JP4391381B2 - 多関節ロボットの減速機の異常判定装置及び多関節ロボットの減速機の異常判定方法 - Google Patents

多関節ロボットの減速機の異常判定装置及び多関節ロボットの減速機の異常判定方法 Download PDF

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この発明は、多関節ロボットの減速機の異常判定に関し、負荷とモータとの間に設けられ回転数を落としてモータのトルクを負荷に伝達する減速機の異常判定装置及び減速機の異常判定方法に関するものである。
減速機等の機構を介してモータのトルクを負荷に伝達し負荷を駆動する装置において、機構部の異常を判定する方法としては、例えば、次のものが提案されている。すなわち、サーボ制御系の入力側である指令側の仕事率、サーボ制御系の出力側あるいはロボット機構部の入力側である駆動側の仕事率 、及びロボット機構部の出力側である負荷側の仕事率を算出し、負荷側と駆動側との仕事率の比または差よりロボット機構部の故障の有無を判定するとともに、指令側と駆動側との仕事率の比または差よりサーボ制御系の故障の有無を判定する(例えば、特許文献1参照)。
また、2個のプーリ間に掛けられたベルトを介してアームを揺動駆動するサーボモータに、速度フィードバック信号を出力する検出器及び位置フィードバック信号を出力する検出器が直結されている装置において、各フィードバック信号は、制御装置からの指令信号に基づいて、サーボモータを駆動する駆動装置にフィードバックされており、駆動装置へのトルク指令信号を積分処理し、その飽和状態となるまでの時間が所定時間よりも長くなった場合には、ベルトが切断されたと判断する(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−129186号公報(第6−8頁、第1図) 特開平5−346812号公報(第2頁、第1図)
上述特許文献1に記載の故障検出方法においては、指令側と駆動側と出力側の仕事率を求めてその差から機構部の故障を判定し、指令側と駆動側の仕事率の比からサーボ系の故障を判定している。しかしながら、装置が複雑になる一方、安定性及び信用度に欠けるという未解決の課題を有している。
また、上述特許文献2に記載の異常検出装置においては、駆動装置のトルク指令を積分して飽和するまでの時間が所定値を越えることで、アームを駆動するベルトが切断したと判定する。しかしながら、この方法は、ベルトが完全に切断されればこれを検出することができるが、減速機の異常は検出することができない。
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で且つ高い信用度で減速機の異常を判定することができる多関節ロボットの減速機の異常判定装置及び多関節ロボットの減速機の異常判定方法を得ることを目的とする。
この発明の請求項1の多関節ロボットの減速機の異常判定装置は、アームを駆動するモータと、アームとモータの間の関節に設けられ回転数を落としてモータのトルクをアームに伝達する減速機と、モータの回転を検出する検出器と、ロボットコントローラの位置指令と検出器が出力する位置検出値を受けてモータの位置を制御する位置制御部と位置制御部が出力する速度指令と位置検出値から求められた速度検出値を受けてモータの速度を制御する速度制御部と速度制御部が出力するトルク指令とモータの電流から求められたトルク検出値を受けてモータのトルクを制御する電流アンプ部とを備えたモータドライバとからなる減速機駆動装置が、ロボットコントローラから位置指令を受けるとアームの位置を制御する多関節型ロボットにおいて、モータドライバに電気的に接続して設けられ、速度指令と速度検出値とトルク検出値を入力して減速機の異常判定処理をする異常判定部を有し、異常判定部は速度指令が一定値になった後に速度偏差が所定値内に入ってから速度指令が一定値でなくなるまでの期間内において、定常速度の場合のトルク検出値において観察される前記減速機の固有振動数について、以下の3つの条件を監視し、この3つの条件のうち少なくとも1つを満たせば対応する減速機が異常であると判断する
(1)トルク検出値の最大値>トルク上限閾値
(2)トルク検出値の最小値<トルク下限閾値
(3)トルク検出値の最大値−トルク検出値最小値>トルク変動幅閾値
ことを特徴とする。
この発明の請求項2の多関節ロボットの減速機の異常判定方法においては、アームを駆動するモータと、アームとモータの間の関節に設けられ回転数を落としてモータのトルクをアームに伝達する減速機と、モータの回転を検出する検出器と、ロボットコントローラの位置指令と検出器が出力する位置検出値を受けてモータの位置を制御する位置制御部と位置制御部が出力する速度指令と位置検出値から求められた速度検出値を受けてモータの速度を制御する速度制御部と速度制御部が出力するトルク指令とモータの電流から求められたトルク検出値を受けてモータのトルクを制御する電流アンプ部とを備えたモータドライバとからなる減速機駆動装置が複数設けられて、ロボットコントローラから位置指令を受けるとアームの位置を制御する多関節型ロボットにおいて、異常判定部は、前記モータドライバに電気的に接続して設けられ、前記速度指令と前記速度検出値と前記トルク検出値を入力して前記減速機の異常判定処理するように、前記速度指令が一定値になった後に速度偏差が所定値内に入ってから前記速度指令が前記一定値でなくなるまでの期間内において、定常速度の場合の前記トルク検出値において観察される前記減速機の固有振動数について、以下の3つの条件を監視し、この3つの条件のうち少なくとも1つを満たせば対応する減速機が異常であると判断する
(1)トルク検出値の最大値>トルク上限閾値
(2)トルク検出値の最小値<トルク下限閾値
(3)トルク検出値の最大値−トルク検出値最小値>トルク変動幅閾値
ことを特徴とする。
第1の発明の多関節ロボットの減速機の異常判定装置によれば、モータへ指令される速度指令、モータから検出された速度検出値及びトルク検出値を入力して減速機の異常判定処理をする異常判定部を有し、異常判定部は、定常速度の場合のトルク検出値において観察される前記減速機の固有振動数について、以下の3つの条件を監視し、モータが定常速度であり、且つ以下の3つの条件のうち少なくとも1つを満たすとき、減速機が異常であると判断する
(1)トルク検出値の最大値>トルク上限閾値
(2)トルク検出値の最小値<トルク下限閾値
(3)トルク検出値の最大値−トルク検出値最小値>トルク変動幅
ので、簡単な構成で且つ高い信用度で減速機の異常を判定することができる。
第2の発明の減速機の多関節ロボットの異常判定方法によれば、モータへ指令される速度指令、モータから検出された速度検出値及びトルク検出値を入力して減速機の異常判定処理をする異常判定部を有し、異常判定部は、定常速度の場合のトルク検出値において観察される前記減速機の固有振動数について、以下の3つの条件を監視し、モータが定常速度であり、且つ以下の3つの条件のうち少なくとも1つを満たすとき、減速機が異常であると判断する
(1)トルク検出値の最大値>トルク上限閾値
(2)トルク検出値の最小値<トルク下限閾値
(3)トルク検出値の最大値−トルク検出値最小値>トルク変動幅
ので、容易に且つ高い信用度で減速機の異常を判定することができる。
以下、本発明の実施例について図を参照して説明する。
図1はこの発明に係るロボットの側面図である。固定台E1の上面に回転台E2が回転自在に配設されている。回転台E2は、固定台E1上に垂直に立設された図示しない回転軸によって回転自在に支持されている。回転台E2の頂部には、長尺の下腕E3が一端を軸E2aによって回動自在に軸支されている。下腕E3の他端には、L字型に折れ曲がる上腕基部E4の一端が軸E3aによって回動自在に軸支されている。下腕E3の両端部に夫々設けられた軸E2aと軸E3aは互いに平行とされ、且つ両軸E2a,E3aは、固定台E1上で回転台E2を回転自在に軸支する図示しない回転軸に対して離れた位置で直交している。
L字型の上腕基部E4の下腕E3と反対側の直線部の先端には、上腕先端部E5の一端が軸E4aによって回動自在に軸支されている。上腕基部E4の両端部に夫々設けられた軸E3aと軸E4aは互いに離れた位置で直交している。上腕先端部E5の他端には手首E6の後端が軸E5aによって回動自在に軸支されている。上腕先端部E5の両端部に夫々設けられた軸E4aと軸E5aは互いに離れた位置で直交している。手首E6の先端には、エンドエフェクタE7が図示しない回転軸によって回転自在に支持されている。このエンドエフェクタE7を支持する図示しない回転軸は、軸E5aに直交している。
固定台E1と回転台E2との間、回転台E2と下腕E3との間、下腕E3と上腕基部E4との間、上腕基部E4と上腕先端部E5との間、上腕先端部E5と手首E6との間及び手首E6とエンドエフェクタE7との間の間接部または回転部には、図示しない減速機駆動装置が設けられている。
図2は異常判定装置及びその周辺の機器のブロック図である。図2において、減速機駆動装置50は、負荷15を駆動するモータ12、負荷15とモータ12との間に設けられ回転数を落とすことによりトルクを強めてモータ12の回転駆動力を負荷15に伝達する減速機14、モータの回転動作を検出する検出器である位置検出器13及び位置検出器13の出力するフィードバック信号に基づいてモータ12の制御をするモータドライバ10を有している。ここで、負荷15とは、例えば、固定台E1と回転台E2との間に設けられた減速機駆動装置50であれば、固定台E1に対して回転駆動される回転台E2がこれに相当し、また、下腕E3と上腕基部E4との間に設けられた減速機駆動装置50であれば、下腕E3に対して所定の角度内にて揺動するように駆動される上腕基部E4がこれに相当する。
モータドライバ10は、位置制御部1、速度制御部2、電流アンプ部3、速度変換部4及び3つの加算部5,6,7を有している。図示しない上位コントローラから、モータドライバ10に入力された指令値Xsは、位置制御部1と加算部5とにより位置制御をされて位置制御部1から速度指令Vsとなって出力する。そして、この速度指令Vsは、速度制御部2と加算部6とにより速度制御をされて速度制御部2からトルク指令Tsとなって出力する。さらに、このトルク指令Tsは、電流アンプ部3と加算部7とによりトルク(電流)制御をされて電流アンプ部3からモータ12に入力する駆動電流として出力する。なお、電流アンプ部3が入力するトルク指令Ts及びこのトルク指令Tsにフィードバックされるトルク信号Tfは、どちらも電流値であるが、本実施例においてはこれらの電流値をモータ12のトルクの大きさを表すものとして使用しているため“トルク”という言葉を用いている。
一方、モータ12の回転運動は位置検出器13で検出される。位置検出器13の出力する位置検出値は位置フィードバック信号Xfとしてフィードバックされ、加算部5により上位コントローラからの指令値Xsに重畳されて指令値Xsを自己修正する。また、位置検出器13の出力する位置検出値は、速度変換部4により速度フィードバック信号Vfに変換され、加算部6により位置制御部1から出力された速度指令Vsに重畳されて速度指令Vsを自己修正する。また、電流アンプ部3から出力されたトルク信号(検出値)Tfは、トルクフィードバック信号Tfとしてフィードバックされ、加算部7により速度制御部2からトルク指令Tsに重畳されてトルク指令Tsを自己修正する。
異常判定装置20は、速度指令Vs、速度検出値Vf及びトルク検出値Tfを入力して、減速機14の異常判定を行う異常判定部21と、異常判定部21が減速機14を異常と判定したときに出力する異常判定出力に基づいて外部にアラームを出力する警報部22とを有している。
図3は異常判定装置20の異常判定部21の異常判定の動作を説明する図であり、(a)は縦軸を速度指令Vs、横軸を時間とした速度−時間のグラフであり、(b)は縦軸をトルク信号Tf、横軸を時間としたトルク信号−時間のグラフである。ロボットへの移動指令は、移動先の位置を指令する位置指令Xsによって指令される。なお、移動先の位置に関しては、座標の考え方によりアブソリュート(絶対)位置指令とインクリメント(相対)位置指令の2方式があるが、本発明の場合どちらでもよい。
図3(a)において、上位コントローラからモータドライバ10に指令値Xsが指令されると(図中点a)、モータ12が回転し始め速度は徐々に速くなって行く、そして、予め決められた所定の速度(定常速度Vc)に達すると(図中点b)その速度で一定となる。その後、目標の位置(移動先の位置)に近づくように進み、そして、目標の位置から所定の距離だけ手前の位置(図中点c)まで進むと徐々に速度を落として行き、目標の位置(図中点d)に達した際に速度がちょうど“0”となるように制御される。
このような制御をされて移動した場合のトルク信号Tfの変化を図3(b)に示す。トルク信号Tfは、モータ12の加速時及び減速時には大きく緩やかに変化をするが、定常速度Vcの状態では、あまり大きくは変化しない。そして、モータ12に接続された減速機14に異常があると、トルク信号Tfに振動成分が重畳する。そのため、定常速度Vcの状態のときのトルク信号Tfを観察することにより、モータ12に接続された減速機14の異常を検出することができる。
このように、トルク信号Tfにおいては、定常速度Vcのとき、減速機14固有の振動成分が観察される。そして、減速機14が異常をきたすと、その振動成分が極端に大きくなるので、以下の条件の場合に減速機14を異常と見なすことができる。異常判定装置21は減速機14を異常と判定した場合、警報部22を介して外部へアラームを出力する。
ここで、条件とは、
(1)定常速度Vc(図3(b)のb−c間)で、予め設定されたトルク上限閾値Tu或いはトルク下限閾値Tdのいずれか一方をトルク信号Tfが超えたとき、または、
(2)定常速度Vc(図3(b)のb−c間)で、トルク信号Tfが予め設定されたトルク変動幅Thを越えたとき異常と判定する。
具体的には、b時点からc時点の間でのトルクの最大値T1と最小値T2を測定し、さらに最大値T1と最小値T2の差分T3を求め、
(1)最大値T1>トルク上限Tu
(2)最小値T2<トルク下限Td
(3)差分T3>トルク変動幅Th
の何れか1つの条件を満たした時に異常と判定する。なお、ここでトルク変動幅Thは、トルク変動幅Th=トルク上限Tu−トルク下限Tdをいうものではなく、トルク変動幅Thは、トルク上限Tuやトルク下限Tdに関係ない所定幅の値である。また、トルクの最大値T1やトルクの最小値T2は、周囲温度の変化や、モータ自身の発熱による粘性の変化により変動が生じる。この時T1が上昇すればT2も上昇し、T1が下降すればT2も下降する。したがってT2は、一定値を保つため、温度変化に対する影響を受けにくくなっている。
これらの異常判定の基準となるトルク上限Tu、トルク下限Td及びトルク変動幅Thは、モータ12容量、エンドエフェクタ負荷、軸動作速度及び軸動作位置によって異なるので、予め測定を行い、結果を記憶手段に記憶しておき、異常の測定時及び通常の運転時に測定結果との照合をして準備をしておくものである。なお、結果を保存しておき、その変化の度合いに基づいて判定を行うことも有効である。
警報部22から発報されるアラームは、例えばブザーによる警報であったり、オペレーションパネルへの表示であったり、アナウンスであったり、赤色灯の点灯であったりする。また、システム管理室あるいはシステム管理装置への報知信号としてもよい。警報部22は、異常警告手段を構成している。
このような構成の減速機の異常判定装置20によれば、モータ12へ指令される速度指令Vs、モータ12から検出された速度検出値Vf及びトルク検出値Tfを入力して、上述の3つの条件から減速機14の異常判定処理をする異常判定部21を有しているので、簡単な構成で且つ高い信用度で減速機の異常を判定することができる。
また、モータドライバ10は、速度指令値Vsを入力して速度制御を行う速度制御部2とトルク検出値Tfを入力してトルク制御を行う電流アンプ部(トルク制御部)3とを有するので、速度指令値Vsとトルク検出値Tfの信号を特別に作り出すことなく、モータドライバ10の速度制御部2に入力される速度指令値Vsと電流アンプ部(トルク制御部)に入力されるトルク検出値Tfを流用することができ、装置を簡素化できるとともにコストダウンを図ることができる。
さらに、異常判定部21の異常判定出力に基づいて、外部にアラームを出力する警報部22をさらに有するので、オペレーター等周囲の人間に即座に知らせることができ、また、システム管理者等システム管理室の人間に通報することができ、異常に対して迅速に対応することができる。
さらにまた、本実施例においては、モータ12が多関節型ロボットの関節駆動用のモータであり、関節が多く有り各関節にモータ12とこれに接続する減速機14とを有する多関節型の産業ロボットにおいては、減速機14に異常をきたすことが多くあり本装置は特に有効となる。
複数軸を持つ多関節型のロボットの異常判定を行う場合、減速機駆動装置50間の動的な干渉力によるトルクの変動を避けるため、また外乱及びノイズを回避して異常判定の精度を向上させる目的で、1軸毎に動作をさせて異常判定を行うこともある。すなわち、所定の1軸のみを駆動させてこの軸の異常判定を行い、次に別の1軸のみを駆動させてこの軸の異常判定をする。そして、これを繰り返し全ての軸の異常判定をする。このような方法により異常判定をすることで、より正確な異常判定を行うことができる。
すなわち、異常判定部21の行う異常判定処理を複数の減速機駆動装置50から選択された1つの減速機駆動装置50のモータ12のみが駆動している状態で行うようにすれば、減速機駆動装置50間の動的な干渉力によるトルクの変動を避けることができ、また外乱及びノイズを回避して異常判定の精度を向上させることができる。ここで、1つの軸を抜き出して行うことは有効であるが、明らかに干渉がないと推定される複数軸を同時に動作させて測定を行うことが可能であることは言うまでもない。
なお、本実施例においては、多関節型の産業用ロボットの関節駆動用のモータ12の異常判定に関して説明したが、これに限定されるものでなく、要するに、モータ12、減速機14及びモータドライバ10を有するサーボ制御装置であれば、このサーボ制御装置の減速機14の異常を判定する装置として、本実施例の異常判定装置を適用することができる。
図4はこの発明の実施例2の異常判定装置及びその周辺の機器のブロック図である。図4において、本実施例の異常判定装置30は、外部から入力され異常判定部31に入力するトルク検出値Tfをフィルタリングするハイパスフィルタ33をさらに有する。そして、異常が確認された場合には、警報部32を介して外部にアラームを出力する。その他の構成は実施例1と同様である。
図5は実施例2の異常判定装置の異常判定の動作を説明する図である。ハイパスフィルタ33は、ロボットの姿勢変化に伴う緩やかな電流変化をカットし、周波数の高い成分のみを通過させる。減速機14が異常となった際に観察される振動成分は周波数が高いのでハイパスフィルタ33を通過する。その結果、図5(b)にトルク検出値Tf2として示されるように、周波数の高い減速機14の振動成分が他の信号に比べて顕著に表れ、検出したい減速機14の振動成分を監視しやすくなり、より精度の高い異常判定をすることができる。さらにその振動成分の周波数のみを抽出して、そのレベルから異常判定を行うことも、より高い精度での異常判定を行うことにつながる。ここで、異常判定装置はコントローラのCPUで行ってもよいし、外部のCPUを用いることも可能である。
重力トルクが作用した場合、一定速度になるとSINカーブで重力トルクは測定される。重力トルクの影響を排除するにはSIN0度近傍での測定を回避すること(SIN90度付近で測定すること)も有効であるが、予め動作速度が判明しているため、動作速度近傍以下の周波数をカットすることにより、減速機劣化に伴うトルク変動のみを取り出すことが有効である。
特に産業用ロボットの場合、自由度が高くあらゆる姿勢を取ることができるが、実際の生産現場においては、周辺治具との干渉によりSIN0近傍でしか動作不可能な場合も多くハイパスフィルタは特に有効である。
減速機を介してモータのトルクを負荷に伝達し負荷を駆動する装置に好適なものであり、特に関節を多数有し各関節に減速機及びモータを有する多関節型の産業ロボットに好適なものである。
この発明に係るロボットの側面図である。 実施例1の異常判定装置及びその周辺の機器のブロック図である。 実施例1の異常判定装置の異常判定の動作を説明する図である。 実施例2の異常判定装置及びその周辺の機器のブロック図である。 実施例2の異常判定装置の異常判定の動作を説明する図である。
符号の説明
1 位置制御部
2 速度制御部
3 トルク制御部(トルク制御部)
4 速度変換部
12 モータ
13 位置検出器(検出器)
14 減速機
15 負荷
20 異常判定装置
21,31 異常判定部
22,32 警報部
33 ハイパスフィルタ

Claims (2)

  1. アームを駆動するモータと、
    前記アームと前記モータの間の関節に設けられ回転数を落として前記モータのトルクを前記アームに伝達する減速機と、
    前記モータの回転を検出する検出器と、
    ロボットコントローラの位置指令と前記検出器が出力する位置検出値を受けて前記モータの位置を制御する位置制御部と当該位置制御部が出力する速度指令と前記位置検出値から求められた速度検出値を受けて前記モータの速度を制御する速度制御部と当該速度制御部が出力するトルク指令と前記モータの電流から求められたトルク検出値を受けて前記モータのトルクを制御する電流アンプ部とを備えたモータドライバと
    からなる減速機駆動装置が、ロボットコントローラから位置指令を受けると前記アームの位置を制御する多関節型ロボットにおいて、
    前記モータドライバに電気的に接続して設けられ、
    前記速度指令と前記速度検出値と前記トルク検出値を入力して前記減速機の異常判定処理をする異常判定部を有し、
    前記異常判定部は、前記速度指令が一定値になった後に速度偏差が所定値内に入ってから前記速度指令が前記一定値でなくなるまでの期間内において、定常速度の場合の前記トルク検出値において観察される前記減速機の固有振動数について、以下の3つの条件を監視し、この3つの条件のうち少なくとも1つを満たせば対応する減速機が異常であると判断する
    (1)トルク検出値の最大値>トルク上限閾値
    (2)トルク検出値の最小値<トルク下限閾値
    (3)トルク検出値の最大値−トルク検出値最小値>トルク変動幅閾値
    ことを特徴とする多関節ロボットの減速機の異常判定装置。
  2. アームを駆動するモータと、
    前記アームと前記モータの間の関節に設けられ回転数を落として前記モータのトルクを前記アームに伝達する減速機と、
    前記モータの回転を検出する検出器と、
    ロボットコントローラの位置指令と前記検出器が出力する位置検出値を受けて前記モータの位置を制御する位置制御部と当該位置制御部が出力する速度指令と前記位置検出値から求められた速度検出値を受けて前記モータの速度を制御する速度制御部と当該速度制御部が出力するトルク指令と前記モータの電流から求められたトルク検出値を受けて前記モータのトルクを制御する電流アンプ部とを備えたモータドライバと
    からなる減速機駆動装置が複数設けられて、ロボットコントローラから位置指令を受けると前記アームの位置を制御する多関節型ロボットにおいて、
    異常判定部は、前記モータドライバに電気的に接続して設けられ、前記速度指令と前記速度検出値と前記トルク検出値を入力して前記減速機の異常判定処理するように、前記速度指令が一定値になった後に速度偏差が所定値内に入ってから前記速度指令が前記一定値でなくなるまでの期間内において、定常速度の場合の前記トルク検出値において観察される前記減速機の固有振動数について、以下の3つの条件を監視し、この3つの条件のうち少なくとも1つを満たせば対応する減速機が異常であると判断する
    (1)トルク検出値の最大値>トルク上限閾値
    (2)トルク検出値の最小値<トルク下限閾値
    (3)トルク検出値の最大値−トルク検出値最小値>トルク変動幅閾値
    ことを特徴とする多関節ロボットの減速機の異常判定方法。
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