JP4391556B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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本発明は、複数本の光ファイバ心線を2段に俵積みした光ファイバ心線集合体の両側に剥離性防護テープやテンションメンバを配した光ファイバケーブルに関するものである。
光ファイバ心線は、一般的に石英ガラス等からなるガラス光ファイバの外周に紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂等からなる軟質層と硬質層の2層構造からなる被覆が施されている。ガラス光ファイバと接触する軟質層(以下、一次被覆層という)は比較的ヤング率の低い軟質の樹脂からなり、これはバッファ層(応力緩和層)として機能する。その外周に被覆された硬質層(以下、二次被覆層という)は、比較的ヤング率の高い硬質の樹脂からなり、これは保護層として機能する。さらに必要に応じて二次被覆層の外周に識別用の極めて薄い着色層が施される場合もある。
一般的に、一次被覆層には被覆後そのヤング率が3MPa以下、二次被覆層にはヤング率が500MPa以上になる樹脂が用いられている。
ところで、昨今のインターネット等の急速な普及に対応すべく、各加入者宅へ前述した光ファイバ心線を用いた光ファイバケーブルを布設することが盛んに行なわれるようになってきた。この種の光ファイバケーブルとして、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
これは、例えば、前述した光ファイバ心線を1本または複数本を一列に並べて光ファイバ心線集合体を形成し、この光ファイバ心線集合体の両側に、光ファイバ心線集合体の幅Dよりも幅の広い一対の防護テープを配し、これら防護テープの配置方向と略直交する方向、すなわち光ファイバ心線集合体のもう一方の両側に、例えばFRP(繊維強化プラスチック)線等からなる一対のテンションメンバを並行に配し、必要によりさらに錫メッキ鋼線等からなる支持線を、前記光ファイバ心線集合体やテンションメンバと並行に配して、全体にシースを一括被覆したものである。
尚、光ファイバ心線集合体の両側に配されている防護テープは、光ファイバケーブルがリス等に噛まれて傷付き断線するのを防止する目的で用いられている。同時にこの構造のものは、近年問題となっている、対セミ、特にクマゼミの産卵行動に対処するためにも有効なケーブル構造を提供している。具体的には、クマゼミが架空に布設されたこれら光ファイバケーブルを木の幹や枝と誤って、シースに産卵管を突き刺し、内部の光ファイバ心線を傷付け、最悪の場合光ファイバを断線させるような事態を防止するためである。すなわち、クマゼミがシースに産卵管を突き刺しても、光ファイバ心線集合体の配列方向の幅よりも幅広の防護テープでこれを遮り、産卵管が光ファイバに達しないようにしようとするものである。
特開2006−11166号公報
しかしながら、特許文献1に記載された光ファイバケーブルにおいて、加入者数の増加に備えて光ファイバ心線を複数本、例えば、8本用意し、これら8本の光ファイバ心線を4本ずつ俵積みにして光ファイバ心線集合体を形成した場合、特に外気温が高温になる夏場になると、光ファイバ心線集合体中の何本かにおいて伝送損失増加を起こすものが現れて来た。そしてその原因は未だ不明であった。
前記問題に鑑み本発明の目的は、光ファイバ心線を2段に俵積みした光ファイバ心線集合体及びこの光ファイバ心線集合体の両側に配された一対の防護テープを有する光ファイバケーブルにおいて、セミの産卵行動に伴って発生する光ファイバの断線の可能性を低減させると同時に、この光ファイバケーブルが夏場の如く、高温に晒されることがあっても、経時的に光ファイバの伝送損失増加を起こし難い光ファイバケーブルを提供することにある。
前記目的を達成すべく請求項1記載の光ファイバケーブルは、光ファイバ心線が2段に俵積みされた光ファイバ心線集合体と、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の両側に光ファイバ心線集合体に接触するように配された光ファイバ心線集合体の配列幅よりも幅が広い一対の剥離性防護テープと、前記剥離性防護テープが配されていない側の前記光ファイバ心線集合体の両側に並行に配された一対のテンションメンバと、前記光ファイバ心線集合体、剥離性防護テープ及びテンションメンバに対して一括被覆されたシースとを有する光ファイバケーブルであって、前記一対の剥離性防護テープは、前記シースとは接着一体化しておらず、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って幅方向一端側の間隔が他端側の間隔に比して拡がって配置され、かつ前記一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅をDとしたとき、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って、L/Dが1.01以上、1.1以下であることを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項1記載の光ファイバケーブルにあっては、光ファイバ心線集合体の両側に設けた剥離性防護テープにより、クマゼミ等の産卵管の光ファイバへの侵入を阻止すると共に、この一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の幅をDとしたとき、L/Dが1.1以下になっているため、後述するように、光ファイバ心線のケーブル曲げによる移動が剥離性防護テープにより効果的に規制され、移動し難くなる。
その結果、夏場に光ファイバ心線の被覆層が軟化したとしても、移動スペース自体が少なくなっているため光ファイバ心線の移動がより行われ難くなり、光ファイバ心線の蛇行もより抑えられる。それ故、光ファイバの伝送損失の増加も効果的に防止することができる。
さらにL/Dが1.01以上であるため、光ファイバ心線をシースから取り出す際、シースが光ファイバ心線集合体の両端の光ファイバ心線をホールドした状態が起こり難くなり、光ファイバ心線の取出作業が容易になる。
また請求項2記載の光ファイバケーブルは、請求項1記載の光ファイバケーブルにおいて、前記一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の幅をDとしたとき、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って、L/Dが1.01以上、1.06以下であることを特徴としている。
このようにしてなる請求項2記載の光ファイバケーブルによれば、前記一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の幅をDとしたとき、L/Dが1.06以下と、前記請求項1における範囲よりもより狭くしているため、光ファイバ心線のケーブル曲げによる移動が、その間隔をより狭い範囲に抑えられた剥離性防護テープにより、より一層規制され、より一層移動し難くなる。その結果、夏場に光ファイバ心線の被覆層が軟化したとしても、移動スペース自体がより一層少なくなって移動も厳しくなり、光ファイバ心線の蛇行もさらに一層抑えられる。それ故、光ファイバ心線のシースからの取出作業が容易であるとともに、光ファイバの伝送損失の増加もより確実に、かつより小さな値に抑えることができる。
以上のように本発明によれば、光ファイバ心線を2段に俵積みした光ファイバ心線集合体及びこの光ファイバ心線集合体の両側に配された一対の防護テープを有する光ファイバケーブルにおいて、セミの産卵行動に伴って発生する光ファイバの断線の可能性を低減させると同時に、この光ファイバケーブルが夏場の如く、高温に晒されることがあっても、経時的に光ファイバの伝送損失増加を起こし難い光ファイバケーブルを提供することができる。
図1は、本発明に係る光ファイバケーブルの横断面である。
具体的には、例えば、石英ガラスからなる外径約0.125mmのガラス光ファイバに紫外線硬化性樹脂からなる軟質層(一次被覆層)と硬質層(二次被覆層)の2層の被覆が施された、外径が約0.5mmの光ファイバ心線1を8本用意し、これらを4本ずつ2段に俵積みして光ファイバ心線集合体を形成した。この光ファイバ心線集合体の俵積み方向の両側に、光ファイバ心線集合体の配列方向の幅、すなわち、配列幅Bよりも幅の広い幅Wを有する一対の、例えば、ナイロン(デュポン社の商標)あるいは金属等、後述するシース5とは、例えば、異なる材料からなり、シース5と接着し難い剥離性防護テープ2を光ファイバ心線1に接触するように配し、かつこれら剥離性防護テープ2の配置方向と略直交する方向、すなわち光ファイバ心線集合体のもう一方の両側に、例えば、鋼線やFRP(繊維強化プラスチック)線等からなる一対のテンションメンバ3を並行に配し、必要によりさらに亜鉛アルミメッキ鋼線や錫メッキ鋼線等からなる支持線4を、前記光ファイバ心線集合体やテンションメンバ3と並行に配して、全体に一括してポリエチレン等からなるシース5を施したものである。ここで、前記光ファイバ心線集合体、一対のテンションメンバ3、そして支持線4は、その中心がほぼ同一の平面上に位置決めされている。
尚、符号12は、この光ファイバケーブルのケーブル本体部10と支持線部11とを連結する首部である。
本発明者等は、図1に示す光ファイバケーブルが、なぜ、特に夏場の暑い時期になると光ファイバ心線1において伝送損失増加を起こすのか、その原因を探った。その際、損失増加する光ファイバ心線1が、図1における光ファイバ心線集合体の一方の層の光ファイバ心線1に偏っている傾向も突き止め、その点を考慮しながら原因究明に当たった。
その結果、光ファイバ心線1の伝送損失の増加が以下の理由に起因するのではないかとの結論に辿り着いた。具体的にその理由を図を用いて説明する。
本発明者等は、図1に示す光ファイバケーブルの横断面を複数本にわたって細かく観察した。その結果、ほとんどの光ファイバケーブルにおいて図1に向かって右側のテンションメンバ3側の剥離性防護テープ2、2の間隔が左側のそれよりも僅かであるが大きいことを確認した。
図2を用いてその原因を説明する。尚、図2は、図1に示す光ファイバケーブルを製造するために用いられる押出機のクロスヘッドの中心位置Pとシース5が押出し被覆されて、例えば、図2の紙面の手前から裏側に向かって走行している光ファイバケーブルの位置関係を示している。因みに、クロスヘッドとは押出機先端に装着されていて、この場合には光ファイバ心線集合体、剥離性防護テープ2、テンションメンバ3及び支持線4に一括してシース5を被覆する装置のことである。
図2において、クロスヘッドの中心位置Pには、例えば、このP点の下方(B方向)に位置する押出機の樹脂吐出口からポリエチレン等の熱可塑性樹脂(溶融樹脂)からなるシース材料が供給される。
クロスヘッド内に供給された溶融樹脂は、クロスヘッドを通過する光ファイバ心線集合体、剥離性防護テープ2、テンションメンバ3及び支持線4に対して、図2の矢印が示す樹脂圧を負荷せしめながら被覆される。同時に樹脂には流れが生じていて、この樹脂の流れの影響で、クロスヘッドでの樹脂圧のかかり方は均一ではなくなる。これにより、例えば、ナイロンの如き合成樹脂性の剥離性防護テープ2にあっては、クロスヘッド中心に近い側が、図2の点線が示すように外側に向かって押し開かれ、剥離性防護テープ2の他端側では逆にテープ間隔が狭められることがある。
その結果、出来上がった光ファイバケーブルにあっては、光ファイバ心線集合体の両側に配された一対の剥離性防護テープ2は、互いに平行にならずに、支持線4側に向かって開き気味になってしまう、と考えられる。
特にこの現象は、光ファイバケーブルの製造速度を上げようとすると、必然的にクロスヘッド内の樹脂圧も高まり、溶融樹脂の流れもきつくなり、より起こり易くなることがわかってきた。
このように内部で一対の剥離性防護テープ2が互いに平行に配置されていない光ファイバケーブルを布設するに際して、その端部を接続箱内あるいはその周辺で余長管理等のため所定の曲げ径で何ターンか曲げて保管することが一般的に行われている。
このように光ファイバ心線が2段に俵積みされた光ファイバ心線集合体を有し、しかも前述したように剥離性防護テープ2の間隔がその一端で開き気味になっていて、加えてこのような光ファイバケーブルがその端部で円形状に曲げられた状態で保持されていることが、経時的に光ファイバ心線1に伝送損失増加を引き起こす原因ではないか、との推論に至った。
まずケーブル内において剥離性防護テープ2の間隔がテープ両端部で等しくないと次のような問題が発生する、と推測される。
この種の光ファイバケーブルは、前述したように、通常、接続箱等の内部あるいはその手前付近でその余長分が比較的小さな曲げ径で曲げられていることが多い。具体的には、図1に示す点線を曲げの中心にして所定半径を有する円形状に数回曲げられ、数箇所で曲げが解けないように紐等で縛られて保持されている。
このように図1に示す点線を曲げの中心にして光ファイバケーブルが曲げられていると、光ファイバ心線集合体が1本の光ファイバ心線1あるいは1段分の光ファイバ心線集合体であれば問題はないが、図1に示すケーブルのように、複数本の光ファイバ心線1が2段に俵積みされていると、図3に示すように、曲げの中心線(一点鎖線)とそれぞれの光ファイバ心線1の中心位置がずれているため、曲げの中心線よりも外側の光ファイバ心線1には引っ張り力が作用して引っ張り歪が、曲げの内側の光ファイバ心線1には圧縮力が負荷して圧縮歪がそれぞれ付与される。
そして圧縮歪を受けている曲げの中心線よりも内側に位置する光ファイバ心線1は、曲げの内側方向に剥離性防護テープ2があり、移動が阻止されている。それ故、この圧縮歪を開放しようと曲げの中心線側に移動しようとする力が働く。一方、曲げの中心線よりも外側の光ファイバ心線1(図3において上段の光ファイバ心線1)にあっては、引っ張り歪を緩和しようと、曲げの中心線に向かって移動しようとしている。
このような状態で夏場の如く光ファイバケーブルが高温に晒されていると、光ファイバ心線1の被覆層、すなわち一次被覆層や二次被覆層が軟化し、図4に示すように隣接している光ファイバ心線1から作用する力で、すなわち、隣接する光ファイバ心線1が移動しようとする力に押されて変形する。具体的には、二点鎖線で示す光ファイバ心線1の元の状態から実線で示す位置に移動し、光ファイバ心線1の被覆層が変形する。図4に示すように、特に曲げの中心線の内側に位置する下段の層の右側の光ファイバ心線1、特に光ファイバ心線1Aでは、向かって右側はシース5に移動を遮られていて、しかも左隣の光ファイバ心線1から右側に押されるため、光ファイバ心線1の断面形状が卵を立てたような楕円形状に変形する。また変形により生じたスペースに左隣の光ファイバ心線1が移動し、その結果、図5に示すように光ファイバケーブルの長手方向に亘って、図1における下段の光ファイバ心線1の、特に両側の光ファイバ心線1を除く内側の2本の光ファイバ心線1が蛇行し、マイクロベンディングによる伝送損失増加を起こす、と推測される。尚、図5は光ファイバ心線集合体の下段の4本の光ファイバ心線1を上から見た上記推論に基づく平面図である。
そこで図3において、一対の剥離性防護テープ2の光ファイバ心線1と接している部分の最大テープ間距離をL、そして図1に示すように光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅(図1において光ファイバ心線集合体の高さに相当)をDとして両者の比L/Dをとったとき、この比L/Dと所定曲げ径に曲げられ、かつヒートサイクルを受けた光ファイバ心線1の経時的な伝送損失増加の関係を調べた。具体的には、光ファイバケーブルを直径120mmの円形状に3ターン曲げたものと、直径140mmの円形状に3ターン曲げたものを作り、後述するようにこの部分に後述する条件のヒートサイクル試験を負荷した。その結果を表1に示す。
ここで試験に用いた光ファイバケーブルの仕様は以下のようになっている。
光ファイバ心線1:紫外線硬化性樹脂を2層被覆した外径0.5mmの8本の光ファイバ心線を4本ずつ2層に俵積み
剥離性防護テープ2:ポリアミド樹脂(ナイロン)製の厚さ0.2mmのテープ2本
テンションメンバ3:外径0.7mmの亜鉛メッキ鋼線2本
支持線4 :外径2.6mmの亜鉛アルミメッキ鋼線1本
シース5 :低密度ポリエチレン
ケーブル本体部10:3.3mm×5.5mm
光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅D:0.93mm
前述した一対の剥離性防護テープ2の光ファイバ心線1と接している部分の最大テープ間距離をLとしては、図3に示すように2段に俵積みされた光ファイバ心線1のうち、いずれかの段の光ファイバ心線1が剥離性防護テープ2の内面に接している部分、この図3では上の段の右側の光ファイバ心線1と剥離性防護テープ2の内面が接している点をQとし、一方このQに対応する他方の剥離性防護テープ2の内面位置をR点とし、Q点とR点間の距離をLとした。また、光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅Dは、図1に示すように同一外径の8本の光ファイバ心線1を整然と2段に俵積みしたときの高さに相当するものである。すなわち、幅Dは光ファイバ心線1の外径が決まれば一義的に決定される値であり、光ファイバ心線1の外径が0.5mmである光ファイバ心線集合体の場合はD=0.93mmである。
また光ファイバ心線1の伝送損失を測定した波長は1.55μmであり、ヒートサイクル試験は前述したように光ファイバケーブルを曲げ直径120mm、140mmで各々3ターンずつ曲げた部分に−30℃(保持時間6時間)〜70℃(保持時間6時間)、そしてこの−30℃〜70℃への昇温降温に2時間かけるサイクルを10サイクル負荷した。ここで各例におけるサンプル数はn=20である。
また表1で示している光ファイバケーブルからの光ファイバ心線1の取出作業性の評価は、図6及び図7に示すように、専用のシース皮剥工具によるシース5の皮剥性、そしてしかる後シース5から光ファイバ心線1を取り出す際の取出容易性の両方を合わせて評価した結果である。
因みに、光ファイバケーブルから光ファイバ心線1を取出す際には、まず図1に示す光ファイバケーブルの中間部において、ケーブル本体部10と支持線部11との連結部である首部12をカッター等で切断して切り離し、このように支持線部11と切り離したケーブル本体部10の端部に対向する2対のシ−ス切断刃21を有するシース皮剥工具20で保持し、これを手で握った状態でケーブル長手方向に所定長さ移動する。ここでシ−ス切断刃21の先端位置は、丁度剥離性防護テープ2を貫通するように調整されている。
このようにシース皮剥工具20を手で移動することでシース5を所定長さ切断したら、図7に示すように光ファイバケーブルの両端のテンションメンバ3、3を内有するシース両端部を左右に引っ張れば、もし光ファイバ心線1の取出作業性が良好なケーブルであれば、剥離性防護テープ2がシース5と接着していないことも相俟って、各部分が容易に分離し、内部の光ファイバ心線集合体が容易に取り出せる。前述した各サンプルについてはこのような方法で光ファイバ心線1の取出作業性を評価した。
またL/Dを1.00〜1.14に変化させるに当たっては、シ−ス5を被覆する際使用するダイスやニップルの形状を変えたり、ダイスとニップル両者の間隔を調整したり、あるいは押出機における樹脂の設定温度や製造線速、樹脂圧等を調整することにより実現した。
Figure 0004391556
表1に示すように、実施例1〜実施例6の如くL/Dが1.01以上、1.10以下の場合には、実際の布設に問題のない結果が得られた。すなわち、実施例6の場合、曲げ直径120mm×3ターンにおいてのヒートサイクル試験の結果が、実施例1〜5のものよりも若干高めであるが、現実には曲げ直径は140mm程度に設定されることが多いため大きな問題ではない。
一方、L/Dが1.10を越えて、例えば比較例1や比較例2のようにL/D=1.12とか1.14になると、曲げ直径140mm×3ターンにおけるヒートサイクル試験でも光ファイバ心線1の伝送損失が2.3dB以上と大きな値になってしまい、このような光ファイバケーブルは実際には使用することができない。
ところでL/D=1.00、すなわち、剥離性防護テープ2の間隔が、その幅方向で一定で、しかも1段目、2段目の各光ファイバ心線1に剥離性防護テープ2の内面が接触した状態のもので、シース5からの光ファイバ心線の取出作業性が悪いものが数例あった。その結果、取出作業性が98%であり、他の例ではすべて100%であるのに特異な結果を示した。その理由はあくまで推測ではあるが以下のように考えられる。
すなわち、図1に示すように、剥離性防護テープ2と2段に俵積みした各光ファイバ心線1とが、テープ幅方向においてすべて接触し、かつ剥離性防護テープ2の間隔が幅方向で一定になるようにするためには、クロスヘッド内で樹脂圧の影響で剥離性防護テープ2の間隔が広がらないようする必要がある。そこで参考例のサンプル作りに際しては、樹脂圧を極力小さくすべく光ファイバケーブルの製造速度を下げ、ゆっくりシース5を被覆した。
その結果、L/D=1.00の光ファイバケーブルを得ることができたが、このように剥離性防護テープ2がその幅方向で平行なものにあっては、図6、図7に示すシース皮剥工具20でシース5を切断後、剥離性防護テープ2の部分を上下に引っ張って分離する際、剥離性防護テープ2は接触している光ファイバ心線1の界面になんらの力も作用させずにきれいに剥ける。そのため、光ファイバ心線集合体の両側に位置する片側2本の光ファイバ心線1は、光ファイバ心線集合体両側に位置するシース5(図7においてテンションメンバ3を内有する部分)にホールドされて、すなわち、シース5に抱え込まれてしまって、くっ付いた状態のままになる、と推測される。
このようにL/D=1.00の光ファイバケーブルにあっては、光ファイバ心線1の取出作業性が他のものより若干悪く98%であったため、参考例とした。
ところで図1における光ファイバ心線1として、二次被覆層上に必要ならこれに識別用の極めて薄い着色層を有するものを使用してもよい。
またシース5の材料としては、前述したポリエチレンの他に、例えば、塩化ビニル、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)あるいはEEA(エチレン・アクリル酸エチル共重合体)等の樹脂、またはこれらEVAやEEAにさらに難燃剤を添加した樹脂を用いることもできる。
さらにまた、支持線7は、必要により用いればよく、例えば、架線距離が極めて短い場所では支持線なしの光ファイバケーブルであってもよい。
さらにシースの皮剥ぎを容易にするために、例えば、図1に示す光ファイバケーブルにおいて二点鎖線が示すように、そのシース5の表面に、図6に示す二対のシース切断刃21が存在する位置に合わせて、二対のシース分割用の切欠30、30を形成しておく方法もある。このようにしておけば、シース皮剥工具20を握る力が小さくて済むため、皮剥作業が容易になる。
また、図2から図4においては、剥離性防護テープ2はそれぞれ直線状態でケーブル内に埋め込まれているように図示されているが、例えば、外側に反り返ったように湾曲していてもよい。
以上に述べたように本発明の光ファイバケーブルによれば、光ファイバ心線を2段に俵積みした光ファイバ心線集合体及びこの光ファイバ心線集合体の両側に配された一対の防護テープを有する光ファイバケーブルにおいて、セミの産卵行動に伴って発生する光ファイバの断線の可能性を低減できることはもちろんのこと、この光ファイバケーブルが夏場の如く、高温に晒されることがあっても、経時的に光ファイバ心線の伝送損失増加を起こし難い光ファイバケーブルを提供することができる。
本発明に係る光ファイバケーブルの一実施例を示す横断面図である。 図1に示す光ファイバケーブルにおけるシースを押出被覆している状態を示すクロスヘッドの中心位置Pと光ファイバケーブルの位置関係を示す模式図である。 本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、シース被覆時の剥離性防護テープと光ファイバ心線集合体の状態を示す拡大断面図である。 図3に示す光ファイバ心線集合体及び剥離性防護テープが高温に晒された場合の状態を示す拡大断面図である。 図3に示す光ファイバ心線集合体の下段に位置する4本の光ファイバ心線の状態を上から見た平面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、シース皮剥工具でシースを切断しようとしている状態を示す正面図である。 光ファイバケーブルをシース皮剥工具で切断し、光ファイバ心線を取出している状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 光ファイバ心線
2 剥離性防護テープ
3 テンションメンバ
4 支持線
5 シース
10 ケーブル本体部
11 支持線部
12 首部
20 シース皮剥工具
21 シース切断刃
30 シース分割用の切欠

Claims (2)

  1. 光ファイバ心線が2段に俵積みされた光ファイバ心線集合体と、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の両側に光ファイバ心線集合体に接触するように配された光ファイバ心線集合体の配列幅よりも幅が広い一対の剥離性防護テープと、前記剥離性防護テープが配されていない側の前記光ファイバ心線集合体の両側に並行に配された一対のテンションメンバと、前記光ファイバ心線集合体、剥離性防護テープ及びテンションメンバに対して一括被覆されたシースとを有する光ファイバケーブルであって、前記一対の剥離性防護テープは、前記シースとは接着一体化しておらず、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って幅方向一端側の間隔が他端側の間隔に比して拡がって配置され、かつ前記一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅をDとしたとき、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って、L/Dが1.01以上、1.1以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記一対の剥離性防護テープの前記光ファイバ心線と接している部分の最大テープ間距離をL、前記光ファイバ心線集合体の俵積み方向の幅をDとしたとき、前記光ファイバケーブルの長手方向に亘って、L/Dが1.01以上、1.06以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
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