JP4388983B2 - 候補遺伝子のアレイを用いた原発性乳がんの遺伝子発現プロファイリング - Google Patents

候補遺伝子のアレイを用いた原発性乳がんの遺伝子発現プロファイリング Download PDF

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Description

本発明は、ポリヌクレオチドの分析に関し、特に、候補ポリヌクレオチドのアレイを用いて癌腫のポリヌクレオチド発現プロファイリングを行うことに関する。
乳癌患者の処置に携わる病理学者および臨床医らは、この疾患の不均一性が高く、従来の組織学的・臨床的な特徴に、乳癌とその感受性が癌の治療に対してどのように発展していくかを高い信頼度で予測する因子がないという、2つの大きな問題に直面している。予後のタイプが同じに見える乳腫であっても、治療に対する応答性は患者ごとに大きく異なり、必然的に生存率も患者によって大きく異なる。患者ごとに治療を変えられるようにするには、新たな予後因子および予測因子が必要なのである。
上記の問題に対してグローバルに取り組む分子的研究に現在大きな期待がよせられている。細胞遺伝学、比較ゲノムハイブリダイゼーション、全ゲノムallelotypingなどの方法では、この問題にゲノムレベルで取り組んできている。現在、転写レベルでヒトの腫瘍に起こる修飾についても、多くの遺伝子のmRNA発現レベルを同時定量的測定できるcDNAアレイなどの新たな方法を用いて、前例のない大きな規模で研究することが可能である。したがって、臨床例におけるcDNAアレイ試験の可能性を評価し、雑多な(heterogeneous)癌を臨床転帰がさらに一様ないくつかの腫瘍サブタイプに分類し、かつ新たな潜在的予後因子および治療標的を同定する手段を提供できれば都合がよいであろう。
本発明は、ポリヌクレオチド配列またはこれらの部分配列のプールを含む、癌腫の分子キャラクタリゼーションに役立つポリヌクレオチドライブラリであって、上記の配列または部分配列が腫瘍細胞にて低発現または高発現され、この配列または部分配列が配列番号1〜468のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列またはこれらの相補体のうちいずれかに実質的に対応するものである、ポリヌクレオチドライブラリに関する。
本願開示内容では、さまざまな専門用語を使用しなければならない。
「ポリヌクレオチド」という用語は、一本鎖であり、任意に、合成のヌクレオチド塩基、非天然のヌクレオチド塩基または改変されたヌクレオチド塩基を含む、RNAまたはDNAのポリマーを示す。DNAのポリマーとしてのポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAの1つまたはそれ以上のセグメントで構成されるものであってもよい。
「部分配列」という用語は、これよりも長い核酸の配列の一部を含む核酸配列を示す。
「支持体に固定化された」とは、共有結合、水素結合、イオン性の相互作用、疎水性の相互作用またはその他の方法による付着を含む、直接的または間接的な結合を意味する。
乳癌には組織臨床的に重要な不均一性が認められるという特徴があるが、このような不均一性は症例ごとに最も適切な処置を選択する上での妨げとなっている。この問題については、疾患の自然史と処置に対する感受性とをさらに高い精度で予測する新たなパラメーターを確認することで解決できる可能性がある。本発明の重要な一目的は、予測、予後および癌処置の一助となり得る乳癌の大規模分子キャラクタリゼーションに関するものである。
本発明の重要な一態様はcDNAアレイを使用することに関するものである。これは、腫瘍試料の比較結果、従来の組織臨床的な予後の特徴と分子データとの相関性、遺伝子相関という3通りの方法で、34の一貫した原発性乳がんにおける188の候補遺伝子のmRNA発現レベルを定量的に研究できるようにするものである。この実験によって、乳腫の高い不均一性が転写レベルで明らかになった。階層的クラスタリング法では、化学療法後の臨床転帰が異なることが特徴である腫瘍の分子的に異なる2つのサブグループが識別された。この転帰は一般に使用されている組織臨床的なパラメーターでは予測できなかったものである。患者の年齢、腫瘍のサイズ、組織学的なタイプおよびグレードには何ら相関性は認められなかった。しかしながら、エストロゲンレセプターの状態から判断した場合の遺伝子の発現がリンパ節転移のある腫瘍において特徴的であった。すなわち、ERBB2の発現はリンパ節の状態と強く相関(p≦0.0001)し、GATA3の発現はエストロゲンレセプターの存在と強く相関(p≦0.001)していた。したがって、これらの実験結果から、新たな潜在的発癌ターゲットと転帰とに基づいて腫瘍をグループ化する新たな方法が得られた。これらの方法では、cDNAアレイ試験を系統的に使用することで予後と化学受容性の点で乳癌の分類が改善され、かつ新しい潜在的な治療標的が得られる可能性が高いことが分かる。
固相支持体あるいは、ナイロン膜、スライドガラス、ガラスビーズ、シリコンチップなどの支持体上に規則正しくスポットされた多数のDNA分子で構成されるのがDNAアレイである。DNAアレイについては、アレイ上の各DNAスポットのサイズによってマイクロアレイ(各DNAスポットの直径250ミクロン未満)とマクロアレイ(スポット直径が300ミクロンを上回る)とに分類できる。使用する固体支持体のサイズが小さい場合、このアレイをDNAチップと呼ぶこともある。どのようなスポッティング法を使うのかによって、ガラス製マイクロアレイのスポット数は数百から数千までの範囲となり得る。
DNAマイクロアレイは、遺伝子発現プロファイリング、新規遺伝子配列決定、遺伝子変異分析、遺伝子マッピングおよび遺伝子型同定をはじめとするさまざまな目的に活用されてきた。cDNAマイクロアレイはcDNAライブラリから単離した別々のcDNAクローンでプリントされる。このため、各スポットが別々のmRNA由来であるため、それぞれ発現された遺伝子を表すことになる。
一般に、遺伝子発現をモニタリングする方法では、(1)1つまたはそれ以上の標的遺伝子(単数または複数)のRNA転写物(単数または複数)またはこのRNA転写物(単数または複数)由来の核酸を含む試料ポリヌクレオチドのプールを提供し、(2)試料ポリヌクレオチドを、プローブのアレイ(たとえばポリヌクレオチドライブラリから得たポリヌクレオチドなど)(対照プローブを含む)にハイブリダイズするなど、反応させ、(3)反応した/ハイブリダイズされたポリヌクレオチドを検出する。この検出は、相対的な発現(転写)レベルの計算/定量化を伴うものであってもよい。
本発明は、ポリヌクレオチド配列またはこれらの部分配列のプールを含む、癌腫の分子キャラクタリゼーションに役立つポリヌクレオチドライブラリであって、前記配列または部分配列が腫瘍細胞にて低発現または高発現され、前記配列または部分配列が添付書類の配列番号1〜468のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列またはこれらの相補体のうちいずれかに実質的に対応するものである、ポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
当然、上記配列との相同率の高い配列を用いて、すなわち配列番号1〜468のいずれかひとつの配列と比較してこれらの配列が点のような変異(punctual mutation)を1つあるいは若干示す場合に、本発明の分子キャラクタリゼーションを実現することもできる。
本発明は、ポリヌクレオチド配列またはこれらの部分配列のプールを含む、癌腫の分子キャラクタリゼーションに役立つポリヌクレオチドライブラリであって、前記配列または部分配列が腫瘍細胞にて高発現され、前記配列または部分配列が添付書類の配列番号1〜249(ここで、これらの配列番号は、優先権書類での旧配列番号1〜249を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列またはこれらの相補体のうちいずれかに実質的に対応するものである、ポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
好ましくは、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、配列番号1〜247(ここで、これらの配列番号は、優先権書類での旧配列番号1〜247を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のうちいずれかのポリヌクレオチド配列に実質的に対応し、前記配列が、正常な細胞と癌細胞とを区別する際に役立つものである。
また、本発明は、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、配列番号1〜242(ここで、これらの配列番号は、優先権書類での旧配列番号1〜242を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のうちいずれかのポリヌクレオチド配列に実質的に対応し、前記配列が、ホルモン感受性腫瘍細胞を検出する際に役立つものである、あるいは、前記配列が、リンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを区別する際に役立つものである、ポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
また、本発明は、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、配列番号1〜224(ここで、これらの配列番号は、優先権書類での旧配列番号1〜224を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のうちいずれかのポリヌクレオチド配列に実質的に対応し、前記配列が、テトラサイクリン感受性腫瘍とテトラサイクリン非感受性腫瘍とを区別する際に役立つものである、ポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
また、本発明は、ポリヌクレオチドアレイを形成すべく前記ポリヌクレオチドを固相支持体に固定化した、上述したようなポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
好ましくは、ナイロン膜、スライドガラス、ガラスビーズまたはシリコンチップからなる群から支持体を選択する。
また、本発明は、
a)患者からポリヌクレオチド試料を得ることと、
b)ステップ(a)で得られた前記試料ポリヌクレオチドと、上述したライブラリのポリヌクレオチド配列のうちいずれかまたは前記ライブラリのポリヌクレオチド配列のうちいずれかでコードされる発現産物を含む、固相支持体に固定化したプローブと、を反応させることと、
c)ステップ(b)の反応産物を検出することとを含む、癌と相関し、発現状態の異なるポリヌクレオチド配列を検出する方法に関するものである。
また、本発明は、ステップ(c)の反応産物の量と対照試料とを比較する、本発明の差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出するための方法に関するものである。
好ましくは、ポリヌクレオチド試料を単離し、試料はRNAまたはmRNAである。
好ましくは、ポリヌクレオチド試料はmRNAの逆転写によって得られたcDNAである。
好ましい実施形態では、差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出する方法、ステップ(b)は試料RNAを標識したプローブにハイブリダイゼーションすることを含む。
この差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出する方法は、癌に関連した健康状態すなわち、乳癌を検出し、診断し、病期分類し、モニタリングし、予後判定するのに使用される。
ポリヌクレオチド配列または部分配列のうちいずれかでコードされる産物が、検出の根拠となるレセプターリガンド反応に関与している場合に、差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出する方法は特に有用である。
また、本発明は、上述した差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出するための方法を含む、抗腫瘍薬をスクリーニングするための方法であって、スクリーニング対象となる抗腫瘍薬で試料を処置しておく方法に関するものである。
ポリヌクレオチド試料の標識に使用する標識は、放射性標識、比色的な標識、酵素的な標識、分子増幅による標識、生物発光標識または蛍光標識からなる群から選択される。
また、本発明は、配列番号:1から配列番号:249(ここで、これらの配列番号は、優先権書類での旧配列番号1〜249を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)から選択される腫瘍由来の細胞およびそれぞれの相補体において高発現または低発現されたポリヌクレオチド配列からなる個体群を含む、ポリヌクレオチドのライブラリに関するものである。
特定の実施形態では、本発明は、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:45、配列番号:46、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:81、配列番号:82、配列番号:87、配列番号:88、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:113、配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:127、配列番号:128、配列番号:131、配列番号:139、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:150、配列番号:151、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:160、配列番号:161、配列番号:162、配列番号:177、配列番号:178、配列番号:194、配列番号:195、配列番号:227、配列番号:228、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:243、配列番号:244、配列番号:245、配列番号:246、配列番号:247(ここで、これらの配列番号は、優先権書類の表5における旧配列番号を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のポリヌクレオチド配列に関するものであり、これで健常な人と癌のある人とを見分ける。
好ましくは、本発明は、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:107、配列番号:229、配列番号:45、配列番号:46、配列番号:243、配列番号:244、配列番号:245、配列番号:246、配列番号:247(ここで、これらの配列番号は、優先権書類の表6における旧配列番号を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のポリヌクレオチド配列に関するものであり、これで健常な人と癌のある人とを見分ける。
別の特定の実施形態において、本発明は、ホルモン感受性腫瘍を検出する、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23;、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:221、配列番号:222、配列番号:223、配列番号:241、配列番号:242(ここで、これらの配列番号は、優先権書類の表7における旧配列番号を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のポリヌクレオチド配列に関するものである。
好ましくは、本発明は、配列番号:1、配列番号:2配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:221、配列番号:222、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:241、配列番号:242(ここで、これらの配列番号は、優先権書類の表8における旧配列番号を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のポリヌクレオチド配列に関するものであり、これでホルモン感受性腫瘍を検出する。
別の特定の実施形態において、本発明は、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:19、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:36、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、配列番号:41、配列番号:42、配列番号:43、配列番号:44、配列番号:221、配列番号:222、配列番号:233、配列番号:241、配列番号:242(ここで、これらの配列番号は、優先権書類の表8における旧配列番号を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のポリヌクレオチド配列に関するものであり、これでリンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを見分ける。
好ましくは、本発明は、配列番号:1、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:28;、配列番号:29、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:19、配列番号:20、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:241、配列番号:241(ここで、これらの配列番号は、優先権書類の表8における旧配列番号を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のポリヌクレオチド配列に関するものであり、これでリンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを見分ける。
別の特定の実施形態において、本発明は、アントラサイクリンに対する感受性のある腫瘍とアントラサイクリンに対する感受性のない腫瘍とを見分ける、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:19、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:35、配列番号:36;、配列番号:37、配列番号:56、配列番号:57、配列番号:74、配列番号:75、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:107、配列番号:108、配列番号:109、配列番号:118、配列番号:119;、配列番号:136、配列番号:213、配列番号:214、配列番号:215、配列番号:223、配列番号:224(ここで、これらの配列番号は、優先権書類の表11における旧配列番号を示し、本願添付書類の配列表における対応表10でこれらの配列を識別することができる)のポリヌクレオチド配列に関するものである。
また、本発明は、癌と相関した、差次的に発現された遺伝子を検出する方法であって、患者から得た試料で、上記にて定義したようなポリヌクレオチド配列の少なくとも1つのライブラリまたは前記ライブラリでコードされる産物の少なくとも1つのライブラリを検出することを含む方法に関するものである。
本発明の特定の実施形態は、表4に定義するような、あらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合1から集合212のそれぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせに実質的に対応するポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
本発明は明らかに、前記あらかじめ定義された集合の少なくとも50%、好ましくは75%、より好ましくは100%に含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドライブラリに関するものであり、これによって識別可能な遺伝子パターンが得られる、すなわち、健常な患者と腫瘍病変に羅患した患者、ホルモン感受性腫瘍を持つ患者とホルモン耐性腫瘍を持つ患者、リンパ節のある腫瘍を持つ患者とリンパ節のない腫瘍を持つ患者、アントラサイクリン感受性腫瘍を持つ患者とアントラサイクリン非感受性腫瘍を持つ患者、予後の良い原発性乳腫を持つ患者と予後の悪い原発性乳ガンを持つ患者とを見分けることができる。
また、関与している遺伝子を完全に検出できるように、本発明を実現するのに役立つポリヌクレオチド配列ライブラリは、表4に定義するようなポリヌクレオチド配列集合各々の3’末端と5’末端との間で構成されるあらゆる配列を含み得るものである。
また、本発明は、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、正常な細胞と癌細胞とを区別する際に役立つ、表5A、表5Bに示されるあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせに実質的に対応するものである、正常な細胞と癌細胞とを区別する上で役立つポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
好ましくは、正常な細胞と癌細胞とを区別する上で役立つポリヌクレオチドライブラリが、表5Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表5Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列とのいずれかの組み合わせに実質的に対応する。
表5Aに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の高発現の検出と、表5Bに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の低発現の検出とを一緒に行うことで、正常な患者と腫瘍病変に羅患した患者とを見分けることができる。
また、本発明は、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、表6に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせに実質的に対応するものである、ホルモン感受性腫瘍細胞を検出する上で役立つポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
好ましくは、ホルモン感受性腫瘍細胞を検出する上で役立つポリヌクレオチドライブラリが、表6Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表6Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせに実質的に対応する。
表6Aに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の高発現の検出と、表6Bに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の低発現の検出とを一緒に行うことで、ホルモン感受性腫瘍を持つ患者とホルモン耐性腫瘍を持つ患者とを見分けることができる。
また、本発明は、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、表7に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせに実質的に対応するものである、リンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
好ましくは、リンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドライブラリが、表7Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表7Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせに実質的に対応する。
表7Aに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の高発現の検出と、表7Bに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の低発現の検出とを一緒に行うことで、リンパ節のある腫瘍を持つ患者とリンパ節のない腫瘍を持つ患者とを見分けることができる。
また、本発明は、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、表8に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせに実質的に対応するものである、アントラサイクリン感受性腫瘍とアントラサイクリン非感受性腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
好ましくは、アントラサイクリン感受性腫瘍とアントラサイクリン非感受性腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドライブラリが、表8Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表8Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせに実質的に対応する。
表8Aに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の高発現の検出と、表8Bに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の低発現の検出とを一緒に行うことで、アントラサイクリン感受性腫瘍を持つ患者とアントラサイクリン非感受性腫瘍を持つ患者とを見分けることができる。
また、本発明は、ポリヌクレオチド配列または部分配列のプールが、表9に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせに実質的に対応するものである、予後の良い原発性乳ガンと予後の悪い原発性乳ガンとを分類する上で役立つポリヌクレオチドライブラリに関するものである。
好ましくは、予後の良い原発性乳ガンと予後の悪い原発性乳ガンとを分類する上で役立つポリヌクレオチドライブラリが、表9Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表9Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせに実質的に対応する。
表9Aに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の高発現の検出と、表9Bに定義するポリヌクレオチド配列の集合を用いて同定される遺伝子の低発現の検出とを一緒に行うことで、予後の良い原発性乳ガンを持つ患者と予後の悪い原発性乳ガンを持つ患者とを分類することができる。
好ましい実施形態では、本発明のポリヌクレオチドライブラリから低発現された配列または高発現された配列を示す腫瘍細胞が乳腫細胞である。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドアレイを形成するために本発明のポリヌクレオチドライブラリのポリヌクレオチドを固相支持体に固定化し、前記固相支持体が、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、スライドガラス、ガラスビーズ、ガラス支持体上の膜またはシリコンチップからなる群から選択される。
本発明のもうひとつの目的は、上記にて定義したような固定化ポリヌクレオチドライブラリ集合を少なくとも1つ含む、腫瘍の予後または診断に役立つポリヌクレオチドアレイに関するものである。
次に、本発明は、正常な細胞と癌細胞とを区別する際に役立つ、表5A、表5Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせを含む、正常な細胞と癌細胞とを区別する上で役立つポリヌクレオチドアレイに関するものである。
好ましくは、正常な細胞と癌細胞とを区別する上で役立つポリヌクレオチドアレイが、表5Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表5Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせを含む。
また、本発明は、表6に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせを含む、ホルモン感受性腫瘍細胞を検出する上で役立つポリヌクレオチドアレイに関するものである。
好ましくは、ホルモン感受性腫瘍細胞を検出する上で役立つポリヌクレオチドアレイが、表6Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表6Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせを含む。
また、本発明は、表7に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせを含む、リンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドアレイに関するものである。
好ましくは、リンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドアレイが、表7Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表7Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせを含む。
また、本発明は、表8に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせを含む、アントラサイクリン感受性腫瘍とアントラサイクリン非感受性腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドアレイに関するものである。
好ましくは、アントラサイクリン感受性腫瘍とアントラサイクリン非感受性腫瘍とを区別する上で役立つポリヌクレオチドアレイが、表8Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表8Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせを含む。
また、本発明は、表9に記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列のいずれかの組み合わせを含む、予後の良い原発性乳ガンと予後の悪い原発性乳ガンとを分類する上で役立つポリヌクレオチドアレイに関するものである。
好ましくは、予後の良い原発性乳ガンと予後の悪い原発性乳ガンとを分類する上で役立つポリヌクレオチドアレイが、表9Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表9Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列の集合それぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、のいずれかの組み合わせを含む。
また、本発明は、
a)患者からポリヌクレオチド試料を得、
b)ステップ(a)で得られた前記試料ポリヌクレオチドと、上記にて定義したライブラリのポリヌクレオチド配列のうちいずれかまたは上記にて定義した前記ライブラリのポリヌクレオチド配列のうちいずれかでコードされる発現産物を含む、固相支持体に固定化したプローブと、を反応させ、
c)ステップ(b)の反応産物を検出することを含む、癌と相関し、発現状態の異なるポリヌクレオチド配列を検出する方法に関するものである。
好ましくは、ステップ(a)で得られたポリヌクレオチド試料を、固相支持体に固定化されたプローブとステップ(b)で反応させる前に標識する。
ポリヌクレオチド試料の標識は、放射性標識、比色的な標識、酵素的な標識、分子増幅による標識、生物発光標識または蛍光標識からなる群から選択される。
特定の実施形態では、ステップ(c)の反応産物を、前記反応産物と対照試料とをさらに比較することで定量化する。
第1の実施形態では、患者から単離され、ステップ(a)で得られたポリヌクレオチド試料が、RNAまたはmRNAのいずれかである。
もうひとつの実施形態では、患者から単離されたポリヌクレオチド試料が、mRNAの逆転写によって得られるcDNAである。
好ましくは、差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出する方法の反応ステップ(b)が、患者から得られる試料RNAをプローブとハイブリダイゼーションすることを含む。
好ましくは、プローブとのハイブリダイゼーションよりも前に試料RNAを標識し、この標識が、放射性標識、比色的な標識、酵素的な標識、分子増幅による標識、生物発光標識または蛍光標識からなる群から選択される。
差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出するこの方法は、癌に関連した健康状態、特に乳癌を検出し、診断し、病期分類し、モニタリングし、予後判定し、予防し、または治療するのに特に役立つ。
さらに、ポリヌクレオチド配列または部分配列の集合のうちいずれかでコードされる産物が、検出の根拠となるレセプターリガンド反応に関与している場合、差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出する方法は特に有用である。
また、本発明は、上述した差次的に発現されたポリヌクレオチド配列を検出するための方法、方法を含む、抗腫瘍薬をスクリーニングするための方法であって、スクリーニング対象となる抗腫瘍薬で試料を処置しておく方法に関係がある。
特定の実施形態では、抗腫瘍薬をスクリーニングするための方法が、試料で、上記にて定義したようなポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列の集合の少なくとも1つのライブラリまたは前記ライブラリでコードされる産物の少なくとも1つのライブラリと反応するポリヌクレオチド配列を検出することを含む。
以下、腫瘍試料を同定し、かつ正常な試料と見分ける上で役立つポリペプチドの選択されたライブラリで得られる特定の実験結果に関連した、以下に詳細に示す実施例を用いて本発明について説明する。
腫瘍試料とRNAの抽出
腫瘍のタイプとサイズに関して選択の偏りを一切なくすために、試験対象となるRNAを未選択試料から調製した。Institute Paoli−Calmetteで手術を受けている34名の患者から侵襲性の原発性乳癌の試料を収集した。外科的切除の後に、腫瘍をマクロ解剖した(macrodissected)。病理学者による診断用に切片を取得し、隣接した断片を分子分析用に液体窒素中ですみやかに凍結させた。診断時における患者の年齢の中央値は55歳(39、83の範囲)であり、彼女らの大半が閉経後であった。乳腫についてのWHOの組織学的診断基準に従って腫瘍を分類したところ、乳管癌29例、小葉癌2例、乳管癌と小葉癌との併発1例、髄様癌2例であった。これらの癌腫はサイズがまちまちであり、免疫組織化学的なアッセイで評価(23例でER陽性、11例でER陰性)したところ、20mm以下(n=13)、20〜50mm(n=18)、50mm以上(n=3)、腋窩リンパ節の状態(陰性:19腫瘍、陽性:15腫瘍)、SBRグレード(I:3腫瘍、II:20腫瘍、III:10腫瘍、評価できず:1腫瘍)、エストロゲンレセプター状態(ER)であった。ER陽性のカットオフ値は10%であった。地元の慣行に従い、放射線療法と合わせた補助処置ならびに、必要に応じてアントラサイクリンベースの多剤併用化学療法(n=16)を患者に対して施した。
常法に従い腫瘍試料から全RNAを抽出した(43)。正常な乳房組織由来の全RNAをクロンテック(カリフォルニア州パロアルト)から入手した。年齢23歳から47歳の範囲のコーカソイドの女性由来の8つの組織標本からRNAを単離した。28S特異性オリゴヌクレオチドを用いてホルムアルデヒドアガロースゲル電気泳動およびノーザンブロットを変性させる(denature)ことによってRNAの完全性を制御した。
cDNAアレイの調製
アレイを放射性プローブとハイブリダイゼーションすることで、遺伝子の発現を分析した。これらのアレイには、実用的な基準(mRNAの3’配列、同一のクローニングベクター、宿主バクテリア、インサートサイズ)を用いて選択した180のIMAGEヒトcDNAクローンと5つの対照クローンのPCR産物が含まれていた。これは176の遺伝子を表す(4つの遺伝子が2種類の異なるクローンで表された)もので、このうち121に未証明または推定ではあるが癌ではないかと思われるものが認められ、55が免疫反応と関係していた(http://tagc.univ−mrs.fr/pub/Cancer/のウェブサイトで一覧を入手可能)。プラスミドDNAの5’tag配列決定ならびに、NCBIでのEST(dbEST)データベースおよびヌクレオチド(GenBank)データベースに収録された配列との比較によって、それぞれの同一性を検証した。GenBankでの受入番号で照会した、有意な遺伝子同一性のない14のクローン以外のすべてのクローンについて、同一性が確認された。シロイヌナズナシトクロムc554遺伝子(ハイブリダイゼーションシグナルの正規化に使用)、サイズの異なる3ポリ(A)配列、ベクターpT7T3D(負の対照)を対照クローンとした。
表記のプロトコールに従って、PCR増幅、精製およびPCR産物のHybond−N+膜(アマシャム)へのロボットによるスポッティングを行った(4)。すべてのPCR産物を2組ずつスポットした。正規化の目的で、膜全体にc554遺伝子を96倍に散在させてスポットした。
cDNAアレイのハイブリダイゼーション
(各スポットでハイブリダイゼーション可能な標的DNAの量を正確に判定するために)ベクターオリゴヌクレオチドを使用し、続いてベクタープローブを取り除いた後はRNAから作製した複合体プローブを使用して、ハイブリダイゼーションを成功させた(4)。各複合体プローブを別々のフィルタにハイブリダイズさせた。過剰なオリゴ(dT25)を用いて全RNAからプローブを作製し、メッセンジャーのポリ(A)尾を飽和させ、逆転写された産物に長いポリ(T)配列が含まれないようにした。標識前に正確な量のc554 mRNAを全RNAに加え、データを正常化できるようにした。
各標識には組織試料から得た全RNA 5ng(mRNA 〜100ng)を使用した。周知の方法(http://tagc.univ−mrs.fr/pub/Cancer/)でプローブ作製と膜のハイブリダイゼーションを実施した。
標的過剰(各スポットでのDNA 〜15ng)でハイブリダイゼーションを実施したところ、標的に対するcDNAの結合はプローブ中のcDNAの量に正比例していた。
cDNAアレイハイブリダイゼーションシグナルの検出と定量化
イメージングプレート装置を用いて定量的データを得た。すでに説明した(http://tagc.univ−mrs.fr/pub/Cancer/)ようにして、FUJI BAS 1500装置でハイブリダイゼーションシグナルを検出し、HDG Analyzerソフトウェア(ミシガン州アンアーバーのゲノミックソリューションズ)で定量化を行った。定量化については、すべてのスポット画素強度を一緒にし、隣接するエリアで求めたスポットのバックグラウンド値を減算することで行った。LaPlacian形質転換でスポットを位置付けた。スポットのバックグラウンドレベルは、そのスポットを中心とする小さなウィンドウ内にあり、任意のスポットの一部ではない、すべての画素の強度の中央値であった(44)。既述(4)のとおり、定量化データを3ステップで正規化し、これを絶対遺伝子発現レベルとして(すなわち試料中のmRNAに対する個々のmRNAの存在量のパーセンテージで)表した。
アレイデータの分析
結果を分析する前に、2組のスポットを比較するか、別個の2つのアレイ上にある同一プローブで1回のハイブリダイゼーションを行うか、あるいは同一のRNAから作製したプローブで2回のハイブリダイゼーションを独立して行うことにより、実験の再現性を検証した。いずれの場合も、それぞれの相関係数が0.95、0.98および0.98(データ示さず)という結果となり、再現性は良好であった。さらに、CDK4またはETV5などのアレイ上で2種類の異なるクローンで表される遺伝子では、すべての試料でこの2種類のクローンについて同様の発現プロフィールが認められた。この再現性は、倍化発現差(fold expression difference)を著しく異なるものとみなすには十分であった。
グラフ表示のため、データを絶対発現レベルとして表示した(図2a)。クラスタリングがさらによく分かるように、結果を対数変換し、各列および各行で中央値に集めた(median−centered)相対値として表示した(図2b)。Eisenが開発したクラスタプログラム(45)(類似性の基準としてPearsonの相関性を用いる平均結合法)を使用して、組織試料および遺伝子に階層的クラスタリングを適用した。図2および図3に示す結果はTreeViewプログラム(45)で表示したものである。
Excelソフトウェア(マイクロソフト)を使用して以後の分析を行い、SPSSソフトウェアを用いて統計分析を行った。分析から1回目の転移再発あるいは死まで、それぞれ無転移生存率と全生存率を診断結果から求めた。Kaplan−Meier法でこれを評価し、ログランク検定を行ってグループ同士を比較した。相関係数rを用いて、発現プロファイルに基づく遺伝子対の相関性を求めた。腫瘍パラメーターと相関する発現レベルの遺伝子を、連続したいくつかのステップで探索した。
最初に、興味の対象となるパラメーターが一致しない腫瘍で構成される2つのサブグループで遺伝子発現レベルの中央値を比較することにより、遺伝子を検出した。平均値ではなく中央値を用いたのは、発現レベルは多くの遺伝子で極めて変わりやすく、発現レベルの標準偏差が平均値に近くなるか平均値よりも優れたものとなってしまい、平均との比較が不可能になるためである。次に、これらの検出された遺伝子をグラフィックスで可視検査し、最後に、相関性を有効にすることが確認されているものに適当な統計解析を適用した。Mann−Witney検定を使用して、ER陽性腫瘍とER陰性腫瘍とのGATA3発現の比較を有効にした。相関係数を使用し、遺伝子発現レベルを腋窩節の数と比較した。
ノーザンブロット分析
アレイ上で試験した34例のうち22例を含む、79の乳腫のGATA3発現をノーザンブロットハイブリダイゼーションで分析した。腫瘍試料からのRNA抽出とノーザンブロットとを、過去に説明されているようにして実施した(43)。GATA3 cDNA配列(GenBank受入番号X55122)の3’領域(+843から+1689)に対応するGATA3プローブを、IMAGE cDNAクローン129757から作製した。このクローンをEcoRI酵素およびPacI酵素で消化することにより、インサート(846bp)を得た。ノーザンブロットを取り除き、a−アクチンプローブを用いて再ハイブリダイズさせた(46)。
図1は、正常な乳房組織(NB)と乳腫試料との差次的遺伝子発現の一例を示す。ナイロンフィルター上の各cDNAアレイを5μgの全RNAで作製した複合体プローブとハイブリダイズさせた。一番上の画像は膜全体に相当する。下の2つの画像については、膜の右側部分だけを示してある。スポットの下にある数字は、ハウスキーピング遺伝子(1がGAPDHで2はアクチン)、負の対照クローン(3、4、5)、NBと乳腫との間で差次的に発現された遺伝子の例(6はストロメライシン3、7は、ERBB2、8はMYBL2、9はFOS、10はTGFaR3、11はデスミン)、ER−乳腫とER+乳腫との間で差次的に発現された遺伝子の例(12、GATA3)を示す。
図2は、乳癌腫の34の試料と正常な乳房組織(NB)に含まれる176の遺伝子の発現レベルを表したものである。各行が単一の組織に相当し、各列が単一の遺伝子に相当する。(a)結果を試料内の個々のmRNAの存在率で表現し、これを青のカラースケールで表す。左下に示すカラースケール(3倍の間隔の対数スケール)は、水色(発現レベル□0.001%)から紺色(発現レベル>3%)までの範囲である。白い正方形は、発現レベルが検出できないクローンを示し、灰色の正方形は欠損値を示す。組織試料を任意に並べ、発現レベルの中央値の増加に伴って上から下までクローンを並べる。図面右側の水平の黒い矢印は、腫瘍(上から下にストロメライシン3、IGF2、GATA3)ごとに発現レベルが大きく異なる3つのクローンをマークしたものである。(b)結果を(各行および各列の中央値に対する)相対的な発現レベルとして示し、これを1/100から100倍までの範囲で(灰色の正方形:欠損値)左下に示すカラースケールで表してある。34の腫瘍のうち、発現レベルの中央値が0に等しい18のクローンについては省略する。クラスタリングプログラムを使用して、最も類似した発現プロファイルを持つもの同士が互いに隣接して配置されるように試料(n=35)を水平軸に沿って整列させる。同様に、すべての組織でクローンの発現プロファイルに強い相関性が認められる場合、これらのクローン(n=162)は垂直軸に沿って互いに近い位置にくる。試料(上)とクローン(左)とをそれぞれ捕捉する樹状図の枝の長さには、関連する要素の類似性が反映されている。2つのグループの腫瘍を分離し、グループA(青)とグループB(オレンジ)にカラーコードした。図面右側の水平の黒い矢印と水平の赤い矢印はそれぞれ、腫瘍(上から下にIGF2、GATA3、ストロメライシン3)ごとに発現レベルが大きく異なる3つの遺伝子と、4つの遺伝子を表す4対の異なるクローンとをマークしたものである。(c)右側の2つのoutlyer腫瘍を除き、図2bからのグループAをズーム表示したものである。クラスタリングによって、腫瘍の2つのサブグループA1およびA2を分ける。点の付いた枝は転移の再発と死に関連した腫瘍に相当する。A1よりもA2の方が追跡期間を長くした(A1の47に対して中央値81ヶ月)。
図3は遺伝子発現プロファイリングによって乳癌の予後を分類したものであり、遺伝子発現ベースの腫瘍の分類が臨床転帰と相関していることを示している。A1とA2のサブグループ間で上位32の差次的に発現された遺伝子を用いて、グループAにおける12の試料(図2bおよび図2c参照)を再クラスタリングした。データを図2bと同様に表示し、同じカラーキーで示した。32のうち、発現レベルが(12のうち)少なくとも2つの試料で少なくとも2倍に変化した23のクローンから得た発現データに階層的クラスタリングを適用した。腫瘍A1およびA2の2つのサブグループと、差次的に発現されたクローンの2つのグループとを示す。腫瘍クラスタA1の点の付いた枝は転移の再発および死に関連した試料に相当する。図3aは、図2aおよび図2bに示す階層的クラスタリングの結果を二次元で表したものである。分析によって、腫瘍A、B、C、Dの4つのグループを描写する。黒い正方形は最終追跡時に生存している患者を示し、赤い正方形は亡くなった患者を示す。遺伝子発現プロファイルに従って、統計的に臨床転帰の異なる患者を、クラスA(n=16)、クラスB+C(n=34)、クラスD(n=5)の3つのクラスに定義した。図3bは、3つのクラスの患者(p<0.005、ログランク検定)全体の生存率をKaplan−Meierプロットしたものである。また、図3cは、3つのクラスの患者(p<0.05、ログランク検定)における無転移生存率をKaplan−Meierプロットしたものである。
図4は、GATA3発現とER表現型との相関を示す。(a)cDNAアレイ解析によってモニタリングした34の乳癌試料におけるGATA3の発現レベル(y軸)を、試料中のmRNA(対数スケール)に対する個々のmRNAの存在率で示す。Mann−Witney検定を用いて(p=0.0004)、ER陰性腫瘍(n=11)対ER陽性腫瘍(n=23)でGATA3を有意に高発現させる。正常な乳房組織におけるGATA3の発現レベルを右側(NB)に示す。(b)正常な乳房試料(NB)と9例の乳癌試料(AT:cDNAアレイおよびノーザンブロットで分析した腫瘍、NT:ノーザンブロットで分析した腫瘍)におけるGATA3のノーザンブロット分析。GATA3(一番上)およびa−アクチン(一番下)からのcDNAを用いてブロットを連続的に調査した。各腫瘍試料についてERの状態を示す。
データ表現
図1は、正常な乳房組織と乳腫から抽出されたRNAから作製したプローブでcDNAアレイをハイブリダイゼーションする一例を示す。
概略図で絶対的な値または相対的な値のいずれかで示すべく、すべてのハイブリダイゼーションの生の結果を処理した。正規化法を用いることで、図2aに示されるようにプローブ中のmRNAの存在率で絶対値を表すことができる。青いカラーラダーの各レベルは、mRNAの絶対存在量の3倍の間隔を表している。各列は組織試料に相当し、各行は遺伝子に相当する。グラフィックの目的で、発現レベルの中央値の増加に伴って上から下まで遺伝子を並べた。腫瘍試料については並べなかった。各試料の値は、mRNA存在量約0.002%から5%の範囲にわたる発現レベルに対応する広範囲の強度(対数スケールで30年間)を示していた。多くの遺伝子(たとえばストロメライシン3、IGF2、GATA3など、矢印参照)で、すべての腫瘍試料にわたって値のダイナミックレンジ全体に散在して発現レベルが極めて大きく変化していた。相対値を図2bに示す。すべての組織にわたって中央値の強度が0に等しい18のクローンを省略し、絶対値を対数変換した。その後、各試料のデータならびに、残りの162のクローン各々についてのデータを中央値に集め、絶対強度ではなく相対的な変化が示されるようにした。中央値よりも高い発現レベルには赤、中央値よりも低い発現レベルには緑のカラースケールを用いてデータを表示した。中央値からの偏差の大きさを色強度で表した。その後、階層的クラスタリングプログラムを適用し、遺伝子発現プロファイル全体に従って35の試料をグループ化するとともに、すべての組織での発現レベルの類似性に基いて162のクローンをグループ化した。このようにすることで、相関する組織のグループと相関する遺伝子のグループを樹状図で示すように強調して示す図が得られた。
乳腫の分類
図2bにおいて示すように、クラスタリングアルゴリズムで2つのグループの試料を識別し、これをA(正常な乳房を含む、n=15、NB)とB(n=20)とした。これらのグループは、患者の年齢、診断時の閉経状態、SBRグレード、腫瘍の病理学的サイズに関して類似のものとした。しかしながら、グループAの腫瘍のうち72%は節陽性であり、グループBの75%が節陰性であった。さらに、グループBの腫瘍のうち80%はエストロゲンレセプター(ER)陽性であり、グループAの50%はER陰性であった。診断後に中央値44ヶ月で追跡を行ったところ、全体の生存率はグループAとグループBとで異なっていた。すなわち、Aでは5名の女性が亡くなり(追跡期間の中央値58ヶ月)、Bでは1名の女性が亡くなった(追跡期間の中央値40ヶ月)。しかしながら、Aでは5名、Bでは6名の女性に再発が認められ、2つのグループにおける転移再発の頻度は比較的近かった。Bでは転移の診断から最終追跡までの時間が短すぎるため、さらに長い期間をかけて追跡を行い、発現プロファイルで定義した2つの異なるグループで全体の生存率が実際に異なっているのか否かを判断しなければならない。
15の試料で構成されるグループAでは、3つの試料(正常な乳房と2つの腫瘍)が互いに異なり、他の12の試料とも異なっていた。後者は、腫瘍の2つのサブグループA1(n=6)とA2(n=6)とを構成していたが、これを図2cに示すようにクラスタリングによってさらに分けることも可能であった。表1から明らかなように、12の腫瘍では従来の予後の特徴による転移再発の危険性が一律に高かった。このうちの大半については、A1のサブグループの方が多くの女性を治療する形で、外科手術後に似たようなアントラサイクリンベースの補助化学療法を施した。興味深いことに、これらの2つのサブグループ(一般に用いられている組織臨床的な特徴では識別することができない)では、臨床転帰が極めて異なっていた。A1で転移再発が4例、死亡が4(追跡期間の中央値44ヶ月)。これとは対照的に、かつ追跡期間の中央値がさらに長い(90ヶ月)のにもかかわらず、A2では転移や死亡例は発生しなかった。このため、グループA1の腫瘍よりもグループA2の方が無転移生存率(p□0.01)と全生存率(p□0.005)が有意に高くなった。Bではこのようなサブグループ化を行うことはできなかった。
Figure 0004388983
サブグループA1およびA2の患者の特徴。図3に示すクラスタリング図の位置に基づいて左から右に12の腫瘍に1から12まで番号を振ってある。補助化学療法はアントラサイクリンベースとした。患者の状態に関する行で、Aは生存を示し、Dは癌が進行して死亡したことを意味する。
グループAの部分構造の原因である遺伝子を探索した。これらの遺伝子は、予後や上記腫瘍の化学療法に対する感受性と関連している可能性がある。その発現レベルの中央値をA1とA2とで比較することにより、188のうち32の遺伝子を識別した。続いて、図3に示すように、これらの遺伝子の発現プロファイルを使用して12の腫瘍を再クラスタリングした。同じサブグループA1およびA2は明らかであり、これを2グループの遺伝子で分けた。予想通り、ERBB2、MYCおよびEGFRの発現量が多いのは予後の悪いサブグループA1(6〜8)と関連し、E−cadherinおよびプロトオンコジーンMYBの発現量が多いのは予後のよいサブグループA2(9、10)と関連していた。他の大半の遺伝子については、これらの結果が新たな調査のきっかけとなるかもしれない。乳癌の予後を良くする要因のひとつに分化状態があるため、転帰が良好なグループでGATA3(11)やCRABP2(12)などの細胞の分化に関連した遺伝子の発現レベルが高かった。予後の悪いサブグループではエフリンA1 mRNAの発現量が多いことから、この成長因子が乳癌で何らかの役割を果たしているのではないかと思われ、こうした発現量の多い状態が黒色腫の進行時における上方制御と平行している可能性がある(13)。
正常な乳房と乳腫との間の差次的遺伝子発現
乳腫(T)と正常な乳房(NB)との間で差次的に発現される遺伝子を同定するために、各遺伝子のNB値と各腫瘍におけるその発現レベルとを比較した。NBの遺伝子の発現レベルを検出できなかったときは、腫瘍のシグナル強度が再現性の閾値(mRNA存在量の0.002%)を上回った場合に、質的な情報だけを推定してmRNAを差次的に発現されたとみなすことが可能であった。その他の事例では、少なくとも2倍の発現差があれば差次的な発現と定義した。さらに、高発現または低発現された場所での腫瘍数を測定した。高発現された遺伝子および低発現された遺伝子の上位20ずつの一覧を表2に示す。これらの遺伝子については、T/NB比を示す。ここで、Tは34の腫瘍における発現値の中央値である。この比は高発現された遺伝子では、2.70(ABCC5)から17.76(GATA3)までの範囲、低発現された遺伝子では0.00(デスミン)から0.29(APC)までの範囲であった。
Figure 0004388983
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cDNAアレイ解析によって測定した場合の34の乳癌腫と正常な乳房組織との間の最高頻度の差次的発現を示す遺伝子のリスト。Nは、正常な乳房組織に対して遺伝子が無調節状態となった場合(2倍よりも増えた)の腫瘍試料数を示す。T/NBは34の乳腫での発現レベル/正常な乳房での発現レベルの中央値の比を表わす。(a)MYBL2転写物の発現レベルの中央値が乳腫で0.025%となり、NBでは検出できなかった。
ムチン1、NM23、ERBB2、FGFR1およびFGFR2、MYC、ストロメライシン3、カテプシンDの発現量の多さならびに、FOS、APC、RBL2、FAS、BCL2の下方制御が、それぞれの癌におけるバイオロジーについて分かっていることを反映する形で認められた。ジンクフィンガー転写因子のGATAファミリのメンバをコードするGATA3と、2つの細胞レチノイン酸結合タンパク質のうち一方をコードしているCRABP2とに、mRNAの発現量の多さが認められ、cDNAアレイで過去に得られている結果の範囲がさらに拡張された(4)。
さまざまな乳腫での差次的遺伝子発現ならびに組織臨床的な予後パラメータとの相関
乳癌における潜在的な予後マーカーを探索するために、発現レベルが従来の組織臨床的な予後パラメーターすなわち、患者の年齢、腋窩節の状態、腫瘍のサイズ、組織学的グレードおよびERの状態と相関した遺伝子を探した。年齢、腫瘍のサイズ、組織学的グレードとの有意な相関は認められなかった。しかしながら、発現プロファイルがERの状態と腋窩節の関与とに相関する遺伝子もあった。
ホルモン応答性表現型と関連している可能性のある遺伝子を同定するために、ER陽性乳癌(n=23)の遺伝子発現プロファイルとER陰性乳癌(n=11)の遺伝子発現プロファイルとを比較した。16のクローンがどちらのグループでも強度の中央値が0になった。25のクローンは2倍よりも増えた。高発現された遺伝子と低発現された遺伝子の上位10ずつを表3aに示す。このうち、最も差次的に発現されたのがER+/ER−強度比の中央値28.6のGATA3であり、図4aに示すようにER陽性腫瘍の第1の四分位数の値がER陰性腫瘍の第3の四分位数の値を上回って(5倍)いた。Mann−Witney検定(p□0.001)を使用すると、ER陽性腫瘍のGATA3の発現率の高さは統計的に有意であった。ER陽性腫瘍すべてとER陰性腫瘍の18%のみで、GATA3発現レベルが正常な乳房の値よりも極めて高く(3倍を超える)なった。さらに、cDNAアレイで分析した腫瘍のうち22の腫瘍を含む79の乳癌(ER陰性腫瘍21、ER陽性腫瘍58)のパネルで、ノーザンブロットハイブリダイゼーション(図4b)によってGATA3発現を分析した。これによって、上記22の腫瘍についてのアレイ結果ならびにERの状態とGATA3 RNAの発現(Mann−Witney検定、p≦0.0001)との間の強い相関性が確認された。
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乳癌における予後を大きく左右する要因である腋窩リンパ節の状態と発現プロファイルが関連した遺伝子を探索するために、節陰性腫瘍(n=19)のグループを腋窩が広範囲にわたって伸展(陽性の節10またはそれ以上)した腫瘍のグループと比較した。さらに、腫瘍が関与するリンパ節の数が増加するにつれて生存率が低下し、かつ、発現の測定は定量的なものであったため、これらの遺伝子の発現レベルと腫瘍が関与する節との相関(定量的変数)を求めた。これらの2つのグループ間での高発現された遺伝子と低発現された遺伝子の上位10ずつを表3bに示す。これらの遺伝子の大半は今までに節の状態に関連しているとされたことはないが、こうした結果の中には既存文献に見られるデータと一致するものもある。チロシンキナーゼレセプターERBB2をコードする遺伝子が節陽性腫瘍で最も有意に高発現された遺伝子であり、相関係数も最も大きかった(r=0.68、p≦0.0001)。
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遺伝子クラスター
図2bからの遺伝子クラスタリングは、複数の試料にわたって発現が相関した遺伝子のグループを示した。異なるクローンが同じ遺伝子を表す場合、これを互いに隣同士のクラスターに分けた(赤い矢印)。34の腫瘍における遺伝子対間の相関係数は大きいことが多かった(13,041の遺伝子対の1%で相関係数が0.95よりも大きかった−図示せず)。極めて相関性の高い遺伝子発現の一例にBCL2とRBL2の遺伝子発現がある。このような相関性のある発現は、文献にこそ記載されていないが、これらの2つの遺伝子に共通の調節機序を反映しているであろうと思われる。さらに、これらの遺伝子は、PPP2CA、AKT2、PRKCSHまたはTNFRSF6/FASなどの他の遺伝子との有意な相関性のある発現も認められた。特に、BCL2とFASとの間に顕著な相関性のある発現を観察することが可能であった(r=0.91、データ示さず)。この相関性の正確な意味は不明であるが、それは細胞が生存するために必要なアポトーシスと反アポトーシスとのバランスを反映している可能性がある。
ヒトの癌では、RNAのレベルにどの程度の割合で変化が反映されるのかは分かっていないが、遺伝子発現パターンをモニタリングすることがこの疾患についての知識を増やすための非常に有望な方法であるように思われる。次にあげる異なるタイプの癌について、cDNAアレイを使用した調査が行われている。子宮頚癌(14)、肝臓癌(15)、卵巣癌(16)、大腸癌(17)、腎臓癌(18)、神経膠芽腫(19)、黒色腫(20)(21)、横紋筋肉腫(22)、急性白血病(23)、リンパ腫(24)。乳癌では、先駆的な研究から最初の発現パターン(4、25−31)が得られた。これらの研究は、特にホルモン応答性乳腫とホルモン非応答性乳腫との分子的な差という重要な問題を取り上げていた。このため、Yangら(28)ならびにHochら(25)は、これらの2つのカテゴリーを表すことが分かっていた乳癌腫細胞系の発現プロファイルを比較し、差次的発現が認められる若干の遺伝子を同定した。これらの遺伝子のうちの1つがGATA3であった。これらの研究では主に細胞系が使用され、腫瘍試料はほとんど試験対象とならず、一般に少数であった。一連の大きな乳癌の発現プロファイルを分析する最初の研究が最近になって公表された(32)が、臨床転帰との相関性には何ら言及されていなかった。
この実験に基づいていくつかの面白いポイントを得ることが可能である。まず、腫瘍ごとの発現パターンの違いが、乳癌の組織臨床的な不均一を示す分子転写の証拠となった。この多様性は、これに関連して高スループットの分析に対する関心を強調する多種多様な遺伝子と結びつけられた、多元的なものであった。発現プロファイルを統合する階層的クラスタリングプログラムを使用すれば、ほとんどの腫瘍から正常な乳房組織を分離し、かつ、2種類の異なるグループの腫瘍を識別することが可能であった。最も重要なことに、昔からの予後因子では予言することができなかった極めて異なる臨床転帰を伴う腫瘍の2つの異なるサブグループがクラスタリングによって識別されたのである。確かに、これらの腫瘍はいずれも、既存の組織臨床ツールで評価すれば理論上予後の悪いものであった。今のところ、こうした患者についてはいずれも補助化学療法で治療できるであろうが、この処置が有効である患者とそうでない患者とを識別できる医師がいないのである。
遺伝子発現プロファイルを用いることで、この区別をすることが可能であった。このような予言的なツールは治療上重要な意味を持つ。悪い予後の特徴を持つ患者は、時間のロスと第一線の化学療法に関連した毒性を避け、標準的な化学療法ではなく他の処置を適用する候補となる。これらの結果から、現時点ではアントラサイクリンベースの補助化学療法で治療されている予後の悪い乳癌の組織臨床的なカテゴリーによって、異なる化学療法措置が必要になるであろう転帰の異なる腫瘍の少なくとも分子的に別個の2つのサブグループが一緒にグループ化されるのではないかと考えられる。このため、発現プロファイルから、予後の悪い乳腫を分類し、患者を管理する新しく一層正確な方法が得られることになろう。
同様に、分子の不均一性にもかかわらず、遺伝子(GATA3、ERBB2)の発現レベルと組織学的な腫瘍パラメーターとの間に有意な相関性が認められた。乳癌でERが陽性になることが、腫瘍の分化、低増殖率、良好な予後、ホルモン療法に対する応答性と相関していた。乳癌のホルモン感受性とERの状態との関係は完全ではなく、ホルモン感受性の表現型を特徴付ける上でERよりもERの発現に関連したいくつかの遺伝子の方が重要なことはあり得る。これらの遺伝子は治療を助ける予言的な因子として役立つであろう。
GATA3 mRNAの発現はERの状態と大きく相関していた。GATA3はエストロゲン制御されず(25)、ER陽性の表現型に関与する遺伝子の発現を制御できる転写因子のひとつである。本発明につながる実験の過程でERの状態に関係していることが明らかになった他の遺伝子のうち、MYB(10)、ストロメライシン3(33)、CRABP2(34)などのいくつかの遺伝子はER陽性乳腫において高レベルで発現されることがすでに報告されている。最近の研究(27)と一致はするが、研究対象となったER陽性腫瘍でTP53 mRNAのレベルがさらに高かったのは驚くべきことであった。TP53の発現に関する研究の大半がmRNAレベルではなくタンパク質レベルを分析しており、TP53タンパク質のレベルは昔からERの状態とはあまり結びついていなかった(35)。CRABP2の発現量が多いことは、ER陽性腫瘍のさらに分化した状態と関係している可能性がある。IL2RB、IL2RG、CD3Gという3種類の免疫関連遺伝子の発現量が少ないのは、これらの十分に分化した腫瘍でリンパ球の浸潤が少ないことと関連している可能性がある。乳癌でERBB2の発現量が多いのは、予後の悪さと関連しており、さらにはホルモン療法や化学療法に対する特定の耐性と関連していた(36)。これは、細胞の分化、接着および運動性の調節に関与している。ERBB2の運動性亢進活性(37)は、転移の確率を高め、ERBB2を高発現する乳腫の予後を好ましくないものとする原因になり得る。節陽性腫瘍でE−カドヘリンとトロンボスポンジン1の発現量が少ないのは、転移が広がるときの各ステップにおけるそれらの推定上の役割と一致している。すなわち、E−カドヘリンはその攪乱が癌腫で侵襲性細胞が放出される際の条件になる上皮細胞接着分子(38)であり、トロンボスポンジン1は血管形成を阻害する(39)。同様に、節陽性腫瘍で分子表面抗原ムチン1の発現量が多い(40)ため、細胞間の相互作用が小さくなり、細胞の分離と転移が促進される可能性がある。節陽性腫瘍ならびにGSTP1(グルタチオン−S−トランスフェラーゼπ)で細胞接着およびリンパ節ホーミングに関与する膜貫通糖タンパク質をコードするCD44(41)が高いレベルで発現され、腫瘍サイズの増大と関連していることが最近になって報告された(27)。
次に、発現パターンが大きく相関した多くの遺伝子があった。基本的には動的な実験条件下で(42)、最近では定常状態(17)でも、さらに大きな一連の遺伝子との遺伝子相関がすでに報告されている。ここで、相関性は、比較的小さいが選択された一連の遺伝子の発現プロファイルに基づくものであり、定常状態では異なる乳腫によって表された。遺伝子の相関性は、i)癌細胞の一般的な調節回路に関する情報を提供し、発現ネットワークを制御する調節要素を識別することができ、ii)たとえば遺伝子クラスターに含まれる大量の遺伝子の強度とそれぞれの中間強度とを入れ替えることで分析される系の複雑さを抑えられる可能性があるという2つの側面で、癌研究に役立つ可能性を秘めたツールである。
最後に、これらの結果は、癌研究におけるcDNAアレイの大きな可能性を浮き彫りにするものである。遺伝子発現プロファイルを用いることで、乳癌の不均一性が確認され、最も重要なことに、通常の組織臨床的なパラメーターではまだ認識されていないが、補助化学療法後の臨床転帰の異なる、この疾患の2つのサブタイプを、一連の予後の悪い乳腫で識別できるようになった。さらに、本発明を用いることで、発現が昔からの予後の条件と相関した遺伝子を検出できるようになる。
腫瘍由来の細胞、特に乳腫由来の細胞で低発現または高発現されたポリヌクレオチド配列の個体群に対応するポリヌクレオチドの配列番号:1から配列番号:468ならびにそれぞれの相補体のライブラリを表4に示す。
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特に健常な人と癌患者とを区別することに注意しつつ、高発現されたポリヌクレオチド配列および低発現されたポリヌクレオチド配列の上位5ずつに対応する2つの部分個体群を以下の表5Aおよび表5Bに示す。
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以下の表6は、ER+の試料とER−の試料とを区別できるようにするホルモン感受性腫瘍を検出することに注目した、ポリヌクレオチド配列の部分個体群に関するものである。
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以下の表6Aおよび表6Bは、ER+の試料とER−の試料とを区別できるようにするホルモン感受性腫瘍を検出することに特に注目した、ポリヌクレオチド配列の2つの部分個体群に関するものである。
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以下の表7は、リンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを区別することに注目した、ポリヌクレオチド配列の部分個体群に関するものである。
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以下の表7Aおよび表7Bは、リンパ節のある腫瘍とリンパ節のない腫瘍とを区別することに特に注目した、ポリヌクレオチド配列の2つの部分個体群に関するものである。
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以下の表8、表8Aおよび表8Bは、アントラサイクリン感受性の腫瘍とアントラサイクリン非感受性の腫瘍とを区別することに特に注目した、ポリヌクレオチド配列の部分個体群に関するものである。
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以下の表8Aおよび表8Bは、アントラサイクリン感受性の腫瘍とアントラサイクリン非感受性の腫瘍とを区別することに特に注目した、ポリヌクレオチド配列の2つの部分個体群に関するものである。
Figure 0004388983
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以下の表9、表9Aおよび表9Bは、予後の良い原発性乳ガンと予後の悪い原発性乳ガンとを分類することに特に注目した、ポリヌクレオチド配列の部分個体群に関するものである。
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表9Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列のそれぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を用いて検出される遺伝子の高発現と、表9Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列のそれぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を用いて検出される遺伝子の低発現とを組み合わせることで、良好な転帰が得られる。
したがって、本発明による好ましいDNAアレイは、表9Aに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列のそれぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列と、表9Bに記載のあらかじめ定義されたポリヌクレオチド配列のそれぞれに含まれるものの中から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド配列とを含む。
このようなDNAアレイは、リスクの高い(転帰の悪い)患者と予後の良好な(転帰の良い)患者とを区別する上で特に役立つものである。
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正常な乳房組織(NB)と乳腫試料との間の差次的遺伝子発現の一例を示す図である。 正常な乳房組織(NB)と乳癌腫の34の試料における176の遺伝子の発現レベルを示す図である。 遺伝子発現プロファイリングによる乳癌の予後の分類を示す図である。 GATA3の発現とER表現型との相関を示す図である。

Claims (6)

  1. ポリヌクレオチド配列またはこれらの部分配列のプールを含む、癌腫の分子キャラクタリゼーションに役立つポリヌクレオチドライブラリであって、前記配列または部分配列が乳腫瘍細胞にて低発現または高発現され、さらにGATA3、GZMA、MYB、KIAA1075、STMY3、MST1、CRABP2、XBP1、TP53、IGF2、CD3G、IL2RG、SOX4、EGFR、IL2RB、TOP2B、SOX9、S100B、ESTN 53133およびGSTP1からなる遺伝子、或いはGATA3、THBS1、EGFR、PDNP2、ATF3、KIAA1075、NF1A、SELP、GZMA、CDH1、ERBB2、PP2ABRγ、GSTP1、SOX4、IL2RB、ZNF144、MUC1、CD44、RBL2およびTOP2Bからなる遺伝子に対応する、ポリヌクレオチドライブラリ。
  2. 前記配列または部分配列が、GATA3、GZMA、MYB、KIAA1075、STMY3、MST1、CRABP2、XBP1、TP53、IGF2、CD3G、IL2RG、SOX4、EGFR、IL2RB、TOP2B、SOX9、S100B、ESTN 53133およびGSTP1からなる遺伝子に対応し、さらに前記遺伝子は、ホルモン応答性表現型である、請求項1に記載のライブラリ。
  3. 前記配列または部分配列が、GATA3、THBS1、EGFR、PDNP2、ATF3、KIAA1075、NF1A、SELP、GZMA、CDH1、ERBB2、PP2ABRγ、GSTP1、SOX4、IL2RB、ZNF144、MUC1、CD44、RBL2およびTOP2Bからなる遺伝子に対応し、さらに前記遺伝子は、腋窩リンパ節の状態と関連する、請求項1に記載のライブラリ。
  4. 乳腫瘍の予後判定に役立つものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のライブラリ。
  5. ホルモン感受性腫瘍を検出するのに役立つポリヌクレオチドアレイであって、固体支持体に固定化した、請求項2に記載のポリヌクレオチドライブラリを含むことを特徴とするポリヌクレオチドアレイ。
  6. 乳腫瘍の予後判定に役立つポリヌクレオチドアレイであって、固体支持体に固定化した、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドライブラリを含むことを特徴とするポリヌクレオチドアレイ。
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