JP4387810B2 - 三次元塑性変形解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、試料表面に存在する結晶粒の二次元観察データから三次元の塑性ひずみを評価する三次元塑性ひずみ解析方法を含む三次元塑性変形解析方法に関する。塑性変形は塑性ひずみと塑性回転とから構成されるものと考えられる。
一般に、工業材料として広く用いられている多結晶金属材料の変形挙動はきわめて複雑である。それはその塑性変形が、主として個々の結晶粒に生じる不均一変形の組合せで構成されているからである。この結晶粒の不均一変形に関しては、これまで解析的あるいは実験的研究がなされており、個々の結晶粒は方位に依存して異なった変形挙動を示し、それらが結晶粒界を介して互いに結合し合いながら多結晶全体の変形を構成するため、不均一となることが明らかにされている。したがって、多結晶体の塑性変形挙動を論ずる際には、個々の結晶粒の変形を正確に評価する方法が必要となる。特に、小型化された電子デバイスやマイクロマシンの構成材料は多数の微小寸法材料(細線や薄膜)より構成されており、これらの微小寸法材料では、材料中に含まれる結晶粒数が少ないため、各結晶粒の変形評価から材料全体の正確な変形の評価が可能となる。
従来から、結晶粒の塑性変形は表面の組織観察によって行われ、結晶粒のひずみ評価に応用できる最近の技術としては、後方散乱電子線回折(EBSD)法と画像処理がある。前者のEBSD法は、走査型電子顕微鏡(SEM)内に試験片を設置し、試料表面から得られる電子線の回折像(菊池線)から、その結晶方位を求める手段であり、一般の金属材料であれば方位を簡便に測定できる。近年のコンピュータの処理能力の向上に伴い、多結晶金属材料においても、数mm程度の対象領域中に存在する100個程度の結晶粒であれば、それらの方位を実用的な時間内で評価することができるようになっている。一方、後者の画像処理も、最近の画像情報処理技術の進歩により、計算機内に取り込んだデジタル画像を種々のフィルターを用いて加工し、物体の寸法・形状の高速認識、それらの統計処理などが可能となっている。
前述のような評価方法を用いて、本件発明者等による結晶粒の変形に関する報告(下記非特許文献1および非特許文献2参照)や結晶粒の二次元面での塑性変形観察評価(下記特許文献1および特許文献2)等がなされている。
清水他 日本機械学会論文集「多結晶鉄の圧縮塑性変形に伴う自由表面あれと結晶粒の変形」(60,578.P201−208.1994) 清水他 日本機械学会論文集「種々の塑性ひずみ経路におけるアルミニウム板の自由表面あれ形状の三次元評価」(67,663.P1760−1767.2001) 特開平7−294436号公報(段落10) 特開平9−325125号公報(段落11)
しかしながら、これらの試料表面の組織観察による結晶粒の塑性変形観察はいずれも二次元面での評価の域を出ず、三次元での変形解析には至っていない。特に微小寸法材料においては、試料全体の変形が、結晶粒の影響を大きく受けることもあり、結晶粒の変形解析を三次元レベルの高い精度で実施する必要がある。
そこで、本件発明者らは、前記従来の結晶粒の塑性変形観察の課題を解決して、より高い精度での結晶粒の塑性変形評価を可能にする三次元塑性ひずみ解析方法を含む三次元塑性変形解析方法を提供することを目的とする。
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
試料表面に存在する結晶粒の二次元観察データから三次元の塑性ひずみを評価する三次元塑性ひずみ解析方法において、被測定結晶粒の試料表面における縦横寸法および面積を光学顕微鏡によって取得して被測定結晶粒の粒界を特定し、その縦横寸法および面積を画像処理によってピクセル数で求めるとともに、被測定結晶粒の表面におけるすべり線角度を走査顕微鏡により、また、結晶方位を後方散乱電子線回折法により取得し、前記粒界の縦横寸法、面積、すべり線角度および結晶方位から所定の計算式により、三次元の垂直ひずみ3成分(εx ,εy ,εz )と剪断ひずみ3成分(γxy,γyz,γzx)の6成分を算出し、さらに、前記後方散乱電子線回折(EBSD)法により求められる前記結晶方位の変形前後の差から結晶の回転量(角度変化)を求め、所定の計算式により塑性回転3成分(ωx ,ωy ,ωz )を算出し、三次元塑性ひずみにおける前記6成分に三次元塑性回転の3成分の評価を加えて、結晶体内における三次元の塑性変形を評価することを特徴とする三次元塑性変形解析方法である。
また、前記被測定結晶粒の試料表面における変形前後の画像を取得して、被測定結晶粒の粒界を特定し、その縦横寸法および面積を画像処理によってピクセル数で求めるに際し、面内で45°回転した画像を変形前後で取得し、垂直ひずみ成分(εx ,εy )を所定の計算式により求めるとともに、剪断ひずみγxyを他の所定の計算式により求めることを特徴とする三次元塑性ひずみ解析方法である。
また、前記各結晶の回転量から三次元的な塑性回転を求めることを特徴とする三次元塑性変形解析方法である。
また、前記各結晶の塑性ひずみおよび塑性回転を同時に求め、それらを互いに比較することを特徴とする三次元塑性変形解析方法である。
また、前記各結晶の塑性ひずみおよび塑性回転から、変形後における結晶表面の角度を評価することを特徴とする三次元塑性変形解析方法である。
本発明によれば、試料表面に存在する結晶粒の二次元観察データから三次元の塑性ひずみを評価する三次元塑性ひずみ解析方法において、被測定結晶粒の試料表面における変形前後の画像を取得して、被測定結晶粒の粒界を特定し、その縦横寸法および面積を画像処理によってピクセル数で求めるとともに、被測定結晶粒の表面におけるすべり線角度および結晶方位を求め、前記粒界の縦横寸法、面積、すべり線角度および結晶方位から所定の計算式により、三次元の垂直ひずみ3成分(εx ,εy ,εz )と剪断ひずみ3成分(γxy,γyz,γzx)の6成分を算出することにより、結晶体内における三次元の塑性ひずみを評価するので、結晶粒数が少ない微小材料であっても塑性変形ひずみを三次元にて総合的に評価できて、材料としてのより正確な塑性変形の解析が可能となった。
また、前記縦横寸法および面積を、光学顕微鏡による画像により取得することにより、比較的広く使用されている既存の顕微鏡を用いて、容易に被測定結晶粒の粒界を特定することができる。さらに、前記すべり線角度を、走査型電子顕微鏡により取得することにより、結晶粒のひずみを三次元的に評価するための結晶粒内のすべり線の荷重軸に対する角度を簡便に取得できる。さらにまた、前記結晶方位を、後方散乱電子線回折(EBSD)法により求めて、結晶すべり面を特定することにより、画像処理との併用によって、多結晶金属材料中に存在する各結晶粒のひずみを三次元的に求めることを可能にした。
また、前記被測定結晶粒の試料表面における変形前後の画像を取得して、被測定結晶粒の粒界を特定し、その縦横寸法および面積を画像処理によってピクセル数で求めるに際し、面内で45°回転した画像を変形前後で取得し、垂直ひずみ成分(εx ,εy )を所定の計算式により求めるとともに、γxyを他の所定の計算式により求めることにより、精度をより向上させて、三次元表示に必要なひずみ6成分を求めることができる。
さらに、前記三次元塑性ひずみ解析方法における後方散乱電子線回折(EBSD)法により求められる結晶方位の変形前後の差から結晶の回転量(角度変化)を求め、所定の計算式により塑性回転3成分(ωx ,ωy ,ωz )を算出することにより、三次元塑性ひずみにおける前記6成分に三次元塑性回転の3成分の評価を加えて、結晶体内における三次元の塑性変形を評価することにより、結晶粒の塑性変形を構成するところの、形状変化である「ひずみ」と塑性変形に伴って生じる結晶粒の「剛体回転(塑性回転)」の両方から検討することができるようになり、塑性変形をより正確に評価できることとなった。
さらにまた、前記各結晶の回転量から三次元的な塑性回転を求めることにより、特に、結晶粒の少ない微小材料の場合は、前記方法による各結晶粒の塑性変形の評価を材料全体の変形評価に用いることができる。また本発明は、前記各結晶の塑性ひずみおよび塑性回転を同時に求め、それらを互いに比較することにより、塑性変形後の結晶粒の傾斜を求めることができる。さらに、前記各結晶の塑性ひずみおよび塑性回転から、変形後における結晶表面の角度を評価することにより、変形後の材料表面における結晶粒の起伏を容易に予測することが可能となった。
<三次元塑性ひずみ解析方法>
以下、本発明の三次元塑性ひずみ解析および塑性回転解析から構成される三次元塑性変形解析方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。塑性変形が塑性ひずみと塑性回転から成り立つと考えられるところから、先ず、三次元塑性ひずみ解析方法について述べる。図1に示すように、試料表面に存在する結晶粒の二次元観察データから三次元の塑性ひずみを評価する三次元塑性ひずみ解析方法において、被測定結晶粒の試料表面における変形前後の画像を取得して、被測定結晶粒の粒界を特定し、その縦横寸法および面積を画像処理によってピクセル数で求めるとともに、被測定結晶粒の表面におけるすべり線角度および結晶方位を求め、前記粒界の縦横寸法、面積、すべり線角度および結晶方位から所定の計算式により、三次元の垂直ひずみ3成分(εx ,εy ,εz )と剪断ひずみ3成分(γxy,γyz,γzx)の6成分を算出することにより、結晶体内における三次元の塑性ひずみを評価することを特徴とする。
以下、本発明の原理の説明および実験結果による優位性について詳述する。始めに、本発明では、前述した後方散乱電子線回折法と画像処理の2つの技術を効果的に組み合わせることにより、通常は二次元的評価に留まっていた多結晶銅の引張りに伴い変化する各結晶粒の塑性ひずみを三次元的に評価する方法を提案し、実験的に検証するものである。 <実験・観察方法>
引張り試験は図2に示す多結晶銅の平板試験片を用いて実施した。供試材は工業用純銅圧延板(純度99.5%、板厚1.00mm)であり、圧延方向を試験片の長手方向とした。本発明では引張り試験の前に、まず、#2000のエミリー紙および粒径1μmのダイヤモンドペーストを用いた機械研摩にて、試験片表面を鏡面状態に仕上げた。次に、真空焼鈍(焼鈍温度600°C、保持時間1h、炉冷)を施し、さらに、電解研磨により試験片表面の酸化膜を除去した後、化学腐食を行い、結晶粒界が識別できるようにした。
本発明では、図2に示す試験片平行部の中央に500μm×500μmの正方形領域を設定し、その領域内に存在する結晶粒について変形および結晶方位の測定を実施した。引張り試験は日立製200Kg試料引張試験装置を用いて行い、試験片の巨視的ひずみεが0.03、0.07、0.10の各段階で引張り試験を中断し、除荷後に各種の観察を実施した。なお、試験片の巨視的負荷ひずみは、試験片中央部に微小硬さ試験機(アカシ製微小硬さ試験機MVK−H0)を用いて、予め、圧痕を打ち、その間隔変化から評価した。圧痕は試験片の長手方向に500μm間隔で6点、それに垂直な方向に500μm間隔で4点打ち、引張り方向のひずみ評価には前者の6点の計測結果を用いた。
<結晶粒の観察と結晶方位の測定>
本発明では、試験片表面に存在する結晶粒の観察に2種類の顕微鏡を用いた。まず、各結晶粒の二次元的ひずみの評価には光学顕微鏡を用いた。試験片表面の光学顕微鏡による観察像をコンピュータ内に取り込み、その画像を二値化処理した。その後、Hilditchの細線化処理を施し、粒界線の幅を1画素とし、その最終画像から各結晶粒の形状等を評価した。画像からひずみを評価する方法は後述する。次に、結晶粒内のすべり線の荷重軸に対する角度(すべり線角度)は、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した画像から測定した。すべり線角度は、その結晶粒のひずみを三次元的に評価する際に必要である。詳細は同じく後述する。一方、結晶方位解析は、日立製S−3500N型走査型電子顕微鏡内に設置したOxford社製Link Opalシステムを用いてEBSD法により行なった。測定方法の詳細は、既に別報で報告した通りである。前述の光学顕微鏡画像から得られた結晶粒界がEBSDの結果と一致していることは確認済みである。
<結晶粒の塑性ひずみの評価方法>
材料表面内の垂直、剪断ひずみと奥行き方向の垂直ひずみについて説明する。一般に、材料内のひずみを微小ひずみと仮定すると、任意の個所のひずみは、εx 、εy 、εz 、γxy、γyz、γzxの6成分で規定される。本発明では、そのうち材料表面内の垂直ひずみとせん断ひずみであるεx 、εy 、γxy、および、表面に対して垂直方向(奥行き方向)の垂直ひずみであるεz を結晶粒の画像処理結果から決定した。残りの奥行き方向のせん断ひずみであるγyzとγzxは、結晶粒の塑性変形に関する制約条件を考慮することにより別途、決定した。測定範囲内の代表的な結晶粒変形後の走査電子顕微鏡画像を図3に示す。ただし、図中では、結晶粒界をわかりやすくするため細線で表示している。図からわかるように、各結晶粒内ではすべり線が、ほぼ結晶粒全体に一様に現れており、すべり線の方向は、ほぼ同じである。これは結晶粒の変形が単一のすべり系のすべり変形により生じていることを示している。
本発明では、各結晶粒の塑性変形に関して以下の仮定のもとになされる。
(1)各結晶粒の塑性変形は、結晶粒内において、一様に生じる。
(2)各結晶粒の塑性変形は非圧縮性で、変形の前後において体積変化が生じない。
(3)各結晶粒で生じているすべり変形のすべり面は同一の方位であり、多重すべりは生じない。
本発明では、まず、上記(1)と(2)の仮定に基づいて以下のようにひずみεx 、εy 、γxyを求める。図4に示すように、荷重軸方向(x軸)、表面内で、それに垂直な方向(y軸)、および両者に垂直なz軸から構成されるxyz座標系と、そのxyz座標系(以後、x−y座標系と呼ぶ)に対して、z軸まわりに45°回転したx’y’z座標系(以後、x’−y’座標系と呼ぶ)を考える。x−y座標系の各軸方向のひずみであるεx とεy 、x’−y’座標系の各軸方向のひずみであるεx とεy を次式により求める。
Figure 0004387810
Figure 0004387810
Figure 0004387810
Figure 0004387810
式(1)〜(4)の各項は以下で与えられる画像に関する情報量である。
Nx ̄=Nt/ly:x軸方向の平均画素数
Ny ̄=Nt/lx:y軸方向の平均画素数
Nx’ ̄=Nt/ly’:x’軸方向の平均画素数
Ny’ ̄=Nt/lx’:y’軸方向の平均画素数
ここで、Nt :結晶粒内の総画素数
lx :x軸方向の最大長さ
ly :y軸方向の最大長さ
lx’:x’軸方向の最大長さ
ly’:y’軸方向の最大長さ
ただし、添字に0が付いている項は、各量の変形前の量であり、例えば、Nx ̄(ただし、Nx ̄はNxの算術平均を表しており、バーNxのことで、数式以外の文章では便宜的にNx ̄で表している。以下の同様の表記についても同じ)の場合は、Nt0 ̄/lyoとなる。また、lx、ly、lx’、ly’は、画素の大きさを基準長さとする無次元化長さとする。lxが3画素分の長さであればlx=3となる。
次に、図1を用いて本発明の三次元塑性ひずみ解析方法の手順についてのフローを説明する。(1)試料は初期状態と変形(引張り試験等)後とを比較する。試料の観察表面は結晶粒界が識別できる状態とする。(2)表面を光学顕微鏡または電子顕微鏡により観察して画像を取得し、測定対象の結晶粒を定め、粒界抽出、二値化の画像処理を行う。変形前後の同じ結晶粒について同じ面内で45°回転させた画像に対しても同じ処理を行う。(3)変形後の対象結晶粒について、走査型電子顕微鏡、後方散乱電子線回折により、結晶粒表面におけるすべり線角度および結晶方位を求める。前記(1)(2)より、垂直ひずみ3成分(εx ,εy ,εz )と剪断ひずみ成分(γxy)を算出する。前記(3)(4)より、剪断ひずみ成分(γyz,γzx)を算出する。
測定対象の結晶粒の画像を光学顕微鏡で取得し、粒界を特定し、変形前後の寸法、結晶粒界内に入るピクセル数を画像処理で求める。結晶粒に入るピクセル数、x軸とy軸方向の長さについて、変形前をNt0、lx0、l y0 、変形後をNt 、lx、lyとすると、εx ,εy は前記式(1)(2)となる。この考え方では第一ステップとして、結晶粒の表面内の変形を捉える。このとき、表面上の面積は変わらず(ピクセル数;Nt0が不変)縦と横の長さが変わる。第二ステップでは結晶粒の塑性変形前後での体積は変わらないとして、表面上の面積変化(Nt、lx、ly)を捉える。面積変化分だけ、奥行き寸法が変化したと見る。相似形変形と体積保存を前提としているので、各々の項に1/2を乗じる。
次いで、塑性変形における体積保存則に基づき垂直ひずみ成分εz を求める。そして、結晶粒内すべり面の同定を行う。走査型電子顕微鏡にて、結晶粒表面のすべり面を同定する。後方散乱電子線回折(EBSD)法により、結晶方位を測定し、これらから、活動すべり面を同定する。すべり線角度θ、ξ(後述)を求める。次いで、剪断ひずみ成分γxy、γyz、γzxを求める。γxyのより正確な算出を行う。結晶粒方位のひずみ評価を45°回転したデータを取得する。計算式は同じで(εx ,εy )を求め、次いでγxyを求める。
図5に示す結晶粒変形に関する模式図を用いて式(1)〜(4)を説明する。図5(a)が変形前の結晶粒、図5(b)が変形後の結晶粒である。本発明では、図に示すようにすべり変形をx−y平面内の変形である図5(a)から図5(b)とz軸方向の垂直変形である図5(b)から図5(c)の2段階に分けて考える。ここでは、試験片表面に対して、垂直方向の剪断ひずみであるγyzとγzxは考慮しないが、それら以外の成分に関しては、全てこの2段階に分離することができる。図5(a)から図5(b)で示される変形は、試験片表面に対して垂直な方向のひずみεz がないと仮定した変形で、試験片表面上における結晶粒の形状変化のみで構成される。いま、図5(a)から図5(b)の変形においてεz =0と仮定していることから、試験片表面上における結晶粒の面積(図中のハッチングを施した部分)は変形中不変である。したがって、縦横比(x軸方向とy軸方向の長さの比)の変化をとると、それはx軸(あるいはy軸)方向の長さの変化率の2倍になる。したがって、この縦横比の変化の1/2が各軸方向の垂直ひずみとなり、これが、式(1)から(4)の第1 項に相当する。ここで、図5(a)と変形後の最終的な結晶粒形状である図5(c)の間で同量を求めても、ここでは、縦横比(x軸方向とy軸方向の長さの比)の変化を計算しているため、図5(a)から図5(b)の場合と同じ結果となる。
次に、図5(b)から図5(c)で表される変形について考える。この変形では、試験片表面における結晶粒の形状は不変であるが、その大きさが変化する。いま、前述(段落0014)の変形に関する仮定(2)より各結晶粒において体積保存則が成立しているため、表面における結晶粒の面積変化率である(Nt−Nto)/Ntoが、その結晶粒の奥行き方向の垂直ひずみであるεzに一致する。さらに、図5(b)から図5(c)への変形において結晶粒の形状が不変であることを仮定しているため、(Nt −Nt0)/Nt0に1/2を乗じたものが、この変形段階におけるxとyの各軸方向に関する垂直ひずみとなる。このように面積の変化率から、それに垂直な方向のひずみを求める方法は、従来から結晶粒の奥行き方向の垂直ひずみを求める場合に提案されている。
試験片表面内の剪断ひずみγxyはx軸方向のひずみεx 、y軸方向のひずみεy 、およびx’−y' 座標系におけるx’軸方向のひずみεx'を用いて次式より求められる。
Figure 0004387810
以上、ひずみεx 、εy 、εz 、γxyを求める手法について説明してきたが、その妥当性については、数値的に作成した種々の形状の結晶粒に関して確認している。本手法の特徴の一つとして、ひずみの計算に変位の測定結果を用いていないことが挙げられる。通常は、ひずみを評価する領域内、あるいは、その近傍に基準点を設け、そこから各点の変位を測り、その変位の変化に基いてひずみを計算するが、本発明では、ひずみの算出にそのような基準点の設定が不要であるため、画像処理を用いてひずみを計算する場合には便利である。
<奥行き方向のせん断ひずみの評価方法>
材料表面における、結晶粒の外形変化のみでは結晶粒の試験片内部方向のせん断ひずみであるγyz、γzxを計算することはできない。そこで、本発明ではSEMにより観察されるすべり線の荷重軸に対する角度θとEBSD法により求めた結晶方位の結果を用いて、各結晶粒のすべり面を特定する。その後、その特定したすべり面に対する力学的変形拘束を考慮し、γyzとγzxを計算する。その具体的な方法を以下に示す。
<活動すべり面の決定>
一般に面心立方格子(fcc)金属では、{111}面が活動すべり面となることが知られている。したがって、EBSD法により、ある結晶粒の方位が測定されると、その結晶粒の(111)、(−111)、(−1 −11)、および(1 −11)(ただし−は負の値を示す)の4つのすべり面の方位が明らかとなり、各すべり面と表面の交線が荷重軸となす角度、すなわちすべり線角度も同時に求めることができる。荷重軸とすべり面、すべり線の幾何学的関係を模式的に図6に示す。本発明では、測定領域中に存在する全結晶粒について、それぞれ4つのすべり面候補を考え、各すべりと試験片表面との交線であるすべり線の角度θを計算する。4つのすべり面候補の中でSEMより観察されたすべり線と最も近い角度を有するものを活動すべり面と推定した。実際のすべり線角度θとEBSD法から推定したすべり線角度の差は小さく、最大でも5°程度であった。以上のプロセスにより活動すべり面の三次元的方位が明らかとなり、図6中に示す活動すべり面の奥行き方向の角度であるξが求められる。ξについての詳細は後述する。
<各結晶粒の塑性変形における拘束>
いま、図7に示すように、ある結晶粒の塑性変形が同一方向の多数のすべり面のすべりにより構成されている場合を考える。図中において、nは活動すべり面の単位法線ベクトルであり、mはすべり線方向の単位ベクトルである。また、m’はy=0とすべり面の交線に関する単位方向ベクトルである。したがって、m、m’は、いずれもnに垂直な単位方向ベクトルとなる。結晶粒の塑性変形が完全にすべり面同士のすべり変形によって構成されていると仮定したため、結晶粒はすべり面に平行な剪断変形のみが生じ、nおよびm、m’方向の垂直ひずみであるεn とεm 、εm'はいずれも0となる。したがって、次式が成立する。
Figure 0004387810
Figure 0004387810
Figure 0004387810
したがって、結晶粒のせん断ひずみγxy、γyz、γzxはすべり線角度θ、ξ、およびx,y,z各軸方向の垂直ひずみεx ,εy ,εz を用いて次式のように求められる。
Figure 0004387810
Figure 0004387810
Figure 0004387810
試験片表面内のせん断ひずみγxyは式(5)からも求められるので、両式から求めたγxyを比較することで仮定した変形が実際の塑性変形において生じているか否かを確認することができる。また、εx 、εy 、εz 、γxy、γyzおよびγzxの結晶粒の塑性ひずみの6成分が既知であれば、ひずみテンソル[ εij ]の固有値、固有ベクトルから主ひずみと主ひずみ方向も三次元的に求められる。
<実験結果および考察>
<仮定した結晶粒の変形様式の確認>
前述のように、本発明では、各結晶粒の塑性変形が同一方向の多数のすべり面のすべりにより構成されていると仮定し、その仮定より導かれる変形に関する拘束条件式を用いて奥行き方向の剪断ひずみγyz,γzxを求めた。ここで、試験片表面内のせん断ひずみγxyは式(5)および式(9)の双方から求められるため、両者が一致すれば、実際の結晶粒が、仮定した変形様式で変形していることを裏付けることになる。両者を比較した結果を図8に示す。図中の横軸は式(5)より求めた剪断断ひずみをγxyBMP として、また、縦軸は式(9)より求めた剪断ひずみγxyを示している。なお、結果を22.5°≦θ≦67.5°の範囲と、θ<22.5°、67.5°<θの範囲により分けているのは、式(9)からわかるように、γxyは1/tanθとtanθの項を含むため、θが0°および90°近傍でγxyの誤差が大きくなる。
したがって、θが両角度付近のものに関しては、先に説明したx’−y’座標系を基準に評価した角度θ’を用いてγxyを計算した。次節以降に出てくるγyzに関しても同様の方法で精度を高めている。図からわかるように、式(5)および式(9)の両式から計算したγxyの値はよく一致しており、仮定した変形様式が、ほぼ、すべての結晶粒について実現されていると言える。なお、プロットした結果の中で比較的相関の低い(相対誤差5°以上)ものを●印で示しているが、これらは、小さい結晶粒である場合が多かった。これは、小さい結晶粒ほど変形が一様ではなく、本解析で仮定した単一すべり系による変形が厳密には成立していないからであると考えられる。
したがって、次節以降では、γxyに関して相関性が高かった○印で示されたデータのみを採用した。なお、図8は、一例としてε=0.07の場合のみを示したが、他の負荷ひずみにおいても相関性の低いデータは、ほぼ小さな結晶粒のものであった。観察領域内に存在する150個の結晶粒で、各負荷ひずみを与えた後、すべり線が明瞭に観察された結晶粒はε=0.03で123個、ε=0.07で123個、ε=0.10で121個であった。このγxyとγx'y'に関する抽出により、最終的に残ったε=0.03で103個、ε=0.07で97個、ε=0.10で91個の結晶粒に関してひずみの評価が可能であった。
<結晶粒の各塑性ひずみ成分の分布>
結晶粒の塑性ひずみの6成分の変化を図9に示す。図中の各ひずみにおける縦方向のバーは、ひずみが評価可能であった結晶粒に関するひずみの最大値と最小値、すなわち、ひずみの変動範囲を示している。また、ε=0.10までひずみが評価可能であった結晶粒のうちで、代表的な結晶粒10個については、同一結晶粒におけるひずみ成分の変化がわかるように折れ線で結んで示した。図から読み取れるように荷重軸方向(x軸方向)のひずみεx は、ひずみの増加に伴い各結晶粒の値は増減を示しながらも、平均値は線形増加を示している。また、奥行き方向の垂直ひずみεz も、各結晶粒の値は増減を示しながらも、平均値は線形減少を示している。一方、試験片表面内における荷重軸垂直方向ひずみεy の平均値は、ほぼ0である。したがって、荷重軸方向に引伸ばされた結晶粒は主として奥行き方向に縮むことにより一定の体積を保っていると言える。次に図9(d)、(e)、(f)に示す剪断ひずみ成分γxy、γyz、γzxの変化を見ると、各剪断ひずみの値は、負荷ひずみの増加に伴い増加するものと減少するものが入り混ざっており、中には増減を繰り返すものも存在する。しかしながら、その平均値はほぼ0で一定となっている。
<結晶粒の主ひずみと主ひずみ方向の分布>
各結晶粒の最大主ひずみの変化を図10に示す。ただし、図9と同様に縦方向のバーはひずみの最大値と最小値を示し、また代表的な結晶粒10個については折れ線で結んで示している。図9(a)に示した荷重軸方向の垂直ひずみであるεx と同様、最大主ひずみに関しても巨視的負荷ひずみの増加に伴い、ほぼ線形的に増加している。図11に主ひずみ方向の三次元分布を示す。ここで、図中の○印はxyz座標系上の単位ベクトルの先端の位置を示しており、図中(a)(b)(c)の右半分はx−y平面への投影点、左半分はy−z平面への投影点を示している。x−y平面、y−z平面のいずれの平面上においても、巨視的負荷ひずみの増加に伴い主ひずみ方向は荷重軸方向に向く傾向にあることがわかる。
主ひずみ方向の変化をさらに詳細に示したのが図12と図13である。試験片表面(x−y平面)および試験片奥行き方向(z−x平面)において主ひずみ方向成分が荷重軸となす角度θxy、θzxの分布を示す。いずれの結果も、巨視的負荷ひずみの増加に伴い主ひずみ方向が荷重軸方向に向くことを示しているが、試験片表面内と試験片奥行き方向とでは、主ひずみ方向が荷重軸方向に向く傾向に差があり、表面に垂直な面上において、主ひずみ方向が早く荷重軸方向に寄る傾向がうかがえる。これは、自由表面に存在する結晶粒では、一方が材料表面であるため、試験片表面内の変形における隣接結晶粒間の拘束と奥行き方向の変形拘束に差があるためと考えられる。
<結言>
本発明では、後方散乱電子線回折(EBSD)法および画像処理を併用して多結晶金属材料中に存在する各結晶粒のひずみを三次元的に求める手法を提案するとともに、提案した手法を多結晶銅の引張りに対して適用した。得られた結果は以下のように要約できる。 (1)各結晶粒の塑性ひずみ6 成分εx 、εy 、εz 、γxy、γyz、γzx(xが荷重軸方向、x−y平面が試験片表面、zが試験片表面の法線方向)のうち、εx 、εy 、εz 、γxyの4成分は結晶粒の画像情報から、他の2成分γyz、γzxは、それに結晶粒の方位情報と単一すべり系による塑性変形の拘束条件を考慮することにより得られる。
(2)εx 、εy 、εz 、γxyは各結晶粒のx、y各軸方向の長さ比の変化と、x、y各軸をz軸まわりに45°回転して得られる方向であるx’、y’軸に関する長さの比の変化に加え、各結晶粒の全画素数の変化から求められた。
(3)γyz、γzxは各結晶粒の塑性変形が同一方向の多数のすべり面のすべりにより生じていると仮定し、そのすべり面の荷重軸に対する角度と(2)で求めたひずみにより求めた。なお、本発明で用いた銅の活動すべり面は(4つある{lll}面のうち1つ)は、走査型電子顕微鏡によるすべり線の観察およびEBSD法により決定した。
(4)上述の手法を用いて多結晶銅の引張りにおける各結晶粒のひずみを三次元的に評価した結果、各結晶粒のひずみは大きくばらついているものの、平均的には、予想される巨視的ひずみの増加あるいは減少傾向と一致した。また試験片の巨視的ひずみの増加に伴い、最大主ひずみ方向は引張り荷重軸方向に集まる傾向が見られ、その傾向はx−y平面(試験片表面)内よりもz−x平面(試験片表面に垂直な面)内の方が強かった。これは、試験片表面に存在する結晶粒は一方が自由表面であるため、試験片表面内とそれに垂直な面内において隣接結晶粒の変形拘束状態に差があるためと考えられる。
<三次元塑性回転解析方法>
本発明では、さらに塑性変形を正確に記述する際に必要な結晶粒の剛体回転成分(塑性回転)を評価し、各結晶粒における塑性回転と塑性ひずみの関係について検討した。また、評価方法および結果の妥当性に関しては、表面形状測定顕微鏡を用いて、別途、測定した各結晶粒の表面傾斜角度が塑性ひずみと塑性回転から予測される結果とよい対応を示すか否かにより検討した。
<実験方法>
供試材は工業用純銅圧延板(純度99.5%、板厚1.0mm)であり,図2に示すように圧延方向を長手方向とする平板試験片を作製した。これを機械研磨して試験片表面を鏡面状態に仕上げた援、真空焼鈍(焼鈍温度873K、保持時間1h、炉冷)および電解研磨を行い、機械加工の際に生じた残留応力や試験片表面の酸化膜、微細な研磨傷を除去した。さらに,結晶粒界を判別できるように化学腐食を行った。引張り試験は日立製200Kg試料引張り試験装置を用いて行い、試験片の巨視的ひずみεが0.03、0.07の二段階で引張り試験を中断し、除荷後に各種の測定を実施した。測定は試験片平行部の中央部500μm×500μmの正方形領域について行った。なお、本報告では紙面の都合上、巨視的ひずみが0.03の場合の結果のみを示すが、巨視的ひずみが0.07においても塑性ひずみや塑性回転の分布において、ほぼ同様の結果が得られた。試験片の巨視的ひずみは、変形前にアカシ製微小硬さ試験機MVK−H0を用いて長手方向に500μm間隔で6点の圧痕を打ち、圧痕間距離の変化から評価した。
本発明で用いるひずみと回転の評価では、各結晶粒の変形前後における結晶方位と結晶粒の画像が必要である。まず、結晶方位の測定は日立製S−3500N型走査型電子顕微鏡内に設置したOxford製Link Opalシステムを用いてEBSD法により行った。なお、EBSD法による結晶方位の測定は電子線の自動走査により5μm間隔で約10000点行っており、回析線図から評価する結晶方位の解析精度は許容誤差0.1[deg]である。次に、結晶粒の画像取得はKEYENCE製表面形状測定顕微鏡VF−7500を用いて行った。その際の画像取込み倍率は2500倍、画像解像度は28.364pixel/cmとした。後述のように、測定領域内には合計191個の結晶粒が存在したが、本発明では、結晶粒のひずみが精度良く測定できる結晶粒の画素数がl0000以上のものを評価の対象とした。
さらに本発明では、求めた各結晶粒の塑性ひずみと塑性回転が妥当であることを確認するために、ひずみと回転から予想される結晶粒表面の傾斜角度と、別途測定した傾斜角度を比較した。試験片表面の傾斜角度の測定には、結晶粒の画像取得に用いたものと同じ表面形状測定顕微鏡を用い、図2に示す試験片座標のx軸およびy軸方向に、それぞれ10μm間隔で表面形状測定を行った。次に、同一結晶粒内におけるz軸方向の相対的変位から最小二乗法により結晶粒表面の近似平面の式を求め、この近似平面に関してx軸およびy軸方向の傾斜角度θx およびθy をボめた。
<結晶粒の塑性変形>
<塑性ひずみと塑性回転>
結晶粒の塑性変形に関するモデルを図15に示す。図中に示すx’y’z’およびx”y”z”座標系は変形前後における結晶座標系であり、xyz座標系は巨視的な試験片座標系である。いま、結晶粒の塑性変形量が微小な場合について考えると、塑性変形は一般に、変位勾配テンソル∇j i で表され、それはさらにひずみテンソルεijと回転テンソルωijに分離てきる。
j i =εij+ωij
ここで、εijは変位勾配テンソルの対称テンソル成分であり、ωijは反対称テンソル成分である。したがって、εijは独立な6成分で、ωijは独立な3成分で表現される。ここで、εijおよびωijの各成分を一般の工学的表記で表すと、それぞれ(εx ,εy ,εz ,γxy/2,γyz/2,γzx/2)および(ωx ,ωy ,ωz )となり、各結晶粒について、これらの9成分が全て求められると、塑性変形が三次元的に完全に記述されることになる。本発明では、前者の6成分を「塑性ひずみ]、後者の3成分を「塑性回転」と呼ぶことにする。
一般に連続体力学における微小変形は、林料の外形変化(ひずみ具合)を表す「ひずみ」と外形が変わらずに林料の剛体的回転を表す「回転]で表すことができる。これを例えば銅等のfcc金属材料の塑性変形に当てはめると、既に図15に示したように、塑性変形は結晶粒内のすべり面同士の剪断変形で構成される「塑性ひずみ」とすべり面間のすべりが生じずに結晶粒が全体的に回転する「塑性回転」で構成されることになる。前者については、試験片表面の観察およびEBSD法により活動すべり面を三次元的に同定する新たなひずみ評価方法を提案し、それにより評価が可能である。一方、後者の塑性回転については、EBSD法により結晶方位の測定結果からほぼ直接的に評価できるにも拘らず、各結晶粒の塑性回転を未だ詳紬に検討しておらず、また、塑性ひずみの各成分と塑性回転の各成分との相関についても議論していない。本発明では、観察領域内に存在する多数の結晶粒について塑性ひずみと塑性回転の両方を評価し、それらの関係について考蔡する。
<塑性ひずみの評価方法>
結晶粒の三次元的塑性ひずみ(εx ,εy ,εz ,γxy,γyz,γzx)については、結晶粒の塑性変形に関し、前記段落0019の仮定に基づいて計算される。つまり、
(1)各結晶粒の塑性変形は非圧縮性であり、変形前後において体積変化が生しない。 (2)各結晶粒の塑性変形はすべり変形により生じ、結晶粒内において一様に生じる。 (3〕各結晶粒で生じるすべり変形のすべり面は同一の方位であり、複数のすべり面における多重すべりは生じない。
以上の仮定が成立すると、垂直ひずみ成分は前記式(1)(2)および下記式より計算できる。
εz =(Nt −Nt0)/Nt0
ここで、NX  ̄およびNy  ̄は、それぞれ結晶粒のx軸およびy軸方向の平均画素数で、Nt は総画素数である。ただし、添字に0が付いている項は変形前の量である。これらの量は、すべて試験片表面の観察結果を画像処理することにより得られる。
一方、試験片表面内の剪断ひずみγxyは、上述の垂直ひずみεx ,εy に加えて、xyz座標系のz軸を反時計回り45°回転させた座標系において垂直ひずみε45を求め、この3方向の垂直ひずみから下記式を用いて計算できる。
γxy=−εx −εy +ε45
さらに、試験片内部方向の剪断ひずみであるγyz,γzxはEBSD法および試験片表面におけるすべり線の観察結果により活動すべり面を三次元的に同定し、前記式(10)および(11)を用いて計算できる。
なお、式中のθおよびζは活動すべり面の角度である。
<塑性回転の評価方法>
図15に示すx’y’z’およびx”y”z”座標系は変形前後における結晶座標系であり、それぞれEBSD法による結晶方位の測定結果から直接的に求めることができる。ここで、変形前の結晶座標系であるx’y’z’座標系を基準座標系として、その基本ベクトルex',ey'およびez'の変形前後における回転角度から塑性回転ωx ,ωy およびωz を評価する。結晶座標系x’y’z’およびx”y”z”と各結晶粒の塑性回転の関係を図16に示す。まず、図16(a)を参考に、z”軸方向の単位ベクトルez"の角度について考える。図中のγはez"がz”軸となす角度であり、γ1 はez"のz’x’平面への正射影がz’軸となす角度、γ2 はez"のy’z’平面への正射影がz’軸となす角度である。いま、微小な塑性変形を仮定しているため、γ,γ1 およびγ2 は微小量となり、変位の勾配∂ux'/∂z',∂u y'/∂z'および∂u z'/∂z'は、それぞれ次式(12)で表される。
Figure 0004387810
同様にして、図16(b)に示す基本べクトルεx'および図16(c)に示す単位ベクトルεy'の変位勾配は次式(13)(14)で表される。
Figure 0004387810
Figure 0004387810
以上に定義した角度γ1 ,γ2 ,α1 、α2 、β1 、β2 を用いると、x’y’z’座標系における塑性回転(εx',εy',εz')は次式(15)で求められる。
Figure 0004387810
さらに、本発明では、全ての結晶粒に関する塑性回転を同じ試験片座標系で評価するために、上式で求めた各結晶粒の結晶座標系を基準とする塑性回転(εx',εy',εz')を、座標変換マトリックスを用いて試験片座標系xyzに関する塑性回転(εx ,εy ,εz )に変換した。
次に、図14を用いて三次元塑性ひずみ解析と三次元塑性回転解析とから構成される本発明の三次元塑性変形解析方法の手順についてのフローを説明する。(1)試料は初期状態と変形(引張り試験等)後とを比較する。試料の観察表面は結晶粒界が識別できる状態とする。(2)表面を光学顕微鏡または電子顕微鏡により観察して画像を取得し、測定対象の結晶粒を定め、粒界抽出、二値化の画像処理を行う。変形前後の同じ結晶粒について同じ面内で45°回転させた画像に対しても同じ処理を行う。(3)変形後の対象結晶粒について、走査型電子顕微鏡、後方散乱電子線回折により、結晶粒表面におけるすべり線角度および結晶方位を求める。前記(1)(2)より、垂直ひずみ3成分(εx ,εy ,εz )と剪断ひずみ成分(γxy)を算出する。前記(3)(4)より、剪断ひずみ成分(γyz,γzx)を算出し、結晶方位の角度変化の算出により、回転3成分(ωx ,ωy ,ωz )を算出する。
<実験結果と考察>
<結晶粒界と双晶境界の分布>
図17(a)に測定範囲である500μm×500μmの正方形領域全域の変形前における光学顕微鏡画像を示す。ただし、図中では、今回の測定対象となる結晶粒の結晶粒界と双晶境界をわかりやすく細線で補足している。図からわかるように、結晶粒の形状は比較的単純であるが、双晶境界に囲まれた部分は直線的な細長い形状となっている。図17(b)に引張りにより巨視的ひずみε=0.03の塑性変形を与えた後の代表的な結晶粒の光学顕微鏡画像を示す。結晶粒aとcではすべり線が一様、かつ結晶粒のほぼ全面に現れている。一方、結晶粒bでは、変形後においてもすべり線が明瞭に観察できない。結晶粒bとcの境界は次節で述べる結晶方位分布図において双晶境界と判断できるが、両結晶粒内におけるすべり線の方向は互いに異なっている。本発明では、以上の観察結果に基づき、双晶境界も通常の結晶粒界と同様に取り扱い、いずれかの境界に取り囲まれた部分を一つの結晶粒としてひずみ等の評価を行った。
<結晶方位分布図>
変形前(初期状態)および巨視的ひずみε=0.03の引張り塑性変形を与えた後における試験片表面法線方向と荷重軸方向の結晶方位分布図を図18に示す。結晶方位分布図の濃淡は同図中に示す逆極点図の濃淡に対応している。図からわかるように、変形の前後それぞれにおいて同一結晶粒内では方位がほぼ一定であり、異なる方位の境界部分が図17で得られた結晶粒界に一致している。また、それほど大きくはないが結晶粒の方位変化も見られる。
<結晶粒の塑性ひずみと塑性回転の関係>
巨視的ひずみε=0.03の引張り塑性変形を与えた後における結晶粒の三次元的塑性ひずみと塑性回転の関係を図19および図20に示す。ただし、図19は垂直ひずみ成分と回転の関係であり、図20は剪断ひずみ成分と回転の関孫である。ここで、両図中のデータはすべり線が明瞭に観察でき、かつ、同定した活動すべり面の奥行き方向角度がζがπ/8≦|ζ|≦3π/8の範囲にあるものである。ここで、角度ζの値に制限を設けた理由は、角度ζが0もしくはπ/2近傍の値を取る場合は、前記式(10)および(11)から明らかなように、ζのわずかな誤差がγyz,γzxの評価値に大きな差として現れるためである。図17(a)に示した観察領域内に存在し、その面素数がl0000以上の結晶粒は125個であったが、そのうちですべり線とすべり面角度に関する上述の基準を満たしたものは、105個であり、図19以降では、これらについての結果のみを示している。
図19からわかるように.個々の結晶粒に関して、垂直ひずみと塑性回転の各成分は大きくばらついているが、両者の問には明確な相関は見られない。また、垂直ひずみεx ,εy ,εz の平均値を求めると、それぞれ、0.026,−0.008,−0.018となった。領域中の全結晶粒を対象としていないため、若干の相違があるものの、εx の平均値は巨視的な引張り塑性ひずみである0.03に近い値を示している。塑性回転成分ωx ,ωy ,ωz の平均値は、それぞれ、0.008,0.001,0.006で、いずれもほぼ0となっていた。図20に示す剪断ひずみと塑性回転の各成分に関しても図19と同様に明確な相関が見られない。本図から、従来の簡単な単結晶塑性変形モデルから予測される剪断変形により生じる物体の外形角度の変化が剛体回転により補われるようなγとωの相互補完的な関係が実際の多結晶の塑性変形では必ずしも成立していないことがわかる。また、結晶粒の剪断ひずみγxy,γyzおよびγzxの平均値をそれぞれ求めると、それぞれ、0.001,一0.001,0.003で、いずれもほぼ0であり、試験片全体の巨視的な変形状態とほぼ一致した結果が得られる。
<結晶粒の表面傾斜角度>
図21に模式的に示すように微小変形下では、対象領域内のひずみ6成分と回転3成分が定まれば、その領域内の変位勾配を求めることができる。本発明で検討の対象とした試験片表面に存在する結晶粒では、各結晶粒表面のx軸およびy軸方向の表面傾斜角度であるθx およびθy を前節で評価したひずみおよび回転の成分を用いてγzx/2−ωy およびγyz/2+ωx として求めることができる。本発明では、この塑性ひずみおよび塑性回転から求めた両表面傾斜角度と、別途、表面形状測定顕微境を用いて測定したθx およびθy を比較した。表面傾斜角度θx とγzx/2−ωy の関係を図22に、表面傾斜角度θy とγyz/2+ωx の関係を図23にそれぞれ示す。各結晶粒の表面をそれぞれ一つの平面に近似しているため、相関がそれ程良くはないが、γzx/2−ωy とθx およびγyz/2+ωx とθy はほぼ等しい関係にあることがわかる。これは、本発明で用いた結晶粒の塑性ひずみおよび塑性回転の評価方法ならぴに評価結果が妥当であることを示している。
<結言>
本発明では、後方散乱電子線回折(EBSD)法を利用して多結晶金属材料中に存在する各結晶粒の塑性回転を三次元的に求める手法を提案するとともに、提案した手法を多結晶銅の引張りに対して適用した。得られた結果は以下のように要約できる。
(l)EBSD法による結晶方位の測定結果を用いて、結晶粒の塑性回転(ωx ,ωy ,ωz )を評価する方法を提案した。また、前述の塑性ひずみ((εx ,εy ,εz ,γxy,γyz,γzx)の評価方法と併せると結晶粒の微小変形を表現するために必要な9成分全てを評価することが可能となった。
(2)結晶粒の塑性ひずみと塑生回転の関係を調べた結果、両者の問には明確な相関が見られなかった。これは、従来の簡単な単結晶塑性変形モデルから予測される剪断変形により生じる物体の外形角度の変化が剛体回転により補われるようなγij とωk の相互補完的な聞係が、実際の多結晶の塑性変形においては必ずしも成立していないことを示している。
(3)塑性ひずみおよび塑性回転の評価方法ならびに評価結果の妥当性について検討するため、各結晶粒の塑性ひずみおよび塑性回転から推定できる表面傾斜角度と、別途、実測した値を比較した。その結果、両者の対応は良好であり、提案した手法の妥当性が確認できた。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で結晶粒の変形前後の画像の取得形態(光学顕微鏡の他適宜の類似の画像取得形態も採用され得る)、被測定結晶粒の粒界の特定のための縦横寸法および面積を求める画像処理の際のピクセル数の選定、すべり線角度の取得形態(走査型電子顕微鏡の他に適宜の類似機器が採用され得る)、結晶すべり面の特定のための結晶方位の取得形態(後方散乱電子線回折法により求める他に適宜の類似方法が採用され得る)、垂直ひずみ成分(εx ,εy )および剪断ひずみγxyを求める計算式形態、結晶の回転量(角度変化)の取得形態、塑性回転3成分(ωx ,ωy ,ωz )の算出形態等は適宜選定できる。また、結晶粒の塑性変形を定量的に把握し、可視化する手段としての塑性変形顕微鏡の形式(走査型電子顕微鏡、必要であれば光学顕微鏡)、結晶方位解析装置および画像処理装置の形式等は適宜選定できる。また、実験装置の各諸元等は例示的なもので、これらを限定的に解釈してはならない。
本発明の三次元塑性ひずみ解析方法の手順についてのフロー図である。 同、引張り試験に使用した多結晶銅の平板試験片を示す図である。 同、結晶粒内でのすべり線が示された結晶粒変形後の走査電子顕微鏡画像図である。 同、試験片をz軸まわりに45°回転した場合の座標系に関する図である。 同、結晶粒変形に関する模式図である。 同、荷重軸とすべり面、すべり線の幾何学的関係の模式的である。 同、多数のすべり面のすべりにより構成される結晶粒の塑性変形状態を示した図である。 同、実際の結晶粒の変形と仮定した変形様式を比較した結果図である。 同、結晶粒の塑性ひずみの6成分の変化図である。 同、各結晶粒の最大主ひずみの変化図である。 同、主ひずみ方向の三次元分布図である。 同、主ひずみ方向の変化の詳細図で、試験片であるx−y平面内の結果図である。 同、試験片奥行き方向であるz−x平面内の結果図である。 本発明の三次元塑性ひずみ解析方法を含む三次元塑性変形解析方法の手順についてのフロー図である。 同、結晶粒塑性変形に関する模式図である。 同、結晶座標系x’y’z’およびx”y”z”と各結晶粒の塑性回転の関係図である。 同、変形前における正方形領域全域の光学顕微鏡画像図と変形後の拡大画像図である。 同、塑性変形付与後の試験片表面法線方向と荷重軸方向の結晶方位分布図である。 同、垂直ひずみ成分と回転の関係図である。 同、剪断ひずみ成分と回転の関係図である。 同、結晶粒表面の傾斜角度と試験片座標系との関係図である。 同、表面傾斜角度θx とγzx/2−ωy の関係図である。 同、表面傾斜角度θy とγyz/2+ωx の関係図である。

Claims (5)

  1. 試料表面に存在する結晶粒の二次元観察データから三次元の塑性ひずみを評価する三次元塑性ひずみ解析方法において、被測定結晶粒の試料表面における縦横寸法および面積を光学顕微鏡によって取得して被測定結晶粒の粒界を特定し、その縦横寸法および面積を画像処理によってピクセル数で求めるとともに、被測定結晶粒の表面におけるすべり線角度を走査顕微鏡により、また、結晶方位を後方散乱電子線回折法により取得し、前記粒界の縦横寸法、面積、すべり線角度および結晶方位から所定の計算式により、三次元の垂直ひずみ3成分(εx ,εy ,εz )と剪断ひずみ3成分(γxy,γyz,γzx)の6成分を算出し、さらに、前記後方散乱電子線回折法により求められる前記結晶方位の変形前後の差から結晶の回転量を求め、所定の計算式により塑性回転3成分(ωx ,ωy ,ωz )を算出し、三次元塑性ひずみにおける前記6成分に三次元塑性回転の3成分の評価を加えて、結晶体内における三次元の塑性変形を評価することを特徴とする三次元塑性変形解析方法。
  2. 前記被測定結晶粒の試料表面における変形前後の画像を取得して、被測定結晶粒の粒界を特定し、その縦横寸法および面積を画像処理によってピクセル数で求めるに際し、面内で45°回転した画像を変形前後で取得し、垂直ひずみ成分(εx ,εy )を所定の計算式により求めるとともに、剪断ひずみγxyを他の所定の計算式により求めることを特徴とする請求項に記載の三次元塑性ひずみ解析方法。
  3. 前記各結晶の回転量から三次元的な塑性回転を求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の三次元塑性変形解析方法。
  4. 前記各結晶の塑性ひずみおよび塑性回転を同時に求め、それらを互いに比較することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の三次元塑性変形解析方法。
  5. 前記各結晶の塑性ひずみおよび塑性回転から、変形後における結晶表面の角度を評価することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の三次元塑性変形解析方法。
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