JP4383794B2 - 蘭の栽培方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蘭の栽培方法に関する。
蘭には多くの系統、品種が存在するが、一般に、花色の濃い花はより色の濃い花弁であることにより、また、白い花は他の色が混じらず純白の花弁であることにより商品価値が高いとされる。
従来、花色を調節する方法としては、蘭種を掛け合わせることにより均一で純粋な黄色の花を得る方法(例えば、特許文献1参照)、紫外線遮蔽能に優れた樹脂成形物を用いて紫外線をカットした状態で花を栽培し、花色を調節する方法(例えば、特許文献2参照)、観賞用植物を紫外線灯によって紫外線を照射しながら育成を行い、花色の濃度を濃くしかつ鮮明とする観賞用植物の育成方法(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
また、可視光領域の波長成分を制御しながら植物を栽培する方法としては、ペチュニアの育苗期以降に、明期の栽培光の波長分布を黄色の割合が高まるように制御することにより、花冠における覆輪の幅を広くする栽培方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開平6−98654号公報 特開平8−199000号公報 特開平8−308383号公報 特許第2805003号明細書
しかしながら、蘭種を掛け合わせる品種改良には、多くの時間と労力がかかるため所望の品種を得るのが容易でなく、紫外線量を調節するだけでは花弁を純白にすることは困難であった。さらに、栽培光の黄色成分の割合を高まるように制御しながら植物を栽培しても、花弁の色を調節することはできないという問題点があった。
そこで本発明は、蘭に照射する光の波長を制御することにより、蘭の花弁の色を制御する蘭の栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、蘭の花軸伸長期又は花茎伸長期に、特定の波長を有する光を含む照射光を蘭に照射することにより上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、蘭の花軸伸長期又は花茎伸長期に光源から発された照射光を上記蘭に照射するステップを備える、蘭の栽培方法であって、上記光源が発する照射光は、その光合成有効光量子束密度に占める波長450nm〜470nmの青色光の光合成有効光量子束密度の割合が、太陽光の光合成有効光量子束密度に占める上記波長の青色光の光合成有効光量子束密度の割合から偏倚した照射光であることを特徴とする蘭の栽培方法を提供する。
ここで、「光合成有効光量子束密度に占める波長450nm〜470nmの青色光の光合成有効光量子束密度の割合が、太陽光の光合成有効光量子束密度に占める上記波長の青色光の光合成有効光量子束密度の割合から偏倚した照射光」とは、太陽光の光合成有効光量子束密度に占める波長450nm〜470nmの青色光のPPFDの割合を基準としたときに、照射光の光合成有効光量子束密度に占める波長450nm〜470nmの青色光のPPFDの割合が、上記基準よりも多い方又は少ない方のいずれかに偏っていることを意味する。なお、太陽光のPPFDに占める波長450nm〜470nmの青色光のPPFDの割合は、一日を通じて変化するが、概ね15%程度である。
このような青色光の光合成有効光量子束密度の割合偏倚した照射光を蘭に照射して蘭を栽培することにより、蘭の花弁の色を制御することができ、例えば、花弁の色を濃い赤色にしたり、白い花弁を白色以外の色が混じらない純白の花弁にすることが可能となる。
本発明はまた、上記照射光の光合成有効光量子束密度に占める上記波長(450nm〜470nm)の青色光の光合成有効光量子束密度の割合が、15%〜90%であり、上記蘭は赤色色素を花弁に生じる蘭であることを特徴とする蘭の栽培方法を提供する(以下、本方法を「第1の栽培方法」という。)。このような照射光を蘭に照射して蘭を栽培することにより、花弁の色をより濃い赤色にすることが可能となる。すなわち、蘭の赤色度の向上方法が提供される。
本発明はさらに、上記照射光の光合成有効光量子束密度に占める上記波長を有する青色光の光合成光量子束密度の割合が、5%以下であり、上記蘭は白色の花弁を生じる蘭であることを特徴とする蘭の栽培方法を提供する(以下、本方法を「第2の栽培方法」という。)。このような照射光を蘭に照射して蘭を栽培することにより、白い花弁を白色以外の色が混じらない純白の花弁にすることが可能となる。すなわち、蘭の白色度の向上方法が提供される。
本発明はまた、白色の花弁を生じる蘭の栽培方法であって、かかる蘭の花軸伸長期又は花茎伸長期に、500nm以下の波長の光をその光合成有効光量子束密度の割合が5%以下となるように遮断した太陽光を上記蘭に照射するステップを備えることを特徴とする蘭の栽培方法を提供する(以下、本方法を「第3の栽培方法」という。)。上記太陽光を蘭に照射して蘭を栽培することにより、純白の花弁を生じさせることが可能となる。
本発明の蘭の栽培方法によれば、蘭の花弁の色を制御することができる。従って、本発明によって、赤色の花弁を生じる蘭の花弁の色をより濃い赤色にすることができ、また、白い花弁を有する蘭を他の色が混じらない純白の花弁を有する蘭にすることが可能となる。なお、蘭は一般花と異なり、成長が遅く、光による徒長など形態形成において光の影響を受けにくいため、形態が崩れることがなく、また、花が咲くまでの期間が長いため、処理期間を長く出来るため上記の効果を十分に得ることができる。また、本発明の蘭の栽培方法により栽培した蘭は、開花後に一般的な栽培環境下(例えば、太陽光下、温室内)で栽培を続けても、花弁の色を維持することが可能である。
以下、第1〜第3の栽培方法について、好適な実施形態を説明する。
まず、第1の栽培方法について説明する。第1の栽培方法によれば赤色色素を花弁に生じる蘭の花弁の色をより濃い赤色にすることが可能となる。
第1の栽培方法を実施するために、まず、赤色色素を花弁に生じる蘭であって、花軸を生じていないが花軸伸長直前にある蘭、花軸が生じており花軸伸長期にある蘭、花茎を生じていないが花茎伸長直前にある蘭、又は、花茎が生じており花茎伸長期にある蘭を準備する。
ここで、赤色色素とは、フラボノイド系(アントシアニンなど)、ベタレイン系(ベタシアニンなど)、カロチノイド系(カロチン、キサントフィルなど)の色素をいう。
第1の栽培方法の対象となる蘭の種類としては、エビデンドラムセントラニウム(Epidendrum centradenia)、カトレア(Cattleya)、シンビジューム(Cymbidium)、デンドロビューム(Dendrobium),デンファレ(Dendrobium phalaenopsis group)、バンダ(Vanda)、ダレノプシス(Phalaenopsis)、エピデンドラム(epidemmdorumu)、エビネ(Calantbe)、オンシジューム(Oncidium)などの、赤色色素を花弁に生じる蘭が挙げられる。
花軸を有する蘭の種類としては、オンシジューム(Oncidium)、デンファレ(Dendrobium phalaenopsis group)バンダ(Vanda)、ファレノプシス(Phalaenopsis)、エビネ(Calanthe)などが挙げられる。
また、花茎を有する蘭としては、エピデンドラム(Epidendrum)の一種、デンドロビューム(Dendrobium)の一種、カトレア(Cattleya)の一種などが挙げられる。
花軸を有する蘭における花軸伸長の過程は、以下の通りである。
1.花軸が伸長を始める。
2.花軸の伸長が止まる。
3.第1の蕾が形成されて膨らむと同時に、そこから花軸がさらに伸長する。
4.第1の蕾が開花する。
5.花軸の伸長が止まる。
6.第2の蕾が形成されて膨らむと同時に、そこから花軸がさらに伸長する。
7.第2の蕾が開花する。
8.以下、繰り返し。
そして、本発明における花軸伸長期とは、花軸伸長直前から最後の蕾が開花するまでをいう。
花茎を有する蘭における花茎伸長の過程は、以下の通りである。
1.花茎が伸長を始める。
2.花茎の伸長が止まる。
3.複数の蕾が花茎に形成される。
4.蕾が膨らみ開花する。
そして、本発明における花茎伸長期とは、花茎伸長直前から最後の蕾が開花するまでをいう。
なお、一株の蘭が複数の花軸(花茎)を有している場合、すべての花軸(花茎)が花軸(花茎)伸長期にある必要はなく、いずれかの花軸(花茎)が花軸(花茎)伸長期にあれば、その蘭を第1の栽培方法により栽培することにより、花軸(花茎)伸長期にあった花軸(花茎)につく花の花弁を濃い赤色にすることが可能である。以下、花軸を有する蘭の栽培方法について記載するが、花茎を有する蘭についても同様である。
以上の状態の蘭を準備した後に、その蘭に対して光源から発された波長450nm〜470nmの青色光を含む照射光を照射しながら栽培する。このとき、上記照射光は、該照射光のPPFDに占める上記波長を有する青色光のPPFDの割合が15%〜90%である光を用いる。第1の栽培方法では、上記波長の青色光を発する光源を用いればよく、青色光のPPFDの割合が15%〜90%になる限りにおいて、この光源以外からの光(例えば太陽光)を併用してもよい。しかし、花弁の赤色度をより向上させるためには、栽培は遮光環境に移して外部からの光を遮断した状態で行うことが好ましい。
照射光は対象となる蘭全体に対して照射すればよいが、少なくとも花軸伸長期にある花軸に上記の青色光が確実に到達するように照射することが肝要である。これは「花軸伸長期にある花軸に対して、照射光のPPFDに占める波長450nm〜470nmの青色光のPPFDの割合が15%〜90%である照射光を照射することによって、生じる花弁の赤色を制御できる(赤色を濃くできる。)」という、本発明者らによる新規知見に基づくものである。
かかる照射光の照射は、花軸が出始めた時期以降花軸に蕾が生じる時期の前、に開始することが好ましく、花軸に蕾が生じた後、好ましくは開花後に中止するのがよい。このような照射を行うことにより、蘭の花弁の赤色をより確実に濃くすることができる。なお、開花した花の状態や開花寸前の蕾の状態から波長450〜470nmの青色光を含む照射光を照射し始めても、花弁の色を濃い赤色にすることは困難である。また、波長450〜470nmの青色光の光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)の半導体光源や、上記波長を有する青色光のPPFDの割合を偏倚させるフィルタ(例えば、上記波長の光のみを透過させるフィルタ)を備えた光源を用いることが可能である。
波長450〜470nmの青色光を含む照射光を照射しながら蘭を栽培し、蘭が開花した後は、一般的な栽培条件、例えば、太陽光下、温室内で蘭を栽培することが可能となる。本発明により花弁の色が濃い赤色の蘭が開花した後は、波長450〜470nmの青色光を含む照射光を蘭に照射し続けなくても、花弁の色を濃い赤色に維持することが可能である。
上記照射光のPPFDに占める波長450〜470nmの青色光のPPFDの割合は、15%〜90%であるが、20%〜80%であることがより好ましい。波長450〜470nmの青色光の割合が15%未満では、蘭の花弁を充分濃い赤色にすることができない傾向にあり、波長450〜470nmの青色光の割合が90%を超えると、光障害を起こす原因となり蘭の生育が悪くなる傾向にある。なお、一般的な蘭の栽培は太陽光の下で行われるが、そのPPFD(太陽光全体のPPFD)は強すぎるので、寒冷紗を用いて栽培される。また、上述したように、太陽光のPPFDに占める青色光のPPFDの割合は、一日を通じて変化するが、概ね15%程度である。したがって、照射光のPPFDに占める青色光のPPFDの割合をこの割合よりも大きく設定すれば、自然光の下で栽培された蘭に比してより色の濃い花弁の蘭を栽培することができる。
また、上記照射光は波長650nm〜700nmの赤色光を補助光として含んでいることが好ましく、上記照射光のPPFDに占める波長650nm〜700nmの赤色光のPPFDの割合は10%〜85%であることが好ましく、20%〜80%であることがより好ましい。補助光として波長650nm〜700nmの赤色光を照射することにより、波長450nm〜470nmの青色光の照射だけでは不充分になりがちな光合成を促進することができ、蘭の生育を充分なものにすることが可能となる。なお、波長650nm〜700nmの赤色光の光源としては、例えば、半導体レーザーやLEDといった半導体光源や、上記波長の光のみを透過させるフィルタを設けた光源を用いることが可能である。
波長450〜470nmの青色光及び波長650nm〜700nmの赤色光の照射パターンは、波長450〜470nmの青色光は24時間照射し続け、波長650nm〜700nmの赤色光は12時間おきに照射・非照射を繰り返すパターンが好ましい。このようなパターンで蘭に照射光を照射することにより、より効果的に花弁の赤色を濃くすることが可能となる。また、自然光に加えて青色光を補光として24時間照射し続ける状態で行ってもよく、昼間は自然光のみ、夜間は青色光による補光を行ってもよい。
また、栽培温度は、昼と夜との温度差が大きくなる条件で栽培することが好ましい。このような条件で栽培することにより、より効果的に花弁の赤色を濃くすることが可能となる。
なお、第1の栽培方法を実施するにあたって、照射光以外の栽培条件、例えば、肥料、水、温度、湿度などについては、一般的な栽培条件と同様の条件が採用できる。
次に第2の栽培方法について説明する。第2の栽培方法によれば白色の花弁を生じる蘭の花弁の色を純白にすることが可能となる。
第2の栽培方法を実施するために、まず、白色の花弁を生じる蘭であって、花軸を生じていないが花軸伸長直前にある蘭、花軸が生じており花軸伸長期にある蘭、花茎を生じていないが花茎伸長直前にある蘭、又は、花茎が生じており花茎伸長期にある蘭を準備する。
第2の栽培方法の対象となる蘭の種類としては、デンファレミニホワイト(Dendrobium phalaenopsis group)、カトレア(Cattleya)、シンビジューム(Cymbidium)、デンドロビューム(Dendrobium),デンファレ(Dendrobium phalaenopsis group)、バンダ(Vanda)、ファレノプシス(Phalaenopsis)、エピデンドラム(epidemmdorumu)、エビネ(Calantbe)などの、白色の花弁を生じる蘭が挙げられる。
花軸を有する蘭の種類としては、オンシジューム(Oncidium)、デンファレ(Dendrobium phalaenopsis group)バンダ(Vanda)、ファレノプシス(Phalaenopsis)、エビネ(Calanthe)などが挙げられる。
また、花茎を有する蘭の種類としては、エピデンドラム(Epidendrum)の一種、デンドロビューム(Dendrobium)の一種、カトレア(Cattleya)の一種などが挙げられる。
花軸を有する蘭における花軸伸長の過程及び花軸伸長期、並びに、花茎伸長の過程及び花茎伸長期については、第1の栽培方法において先に説明した通りである。
なお、一株の蘭が複数の花軸(花茎)を有している場合、すべての花軸(花茎)が花軸(花茎)伸長期にある必要はなく、いずれかの花軸(花茎)が花軸(花茎)伸長期にあれば、その蘭を第2の栽培方法により栽培することにより、花軸(花茎)伸長期にあった花軸(花茎)に生じる花の花弁を純白にすることが可能である。以下、花軸を有する蘭の栽培方法について記載するが、花茎を有する蘭についても同様である。
以上の状態の蘭を準備した後に、照射光を照射しながら栽培する。このとき、上記照射光は、該照射光のPPFDに占める上記波長を有する青色光のPPFDの割合が5%以下である光を用いる。第2の栽培方法では、上記照射光を発する光源を用いればよく、青色光のPPFDの割合が5%以下になる限りにおいて、この光源以外からの光(例えば太陽光)を併用してもよい。しかし、花弁の白色度をより向上させるためには、栽培は遮光環境に移して外部からの光を遮断した状態で行うことが好ましい。
照射光は対象となる蘭全体に対して照射すればよいが、少なくとも花軸伸長期にある花軸に上記波長の赤色光が確実に到達するように照射することが肝要である。これは「花軸伸長期にある花軸が一部着色している場合(緑色の花軸に赤の筋が出ている場合等)は、花軸に生じている色が白色の花弁に混入する。また、花軸伸長期にある花軸に対して照射光を、該照射光のPPFDに占める波長450nm〜470nmの青色光のPPFDの割合が5%以下となるように照射することによって、花軸の着色を防止して、生じる花弁の色をより白くできる。」という、本発明者らによる新規知見に基づくものである。
かかる照射光の照射は、花軸が出始めた時期以降花軸に蕾が生じる時期の前、に開始することが好ましく、花軸に蕾が生じた後、好ましくは開花後に中止するのがよい。このような照射を行うことにより、蘭の花弁の白色度をより確実に向上できる。なお、開花した花の状態や開花寸前の蕾の状態から上記の照射光を照射し始めても、花弁の色を純白にすることは困難である。また、波長450〜470nmの青色光の光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)の半導体光源や、上記波長を有する青色光のPPFDの割合を偏倚させるフィルタ(例えば、上記波長の光を遮断するフィルタ)を備えた光源を用いることが可能である。
第2の栽培方法を適用する蘭として、例えばデンファレミニホワイト(Dendrobium phalaenopsis group)を用いる場合、花軸が9cm程度以下でさらに花軸が伸長する時期にあるものに、上記の照射光を30日〜40日程度行うことが好ましい。このような照射を行うことにより、生じる花弁の白色度をより確実に向上できる。
一般的な栽培条件で蘭を栽培した場合には、上述のように、花軸が着色する場合があるが、着色した花軸に上記の照射光を照射しながら栽培することにより、照射を開始した時期以降に伸長した花軸を着色のない花軸とすることができ、1本の花軸について色彩を変化させることもできる。
上記の照射光を照射しながら蘭を栽培し、蘭が開花した後は、一般的な栽培条件、例えば、太陽光下、温室内で栽培することが可能となる。本発明により純白の花弁を有する蘭が開花した後は、上記の照射光を蘭に照射し続けなくても、花弁の純白及び花軸の色彩を維持することが可能である。
蘭に照射する照射光のPPFDは、400μmol/m2s未満であることであることが好ましく、150μmol/m2s〜200μmol/m2sであることがより好ましい。照射光のPPFDが400μmol/m2s以上になると、純白蘭の作出率が低くなる傾向があり、また、花弁の萎縮や丸まりといった光障害が生じる傾向がある。
上記照射光のPPFDに占める波長650nm〜700nmの赤色光のPPFDの割合は95%〜100%であることが好ましく、98.5%〜100%であることがより好ましい。波長650nm〜700nmの赤色光の割合が95%未満では、花弁に他の色が混じり純白となり難くなる傾向にある。
また、上記照射光は、該照射光のPPFDに占める波長450〜470nmの青色光のPPFDの割合が0%である光であってもよい。なお、形態形成の観点からは、上記波長の青色光を含んでいることが好ましい。このとき、上記照射光のPPFDに占める上記波長の青色光のPPFDの割合は0%を超え5%以下であることが好ましく、0%を超え1.5%以下であることがより好ましい。青色光の占める割合が5%を超えると、純白蘭の作出率が低くなる傾向にある。
なお、第2の栽培方法を実施するにあたって、照射光以外の栽培条件、例えば、肥料、水、温度、湿度などについては、一般的な栽培条件が採用できる。
次に第3の栽培方法について説明する。第3の栽培方法によれば第2の栽培方法と同様に、白色の花弁を生じる蘭の花弁の色を純白にすることが可能となる。
第3の栽培方法において準備する蘭の状態及び蘭の種類は、第2の栽培方法におけるのと同様である。また、500nm以下の波長、好ましくは450nm〜470nmの波長の光をその光合成有効光量子束密度の割合が5%以下となるように遮断した太陽光は対象となる蘭全体に対して照射すればよいが、少なくとも花軸伸長期にある花軸に確実に到達するように照射することが肝要である。
上記太陽光の照射は、花軸が出始めた時期以降花軸に蕾が生じる時期の前、に開始することが好ましく、花軸に蕾が生じた後、好ましくは開花後に中止するのがよい。このような照射を行うことにより、蘭の花弁の白色度をより確実に向上できる。なお、500nm以下の波長の光を遮断する方法としては、500nm以下の波長をカットするフィルタで蘭を覆う方法が挙げられる。この場合も、肥料、水、温度、湿度などの条件については、一般的な栽培条件と同様の条件が採用できる。また、蘭が一旦開花した後は、500nm以下の波長の光を遮断した太陽光を蘭に照射し続けなくても、花弁の純白及び花軸の色彩を維持することが可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、特に断らない限り、赤色光の照射には半導体レーザー(680nm)を用い、青色光の照射には青色LED(460nm)を用いた。
(実施例1及び比較例1、2)
まず、花茎の出ていないエビデンドラムセントラニウムの苗を太陽光下、温室内にて葉と葉の間から花茎が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。
次に、この試験用蘭を遮光環境下に移し、以下の照射光を試験用蘭全体に照射しながら温室内で栽培を行った。実施例1では、青色光及び赤色光を、PPFDが200μmol/m2s、そのうちの25%が青色光となるように試験用蘭全体に照射した。比較例1では、高圧水銀ランプを用い、PPFDが200μmol/m2sとなるように試験用蘭全体に光を照射した。比較例2では、赤色光のみを、PPFDが200μmol/m2sとなるように試験用蘭全体に照射した。
なお、高圧水銀ランプの輝線スペクトルは、406nm、436nm、546nm及び578nm等であるが、450〜470nmの波長範囲には充分な発光強度を有しない。
試験用蘭に上記照射光を照射しながら40日間栽培を行った後、開花2日後の花弁(生花)を採取した。次いで、色素の抽出を行うため、花弁を花弁の重さの10倍量の1%HClメタノール中に4℃24時間浸漬した。得られた粗抽出色素について分光光度計で可視部の吸収スペクトルカーブを測定し、吸収極大波長(λmax(nm))とその吸光度(O.D.:530nm)を求めた。この測定を5つの花弁に対して行い、それぞれ値を基に平均値を算出して測定値とした。
図1は、実施例1及び比較例1、2の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの花弁のOD値(530nm)を表すグラフである。また、図2〜4は順に、実施例1、比較例1及び比較例2の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの試験用蘭の組織を示す図である。試験用蘭の花弁のOD値(530nm)は、実施例1では1.49、比較例1では1.11、比較例2では0.97となり、本発明の栽培方法により、赤色色素を花弁に含む蘭の花弁の色をより濃い赤色にすることができることが確認された。また、青色光のうち特に450nm〜470nmの波長の光が花色に関与していることが示唆された。
(実施例2、3及び比較例3)
まず、花茎の出ていないエビデンドラムセントラニウム(Epidendrum centradenia)の苗を太陽光下、温室内にて、葉と葉の間から花茎が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。次に、この試験用蘭を遮光環境下に移し、以下の照射光を試験用蘭全体に照射しながら栽培を行った。実施例2では、青色光及び赤色光を、PPFDが90μmol/m2s、そのうちの90%が青色光となるように試験用蘭全体に照射した。実施例3では、青色光及び赤色光を、PPFDが200μmol/m2s、そのうちの25%が青色光となるように試験用蘭全体に照射した。比較例3では、赤色光のみを、PPFDが200μmol/m2sとなるように試験用蘭全体に照射した。
試験用蘭全体に上記照射光を照射しながら40日間栽培を行った後、花弁を採取し、実施例1と同様の方法により、花弁の530nmにおけるOD値を測定した。
図5は、実施例2、3及び比較例3の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの花弁のOD値(530nm)を表すグラフである。図5に示した結果から明らかなように、本発明により栽培した蘭の花弁はより濃い赤色になることが確認された(実施例2及び3)。また、照射光のPPFDに占める青色光のPPFDの割合が多くなるほど花色が濃くなることが示唆された。参考までに、通常の栽培条件(太陽光+寒冷紗)で栽培された花弁のOD値は、1.3程度である。この値と比較しても、本発明により栽培された蘭の花弁は、より濃い赤色を呈することが容易に理解される。
(実施例4)
まず、花軸の出ていないデンファレミニホワイトの苗を太陽光下、温室内にて、葉と葉の間から花軸が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。図6は、この試験用蘭を示す図である。図6に示す試験用蘭100は、1本の花軸1aと花軸1aの下部から生じている複数の葉2を有していた。そして、花軸1aは赤色を呈していた。
次に、試験用蘭100を遮光環境下に移し、赤色光のみを、PPFDが200μmol/m2sとなるように試験用蘭100全体に照射しながら温室内で栽培を行った。図7は、赤色光の照射開始から1週間経過後の試験用蘭を示す図である。試験用蘭100の花軸1aは伸長し、花軸1aの上部に花軸1bが形成された。花軸1aは赤色を呈したままであったが、花軸1bは緑色を呈していた。図8は、赤色光の照射開始から3週間経過後の試験用蘭を示す図である。試験用蘭100の花軸1bはさらに伸長を続け、花軸1bの上部に複数の蕾3を有する花軸1cを形成した。なお、花軸1b及び1cは緑色を呈していた。図9は、赤色光の照射開始から6週間経過後の試験用蘭を示す図である。試験用蘭100の花軸1cはさらに伸長し、花軸1cは複数の蕾3と複数の花4とを有していた。花軸1b及び1cは緑色を呈しており、花4の花弁はいずれも白色以外の色を含まない純白であった。
試験用蘭100の開花後、試験用蘭100への赤色光の照射を止め、太陽光下、温室内の栽培環境に移し栽培を続けた。図10は、太陽光下、温室内栽培環境に移して3週間経過後の試験用蘭を示す図である。また、図11は、図10のAの部分の組織を示す図である。図10及び11に示すように、試験用蘭100の花4の花弁5は純白のままであり、花軸1も花軸1aに相当する部分を除き緑色を維持したままであった。
(比較例4)
まず、花軸の出ていないデンファレミニホワイトの苗を太陽光下、温室内にて、葉と葉の間から花軸が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。図12は、この試験用蘭を示す図である。図12に示す試験用蘭200は、1本の花軸1pと花軸1pの下部から生じている複数の葉2を有していた。そして、花軸1pは赤色を呈していた。
そして、引き続き太陽光下、温室内にて試験用蘭200の栽培を続けた。図13は、花軸伸長期の試験用蘭を示す図である。試験用蘭200の花軸1pは伸長し、花軸1pの上部に花軸1qが形成された。花軸1p及び花軸1qはともに赤色を呈していた。さらに、太陽光下、温室内にて栽培を続けたところ試験用蘭200は開花した。図14は、花軸が出始めてから2ヶ月間、太陽光下、温室内で栽培を続けた試験用蘭を示す図である。また、図15は、図14のBの部分の組織を示す図である。図14及び図15に示すように、試験用蘭200の花4の花弁5はいずれも緑色の筋6を有しており、純白ではなかった。また、花軸は緑色以外の色素を有していた。
(実施例5)
まず、花軸の出ていないデンファレミニホワイトの苗を太陽光下、温室内にて、葉と葉の間から花軸が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。図16は、この試験用蘭を示す図である。図16に示す試験用蘭400は、1本の花軸1sと花軸1sの下部から生じている複数の葉2を有していた。そして、花軸1sは赤色を呈していた。
そして、この試験用蘭を遮光環境下に移し、赤色光および青色光をPPFDが200μmol/m2sでそのうちの25%(50μmol/m2s)が青色光によるように引き続き栽培を続けた。図17は、花軸伸長期の試験用蘭を示す図である。試験用蘭400の花軸1sは伸長し、花軸1sの上部に花軸1tが形成された。花軸1s及び花軸1tはともに赤色を呈していた。さらに、25%青色を含む区で栽培を続けたところ試験用蘭400は開花した。図18は、花軸が出始めてから2ヶ月間、PPFDが200μmol/m2sでそのうちの25%(50μmol/m2s)が青色光下で続けた試験用蘭を示す図である。また、図19は、図18のCの部分の組織を示す図であり、図20は図18の花4の組織を示す図である。図18〜図20に示すように、試験用蘭400の花4の花弁5はいずれも赤い色素を有しており、純白ではなかった。また、花軸は緑色以外の色素を有していた。
(実施例6)
まず、花軸の出ていないデンファレミニホワイトの苗を太陽光下、温室内にて、葉と葉の間から花軸が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。この試験用蘭の花軸は、全体が赤色を呈していた。
次に、この試験用蘭を遮光環境下に移し、赤色光及び青色光を、PPFDが200μmol/m2s、そのうちの98.5%が赤色光となるように試験用蘭全体に照射しながら温室内で栽培を行った。その結果、試験用蘭は開花し、実施例4と同様に花弁は純白となり、また、花軸は、赤色光及び青色光の照射後に伸長した部分は緑色を呈していた。
(実施例7)
まず、花軸の出ていないデンファレミニホワイトの苗を太陽光下、温室内にて、葉と葉の間から花軸が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。この試験用蘭の花軸は、全体が赤色を呈していた。
次に、500nm以下の波長を有する光をカットするフィルターを用いて試験用蘭を覆い、太陽光下、温室内にて栽培を行った。その結果、試験用蘭は開花し、実施例4と同様に試験用蘭の花弁は純白となり、また、花軸は、500nm以下の波長を有する光をカットするフィルターで覆った後に伸長した部分は緑色を呈していた。
(実施例8及び比較例5〜8)
まず、花軸の出ていないデンファレミニホワイトの苗を太陽光下、温室内にて、葉と葉の間から花軸が出始めるまで栽培し、これを試験用蘭とした。
次に、この試験用蘭を遮光環境下に移し、以下の照射光を照射しながら温室内で栽培を行った。実施例8及び比較例5、6では、赤色光のみを、PPFDが200μmol/m2s(実施例8)、400μmol/m2s(比較例5)又は700μmol/m2s(比較例6)となるように試験用蘭全体に照射した。また、比較例7、8では、赤色光及び青色光を、PPFDが200μmol/m2s、そのうちの10%(比較例7)又は25%(比較例8)が青色光となるように試験用蘭全体に照射した。
各実施例及び比較例とも、試験用蘭が開花したら、照射光の照射を止め、太陽光下、温室内の栽培環境に移して栽培を続けた。そして、開花した花の花弁の色を調べ、純白蘭の作出率(純白の花弁を有する蘭になった苗数÷試験した蘭の苗数×100(%))を求めた。図21は、実施例8及び比較例5〜8における純白蘭の作出率(%)を表わすグラフである。実施例8では試験した8苗中7苗が純白蘭となり、本発明により純白蘭を高い確率で作出することができることが確認された。一方、試験用蘭に照射する照射光のPPFDが400μmol/m2s以上である比較例5及び6では、純白蘭は得られないか、又は純白蘭が得られてもその作出率は低かった。図22は、比較例5で得られた蘭の花を示す図である。また、図23は、比較例6で得られた蘭の花を示す図である。図22及び図23に示すように、試験用蘭に照射する照射光のPPFDが400μmol/m2s以上の場合には、花弁がわずかに赤みを帯びたものや、花弁が完全に赤色を呈するものが見られた(図22及び図23に示すxが赤色部分である。)。さらに、光障害と思われる花弁の萎縮や丸まりのなどの異常も見られた(図23に示すyが花弁の萎縮や丸まりが生じている部分である。)。また、照射光のPPFDに占める青色光のPPFDの割合が1.5%よりも大きい比較例7及び8では、純白蘭は得られなかった。
(実施例9)
まず、花軸の出ていないデンファレミニホワイトの苗を太陽光下、温室内にて栽培し、試験用蘭とした。図24は、この試験用蘭を表わす図である。図24に示した試験用蘭300は複数のバルブ7a、7bを有しており、そのうちの1つのバルブ7aから花軸10及び花軸20が伸びていた。また、別のバルブ7bからは花軸30が伸びていた。なお、花軸10、20及び30はいずれも花軸全体が赤色を呈していた。花軸10は開花した花4を2つ(花弁に赤色が混じっている)と蕾3を4つ有しており、花軸20は長さが9cmで花及び蕾は有しておらず、花軸30は長さが7.5cmで花及び蕾は有していなかった。
次に、この試験用蘭300を遮光環境下に移し、赤色光のみを、PPFDが200μmol/m2sとなるように試験用蘭300全体に照射しながら40日間温室内で栽培した。図25は、赤色光を40日間照射した試験用蘭を示す図である。図25に示した試験用蘭300の花軸10は、赤色光の照射前には蕾3だったものが4つとも開花し、合計6つの花4をつけた。花軸10についた花は、いずれの花弁も赤色を呈していた。また、花軸10は全体が赤色を呈していた。
赤色光の40日間の照射により試験用蘭300の花軸20は伸長し、花軸21(長さ8.5cm)を形成した。この花軸21は4つの花4を有していた。花軸21についた花4は、いずれの花弁も純白であった。また、花軸20は薄い赤色を呈しており、花軸21は緑色を呈していた。
赤色光の40日間の照射により試験用蘭300の花軸30は伸長し、花軸31(長さ8cm)を形成した。この花軸31は、3つの花4を有していた。花軸31についた花4は、いずれの花弁も純白であった。また、花軸30は薄い赤色を呈しており、花軸31は緑色を呈していた。
図26は、図25の試験用蘭300のバルブ7aから出ている葉2、花軸10、20及び21並びに花4を示した図である。また、図27は、図26のDの部分の組織を示す図であり、図28は、図26のEの部分の組織を表わす図である。図26〜23に示すように、花軸10についた花4(赤色光照射開始時に開花していたもの又は蕾だったもの)は、花弁5に赤色の筋6を有していた。一方、赤色光照射開始後に伸長した花軸21についた花4の花弁5はいずれも純白であった。
実施例1及び比較例1、2の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの花弁のOD値(530nm)を表すグラフである。 実施例1の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの試験用蘭の組織を示す図である。 比較例1の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの試験用蘭の組織を示す図である。 比較例2の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの試験用蘭の組織を示す図である。 実施例2、3及び比較例3の試験用蘭に40日間照射光を照射しながら栽培したときの花弁のOD値(530nm)を表すグラフである。 試験用蘭を示す図である。 赤色光の照射開始から1週間経過後の試験用蘭を示す図である。 赤色光の照射開始から3週間経過後の試験用蘭を示す図である。 赤色光の照射開始から6週間経過後の試験用蘭を示す図である。 太陽光下、温室内栽培環境に移して3週間経過後の試験用蘭を示す図である。 図10のAの部分の組織を示す図である。 試験用蘭を示す図である。 花軸伸長期の試験用蘭を示す図である。 花軸が出始めてから2ヶ月間、太陽光下、温室内で栽培を続けた試験用蘭を示す図である。 図14のBの部分の組織を示す図である。 試験用蘭を示す図である。 花軸伸長期の試験用蘭を示す図である。 花軸が出始めてから2ヶ月間、青色光下で栽培を続けた試験用蘭を示す図である。 図18のCの部分の組織を示す図である。 図18の花4の組織を示す図である。 実施例8及び比較例5〜8における純白蘭の作出率(%)を表わすグラフである。 比較例5で得られた蘭の花を示す図である。 比較例6で得られた蘭の花を示す図である。 試験用蘭を表わす図である。 赤色光を40日間照射した試験用蘭を示す図である。 図25の試験用蘭300のバルブ7aから出ている葉2、花軸10、20及び21並びに花4を示した図である。 図26のDの部分の組織を示す図である。 図26のEの部分の組織を表わす図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c,1p,1q,1s,1t…花軸、2…葉、3…蕾、4…花、5…花弁、6…筋、7a,7b…バルブ、10,20,21,30,31…花軸、100,200,300,400…試験用蘭。


Claims (14)

  1. 蘭の花軸伸長期又は花茎伸長期に光源から発された照射光を前記蘭に照射するステップを備える、蘭の栽培方法であって、
    前記光源が発する照射光は、その光合成有効光量子束密度に占める波長450nm〜470nmの青色光の光合成有効光量子束密度の割合が、15%〜90%であり、
    前記蘭は赤色色素を花弁に生じる蘭であることを特徴とする蘭の栽培方法。
  2. 前記光源は、半導体光源であることを特徴とする請求項1記載の蘭の栽培方法。
  3. 前記光源は、前記波長の青色光の光合成有効光量子束密度の割合を偏倚させるフィルタを備えた光源であることを特徴とする請求項1記載の蘭の栽培方法。
  4. 前記照射光が、波長650nm〜700nmの赤色光を補助光として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蘭の栽培方法。
  5. 前記照射光の光合成有効光量子束密度に占める前記波長を有する赤色光の光合成有効光量子束密度の割合が、10%〜85%であることを特徴とする請求項記載の蘭の栽培方法。
  6. 前記照射光の光合成有効光量子束密度が、400μmol/ms未満であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の蘭の栽培方法。
  7. 蘭の花軸伸長期又は花茎伸長期に光源から発された照射光を前記蘭に照射するステップを備える、蘭の栽培方法であって、
    前記光源が発する照射光は、その光合成有効光量子束密度に占める波長450nm〜470nmの青色光の光合成有効光量子束密度の割合が、5%以下であり、
    前記蘭は白色の花弁を生じる蘭であることを特徴とする蘭の栽培方法。
  8. 前記光源は、半導体光源であることを特徴とする請求項7記載の蘭の栽培方法。
  9. 前記光源は、前記波長の青色光の光合成有効光量子束密度の割合を偏倚させるフィルタを備えた光源であることを特徴とする請求項7記載の蘭の栽培方法。
  10. 前記照射光は波長650nm〜700nmの赤色光を含んでおり、前記照射光の光合成有効光量子束密度に占める当該赤色光の光合成光量子束密度の割合が、95%〜100%であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の蘭の栽培方法。
  11. 前記照射光の光合成有効光量子束密度に占める前記波長を有する青色光の光合成光量子束密度の割合が0%であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の蘭の栽培方法。
  12. 前記照射光の光合成有効光量子束密度に占める前記波長を有する青色光の光合成光量子束密度の割合が0%を超え5%以下であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の蘭の栽培方法。
  13. 前記照射光の光合成有効光量子束密度が、400μmol/m s未満であることを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の蘭の栽培方法。
  14. 白色の花弁を生じる蘭の栽培方法であって、
    前記蘭の花軸伸長期又は花茎伸長期に、500nm以下の波長の光をその光合成有効光量子束密度の割合が5%以下となるように遮断した太陽光を前記蘭に照射するステップを備えることを特徴とする蘭の栽培方法。
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