JP4391556B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents
光ファイバケーブル Download PDFInfo
- Publication number
- JP4391556B2 JP4391556B2 JP2007248429A JP2007248429A JP4391556B2 JP 4391556 B2 JP4391556 B2 JP 4391556B2 JP 2007248429 A JP2007248429 A JP 2007248429A JP 2007248429 A JP2007248429 A JP 2007248429A JP 4391556 B2 JP4391556 B2 JP 4391556B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical fiber
- fiber core
- peelable protective
- sheath
- cable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
一般的に、一次被覆層には被覆後そのヤング率が3MPa以下、二次被覆層にはヤング率が500MPa以上になる樹脂が用いられている。
これは、例えば、前述した光ファイバ心線を1本または複数本を一列に並べて光ファイバ心線集合体を形成し、この光ファイバ心線集合体の両側に、光ファイバ心線集合体の幅Dよりも幅の広い一対の防護テープを配し、これら防護テープの配置方向と略直交する方向、すなわち光ファイバ心線集合体のもう一方の両側に、例えばFRP(繊維強化プラスチック)線等からなる一対のテンションメンバを並行に配し、必要によりさらに錫メッキ鋼線等からなる支持線を、前記光ファイバ心線集合体やテンションメンバと並行に配して、全体にシースを一括被覆したものである。
その結果、夏場に光ファイバ心線の被覆層が軟化したとしても、移動スペース自体が少なくなっているため光ファイバ心線の移動がより行われ難くなり、光ファイバ心線の蛇行もより抑えられる。それ故、光ファイバの伝送損失の増加も効果的に防止することができる。
さらにL/Dが1.01以上であるため、光ファイバ心線をシースから取り出す際、シースが光ファイバ心線集合体の両端の光ファイバ心線をホールドした状態が起こり難くなり、光ファイバ心線の取出作業が容易になる。
具体的には、例えば、石英ガラスからなる外径約0.125mmのガラス光ファイバに紫外線硬化性樹脂からなる軟質層(一次被覆層)と硬質層(二次被覆層)の2層の被覆が施された、外径が約0.5mmの光ファイバ心線1を8本用意し、これらを4本ずつ2段に俵積みして光ファイバ心線集合体を形成した。この光ファイバ心線集合体の俵積み方向の両側に、光ファイバ心線集合体の配列方向の幅、すなわち、配列幅Bよりも幅の広い幅Wを有する一対の、例えば、ナイロン(デュポン社の商標)あるいは金属等、後述するシース5とは、例えば、異なる材料からなり、シース5と接着し難い剥離性防護テープ2を光ファイバ心線1に接触するように配し、かつこれら剥離性防護テープ2の配置方向と略直交する方向、すなわち光ファイバ心線集合体のもう一方の両側に、例えば、鋼線やFRP(繊維強化プラスチック)線等からなる一対のテンションメンバ3を並行に配し、必要によりさらに亜鉛アルミメッキ鋼線や錫メッキ鋼線等からなる支持線4を、前記光ファイバ心線集合体やテンションメンバ3と並行に配して、全体に一括してポリエチレン等からなるシース5を施したものである。ここで、前記光ファイバ心線集合体、一対のテンションメンバ3、そして支持線4は、その中心がほぼ同一の平面上に位置決めされている。
尚、符号12は、この光ファイバケーブルのケーブル本体部10と支持線部11とを連結する首部である。
本発明者等は、図1に示す光ファイバケーブルの横断面を複数本にわたって細かく観察した。その結果、ほとんどの光ファイバケーブルにおいて図1に向かって右側のテンションメンバ3側の剥離性防護テープ2、2の間隔が左側のそれよりも僅かであるが大きいことを確認した。
クロスヘッド内に供給された溶融樹脂は、クロスヘッドを通過する光ファイバ心線集合体、剥離性防護テープ2、テンションメンバ3及び支持線4に対して、図2の矢印が示す樹脂圧を負荷せしめながら被覆される。同時に樹脂には流れが生じていて、この樹脂の流れの影響で、クロスヘッドでの樹脂圧のかかり方は均一ではなくなる。これにより、例えば、ナイロンの如き合成樹脂性の剥離性防護テープ2にあっては、クロスヘッド中心に近い側が、図2の点線が示すように外側に向かって押し開かれ、剥離性防護テープ2の他端側では逆にテープ間隔が狭められることがある。
その結果、出来上がった光ファイバケーブルにあっては、光ファイバ心線集合体の両側に配された一対の剥離性防護テープ2は、互いに平行にならずに、支持線4側に向かって開き気味になってしまう、と考えられる。
特にこの現象は、光ファイバケーブルの製造速度を上げようとすると、必然的にクロスヘッド内の樹脂圧も高まり、溶融樹脂の流れもきつくなり、より起こり易くなることがわかってきた。
このように光ファイバ心線が2段に俵積みされた光ファイバ心線集合体を有し、しかも前述したように剥離性防護テープ2の間隔がその一端で開き気味になっていて、加えてこのような光ファイバケーブルがその端部で円形状に曲げられた状態で保持されていることが、経時的に光ファイバ心線1に伝送損失増加を引き起こす原因ではないか、との推論に至った。
この種の光ファイバケーブルは、前述したように、通常、接続箱等の内部あるいはその手前付近でその余長分が比較的小さな曲げ径で曲げられていることが多い。具体的には、図1に示す点線を曲げの中心にして所定半径を有する円形状に数回曲げられ、数箇所で曲げが解けないように紐等で縛られて保持されている。
このような状態で夏場の如く光ファイバケーブルが高温に晒されていると、光ファイバ心線1の被覆層、すなわち一次被覆層や二次被覆層が軟化し、図4に示すように隣接している光ファイバ心線1から作用する力で、すなわち、隣接する光ファイバ心線1が移動しようとする力に押されて変形する。具体的には、二点鎖線で示す光ファイバ心線1の元の状態から実線で示す位置に移動し、光ファイバ心線1の被覆層が変形する。図4に示すように、特に曲げの中心線の内側に位置する下段の層の右側の光ファイバ心線1、特に光ファイバ心線1Aでは、向かって右側はシース5に移動を遮られていて、しかも左隣の光ファイバ心線1から右側に押されるため、光ファイバ心線1の断面形状が卵を立てたような楕円形状に変形する。また変形により生じたスペースに左隣の光ファイバ心線1が移動し、その結果、図5に示すように光ファイバケーブルの長手方向に亘って、図1における下段の光ファイバ心線1の、特に両側の光ファイバ心線1を除く内側の2本の光ファイバ心線1が蛇行し、マイクロベンディングによる伝送損失増加を起こす、と推測される。尚、図5は光ファイバ心線集合体の下段の4本の光ファイバ心線1を上から見た上記推論に基づく平面図である。
光ファイバ心線1:紫外線硬化性樹脂を2層被覆した外径0.5mmの8本の光ファイバ心線を4本ずつ2層に俵積み
剥離性防護テープ2:ポリアミド樹脂(ナイロン)製の厚さ0.2mmのテープ2本
テンションメンバ3:外径0.7mmの亜鉛メッキ鋼線2本
支持線4 :外径2.6mmの亜鉛アルミメッキ鋼線1本
シース5 :低密度ポリエチレン
ケーブル本体部10:3.3mm×5.5mm
光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅D:0.93mm
因みに、光ファイバケーブルから光ファイバ心線1を取出す際には、まず図1に示す光ファイバケーブルの中間部において、ケーブル本体部10と支持線部11との連結部である首部12をカッター等で切断して切り離し、このように支持線部11と切り離したケーブル本体部10の端部に対向する2対のシ−ス切断刃21を有するシース皮剥工具20で保持し、これを手で握った状態でケーブル長手方向に所定長さ移動する。ここでシ−ス切断刃21の先端位置は、丁度剥離性防護テープ2を貫通するように調整されている。
一方、L/Dが1.10を越えて、例えば比較例1や比較例2のようにL/D=1.12とか1.14になると、曲げ直径140mm×3ターンにおけるヒートサイクル試験でも光ファイバ心線1の伝送損失が2.3dB以上と大きな値になってしまい、このような光ファイバケーブルは実際には使用することができない。
すなわち、図1に示すように、剥離性防護テープ2と2段に俵積みした各光ファイバ心線1とが、テープ幅方向においてすべて接触し、かつ剥離性防護テープ2の間隔が幅方向で一定になるようにするためには、クロスヘッド内で樹脂圧の影響で剥離性防護テープ2の間隔が広がらないようする必要がある。そこで参考例のサンプル作りに際しては、樹脂圧を極力小さくすべく光ファイバケーブルの製造速度を下げ、ゆっくりシース5を被覆した。
このようにL/D=1.00の光ファイバケーブルにあっては、光ファイバ心線1の取出作業性が他のものより若干悪く98%であったため、参考例とした。
またシース5の材料としては、前述したポリエチレンの他に、例えば、塩化ビニル、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)あるいはEEA(エチレン・アクリル酸エチル共重合体)等の樹脂、またはこれらEVAやEEAにさらに難燃剤を添加した樹脂を用いることもできる。
さらにまた、支持線7は、必要により用いればよく、例えば、架線距離が極めて短い場所では支持線なしの光ファイバケーブルであってもよい。
さらにシースの皮剥ぎを容易にするために、例えば、図1に示す光ファイバケーブルにおいて二点鎖線が示すように、そのシース5の表面に、図6に示す二対のシース切断刃21が存在する位置に合わせて、二対のシース分割用の切欠30、30を形成しておく方法もある。このようにしておけば、シース皮剥工具20を握る力が小さくて済むため、皮剥作業が容易になる。
また、図2から図4においては、剥離性防護テープ2はそれぞれ直線状態でケーブル内に埋め込まれているように図示されているが、例えば、外側に反り返ったように湾曲していてもよい。
2 剥離性防護テープ
3 テンションメンバ
4 支持線
5 シース
10 ケーブル本体部
11 支持線部
12 首部
20 シース皮剥工具
21 シース切断刃
30 シース分割用の切欠
Claims (2)
- 光ファイバ心線が2段に俵積みされた光ファイバ心線集合体と、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の両側に光ファイバ心線集合体に接触するように配された光ファイバ心線集合体の配列幅よりも幅が広い一対の剥離性防護テープと、前記剥離性防護テープが配されていない側の前記光ファイバ心線集合体の両側に並行に配された一対のテンションメンバと、前記光ファイバ心線集合体、剥離性防護テープ及びテンションメンバに対して一括被覆されたシースとを有する光ファイバケーブルであって、前記一対の剥離性防護テープは、前記シースとは接着一体化しておらず、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って幅方向一端側の間隔が他端側の間隔に比して拡がって配置され、かつ前記一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅をDとしたとき、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って、L/Dが1.01以上、1.1以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
- 前記一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅をDとしたとき、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って、L/Dが1.01以上、1.06以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248429A JP4391556B2 (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 光ファイバケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248429A JP4391556B2 (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 光ファイバケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009080221A JP2009080221A (ja) | 2009-04-16 |
JP4391556B2 true JP4391556B2 (ja) | 2009-12-24 |
Family
ID=40655020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007248429A Expired - Fee Related JP4391556B2 (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 光ファイバケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4391556B2 (ja) |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248429A patent/JP4391556B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009080221A (ja) | 2009-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11215780B2 (en) | Optical fiber cable | |
JP4224092B2 (ja) | 光ファイバケーブル及びその分岐方法 | |
JP2014137480A (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP5149343B2 (ja) | 光ドロップケーブル | |
JP4391556B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP2009217081A (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP5089467B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP6996558B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP2009025425A (ja) | 光ファイバドロップケーブル | |
JP4795270B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP6413593B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP2012160358A (ja) | ケーブル | |
JP6082627B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP2009217195A (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP4888409B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP2007272099A (ja) | 光ファイバテープおよび光ケーブル | |
JP2006208940A (ja) | 光ファイバテープおよび光ケーブル | |
JP6374208B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP2010128168A (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP4252588B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP4878888B2 (ja) | 光ファイバケーブル及びその口出し方法 | |
JP2006078913A (ja) | 光ファイバテープおよび光ファイバケーブル | |
JP4624279B2 (ja) | 光ファイバケーブル | |
JP2016057334A (ja) | 光ケーブル | |
JP2006003689A (ja) | 光ドロップケーブル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090616 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090817 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090908 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091007 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4391556 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |