JP4388756B2 - アンテナ共用器およびそれを用いた無線端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、GSM(Global System for Mobile Communications)系のようなTDMA(Time Division Multiple Access)システムにおける携帯電話等に好適な、無線端末のマルチバンド化を可能にするアンテナ共用器(アンテナ共用器用高周波(Radio Frequency、以下RFと略す)回路)に関し、特にこのアンテナ共用器(アンテナ共用器用RF回路)の採用により小型で高性能な端末を実現可能とする場合に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、TDMAシステムにおける無線端末でマルチバンド対応化を図る場合は、アンテナの直後に各バンドに対応する送受信周波数信号を選び出すためのスイッチを多用したアンテナスイッチモデュールを用いていた。たとえば、図1に示すように、900MHz帯EGSM(Extended GSM)と1.8GHz帯DCS(Digital Communication Systems)のデュアルバンド(Dual−band)端末から、1.9GHz帯PCS(Personal Communication Service)を加えたトリプルバンド(Triple−band)端末への要求、更に850MHz帯GSM850を加えたクワッドバンド(Quad−band)端末への要求が出てきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のようなTDMAシステムにおける無線端末では、900MHz帯EGSMと1.8GHz帯DCSのデュアルバンド端末、1.9GHz帯PCSを加えたトリプルバンド端末、更に850MHz帯GSM850を加えたクワッドバンド端末とマルチ化の要求が進むにつれて対応が困難になりつつある。すなわち、従来の技術では、マルチバンド化の要求に伴い、多用するスイッチの数が指数関数的に増加すると言う課題が発生する。
【0004】
そこで、本発明は、この多用するスイッチの数が指数関数的に増加すると言う課題を解決するものであり、その目的は、マルチバンド対応を小型な回路構成でかつ高性能に実現し、特に今後益々要求が増大するGSM系の無線端末に非常に有効な技術を提供するものである。
【0005】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0007】
本発明では、マルチバンド化に伴うバンド切り替えにスイッチのみならず、受信系に用いる後段のフィルタにも等価的にバンド選択の機能を持たせることにより、特に、現在最もマルチ化されたクワッドバンド端末に対してもスイッチ数を大幅に低減する。特に、フィルタ部には弾性表面波(Surface Acoustic Wave、以下SAWと略す)フィルタあるいはフィルムバルク弾性共振器(Film Bulk Acoustic Resonator、以下FBARと略す)フィルタを、スイッチ部にはピンダイオード、GaAsまたはMEMS(Micro−Electronic−Mechanical System)スイッチを採用することにより、小型化等に対する一層の効果が得られる。さらに、2個の受信フィルタからの出力信号の新合成法を提案し、最近のダイレクトコンバージョン(Direct Conversion、以下DCと略す)復調方式用ICまたは低中間周波数(Intermediate Frequency、以下IFと略す)復調方式用ICとの組み合わせに伴うピン数ネックを解決するものである。
【0008】
また、新しいアンテナ共用器(アンテナ共用器用高周波回路)を提案し、量産を想定した無線端末で任意の組み合わせによるマルチバンド化に対応可能とする。さらに、新回路により、上記DC復調方式用ICまたは低IF復調方式用ICと組み合わせた場合の直流オフセットのキャリブレーションを容易にするものである。
【0009】
すなわち、本発明によるアンテナ共用器は、各々異なる第1〜第4の周波数帯域の信号を送受信する単一のアンテナ用端子と、この単一のアンテナ用端子で受信した第1〜第4の周波数帯域の信号を第1および第2と第3および第4の周波数帯域の信号にフィルタリングする第1の手段と、この第1の手段によりフィルタリングされた第1および第2の周波数帯域の信号を第1と第2の周波数帯域の信号にフィルタリングする第2の手段と、第1の手段によりフィルタリングされた第3および第4の周波数帯域の信号を第3と第4の周波数帯域の信号にフィルタリングする第3の手段と、第2および第3の手段によりフィルタリングされた第1〜第4の周波数帯域の信号を各々出力する第1〜第4の出力端子とを有するものである。
【0010】
具体的に、本発明によるアンテナ共用器は、単一のアンテナを各々異なる第1〜第4の周波数帯域の信号で共用するマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器に適用され、第1〜第4の周波数帯域の送信周波数帯域fT(1)〜fT(4)、受信周波数帯域fR(1)〜fR(4)とし、fT(1)、fR(1)、fT(2)、fR(2)の最高周波数がfT(3)、fR(3)、fT(4)、fR(4)の最低周波数より小さく、fT(1)<fR(2)、fT(3)<fR(4)で、fR(1)とfT(2)およびfR(3)とfT(4)が互いに一部重なるようにした場合において、以下のような接続形態をとるものである。
【0011】
たとえば、第1〜第4の周波数帯域に対応した各々の受信フィルタを有し、受信フィルタの出力側では各々互いに独立に受信出力端子を形成し、入力側では各々互いの入力端子が整合回路、移相回路を介して並列接続されて第1および第3の並列接続点を形成し、第1と第2の周波数帯域に対応した第1の並列接続点は、さらにスイッチング素子と4分の1波長移相回路を介して、第1と第2の周波数帯域に対応した共通の送信側入力点に接続されている送信用スイッチング素子と並列接続されて第2の並列接続点を形成し、第3と第4の周波数帯域に対応した第3の並列接続点は、さらにスイッチング素子と4分の1波長移相回路を介して、第3と第4の周波数帯域に対応した共通の送信側端子に接続されている送信用スイッチング素子と並列接続されて第4の並列接続点を形成し、さらに、第2の並列接続点と第4の並列接続点からは各々低域通過フィルタと高域通過フィルタとを介して、アンテナ用端子を共通端子として並列接続されるものである。
【0012】
また、本発明による他のアンテナ共用器は、単一のアンテナを各々異なる第1および第2の周波数帯域の信号で共用するマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器に適用され、第1および第2の周波数帯域の送信周波数帯域fT(1),fT(2)、受信周波数帯域fR(1),fR(2)とし、fT(1)<fR(2)で、fR(1)とfT(2)が一部重なるようにした場合において、以下のような接続形態をとるものである。
【0013】
たとえば、第1と第2の周波数帯域に対応した各々の受信フィルタを有し、受信フィルタの入力側では互いの入力端子が整合回路、移相回路を介して並列接続されて第1の並列接続点を形成し、スイッチング素子と4分の1波長移相回路を介して、第1と第2の周波数帯域に対応した共通の送信側入力端子に接続されている送信用スイッチング素子と並列接続されて第2の並列接続点を形成し、さらに低域通過フィルタまたは高域通過フィルタを介しあるいはフィルタを介さずに直接アンテナ用端子に接続され、第1と第2の周波数帯域に対応した受信フィルタの出力端子は、各々前者にはスイッチング素子を介し、後者にはスイッチング素子と4分の1波長移相回路を介して並列接続されて第3の並列接続点を形成し、第3の並列接続点を受信用出力端子とするものである。
【0014】
あるいは、前記のような接続形態に対して、受信フィルタの入力側、出力側の接続形態を変えたり、第1の並列接続点と第2の並列接続点の間、第1の並列接続点と第3の並列接続点の間に介在する回路および素子の接続形態を変えるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
図1はGSM系の携帯電話システムの周波数配置の例を示す図である。欧州を主体とする世界の50%以上で採用されているGSM系の携帯電話システム、すなわち欧州では900MHz帯EGSM、1.8GHz帯DCS、米国では850MHz帯GSM850、1.9GHz帯PCSの周波数配置となる。
【0017】
図1に示すように、欧米では、無線端末の回路構成の容易さから送信周波数帯域(fT)は、受信周波数帯域(fR)の下側に位置するように配置される。最近の無線端末では、単一端末でEGSMとDCSの両周波数に対処するデュアルバンド端末が一般的に成りつつある。また、欧州と米国間を行き来するビジネスマン等にとっては、両国で同じ端末が使用出来ることが好ましく、デュアルバンド端末に、さらにPCSを加えたトリプルバンド端末、あるいはPCSとGSM850の両方を加えたクワッドバンド端末の要求も出てきている。
【0018】
図2に、本発明の第1の実施の形態の一例を示す。図2はクワッドバンド端末を想定したアンテナ共用器(Antenna Duplexer)用RF回路の例である。本RF回路の採用により、単一アンテナで、各システムの送受信周波数を一対とし、EGSM、DCS、PCS、GSM850の各周波数の4システムに対応するバンドを扱うことが可能となるものである。
【0019】
始めに、クワッドバンド端末を例に無線端末の構成を簡単に説明する。図10に無線端末の簡略化したブロック図を示す。824−960MHz帯と1.71−1.99GHz帯の両方のRF信号を扱うため、回路は一般に複雑で規模は大きくなる。端末の小型化のため種々の新しい回路方式が提案されている。送信系で採用されているOPLL(Offset Phase Lock Loop)変調方式は、PLL回路の出力でVCO(Voltage Controlled Oscillator、電圧制御発信器)に直接変調を加えるものである。これにより、送信系の回路構成を大幅に簡略化可能である。一方、受信系に関しては、従来の方式である比較的高いIFは用いず、受信信号の周波数とローカル信号の周波数を等しくするDC復調方式や、両者が非常にわずかしか異ならない低IF復調方式が検討され始めている。図10には、変調系にはOPLL変調方式、受信系にはDC復調方式を用いた場合のブロック図を示す。
【0020】
一般に、上記の変復調方式を採用したRF−ICでは、その規模はかなり大きなものとなる。また、チップ内で824−960MHz帯と1.71−1.99GHz帯の両方のRF信号を扱うため、信号線間のクロストーク、アースからのコモンモード雑音(Common−mode noise)の影響が大きい。特に、受信系ではRF回路の信号線を差動形にすることにより、コモンモード雑音の影響は小さくできることが分かっている。したがって、図10に示すブロック図の受信系では、RF−IC内のRF回路は全て差動形で構成される例である。
【0021】
図10の破線で囲った本発明のアンテナ共用器(Antenna Duplexer)は、送受信信号を分離し、送信機からの送信信号をアンテナへ、アンテナからの微弱な受信信号をRFの差動信号として受信機へ送ることにより、単一アンテナで送受信を可能にする。また、クワッドバンド端末用アンテナ共用器では、824−960MHz帯のRF信号と1.71−1.99GHz帯のRF信号の分離も行う。具体的には、送信RF信号は、EGSMとGSM850の周波数が接近しているため、824〜915MHz帯の電力増幅器(High Power Amplifier、以下HPAと略す)により両送信信号は共通に約2Wまで増幅される。また、DCSとPCSの送信信号は周波数が接近しているため、1710〜1910MHz帯の他のHPAにより約1Wまで増幅され、それぞれアンテナ共用器の対応する送信端子に供給される。
【0022】
受信RF信号は、アンテナ共用器により始めに、869−960MHz帯のRF信号と1.805−1.99GHz帯のRF信号が分離され、さらに、各々2個すなわち計4個のRFフィルタで、EGSMとGSM850、DCSとPCSのRF信号に分離される。これらのRF信号はバラン回路により差動信号に変換され、受信端子より低雑音増幅器(Low Noise Amplifier、以下LNAと略す)に供給される。LNAを通過したRF信号は混合器(Mixer、以下MIXと略す)によりベースバンドの信号に変換され、以下、信号処理回路、ベースバンドロジック等を通過し、音声あるいはデータとして復調される。
【0023】
以上の端末全体構成図の説明を基に、本発明の第1の実施の形態である図2のクワッドバンド対応アンテナ共用器用RF回路を説明する。前記図1の周波数配置に欧州と米国の例を示すように、移動通信はその進歩の課程で、各国とも1GHz以下で最初のシステムのサービスを開始し、その後1〜2GHzに新たなシステムを追加して来た。したがって、欧州システム(EGSM,DCS)と米国システム(GSM850,PCS)の各送受信周波数を低い方から順に並べ、GSM850すなわち第1のシステムの送受信周波数をfT(1),fR(1)、EGSMすなわち第2のシステムのそれらをfT(2),fR(2)、DCSすなわち第3のシステムのそれらをfT(3),fR(3)、PCSすなわち第4のシステムのそれらをfT(4),fR(4)と記述すると、fT(1),fR(1),fT(2),fR(2)の最高周波数がfT(3),fR(3),fT(4),fR(4)の最低周波数より小さいシステム構成で、前記図1に示すようにfT(1)<fR(2)、fT(3)<fR(4)で、かつfR(1)とfT(2)およびfR(3)とfT(4)が互いに一部重なるようにしたシステムにおいて、本アンテナ共用器用高周波回路は特に重要である。
【0024】
図2に示すように、アンテナ用端子Antに並列接続された低域通過フイルタ21と高域通過フイルタ41により、第1、第2のシステムに対応する信号は低域通過フイルタ21を介して図2の上のパスで送受信し、第3、第4のシステムに対応する信号は高域通過フイルタ41を介して図2の下のパスで送受信する。第1と第2のシステムに対応した各々の受信フィルタ27,24、第3と第4のシステムに対応した各々の受信フィルタ44,47を有し、図2に示すように上記フィルタの出力側では各々互いに独立に受信用出力端子Rx(GSM850),Rx(EGSM),Rx(DCS),Rx(PCS)を形成する。入力側では各々互いの入力端子が整合回路/移相回路26,23,43,46等を介して、各フイルタの通過帯域の周波数では相手のフイルタを見たインピーダンスが高インピーダンスとなる条件(すなわちfR(1)でフィルタ(EGSM)24を見たインピーダンスが、fR(2)でフィルタ(GSM850)27を見たインピーダンスが高インピーダンスとなる条件、同様に、fR(3)でフィルタ(PCS)47がfR(4)でフィルタ(DCS)44が高インピーダンスとなる条件)で並列接続され、第1の並列接続点1および第3の並列接続点3を形成する。
【0025】
第1と第2のシステムに対応した第1の並列接続点1は、さらに第1または第2のシステムの送信時には接地され、受信時には導通するダイオード(スイッチング素子)9と等価的な4分の1波長移相回路22を介して、第2の並列接続点2へと接続される。第2の並列接続点2へ接続される他方の回路は、第1と第2のシステムに対応した共通の送信側入力端子Tx(EGSM/GSM850)に接続されている第1または第2のシステムの送信時には導通し、受信時には開放となるダイオード(送信用スイッチング素子)10で形成する。
【0026】
第3と第4のシステムに対応した第3の並列接続点3は、さらに第3または第4のシステムの送信時には接地され、受信時には導通するダイオード(スイッチング素子)11と等価的な4分の1波長移相回路42を介して、第4の並列接続点4へ接続される。第4の並列接続点4へ接続される他方の回路は、第3と第4のシステムに対応した共通の送信側端子Tx(DCS/PCS)に接続されている第3または第4のシステムの送信時には導通し、受信時には開放となるダイオード(送信用スイッチング素子)12で形成する。さらに、第2の並列接続点2と第4の並列接続点4はそれぞれ低域通過フィルタ21と高域通過フィルタ41を介して、アンテナ用端子Antを共通端子として並列接続されることを特徴としている。
【0027】
次に、各システムの送受信時を具体的に説明する。例えば、第1あるいは第2のシステムの送信時には、正の制御電圧を制御端子Vcont−Tx(EGSM/GSM850)に印加する。制御電圧は、送信経路のダイオード10をオンさせ、受信経路のダイオード9を接地状態にする。すなわち、図10に示すようにHPAからの第1あるいは第2のシステムに対応した送信電力は、送信端子Tx(EGSM/GSM850)に入力し、送信経路のダイオード10を通り、第2の並列接続点2を通り、低域通過フィルタ21を通り、アンテナ用端子に給電される。この時、第2の並列接続点2から受信側を見たインピーダンスは、受信経路のダイオード9が接地されているため、等価的な4分の1波長移相回路22を介して見ると、非常に高インピーダンスすなわち開放となるため、送信電力の通過に対してはほとんど影響を与えない。従って、送信端子に入力した送信電力はほとんど減衰することなくアンテナ用端子に給電される。
【0028】
第1あるいは第2のシステムの受信時には、制御端子電圧をVcont−Tx(EGSM/GSM850)=0Vとする。すなわち、送信経路と受信経路のダイオードは両方ともオフ状態となるため、アンテナ用端子からの受信信号は低域通過フィルタ21を通り、第2の並列接続点2を通り、第1の並列接続点1に至る。ここで、fR(1)の受信信号は、前述のようにfR(1)でフィルタ(EGSM)24が高インピーダンスとなるため、フィルタ(GSM850)27を通って受信用出力端子Rx(GSM850)に出力する。同様に、fR(2)の受信信号は、前述のようにfR(2)でフィルタ(GSM850)27が高インピーダンスとなるため、フィルタ(EGSM)24を通って受信用出力端子Rx(EGSM)に出力する。
【0029】
次に、第3あるいは第4のシステムの送受信時に関して説明する。例えば、第3あるいは第4のシステムの送信時には、正の制御電圧を制御端子Vcont−Tx(DCS/PCS)に印加する。制御電圧は、送信経路のダイオード12をオンさせ、受信経路のダイオード11を接地状態にする。すなわち、図10に示すようにHPAからの第3あるいは第4のシステムに対応した送信電力は、送信端子Tx(DCS/PCS)に入力し、送信経路のダイオード12を通り、第4の並列接続点4を通り、高域通過フィルタ41を通り、アンテナ用端子に給電される。この時、第4の並列接続点4から受信側を見たインピーダンスは、受信経路のダイオード11が接地されているため、等価的な4分の1波長移相回路42を介して見ると、非常に高インピーダンスすなわち開放となるため、送信電力の通過に対してはほとんど影響を与えない。従って、送信端子に入力した送信電力はほとんど減衰することなくアンテナ用端子に給電される。
【0030】
第3あるいは第4のシステムの受信時には、制御端子電圧をVcont−Tx(DCS/PCS)=0Vとする。すなわち、送信経路と受信経路のダイオードは両方ともオフ状態となるため、アンテナ用端子からの受信信号は高域通過フィルタ41を通り、第4の並列接続点4を通り、第3の並列接続点3に至る。ここで、fR(3)の受信信号は、前述のようにfR(3)でフィルタ(PCS)47が高インピーダンスとなるため、フィルタ(DCS)44を通って受信用出力端子Rx(DCS)に出力する。同様に、fR(4)の受信信号は、前述のようにfR(4)でフィルタ(DCS)44が高インピーダンスとなるため、フィルタ(PCS)47を通って受信用出力端子Rx(PCS)に出力する。また、本回路構成は、送信時の制御電流すなわち第1あるいは第2のシステムの送信時と第3あるいは第4のシステムの送信時の制御電流がほぼ等しく(互いに±20%の範囲内)、これらを制御するベースバンド系のICおよびICと本回路構成との間のインターフェースを同一の回路で実現出来るため、設計の簡素化が可能である。
【0031】
以上説明したように、本構成のスイッチ形アンテナ共用器は、前記図1に示す第1から第4のシステムに対応するクワッドバンドの送受信信号を処理することが出来る。送信端子からの各送信信号をアンテナ用端子へ給電し、アンテナ用端子からの各受信信号をフィルタリングして各受信用出力端子へ出力する。制御電流は送信時のみに必要で、パワーコンサンプションの要求が厳しい受信待ち受け時には制御電流を必要としない優れた特徴もある。
【0032】
また、本構成は、特に前記図1に示すように、fR(1)とfT(2)が一部重なり合う、または、fR(3)とf(4)が一部重なり合うシステムの場合には特に有効である。これは、第2のシステムあるいは第4のシステムの送信時には、これらの送信電力は第1のシステムあるいは第3のシステムの受信フィルタの通過帯域を通る。したがって、フィルタによる減衰は期待出来ず、受信低雑音増幅器が破損する可能性がある。本構成は、最少のスイッチング素子(例えばダイオード)数と最少の制御端子数で、送信時には受信経路を接地するものである。これにより、受信フィルタと無関係に減衰を確保することが出来るため、上記のようにfR(1)とfT(2)が一部重なり合う、または、fR(3)とf(4)が一部重なり合うシステムの場合には特に効果が大きい。
【0033】
続いて、図3、図4に、本発明の第2の実施の形態の一例を示す。本構成は、デュアルバンド、トリプルバンド、クワッドバンドあるいはそれ以上のマルチバンド対応のスイッチ型アンテナ共用器用高周波回路に共通するものである。一般に、マルチバンド化に伴い、RF−ICのピン数も増加し、ピン数ネックが将来問題となることが予想される。本提案の構成はこの問題を解決するものである。
【0034】
第1のシステムの送受信周波数帯域を各々fT(1)、fR(1)とし、第2のシステムの送受信周波数帯域を各々fT(2)、fR(2)とし、fT(1)<fR(2)で、かつfR(1)とfT(2)が一部重なるシステムにおいて本構成のRF回路は有効である。
【0035】
図3で、例えば第1のシステムをGSM850、第2のシステムをEGSMとする。破線内が新提案のRF回路で、〔 〕で示す部分はクワッドバンドあるいはトリプルバンド対応のアンテナ共用器を構成する場合に付加すべき回路部分である。第1のシステムと第2のシステムに対応した各々の受信フィルタ(GSM850)27と(EGSM)24を有する。フィルタの入力側では各々互いの入力端子が整合回路/移相回路26,23等を介して、各フィルタの通過帯域の周波数では相手のフィルタを見たインピーダンスが高インピーダンスとなる条件(すなわちfR(1)でフィルタ(EGSM)23を見たインピーダンスおよびfR(2)でフィルタ(GSM850)26を見たインピーダンスが高インピーダンスとなる条件)で並列接続され、第1の並列接続点1を形成する。
【0036】
第1の並列接続点1は、さらに第1または第2のシステムの送信時には接地されるダイオード(スイッチング素子)9と等価的な4分の1波長移相回路22を介して第2の並列接続点2へと接続される。第2の並列接続点2へ接続される他方の回路は、第1と第2のシステムに対応した共通の送信側入力端子に接続されている第1または第2のシステムの受信時には開放となるダイオード(送信用スイッチング素子)10で形成する。第2の並列接続点2は、さらに低域通過フィルタ21または高域通過フィルタ41(図3では低域通過フィルタ21の例を示した)を介し、あるいはフィルタを介さず(特にデュアルバンド対応ではフィルタは不要な場合もあるため)、直接アンテナ用端子に接続される。
【0037】
第1のシステムに対応した受信フィルタの出力端子と第2のシステムに対応した受信フィルタの出力端子は、各々前者には第1のシステムの受信時には導通し、第2のシステムの受信時には開放するダイオード(スイッチング素子)14を介し、後者には第1のシステムの受信時には接地され、第2のシステムの受信時には導通するダイオード(スイッチング素子)13と等価的な4分の1波長移相回路29を介して並列接続され、第3の並列接続点5を形成する。この第3の並列接続点5を受信用出力端子Rx(EGSM/GSM850)として第1および第2のシステムの共通端子とする。これにより、受信端子数を低減し、ピン数ネックの問題を解決するものである。
【0038】
具体的に、各システムの送受信時を説明する。図3では、〔 〕で示した回路の左側を付加するとクワッドバンド、右側を付加するとトリプルバンド対応となり、〔 〕の回路を付加せず、低域通過フィルタ21を取り除くとデュアルバンド対応となる。基本的な動作は前記図2の上半分、すなわち第1のシステムと第2のシステムの動作と同じであるが、第1のシステムの受信時には、さらに正の制御電圧を制御端子Vcont−Rx(GSM850)に印加する。制御電圧は第1のシステムの受信経路のダイオードをオン状態にし、第2のシステムの受信経路のダイオードを接地状態にする。すなわち、fR(1)の受信信号は、フィルタ(GSM850)27を通り共通の受信出力端子Rx(EGSM/GSM850)へ出力される。この時、第3の並列接続点5からフィルタ(EGSM)24側を見たインピーダンスは、第2のシステムの受信経路のダイオードが接地状態のため、等価的な4分の1波長移相回路29を介すると高インピーダンスとなり、フィルタ(EGSM)24はfR(1)の受信信号には影響を与えない。
【0039】
次に、第2のシステムの受信時には、制御端子電圧をVcont−Rx(GSM850)=0Vとする。すなわち、第1と第2の受信経路のダイオードは両方ともオフ状態となるため、fR(2)の受信信号はフィルタ(EGSM)24を通り、受信用出力端子Rx(EGSM/GSM850)へ出力される。この時、第1のシステムの受信経路のダイオード14はオフ状態のため、第3の並列接続点5からフィルタ(EGSM)24側を見たインピーダンスは高インピーダンスとなり、fR(2)の受信信号には影響を与えない。以上より、第1と第2のシステムの受信端子の共通化が実現出来る。
【0040】
一般に、フィルタなどの受動素子は相反性があり、入出力を反転してもその特性は変わらないのが特徴である。図4に、図3を変形した他の一例を示す。図3で第1の並列接続点1と第3の並列接続点5にはさまれる回路を入出力関係が逆になるように反転する。結果の回路を図4に示す。図4では、上記の受動素子の相反性より電気的な特性は図3の回路と全く同等であることは容易に理解出来る。本発明は図4の構成も含まれることは自明である。
【0041】
すなわち、図4においては、第1と第2のシステムに対応した各々の受信フィルタ(GSM850)27と(EGSM)24の出力側では互いの入力端子が整合回路/移相回路26,23を介して並列接続され、第3の並列接続点5を形成する。第1のシステムに対応した受信フィルタの入力端子と第2のシステムに対応した受信フィルタの入力端子は、各々前者には第1のシステムの受信時には導通し、第2のシステムの受信時には開放するダイオード(スイッチング素子)14を介し、後者には第1のシステムの受信時には接地され、第2のシステムの受信時には導通するダイオード(スイッチング素子)13と4分の1波長移相回路29を介して並列接続され、第1の並列接続点1を形成する。
【0042】
続いて、図5〜図7に第3の実施の形態の一例を示す。図5の回路は、前記図3、図4の回路(図5では図3の例を示した)において、第3の並列接続点5と受信用共通端子の間にバラン回路30を導入し、これにより受信用共通出力端子を差動出力形端子としたものである。これにより、受信端子数の低減と同時にバラン回路の数も低減出来るため、回路全体の簡略化、ひいては低価格が実現出来るものである。図6は、図5の具体的なバラン回路を含む実現手段の一例を示すものである。第3の並列接続点5と差動出力形端子の一方(−)との間に並列接続点5側から直列腕インダクタンスと並列腕容量よりなる回路および第3の並列接続点5と差動出力形端子の他方(+)との間に並列接続点5側から順に直列腕容量と並列腕インダクタンスよりなる回路で実現されるバラン回路を形成するものである。これにより、第1および第2の両システムに対応して、差動出力の振幅バランスの偏差±1.5dB以下、位相バランス偏差±15°以下が実現出来ることが分かった。
【0043】
図7は、図5の具体的なバラン回路を含む実現手段の他の例を示すものである。第3の並列接続点5と差動出力形端子の一方(−)との間に並列接続点5側から順に直列腕インダクタンス、並列腕容量、直列腕インダクタンス、並列腕容量よりなる回路および第3の並列接続点5と差動出力形端子の他方(+)との間に並列接続点5側から順に直列腕容量、並列腕インダクタンス、直列腕容量、並列腕インダクタンスよりなる回路で実現したバラン回路を形成するものである。これにより、第1および第2の両システムに対応して、差動出力の振幅バランスの偏差±1.0dB以下、位相バランス偏差±10°以下が実現出来ることが分かった。
【0044】
受信出力信号のバランス度に対する要求は、無線端末受信部の方式設計により若干異なるが、一般的には、振幅偏差は±1.0〜±1.5dB以下、位相偏差は±10〜±15°以下が要求される。上記回路構成はこのような方式設計の要求に答えることが出来るものである。
【0045】
続いて、図8に、本発明の第4の実施の形態の一例を示す。本構成は、デュアルバンド、トリプルバンド、クワッドバンドあるいはそれ以上のマルチバンド対応のスイッチ型アンテナ共用器用高周波回路に共通するものである。第1のシステムの送受信周波数帯域を各々fT(1)、fR(1)とし、第2のシステムの送受信周波数帯域を各々fT(2)、fR(2)とし、fT(1)<fR(2)で、かつfR(1)とfT(2)が一部重なるシステムにおいて、本構成のRF回路は有効である。図8で、例えば第1のシステムをGSM850、第2のシステムをEGSMとする。破線内が新提案のRF回路で、〔 〕で示す部分はクワッドバンドあるいはトリプルバンド対応のアンテナ共用器を構成する場合に付加すべき回路部分である。
【0046】
第2のシステムに対応した受信フィルタ(EGSM)24を有するが、第1のシステムに対応した受信フィルタ(GSM850)は無い。フィルタ(EGSM)24は、受信用出力端子Rx(GSM850)に接続されているダイオード(受信用スイッチング素子)15と並列接続され、第1の並列接続点7を形成する。また、制御端子Vcont−Rx(GSM850)で受信用スイッチング素子をオンオフする。他の回路構成は前記図2と同様である。しかし、例えば、GSM850は米国でのシステムのため、欧州で用いる端末では必ずしもフィルタ(GSM850)は必要はないため、本構成のようにスイッチング素子を代わりに用いることが出来る。必要に応じて外付けのフィルタを端子Rx(GSM850)に付加し、第1のシステムの受信時にはVcont−Rx(GSM850)に正電圧を印加することにより、前記図2等のマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器用高周波回路と同様の機能を実現出来るものである。本回路構成により、例えばトリプルバンドとクワッドバンド端末用無線機基板の共用化が可能になるなど価格、量産性の面からもメリットが大きい。
【0047】
続いて、図9に、本発明の第5の実施の形態の一例を示す。本構成は、デュアルバンド、トリプルバンド、クワッドバンドあるいはそれ以上のマルチバンド対応のスイッチ型アンテナ共用器用高周波回路に共通するものである。第1のシステムの送受信周波数帯域を各々fT(1)、fR(1)とし、第2のシステムの送受信周波数帯域を各々fT(2)、fR(2)とし、fT(1)<fR(2)で、かつfR(1)とfT(2)が一部重なるシステムにおいて、本構成のRF回路は有効である。図9で、例えば第1のシステムをGSM850、第2のシステムをEGSMとする。破線内が新提案のRF回路で、〔 〕で示す部分はクワッドバンドあるいはトリプルバンド対応のアンテナ共用器を構成する場合に付加すべき回路部分である。
【0048】
第1のシステムと第2のシステムに対応した各々の受信フィルタを有し、上記フィルタの出力側では各々互いに独立に受信用出力端子を形成し、入力側では各々互いの入力端子が整合回路、移相回路等を介し並列接続され、第1の並列接続点8を形成する。第1または第2のシステムの送信時には抵抗を介して接地され、受信時には導通するダイオード(スイッチング素子)16と等価的な4分の1波長移相回路31、さらに第1または第2のシステムの送信時には接地され、受信時には導通するダイオード(スイッチング素子)9と等価的な4分の1波長移相回路22を介して、第1と第2のシステムに対応した共通の送信側入力端子に接続されている第1または第2のシステムの送信時には導通し、受信時には開放となるダイオード(送信用スイッチング素子)10と並列接続され、第2の並列接続点2を形成する。第2の並列接続点2からは、さらに低域通過フィルタ21または高域通過フィルタ41を介し、あるいはフィルタを介さずに直接アンテナ用端子に接続される点は前記実施の形態と同様である。
【0049】
本構成は、図10にブロック図を示したような、特に、DC復調方式あるいは低IF復調方式に有効である。一般に、このような復調方式では、直流オフセットのキャリブレーションを行う必要がある。キャリブレーションには、アンテナから入射する受信波および妨害波を一旦遮断してから行う必要がある。最も簡単な手段は、待受け時に送信制御端子、例えば図10のVcont−Tx(EGSM/GSM850)に正電圧を加えることで、受信経路のダイオードを接地させ、アンテナからの入射波を遮断することが出来る。しかし、受信機から見るとフィルタ、例えばフィルタ(GSM850)27や(EGSM)24から入力側を見たインピダンスがショートされることを意味し、この状態は受信時の状態とは異なるため、正確なキャリブレーションは行えない。
【0050】
図9は、これを解決するものである。Vcont−Tx(EGSM/GSM850)に正電圧を加えると、ダイオード9が接地するため、等価的な4分の1波長移相回路22を介して第2の並列接続点2より見たインピーダンスは高インピーダンスとなる点は前記図2等の例と同じである。一方、等価的な4分の1波長移相回路31を介して第1の並列接続点8より見たインピーダンスも高インピーダンスと成るため、並列接続点8から見た実質的なインピーダンスは、オン状態のダイオード16を介して抵抗のみと成る。したがって、この抵抗をアンテナの放射インピーダンスと等しく設定することにより、例えばフィルタ(GSM850)27や(EGSM)24から入力側を見たインピーダンスを常に一定に保つことが出来る。これにより、キャリブレーションの精度の向上、ひいては端末の高性能化を実現することが出来る。
【0051】
続いて、図11、図12に本発明で用いるフィルタの基本となる共振器の例を示す。図11は、弾性表面波(SAW:Surface Acounstic Wave)共振器を示す。圧電基板上のすだれ状電極をベースに構成される。図12は、フィルムバルク弾性共振器(FBAR:Film Bulk Acounstic Resonator)を示す。Si等の基板上に圧電振動子をダイアフラム状に形成することで実現する。図13に、図11、図12の共振器のインピーダンス特性を示す。一般に、共振周波数frと反共振周波数faでのインピーダンスの差が大きいほど良い共振器である。
【0052】
図14に、これらの共振器をラダー形回路に組んだフィルタの例を示す。SAWおよびFBARで等価的に図14に示すフィルタを実現するには、SAWの場合は図15、FBARの場合は図16(断面図は図17)に示すように複数の共振器を単一のチップ基板上に組むことで実現出来る。前記図2から図10の例では、フィルタとして、図15、図16に示すSAWフィルタ、FBARフィルタを用いることによりチップレベルのフィルタが実現出来、マルチバンドスイッチ型アンテナ共用器の一層の小型化が可能である。
【0053】
図15、図16のラダー形フィルタは、入出力共にシングルエンド形のため、出力にバラン回路を導入することでバランス形の出力が得られる。最近、特にSAWフィルタの中には、シングルエンド形入力で、出力はバランス形の物も開発されており、図18に示すように、例えばEGSM、GSM850用フィルタとして、このようなフィルタを用いることにより、バラン回路を導入しなくてもバランス形の出力が得られる。本発明は、このような組み合わせも含まれることは自明である。また、スイッチ素子としてはダイオードを用いて説明したが、化合物半導体、例えばGaAsを用いたスイッチ、さらにMEMS(Micro−Electronic−Mechanical Systems)のような機械的なスイッチを用いても同様であり、本発明は、このような組み合わせも含まれることは自明である。
【0054】
また、本発明は、欧州、米国、中国等で一般的な携帯電話システムとなりつつあるGSM系のように、TDMA(Time Division Multiple Access)システムで有効であり、マルチバンドスイッチ型アンテナ共用器の小型化、ひいては無線端末の小型化そのものに大きく貢献するものである。
【0055】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0056】
すなわち、既に世界の60%以上で採用されるようになった、GSM系のようなTDMAシステムで用いられる携帯電話に関して、マルチバンド端末を達成するのに必要な新構造のマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器を提供することにより、端末の小型、高性能化が実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】GSM系の携帯電話システムの周波数配置の例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるクワッドバンドスイッチ型アンテナ共用器を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による別のマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態によるマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態によるマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器(具体的なバラン回路)を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態によるマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器(具体的な他のバラン回路)を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態によるマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態によるマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器を示すブロック図である。
【図10】本発明のアンテナ共用器を用いたDC復調あるいは低IF復調方式の無線端末を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態において、SAW共振器を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態において、FBAR共振器を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態において、SAWとFBAR共振器のインピーダンス特性を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態において、ラダー形フィルタを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態において、SAWフィルタを示す図である。
【図16】本発明の実施の形態において、FBARフィルタを示す図である。
【図17】本発明の実施の形態において、FBARフィルタを示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態によるマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,3,5,7,8 受信経路同志の並列接続点
2,4,6 受信経路と送信経路の並列接続点
9,11,13,14,15,16 受信経路のダイオード
10,12 送信経路のダイオード
21 低域通過フィルタ
22,29,31,42 4分の1波長移相回路
23,26,43,46 整合回路/移相回路
24,27,44,47 受信フィルタ
25,28,30,45,48 バラン回路
41 高域通過フィルタ
Claims (5)
- 単一のアンテナを各々異なるGSM850の周波数帯域である第1の周波数帯域の信号とEGSMの周波数帯域である第2の周波数帯域の信号とで共用するマルチバンドスイッチ型アンテナ共用器であって、
前記第1および第2の周波数帯域の送信周波数帯域fT、受信周波数帯域fRを各々fT(1)、fR(1)、fT(2)、fR(2)とし、fT(1)<fT(2)かつfT(1)<fR(1)かつfT(1)<fR(2)かつfT(2)<fR(2)かつfR(1)<fR(2)であり、fR(1)とfT(2)とが880MHzから894MHzまでの範囲にて重なる場合において、
前記第1および第2の周波数帯域のそれぞれに対応した各々の受信フィルタを有し、前記受信フィルタの出力側の各々はその各々に接続された整合回路または移相回路を介して共通に受信用出力端子に接続され、
前記第1の周波数帯域に対応した受信フィルタの入力端子には前記第1の周波数帯域の信号の受信時に導通し前記第2の周波数帯域の信号の受信時に開放する第1のスイッチング素子が接続され、
前記第2の周波数帯域に対応した受信フィルタの入力端子には前記第1の周波数帯域の信号の受信時に接地され前記第2の周波数帯域の信号の受信時に導通する第2のスイッチング素子および第1の4分の1波長移相回路が接続され、
前記第1の周波数帯域に対応した受信フィルタの入力端子と前記第2の周波数帯域に対応した受信フィルタの入力端子とは、前記第1のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子および前記第1の4分の1波長移相回路とを介して共通に第1の並列接続点に接続され、
前記第1の並列接続点は、前記第1または第2の周波数帯域の信号の送信時に接地され受信時に導通する第3のスイッチング素子および第2の4分の1波長移相回路を介して、前記第1または第2の周波数帯域に対応した共通の送信側入力端子に接続され、かつ、前記第1または第2の周波数帯域の信号の送信時に導通し受信時に開放となる送信用スイッチング素子の出力側と共通に第2の並列接続点に接続され、
前記第2の並列接続点は、低域通過フィルタを介してアンテナ用端子に接続される
ことを特徴とするアンテナ共用器。 - 請求項1記載のアンテナ共用器において、
少なくとも1個の受信用出力端子の前段には、シングルエンドからバランスへ変換するバラン回路が接続され、受信信号を差動出力形端子を介して出力する
ことを特徴とするアンテナ共用器。 - 請求項2記載のアンテナ共用器において、
前記バラン回路は、入力側と前記差動出力形端子の一方との間に前記入力側から直列腕インダクタンスと並列腕容量よりなる回路および前記入力側と前記差動出力形端子の他方との間に前記入力側から順に直列腕容量と並列腕インダクタンスよりなる回路で形成されるバラン回路、または、前記入力側と前記差動出力形端子の一方との間に前記入力側から順に直列腕インダクタンス、並列腕容量、直列腕インダクタンス、並列腕容量よりなる回路および前記入力側と前記差動出力形端子の他方との間に前記入力側から順に直列腕容量、並列腕インダクタンス、直列腕容量、並列腕インダクタンスよりなるバラン回路である
ことを特徴とするアンテナ共用器。 - 請求項1、2または3記載のアンテナ共用器において、
前記受信フィルタはSAWフィルタまたはFBARフィルタで構成され、前記スイッチング素子はピンダイオードスイッチまたはGaAsスイッチまたはMEMSスイッチで構成される
ことを特徴とするアンテナ共用器。 - 請求項1、2、3または4記載のアンテナ共用器を用いた無線端末であって、
前記無線端末は、GSM系のTDMAシステムをベースとする携帯電話であり、復調方式にはダイレクトコンバージョン方式あるいは低中間周波数方式を用いる
ことを特徴とする無線端末。
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