シールド構造で捕らえた放射成分の電流が前記超音波電流に由来するものであるか、前記ラジオ波電流に由来するものであるかを判断し、前記超音波電流に由来する場合には前記シールド構造と前記グランドを電気的に接続し、前記ラジオ波電流に由来する場合には前記シールド構造と前記ラジオ波電流出力のニュートラル側を電気的に接続することを特徴とする付記項4に記載の超音波手術装置。
【0162】
(付記項6) 前記放射成分の電流の判断を行う回路は、周波数を測定する機能を有し、前記放射成分の電流の周波数が前記ラジオ波電流の倍数成分を含む場合には、前記シールド構造と前記ラジオ波電流出力のニュートラル側を電気的に接続するとを特徴とする付記項5に記載の超音波手術装置。
【0163】
(付記項7) 前記超音波電源と前記ラジオ波電源は、電流を各々選択的に出力する手段を有することを特徴とする付記項1乃至6のいずれか一つに記載の超音波手術装置。
【0164】
(付記項8) 前記プローブの外表面を経由して液体を前記プローブ先端に供給する手段と、
前記プローブ内腔を経由して前記液体もしくは手術対象を吸引する手段と、
を有することを特徴とする付記項1乃至7のいずれか一つに記載の超音波手術装置。
【0165】
(付記項9) 前記超音波電源の超音波電流の出力と、前記ラジオ波電源のラジオ波電流の出力と、前記液体を前記プローブ先端に供給する手段の供給量と、前記吸引する手段の吸引圧または吸引流量との内、少なくとも一つ以上を検出する手段を有することを特徴とする付記項8に記載の超音波手術装置。
【0166】
(付記項10) 前記超音波電源の超音波電流の出力と、前記ラジオ波電源のラジオ波電流の出力と、前記液体を前記プローブ先端に供給する手段の供給量と、前記吸引する手段の吸引圧もしくは吸引流量とにおいて、少なくとも一つ以上の項目の設定に対し、他の少なくとも一つ以上の設定が従属して設定される手段を有することを特徴とする付記項9に記載の超音波手術装置。
【0167】
(付記項11) ハンドピースと電源部を有する超音波手術装置において、
前記電源部に設けられ、周波数が20kHz以上の超音波電流を発生する超音波アンプを有した超音波電源と、
前記ハンドピースに設けられ、前記超音波電源の超音波電流出力のアクティブ側とニュートラル側の間に閉回路を形成するように配置され、前記アクティブ側に接続されたアクティブ端子を有するとともに、前記ニュートラル側に接続されたニュートラル端子を有し、前記超音波電流を超音波振動に変換する超音波振動子と、
前記ハンドピースに設けられ、前記超音波振動子に機械的に着脱自在に締結され、生体組織に前記超音波振動を伝達するとともに、前記超音波電源の超音波電流出力のニュートラル側と電気的に着脱自在なプローブと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記超音波振動子を覆うケーシングと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記プローブの前記生体組織に触れさせたくない部分を覆うシースと、
前記電源部に設けられ、前記生体組織をアースとして放電することによって前記生体組織を処置する高帯域のラジオ波電流を発生するラジオ波アンプを有し、このラジオ波アンプのラジオ波電流出力のアクティブ側を前記超音波振動子のニュートラル端子に電気的に接続したラジオ波電源と、
前記ケーシング、前記シース、前記超音波電源と前記超音波振動子を接続するケーブル、前記プローブと前記ラジオ波電源を接続するケーブルの少なくとも一つ以上に設けられ、前記ラジオ波電流及び前記超音波電流のうちの少なくとも一方の、生体組織の処置に使用できない空間への放射を捕らえるシールド構造と、を有し、
前記シールド構造は、グランドに電気的に接続されているか、もしくはインピーダンスのマッチングを最適にするためのマッチング回路を経由して前記ラジオ波電流出力のニュートラル側に電気的に接続されていることを特徴とする超音波手術装置。
【0168】
(付記項12) ハンドピースと電源部を有する超音波手術装置において、
前記電源部に設けられ、周波数が20kHz以上の超音波電流を発生する超音波アンプを有した超音波電源と、
前記ハンドピースに設けられ、前記超音波電源の超音波電流出力のアクティブ側とニュートラル側の間に閉回路を形成するように配置され、前記アクティブ側に接続されたアクティブ端子を有するとともに、前記ニュートラル側に接続されたニュートラル端子を有し、前記超音波電流を超音波振動に変換する超音波振動子と、
前記ハンドピースに設けられ、前記超音波振動子に機械的に着脱自在に締結され、生体組織に前記超音波振動を伝達するとともに、前記閉回路と電気的に絶縁されたプローブと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記超音波振動子を覆うケーシングと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記プローブの前記生体組織に触れさせたくない部分を覆うシースと、
前記電源部に設けられ、前記生体組織をアースとして放電することによって前記生体組織を処置する高帯域のラジオ波電流を発生するラジオ波アンプを有し、このラジオ波アンプのラジオ波電流出力のアクティブ側を前記プローブに電気的に着脱自在に接続したラジオ波電源と、
前記ケーシング、前記シース、前記超音波電源と前記超音波振動子を接続するケーブル、前記プローブと前記ラジオ波電源を接続するケーブルの少なくとも一つ以上に設けられ、前記ラジオ波電流及び前記超音波電流のうちの少なくとも一方の、生体組織の処置に使用できない空間への放射を捕らえるシールド構造と、を有し、
前記シールド構造は、グランドに電気的に接続されているか、もしくはインピーダンスのマッチングを最適にするためのマッチング回路を経由して前記ラジオ波電流出力のニュートラル側に電気的に接続されていることを特徴とする超音波手術装置。
【0169】
(付記項13) ハンドピースと電源部を有する超音波手術装置において、
前記電源部に設けられ、周波数が20kHz以上の超音波電流を発生する超音波アンプを有した超音波電源と、
前記ハンドピースに設けられ、前記超音波電源の超音波電流出力のアクティブ側とニュートラル側の間に閉回路を形成するように配置され、前記アクティブ側に接続されたアクティブ端子を有するとともに、前記ニュートラル側に接続されたニュートラル端子を有し、複数の圧電セラミックを前記アクティブ端子と前記ニュートラル端子により挟み込み、ホーンとバックマスによって締結して組み立てられ、前記超音波電流を超音波振動に変換するとともに、前記ホーンが前記複数の圧電セラミック、前記アクティブ端子、前記ニュートラル端子及び前記バックマスから電気的に絶縁されたボルト締めランジュバン型の超音波振動子と、
前記ハンドピースに設けられ、前記ホーンに機械的及び電気的に着脱自在に締結され、前記ホーンから取り出した超音波振動を生体組織に与えるとともに、前記複数の圧電セラミック、前記アクティブ端子、前記ニュートラル端子及び前記バックマスから電気的に絶縁された絶縁されたプローブと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記超音波振動子を覆うケーシングと、
前記ハンドピースに設けられ、電気絶縁性を有し、前記プローブの前記生体組織に触れさせたくない部分を覆うシースと、
前記電源部に設けられ、前記生体組織をアースとして放電することによって前記生体組織を処置する高帯域のラジオ波電流を発生するラジオ波アンプを有し、このラジオ波アンプのラジオ波電流出力のアクティブ側を前記プローブに電気的に着脱自在に接続したラジオ波電源と、
前記ケーシング、前記シース、前記超音波電源と前記超音波振動子を接続するケーブル、前記プローブと前記ラジオ波電源を接続するケーブルの少なくとも一つ以上に設けられ、前記ラジオ波電流及び前記超音波電流のうちの少なくとも一方の、生体組織の処置に使用できない空間への放射を捕らえるシールド構造と、を有し、
前記シールド構造は、グランドに電気的に接続されているか、もしくはインピーダンスのマッチングを最適にするためのマッチング回路を経由して前記ラジオ波電流出力のニュートラル側に電気的に接続されていることを特徴とする超音波手術装置。
【0170】
(付記項14) 前記シース先端に配置され、前記プローブ先端に対して開閉自在であるジョーと、
前記ケーシングまたは前記ハンドピース手元部分に設けられ、少なくとも一方が他方に対して開閉動作する一組のハンドルと、
前記ハンドルの動作を前記ジョーに伝達する伝達手段と、
を有し、前記ジョーと前記シールド構造が電気的に接続されていることを特徴とする付記項11乃至13のいずれか一つに記載の超音波手術装置。
【0171】
(付記項15) 前記シースは前記伝達手段を前記プローブと電気的に接続した状態で覆っていることを特徴とする付記項14に記載の超音波手術装置。
【0172】
(付記項16) 前記ジョーと前記伝達手段と前記シールド構造が電気的に接続されていることを特徴とする付記項15に記載の超音波手術装置。
【0173】
(付記項17) 前記ジョーは、少なくとも前記プローブと対向した面を覆う柔軟な部材を有することを特徴とする付記項11乃至16のいずれか一つに記載の超音波手術装置。
【0174】
(付記項18) 前記圧電セラミックは、チタン酸鉛とジルコン酸鉛を混合して焼結したものであることを特徴とする付記項13乃至17のいずれか一つに記載の超音波手術装置。
【0175】
(付記項19) 前記高帯域のラジオ波電流の周波数は、8MHzから60MHzの範囲にあることを特徴とする付記項1乃至18のいずれか一つに記載の超音波手術装置。
【0176】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置と超音波処置を機器の交換無しに併用できるとともに、超音波処置と高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置を同時に行うことにより、超音波処置による組織の破砕または乳化、吸引効果及び組織選択性の効果と、高帯域ラジオ波電流を用いた高周波処置による凝固または切開効果を複合的に得ることができる。
【0177】
また、本発明によれば、前記高周波電流処置時の漏れ電流やノイズの増加、機器の誤動作やリーク、生体処置に使用できない電磁波の外部への放出などを防止し、超音波手術装置において信頼性が高く効率の良い高周波電流処置が可能になる。
【0178】
また、本発明によれば、冷却水を使用する超音波処置に高周波電流処置を併用した場合に、不必要な電流の拡散を防止して高周波処置の効率を向上できる。
【0179】
また、本発明によれば、冷却水を併用する超音波処置に高周波処置を併用した場合の不必要な電流の拡散を防止できる。
【0180】
また、本発明によれば、前記複合的な効果を高めるために超音波処置と高周波電流処置の動作を互いに連動させることができるようになることである。
【0181】
また、本発明によれば、把持機能を有する超音波手術装置において、プローブもしくはプローブと把持部材を電極とした高周波電流処置とプローブの耐久性を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る超音波手術装置のハンドピースを示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る超音波手術装置の全体構成の概略を示すブロック図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る超音波手術装置のハンドピースを示す断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る超音波手術装置のハンドピースの内部構造の概略を示す断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るハンドピースの外観を示す側面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るハンドピースのジョーを操作する機構を示す断面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るハンドルと操作棒の連結構造を示す説明図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る超音波手術装置のハンドピースを示す断面図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る超音波手術装置の全体構成の概略を示すブロック図。
【符号の説明】
1 …超音波手術装置
11 …超音波振動子
12 …PZT
13 …振動子アクティブ端子
14 …振動子ニュートラル端子
15 …ホーン
16 …バックマス
17 …ケーシング
21 …プローブ
24 …吸引口金
25 …吸引チューブ
26 …ケーブル
27 …超音波アクティブ線
28 …超音波ニュートラル線
29 …シールド線
30 …シース
31 …送水口金
32 …送水チューブ
34,35 …シールド
40 …電源部
41 …超音波電源
42 …ラジオ波電源
43 …制御回路
44 …表示装置
45 …操作装置
46 …スイッチ
47 …マッチング回路
51 …超音波アンプ
52,62 …フィルタ
61 …ラジオ波アンプ
81 …送水ポンプ
82 …吸引装置

Claims (6)

  1. 生体組織に放電可能な高帯域のラジオ波電流を発生可能なラジオ波電流発生手段と、
    前記ラジオ波電流発生手段で発生された前記ラジオ波電流を前記生体組織に放電して処置可能な放電電極部材と、
    前記放電電極部材の基端部に連結され、前記生体組織を処置可能な超音波振動を発生可能な超音波振動子と、
    前記超音波振動子を駆動するための超音波電流の駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、
    前記ラジオ波電流及び前記超音波電流の少なくとも一方に対して、他方の電流、又は少なくとも前記他方の電流の基本周波数の整数倍あるいは1/整数倍の周波数成分の電流の流入を防ぐ手段と、
    前記駆動信号発生手段と前記ラジオ波電流発生手段とを制御可能な制御手段と、
    を具備したことを特徴とする手術装置。
  2. 生体組織を処置可能な超音波振動を発生可能な超音波振動子と、
    前記超音波振動子に設けられたアクティブ端子及びニュートラル端子に接続され、前記超音波振動子を駆動するための超音波電流の駆動信号を供給可能な駆動信号供給手段と、
    前記超音波振動子の前記ニュートラル端子に電気的に接続可能に導電性部材で形成され、前記駆動信号で駆動された前記超音波振動子からの前記超音波振動を伝達するために前記超音波振動子と機械的に連結されるプローブと、
    前記プローブが電気的に接続された前記ニュートラル端子の導電路に接続され、前記導電路を介して前記プローブに放電可能な高帯域のラジオ波電流を供給可能なラジオ波電流供給手段と、
    前記ラジオ波電流及び前記超音波電流の少なくとも一方に対して、他方の電流、又は少なくとも前記他方の電流の基本周波数の整数倍あるいは1/整数倍の周波数成分の電流の流入を防ぐ手段と、
    前記ラジオ波電流発生手段と前記駆動信号発生手段とを制御可能な制御手段と、
    を具備したことを特徴とする手術装置。
  3. 前記手段は、電気的フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の手術装置。
  4. 前記超音波振動子を覆う、電気的絶縁性を有するケーシングと、
    前記放電電極部材を覆う、電気的絶縁性を有するシースと、
    を有し、
    前記ケーシングと前記シースは、それぞれシールドを有することを特徴とする請求項1に記載の手術装置。
  5. 前記超音波振動子を覆う、電気的絶縁性を有するケーシングと、
    前記プローブを覆う、電気的絶縁性を有するシースと、
    を有し、前記ケーシングと前記シースは、それぞれシールドを有することを特徴とする請求項2に記載の手術装置。
  6. 前記超音波振動子の表面には、導通が必要な部分以外は、絶縁コーティングがされていることを特徴とする請求項4又は5に記載に手術装置。
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