JP4388548B2 - 海洋構造物の動揺低減装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スパー型、モノコラム型などの、海洋石油掘削基地、浮体方式のレジャー施設やホテル等の海洋構造物の動揺低減装置に関する。
従来、浮遊式海洋構造物の動揺を低減するものとして、図22に示すものが提案されている。
図22に示すように、円板状のロワーハル12と、同ロワーハル12の上部に配設された円筒状のコラム11とによって構成され、同コラム11の内側には内部水区画13を有し、同内部水区画13は上記ロワーハル12に設けられた導水口14を通じて外部水と導通している浮遊式海洋構造物において、上記ロワーハル12の外周に斜め下方に広がるようにフィン18をそなえ、同フィン18が上記ロワーハル12の外周部との間に間隙を保つようにして同ロワーハルに支柱19により固着され、フィン18の作用で動揺軽減を行おうとするものである。
特開平6−56074号公報
しかしながら、従来のものにつき検証した結果、動揺低減効果は殆ど得られないという問題がある。
本発明は、上述の問題点を解決すべく提案されたものであり、海洋構造物の十分な動揺低減を得られる海洋構造物の動揺低減装置を提供することを課題とする。
(1)第1の手段に係る海洋構造物の動揺低減装置は、円筒状の浮遊海洋構造物と、該浮遊海洋構造物の側壁の水面下の下端より離れて上方に取付けられた張出し構造物と、該張出し構造物の少なくとも下方又は上方の水面下に配設された囲い壁と、上記張出し構造物と上記囲い壁との間に形成された流通開口とを備えたことを特徴とする。
(2)また、第2の手段に係る海洋構造物の動揺低減装置は、円筒状の浮遊海洋構造物と、該浮遊海洋構造物の側壁の水面下の下端より離れて上方に間隔を明けて配設された張出し構造物と、該張出し構造物の少なくとも下方又は上方の水面下に配設された囲い壁と、上記浮遊海洋構造物と上記張出し構造物との間に形成された連通部とを備えたことを特徴とする。
(3)また、第3の手段に係る海洋構造物の動揺低減装置は、円筒状の浮遊海洋構造物と、該浮遊海洋構造物の側壁の水面下の下端より離れて上方に配設された張出し構造物と、該張出し構造物の下方及び上方の水面下に配設された囲い壁と、上記張出し構造物の外周を囲うと共に上記下方及び上方の囲い壁に連続して配設された連通部壁と、上記張出し構造物と上記連通部壁とにより形成された連通部とを備えたことを特徴とする。
(4)第4の手段に係る海洋構造物の動揺低減装置は、上記第1乃至3の手段において、上記張出し構造物と上記囲い壁と上記浮遊海洋構造物との間に鉛直方向に配設された少なくとも6枚の横移動防止板を備えたことを特徴とする。
(5)第5の手段に係る海洋構造物の動揺低減装置は、上記第4の手段において、上記張出し構造物と上記囲い壁と上記浮遊海洋構造物と上記横移動防止板とにより海水貯留区画が形成されていることを特徴とする。
特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明は、上記の(1)〜(5)に記載の各手段を採用しているので、それぞれ以下のような効果を有する。
(1)請求項1又は2に係る発明は上記第1又は2の手段を採用しているので、浮遊海洋構造物と張り出し構造物と囲い壁とにより海水貯留部が形成され、浮遊海洋構造物の動揺時において、海水貯留部に滞留している海水が、動揺を抑制するマスとして作用すると共に、スリット状の流通開口から、海水貯留部内の海水が外方に噴出すことにより、浮遊海洋構造物の動揺を大幅に抑制することができる。
(2)請求項3に係る発明は上記第3の手段を採用しているので、浮遊海洋構造物と張り出し構造物と囲い壁とにより海水貯留部が形成され、浮遊海洋構造物の動揺時において、海水貯留部に滞留している海水が、動揺を抑制するマスとして作用すると共に、連通部をとおり上下に移動することにより、浮遊海洋構造物の動揺を大幅に抑制することができる。
(3)請求項4又は5に係る発明は上記第4又は5の手段を採用しているので、横移動防止板により、海水貯留部内の海水が横移動するのを防止するため、より効果的に浮遊海洋構造物の動揺を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図、図2は実施例1の底面図である。
図2〜21は、本発明の実施例2〜実施例20に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。
先ず、図1、図2に基づき、実施例1に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成につき説明する。
図に示すように、この浮遊式海洋構造物は、円筒状の浮遊海洋構造物1と、浮遊海洋構造物1の側壁の水面下の下端より離れて上方に取付けられたリング状の張出し構造物2とによって構成されている。
張出し構造物2は、浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設されており、張出し構造物2の外端の下方には、リング状の囲い壁3aが、同様に浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って、且つ張出し構造物2の外端からはみ出さないように配設されている。
張出し構造物2と囲い壁3aとの間には、スリット状の流通開口5aが形成されている。
張出し構造物2と、囲い壁3aと、浮遊海洋構造物1の下部外壁との間には、横移動防止板4aが鉛直方向に配設されている。
この横移動防止板4aは、浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、6枚配設されている。
また、横移動防止板4aの開放端6aは、その外方が囲い壁3aの下端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の外面下端に位置するような形状となっている。
そして、張出し構造物2の下面と囲い壁3と浮遊海洋構造物1の外面と横移動防止板4a、4aとにより、海水を溜める海水貯留区画Aが形成されている。
なお、横移動防止板4aは、浮遊海洋構造物1の動揺時において、海水貯留区画A内の海水が横移動するのを防止するためのものであり、浮遊海洋構造物1の大きさにより枚数は異なるが、図2に図示のように少なくとも6枚以上必要である。
上述の構成において、各々の海水貯留区画Aには多量の海水が貯留されており、浮遊海洋構造物1の動揺時において、海水貯留区画Aに滞留している海水は動揺を抑制するマスとして作用する。
更に、スリット状の流通開口5aから、海水貯留区画A内の海水が外方に噴出すことによっても、動揺を抑制する。
また、流通開口5aの大きさは、浮遊海洋構造物1が共振して動揺する時に、海水貯留区画内の海水が渦を発生しながら噴出する程度の大きさとすることが望ましい。
次に、図3に基づき、実施例2に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
本発明の実施例2の浮体の動揺低減装置では、実施例1(図1、2)のものが囲い壁3aを張出し構造物2の下方に配設しているのに対し、囲い壁3bを張出し構造物2の上方に配設している。
図3中、図1及び図2と同じ構成については同一の符号を付して示しており、図1及び図2と異なる点を重点的に説明する。
図3に示すように、張出し構造物2の外端の上方には、リング状の囲い壁3bが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って、且つ張出し構造物2の外端からはみ出さないように配設され、張出し構造物2と囲い壁3bとの間には、スリット状の流通開口5bが形成されている。
そして、張出し構造物2と、囲い壁3bと、浮遊海洋構造物1の上部外壁との間には、横移動防止板4bが浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、図2と同様に少なくとも6枚鉛直方向に配設され、海水貯留区画Bが形成されている。
横移動防止板4bの開放端6bは、その外方が囲い壁3の上端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の上部外壁に位置するような形状となっている。上述の構成により、実施例1と同様の作用効果を奏する。
図4に基づき、実施例3に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
本発明の実施例3の浮体の動揺低減装置では、実施例1(図1、2)のものが囲い壁3aを張出し構造物2の下方に垂直に配設しているのに対し、囲い壁3cを張出し構造物2の斜め外方に傾斜して配設している。
図4中、図1及び図2と同じ構成については同一の符号を付して示しており、図1及び図2と異なる点を重点的に説明する。
図4に示すように、張出し構造物2の外端の下方には、円錐台状の囲い壁3cが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、張出し構造物2と囲い壁3cとの間には、スリット状の流通開口5cが形成されている。
そして、張出し構造物2と、囲い壁3cと、浮遊海洋構造物1の下部外壁との間には、横移動防止板4cが浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、図2と同様に少なくとも6枚鉛直方向に配設されている。
また、横移動防止板4cの開放端6cは、その外方が囲い壁3cの下端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の外面下端に位置するような形状となっている。
上述の構成により、実施例1より多量の海水を、海水貯留区画A内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図5に基づき、実施例4に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
本発明の実施例4の浮体の動揺低減装置では、実施例1(図1、2)のものが囲い壁3aを張出し構造物2の下方に配設しているのに対し、囲い壁3dを張出し構造物2の外端より外方に配設している。
図5中、図1及び図2と同じ構成については同一の符号を付して示しており、図1及び図2と異なる点を重点的に説明する。
図5に示すように、張出し構造物2の外端より外方の下方には、リング状の囲い壁3dが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、張出し構造物2と囲い壁3dとの間には、スリット状の流通開口5dが形成されている。
そして、張出し構造物2と、囲い壁3dと、浮遊海洋構造物1の下部外壁との間には、横移動防止板4dが浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、図2と同様に少なくとも6枚鉛直方向に配設されている。
また、横移動防止板4dの開放端6dは、その外方が囲い壁3dの下端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の外面下端に位置するような形状となっている。
上述の構成により、実施例1より多量の海水を、海水貯留区画A内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図6に基づき、実施例5に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
本発明の実施例5の浮体の動揺低減装置では、実施例4(図5)のものが囲い壁3dを鉛直に配設しているのに対し、囲い壁3eを斜め外方に傾斜して配設している。
図6中、図5と同じ構成については同一の符号を付して示しており、図5と異なる点を重点的に説明する。
図6に示すように、張出し構造物2の外端より外方の下方には、円錐台状の囲い壁3eが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、張出し構造物2と囲い壁3eとの間には、スリット状の流通開口5eが形成されている。
そして、張出し構造物2と、囲い壁3eと、浮遊海洋構造物1の下部外壁との間に、横移動防止板4eが浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、図2と同様に少なくとも6枚鉛直方向に配設されている。
また、横移動防止板4eの開放端6eは、その外方が囲い壁3eの下端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の外面下端に位置するような形状となっている。
上述の構成により、実施例4より多量の海水を、海水貯留区画A内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図7に基づき、実施例6に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
本発明の実施例6の浮体の動揺低減装置では、実施例1、2(図1、2、3)のものが囲い壁3a又は囲い壁3bを張出し構造物2の上方又は下方に配設しているのに対し、構造物2の上方及び下方の双方に、各々囲い壁3a等及び囲い壁3b等を配設している。
図7中、図1、図2、図3と同じ構成については同一の符号を付して示している。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図8に基づき、実施例7に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図8に示すものは、実施例2と実施例3とを合わせたものである。
即ち、張出し構造物2の上方には、図3に示す囲い壁3b等を配設し、下方には図4に示す囲い壁3c等を配設している。
図8中、図3、図4と同じ構成については同一の符号を付して示している。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図9に基づき、実施例8に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
本発明の実施例8の浮体の動揺低減装置では、実施例7(図8)のものが張出し構造物2の上方の囲い壁3bを鉛直方向に配設しているのに対し、上外方に伸びる逆円錐台形状の囲い壁3fを配設している。
図9中、図8と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の下方には、図8と同様に円錐台状の囲い壁3c等が配設されている。
一方、張出し構造物2の上方には、逆円錐台状の囲い壁3fが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、張出し構造物2と囲い壁3fとの間には、スリット状の流通開口5fが形成されている。
そして、張出し構造物2と、囲い壁3fと、浮遊海洋構造物1の上部外壁との間に、横移動防止板4fが浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、図2と同様に少なくとも6枚鉛直方向に配設され、海水貯留区画Bが形成されている。
横移動防止板4fの開放端6fは、その外方が囲い壁3fの上端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の上部外壁に位置するような形状となっている。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図10に基づき、実施例9に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図10に示すものは、実施例2(図3)と実施例4(図5)とを合わせたものである。
図10中、図3、図5と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の上方には、図3と同様に囲い壁3b等を配設し、下方には図5と同様に囲い壁3d等を配設している。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図11に基づき、実施例10に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図11に示すものは、実施例2(図3)と実施例5(図6)とを合わせたものである。
図11中、図3、図6と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の上方には、図3と同様に囲い壁3b等を配設し、下方には図6と同様に囲い壁3e等を配設している。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図12に基づき、実施例11に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図12に示すものは、実施例8(図9)において張出し構造物2の下部を実施例5(図6)のものに置き換えたものである。
図12中、図6、図9と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の上方には、図9と同様に囲い壁3f等を配設し、下方には図6と同様に囲い壁3e等を配設している。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図13に基づき、実施例12に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図13に示すものは、実施例9(図10)に対し、張出し構造物2の上方の囲い壁3bを更に外方に配設したものである。
図13中、図10と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の下方には、図10と同様に囲い壁3d等を配設している。
一方、張出し構造物2の上方には、囲い壁3dと同じ大きさのリング状の囲い壁3gが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、張出し構造物2と囲い壁3gとの間には、スリット状の流通開口5gが形成されている。
そして、張出し構造物2と、囲い壁3gと、浮遊海洋構造物1の上部外壁との間に、横移動防止板4gが浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、図2と同様に少なくとも6枚鉛直方向に配設され、海水貯留区画Bが形成されている。横移動防止板4gの開放端6gは、その外方が囲い壁3gの上端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の上部外壁に位置するような形状となっている。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図14に基づき、実施例13に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図14に示すものは、実施例12(図13)に対し、張出し構造物2の下方の囲い壁3dを、図6に示す囲い壁3eに置き換えたものである。
図14中、図13、図6と同じ構成については同一の符号を付して示している。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図15に基づき、実施例14に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図15に示すものは、実施例13(図14)に対し、張出し構造物2の上方の囲い壁3gを、外上方に傾斜して伸びる逆円錐台状にしたものである。
図15中、図14と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の下方には、図14と同様に囲い壁3eを配設している。
一方、張出し構造物2の上方には、囲い壁3eと同じ大きさの逆円錐台の囲い壁3hが配設され、張出し構造物2と囲い壁3hとの間には、スリット状の流通開口5hが形成されている。
そして、張出し構造物2と、囲い壁3hと、浮遊海洋構造物1の上部外壁との間に、横移動防止板4hが浮遊海洋構造物1の周囲に放射状に、図2と同様に少なくとも6枚鉛直方向に配設され、海水貯留区画Bが形成されている。
横移動防止板4hの開放端6hは、その外方が囲い壁3hの上端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の上部外壁に位置するような形状となっている。
上述の構成により、多量の海水を、海水貯留区画A、B内に保留させることが可能となり、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図16に基づき、実施例15に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
実施例15のものは、実施例1〜14においては、張出し構造物2が浮遊海洋構造物1に直接取付けられているのに対し、実施例15においては、浮遊海洋構造物1の側壁の水面下の下端より離れて上方において、浮遊海洋構造物1と間隔をおいてリング状の張出し構造物2aが配設されている。
そして、この浮遊海洋構造物1と張出し構造物2aとの間に連通部7が形成されている。
また、張出し構造物2aの上面又は下面には、図1、図3、図4、図7、図8、図9に示すような囲い壁3a、3b、3c、3fが、直接取付けられている。
更に、横移動防止板4a、4b、4c、4fも配設され、海水貯留区画A又は及びBが形成されている。
この実施例15においても、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図17に基づき、実施例16に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図17に示すものは、実施例12(図13)に対し、張出し構造物2の外周を囲う連通部壁9を設けて、連通部壁9、囲い壁3d、囲い壁3gとを連続させたものである。
図17中、図13と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の下方には、リング状の囲い壁3dが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、海水貯留区画Aが形成されている。
張出し構造物2の上方には、囲い壁3dと同じ大きさのリング状の囲い壁3gが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、海水貯留区画Bが形成されている。
更に、張出し構造物2の外周には、囲い壁3d、囲い壁3gと連続する連通部壁9が配設されている。
そして、この連通部壁9の内側と張出し構造物2の外周との間には、海水貯留区画A、Bを連通するリング状の連通部7aが形成されている。
上述の構成により、海洋構造物1の動揺時、海水貯留区画A又はB内に保留している海水は、連通部7aを通り、海水貯留区画B又はA内に流れるため、その流体抵抗により動揺を抑制する効果は更に向上する。
図18に基づき、実施例17に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図18に示すものは、実施例14(図15)に対し、張出し構造物2の外周を囲う連通部壁9を設けて、連通部壁9、囲い壁3e、囲い壁3hとを連続させたものである。
図18中、図15と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2の下方には、リング状の囲い壁3eが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、海水貯留区画Aが形成されている。
張出し構造物2の上方には、囲い壁3eと同じ大きさのリング状の囲い壁3hが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、海水貯留区画Bが形成されている。
更に、張出し構造物2の外周には、囲い壁3e、囲い壁3hと連続する連通部壁9が配設されている。
そして、この連通部壁9の内側と張出し構造物2の外周との間には、海水貯留区画A、Bを連通するリング状の連通部7aが形成されている。
上述の構成により、海洋構造物1の動揺時、海水貯留区画A又はB内に保留している海水は、連通部7aを通り、海水貯留区画B又はA内に流れるため、その流体抵抗により動揺を抑制する効果は更に向上する。
図19に基づき、実施例18に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
図19に示すものは、実施例16(図17)に対し、張出し構造物2の外周を外側に突出させて張出し構造物2bとしたものである。
図19中、図17と同じ構成については同一の符号を付して示している。
即ち、張出し構造物2bの下方には、リング状の囲い壁3dが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、海水貯留区画Aが形成されている。
張出し構造物2bの上方には、囲い壁3dと同じ大きさのリング状の囲い壁3gが浮遊海洋構造物1の周囲全周に渡って配設され、海水貯留区画Bが形成されている。
更に、張出し構造物2bの外周には、囲い壁3d、囲い壁3gと連続する連通部壁9が配設されている。
そして、この連通部壁9の内側と外側に突出した張出し構造物2bの外周との間には、海水貯留区画A、Bを連通するリング状の連通部7bが形成されている。
また、連通部壁9の内側と張出し構造物2bの最も外側に突出した外周とによりオリフィス部10が形成されている。
上述の構成により、海洋構造物1の動揺時、海水貯留区画A又はB内に保留している海水は、連通部7bを通り、海水貯留区画B又はA内に流れ、且つオリフィス部10を通過するときに、通過する流体の流速が早くなって減衰効果が大きくなるため、動揺を抑制する効果は更に向上する。
なお、このオリフィス部10は、図18の構造のものにも適用可能である。
また、上述のものは、オリフィス部10を形成するために、張出し構造物2bの上下方向中央部を外周側に突出しているが、これに限定されるものではなく、張出し構造物2bの上端部或いは下端部を外周側に突出す構造としてもよく、更には、連通部壁9を内側に突出すようにしても良い。
図20に基づき、実施例19に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
実施例19のものは、実施例15(図16)に対し、張出し構造物2aの内側壁を内側に突出させ張出し構造物2cとしたものである。
図20中、図16と同じ構成については同一の符号を付して示している。
そして、実施例15(図16)と同様に、浮遊海洋構造物1の側壁の水面下の下端より離れて上方において、浮遊海洋構造物1と間隔をおいてリング状の張出し構造物2cが配設されている。
そして、この浮遊海洋構造物1と張出し構造物2cとの間に連通部7cが形成されている。
また、張出し構造物2cの内側壁の上下方向中央部が、内側に突出し、浮遊海洋構造物1の外壁と張出し構造物2cの最も内側に突出した外周とによりオリフィス部10が形成されている。
また、張出し構造物2cの上面又は下面には、図1、図3、図4、図7、図8、図9に示すような囲い壁3a、3b、3c、3fが、直接取付けられている。
更に、横移動防止板4a、4b、4c、4fも配設され、海水貯留区画A又は及びBが形成されている。
この実施例19においても、動揺を抑制する効果は更に向上する。
図21に基づき、実施例20に係る浮体の動揺低減装置の構成につき説明する。
実施例20のものは、実施例15(図16)に対し、張出し構造物2aの内側壁を内側に突出させ張出し構造物2dとしたものである。
図21中、図16と同じ構成については同一の符号を付して示している。
そして、実施例15(図16)と同様に、浮遊海洋構造物1の側壁の水面下の下端より離れて上方において、浮遊海洋構造物1と間隔をおいてリング状の張出し構造物2dが配設されている。
そして、この浮遊海洋構造物1と張出し構造物2dとの間に連通部7dが形成されている。
また、張出し構造物2dの内側壁の上部が、内側に突出し、浮遊海洋構造物1の外壁と張出し構造物2dの最も内側に突出した外周とによりオリフィス部10が形成されている。
また、張出し構造物2dの上面又は下面には、図1、図3、図4、図7、図8、図9に示すような囲い壁3a、3b、3c、3fが、直接取付けられている。
更に、横移動防止板4a、4b、4c、4fも配設され、海水貯留区画A又は及びBが形成されている。
この実施例20においても、動揺を抑制する効果は更に向上する。
なお、図1〜図21は、浮遊海洋構造物1の水面下の形状のみを図示したものであるが、浮遊構造物1の水面上の形状は、水面下の形状とは別の形状としても良い。
更には、図1〜図21に図示の浮遊海洋構造物1を複数個併設し、その上の海面から離れた位置に共通台を設けてレジャー施設やホテル等を載置するようにしても良い。
以上、本発明の実施の形態の実施例1〜20について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
例えば、浮遊海洋構造物1、張出し構造物2、2a及び囲い壁3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、連通部壁9の横断面形状は、円形のものに限定されるものではなく、多角形、八角形、四角形等、色々な形状とすることが出来る。
張出し構造物2、2a、2b、2c、2dは、図1〜21に示すような断面が四角形状のものに限定されるものではなく、薄い板状(円盤状等)の構造物も含むものとする。
また、上述の各実施例において、張出し構造物2、2aの下方に配設された囲い壁3a、3c、3d、3eは、浮遊海洋構造物の下面からはみ出さないように配設されているが、これに限定されるものではなく、浮遊海洋構造物の下面より下方まで延在する形状としても良い。
この場合も、横移動防止板4a、4c、4d、4eの開放端6a、6c、6d、6eは、その外方が囲い壁3a、3c、3d、3eの下端に位置し、内方が浮遊海洋構造物1の外面下端に位置するような形状となっている。
本発明の実施例1に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 実施例1の底面図である。 本発明の実施例2に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例3に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例4に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例5に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例6に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例7に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例8に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例9に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例10に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例11に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例12に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例13に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例14に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例15に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例16に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例17に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例18に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例19に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施例20に係る海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。 従来の海洋構造物の動揺低減装置の構成を示す横断面図である。
符号の説明
1 浮遊海洋構造物
2、2a、2b、2c、2d 張出し構造物
3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h 囲い壁
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h 横移動防止板
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h 流通開口
6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h 開放端
7、7a,7b,7c,7d 連通部
9 連通部壁
10 オリフィス部
A、B 海水貯留区画

Claims (5)

  1. 円筒状の浮遊海洋構造物と、該浮遊海洋構造物の側壁の水面下の下端より離れて上方に取付けられた張出し構造物と、該張出し構造物の少なくとも下方又は上方の水面下に配設された囲い壁と、上記張出し構造物と上記囲い壁との間に形成された流通開口とを備えたことを特徴とする海洋構造物の動揺低減装置。
  2. 円筒状の浮遊海洋構造物と、該浮遊海洋構造物の側壁の水面下の下端より離れて上方に間隔を明けて配設された張出し構造物と、該張出し構造物の少なくとも下方又は上方の水面下に配設された囲い壁と、上記浮遊海洋構造物と上記張出し構造物との間に形成された連通部とを備えたことを特徴とする海洋構造物の動揺低減装置。
  3. 円筒状の浮遊海洋構造物と、該浮遊海洋構造物の側壁の水面下の下端より離れて上方に配設された張出し構造物と、該張出し構造物の下方及び上方の水面下に配設された囲い壁と、上記張出し構造物の外周を囲うと共に上記下方及び上方の囲い壁に連続して配設された連通部壁と、上記張出し構造物と上記連通部壁とにより形成された連通部とを備えたことを特徴とする海洋構造物の動揺低減装置。
  4. 上記張出し構造物と上記囲い壁と上記浮遊海洋構造物との間に鉛直方向に配設された少なくとも6枚の横移動防止板を備えたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の海洋構造物の動揺低減装置。
  5. 上記張出し構造物と上記囲い壁と上記浮遊海洋構造物と上記横移動防止板とにより海水貯留区画が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の海洋構造物の動揺低減装置。
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