JP4387567B2 - 複素ディジタル整合フィルタ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に複素ディジタル整合フィルタに関し、特に、必要に応じて消費電力量を削減することが可能な複素ディジタル整合フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
符号分割多元接続(CDMA)通信システムのようなスペクトル拡散を利用する通信システムでは、送信信号に所定の拡散符号を乗算して送信し、受信側では受信信号に所定の拡散符号を乗算して逆拡散し、受信信号を復調する。この受信信号には一般に複数のマルチパス成分が含まれている。受信機が信号を受信する場合、受信機の周辺の地形によって伝播時間の異なる複数の電波が重なり合って受信される。この重なり合った各電波からの信号成分をマルチパス成分という。移動通信環境下では、受信機および周囲の物体の相対的な位置関係は常に変化しているので、マルチパス成分の電力および到達時間も時々刻々と変化する。スペクトル拡散受信機では、受信信号に含まれる各マルチパス成分を独立に復調し、これらを合成する。このような信号処理を行う受信機としてレーク受信機(Rake receiver)がある。
【0003】
図1は、一般的なレーク受信機100の構成を示すブロック図である。複数のマルチパス成分を含む受信信号は、フィンガ(finger)と呼ばれる複数の回路ブロック110において、各マルチパス成分ごとに復調される。各フィンガ110からの出力はレーク合成器120で合成され、復調信号を出力する。レーク合成器120で各出力を合成する場合には、各マルチパス成分の優劣(例えば、電力の大小)に応じて効果的に合成することが望ましい。このマルチパス成分の優劣を割り当てるための回路ブロックは、サーチャ130と呼ばれる。
【0004】
図2は、サーチャ130の一般的な構成を示すブロック図である。サーチャ130は、入力された受信信号と逆拡散符号との相関を計算して相関出力を提供するディジタル整合フィルタ(ディジタル・マッチト・フィルタ)210と、この相関出力を電力に変換するための二乗器220と、この二乗器220の出力に結合され平均化を行う積分器230と、各積分器230の出力に結合され電力の高い順にマルチパス成分を選択するパス選択器240とを備える。このようなマルチパス成分の測定とフィンガの割り当ては、所定のチップレートでディジタル・サンプルが入力されるごとに逐次繰り返し行われる。この場合において、ディジタル整合フィルタ210は、マルチパス成分を高速に測定または検索して同期捕捉を行うためのディジタル処理を行うものであり、逆拡散符号を係数とするFIR(finite impulse response)フィルタより成る。多くの場合、このFIRフィルタは複素計算が可能であることを要する。これは、送受信される信号の同相成分と直交成分とを効率的に計算処理するためである。
【0005】
以下、ディジタル整合フィルタ210で行われる計算の原理を説明する。まず、送信信号TをT=Ti+jTq、拡散符号CをC=Ci+jCqとすると、送信される拡散信号Sは、
S=T*C=(Ti+jTq)*(Ci+jCq) ・・・(1)
となる。ただし、j=√(−1)であり、Tiは複素送信信号の実数部分であり、Tqは複素送信信号の虚数部分である。また、Ciは複素拡散符号の実数部分であり、Cqは複素拡散符号の虚数部分である。この拡散された送信信号をそのまま受信したとすると、受信信号RはR=Sとなる。この受信信号を逆拡散して得られる信号Dは、
D=R*C'=(Ti+jTq)*(Ci+jCq)*(Ci-jCq)= (Ti+jTq)*(Ci2+Cq2)=2*T ・・・(2)
となる。ただし、C'は、拡散符号Cの共役複素数であり、C'=Ci-jCqである。
【0006】
よって、Di=Ri*Ci+Rq*Cq=2*Ti, Dq=Rq*Ci-Ri*Cq=2*Tq ・・・(3)
ここで、Ciは+1または-1であり、Cqも+1または-1であるので、Ci2+Cq2=2となることを利用した。また、Diは複素受信信号の実数部分であり、Dqは複素受信信号の虚数部分である。
【0007】
すなわち、受信信号RをC'で逆拡散することにより、送信信号Tが得られる。
【0008】
図3は、このようなディジタル整合フィルタ210で行われる計算の原理を示す信号の流れ図である。複素受信信号の実数成分Riと、複素拡散信号の実数成分Ciとが乗算器310に入力され、両者の積であるRiCiが加算器320の一方の入力に加えられる。さらに、複素受信信号の虚数成分Rqと、複素拡散信号の虚数成分Cqとが乗算器330に入力され、両者の積であるRqCqが加算器320の他方の入力に加えられる。そして、加算器320は、入力された信号を加算して複素受信信号の実数成分Di=Ri*Ci+Rq*Cq=2*Tiを算出する。同様に、複素受信信号の実数成分Riと、複素拡散信号の虚数成分Cqとが乗算器340に入力され、両者の積であるRiCqが加算器350の一方に符号を反転して入力される。さらに、複素受信信号の虚数成分Rqと、複素拡散信号の実数成分Ciとが乗算器360に入力され、両者の積であるRqCiが加算器350の他方の入力に加えられる。そして、加算器350は、入力された信号を加算して複素受信信号の虚数成分Dq=Rq*Ci-Ri*Cq=2*Tqを算出する。
【0009】
ところで、サーチャ130(図2)は、想定されるマルチパス成分の時間軸上の広がりに対応するためにその広がりを網羅している必要がある。この広がりは、主として送信側のアンテナ高さと周辺の地形に依存し、場合によっては数十μs(例えば、64μs)にも及び得る。例えば、チップ・レートが4MHzであるとすると、4MHz*64μs=256チップ長に相当する。このことは、ディジタル整合フィルタ210における拡散符号長が、少なくとも256であることを必要とし、図3に示すような演算が256段必要になることを意味する。
【0010】
図4は、そのような256段の計算を行うためのディジタル整合フィルタ40の構成を示す。簡単のため、相関出力の実数成分に対する回路構成のみを示している。実際には、虚数成分に対しても同様な回路構成が必要になる。ディジタル・整合フィルタ40は、複素受信信号Rの実数成分Riに結合された受信信号遅延線41と、複素符号Cの実数成分Ciに結合された符号遅延線42と、受信信号遅延線41および符号遅延線42の各段からの出力を入力とする乗算器43を備える。さらにディジタル整合フィルタ40は、複素受信信号Rの虚数成分Rqに結合された受信信号遅延線44と、複素符号Cの実数成分Cqに結合された符号遅延線45と、受信信号遅延線44および符号遅延線45の各段からの出力を入力とする乗算器46を備える。各乗算器43および46からの乗算出力は加算器47に入力され、これらの加算出力Diを出力する。遅延線41,42,44,45は、例えば、256段のシフト・レジスタにより構成することが可能である。
【0011】
動作している間このディジタル整合フィルタ40は、所定のチップ・レートでディジタル受信サンプルおよび複素符号の各成分を受信する。ディジタル受信サンプルの実数および虚数成分Ri,Rqは遅延線41および44に順次入力され、複素符号の実数および虚数成分Ci,Cqも遅延線42および45に順次入力される。遅延線の各段からは、遅延させられた受信サンプルおよび符号が出力される。出力された各段からの受信サンプルおよび符号は、各段ごとに乗算器43,46で乗算され、これらの乗算出力は総て加算器47に結合され、加算または相関出力Diが生成される。
【0012】
図5は、乗算器43および46の詳細な回路例50を示す。ディジタル整合フィルタ40で使用されるこの乗算器は、受信サンプルR(RiまたはRq)に符号C(CiまたはCq)を乗算するのであるが、この場合におけるC(CiまたはCq)は、+1または−1の値のみをとるので、乗算器の出力は、入力された受信サンプルをそのまま出力するか、または受信サンプルの符号を変えたものを出力するかのいずれかである。いずれを出力するかは符号C(CiまたはCq)の極性に依存する。このような機能を実現するため、補数器を利用した回路例を図5に示す。まず、nビットの受信サンプルRの極性を反転させない場合の出力として信号線51により、受信サンプルRをそのまま選択部52に入力する。他方、受信サンプルRは、インバータ53により反転され、加算器54で+1が加えられ、受信信号Rの極性を反転させたもの(−R)が選択部52に入力される。そして、符号Cの極性がプラスであればRを、符号Cの極性がマイナスであれば−Rを乗算出力とする。
【0013】
このような乗算器43,46および遅延線41,44が所定の段数だけ設けられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示すような多数の段数(例えば256段)の計算を行うには、非常に多くの回路規模および消費電力を必要としてしまうという問題点がある。
【0015】
また、受信信号品質の良否にかかわらず、図4に示すような回路の総てを動作させなければならず、常に多くの回路規模および消費電力を費してしまうという問題点がある。
【0016】
さらに、これらの問題点は、拡散符号長が長くなる程深刻化する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
各請求項に記載されたディジタル整合フィルタにより、これら問題点のうち少なくとも1つが解決される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(信号処理の原理)
まず、本発明の信号処理の原理を説明する。送信信号TをT=Ti+jTq、拡散符号CをC=Ci+jCqとすると、送信される拡散信号Sは、
S=T*C=(Ti+jTq)*(Ci+jCq) ・・・(10)
となる。この拡散信号をそのまま受信したとすると、受信信号RはR=Sとなる。ここまでは、上記「従来の技術」で説明したものと同じである。この受信信号Rを逆拡散するにあたり、Cの共役複素数のC'=Ci-jCqではなく、
K=(Ci+Cq)/2-j(Ci+Cq)/2 ・・・(20)
で逆拡散することを考える。この場合、逆拡散信号Dは、
D=R*K=(Ri+jRq)*((Ci+Cq)/2-j(Ci+Cq)/2)
=((Ri+Rq)+j(Rq-Ri))*k ・・・(30)
となる。よって、
Di=(Ri+Rq)*k, Dq=(-Ri+Rq)*k ・・・(31)
となる。ただし、k=(Ci+Cq)/2である。また、Diは複素受信信号の実数部分であり、Dqは複素受信信号の虚数部分である。次に、R=T*Cを式(30)に代入すると、
D=R*K=(Ti+jTq)*(Ci+jCq)* ((Ci+Cq)/2-j(Ci+Cq)/2)
=[(TiCi-TqCq)+(TiCq+TqCi)+j((TiCq+TqCi)-(TiCi-TqCq))]*k
=[(Ci+Cq)Ti+(Ci-Cq)Tq+j[(-Ci+Cq)Ti+(Ci+Cq)Tq]]*k
=2*k2*T ・・・(40)
となる。この場合において、kは、+1, 0, -1の3値を取り得るが、kが0でない値をとるのは、Ci=Cqの場合のみであるという事実を利用した。式(40)は、K=(Ci+Cq)/2-j(Ci+Cq)/2で逆拡散した場合であっても、送信信号Tが得られることを意味する。ただし、式(2)と式(40)を比較すると、式(40)の場合は出力レベルが1/2になってしまうことがわかる。その理由は次のように考えられる。CiとCqは、ランダム性が高いので、Ci=Cqとなる確率は1/2である。このため、式(20)を利用した逆拡散信号を長時間加算すると、|k2|=|(Ci+Cq)2/4|≒1/2となるので、式(40)の右辺はTとなり、式(2)の右辺のものの半分になるためである。
【0019】
図6は、このような計算原理による信号の流れ図を示す。複素受信信号の実数成分Riと虚数成分Rqが加算器610で加算され、合成信号Ri+Rqが出力され、この合成信号は乗算器620の一方の入力に加えられる。さらに、複素拡散符号の実数成分Ciと虚数成分Cqも加算器630で加算された後に1/2が乗算されて合成符号kが形成され、この合成符号は加算器620の他方の入力に加えられる。そして、乗算器620は、入力された信号を乗算して複素受信信号の実数成分Di=(Ri+Rq)*k(式31)を算出する。同様に、複素受信信号の実数成分Riと虚数成分Rqとの差が加算器640で計算され、合成信号-Ri+Rqが出力され、この合成信号は乗算器650の一方の入力に加えられる。乗算器650の他方の入力には上記の合成符号が入力され、入力されたこれらの信号を乗算して複素受信信号の虚数成分Dq=(-Ri+Rq)*k(式31)を算出する。
【0020】
このように、図6の信号処理における受信信号と拡散符号との乗算を行う回路構成は、図3のものに比較して格段に簡潔な構成になっていることがわかる。すなわち、本発明による計算原理によれば、従来の約半分の回路構成で相関出力DiおよびDqを得ることが可能である。その代わりに、出力レベルは従来得られるものの約半分になってしまう。従って、受信信号品質が良好であるような場合には、図6に示すような計算原理に従って相関計算を行うことにより、電力消費を節約することが可能になる。この点、受信信号品質の良否にかかわらず常に図3に示すような計算を実行しなければ相関出力RiおよびRqを得ることができなかった従来の手法と大きく異なる。
【0021】
図6に示す計算原理は、拡散符号のCiとCqが等しい場合に有意義な相関出力が得られるものであった。CiおよびCqは+1または-1の値をとるので、CiとCqが異なる場合についても上記と同様の議論が成り立つ。そこで、
G=(Ci-Cq)/2-j(Ci-Cq)/2 ・・・(50)
で逆拡散することを考える。この場合、逆拡散信号D'は、
D'=R*K=(Ri+jRq)*((Ci-Cq)/2-j(Ci-Cq)/2)
=((Ri+Rq)+j(Rq-Ri))*g ・・・(60)
よって、Di'=(Ri+Rq)*g, Dq'=(-Ri+Rq)*g ・・・(61)
となる。ただし、g=(Ci-Cq)/2である。次に、R=T*Cを式(60)に代入すると、
D'=R*G=(Ti+jTq)*(Ci+jCq)* ((Ci-Cq)/2-j(Ci-Cq)/2)
=[(TiCi-TqCq)+(TiCq+TqCi)+j((TiCq+TqCi)-(TiCi-TqCq))]*g
=[(Ci+Cq)Ti+(Ci-Cq)Tq+j[(-Ci+Cq)Ti+(Ci+Cq)Tq]]*g
=(-j)*2*g2*T ・・・(70)
となる。この場合において、gは、+1, 0, -1の3値を取り得るが、gが0でない値をとるのは、Ci≠Cqの場合であるという事実を利用した。このように、G=(Ci-Cq)/2-j(Ci-Cq)/2で逆拡散した場合であっても、送信信号Tが得られる。ただし、出力レベルが1/2になってしまう点はKで逆拡散した場合と同様である。すなわち、CiとCqは、ランダム性が高いので、Ci≠Cqとなる確率も1/2である。このため、式(50)を利用した逆拡散信号を長時間加算すると、|g2|=|(Ci-Cq)2/4|≒1/2となるので、式(70)の右辺の大きさはTとなり、式(2)の右辺のものの半分になるためである。なお、式(70)の場合は、最終的な出力に(-j)が乗じられており、-90度回転している点が、式(40)の場合と異なる。したがって、送信信号Tの実数成分に関する寄与は、
-Dq'=-(-Ri+Rq) ・・・(71)
で与えられ、虚数成分に関する寄与は、
Di'=Ri+Rq ・・・(72)
で与えられる。
【0022】
図7は、このような計算原理による信号の流れ図を示す。複素受信信号の実数成分Riと虚数成分Rqが加算器710で加算され、合成信号Ri+Rqが出力され、この合成信号は乗算器720の一方の入力に加えられる。さらに、複素拡散符号の実数成分Ciと虚数成分Cqも加算器730において両者の差が計算された後に1/2が乗算されて合成符号gが形成され、この合成符号は加算器720の他方の入力に加えられる。そして、乗算器720は、入力された信号を乗算して(61)式に基づいてDi'=(Ri+Rq)*g(式61)を算出する。同様に、複素受信信号の実数成分Riと虚数成分Rqとの差が加算器740で計算され、合成信号-Ri+Rqが出力され、この合成信号は乗算器750の一方の入力に加えられる。乗算器750の他方の入力には上記の合成符号が入力され、入力されたこれらの信号を乗算して(61)に基づいてDq'=(-Ri+Rq)*gを算出する。さらに、(71)式および(72)式に従って、相関出力の実数成分および虚数成分Di,Dqを出力する。
【0023】
図6に示した信号処理の場合と同様に、図7の信号処理における乗算に関する回路構成も、図3のものに比較して格段に簡潔な構成になっている。また、従来の約半分の回路構成で相関出力DiおよびDqを得ることが可能であるが、出力レベルは従来得られるものの約半分になってしまう点も同様である。
【0024】
従来と同等の出力レベルを得るには、CiおよびCqが等しい場合の図6の信号処理と、CiおよびCqが異なる場合の図7の信号処理を重ね合わせればよい。
【0025】
図8は、図6と図7の信号処理を重ね合わせた場合の信号の流れ図を示す。図8において、逆拡散信号の実数部分Diは、信号経路aおよび信号経路bから得られる。信号経路aは、拡散符号CiとCqが等しい場合にゼロでない寄与を与え、信号経路bは拡散符号CiとCqが異なる場合にゼロでない寄与を与える。同様に、逆拡散信号の虚数部分Dqは、信号経路cおよび信号経路dから得られる。信号経路cは、拡散符号CiとCqが等しい場合にゼロでない寄与を与え、信号経路dは拡散符号CiとCqが異なる場合にゼロでない寄与を与える。このようにして計算された実数部分Diおよび虚数部分Dqは、従来と同等の出力レベルになる。ただし、少なくとも従来と異なるのは、信号経路a, b, c, dのうち例えば信号経路bおよびdを休止させて消費電力を節約し、信号経路aおよびcのみに基づいて実数成分Diおよび虚数成分Dqを計算し得る点である。受信信号品質が極めて良好である場合や、受信感度の劣化がある程度許容されるような場合にそのような信号処理が可能である。(信号経路aおよびcを休止させて信号経路bおよびdをアクティブにすること等も可能である。)すなわち、図8に示すような信号処理は、従来と同等の出力レベルを得るという選択肢と、感度劣化を犠牲にして消費電力を節約する選択肢とを提供しており、ユーザが必要に応じていずれかを選択することを可能にする。この点、そのような選択肢が全く存在しなかった従来の信号処理に比べて極めて有利である。さらに、図8に示す信号処理の回路規模は、図3に示すものと比較しても著しい回路規模の増加を招くものでもない。
【0026】
以上の信号処理の特徴を要約すると、次のようになる。
【0027】
1.複素受信信号の実数成分(Ri)と虚数成分(Rq)を実数計算の線形結合により合成し、複素受信信号の合成信号(Ri+Rq, -Ri+Rq)を形成する。
【0028】
2.複素拡散符号の実数成分(Ci)と虚数成分(Cq)を実数計算の線形結合によって、複素拡散符号の合成符号(k,g)を形成する。複素拡散符号の実数成分および虚数成分は、それぞれ正または負の2値をとり得るが、合成符号は、正、ゼロまたは負の3値をとり得る。
【0029】
3.複素受信信号の合成信号を、複素拡散符号の合成符号(k, g)を利用して逆拡散する。
【0030】
以下、本発明の計算原理によるディジタル整合フィルタの実施例を説明する。
【0031】
(第1実施例)
図9は、図6に示す計算原理に基づくディジタル整合フィルタの実施例900を示す。ディジタル整合フィルタ900は、複素受信信号Rの実数成分Riと虚数成分Rqを合成する信号合成器907と、合成して得られた合成信号(Ri+Rq)が入力される受信信号用の遅延線910と、複素符号Cの実数成分Ciと虚数成分Cqとを加算して2で除算することにより得られる合成符号(k)を出力する符号合成部920と、この合成符号(k)が入力される遅延線930と、遅延線910および遅延線930の各段からの出力を入力とする乗算器940を備える。各乗算器940からの乗算出力は加算器950のタップに入力され、加算出力Diを形成する。遅延線910,930は、例えば、256段のシフト・レジスタにより構成することが可能である。なお、加算出力が「Di又はDq」となっているのは、同様な回路構成を利用して、虚数成分Dqを計算することができるためである。したがって、実数成分Diおよび虚数成分Dqを得るには、図9に示すような回路が2つ必要になる。ただし、この信号処理において、虚数成分Dqを得るには、合成信号を和信号ではなく差信号(-Ri+Rq)とする必要がある(図6)。
【0032】
動作している間このディジタル整合フィルタ900は、所定のチップ・レートでディジタル受信サンプルおよび複素符号の各成分を受信する。従来とは異なり、ディジタル受信サンプルの実数および虚数成分Ri,Rqは、信号合成部907で合成されて合成信号(Ri+Rq)となり、この合成信号(Ri+Rq)が遅延線910に順次入力される。複素符号の実数および虚数成分Ci,Cqも、符号合成部920で合成され、両者の和の1/2である合成符号kが出力される。合成符号kは、遅延線930に順次入力される。遅延線910,930の各段からは、遅延させられた合成信号および合成符号が出力される。出力された各段からの合成信号および合成符号は、各段ごとに乗算器940で乗算され、これらの乗算出力は総て加算器950に結合され、相関出力Diが生成される。相関出力Dqについても同様の計算が行われる。ただし、このようにして得られる相関出力の出力レベルは、従来の半分になってしまう。この場合における出力レベルとは、次式で定義される量である。
【0033】
【数1】
Figure 0004387567
ここで、符号合成部920と乗算器940の機能について考察する。図6および図9の信号処理の原理によれば、符号合成部920は、複素符号の実数および虚数成分Ci,Cqの両者の和の1/2である合成符号k(=(Ci+Cq)/2)を出力する役割を有する。乗算器940は、複素受信信号の実数成分と虚数成分とを加算した合成信号Rと、上記のkの値を乗算する役割を有する。そこで、CiおよびCqの和を計算して2で除算し、その計算結果と合成信号Rを乗算し、直接的に乗算出力を計算することも理論上は可能である。しかし、次のように考察することにより、効率的に同じ結果を得ることが可能である。拡散符号CiおよびCqは+1または-1であるから、kの値は+1,0,-1の3値をとり得る。拡散符号CiおよびCqが等しい値をとる場合に、kは0でない値(±1)をとり、拡散符号Ciが+1の場合にkは+1となり、拡散符号Ciが-1の場合にkは-1となる。すなわち、拡散符号Ciの極性に合わせてkは+1または-1となる。拡散符号CiおよびCqが異なる場合は、kは0になる。そして、乗算器940は、kの値が+1の場合は入力された信号(+R)をそのまま乗算結果として出力し(+R)、kの値が-1の場合は入力された信号(+R)の極性を反転して出力する(-R)。すなわち乗算器は、拡散符号CiとCqが等しい場合にCiの極性に合わせて±Rを出力し、拡散符号CiとCqが異なる場合は0を出力すればよい。このような考察にしたがって回路を構成する場合、符号合成部920の出力すべき内容は、Ciの極性を示す極性信号(sign)と、拡散符号CiおよびCqが等しいか否かを示す異同信号(equ)で足りる。
【0034】
図10は、このような機能を実現する回路例920を示す。すなわち、拡散符号Ciの極性を示す極性信号(sign)は信号線1010によりそのまま得られ、拡散符号CiとCqの異同を示す異同信号(equ)はCiとCqの排他的論理和の否定をとることによって作成することができる。この実施例では、拡散符号CiとCqが等しい場合に論理ハイ(H)の異同信号(equ)を出力させ、拡散符号CiとCqが異なる場合には論理ロー(L)の異同信号(equ)を出力させているが、正論理とするか負論理とするかは必要に応じて適宜変更可能である。また、この実施例では排他的論理和ゲート(XOR)を利用しているが、他の論理ゲートを利用して構成することも可能である。また、この実施例では拡散符号の実数成分Ciの極性を利用していたが、虚数成分Cqの極性を利用することも可能であろう。要するに、符号合成部は、拡散符号の異同と極性を調べることができればよいからである。
【0035】
図11は、乗算器940の回路例を示す。先に述べたように、乗算器940は、拡散符号CiとCqが等しい場合にはCiの極性に合わせて合成信号±Rを出力し、拡散符号CiとCqが異なる場合は0を出力すればよい。信号線1110により合成信号Rを選択部1120に供給する。一方、合成信号Rは、インバータ1130により反転され、加算器1140で+1が加えられ、受信信号Rの極性を反転させたもの(−R)が選択部1120に入力される。そして、拡散符号Ciの極性(極性信号(sign)に応じてRまたは−Rを選択部1120の出力とする。ここまでは、従来の乗算器50(図5)と同様である。さらに、拡散符号CiとCqが等しい場合にのみ0でない乗算出力を提供するために、ANDゲート1150を利用して、選択部1120からの出力と、合成符号からの異同信号(equ)との論理積をとり、最終的な乗算出力が提供される。
【0036】
相関出力の虚数成分Dqについても、図9ないし図11で説明したような回路と同様の回路を構成することにより、実数成分および虚数成分の両者を得ることが可能である。ただし、k=(Ci+Cq)/2に基づいて虚数成分を得る場合には、複素受信信号の実数成分と虚数成分との差(-Ri+Rq)を合成信号とする必要がある(式31、図6)。
【0037】
なお、図9に関連して説明した回路は、図6の信号処理に基づくものであった。しかし、図7の信号処理に基づいて、図9に示すような回路と同様な回路を構成することも可能である。この場合は、合成符号としてg=(Ci-Cq)/2を採用する点や、出力が-90度回転させられている点が特に異なるが、実質的には図9に関連して説明した回路と同等のものである。したがって、図9に示すような回路を4つ準備することにより、図8に示す4つの信号経路a, b, c, dを構築することができる。
【0038】
(第2実施例)
ところで、拡散符号CiとCqが等しい確率および異なる確率はともに1/2である。拡散符号CiとCqが等しい場合にのみ乗算器940の出力は0でない値を提供し、拡散符号CiとCqが異なる場合の乗算器940の出力は0である。したがって、図9に示すディジタル整合フィルタ900において、例えば256段である所定の段数の乗算器940のうち約半分が、加算器950にゼロでない寄与を与え、残りの半分はゼロを出力するに過ぎない。
【0039】
一方、k=(Ci+Cq)/2, g=(Ci-Cq)/2の値に関し、拡散符号CiとCqが等しい場合はk=±1であってg=0であり、拡散符号CiとCqが異なる場合はk=0であってg=±1となり、合成符号kとgは互いに相補的な関係にある。したがって、図8の信号処理において、合成符号kに関連する乗算器810および830と、合成符号gに関連する乗算器820および840とが、交互にゼロでない値とゼロとを出力することを意味する。乗算器810の出力である信号経路aからの寄与と乗算器840の出力である信号経路dからの寄与が互いに相補的な関係になっている。同様に、拡散符号CiとCqの異同に関し、信号経路bからの寄与と信号経路cからの寄与も互いに相補的な関係になっている。
【0040】
図12は、以上の関係を表にまとめたものである。
【0041】
そこで、拡散符号CiとCqの異同に関し、相補的な関係になっている信号経路aと信号経路dからの寄与に着目する。このとき、拡散符号CiとCqが等しい場合は、信号経路aはCiの極性に応じて±(Ri+Rq)が相関出力の実数成分Diに寄与し、信号経路dから虚数成分Dqへの寄与はゼロである。逆に、拡散符号CiとCqが異なる場合は、信号経路aから実数成分Diへの寄与はゼロであり、信号経路dはCiの極性に応じて±(Ri+Rq)が虚数成分Dqに寄与する。したがって、図11に示す相関出力の実数成分を計算するための乗算器940において、乗算出力がゼロになる場合には、選択部1120から出力されている値を、相関出力の虚数成分として出力すれば、より効率的に相関出力にゼロでない寄与を与えることができる。
【0042】
図13は、これらの関係を利用して構成された乗算器1300の回路例である。図11で説明した要素と同様のものには同じ参照番号を付している。この乗算器1300では更に、実数成分用の乗算出力(#i)と、虚数成分用の乗算出力(#q)と、ANDゲート1310を備える。図11で説明した場合と同様に、信号線1110を介して合成信号(+R)と、インバータ1130および加算器1140を介して極性の反転された合成信号(-R)とが選択部1120に入力される。これら2つの合成信号のうち、拡散符号Ciの極性に合うものを選択し、選択部1120の出力とする。この出力は、ANDゲート1150およびANDゲート1310の各入力の一方される。ANDゲート1150の他方の入力には、拡散符号CiとCqの異同を示す異同信号(equ)が入力される。ただし、異同信号(equ)は、ANDゲート1310の他方の入力に反転して入力される。
【0043】
図14は、このような2出力の乗算器1300を利用して構成されたディジタル整合フィルタ1400を示す。図9で説明したものと同様の要素には同じ番号が付されている。ディジタル整合フィルタ1400は、合成信号用の遅延線910および合成符号用の遅延線930の各段からの出力を乗算する乗算器1300を備える。更に、ディジタル整合フィルタ1400は、相関出力の実数成分用の加算器950と、虚数成分用の加算器1420を備え、それぞれ乗算器1400の実数成分用出力(#i)および虚数成分用出力(#q)に結合されている。なお、この実施例における受信信号の合成は、加算器905により行われている。
【0044】
このように、図13に示す乗算器1300を利用すると、図9に示すディジタル整合フィルタ900において、実数成分に対してゼロを出力していた乗算器から虚数成分としての出力を抽出し、各段で行われる計算結果を無駄なく効率的に相関計算に役立てることが可能になる。さらに、図9に示すディジタル整合フィルタ900と比較して大幅に回路規模を削減することも可能になる。(図9に示すディジタル整合フィルタ900は、相関出力の実数成分Di(又は虚数成分Dq)のみしか得られなかったので、実数および虚数成分の両者(Di, Dq)を得るには、図9に示すような回路が2つ必要があった。)
第2実施例に関する以上の説明は、図8における信号経路aおよび信号経路dからの寄与に着目したものであったが、信号経路bおよび信号経路dからの寄与に着目しても同様の結果が得られる。これは、各信号経路aおよびbからの寄与がそれぞれ単独で相関出力信号の実数成分を構成することが可能であり、各信号経路cおよびdからの寄与がそれぞれ単独で相関出力信号の虚数成分を構成し得ることに起因する。ただし、単独の信号経路に基づいて相関出力を構築した場合は、従来得られる信号の半分のレベルしか得られない。従来と同等の出力レベルが得るには、総ての信号経路aないしdからの寄与を重ね合わせることにより、達成される。
【0045】
図15は、そのような重ねあわせを行った場合のディジタル整合フィルタ1500のブロック図を示す。これは、図8に示す信号処理を図13に示す乗算器を利用して構成したものに相当する。図9および図14で説明したものと同様の要素には同じ番号が付されている。ディジタル整合フィルタ1500は、更に、複素受信信号の実数成分(Ri)と虚数成分(Rq)との差である合成信号を出力する加算器1510と、この合成信号が入力される遅延線1520と、遅延線930,1520の各段からの出力を乗算する乗算器1301を備える。この加算器1301は、加算機1300と実質的に同様な回路である。ただし、加算器1300は信号経路aおよびdに関する信号を出力し、加算器1301は信号経路bおよびcに関する信号を出力するので、ゼロでない値を出力する条件が逆になっている点で両者は異なる(図12)。更に、ディジタル整合フィルタ1500は、相関出力の実数成分用の加算器1530と、虚数成分用の加算器1540を備え、それぞれ乗算器1300の実数成分用出力(#i)および虚数成分用出力(#q)に結合されている。加算器950および1530からの信号は更に加算器1550で加算され、相関出力の実数成分Diを形成する。同様に、加算器1420および1540からの信号も更に加算器1560で加算され、相関出力の虚数成分Dqを形成する。加算器950からの寄与は、信号経路a(図8)からの寄与に相当する。加算器1530からの寄与は、信号経路b(図8)からの寄与に相当する。加算器1540からの寄与は、信号経路c(図8)からの寄与に相当する。加算器1420からの寄与は、信号経路d(図8)からの寄与に相当する。
【0046】
なお、図8に示す信号処理によれば、2種類の合成符号、すなわちk=(Ci+Cq)/2とg=(Ci-Cq)/2が必要であった。そこで、受信信号の差に基づく合成信号(-Ri+Rq)の側を追加する場合に(図15の下側)、合成符号gに関する演算を行うため、合成符号g用の符号合成部および遅延線を別個独立に設けることも可能である。しかしながら、先に考察したように、合成符号kとgは、拡散符号CiとCqの異同に関して相補的な関係になっており、符号合成部の果たす役割は、拡散符号Ciの極性と、拡散符号CiおよびCqの異同とを乗算器側に知らせることで足りる。したがって、合成符号gのために別個独立の回路要素を追加する必要はなく、合成符号k用の符号合成部920と遅延線930は、合成符号g用に兼用することが可能である。このため、遅延線930の各段からの出力は、合成信号(Ri+Rq)の側だけでなく、合成信号(-Ri+Rq)の側にも提供されている。
【0047】
このように構成されたディジタル整合フィルタ1500は、従来と同等の出力レベルを提供することができる。従来の信号処理により相関出力の実数成分(Di)および虚数成分(Dq)の両方を得るための回路規模は、図4に示すものの2倍程度のものになるが、これは図15に示す回路規模と同等である。更に、信号経路a, b, c, dのうち例えば信号経路bおよびcを休止させて乗算器1301等による消費電力を節約し、信号経路aおよびdのみに基づいて実数成分Diおよび虚数成分Dqを計算することが可能である。受信信号品質が極めて良好である場合や、受信感度の劣化がある程度許容されるような場合にそのような信号処理が可能である。(信号経路aおよびdを休止させて信号経路bおよびcをアクティブにすること等も可能である。)すなわち、図15に示すような回路は、従来と同等の出力レベルを得るという選択肢と、感度劣化を犠牲にして消費電力を節約する選択肢とを提供しており、ユーザが必要に応じていずれかを選択することを可能にする。
【0048】
(第3実施例)
図16は、第3実施例によるディジタル整合フィルタ1600の部分ブロック図を示す。図14と同様の要素には同じ番号が付されている。ディジタル整合フィルタ1600では、第1乗算器1610の実数成分出力(#i)と、第2乗算器1611の実数成分出力(#i)とのペアを考え、このペアの内の一方からの寄与がゼロであるとみなし、そのペアの内の他方を加算器950に結合する。同様に、第1乗算器1610の虚数成分出力(#q)と、第2乗算器1611の虚数成分出力(#q)とのペアも考え、このペアの内の一方からの寄与がゼロであるとみなし、そのペアの内の他方を加算器1420に結合する。このように構成すると、加算器950および加算器1420の入力タップ数を、それぞれ半分に減少させることができる。ただし、そのような構成を採用すると、各ペアの一方をゼロであるとみなしたことに起因する信号劣化が生じてしまう。どの程度の信号劣化が生じるかについては、次のように考えることができる。
【0049】
まず、乗算器の実数成分出力(#i)がゼロである場合は、拡散符号CiとCqが異なる場合(≠)であり、このとき虚数成分出力(#q)からの寄与はゼロではない。逆に、乗算器の実数成分出力(#i)がゼロでない場合は、拡散符号CiとCqが等しい場合(=)であり、このとき虚数成分出力(#q)からの寄与はゼロである。そして、拡散符号CiとCqは等しい場合(=)と異なる場合(≠)のいずれかである。したがて上記のペアのとり得る組み合わせは、{(=,=), (=,≠), (≠,=), (≠,≠)}の4種類がある。これらペアのうち、(=,≠)と(≠,=)の場合は、上記の仮定に合致して一方がゼロであって他方がゼロでない寄与を与えるので、100%有意義なゼロでない信号が得られる。すなわち、相関出力の実数成分および虚数成分の両者にゼロでない寄与が与えられる。しかし、(=,=)と(≠,≠)の場合は、ゼロでない有意義な信号は50%しか得られない。すなわち、相関出力の実数成分および虚数成分の一方にのみゼロでない値が生じ、他方はゼロしか供給しない。例えば(=,=)の場合、乗算器1610および1611からの2つの実数成分出力(#i)には共にゼロでない信号成分が生じるが、2つの虚数成分出力(#q)には共にゼロが生じてしまい、ゼロでない有意義な出力を虚数成分用の加算器1420に与えることができない。(≠,≠)の場合も同様に、実数成分がゼロになってしまう。このため、有意義な信号が得られる割合は、上記4種類のペアの発生確率がそれぞれ1/4であることを考慮すると、次のようになる。
【0050】
100%*(1/4+1/4)+50%*(1/4+1/4)=75%
したがって、本実施例における信号劣化は、25%になると考えられる。言い換えれば、上記の仮定に基づいて加算器950および1420の入力タップ数を半分に減少させて加算器の回路規模を大幅に縮小しても、信号劣化は25%に過ぎない。すなわち本実施例によれば、25%の信号劣化と引き換えに、加算器の規模を半分に減少させることが可能である。
【0051】
図17は、図16で使用されるスイッチ1704の回路図を示す。このスイッチ1704は、ペアの内の一方からの寄与がゼロであるとみなし、そのペアの内の他方からの寄与を出力させる。スイッチ1704は、制御部1702により制御される。スイッチ1704は、乗算器1610(図16)内の選択部(図13)から出力される合成信号(±R0)を一方の入力とするANDゲート1710および1720を備え、これらANDゲート1710および1720の他方の入力には制御部1702からの信号が結合される。同様に、乗算器1611(図16)内の選択部(図13)から出力される合成信号(±R1)を一方の入力とするANDゲート1750および1760を備え、これらANDゲート1750および1760の他方の入力には制御部1702からの信号が結合される。ANDゲート1710およびANDゲート1750からの2つの出力を入力するORゲート1770は、実数成分(#i)を出力する。ANDゲート1720およびANDゲート1760からの2つの出力を入力するORゲート1780は、虚数成分(#q)を出力する。
【0052】
制御部1702は、乗算器1610用に供給される異同信号(equ0)を一方の入力とするANDゲート1730および1740を備える。ANDゲート1730には論理を反転して入力する。これらANDゲート1730,1740の他方の入力には、乗算器1611用に供給される異同信号(equ1)が入力される。ただし、ANDゲート1740に対しては論理を反転して入力する。制御部1702は、ANDゲート1710,1720,1750,1760を制御するための信号を出力する。制御部1702に入力された異同信号(equ0)は、そのままANDゲート1710および1720に結合される。ただし、ANDゲート1720に対しては論理を反転して結合する。ANDゲート1730および1740からの2つの出力は、それぞれANDゲート1750および1760に結合される。
【0053】
動作を次に説明する。便宜上、遅延線910(図16)の初段に格納されている合成信号をR0とし、次の段に格納されている合成信号をR1とする。また、合成符号の遅延線930(図16)の初段に格納されている合成符号をC0とし、次の段に格納されている合成符号をC1とする。そして、合成符号C1の異同信号(equ1)が例えば論理ロー(L)の値をとり、合成符号C1に関する拡散符号CiおよびCqが異なることを示す場合、ANDゲート1730および1750は論理ロー(L)を出力するので、乗算器161の実数出力(#i)には、ANDゲート1710からの出力±R0が結合される。この場合において、乗算器1610側の異同信号(equ0)が論理ハイ(H)であれば(拡散符号C0に関するCiとCqが同じであれば)、乗算器161の実数出力にゼロでない有意義な出力が生じる。他方、論理ロー(L)の異同信号(equ1)および論理ハイ(H)の異同信号(equ0)に応じて、ANDゲート1740が論理ハイ(H)を出力し、乗算器161の虚数成分出力(#q)に乗算器1611側の合成信号±R1が結合される。こうして、乗算器161の実数成分出力(#i)および虚数成分出力(#q)からゼロでない有意義な出力がそれぞれ得られる。異同信号equ0およびequ1の論理が逆になっても同様に、乗算器161の両出力からゼロでない有意義な出力が得られる。このように、図16で行った仮定に合致する場合は、100%出力が得られる。次に、図16で行った仮定に反し、異同信号equ0およびequ1がともに論理ロー(L)であった場合は、ANDゲート1730,1750,1710の出力は総て論理ロー(L)になり、乗算器161の実数出力(#i)はゼロになってしまう。他方、虚数出力(#q)には+R0または-R0が出力される。異同信号equ0およびequ1がともに論理ロー(H)であった場合も同様に、乗算器161の虚数出力(#q)はゼロになってしまう。他方、実数出力(#i)には+R0または-R0が出力される。このように図17に示す回路は、図16で意図する動作を実行することが可能である。なお、このような動作を行う回路は、図17に示す論理回路には限定されず、論理を反転させることはもとより、多数の回路構成が可能であろう。例えば、図17で説明したスイッチ1704は、ANDゲートおよびORゲートにより構成されていたが、これらをトランジスタで構成することも可能である。
【0054】
図18は、スイッチ1704をトランジスタで構成した場合の回路図を示す。この場合におけるスイッチ1704は、ANDゲートおよびORゲートの6つの論理ゲートの代わりに、4つのトランジスタ1810,1820,1830,1840を備える。このような4つのトランジスタは、通常のCMOSゲート1つ分の回路規模に相当するので、この場合におけるスイッチ1704の回路規模は、約1/6に削減される。
【0055】
図19は、これまで説明してきた各実施例によるディジタル整合フィルタについて、回路規模および出力レベルを従来のものと比較した図表を示す。計算された数値は、遅延線の段数が256段であり、受信サンプルが4ビットで表現される場合を想定しているが、段数および受信サンプルを表現するビット数が異なっても、同様の傾向があると考えられる。この図表において、左から1列目の数値は、図4に示される従来の回路規模および出力レベルを比較基準にしていることを示す。すなわち、図4の従来の回路規模を100%とし、出力レベルを0dBとしている。ここで、出力レベルとは、先に述べた(数1)で定義される量である。
【0056】
図表中の2列目は、本願第1実施例(図9)による回路規模は、従来の66.7%であり、−3dBの出力劣化が生じることを示す。図表中の3列目は、図13に示す乗算器を利用する本願第2実施例の図14による回路規模は、従来の50.0%であり、−3dBの出力劣化が生じることを示す。第2列および第3列は、図9および図14に示す回路が、−3dBの感度劣化と引き換えに回路規模を約半分にして消費電力を節約することができることを示す。第4列は、本願第2実施例の図15による回路規模は、従来と同程度の100%であり、出力劣化も生じないことを示す。ただし、必要に応じて出力劣化と引き換えに消費電力を節約する選択肢を留保している。これは、図14に示す回路と同程度の規模の回路を2つ使用しているためである。第5列は、加算器のタップ数を削減する本願第3実施例(図16)による回路規模は、従来の72.5%であり、−1.25dBの出力劣化が生じることを示す。最後の第6列は、トランジスタを利用してスイッチを構成した本願第3実施例(図16)による回路規模は、従来の66.4%であり、−1.25dBの出力劣化が生じることを示す。第5列および第6列は、図16に示す回路が、−1.25dBの感度劣化と引き換えに、回路規模を7割程度に削減し、消費電力を削減し得ることを示す。このように、本願各実施例によれば、回路規模に関しては、従来と同程度の100%、約半分の50%およびそれらの中間的な70%とする選択肢を提供することが可能である。そして、感度劣化に関しては、従来と同程度の0dB、約半分の−3dBおよびそれらの中間的な−1.25dBとする選択肢を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的なレーク(RAKE)受信機のブロック図を示す。
【図2】 サーチャの一般的な構成を示すブロック図を示す。
【図3】 従来のディジタル整合フィルタで行われる信号処理の流れ図を示す。
【図4】 従来のディジタル整合フィルタのブロック図を示す。
【図5】 従来の乗算器の回路図を示す。
【図6】 本願発明による信号処理の流れ図を示す。
【図7】 本願発明による信号処理の流れ図を示す。
【図8】 本願発明による信号処理の流れ図を示す。
【図9】 本願第1実施例によるディジタル整合フィルタのブロック図を示す。
【図10】 図9に示すディジタル整合フィルタで使用することの可能な符号合成部のブロック図を示す。
【図11】 図9に示すディジタル整合フィルタで使用することの可能な乗算器のブロック図を示す。
【図12】 本願実施例で使用する各種符号間の関係を示す図表を示す。
【図13】 本願第2実施例で使用する乗算器の回路図を示す。
【図14】 図13に示す乗算器を利用するディジタル整合フィルタのブロック図を示す。
【図15】 本願第2実施例によるディジタル整合フィルタのブロック図を示す。
【図16】 本願第3実施例によるディジタル整合フィルタの部分ブロック図を示す。
【図17】 図16に示すディジタル整合フィルタで使用することの可能な乗算器およびスイッチの回路図を示す。
【図18】 図17で使用されたスイッチをトランジスタで構成した場合の回路図を示す。
【図19】 各実施例について、回路規模および出力レベルを従来のものと比較した図表を示す。
【符号の説明】
100 レーク受信機
110 フィンガ
120 レーク結合器
130 サーチャ
210 ディジタル整合フィルタ
220 二乗器
230 積分器
240 パス選択器
310,330,340,360 乗算器
320,350 加算器
40 ディジタル整合フィルタ
41,42,44,45 遅延線
43,46 乗算器
47 加算器
50 乗算器
51 信号線
52 選択部
53 インバータ
54 加算器
610,630,640 加算器
620,650 乗算器
710,730,740 加算器
720,750 乗算器
810,820,830,840 乗算器
900 ディジタル整合フィルタ
907,920 合成部
910,930 遅延線
940 乗算器
950 加算器
1020 反転出力の排他的論理和ゲート
1120 選択部
1130 インバータ
1140 加算器
1150 ANDゲート
1310 ANDゲート
905 加算器
1300 乗算器
1420 加算器
1301 乗算器
1510,1530,1540,1550,1560 加算器
1520 遅延線
1610,1611 乗算器
1704 スイッチ
1702 制御部
1710,1720,1730,1740,1750,1760 ANDゲート
1770,1780 ORゲート
1810,1820,1830,1840 トランジスタ

Claims (9)

  1. 複素ディジタル整合フィルタ(900)を用いて、所定の拡散符号で拡散されている複素受信信号と、所定の複素拡散符号との相関出力を計算する方法であって、
    複素受信信号の実数成分(Ri)および虚数成分(Rq)の実数計算の線形結合に基づく合成信号(Ri+Rq,−Ri+Rq)を、複数段より成る受信信号遅延線(910)に入力して、前記受信信号遅延線の各段により遅延された合成信号を生成する段階と、
    複素拡散符号の実数成分(Ci)および虚数成分(Cq)の異同を表す異同信号(equ)と、前記実数成分(Ci)または前記虚数成分(Cq)のいずれか一方の極性を表す極性信号(sign)とを生成する段階と、
    前記異同信号(equ)および極性信号(sign)を、複数段より成る符号遅延線(930)に入力して、前記符号遅延線の各段により遅延された異同信号(equ)および極性信号(sign)を生成する段階と、
    前記受信信号遅延線の各段から出力される前記遅延された合成信号と、前記符号遅延線の各段から出力される前記遅延された前記異同信号(equ)および極性信号(sign)とに応じて、複数の出力を生成する段階と、
    前記複数の出力を加え合わせる段階と
    を備える方法
  2. 前記合成信号が、複素受信信号の実数成分(Ri)と虚数成分(Rq)との和又は差に基づく信号であることを特徴とする請求項1記載の方法
  3. 所定の拡散符号で拡散されている複素受信信号と、所定の複素拡散符号との相関出力を計算する複素ディジタル整合フィルタ(900)であって、
    複数段より成る受信信号遅延線(910)であって、前記受信信号遅延線(910)には複素受信信号の実数成分(Ri)と虚数成分(Rq)との実数計算の線形結合により得られる合成信号が入力され、前記受信信号遅延線(910)の各段が遅延された前記合成信号を出力する受信信号遅延線(910)と、
    複素拡散符号の実数成分(Ci)および虚数成分(Cq)の異同を表す異同信号(equ)と、前記実数成分(Ci)または前記虚数成分(Ci)のいずれか一方の極性を表す極性信号(sign)とを生成する符号合成部(920)と、
    前記異同信号(equ)および極性信号(sign)が入力され、複数段より成る符号遅延線(930)であって、該符号遅延線(930)の各段は、遅延された前記異同信号(equ)および極性信号(sign)を出力する符号遅延線(930)と、
    前記受信信号遅延線の各段から得られる合成信号と、前記符号遅延線の各段から得られる異同信号(equ)および極性信号(sign)とに応じて複数の出力を生成する複数の乗算器(940,1300)と、
    前記複数の乗算器からの前記複数の出力を加え合わせる加算器(950,1420)と
    を備えることを特徴とする複素ディジタル整合フィルタ(900)。
  4. 前記合成信号が、複素受信信号の実数成分(Ri)と虚数成分(Rq)との和又は差に基づく信号であることを特徴とする請求項3記載のディジタル整合フィルタ。
  5. 前記複素拡散符号の実数成分(Ci)および虚数成分(Cq)が、それぞれ正または負の2値をとることを特徴とする請求項3記載のディジタル整合フィルタ
  6. 前記乗算器(940)は、前記異同信号(equ)に応じて0または0でない値を出力し、0でない値を出力する場合は前記極性信号(sign)に応答して合成信号の値を出力することを特徴とする請求項3記載のディジタル整合フィルタ。
  7. 前記乗算器(1300)が、相関出力の実数成分に寄与する出力(#i)と、相関出力の虚数成分に寄与する出力(#q)とを有し、これら2つの出力のうち一方が0でない値を提供し、かつ他方が0を提供することを特徴とする請求項3記載のディジタル整合フィルタ。
  8. 前記加算器が、相関出力の実数成分用の第1加算器(950)と、相関出力の虚数成分用の第2加算器(1420)を備え、
    前記各乗算器の内の第1および第2乗算器と、前記第1および第2加算器とを結合するスイッチ(1704)を備えることを特徴とする請求項3記載のディジタル整合フィルタ。
  9. 前記各乗算器(1300)が、相関出力の実数成分に寄与する第1出力(#i)と、相関出力の虚数成分に寄与する第2出力(#q)とを有し、これら2つの出力のうち一方が0でない値を提供し、かつ他方が0を提供し、
    前記各乗算器の内の第1および第2乗算器と、前記第1および第2加算器とを結合するスイッチ(1704)を備え、
    前記スイッチ(1704)は、前記第1乗算器の第1出力または前記第2乗算器の第1出力のいずれか一方のみを前記第1加算器に結合し、前記第1乗算器の第2出力または前記第2乗算器の第2出力のいずれか一方のみを前記第2加算器に結合することを特徴とする請求項8記載のディジタル整合フィルタ。
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