JP4388889B2 - プレチャージ回路を有するメモリおよびそのプレチャージ方法 - Google Patents

プレチャージ回路を有するメモリおよびそのプレチャージ方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)に関し、特にMRAMのアーキテクチャに関する。
FLASHメモリのような不揮発性メモリ素子は、電子システムにとってきわめて重要な部品である。不揮発性メモリ素子としては、現在主としてFLASHメモリが使用されている。FLASHメモリの欠点として、高電圧が必要なことおよびプログラミングや消去の速度が遅いことが挙げられる。また、FLASHメモリは、記憶誤りを起こすまでの書き込み耐久力が10〜10サイクルと劣っている。これらに加えて、十分なデータ保持時間を確保する必要上、ゲート酸化膜のスケーリングが、電子から見たトンネル障壁の厚さによって制限される。したがって、FLASHメモリでは、スケーリングが行える寸法に制限がある(という欠点も挙げられる)。
このような欠点を克服するため、いくつかの磁気記憶素子の評価が行われている。そのような素子の1つに、磁気抵抗RAM(以下「MRAM」と呼ぶ)がある。しかし、MRAMが実用的な商品になるためには、現在の技術によるメモリと同程度の記憶密度を有し、将来世代への拡張が可能で、低電圧で動作し、消費電力が低く、読み出し/書き込み速度に優れている必要がある。
MRAM素子にとって、不揮発性記憶状態の安定性、読み出し/書き込みサイクルの再現性、およびメモリの素子−素子間のスイッチング磁界の一様性が、その設計特性に関する最も重要な3つの側面である。MRAM中の記憶状態は、電力によってではなく磁気モーメントベクトルの方向によって維持される。データの格納は、MRAM素子中の磁性材料に磁界を加え、2つある記憶状態の一方を磁化することにより行なわれる。データの読み出しは、2つの状態間の異なった、MRAM素子の抵抗値を感知することにより行なわれる。書き込み用の磁界は、外部のストリップ線路を通じまたは磁気構造体自体を通じて、磁気構造体に電流を流すことにより発生させる。
MRAM素子の横方向の寸法が減少するにつれ3つの問題が生じる。先ず、与えられた形状および膜厚に対するスイッチング磁界が増加するので、スイッチングに必要な磁界の大きさが増大する。次に、合計のスイッチ体積が小さくなるので、反転のためのエネルギー障壁が小さくなる。ここでエネルギー障壁とは、磁気モーメントベクトルを一方の状態から他方の状態に切替えるのに必要なエネルギー量を言う。このエネルギー障壁は、MRAM素子のデータ保持力および誤り率を決定し、障壁が小さすぎる場合、熱ゆらぎ(超常磁性)により意図しない反転が生じる場合がある。エネルギー障壁が小さいことの大きな問題点は、アレイ中の1つのMRAM素子を選択してスイッチすることが極めて難しくなる点である。選択性がよければ、不注意に他のMRAM素子をスイッチしてしまうことなくスイッチングが行なえる。トランジスタのスイッチング時に好ましくない電流サージやスパイクが発生するのを避けるため、アレイへの書き込み動作中に流れる電流を制御することが重要である。
最後に、スイッチング磁界は形状に応じて発生されるので、MRAM素子の大きさが小さくなればなるほど、スイッチング磁界は形状の変化に対して敏感になる。寸法が小さくなるほど露光によるスケーリングが困難になり、MRAM素子のスイッチ分布を高密度に
保つことが困難となる。MRAMを含むどのような型のメモリに対しても、メモリサイズの縮小および性能の向上は絶えず求められている。メモリの性能を計る重要な要素の1つは、メモリの読み出しやプログラミング(書き込み)の速度である。この速度を制限するものとして、ビットセルの性能およびアレイ中を走る配線の静電容量が挙げられる。これらの特性を改善するため、種々の技術が開発されている。例えば、メモリアレイは、通常単一のラインが過度に容量性とならないようサブアレイに分割されている。そうすることで電力消費も低減できる。メモリでは、書き込みサイクル速度を読み出しサイクル速度に近づけるため、書き込み回路を効率的にスイッチすることが重要である。FLASHメモリの大きな欠点はこの目的を達成できないことである。
しかしながら、MRAMには、高速かつ不揮発性の汎用メモリとしての将来性が期待されている。したがって、その速度およびメモリ面積効率の向上が引き続き求められている。このため、MRAMのアーキテクチャを一層改良する必要がある。
メモリアーキテクチャは、個別のビットラインを読み書き動作に使用すると共に、個別のワードラインを読み書き動作に使用し、また(各ビットを)共通のローカル読み出しビットラインを有するビットグループにグループ化する。これらのグループはさらに折り返されて、同一のグローバルビットラインに選択的に結合された2つのグループが、同一のグローバルワードラインを共有できるようにする。これらの特徴により書き込みドライバの面積およびメモリコアの平均ビットサイズを小さくできる利点が生まれ、読み出し動作と書き込み動作の重複、グローバルビットライン容量の低減および高電圧での書き込みが可能になる。
ここで、本発明の好ましい実施形態によるMRAMアレイ3の単純化した断面図を示す図1に戻る。同図には単一の磁気抵抗メモリ素子10を1つだけ示しているが、MRAMアレイ3は多くのMRAM素子10から成っていて、ここでは書き込み方法を説明する上での簡単のためにこのような素子を1つだけ示しているに過ぎないということが理解されよう。
MRAM素子10は、書き込みワードライン20と書き込みビットライン30を含む。書き込みワードライン20および書き込みビットライン30は、電流がそれを通って流れる導電材料を含む。同図において、書き込みワードライン20はMRAM素子10の真上に配置され、書き込みビットライン30はMRAM素子10の真下に配置されてワードライン20に対し90°の角度をなす(図2参照)。またはその代わりに、書き込みワードライン20がMRAM素子10の真下に配置され、書き込みビットライン30がMRAM素子10の真上に配置されてもよい。
MRAM素子10は、第1の磁性領域15、トンネル障壁16および第2の磁性領域17を有する第1のトンネル接合を含み、トンネル障壁16はその第1の磁性領域15と第2の磁性領域17の間に挟まれる。好ましい実施形態において、磁性領域15は、2つの強強磁性体層45と55の間に反強磁性結合スペーサ層65を挟む3層構造18を含む。反強磁性結合スペーサ層65は厚さ86を有し、強磁性体層45および55はそれぞれ厚さ41および51を有する。さらに、磁性領域17は、2つの強磁性体層46と56の間に反強磁性結合スペーサ層66を挟む3層構造19を有する。反強磁性結合スペーサ層66は厚さ87を有し、強磁性体層46および56はそれぞれ厚さ42および52を有する。
一般に、反強磁性結合スペーサ層65および66は、Ru、Os、Re、Cr、Rh、
Cuのうちの少なくとも1つの元素またはそれらの組合せを含む。さらに、強磁性体層45、55、46および56は、Ni、Fe、Mn、Coのうちの少なくとも1つの元素またはそれらの組合せを含む。また、磁性領域15および17は、3層構造に限らず、合成反強磁性体(SAF)層の材料構造を含むこともあり、実施形態で3層構造を用いるのは単に説明のためであるということは理解されよう。例えば、そのような合成反強磁性体層の材料構造の1例としては、強磁性体層/反強磁性体結合スペーサ層/強磁性体層/反強磁性体結合スペーサ層/強磁性体層の構造を持つ、5層スタックが挙げられる。
強磁性体層45および55は磁気モーメントベクトル57および53をそれぞれ有しているが、これらのベクトルは、反強磁性体結合スペーサ層65の結合により通常逆平行状態に保たれている。また、磁性領域15は合成磁気モーメントベクトル40を有し、磁性領域17は合成磁気モーメントベクトル50を有する。合成磁気モーメントベクトル40および50は、書き込みワードライン20および書き込みビットライン30から磁化容易軸方向に、ある角度、好ましくは45°をなす(図2参照)。さらに、磁性領域15は自由な強磁性体領域であり、これは磁界が加えられれば、合成磁気モーメントベクトル40が自由に回転できることを意味している。磁性領域17は固定された強磁性体領域であり、これは、中程度の印加磁界が存在しても合成磁気モーメントベクトル50は自由に回転できず、この領域が参照層として用いられることを意味している。
各3層構造18中の2つの強磁性体層の間に、反強磁性の結合層があるように図示しているが、これらの強磁性体層を、静磁界やその他の機能のような他の手段によって反強磁性的に結合してもよいということが理解されよう。例えば、セルのアスペクト比が5以下に縮小される場合、これら強磁性体層は静磁界閉磁束により逆平行結合される。
好ましい実施形態において、MRAM素子10は、長さ/幅比が1から5の間の非円形平面3層構造18を有する。ただし、ここでは円形の平面を示す(図2参照)。好ましい実施形態において、MRAM素子10は円形であるが、これは形状異方性がスイッチング磁界に及ぼす影響を最小限にするため、および素子の横方向の寸法を小さくするスケーリングに露光処理を使用する上で容易なためである。ただし、MRAM素子10は正方形、楕円形、長方形、菱形など他の形状にすることもでき、円形で示したのは単に簡単のためであることが理解されよう。
さらに、MRAMアレイ3の製造において、連続する各層(すなわち30、55、65など)は蒸着等の手段で順番に形成され、各MRAM素子10は、選択的蒸着、露光処理、エッチングなど半導体業界で知られているいずれかの技術によって決めることができる。少なくとも強磁性体層45および55を蒸着する際は、この強磁性体層ペアに好ましい磁化容易軸を設定するための磁界が加えられる(誘導異方性)。加えられる磁界は、磁気モーメントベクトル53および57のための好ましい異方性軸を生成する。後述するが、好ましい異方性軸は、書き込みワードライン20と書き込みビットライン30の間に45°の角度をなすように設定される。
ここで、本発明よるMRAMアレイ3の単純化した平面図を示す図2に戻る。MRAM素子10の説明を簡単にするため、すべての方向は図示のようなX−Y座標系100、および時計回り回転方向94と反時計回り回転方向96を基準とする。説明をさらに簡単にするため、再びNを2と仮定して、MRAM素子10は、磁気モーメントベクトル53および57および合成磁気モーメントベクトル40を持つ領域15に、1つの3層構造を含むものとする。さらに、スイッチングの対象となる領域15の磁気モーメントベクトルだけを示す。
書き込み方法がどのように動作するかを示すため、磁気モーメントベクトル53および
57のための好ましい異方性軸は、負のX方向および負のY方向に対して45°の角度、および正のX方向および正のY方向に対して45°の角度を持つと仮定する。一実施例として、図2では、磁気モーメントベクトル53が負のX方向および負のY方向に対して45°の角度を持つことを示している。磁気モーメントベクトル57は一般的に磁気モーメントベクトル53に対して逆平行の向きとなるので、正のX方向および正のY方向に対して45°の角度を持つことになる。後述するが、この初期方向は書き込み方法の例を示すために使用される。
好ましい実施形態において、書き込みワード電流60は正のX方向に流れる場合に正と定義し、書き込みビット電流70は正のY方向に流れる場合に正と定義する。書き込みワードライン20および書き込みビットライン30の目的は、MRAM素子10内に磁界を発生させることである。正の書き込みワード電流60は円周方向の書き込みワード磁界H80を誘起し、正の書き込みビット電流70は円周方向の書き込みビット磁界H90を誘起する。この実施例では、書き込みワードライン20が素子平面上MRAM素子10の上にあるので、H80がMRAM素子10に正の書き込みワード電流60の正のY方向に加わる。同様に、書き込みビットライン30が素子平面上MRAM素子10の下にあるので、磁界H90がMRAM素子10に正の書き込みビット電流70の正のX方向に加わる。正負電流に対する定義は任意であり、ここでの定義は例示のためであることが理解されよう。電流の向きを逆にすると、MRAM素子10内に誘起される磁界の方向を変える効果を生じる。電流が誘起する磁界の動作は当業者によく知られているので、ここではこれ以上詳述しない。
ここで、SAF3層構造のスイッチング動作のシミュレーションを示す図3に戻る。このシミュレーションは、固有の異方性とほぼ同一のモーメントを有し(ほとんど平衡したSAF)、反強磁性的に結合され、磁化の力学的特性がランダウ−リフシツ方程式によって記述される、2つの単一ドメイン磁性体層によって構成される。X軸はエルステッドで表わした書き込みワードラインの磁界振幅であり、Y軸はエルステッドで表した書き込みビットラインの磁界振幅である。磁界は図4に示すようなパルス系列100の形で加えられるが、ここでこのパルス系列100には、時間の関数としての書き込みワード電流60と、書き込みビット電流70とが含まれる。
図3には3つの動作領域を示している。領域92では、スイッチングは行なわれない。領域95でのMRAM動作に関しては、直接書き込みが有効である。直接書き込みを使用する場合は、書き込もうとする状態が、格納されている状態と異なる場合にのみスイッチングが行なわれるので、MRAM素子の初期状態を判定する必要はない。書き込まれる状態の選択は、書き込みワードライン20および書き込みビットライン30の双方を流れる電流の方向によって決められる。例えば、「1」を書き込みたい場合、両方のラインの電流の方向は正である。「1」が素子に既に格納されているところに「1」が書き込まれようとする場合、MRAM素子の最終状態は引き続き「1」である。さらに、「0」が素子に既に格納されているところに「1」が書き込まれようとする場合は、MRAM素子の最終状態は「1」になる。書き込みワードと書き込みビットラインの双方に負の電流を流すことによって「0」を書き込む場合も、同様の結果が得られる。したがって、適切な極性の電流パルスにより、所望の「1」または「0」を、その初期状態にかかわらずプログラムすることができる。本発明の開示全体にわたり、領域95における動作を「直接書き込みモード」と定義する。
領域97でのMRAM動作に関しては、トグル書き込みが有効である。トグル書き込みを使用する場合は、書き込みの前にMRAM素子の初期状態を判定する必要があるが、これは、書き込みワードライン20と書き込みビットライン30の双方に対し同極性の電流パルスが選ばれる限り、電流の方向にかかわらず、MRAM素子に書き込みがなされるた
びに状態がスイッチされるからである。例えば「1」が最初に格納されている場合、正の電流パルス系列が1つ、書き込みワードラインおよび書き込みビットラインに流れると、その後素子の状態は「0」にスイッチされる。「0」状態が格納されているところに正の電流パルス系列を繰り返すと、状態は「0」に戻る。このように、メモリ素子に所望の状態を書き込むためには、MRAM素子10の初期状態を先ず読み出して、書き込みたい状態と比較する必要がある。この読み出しおよび比較のために、情報を格納するためのバッファと記憶状態を比較するためのコンパレータを含む付加的な論理回路が必要になるかもしれない。この比較の後、格納されている状態と書き込みを所望する状態が異なる場合にのみ、MRAM素子10への書き込みが行なわれる。トグル書き込みの利点の1つは、異なるビットだけがスイッチされるので消費電力が低減されることである。トグル書き込みを使用することのもう1つの利点は、単極性の電圧のみが必要とされるので、その結果MRAM素子を駆動するN―チャンネルトランジスタの大きさを小さくできる。本発明の開示全体にわたり、領域97における動作を「トグル書き込みモード」と定義する。
どちらの書き込み方法も、書き込みワードライン20および書き込みビットライン30に電流を流して、磁気モーメントベクトル53および57が、前述の2つの好ましい方向のどちらかを向くことができるようにする。ここで、この2つのスイッチングモードを十分に説明するため、磁気モーメントベクトル53、57、および40の時間的変化を描くいくつかの特定な実施例を示す。
ここで、パルス系列100を使用して「1」を「0」に書換えるトグル書き込みモードを示す図5に戻る。同図の時刻tにおいて、磁気モーメントベクトル53および57は、図2に示す好ましい方向を向いている。この方向を「1」と定義する。
時刻tにおいて、正の書き込みワード電流60が作動し、正のy−方向を向くようなH80を誘起する。正のH80によって、ほとんど平衡した逆整列MRAM3層構造を「フロップ」させて、加えられた磁界に対してほぼ90°の方向を向かせる効果が得られる。強磁性体層45と55の間の有限反強磁性交換相互作用によって、磁気モーメントベクトル53および57が磁界方向に向かって僅かな角度だけ逸れることが可能になり、合成磁気モーメントベクトル40は、磁気モーメントベクトル53および57のなす角度の範囲を定めてH80に整列する。したがって、磁気モーメントベクトル53は時計回りの方向94に回転する。合成磁気モーメントベクトル40は磁気モーメントベクトル53および57をベクトル加算したものなので、磁気モーメントベクトル57もまた時計回りの方向94に回転する。
時刻tにおいて、正の書き込みビット電流70が作動し、正のH90を誘起する。その結果、合成磁気モーメントベクトル40は、H80により正のY−方向に、またH90により正のX−方向に同時に向けられ、この効果により、実効的な磁気モーメントベクトル40は、正のX−方向と正のY−方向の間の45°の角度をほぼ向くまで、時計回りの方向94にさらに回転する。その結果、磁気モーメントベクトル53および57もまた、時計回りの方向94にさらに回転する。
時刻tにおいて、書き込みワード電流60が停止し、これによりH90だけが合成磁気モーメントベクトル40を方向付けるようになり、合成磁気モーメントベクトル40は正のX−方角に向かう。磁気モーメントベクトル53と57の双方は、それらの異方性磁化困難軸の不安定点を過ぎた角度をほぼ指向する。
時刻tにおいて、書き込みビット電流70は停止され、磁界の力は合成磁気モーメントベクトル40に作用しなくなる。その結果、磁気モーメントベクトル53および57は、磁気異方性エネルギーを最小限にするために、最も近い好ましい方角を指向するように
なる。この場合、磁気モーメントベクトル53の好ましい方向は、正のy−方向および正のx−方向に対して45°の角度をなす方向となる。また、この好ましい方向は、時刻tにおける磁気モーメントベクトル53°の初期値であり、「0」と定義された方向から180°の角度の方向となる。したがって、MRAM素子10は「0」に切り替えられている。書き込みワードライン20と書き込みビットライン30の双方に負の電流を流して、磁気モーメントベクトル53、57および40を反時計回り96の方向に回転させることによっても、MRAM素子10をスイッチできることが理解されるであろうが、ここでは説明のため、そうでない方法を示した。
ここで、パルス系列100を用いて「0」を「1」に書換えるトグル書き込みモードを説明する図6に戻る。各時刻t、t、t、tおよびtにおける磁気モーメントベクトル53、57および合成磁気モーメントベクトル40をこの図に示すが、これは先に同じ電流および磁界方向を用いてMRAM素子10を「0」から「1」にスイッチする能力を説明したのと同様である。このようにしてMRAM素子10の状態はトグル書き込みモードによって書き込まれ、これは図3における領域97に対応する。
直接書き込みモードの場合は、磁気モーメントベクトル53の大きさが磁気モーメントベクトル57の大きさより大きいと仮定しているので、磁気モーメントベクトル40は磁気モーメントベクトル53と同じ方向を指向するが、磁界ゼロにおいても小さな大きさを有する。この不平衡モーメントがダイポールエネルギーを生じて、合計のモーメントを加えられた磁界に整列させるように働き、ほとんど平衡したSAFの対称性を崩す。したがって、スイッチングは、与えられた電流の極性に対し一方向にのみ生じる。
ここで、パルス系列100を使用して直接書き込みモードにより「1」から「0」に書換える実施例を示す図7に戻る。ここで再び、メモリ状態は、負のX−方向および負のY−方向に対して45°の方向を指向する磁気モーメントベクトル53、および正のX−方向と正のY−方向に対して45°の方向を指向する磁気モーメントベクトル57を有する初期値「1」である。正の書き込みワード電流60と正の書き込みビット電流70とを有する前述のパルス系列に従い、書き込みは前述のトグル書き込みモードと同様に行われる。各モーメントは、時刻tにおいて再び「フロップ」するが、その結果指向する角度は、不平衡なモーメントおよび異方性のため、90°からずれることに注意されたい。時刻t以降、MRAM素子10は状態「0」にスイッチされ、合成磁気モーメント40は、正のX−方向および正のY方向と45°の角度をなす所望の方向を指向する。負の書き込みワード電流60および負の書き込みビット電流70により「0」から「1」に書換える場合も、同様の結果が得られる。
ここで、新しい状態が、既に格納された状態と同じであるときに、直接書き込みモードを使用して書き込もうとする場合の実施例を示す図8に戻る。この実施例では、「0」がMRAM素子10に既に格納されており、電流パルス系列100が「0」を格納するためにここで再度流される。磁気モーメントベクトル53および57は、時刻tにおいて「フロップ」しようとするが、不平衡磁気モーメントが加えられた磁界に逆らわなければならないので、回転は小さくなる。したがって、逆の状態から回転しようとすると、付加的なエネルギー障壁が存在する。時刻tにおいて、支配モーメント53は正のX軸にほとんど整列し、その初期の異方性の方向からは45°より小さな角度をなす。時刻tでは、磁界は正のX軸に沿う方向を指向する。ここで、システムは、時計回りの方向にさらに回転させるのではなく、加えられた磁界に関するSAFモーメントの対称性を変更することによって、そのエネルギーを下げる。受動モーメント57はX軸と交差し、支配モーメント53が初期方向近くに戻り、システムは安定する。したがって、時刻tにおいて磁界が取り除かれても、MRAM素子10に格納されている状態はそのまま「0」に留まる。この時系列は、図3の領域95に示す直接書き込みモードのメカニズムを示している。
したがって、この規約に従い、「0」を書き込むためには、書き込みワードライン60と書き込みビットライン70の双方に正の電流を流すことが必要であり、逆に「1」を書き込むためには、書き込みワードライン60と書き込みビットライン70の双方に負の電流を流すことが必要である。
さらに大きな磁界が加わると、その結果として、フロップアンドシザーに関わるエネルギーの減少が、トグル現象が起こるのを阻んでいる不平衡モーメントのダイポールエネルギーが作りだす付加的なエネルギー障壁を上回る。この時点でトグル現象が起こり、スイッチングは領域97によって記述される。
時刻tおよびtが同時か、可能な限り接近している場合は、直接書き込みモードが適用される領域95を拡張すること、すなわちトグル動作モード領域97をさらに高磁界の領域に移動できる。この場合、書き込みワード電流60が流れ始めると、磁界方向はそのビットの異方性軸に関し45°の方向で開始し、次に書き込みビット電流70が流れると、磁界方向はビットの異方性軸と平行に変わる。この実施例は、磁界を印加するときの典型的な時系列に類似している。ただし、この場合、書き込みワード電流60および書き込みビット電流70が実質的に同時に停止するので、磁界方向はそれ以上回転しない。したがって、書き込みワード電流60と書き込みビット電流70の双方が作動しても合成磁気モーメントベクトル40が既にその磁化困難軸の不安定点を過ぎているようにするために、加える磁界は十分大きくなければならない。磁界の方向は、さきの90°の代わりに45°だけ回転しているにすぎないので、トグル書き込みモードの事象が起きる可能性はさらに小さい。磁界の立下り時刻tとtを実質的に一致させる利点は、磁界の立ち上がり時刻tおよびtの順序に対し何も追加的な制限をしなくてよいということである。このように磁界を作動させる順序は任意でよく、または実質的に同時でもよい。
上記の書き込み方法は、書き込みワード電流60と書き込みビット電流70の双方が時刻tとtの間で作動するMRAM素子のみが状態をスイッチするという点で、極めて選択的ということができる。この機能を図9および図10に示す。図9に書き込みワード電流60は作動せずに書き込みビット電流70が作動する場合のパルス時系列100を示す。図10にMRAM素子10の状態の、この時系列に対応する動作を示す。tにおいて、磁気モーメントベクトル53と57、および合成磁気モーメントベクトル40は、図2に示すような方向を指向する。パルス系列100において、書き込みビット電流70は時刻tで作動する。この間、H90は合成磁気モーメントベクトル40を正のX−軸方向に指向させる。
書き込みワード電流60が流れ始めないので、合成磁気モーメントベクトル53および57は、決してそれらの異方性磁化困難軸の不安定点を通って回転しない。その結果、書き込みビット電流70が停止されるtにおいて、磁気モーメントベクトル53および57は、この場合時刻tにおける初期方向である、最も近い好ましい方向を指向する。したがって、MRAM素子10の状態はスイッチされない。書き込みビット電流70が作動せず、書き込みワード電流60が上記同様の時点で作動しても、同じ結果になることは理解されよう。この機能により、メモリアレイ中のただ1つのMRAM素子だけがスイッチされ、他の素子はそれぞれ初期状態のまま留まることが確保される。その結果、意図しないスイッチングが回避されて、ビット誤り率は最小になる。
図11に、メモリアレイ112、書き込みワードデコーダ114、書き込みワードラインドライバ116、読み出しワードデコーダ118、読み出しワードラインドライバ120、1つまたは2つ以上のセンスアンプ122、読み出しビットデコーダ124、書き込みビットデコーダ126、書き込みビットドライバ128、コンパレータ130および出力ドライバ132を有するメモリ110を示す。これらの構成要素は、複数のラインによ
って互いに結合されている。例えば、読み出しビットデコーダ124は、複数のアドレス信号からなる列アドレスを受け取る。メモリアレイ112は、トグル動作でスイッチされるメモリセルのアレイである。メモリアレイ112用メモリセルの1区分が、図14に示すメモリアレイ200であり、このMRAMセルアレイに対して、180°に達するまで45°の角度ずつ4ステップで書き込みが行なわれるという、図1のメモリアレイ3について説明した方法により、書き込みが行なわれる。この特に好ましいセルアレイは、書き込み動作および読み出し動作のため、ワードラインおよびビットラインを個別に備える。
行アドレスを受け取る読み出しワードデコーダ118は読み出しワードラインドライバ120に接続され、読み出しワードラインドライバは次にメモリアレイ112に接続される。読み出しのため、読み出しワードデコーダ118は、メモリアレイ112中の読み出しワードラインを、行アドレスに基づいて選択する。選択されたワードラインは、読み出しラインドライバ120によって駆動される。センスアンプ122とメモリアレイ112の間に接続される読み出しビットデコーダ124は、列アドレスを受け取り、読み出しビットデコーダ124からの読み出しビットラインを、列アドレスに基づいてメモリアレイ112から選び、その読み出しビットラインをセンスアンプ122に接続する。センスアンプ122は論理状態を検知し、その結果を出力ドライバ132およびコンパレータ130に接続する。出力ドライバ132は、読み出しのため、データ出力信号D0を供給する。書き込み操作については、コンパレータ130が、センスアンプ122から供給される選択されたセルの論理状態を、DATA INが供給する書き込みを所望する論理状態と比較する。
列アドレスを受け取る書き込みワードデコーダ114は書き込みワードラインドライバ116に接続され、書き込みワードラインドライバは次にメモリアレイ112に接続される。書き込みワードデコーダ114は、書き込みのため、行アドレスに基づきメモリアレイ112中の書き込みワードラインを選択し、次に書き込みワードラインドライバが、選択した書き込みワードラインを駆動する。列アドレスを受け取る書き込みビットデコーダ126は、書き込みビットドライバ128に接続され、書き込みビットラインドライバは次にメモリアレイ112に接続される。書き込みビットデコーダ126は列アドレスにより書き込みビットラインを選択し、次に書き込みビットドライバ128が選択された書き込みビットラインを駆動して選択されたセルの状態をトグルスイッチングさせる。
メモリアレイ112はトグルメモリなので、選択されたセルの論理状態を所望の状態にするためにセルの論理状態を反転させる必要がある場合にのみ、書き込みトグル動作が行われる。したがって、コンパレータ130は、選択されたセルに対する読み出し動作の出力をセンスアンプ122から受け取り、選択されたセルの論理状態が既に所望の状態を有しているかどうか判定する。行と列アドレスによって指定され選択されたセルが、既に所望の論理状態を有している場合、書き込み動作はそのまま終了する。選択されたセルの論理状態が所望の状態とは異なる場合、コンパレータは書き込みを継続せねばならないことを書き込みビットドライバ128に伝え、選択された書き込みビットラインに対する書き込みビットドライバは、選択された書き込みビットラインを駆動する。
書き込みワードラインWLに接続された書き込みワードラインドライバ116、書き込みビットラインBLに接続された書き込みビットドライバ128、および書き込みビットラインBLと書き込みワードラインWLの交点で接続されたセル134、136、138および140を有する図11のメモリ110の一部分を図12に示す。書き込みを行なうため、選択された書き込みワードラインに沿うメモリセル内で最初の角度変化が生じるのに十分な時間だけ、選択されたワードラインWLに電流を流し、選択された書き込みビットラインには電流を流さない。選択された書き込みワードラインを電流がまだ流れているうちに、選択された書き込みビットラインに電流が流されると、選択されたメモリセルは
2番目の角度変化を起こす。書き込みビットラインおよび書き込みワードラインを流れる電流の交差点においてのみ、この2番目の角度変化が生じる。選択された書き込みワードラインを電流がまだ流れているうちに、選択された書き込みビットラインを流れる電流が停止されると、選択されたメモリセルでは3番目の角度変化が生じる。書き込みビットラインおよび書き込みワードラインを流れる電流の交差点においてのみ、この3番目の角度変化が生じる。選択された書き込みビットラインを流れる電流が停止されると、選択されたメモリセルでは4番目の角度変化が生じる。
図13のタイミング図を参照して、メモリ110の書き込み動作をさらに説明する。読み出しと書き込みトグル動作の双方とも、図13に示すように、読み出しワードラインWLAを実行可能にするような行アドレスまたは列アドレスの変化により起動される。論理状態を反転させる必要があると判定されないうちに書き込みを実行きないが、それにもかかわらず、センスアンプが出力を出しコンパレータが論理状態を反転させる必要があると判定する以前に、書き込みワードラインが実行可能にされて、書き込みサイクルが始まってもよい。書き込みワードラインを実行可能にすると(電流を流し始めると)、選択されたセルと同時に、選択された書き込みワードラインに沿うすべてのセルも最初の角度変化を起こすが、書き込みビットラインを実行可能にせずに電流が停止されるとこの変化は元に戻される。
このように、最初の角度変化は単に電流を停止するだけで元に戻るので、選択された書き込みワードラインは、コンパレータが判定を行なう以前に実行可能になってもよい。選択された書き込みワードラインの上のセルはすべて最初の角度変化をするが、そのうちの1つを除くすべてのセルは選択されないので、必ず上記のようになる。しかしながら、選択されたセルだけは2番目の角度変化に進み、それは書き込みビットラインが実行可能とされるときに生じる。これは、コンパレータが論理状態の変更が必要との判定をした後にこの状況になることを示している。最初の角度変化は0°から45°まで、2番目の変化は45°から90°までであることを示している。3番目の角度変化は、書き込みワードラインが無効化される(電流が停止される)場合に生じることを示している。この3番目の角度変化は、図示のごとく90°から135°である。最後の角度変化は4番目の角度変化であり、書き込みビットラインが無効化されるときに生じる。この4番目の角度変化は、図示のごとく135°から180°である。
書き込みのこの最終段階は、新しいサイクルを起動する次のアドレス変更後も継続できることを示している。書き込みサイクルであっても、サイクルの始めは常に読み出しから始まる。アドレスAはアドレスBに変わり、読み出しワードラインBが選択される。この選択は、以前に選択されたセルの書き込みに影響を与えない。ここで示しているのは読み出しワードラインの変更であるが、アドレスの変更が列のみであって、選択される読み出しワードラインは変わらない場合でも、電流が流れ続けているので、書き込みの終了に悪影響を与えない。また、すべてのサイクルはいずれにせよ読み出し動作から始まるので、書き込みイネーブル信号が、サイクルの開始時点でアクティブにされている必要は必ずしもないことに注目されたい。しかし、書き込みビットラインがアクティブとなるには、書き込みイネーブル信号は十分早くからアクティブでなければならない。
以上の説明は選択された1つのセルに関して行なったが、これは理解を容易にするためである。実際には、通常複数のセルが選択されるが、その様子を図11に複数本の信号線である構成要素間の信号接続によって示す。このように、例えばメモリ110がx16メモリの場合には、コンパレータ130は実際には、選択されたセルごとに16通りの異なる比較を行うことになる。16個の比較結果のうち不一致を示したものだけが、選択された中で不一致のセルの書き込み動作を開始させることになる。選択されたセルで比較結果が一致となったものは反転されない。
メモリアレイ200の一部分と、メモリコア201を構成するために接続された複数のドライバ、デコーダ、およびセンサブロックとを図14に示す。メモリアレイ200の一部分は、MRAM素子202、204、206、208、210、212、213、214、216、218、220、222、224、226、227、228を有する。これらのMRAM素子はそれぞれ、3つの電流路を有する。これら3つの電流路のうち、第1の電流路および第2の電流路は書き込み電流路であり、互いに直交している。これらの2つの電流路は、図12、図13に示すように、セルの論理状態をスイッチする信号を運ぶ。45度の角度をなす抵抗器として図示した3番目の電流路は、取り得る2つの磁気抵抗状態のうちの1つにあらかじめ設定された磁気抵抗トンネル接合を流れる、読み出し電流の流路を表わす。メモリアレイ200は、選択用トランジスタ230、232、234、236、238、240、242、244、260、262、264、266、268、270、272、274をさらに有し、それらは、MRAM素子202、204、206、208、210、212、213、214、216、218、220、222、224、226、227、228にそれぞれ対応する3番目の電流路にそれぞれ直列に接続されている。選択用トランジスタと3番目の電流路の接続は、これらのトランジスタの第1の電流電極を3番目の電流路に接続し、第2の電流電極を接地(VSS)に接続することによる。それぞれの選択用トランジスタ素子とMRAM素子の組合せが、それぞれ1つのメモリセルを構成する。
メモリコア201は、MRAM素子の第1の電流路を通る書き込みワードラインWWL0、WWL1、WWL2、およびWWL3を有する。WWL0は、MRAM素子202、210、216、および224を通る。WWL1は、MRAM素子204、212、218、および226を通る。WWL2は、MRAM素子206、213、220、および227を通る。WWL3は、MRAM素子208、214、222、および228を通る。メモリアレイ200は、MRAM素子の第2の電流路を通る書き込みビットラインWBL0、WBL1、WBL2、およびWBL3をさらに有する。WBL0は、MRAM素子202、204、206、および208を通る。WBL1は、MRAM素子210、212、213、および214を通る。WBL2は、MRAM素子216、218、220、および222を通る。WBL3は、MRAM素子224、226、227、および228を通る。さらにメモリアレイ200は、選択用トランジスタのゲートに接続される読み出しワードラインRWL0、RWL1、RWL2、およびRWL3を有する。RWL0は、選択用トランジスタ230、238、260および268に接続される。RWL1は、選択用トランジスタ232、240、262、および270に接続される。RWL2は、選択用トランジスタ234、242、264、および272に接続される。RWL3は、選択用トランジスタ236、244、266、および274に接続される。
メモリアレイ200はさらに、読み出しグローバルビットラインRGBL0およびRGBL1と、グループ選択ラインGS0、GS1、GS2、およびGS3とを有する。メモリアレイ200はさらに、メモリセルのグループを読み出しグローバルビットラインに接続するための、グループ選択用トランジスタ250、252、254、256、276、278、280、282を有する。メモリアレイ200はさらに、各グループのMRAM素子の3番目の電流路にそれぞれ接続されるローカルビットライン251、253、255、257、277、279、281、283を有する。すなわち、グループごとに、これらのローカルビットラインのうちの1つが割り当てられる。
トランジスタ250と252はそれぞれ、互いに結合され、またグローバルビットラインRGBL0に接続された、第1の電流電極を有する。トランジスタ254と256はそれぞれ、互いに結合され、またグローバルビットラインRGBL0に接続された、第1の電流電極を有する。トランジスタ276と278はそれぞれ、互いに結合され、またグロ
ーバルビットラインRGBL1に接続された、第1の電流電極を有する。トランジスタ280と282はそれぞれ、互いに結合され、またグローバルビットラインRGBL1に接続された、第1の電流電極を有する。トランジスタ250、252、254、256、276、278、280、282はそれぞれ、ローカルビットライン251、253、255、257、277、279、281、283に接続された第2の電流電極を有する。ローカルビットライン251、253、255、257、277、279、281、283は、MRAM素子202と204、206と208、210と212、213と214、216と218、220と222、224と226、227と228の、3番目の電流路にそれぞれ接続される。グループ選択ラインGS0はグループ選択トランジスタ250および276に接続される。グループ選択ラインGS1はグループ選択トランジスタ252および278に接続される。グループ選択ラインGS2はグループ選択トランジスタ254および280に接続される。グループ選択ラインGS3はグループ選択トランジスタ256および282に接続される。
メモリコア201は、メモリアレイ200に加えて、書き込み列デコーダ/ドライバ283、284、285、および286と、書き込み行デコーダ/ドライバ287、289、291、および293と、読み出し行デコーダ/ドライバ288、290、292、および294と読み出し列デコーダ/センスアンプ295および296とを有する。書き込み列デコーダ/ドライバ283、284、285、および286は、書き込みビットラインWBL0、WBL1WBL2、およびWBL3にそれぞれ接続される。書き込み行デコーダ/ドライバ287、289、291、および293は、書き込みワードラインWWL0、WWL1、WWL2、およびWWL3にそれぞれ接続される。読み出し行デコーダ/ドライバ288、290、292、および294は、読み出しワードラインRWL0、RWL1、RWL2、およびRWL3にそれぞれ接続される。読み出し列デコーダ/センスアンプ296および295は、読み出しグローバルビットラインRGBL0およびRGBL1にそれぞれ接続される。
MRAM素子202のようなMRAM素子では、動作時に、この実施例におけるWWL0のような選択された書き込みワードラインおよびWBLOのような選択された書き込みビットラインに電流を流して、メモリの状態をトグル動作させることにより書き込みが行なわれる。また、メモリセルがトグル書き込みセルではなく直接書き込みセルである場合もやはり、WWLOおよびWBLOを通じて直接状態を書き込むことができる。すべてのMRAM素子は、特定のMRAM素子を指定する書き込みワードラインおよび書き込みビットラインに電流を流すことによって選択される。MRAM素子202のようなMRAM素子の状態は、トランジスタ230のような対応する選択用トランジスタのゲートに、読み出しワードラインRWLOを通じて十分な電圧を印加し、トランジスタ250のような対応するグループトランジスタのゲートに、グループ選択ラインGSOを通じて十分な電圧を印加し、この実施例では、MRAM素子202である、選択されたMRAM素子の状態を、列デコーダ/センスアンプ296により、読み出しグローバルビットRGBL0を通じて感知することで読み出される。1つのグループは、それぞれの3番目の電流路が共通に接続された複数のMRAM素子により構成される。したがって、セル自体により読み出しグローバルビットラインに付加される静電容量は、そのグループ内のセルによるものに限られる。またトランジスタ250および252は共通に接続された電流電極を有し、それぞれのゲートは異なる選択ラインに接続される。このことにより、グループを折り返してグローバルビットラインを共有し、グループ間の選択は異なるグローバル選択ラインによって行うことができるという効果がある。このように行方向に追加のラインがあり、列方向にはほとんど無い。この方法の利点は、行方向のライン増加が各セルグループにつき1つということである。グループのセル数が、好ましい数と考えられる32である場合には、32セル分の距離に対し、追加のグローバル選択ラインは1つでよい。折り返しを行なう場合、2列ごとに1つの読み出しグローバルビットラインでよいが、折り返しをし
ない場合には、1列ごとに1つの読み出しグローバルビットラインが必要である。このように、折り返さない場合は、折り返す場合に比べ、2セル幅を占める2列ごとに読み出しグローバルビットラインが1つ余計に必要になるという結果になる。このように、得失を考えれば明らかにビットライン折り返しのほうが有利である。この空間上の利点を、ラインの抵抗値を減少させるためにライン寸法を大きくすること、メモリコアのサイズを減少させること、またはその両者の組合せに利用できる。
さらに、書き込みラインと読み出しラインを分離することにより、書き込みラインの1端を直接供給電源VDDに接続でき、書き込みラインおよび読み出しラインが同一ラインを共有する場合必要になる第2の電流スイッチを省略できる。こうして、書き込みドライバの全面積はさらに縮小され、メモリコアの平均ビットサイズもさらに小さくなる。さらに、読み出しと書き込みでラインを切り替える必要がないので、読み出し回路を破損する恐れがなく、最良パフォーマンスを得るように書き込み電圧を最適化できる。さらに、選択用トランジスタは書き込み電圧を受け取らないので、これら選択用トランジスタは書き込みレベルの電圧を受け取る必要がなく、したがってこれらの選択用トランジスタの大きさをはるかに小さくできる。これによりメモリセルの大きさを縮小できる。異なる電圧条件のための製造方法が異なるトランジスタを使用するのが一般的な場合、このことは特に重要である。
図15に、MRAM素子202とトランジスタ230を有するメモリセルの断面図を示す。同図は、図14のアーキテクチャの利点を持つように配置したMRAM素子に共通する構成要素を示す。MRAM技術の標準的な応用例として、MRAM素子は、例えばマイクロプロセッサのような大規模論理回路を有する回路で使用される。その場合、論理素子設計に使われる金属面がいくつかあり、MRAM素子を構成する記憶素子は、それらの金属層が形成された後に製造される。これは、トンネル接合が通常、劣化なしで摂氏約400度以上の温度に耐えられないためである。
MRAM素子202は、トンネル接合300、相互接続306、相互接続304、および書き込み電流路314および302を有する。相互接続304は、またローカルビットライン251でもある。トランジスタ230はソース324と、ドレイン322と、ゲート323とを有する。トランジスタ230のドレイン322は、論理素子に使用される金属層として形成される相互接続318、相互接続308、相互接続310、および相互接続312を介して、MRAM素子202に接続される。これら金属相互接続層は、よく知られた技術のビアにより相互接続される。書き込み電流路314は、相互接続318と同一の金属層中に形成される。ゲート323は、相互接続320に周期的に接続される読み出しワードラインRWL0の一部である。相互接続320を使用する目的は、RWL0の抵抗を小さくすることである。これは、ポリシリコンの比較的高い抵抗をストラップするためによく使われる技術である。
図16は、MRAM素子202およびトランジスタ230を図15に示すように切って得られる断面図である。この断面図は、MRAM素子210とトランジスタ238とを含むように拡大してある。同図はまた、読み出しグローバルビットラインRGBL0が相互接続310と同一平面にあることを示している。トンネル接合300およびWWL0は、断面ラインから外れているので図16中に示していないことに注意されたい。MRAM素子210の図16中に示した部分は、書き込みビットラインWBL1である。MRAM素子202と同様に、MRAM素子210の3番目の電流路は、相互接続340、相互接続338、相互接続336、相互接続334、相互接続330によってトランジスタ232に接続される。相互接続330および306は、MRAM素子210および202のトンネル接合に、それぞれ直接接続される。これらの断面図は、特別な工程を要する特殊な構造を使用せずにこのアーキテクチャが実現できることを示している。
図17は、図14に示したメモリアレイの一部分の、別の構成を示す。この場合、各グループ中のメモリセルは直列メモリとして配置される。複数の隣接ビットセルグループは、それぞれ直列に基準回路に接続される。この場合の基準回路は接地である。この別の構成にローカルビットラインは無い。同様な機能の素子には同じ素子番号を付している。
図18に、アレイ352、ビット書き込みドライバ354、タイマー356、ワード書き込みデコーダ358、ワード書き込みドライバ360、ビット書き込みデコード/比較回路362、基準回路364を一般に有する、MRAMアーキテクチャ350を示す。MRAMアーキテクチャ350に関連する読み出し回路を示していないのは、書き込みまたはプログラム動作の説明を簡単にするためであることは十分理解されよう。
アレイ352は、書き込みビットライン366、367、368、369、370、371のような複数の並列の書き込みビットラインを有する。アレイ352は、書き込みワードライン374、375、および376のような複数の書き込みワードラインをさらに有する。各ワードラインと各ビットラインの交差点に存在するMRAMメモリセルを、便宜のため簡単に円で示す。電源VDDは、各ビットラインおよび各ワードラインに接続される。それぞれのMRAMメモリセルは、ビットライン電流Ibおよびワードライン電流Iwを使用してプログラムされる。また、それぞれのビットラインには大きな寄生抵抗Rbがある。
ビット書き込みドライバ354は、その内部に、書き込み列デコードトランジスタスイッチ390−395のような複数のビットライン選択用または列選択用トランジスタを有しており、そのそれぞれは、ビット書き込みデコード/比較回路362からの制御信号によって制御されるゲートを有している。トランジスタ390のドレインはビットライン366の最下段メモリセルに接続され、ゲートは制御信号B0−0に接続され、またソースは第1の共通レール397に接続される。トランジスタ391のドレインはビットライン367の最下段メモリセルに接続され、ゲートは制御信号B0−1に接続され、またソースは第1の共通レール397に接続される。トランジスタ392のドレインはビットライン368の最下段メモリセルに接続され、ゲートは制御信号B0−31に接続され、またソースは第1の共通レール397に接続される。トランジスタ393のドレインはビットライン369の最下段メモリセルに接続され、ゲートは制御信号B1−0に接続され、またソースは第2の共通レール399に接続される。トランジスタ394のドレインはビットライン370の最下段メモリセルに接続され、ゲートは制御信号B1−1に接続され、またソースは第2の共通レール399に接続される。トランジスタ395のドレインはビットライン371の最下段メモリセルに接続され、ゲートは制御信号B1−31に接続され、またソースは第2の共通レール399に接続される。メタルオプション398は第1の共通レール397および第2の共通レール399のそれぞれに接続されており、第1の共通レール397を第2の共通レール399に選択的に接続される。メタルオプション398の実装を変えたものも容易に使用できることは十分理解されよう。例えば、以下に説明する理由で、第1の共通レール397および第2の共通レール399がプログラマブルヒューズによって最初は互いに接続されているが、以下に説明する理由で、所望なら、その後ヒューズを選択的に溶断し、接続を切断してもよい。あらかじめ第1の共通のレール397にプレチャージするためのプレチャージトランジスタ402は、(VDD−V)に等しい電位に接続されたソースを有しており、ここでVは、列選択回路に使用されるN−チャネルトランジスタの閾値電圧である。トランジスタ402のゲートは、ビット書き込みデコード/比較回路362からのプレチャージ制御信号P0に接続される。トランジスタ402のドレインは第1の共通レール397に接続される。第1の共通レール397とVSSの間に、寄生容量405が存在する。あらかじめ第2の共通レール399にプレチャージするためのプレチャージトランジスタ404のソースは、(VDD−V)に
等しい電位に接続される。トランジスタ404のゲートは、ビット書き込みデコード/比較回路362からのプレチャージ制御信号P1に接続される。トランジスタ404のドレインは第2の共通レール399に接続される。
基準回路364は、導体416を介して、トランジスタ410のドレインへ基準電流Irefを供給する。トランジスタ410のドレインは、それ自身のゲートとトランジスタ412のゲートに接続される。トランジスタ410のソースは、クリーン基準電圧端子VSSCに接続される。トランジスタ412のソースは、クリーン基準電圧端子VSSCに接続される。トランジスタ412もドレインを有する。トランジスタ414のゲートは導体416に接続される。トランジスタ414のソースは導体418に接続される。トランジスタ414のゲートとトランジスタ410のゲートの間の導体416の寄生抵抗は、トランジスタ414のソースとVSSCの間の導体418の寄生抵抗のほぼ10倍以上である。
トランジスタ414のドレインはトランジスタ420のドレインに接続され、トランジスタ420のゲートはトランジスタ420自身のゲートおよびトランジスタ424のゲートに接続される。トランジスタ420のソースはトランジスタ422のドレインに接続される。トランジスタ422のソースはVDDに接続される。トランジスタ424のソースはトランジスタ426のドレインに接続される。トランジスタ422のゲートはトランジスタ426のゲートに接続されて、ビット書き込みデコート/比較回路362からのラベル名A1の制御信号を受け取る。トランジスタ426のソースはVDDに接続される。トランジスタ424のドレインはトランジスタ430のドレインに接続され、トランジスタ430のゲートはそれ自身のドレインおよびトランジスタ434のゲートに接続される。トランジスタ430のソースはトランジスタ432のドレインに接続される。トランジスタ432のゲートはVDDに接続され、トランジスタ432のソースはVSSに接続される。トランジスタ434のドレインは第2の共通レール399に接続される。トランジスタ434のソースはトランジスタ436のドレインに接続される。トランジスタ436のゲートは、ビット書き込みデコード/比較回路362からの制御信号Cに接続される。トランジスタ436のソースはVSSに接続される。トランジスタ412のドレインは、トランジスタ440のドレインに接続され、トランジスタ440のゲートはそれ自身のドレインおよびトランジスタ444のゲートに接続される。トランジスタ440のソースはトランジスタ442のドレインに接続される。トランジスタ442のソースはVDDに接続される。トランジスタ444のソースはトランジスタ446のドレインに接続される。トランジスタ446のソースはVDDに接続される。トランジスタ446のゲートはトランジスタ442のゲートに接続されて、ビット書き込みデコード/比較回路362からのタイミング信号A0を受け取る制御端子となる。トランジスタ444のドレインはトランジスタ450のドレインに接続され、トランジスタ450のゲートはそれ自身のドレインおよびトランジスタ454のゲートに接続される。トランジスタ450のソースはトランジスタ452のドレインに接続される。トランジスタ452のソースはVSSに接続される。トランジスタ452のゲートはVDDに接続される。トランジスタ454のソースはトランジスタ456のドレインに接続される。トランジスタ456のゲートは、ビット書き込みデコード/比較回路362からの制御信号Cに接続される。トランジスタ456のソースはVSSに接続される。トランジスタ454のドレインは、第1の共通レール397に接続される。
ビット書き込みデコード/比較回路362は、ここで説明している制御信号A、B、C、およびPを供給する。タイマー356は、ビット書き込みデコード/比較回路362の第1の入力に接続される第1の出力を有する。ビット書き込みデコード/比較回路362は、マルチビットデータ出力DATA OUTを受け取るための第2の入力と、マルチビットデータ入力DATA INを受け取るための第3の入力と、マルチビットビットアド
レスを受け取るための第4の入力とを有する。タイマー356の第2の出力は、ワード書き込みデコーダ358の第1の入力に接続される。ワード書き込みデコーダ358の第2の入力は、マルチビットワードアドレスを受け取る。ワード書き込みデコーダ358の出力は、ワード書き込みドライバ360の入力に接続される。ワード書き込みドライバ360は複数の出力を有し、そのそれぞれの出力は、メモリアレイ352中の所定の行ラインまたはワードラインに接続される。図示の形態では、トランジスタ402、404、446、444、442、440、426、422、424、420はP−チャネルトランジスタであり、図18中の他のすべてのトランジスタはN−チャネルトランジスタである。ビット書き込みドライバの詳細は図18に示されていることを認識されたい。単純化のためワード書き込みドライバ360の詳細は明確に示していないが、ビット書き込みドライバ354に類似した構造を有している。
MRAMアーキテクチャ350は、動作上、メモリセル380のような行と列に組織化された複数のメモリセルを有し、それら複数のメモリセルはそれぞれ行と列の交点に位置している。書き込みビットライン366のような複数の書き込みビットラインは、複数の書き込みワードラインと交差する。それぞれの書き込みビットラインは第1および第2の終端を有する。同様に、書き込みワードラインは第1および第2の終端を有する。選択された書き込みビットラインおよび選択された書き込みワードライン上を第1の終端から第2の終端に向かって流れる電流は、その2本のラインの交差点に位置するメモリセルへの書き込み動作を発生させる。複数の書き込みビットラインの第1の終端は、共通のノードまたはバス(すなわちレール)に直接接続される。図示の形態では、共通のノードは電源端子VDDである。図18において、電源端子を逆にして、第1の終端をVSSに接続してもよいことが理解されよう。さらに、第1の終端における共通ノードを所定の電源端子に接続するため、トランジスタスイッチ(図示されない)を用いてもよい。これらの説明はすべて、図18の書き込みワードラインに等しく適用可能であることを認識されたい。
データは、アレイ352に書き込まれ、格納され、読み出される。書き込み動作を実行するため、ワード書き込みデコーダはワード書き込みドライバを実行可能にして、アレイ352中の1つのワードラインを選択する。同様に、ビット書き込みデコーダ/比較回路362は、書き込み動作を実行するためビット書き込みドライバ354を実行可能にして、アレイ352の1つの列またはビットラインを選択する。選択されたビットラインとワードラインの交点が、アドレスされたアレイ352のメモリセルである。タイマー356は、ワード書き込みデコーダ358およびビット書き込みデコード/比較回路362に適切なタイミング情報を提供する。タイマー356内で生成されたタイミング信号は、RC時間遅延素子を用いて低感度の電圧/温度(VT)特性を持つように設計されているが、これについてはタイミング信号の生成に関連して図20で説明する。
ビット書き込みドライバ354の内部には、2つのビットグループがある。第1のビットグループのビットラインは、個々の書き込み列デコードスイッチ390−392を介して、第1の共通レール397に接続される。同様に、第2のビットグループのビットラインは、個々の書き込み列デコードスイッチ393−395を介して、第2の共通レール399に接続される。ビット書き込みドライバ354内には、図示のごとく3段直列接続された電流ミラー回路があり、3段のうちトランジスタ410、412、および414によって形成される最初の1段の半分、すなわちトランジスタ410は、連続的に導通している。共通レール397、399はそれぞれ、スイッチ可能な電流ミラー段419およびスイッチ可能な電流ミラー段425に接続される。中間のスイッチ可能な電流ミラー段421および423はそれぞれ、スイッチ可能な電流ミラー段419と第1段、およびスイッチ可能な電流ミラー段425と第1段の間に結合される。
図18において、スイッチ可能なトランジスタ440、442、444、および446
は、スイッチ可能な電流ミラー段421を形成し、トランジスタ450、452、454、および456は、スイッチ可能な電流ミラー段419を形成する。スイッチ可能なトランジスタ420、422、424、および426は、スイッチ可能な電流ミラー段423を形成し、トランジスタ430、432、434、および436は、スイッチ可能な電流ミラー段425を形成する。3段直列接続された電流ミラー2つは、いずれも共通の基準回路364からバイアスを供給される。基準回路364からの基準電流Irefは、第1段のミラー段の共有N−チャネルミラー素子であるトランジスタ410から、雑音の無い、分離された接地端子VSSCへと流れるが、ここでラベル名VSSCの「C」は「クリーン」を表わす。トランジスタ410に加わるゲート電圧はIref電流から基準電圧を形成し、トランジスタ412からVSSCへ流れる基準電流を設定することにより、中間のスイッチ可能な電流ミラー段421に結合される。同様に、トランジスタ410に加わるゲート電圧はIref電流から基準電圧を形成し、トランジスタ414からVSSCへ流れる基準電流を設定することにより、中間のスイッチ可能な電流ミラー段423に結合される。
基準回路364は他の回路(図示されない)と共有されることが多いので、基準回路364は通常、集積回路上で図18に示す他のモジュールから(比較的)離れた位置に置かれる。このため、基準回路364からトランジスタ410、412、および414を有する第1のミラー段へIrefを運ぶ導体の抵抗は著しく大きくなる。この導体の抵抗による電圧降下を最小限にするため、ビット書き込みドライバ354内の3段電流ミラーの各段は、最小のIref電流(例えば数十マイクロアンペア)で書き込み動作を実行するために書き込み駆動電流を十分大きく(例えばミリアンペア領域に)できるように、所定の設計値の電流倍率を有している。さらに、トランジスタ410を通じて流れる基準電流Irefは待機電流として連続的に流れている。したがって、Irefを最小にすることは、消費される待機電源電力の削減につながる。電流ミラーのスイッチ可能な段の内部およびトランジスタ412および414からトランジスタ410への電流ミラー比は、例示の目的だけのために、各ミラー段内で10倍にする。したがって、トランジスタ412および414のそれぞれを流れる電流は、トランジスタ410を流れる電流の10倍になる。導体416および418は、寄生抵抗による電圧降下ができるだけ等しくなるように設計されている。図18図に示す形態では、Rを任意の抵抗単位としたとき、導体416は寄生抵抗10Rを有し、導体418は寄生抵抗Rを有するように示している。すなわち、導体416および418は、寄生抵抗の比が結果として10:1になるような物理的特性(幅、長さ、厚さ、材料の種類など)を有するように意図的に製造されている。クリーンな(すなわち他からの電圧変動に影響されない)VSSC接地端子が存在し、導体418および416上の抵抗性電圧降下が平衡しているため、トランジスタ414および412のゲート−ソース間電圧は、トランジスタ410のゲート−ソース間電圧に等しくなる。
図18のMRAMアーキテクチャ350の書き込み動作を理解するのに有用なグラフを図19に示す。図19は、アレイ352の任意のメモリセルの、書き込みワードライン電流と書き込みビットライン電流間の(電流の)大きさとタイミング関係を示している。図示の形態ではトグルMRAM書き込み動作を仮定している。所定のメモリセルに書き込みを行なうためには、先ず時刻ten1において書き込みワードライン電流を0(または0に近い値)から増加させ始め、一定の固定遷移時間tRWの間に、所定の大きさにすることが必要である。書き込みワードライン電流は、時刻ten3まで略一定に保持される。トグル動作において、いったん所定のメモリセルが、メモリアドレスデコード動作によって時刻ten2に先立ち識別されると、そのアドレスロケーションの現在のデータ値が何かが判定されなければならない。新しいデータ値が現在格納されている値と同一と判定された場合(すなわちビット書き込みデコード/比較回路362で行なわれる比較ステップ)、書き込みビットライン電流は印加されず、そのメモリセルへの書き込み動作の全部は行なわれない。すなわち、ビット書き込みデコード/比較回路362は与えられたアドレ
スに対して、現在のデータ値(Data Out)を所望のデータ値(Data In)と比較する動作を実行し、トグル動作が必要かどうかを判定する。時刻ten2から一定の固定遷移時間tRBをかけて、書き込みビットライン電流は0(または0に近い値)から所定の大きさまで増加させられる。ワード電流の大きさおよびビット電流の大きさを、図では理解を容易にするために異なるものとしているが、これら2つの電流は同じ大きさであってもよい。書き込みビットライン電流は、時刻ten4までほぼ一定に保持される。時刻ten3から一定の固定遷移時間tFWをかけて、ワードライン電流の遷移は0に近い値に戻る。時刻ten4から一定の固定遷移時間tFBをかけて、ビットライン電流の遷移は0に近い値に戻る。
en1、ten2、ten3、およびten4で定義される書き込み動作に関連するイベントの正確なタイミングは、図18のタイマー356で生成される。タイマー356の詳細な実装を図20に示す。タイマー356は、書き込み動作の開始によって生成される入力イネーブル信号INを受け取るための入力端子を有する。インバータ460の入力は、入力イネーブル信号に接続される。インバータ460の出力は、抵抗器462の第1の端子に接続される。抵抗器462の第2の端子は、コンデンサ464の第1の電極およびインバータ463の入力に接続される。コンデンサ464の第2の電極は、ラベル名VSSの電圧基準端子に接続される。インバータ463の出力は信号en1を出力し、インバータ466の入力に接続される。インバータ466の出力は、抵抗器468の第1の端子に接続される。抵抗器468の第2の端子は、コンデンサ470の第1の電極およびインバータ472の入力に接続される。コンデンサ470の第2の電極は、ラベル名VSSの電圧基準端子に接続される。インバータ472の出力は信号en2を出力し、インバータ474の入力に接続される。インバータ474の出力は、抵抗器476の第1の端子に接続される。抵抗器476の第2の端子は、コンデンサ478の第1の電極およびインバータ480の入力に接続される。コンデンサ478の第2の電極は、ラベル名VSSの電圧基準端子に接続される。インバータ480の出力は信号en3を出力し、インバータ482の入力に接続される。インバータ482の出力は、抵抗器484の第1の端子に接続される。抵抗器484の第2の端子は、コンデンサ486の第1の電極およびインバータ488の入力に接続される。コンデンサ486の第2の電極は、ラベル名VSSの電圧基準端子に接続される。インバータ488の出力は信号en4を供給する。
さらに、信号en1は、NANDゲート490の第1の入力に接続される。信号en3はインバータ491の入力に接続される。インバータ491の出力は、NANDゲート490の第2の端子に接続される。NANDゲート490の出力は、ワード書き込みデコーダ358にタイミング信号を供給する。さらに、信号en2は、NANDゲート492の第1の入力に接続される。信号en4はインバータ493の入力に接続される。インバータ493の出力は、NANDゲート492の第2の端子に接続される。NANDゲート492の出力は、ビット書き込みデコード/比較回路362にタイミング信号を供給する。
時刻ten1、ten2、ten3、およびten4間の相対的時間差は、製造プロセス、電圧および温度変動の影響を受けないことが望ましい。タイマー356は、実際には複数のRC(抵抗/静電容量)遅延段を有している。例えば、抵抗器462およびコンデンサ464は第1のRC遅延段を形成している。RC遅延段は、製造プロセス、電圧および温度の変動によって生じる回路変動に対してある程度の抵抗力を与える。タイマー356内の各遅延段は、それぞれの入力端子から出力端子までの正確な遅延時間を発生させ、en1、en2、en3、およびen4のうち特定の1つの信号を定める。さらに、en1−en4の出力は、相互間の時間間隔が正確に定められる。タイマー356によって作られる信号en1−en4は、図19のten1−ten4に直接対応するタイミングを有する。したがって、信号en1およびen3のタイミングは、図19の書き込みワード電流パルスの開始および終了を決定する。信号en2およびen4のタイミングが、図1
9の書き込みビット電流パルスの開始および終了を決定する。NANDゲート490の出力はワード書き込みデコーダ358に出力され、NANDゲート492の出力はビット書き込みデコード/比較回路362に供給される。
書き込みワードライン用および書き込みビットライン用の所定の電流振幅値は、数ミリアンペアのオーダーであり、書き込み動作中正確に制御される必要がある。電流振幅値の制御機能は、ビット書き込みドライバ354および基準回路364によって実行される。前述のごとく、基準回路364が供給する基準電流Irefは、ビット書き込みドライバ354の直列接続された電流ミラー段によって拡大される。直列接続された電流ミラーの第2段および第3段は、待機リーク電流を縮小するため、スイッチできるようになっている。このスイッチ可能な電流ミラー段は、書き込み動作中、タイミング信号AおよびCによって作動する。ビット書き込みデコード/比較回路の入力に接続されるタイマー356の出力は、スイッチ可能な電流ミラー段を実行可能にする制御タイミング信号AおよびC、および列デコードスイッチ390−395を実行可能にする制御タイミング信号Bを発生させる。
スイッチ制御信号A、BおよびCに関連するタイミングを図21に示す。図示の形態では、有効なアドレスがデコード論理回路(図示されない)内に存在している。論理回路(図示されない)は、書き込み動作を起動させる負論理の書き込みイネーブル信号を既に受け取っている。書き込み動作の開始で起動される機能の1つは、タイマー356への入力信号INの生成である。外部の書き込みイネーブル信号は、図示のタイミング例において、所定の時間だけアクティブである必要がある。書き込みサイクル中、有効なデータ入力がビット書き込みデコード/比較回路362に与えられる。書き込み動作中、デコードされたアドレスをビット書き込みデコード/比較回路362が利用できるようになると、ただちに制御信号A(デコードされたアドレス値に応じてA0、A1など)がアクティブになる。制御信号A0は、2段目のスイッチ可能な電流ミラー段を作動させて、当初制御信号Cによって無効化されていた3段目の切り替え可能な電流ミラー段へ、1段目の電流ミラー段からの増幅された電流が流れることを可能にする。2段目および3段目の切り替え可能な電流ミラー段に関わる寄生容量が、その結果生じた電流によって、この間に充電され、関連する電圧は安定する。この間に読み出し動作が実行され、読み出し動作からのデータ出力はビット書き込みデコード/比較回路362に供給される。ビット書き込みデコード/比較回路362は、Data Out信号からのビット入力をData In信号からのビット入力と比較し、書き込みトグル動作が必要かどうかを判定する。次に、ビット書き込みデコード/比較回路362は、B0−0からB0−31信号のうちの1つだけ、またはB1−0からB1−31信号のうちの1つだけを、解読された列アドレスに応じてアクティブにすることにより、アクティブな制御信号Bを供給する。Cがアクティブではないので、選択された書き込みビットラインに電流は流れない。1つの形態では、読み出し動作の実行直後に信号Bをアクティブにする。別の形態として、読み出し動作の終了前に信号Bアクティブにしてもよい。いったん、ビット書き込みデコード/比較回路362が、アドレスされたメモリセルをトグル動作させるべきと判定すると、ビット書き込みデコード/比較回路362は信号Cをアクティブにする。信号Cがアクティブになると、CとCのどちらがアクティブになるかにより、トランジスタ456またはトランジスタ436のいずれかが作動する。この時点で、アドレスされていた書き込みビットラインに電流が流れ始める。ここでは書き込みビットライン回路のみに集中して説明したが、同じ動作が書き込みワードライン回路についても存在する(ここでは詳述しない)ことに再度留意されたい。書き込みワードライン回路に対する相違点の1つは、C制御信号の生成が、トグル動作させるべきかどうかの判定がなされる前に行なわれてもよいということである。
図19に関して上で説明したように、一度制御信号Cが実行可能にされ、電流が書き込
みビットラインを通じて流れ始めると、ゼロ近くから高い電流値になるまでに、ある長さの遷移時間tRBを要する。この遷移時間tRBは、書き込み電流の大きさ、電圧変動、温度変動に関わりなく略一定である必要がある。この一定の遷移時間は、MRAMアーキテクチャ350によって与えられる。制御信号Cが一度アクティブになると、スイッチ可能な電流ミラー419は、書き込みビットラインの寄生抵抗RBおよび共通レール397の寄生容量405を介して、一定値の電流Iを吸引する。定電流Iが、寄生容量405と共に作用する抵抗器RBを通じて流れるので、RCネットワークを利用して、書き込み電流IBの遷移時間の電圧および温度の変動に対する感度を下げ、それによりIBを実質的に一定に保つ。遷移時間tRBは、RC時定数の値を変えることにより異なる値に調節できる。この調節はMRAMアーキテクチャ350中で行なわれ、必要時にメタルオプション398によって共通レール397と共通レール399を直接接続するようにする。メタルオプション398は、設計者が、集積回路の中で、先ずある接続を提供しておき、意図したレール接続をあとで実装するための接続を有する別のフォトマスクを用意するという既存の回路設計技術であることが理解されよう。メタルオプション以外の接続技術が使用されてもよい。例えば、所望の値に調節した遷移時間tRB後に接続が終了するように、プログラマブルヒューズまたはトランジスタスイッチを実装することもできる。こうして得られた導体路は、定電流Iから見た静電容量を2倍にし、したがって書き込み電流IBの遷移時間tRBを2倍にする。2つの共通レールを接続する単一のメタルオプションを示しているが、複数の共通レール部分を接続するために任意数のメタルオプション接続を用いてもよいことが理解されよう。
図19を再び参照して、書き込みビットラインを流れる電流は、この遷移時間後所定の一定値を維持する。この値は、基準電流Irefおよび3段直列接続されている電流ミラー段による倍率係数によって決定される。iword電流およびibit電流が、高い電流値になった後、これらの電流をプロセス、温度および電圧の変動によらず一定値に維持することがきわめて重要である。MRAMセルは正確なプログラミング電流を必要とするが、この必要条件は温度、電圧および多くのプロセス条件にあまり影響を受けない。したがって、安定で正確なプログラミングを確保するためには、プログラム電流もまた温度、電圧、プロセス条件に影響を受けてはならない。したがって、基準電流Irefを発生する電流基準回路364は、バンドギャップ基準電圧発生回路のような、温度および電圧の影響を受けないものにする。
図19に示す定電流期間の終わり、すなわちten4において、制御信号Cは図21に示すように実行不可とされる。遷移時間tFBは、さきに遷移時間tRBについて説明したのと同様な方法で実現される。これにより、書き込みワード電流および書き込みビット電流を図19に示すように利用して、選択されたメモリセルをトグル動作させる、書き込みサイクルが終了する。したがって、制御信号B0およびA0も、書き込みサイクルの終了時に実行不可とされる。一般に書き込み動作は、読み出し、書き込みのいずれの可能性もある次のサイクルに重なってもよい。後続のサイクルが書き込み動作で、同一の電流ミラーを実行可能にすることが要求される場合には、A0が実行可能とされたまま、後続の書き込みサイクル(示していない)に入ってもよい。
を、列デコードスイッチ390の実装に用いられるトランジスタのような、既に実行可能にされた列デコードスイッチの閾値電圧とすると、共通レールの電圧は、書き込みサイクルの終わりに、ほぼVDD−Vに到達する。例示の形態では、Vは金属酸化膜半導体トランジスタの閾値電圧である。次の書き込み動作がすぐに行なわれる場合、実行可能にされた列デコードスイッチのゲート−ソース間電圧が瞬間的にV電位近くになるので、実行可能にされた列デコードスイッチはすぐに導通可能になる。しかしながら、後続の書き込み動作が、その前の最初の書き込み動作から相当な時間を経た後に行なわれる場合には、トランジスタ454を通じての電荷の漏洩、および共通レール397に接続さ
れた他の素子の接合からの漏洩により、共通レール397の電位はVSSに向かって降下する。列デコードスイッチ390が制御信号B0−0によって導通する場合、共通レール397上の電位が降下すると、完全にVDDまで充電されていた書き込みビットラインに関わる寄生容量は、列デコードスイッチ390を通じて共通レール寄生容量405に放電される。寄生容量405との間で起きるこの電荷の共有のため、潜在的に有害な電流スパイクが、選択された書き込みビットラインを流れることになる。この電流スパイクは、書き込みビットラインの任意の選択されたセルに、意図しない書き込み動作を発生させる可能性がある。この問題を回避するため、2つの書き込み動作の間、トランジスタ402および404によるプレチャージ回路が、共通レール397および399を、VDD−Vを近似する基準回路364によって生成される電圧VDD−Vに保持する。トランジスタ402および404を制御するため、ビット書き込みデコード/比較回路362が図21に示す制御信号P0を供給する。制御信号P(P0、P1等)は、書き込み動作中は非導通にされる。プレチャージ電圧の値はVDD−Vを大きくこえてはならないが、それは、Cが書き込み動作のために実行可能にされる場合、信号B0によって実行可能にされた列デコードスイッチ390が十分に導通し始めて書き込みビットラインから書き込み動作のための電流を吸引し出す前に、寄生容量405上の電荷は共通レール397上の電圧がVDD−Vに降下する時点まで、先ず定電流Is通じて放電されなければならないからである。これは書き込み動作の始めに遅れを生じさせるのでメモリの速度を劣化させる。したがって、VDD−Vから著しく外れるプレチャージ電圧は有害である。電圧が高過ぎると速度が落ち、低過ぎると意図しない書き込みが起きる可能性が増す。基準回路364内の回路は、列デコードスイッチの閾値電圧Vおよび電源VDDの、電圧、プロセス、および温度による変動に追随するように設計されている。
これまでの説明により、効率的で速いMRAMのトグル書き込み動作を実行可能にする回路機能を有する、MRAMアーキテクチャが実現できることは明白であろう。直列接続されたスイッチ可能な多段電流ミラーの使用により、消費電力の低減が達成される。複数の書き込みビットラインが接続された共通レールを同時にプレチャージすることにより、書き込み雑音余裕度が改善され電流スパイクが最小化される。書き込み動作速度もさらに、向上する。寄生抵抗および寄生容量の有効利用を含めたRC回路の使用により、電圧および温度変動の影響を受けにくくなる。書き込み動作制御信号のタイミングを選択的に設定できるので、プログラム電流は、正確に制御された時間範囲の間で遷移する。さらに、プログラム電流が存在する時間長およびプログラム電流値は正確に制御されるので、信頼できるプログラミングが確保される。当業者にとって、例示のためにここに選んだ本実施形態に対し種々の変更および修正を加えることは容易であろう。例えば、いくつかの応用に使われるトグルプログラミングMRAMを説明したが、他の型のメモリセルもここに開示した機能に利用できるのは明白であろう。トランジスタの導電型の変更、トランジスタの種類の変更等は容易に行うことができる。特定の論理回路を例示したが、ここで説明した機能を実装するには種々の論理回路実装方法が使用できよう。かかる修正および変形が本発明の精神を逸脱しない限りにおいて、かかる修正および変形は、添付の請求項の公正な解釈によってのみ認められる本発明の範囲に包含されるものとする。
磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子の単純化された断面図。 ワードラインおよびビットラインを備えた磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子の単純化された平面図。 磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子中で、直接書き込みモードまたはトグル書き込みモードを発生させる磁界振幅の組合せのシミュレーションを示すグラフ。 ワード電流とビット電流の双方が作動する場合の両者のタイミング図を示すグラフ。 「1」を「0」に書換える場合のトグル書き込みモードの、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子の磁気モーメントベクトルの回転を示す概念図。 「0」を「1」に書換える場合のトグル書き込みモードの、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子の磁気モーメントベクトルの回転を示す概念図。 「1」を「0」に書換える場合の直接書き込みモードの、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子の磁気モーメントベクトルの回転を示す概念図。 既に「0」である状態へ「0」を書き込む場合の直接書き込みモードの、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子の磁気モーメントベクトルの回転を示す概念図。 ビット電流だけが作動する場合の、ワード電流およびビット電流のタイミング図を示すグラフ。 ビット電流だけが作動する場合の、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ素子の磁気モーメントベクトルの回転を示すグラフ。 トグルメモリのブロック図。 図11のメモリの一部分を示すさらに詳細なブロック図。 図11のメモリの読み出し動作を理解するのに役立つタイミング図。 本発明のアーキテクチャの実施形態を示す図11のメモリの一部分の回路図。 図14のアーキテクチャの実装中で使用されるメモリセルの第1の断面図。 図15のメモリセルの第2の断面図であり、また同時に図14のアーキテクチャの実装中で使用される他のメモリセルを示す断面図。 図14の回路の変形を示す回路図。 本発明のMRAMアーキテクチャの他の実施形態の部分的な回路図。 MRAMセルをトグル動作させるのに必要な電流パルスのグラフ。 MRAMセルのトグルプログラミングに使用される遅延回路の回路図。 書き込み動作中の速度および電力維持を最適化するための、図18のMRAMアーキテクチャに関連する信号のタイミング図。

Claims (9)

  1. 行と列に構成された複数のメモリセル(134,136,138,140)と、前記メモリセルのうちのそれぞれが行と列の交点に配置されていることと、
    複数の書き込みライン(WL)と、前記複数の書き込みラインは第1の終端及び第2の終端を有し、前記第1の終端から前記第2の終端へと流れる電流は、前記複数のメモリセル中の所定のメモリセルにデータ値を設定するために使用されることと
    複数の書き込みデコードスイッチ(390〜395)と、前記複数の書き込みデコードスイッチは、前記複数の書き込みラインのうちの対応する1つの前記第2の終端に接続された第1の端子と、前記複数の書き込みでコードスイッチのうちのそれぞれの第2の終端に第1の共通のノードで共通して接続されている第2の端子とを有することと、
    前記複数のメモリセルへの書き込みを制御するために前記第1の共通ノードに接続される出力を有する書き込み回路(354の419)と、
    前記第1の共通ノードを所定の第1の電圧にプレチャージするプレチャージ回路とを備え、前記複数の書き込みラインのそれぞれの第1の終端は、所定の第2の電圧を受け取る第2の共通のノードで互いに結合され、前記所定の第2の電圧は、金属酸化物半導体トランジスタの閾値電圧に近い電圧だけ所定の第1の電圧と異なる、メモリ。
  2. 前記プレチャージ回路は、メモリの書き込みサイクル後に前記それぞれの書き込みデコードスイッチの第2の端子を再びチャージする、請求項1記載のメモリ。
  3. 前記メモリは磁気抵抗ランダムアクセスメモリである請求項1記載のメモリ。
  4. 前記所定のメモリセルを2つの論理状態の間でトグル動作させることにより、前記所定のメモリセルにデータ値を格納するようにした、請求項記載のメモリ。
  5. 前記書き込み回路に接続された書き込み制御回路(362)をさらに有し、前記書き込み制御回路が書き込みサイクル以前に読み出し動作を開始して、現在格納されているデータ値が所定のメモリセルへの書き込みを所望するデータ値と一致する場合には、書き込みサイクルの少なくとも一部を終了させるようにした、請求項記載のメモリ。
  6. 前記複数の書き込みラインは、複数の書き込みビットラインのうちの1つの書き込みビットラインが前記複数のメモリセルの1つの列に対応するようにした複数の書き込みビットラインである、請求項1記載のメモリ。
  7. 前記複数の書き込みラインは、複数の書き込みワードラインのうちの1つの書き込みワードラインが前記複数のメモリセルの1つの行に対応するようにした複数の書き込みワードラインである、請求項1記載のメモリ。
  8. 前記複数の書き込みラインの第1の終端は、電源電圧が供給される共通ノードにすべて接続された、請求項1記載のメモリ。
  9. 複数の磁気抵抗ランダムアクセスメモリセル(380,382)を行と列に構成するメモリ(350)において、複数の書き込みライン(366〜368)が共通ノード(397)で互いに結合され、前記複数の書き込みライン(354)のうちの選択された書き込みラインを通じて書き込み電流(Ib)を流す書き込み回路が前記共通ノードに接続され、前記複数の磁気抵抗ランダムアクセスメモリセルの所定のメモリセルにデータ値を書き込む方法が、
    前記共通ノード(397)を所定の電圧にプレチャージするステップ(402)と、
    前記所定のメモリセルの読み出し動作(120,124)を開始して、前記所定のメモリセルに現在格納されているデータ値を判定するステップと、
    前記所定のメモリセルに現在格納されているデータ値を所定のメモリセルに書き込むべき新しいデータ値と比較(130)して、前記新しいデータ値が現在格納されているデータ値と異なるかどうかを判定するステップと、
    前記現在格納されているデータ値から前記新しいデータ値にトグル切替えを行なうため、前記複数の書き込みラインのうちの選択された書き込みラインに書き込み電流を流すことにより所定のメモリセルへの書き込み動作(116,128)を開始するステップとを備える、データ値を書き込むための方法。
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