JP4389394B2 - 焦電型赤外線検知素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焦電型赤外線検知素子及びその製造方法に関し、詳しくは、例えば、人体検知などに用いられる焦電型赤外線検知素子の材料コストを抑え、ノイズ発生をなくし、量産性を高めようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、焦電性材料は、温度変化に対して焦電気を発生することから赤外線の検知素子として使用される。特に、人体から放射される赤外線など小さいエネルギーを温度変化として捉えるためには、検知素子として赤外線に対する吸収率を高くするだけでなく、熱容量が小さい構造とする必要がある。
【0003】
一般に、赤外線の検知部となる薄板や薄膜状の焦電性材料の表裏面には薄膜電極が形成され、更に、外部回路に接続するように配線が形成される。つまり、検知部だけでなくそれに続く回路部も焦電性材料を用いて素子を構成しているのであり、素子の歪みによる圧電気や検知部以外の箇所からの電流がノイズとして発生する要因となるばかりでなく、タンタル酸リチウム等の単結晶焦電性材料のように、高価な材料を検知部だけでなく回路基板としても用いていることになり、生産性も低くなるなどという問題があった。
【0004】
また、表裏に電極があるために例えば表面実装のような構成を取ることができず、上部電極の接合のためにワイヤーボンディング配線等をおこなう必要があるものであった。
【0005】
ところで、検知部に焦電性材料として薄膜を基材に形成するという必要部位のみに焦電性材料を用いる手法は、特にそれらを多数個並べることでアレイ状素子にする形態で多く用いられている。
【0006】
しかし、薄型形成するために基材が必要であり、検知感度を向上するために基材を薄肉化する必要性が生じるなど製作が煩雑となるため、多くの場合、バルク(板あるいはフィルム状)の焦電性材料が用いられる。その一つの例として、特開平7−174621においては、焦電性材料に溝を切り樹脂を充填した後、溝と直交方向にスライスすることで、検知部が樹脂で囲まれた赤外線アレイセンサの製造方法を示している。
【0007】
しかし、脆性の高い焦電性材料(特に、LiTaO3,LiNbO3などの単結晶)は、深い溝加工を施す際に破損する可能性が高く、広い面積を持つ材料から多数個を取り出そうとするほど困難となる問題があり、また単一の分極方向の構成にしかできないという問題がある。
【0008】
一方、焦電性材料の表裏に電極を必要とする素子であるが故に、外部回路を引き出すための配線方法が重要となる。一般には、焦電性材料そのものを配線して、導電性ペースト等で素子の接着と電気的導通を同時に取るような方法をとっている。しかし、焦電性の不必要な部位を配線のために使用しており、例えば、特開平6−186082のように、回路基板と接着することで、電気的接合をとる方法があげられるが、検知部以外にも焦電性材料を用いており、ノイズの発生源となる可能性があり、また厚み方向に分極したものには対応できないなど従来形状のものを貼着しただけでは問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、配線回路を形成した樹脂フィルムで焦電性材料を挟み込むことで、検知部のみに焦電性材料を用いた赤外線検知素子を生産性よく製作できるようにして、素子の材料コストを抑え、ノイズ発生をなくし、量産性を高められる焦電型赤外線検知素子及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部1を形成し、検出部1の表裏面に薄膜電極3、3を形成し、樹脂フィルム2の表面に回路13を形成し、検出部1の表裏に樹脂フィルム2、2を配設して樹脂フィルム2、2の回路13、13を薄膜電極3、3に電気的に接続して樹脂フィルム2、2間に検出部1を保持していることを特徴とするものである。このような構成によれば、回路13は樹脂フィルム2に形成することで、焦電性材料(単結晶材料)の使用を少なくして材料コストを低減でき、熱伝導性の小さい樹脂フィルム2、2にて検出部1を保持することから、検出部1の熱伝導性を高め、検出部1の検出感度を高めることができ、樹脂フィルム2に複数の焦電性材料の検出部1…を搭載することで、量産化に好適となり、検出部1の配置の自由度を高め、画素を並べたような配置も可能となる。
【0011】
請求項2においては、検出部1の表裏又は一方が露出する開口部4を樹脂フィルム2に形成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、開口部4においては樹脂フィルム2が存在していなくて焦電性材料の検出部1における熱容量が小さくなり、検出部1におけるセンサ感度を向上させることができる。
【0012】
請求項3においては、検出部1の周囲で薄膜電極3が存在しない樹脂フィルム2の箇所に開口部4を形成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、開口部4があることから、焦電性材料の検出部1に入射された赤外線による熱が樹脂フィルム2を通じて拡散することを防止することができ、感度を向上させることができる。
【0013】
請求項4においては、赤外線の入射側の樹脂フィルム2は、赤外線の吸収率において検出部1を形成している焦電性材料より高い材料にて構成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、入射側の樹脂フィルム2において検出部1の焦電性材料よりも赤外線の吸収率を高めて充分に吸収することができ、焦電型赤外線検知素子Aの外部構造体となる樹脂フィルム2によって感度を向上させることができる。
【0014】
請求項5においては、樹脂フィルム2、2間の接着層5として接着シート6を用い、接着シート6に検出部1が配設される形状の孔7を形成し、孔7に検出部1を挿通して位置決めしていることを特徴とするものである。このような構成によれば、焦電性材料の検出部1を搭載する際に位置決めが容易となる。
【0015】
請求項6においては、樹脂フィルム2の検出部1の搭載箇所に凸部8を形成し、凸部8において検出部1に接触するようにしていることを特徴とするものである。このような構成によれば、凸部8にて樹脂フィルム2に形成した回路13を押圧して検出部1側の薄膜電極3に確実に接触させて電気的な接続を確実にすることができ、かつ、接続点が点接続になり熱抵抗を大きくできて検出感度を向上させることができる。
【0016】
請求項7においては、樹脂フィルム2の凸部8に合致する凹部9を検出部1に形成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、凸部8と凹部9の嵌合によって焦電性材料の検出部1の位置決めが容易となり、電気的接続の信頼性も向上させることができる。
【0017】
請求項8においては、検出部1には、樹脂フィルム2における開口部4に合致する凹段部10を形成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、開口部4に凹段部10を合致させることで検出部1の位置決めを容易におこなうことができ、樹脂フィルム2、2間に検出部1を挟み込むときにずれることがない。
【0018】
請求項9においては、樹脂フィルム2に位置決めピン11を設け、検出部1に位置決め孔12を形成し、位置決めピン11を位置決め孔12に挿入していることを特徴とするものである。このような構成によれば、検出部1の位置決めをおこなうことができ、挟み込むときにずれることがない。
【0019】
請求項10においては、偶数個を対として検出部1、1を樹脂フィルム2、2間に分極方向を同じ向きにして並置し、対となる検出部1、1における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路13を樹脂フィルム2、2に形成し、樹脂フィルム2、2の端部に出力用電極14、14を設けていることを特徴とするものである。このような構成によれば、赤外線が入射する以外のノイズの発生に対する出力をキャンセルするための構造を容易に形成することができ、かつ、樹脂フィルム2、2の端部に出力用電極14、14を形成していることから、信号出力端子を二枚の樹脂フィルム2、2を端部で接続する形で設けることができ、更に、例えば、アレイ状素子などのように多数個並べた形態のものを容易に形成することができる。
【0020】
請求項11においては、偶数個を対として検出部1、1を樹脂フィルム2、2間に分極方向を逆向きにして並置し、対となる検出部1、1における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路13を樹脂フィルム2、2に形成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、赤外線が入射する以外のノイズの発生に対する出力をキャンセルするための構造を容易に形成することができ、かつ、樹脂フィルム2側の回路13のパターンを単純化でき、出力端子構造を簡素化できる。
【0021】
請求項12においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部1を形成し、検出部1の表裏面に薄膜電極3、3を形成し、樹脂フィルム2の表面に回路13を形成し、検出部1の表裏に樹脂フィルム2、2を配設して樹脂フィルム2、2の回路13、13を薄膜電極3、3に電気的に接続して樹脂フィルム2、2間に検出部1を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、検出部1の表又は裏あるいは両面を露出させる開口部4を樹脂フィルム2にレーザ加工にて形成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、二枚の樹脂フィルム2、2の間に焦電性材料の検出部1を挟み込んだ後、任意の箇所に開口部4を形成することができ、検出部1の配置に対して精度良く開口部4を形成することができる。
【0022】
請求項13においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部1を形成し、検出部1の表裏面に薄膜電極3、3を形成し、樹脂フィルム2の表面に回路13を形成し、検出部1の表裏に樹脂フィルム2、2を配設して樹脂フィルム2、2の回路13、13を薄膜電極3、3に電気的に接続して樹脂フィルム2、2間に検出部1を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、検出部1の周囲で薄膜電極3が存在しない樹脂フィルム2の箇所に開口部4をレーザにて形成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、二枚の樹脂フィルム2、2の間に焦電性材料の検出部1を挟み込んだ後、任意の箇所に開口部4を形成することができ、検出部1の配置に対して精度良く開口部4を形成することができる。
【0023】
請求項14においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部1を形成し、検出部1の表裏面に薄膜電極3、3を形成し、樹脂フィルム2の表面に回路13を形成し、検出部1の表裏に樹脂フィルム2、2を配設して樹脂フィルム2、2の回路13、13を薄膜電極3、3に電気的に接続して樹脂フィルム2、2間に検出部1を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、二枚の樹脂フィルム2、2間に樹脂フィルム2よりも軟化温度が低い樹脂製の接着層5を介装し、加熱加圧することで二枚の樹脂フィルム2、2を固着するとともに検出部1を樹脂フィルム2に固定することを特徴とするものである。このような構成によれば、検出部1の固定と、検出部1の薄膜電極2と樹脂フィルム2の回路13との電気的接続を同時におこなうことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は正断面図、同図(b)は側断面図である。図2(a)は概略分解斜視図、同図(b)は上側の樹脂フィルムの概略底面図、同図(c)は下側の樹脂フィルムの概略平面図である。
【0025】
本発明の焦電型赤外線検知素子Aは、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部1を形成し、検出部1の表裏面に薄膜電極3、3を形成し、樹脂フィルム2の表面に回路13を形成し、検出部1の表裏に樹脂フィルム2、2を配設して樹脂フィルム2、2の回路13、13を薄膜電極3、3に電気的に接続して樹脂フィルム2、2間に検出部1を保持しているものである。以下、詳述する。
【0026】
焦電性材料としては、LiTaO3単結晶を用い、厚さ60μmにスライスおよび研磨をしてウェハ状の基板を得る。分極方向は厚み方向になされている。焦電性材料ウェハの両面に、薄膜電極3となるNiCrを真空蒸着により厚さ30mmに形成した後、ダイシングにより100μm角の焦電性材料のチップを得る。焦電性材料のチップ形状化としては、レジストを貼付けた後、サンドブラスト処理によるものでもよい。
【0027】
樹脂フィルム2は、ポリイミドの厚さ30μmのシート状で一枚のシートに複数個の素子が搭載できる大きさが望ましい。焦電性材料を搭載する箇所に外部回路に接続できるようなパターン化された回路13をCuメッキなどにより作製する。必要に応じて、さらにNiメッキあるいはAuメッキをおこない、また搭載部に凸状の突起が残るようなバンプメッキを施してもよい。場合によっては、この段階でフィルムの所定箇所に開口部4を抜き加工、レーザ加工などで開口部4を形成してもよい。
【0028】
樹脂フィルム2のシートに接着層5となる接着剤を素子搭載部には着かないように、印刷などの方法により塗布する。回路13によっては必要に応じて絶縁性を有する接着層5とする方が望ましい。接着層5としては、シート状の接着剤を用いてもよい。
【0029】
下側の樹脂フィルム2となる素子搭載部に焦電性材料の素子を配設し、さらに上側の樹脂フィルム2を回路13を基準とした位置に合わせて載せて貼り合わせる。
【0030】
代表的材料としては、以下のものがある。
【0031】
【0032】
このように請求項1の発明においては、図1及び図2に示すように、回路13は樹脂フィルム2に形成することから、焦電性材料側に出力取り出し用の回路を形成しなくてもよく、焦電性材料(単結晶材料)の使用を少なくして材料コストを低減できるものである。更に、熱伝導性の小さい上下の樹脂フィルム2、2にて焦電性材料の検出部1を保持することから、検出部1の熱伝導性を高め、検出部1の検出感度を高めることができるのである。しかも、樹脂フィルム2に複数の焦電性材料の検出部1…を搭載することで、量産化に好適となり、検出部1の配置の自由度を高め、画素を並べたような配置も可能となるものである。
【0033】
図3は他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0034】
本実施の形態においては、検出部1の表裏又は一方が露出する開口部4を樹脂フィルム2に形成している。
【0035】
本実施の形態においては、開口部4においては樹脂フィルム2が存在していなくて焦電性材料の検出部1における熱容量が小さくなり、検出部1におけるセンサ感度を向上させることができるものである。
【0036】
図4は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0037】
本実施の形態においては、検出部1の周囲で薄膜電極3が存在しない樹脂フィルム2の箇所に開口部4を形成したものである。
【0038】
本実施の形態においては、開口部4があることから、焦電性材料の検出部1に入射された赤外線による熱が樹脂フィルム2を通じて拡散することを防止することができ、感度を向上させることができるものである。
【0039】
図5は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0040】
本実施の形態においては、赤外線の入射側の樹脂フィルム2は、赤外線の吸収率において検出部1を形成している焦電性材料より高い材料にて構成しているものである。
【0041】
このような樹脂フィルム2の具体例としては、カーボン・硫化銅等の無機系赤外線吸収材料を含有したもの。樹脂の構成分子の分子振動が8〜10μmの波長に対して共振する有機系吸収材料のもの。表面に光学多層膜を形成することで光学的に反射を抑制したもの等がある。
【0042】
このような構成によれば、入射側の樹脂フィルム2において検出部1の焦電性材料よりも赤外線の吸収率を高めて充分に赤外線を吸収することができ、焦電型赤外線検知素子Aの外部構造体となる樹脂フィルム2によって感度を向上させることができるのである。
【0043】
図6は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0044】
本実施の形態においては、樹脂フィルム2、2間の接着層5として接着シート6を用い、接着シート6に検出部1が配設される形状の孔7を形成し、孔7に検出部1を挿通して位置決めするものである。具体的には、接着シート6に焦電性材料の検出部1の形状に合わせて穴加工をおこなったものを使用する。穴加工に際しては、焦電性材料の検出部1との接点ができるだけ小さい面積となるのが好ましい。樹脂フィルム2に形成された回路13と接着シート6の孔7との位置合わせは、接着シート6に位置決めマークを形成しておき、張り合わせ時に合わせるようにする。
【0045】
本実施の形態においては、焦電性材料の検出部1を搭載する際に、接着シート6に形成した孔7に検出部1を挿入して一部が当接させることで検出部1の位置決めが容易となるものである。
【0046】
図7は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0047】
本実施の形態においては、樹脂フィルム2の検出部1の搭載箇所に凸部8を形成し、凸部8において検出部1に接触するようにしているものである。
【0048】
凸部8は、検出部1の搭載箇所の回路13に相当する位置、又は、検出部1の搭載箇所の回路13とは外れる位置に形成している。凸部8の形成は、予め樹脂フィルム2をプレス成形したり、回路13においては、同図(c)に示すように、バンプメッキ15を施す。
【0049】
このような構成によれば、凸部8にて樹脂フィルム2に形成した回路13を押圧して検出部1側の薄膜電極3に確実に接触させて電気的な接続を確実にすることができるのであり、又、接続点が点接続になり熱抵抗を大きくできて検出感度を向上させることができるのである。
【0050】
図8は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0051】
本実施の形態においては、樹脂フィルム2の凸部8に合致する凹部9を検出部1に形成しているものである。凹部9は、例えば、サンドブラスト処理により穴加工をおこなうことで形成することができる。
【0052】
このような構成によれば、凸部8と凹部9の嵌合によって焦電性材料の検出部1の位置決めが容易となり、電気的接続の信頼性も向上させることができるものである。
【0053】
図9は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0054】
本実施の形態においては、焦電性材料にて形成している検出部1には、樹脂フィルム2における開口部4に合致する凹段部10を形成しているものである。凹段部10の形成は、例えば、サンドブラスト処理でおこなう。
【0055】
このような構成によれば、開口部4に凹段部10を合致させることで検出部1の位置決めを容易におこなうことができ、樹脂フィルム2、2間に検出部1を挟み込むときにずれることがないものである。
【0056】
図10は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0057】
本実施の形態においては、樹脂フィルム2に位置決めピン11を設け、検出部1に位置決め孔12を形成し、位置決めピン11を位置決め孔12に挿入しているものである。位置決め孔12の形成は、例えば、サンドブラスト処理でおこなう。この場合、位置決めピン11を形成していない側の樹脂フィルム2にも位置決め孔12aを形成して上下の樹脂フィルム2、2の位置合わせに用いるようにしてもよい。
【0058】
このような構成によれば、位置決めピン11を位置決め孔12に挿入することで、検出部1の位置決めをおこなうことができ、挟み込むときにずれることがない。
【0059】
図11は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0060】
本実施の形態においては、偶数個を対として焦電性材料の検出部1、1を樹脂フィルム2、2間に分極方向を矢印で示すように同じ向きにして並置し、対となる検出部1、1における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路13を樹脂フィルム2、2に形成し、樹脂フィルム2、2の端部に出力用電極14、14を設けているものである。
【0061】
即ち、図11(d)に示すように、焦電性材料から形成した検出部1、1の分極方向を同じにして上下の樹脂フィルム2、2間に介装するのであり、この場合、上側の樹脂フィルム2には同図(b)に示すように、又、下側の樹脂フィルム2には同図(c)に示すような回路13が形成されているのであり、対となる検出部1、1は分極方向が直列方向になるように並列接続されるのである。
【0062】
上下の樹脂フィルム2、2の外端部には各々導出用端子部16…が形成され、これら上下の導出用端子部16、16間に出力電極14となる導電性板17、17を検出部1、1の挟み込みと同時に介装しておく。この場合、同図(d)に示すように、上下の導出用端子部16、16間に導電性ペースト18、18が充填されて上下の導出用端子部16、16の電気的接続が良好になされている。
【0063】
このような構成によれば、赤外線が入射する以外のノイズの発生に対する出力をキャンセルするための構造を容易に形成することができ、かつ、樹脂フィルム2、2の端部に出力用電極14、14を形成していることから、信号出力端子を二枚の樹脂フィルム2、2を端部で接続する形で設けることができ、更に、例えば、アレイ状素子などのように多数個並べた形態のものを容易に形成することができる。
【0064】
即ち、図11(e)に示す比較例のように、矢印で示す焦電性材料の分極方向となるように配線することで、耐ノイズ性の焦電型赤外線検知素子Aaを形成していたが、かかる比較例においては、焦電性材料上にそのための配線回路を形成していたのであるが、本実施の形態においては、上述のように、樹脂フィルム2、2においてそのための回路13、13を形成することで、耐ノイズ性の焦電型赤外線検知素子Aの形成が容易になるものである。
【0065】
図12は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0066】
本実施の形態においては、偶数個を対として焦電性材料の検出部1、1を樹脂フィルム2、2間に分極方向を矢印で示すように逆向きにして並置し、対となる検出部1、1における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路13を樹脂フィルム2、2に形成したものである。
【0067】
即ち、図12(a)に示すように、焦電性材料から形成した検出部1、1の分極方向を矢印で示すように同じにして上下の樹脂フィルム2、2間に介装するのであり、この場合、上側の樹脂フィルム2には同図(b)に示すように、又、下側の樹脂フィルム2には同図(c)に示すような回路13が形成されているのであり、対となる検出部1、1は分極方向が直列方向になるように並列接続されるのである。
【0068】
このような構成によれば、赤外線が入射する以外のノイズの発生に対する出力をキャンセルするための構造を容易に形成することができ、かつ、樹脂フィルム2側の回路13のパターンを単純化でき、出力端子構造を簡素化できるのである。
【0069】
ところで、図3及び図4に示すように、樹脂フィルム2、2に開口部4、4を形成するのに、レーザにておこなっているものである。
【0070】
即ち、図3に示すように、検出部1の表又は裏あるいは両面を露出させる開口部4を樹脂フィルム2にレーザ加工にて形成していることから、二枚の樹脂フィルム2、2の間に焦電性材料の検出部1を挟み込んだ後、任意の箇所に開口部4を形成することができ、検出部1の配置に対して精度良く開口部4を形成することができるものである。
【0071】
図13は他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0072】
本実施の形態においては、図4及び図13に示すように、検出部1の周囲で薄膜電極3が存在しない樹脂フィルム2の箇所に開口部4をレーザにて形成していることから、二枚の樹脂フィルム2、2の間に焦電性材料の検出部1を挟み込んだ後、任意の箇所に開口部4を形成することができ、検出部1の配置に対して精度良く開口部4を形成することができるものである。
【0073】
このように、レーザにて開口部4を形成するのに際して、樹脂フィルム2がポリイミドフィルムの場合、CO2レーザにて、5.6W、100Hzにて2〜5ショットで貫通孔の開口部4を形成するものである。
【0074】
図13において、検出部1の上の樹脂フィルム2の除去に際して、レーザーエネルギーや繰り返し数を低減することでも可能であるが、エキシマレーザなど短波長のレーザを用いることで、熱加工だけでなく結合基を切ることでより確実な除去が可能となる。また、焦電性材料上に形成した金属用薄膜はレーザの吸収率が樹脂フィルム2より小さいためレーザ加工のストップ層として作用させることも可能である。
【0075】
図14は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0076】
本実施の形態においては、二枚の樹脂フィルム2、2間に樹脂フィルム2よりも軟化温度が低い樹脂製の接着層5を介装し、加熱加圧することで二枚の樹脂フィルム2、2を固着するとともに検出部1を樹脂フィルム2に固定するものである。
【0077】
即ち、樹脂フィルム2の上に焦電性材料の検出部1…を整列して配置し、接着層5を塗布、又は加熱により軟化し冷却することで接着することができる接着シート6を樹脂フィルム2、2間に挿入することで、樹脂フィルム2に形成された回路13、13同士の電気的絶縁を図る。又、焦電性材料の検出部1を樹脂フィルム2、2に挟み込んだ状態で、例えば、加熱ローラー19によって熱圧着することで、焦電性材料の検出部1の表面の電極と樹脂フィルム2の回路13の電気的接続までを一度に同時におこなう。
【0078】
このような構成によれば、検出部1の固定と、検出部1の薄膜電極2と樹脂フィルム2の回路13との電気的接続を同時におこなうことができるものである。
【0079】
【発明の効果】
請求項1においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持しているから、回路は樹脂フィルムに形成することで、焦電性材料(単結晶材料)の使用を少なくして材料コストを低減でき、熱伝導性の小さい樹脂フィルムにて検出部を保持することから、検出部の熱伝導性を高め、検出部の検出感度を高めることができ、樹脂フィルムに複数の焦電性材料の検出部を搭載することで、量産化に好適となり、検出部の配置の自由度を高め、画素を並べたような配置も可能となるなどという利点がある。
【0080】
請求項2においては、請求項1の構成に加えて、検出部の表裏又は一方が露出する開口部を樹脂フィルムに形成しているから、請求項1の効果に加えて、開口部においては樹脂フィルムが存在していなくて焦電性材料の検出部における熱容量が小さくなり、検出部におけるセンサ感度を向上させることができるという利点がある。
【0081】
請求項3においては、請求項1の構成に加えて、検出部の周囲で薄膜電極が存在しない樹脂フィルムの箇所に開口部を形成しているから、請求項1の効果に加えて、開口部があることから、焦電性材料の検出部に入射された赤外線による熱が樹脂フィルムを通じて拡散することを防止することができ、感度を向上させることができるという利点がある。
【0082】
請求項4においては、請求項1の構成に加えて、赤外線の入射側の樹脂フィルムは、赤外線の吸収率において検出部を形成している焦電性材料より高い材料にて構成しているから、請求項1の効果に加えて、入射側の樹脂フィルムにおいて検出部の焦電性材料よりも赤外線の吸収率を高めて充分に吸収することができ、焦電型赤外線検知素子の外部構造体となる樹脂フィルムによって感度を向上させることができるという利点がある。
【0083】
請求項5においては、請求項1の構成に加えて、樹脂フィルム間の接着層として接着シートを用い、接着シートに検出部が配設される形状の孔を形成し、孔に検出部を挿通して位置決めしているから、請求項1の効果に加えて、焦電性材料の検出部を搭載する際に位置決めが容易となるという利点がある。
【0084】
請求項6においては、請求項1の構成に加えて、樹脂フィルムの検出部の搭載箇所に凸部を形成し、凸部において検出部に接触するようにしているから、請求項1の効果に加えて、凸部にて樹脂フィルムに形成した回路を押圧して検出部側の薄膜電極に確実に接触させて電気的な接続を確実にすることができ、かつ、接続点が点接続になり熱抵抗を大きくできて検出感度を向上させることができるという利点がある。
【0085】
請求項7においては、請求項6の構成に加えて、樹脂フィルムの凸部に合致する凹部を検出部に形成しているから、請求項6の効果に加えて、凸部と凹部の嵌合によって焦電性材料の検出部の位置決めが容易となり、電気的接続の信頼性も向上させることができるという利点がある。
【0086】
請求項8においては、請求項2の構成に加えて、検出部には、樹脂フィルムにおける開口部に合致する凹段部を形成しているから、請求項2の効果に加えて、開口部に凹段部を合致させることで検出部の位置決めを容易におこなうことができ、樹脂フィルム間に検出部を挟み込むときにずれることがないという利点がある。
【0087】
請求項9においては、請求項1の構成に加えて、樹脂フィルムに位置決めピンを設け、検出部に位置決め孔を形成し、位置決めピンを位置決め孔に挿入しているから、請求項1の効果に加えて、検出部の位置決めをおこなうことができ、挟み込むときにずれることがないという利点がある。
【0088】
請求項10においては、請求項1乃至9のいずれかに記載の構成に加えて、偶数個を対として検出部を樹脂フィルム間に分極方向を同じ向きにして並置し、対となる検出部における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路を樹脂フィルムに形成し、樹脂フィルムの端部に出力用電極を設けているから、請求項1乃至9のいずれかに記載の効果に加えて、赤外線が入射する以外のノイズの発生に対する出力をキャンセルするための構造を容易に形成することができ、かつ、樹脂フィルムの端部に出力用電極を形成していることから、信号出力端子を二枚の樹脂フィルムを端部で接続する形で設けることができ、更に、例えば、アレイ状素子などのように多数個並べた形態のものを容易に形成することができるという利点がある。
【0089】
請求項11においては、請求項1乃至9のいずれかに記載の構成に加えて、偶数個を対として検出部を樹脂フィルム間に分極方向を逆向きにして並置し、対となる検出部における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路を樹脂フィルムに形成しているから、請求項1乃至9のいずれかに記載の効果に加えて、赤外線が入射する以外のノイズの発生に対する出力をキャンセルするための構造を容易に形成することができ、かつ、樹脂フィルム側の回路のパターンを単純化でき、出力端子構造を簡素化できるという利点がある。
【0090】
請求項12においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、検出部の表又は裏あるいは両面を露出させる開口部を樹脂フィルムにレーザ加工にて形成しているから、二枚の樹脂フィルムの間に焦電性材料の検出部を挟み込んだ後、任意の箇所に開口部を形成することができ、検出部の配置に対して精度良く開口部を形成することができるという利点がある。
【0091】
請求項13においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、検出部の周囲で薄膜電極が存在しない樹脂フィルムの箇所に開口部をレーザにて形成しているから、二枚の樹脂フィルムの間に焦電性材料の検出部を挟み込んだ後、任意の箇所に開口部を形成することができ、検出部の配置に対して精度良く開口部を形成することができるという利点がある。
【0092】
請求項14においては、板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、二枚の樹脂フィルム間に樹脂フィルムよりも軟化温度が低い樹脂製の接着層を介装し、加熱加圧することで二枚の樹脂フィルムを固着するとともに検出部を樹脂フィルムに固定するから、検出部の固定と、検出部の薄膜電極と樹脂フィルムの回路との電気的接続を同時におこなうことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(a)は正断面図、(b)は側断面図である。
【図2】(a)は概略分解斜視図、(b)は上側の樹脂フィルムの概略底面図、(c)は下側の樹脂フィルムの概略平面図である。
【図3】(a)は他の実施の形態の概略斜視図、(b)(c)は作用を説明する概略断面図である。
【図4】(a)は更に他の実施の形態の概略斜視図、(b)は概略断面図である。
【図5】同上の更に他の実施の形態の概略断面図である。
【図6】(a)は同上の更に他の実施の形態の概略断面図、(b)(c)は概略平断面図である。
【図7】(a)は同上の更に他の実施の形態の概略断面図、(b)は樹脂フィルムの概略斜視図、(c)は回路の概略斜視図、(d)は概略分解斜視図である。
【図8】(a)は同上の更に他の実施の形態の概略断面図、(b)は樹脂フィルムの概略斜視図である。
【図9】(a)は同上の更に他の実施の形態の概略断面図、(b)は検出部の概略斜視図である。
【図10】同上の更に他の実施の形態の概略分解斜視図である。
【図11】(a)は同上の更に他の実施の形態の概略断面図、(b)は上側の樹脂フィルムの底面図、(c)は下側の樹脂フィルムの平面図、(d)は生産途中の概略断面図、(e)は比較例の説明図である。
【図12】(a)は同上の更に他の実施の形態の概略断面図、(b)は上側の樹脂フィルムの底面図、(c)は下側の樹脂フィルムの平面図である。
【図13】同上の更に他の実施の形態の製造方法を示す説明図である。
【図14】同上の更に他の実施の形態の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 検出部
2 樹脂フィルム
3 薄膜電極
13 回路
Claims (14)
- 板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持して成ることを特徴とする焦電型赤外線検知素子。
- 検出部の表裏又は一方が露出する開口部を樹脂フィルムに形成して成ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検知素子。
- 検出部の周囲で薄膜電極が存在しない樹脂フィルムの箇所に開口部を形成して成ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検知素子。
- 赤外線の入射側の樹脂フィルムは、赤外線の吸収率において検出部を形成している焦電性材料より高い材料にて構成して成ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検知素子。
- 樹脂フィルム間の接着層として接着シートを用い、接着シートに検出部が配設される形状の孔を形成し、孔に検出部を挿通して位置決めして成ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検知素子。
- 樹脂フィルムの検出部の搭載箇所に凸部を形成し、凸部において検出部に接触するようにして成ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検知素子。
- 樹脂フィルムの凸部に合致する凹部を検出部に形成して成ることを特徴とする請求項6記載の焦電型赤外線検知素子。
- 検出部には、樹脂フィルムにおける開口部に合致する凹段部を形成して成ることを特徴とする請求項2記載の焦電型赤外線検知素子。
- 樹脂フィルムに位置決めピンを設け、検出部に位置決め孔を形成し、位置決めピンを位置決め孔に挿入して成ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検知素子。
- 偶数個を対として検出部を樹脂フィルム間に分極方向を同じ向きにして並置し、対となる検出部における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路を樹脂フィルムに形成し、樹脂フィルムの端部に出力用電極を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の焦電型赤外線検知素子。
- 偶数個を対として検出部を樹脂フィルム間に分極方向を逆向きにして並置し、対となる検出部における分極方向が直列方向になるように並列接続する回路を樹脂フィルムに形成して成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の焦電型赤外線検知素子。
- 板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、検出部の表又は裏あるいは両面を露出させる開口部を樹脂フィルムにレーザ加工にて形成して成ることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の製造方法。
- 板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、検出部の周囲で薄膜電極が存在しない樹脂フィルムの箇所に開口部をレーザにて形成して成ることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の製造方法。
- 板状の焦電性材料にて赤外線を検出する検出部を形成し、検出部の表裏面に薄膜電極を形成し、樹脂フィルムの表面に回路を形成し、検出部の表裏に樹脂フィルムを配設して樹脂フィルムの回路を薄膜電極に電気的に接続して樹脂フィルム間に検出部を保持した焦電型赤外線検知素子の製造方法であって、二枚の樹脂フィルム間に樹脂フィルムよりも軟化温度が低い樹脂製の接着層を介装し、加熱加圧することで二枚の樹脂フィルムを固着するとともに検出部を樹脂フィルムに固定することを特徴とする焦電型赤外線検知素子の製造方法。
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