JP4383748B2 - 耐熱性を有する生分解性樹脂容器 - Google Patents

耐熱性を有する生分解性樹脂容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生分解性樹脂からなり、特に耐熱性に優れ、寸法安定性を併せ持った容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリスチレン系、ポリプロピレン系及びポリエチレン系樹脂からなるプラスチック製容器は、取り扱い易く安価であるため、食品、農業・園芸及び包装等の様々な分野で多用されてきた。そして、その利便性の良さゆえ、主に使い捨てにされることが多かった。これらの容器は焼却すると紙ゴミ等よりも燃焼熱量が高く、焼却炉を傷めてしまう恐れがあり、また、埋め立て処理すると、自然環境下での分解速度がきわめて遅いため半永久的に地中に残存し、地球環境を破壊するという問題がある。さらに、投棄すると景観が損なわれたりする問題を有している。
【0003】
そこで、近年、生分解性樹脂を利用した容器が注目されている。生分解性樹脂は、焼却しても通常のプラスチックより燃焼熱量が低く、埋め立て処理しても、自然環境下において炭酸ガスと水とに分解されるため、環境に無害な樹脂である。
【0004】
生分解性樹脂を用いた容器としては、ポリ乳酸または乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物からなる容器がある(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ポリ乳酸または乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物は、他の生分解性樹脂に比較すると融点(Tm)は比較的高いものの、結晶化度が劣り、十分な耐熱性を有するものではないという問題があった。
また、一般的に、生分解性樹脂を用いた容器は、融点が低く、製品の保存時の耐熱性が劣り、経時的変化が進んで実用に適さない問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−139435号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、生分解性樹脂からなり、特に耐熱性に優れ、寸法安定性を併せ持った容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、生分解性樹脂からなり、気泡を含有した容器において、容器を構成する樹脂の結晶化度を18%以上にすることにより、電子レンジ等でも使用可能な耐熱性を有する容器を実現できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明の要旨は,次のとおりである。
(1) 生分解性樹脂を成形してなる気泡を含有した樹脂容器であって、前記容器を構成する樹脂の結晶化度が18%以上であり、生分解性樹脂が、ポリ乳酸系樹脂に(メタ)アクリル酸エステル化合物及び有機過酸化物を配合して溶融混練された樹脂であることを特徴とする生分解性樹脂容器。
) 容器の外面及び/又は内面に樹脂層が積層され、前記樹脂層が、結晶化度が18%以上である生分解性樹脂からなり気泡を含有しない層であることを特徴とする(1)記載の生分解性樹脂容器。
) 容器がツバ部を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の生分解性樹脂容器。
) 容器のツバ部に蓋部が一体成形され、前記ツバ部と蓋部には、蓋を閉めた状態で組み合わさるように少なくとも一対の凹凸部が形成されていることを特徴とする(3)記載の生分解性樹脂容器。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において生分解性樹脂容器を構成する生分解性樹脂は、脂肪族ポリエステル樹脂成分を主成分とすることが好ましく、具体的にはこの成分を70質量%以上含有することが好ましく、85質量%以上含有することがさらに好ましい。他の成分としては、脂肪族ポリエステルのブロック及び/またはランダム共重合体、及び脂肪族ポリエステルに他の成分、例えば芳香族ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオルガノシロキサン等を30質量%以下(ブロックまたはランダム)共重合したもの及び/またはそれらの混合したものが含まれていてもよい。
【0010】
脂肪族ポリエステルとしては、(1)グリコール酸、乳酸、ヒドロキシブチルカルボン酸などのヒドロキシアルキルカルボン酸、(2)グリコリド、ラクチド、ブチロラクトン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン、(3)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどの脂肪族ジオール、(4)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレン/プロピレングリコール、ジヒドロキシエチルブタンなどのようなポリアルキレンエーテルのオリゴマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレンエーテルなどのポリアルキレングリコール、(5)ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリヘキサンカーボネート、ポリオクタンカーボネート、ポリデカンカーボネート等のポリアルキレンカーボネートグリコール及びそれらのオリゴマー、(6)コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0011】
これらの脂肪族ポリエステルの中でも、前記(1)に示したヒドロキシアルキルカルボン酸由来の脂肪族ポリエステルは、融点が高く、耐熱性の観点から好適であり、さらにこの中でもポリ乳酸系樹脂は、融点が高く、本発明に用いる樹脂としては好適である。ポリ乳酸系樹脂としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、ポリD、L−乳酸またはこれらの混合物を用いることができる。これらのポリ乳酸系樹脂の中で、光学活性のあるL−乳酸、D−乳酸の単位が90モル%以上であると融点がより高く、耐熱性の観点からより好適に用いることができる。また、このポリ乳酸系樹脂の性能を損なわない程度に、ヒドロキシカルボン酸類、ラクトン類等のコモノマーとの共重合体を用いてもよい。共重合可能なヒドロキシカルボン酸類、ラクトン類としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ絡酸、4−ヒドロキシ絡酸、4−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、グリコリド、β―プロピオラクトン、β―ブチロラクトン、ε―カプロラクトン等が挙げられる。また、前記(3)、(4)、(6)に示した中からジオールとジカルボン酸の組み合わせから得られる脂肪族ポリエステルや(5)のカーボネートを共重合してもよい。
【0012】
本発明における生分解性樹脂には、架橋剤及び/又はラジカル重合開始剤が配合されていることが好ましい。これらを配合することにより、生分解性樹脂の架橋度を高め、分岐度合いを調整することができ、発泡成形等の成形性に優れたものとなる。
【0013】
架橋剤としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、3価メタクリレート化合物、多価(メタ)アクリレート、ジイソシアネート、多価イソシアネート、プロピオン酸カルシウム、多価カルボン酸、多価無水カルボン酸、多価アルコール、多価エポキシ化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤等が挙げられる。反応の安定性、生産性、操業時の安全性等を考慮すると、(メタ)アクリル酸エステル化合物が最も好ましい。
架橋剤の配合量は、生分解性樹脂100質量部に対して0.005〜5質量部、さらに0.01〜3質量部がより好ましい。0.005質量部未満では架橋度が不十分であり、5質量部を超える場合には架橋の度合いが強すぎて、操業性に支障が出るため好ましくない。
【0014】
ラジカル重合開始剤としては、分散性が良好な有機過酸化物が好ましく、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の配合量は生分解性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部、さらに0.1〜5質量部がより好ましい。0.01質量部未満では架橋度が不十分であり、10質量部を超える場合には反応性が飽和するため、コスト面で好ましくない。
【0015】
生分解性樹脂にはその特性を大きく損なわない限りにおいて、さらに顔料、香料、染料、艶消し剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、難燃剤、抗菌剤、界面活性剤、表面改質剤、帯電防止剤、充填材等を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。有機充填材としては、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。
【0016】
なお、生分解性樹脂に架橋剤、ラジカル重合開始剤、添加剤や他の熱可塑性樹脂を混合する方法は特に限定されるものではなく、通常の加熱溶融後、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダー等を用いる混練法によって混練するとよい。また、スタティックミキサーやダイナミックミキサーを併用することも効果的である。また、生分解性樹脂の重合時に加えてもよい。
【0017】
本発明の容器を構成する樹脂の結晶化度は18%以上であることが必要であり、19%以上が好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。結晶化度を規定する理由としては、結晶化を促進させることで、容器構造の安定性を促すことができるからである。結晶化度が18%に満たない場合、耐熱性や寸法安定性が不十分となり、電子レンジ等の加熱により容器が変形してしまう。また、結晶化度の上限は、適用する生分解性樹脂の状態あるいは形態により異なるが、せいぜい40%程度である。
【0018】
なお、本発明における結晶化度とは、WAXD反射粉末法(X線:Cu−Kα線/50kV/200mA、スキャンスピード:4°/min)により測定される値である。具体的には、密度法測定により結晶化度が明確な試料(結晶化度:0.1〜1%)のX線強度を測定し、その値を用いて補正した結晶化度0%完全非晶試料のX線強度をブランク(基準値)とする。また、結晶化度が明確な試料と同重量の容器試料を採取し、そのX線強度も測定する。この時、ブランクX線強度と容器試料のX線強度との比較をルーランド法により算出して、容器の結晶化度を求める。
【0019】
容器を構成する樹脂の結晶化度を18%以上にするためには、容器製造時の温度条件、例えば絞り成形温度、金型温度、ブロー成形温度等を前記生分解性樹脂のガラス転移温度(Tg)+20℃以上、融点(Tm)−20℃以下で所定時間保った後で、Tg以下に冷却することにより実現できる。樹脂の結晶化をより促進させるためには、結晶化温度(Tc)−20℃以上、(Tc+20℃)以下の温度範囲を適用することがより好ましい。また、成形前の生分解性樹脂のシートを(Tg+20℃)〜(Tm−20℃)、より好ましくは(Tc−20℃)〜(Tc+20℃)で予め所定時間熱処理する、あるいは成形後の容器を(Tg+20℃)〜(Tm−20℃)、より好ましくは(Tc−20℃)〜(Tc+20℃)で所定時間熱セットすることでも実現できる。
容器製造時の温度が(Tg+20℃)未満では、得られる容器の結晶化度を十分に高めることができず、耐熱性が不十分となり、成形も困難になる場合がある。一方、(Tm−20℃)を超えると、偏肉が生じたり、配向がくずれたりして、耐衝撃性が低下する場合がある。また、粘度低下によりブローダウンしたりする等の問題も発生する。
(Tg+20℃)〜(Tm−20℃)の温度で保持する時間は、使用する生分解性樹脂の結晶化速度指数に依存するため、一概に規定できないが、使用する生分解性樹脂の結晶化速度指数よりも長くすることが好ましい。結晶化速度指数よりも短い場合、結晶化度を十分に高めることができない。
【0020】
本発明において生分解性樹脂は、通常の分析で用いられるDSC装置を用い、いったん200℃で溶融した後、130℃にて等温結晶化させた時の結晶化速度指数が50(分)以下であることが好ましい。結晶化速度指数は、樹脂を200℃の溶融状態から130℃にて結晶化させたときに最終的に到達する結晶化度の2分の1に到達するまでの時間(分)(図1参照)で示され、指数が小さいほど結晶化速度が速いことを意味する。結晶化速度指数が50(分)よりも高いと、結晶化するのに時間がかかりすぎ、希望する結晶化度の容器が得られなかったり、真空圧空成形や射出成形などでのサイクルタイムが長くなったりして、生産性が悪くなることがある。結晶化速度指数は0.1(分)程度までが好ましい。結晶化速度が速すぎると成形性が悪くなり、所定の形状の容器を得ることができないことがある。
【0021】
本発明の容器を構成する樹脂は、軽量性、保温性の観点から、気泡を含有していることが必要であり、より詳しくは樹脂の発泡倍率は1.1倍〜100倍であることが好ましい。樹脂の発泡倍率が1.1倍未満であると、特に、厚めの容器を成形する場合には、樹脂の成形加工性が悪くなり、所定の形状の容器を得ることができないことがある。一方、100倍を超える場合は、機械強度が不足し、容器としての性能を満足できないことがある。
【0022】
気泡の形態は、特に限定されるものではないが、容器から内容物が染み出したり、もれたりするのを防ぐために、独立気泡であることが好ましい。また、気泡径としては、0.001〜5mm、さらに0.01〜5mmであることがより好ましい。0.001mm未満では、容器の軽量性が劣ることになり、5mmを超えると容器強度が不足したり、容器の品位が損なわれたりする場合がある。
【0023】
生分解性樹脂に気泡を含有させるために、一般的な発泡剤を使用することができる。発泡剤の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガス、窒素、空気等の無機不活性ガス系発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド等の化学熱分解型発泡剤や、プロパン、ブタン、ヘキサン、代替フロン等の蒸発型発泡剤等が挙げられる。安全でかつ環境負荷の少ない無機不活性ガス系発泡剤が好ましく、特に炭酸ガスがより好ましい。
【0024】
また、発泡剤とともに、発泡核剤や発泡助剤を添加するのが好ましい。発泡核剤は発泡核を形成し、その核から発泡を成長させるために有効であり、また発泡助剤は発泡を均一に分散するために有効である。
【0025】
発泡核剤としては、通常、タルク、シリカ微粉末、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、発泡助剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等が挙げられる。
【0026】
本発明の樹脂容器に気泡を含有させる方法としては、予め発泡剤を用いて所望の発泡倍率に樹脂を発泡させてシート等を作成後、これを容器に加工する方法や、生分解性樹脂を容器形状に加工する際に、樹脂に発泡剤を混入させたりする方法がある。
【0027】
本発明の容器のさらに別の形態として、生分解性樹脂容器の外面及び/又は内面に、生分解性樹脂からなり、気泡を含有しない層が積層された形態も適用することができる。
気泡を含有しない層を構成する生分解性樹脂の結晶化度も、18%以上であることが必要であり、19%以上が好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。気泡を含有しない層においても、結晶化度が18%に満たない場合、耐熱性や寸法安定性が不十分となる。
気泡を含有しない層としては、気泡を含まない一般的な形態のフィルム、スパンボンド、シート等が挙げられる。また、多孔フィルム、多孔シート等も適用できる。これらの層の厚みとしては5μm以上、さらに150〜500μmがより好ましい。また、気泡を含有しない層に、着色したり、文字や模様を印刷したりしてもよい。
【0028】
本発明の容器の形状は特に限定されないが、食品、物品、及び薬品等を収容するためには深さ2mm以上に絞られていることが好ましく、容器の絞り比が0.1〜5、さらに0.5〜3であることがより好ましい。容器の絞り比とは、容器断面積の概算直径(D)と容器深さ(L)との比(L/D)をいう(図2参照)。
また、必要強力から考えて容器の厚さは0.5mm以上、さらに1.0〜5.0mmがより好ましい。厚さが5.0mmを超えると容器がかさばったり、重くなったりするだけでなく、成形性も悪くなる。
【0029】
図3に本発明における容器の好ましい形態の一例を示す。本発明の容器は、容器の形態安定性を高めるために、ツバ部1を有することが好ましい。これにより、例えば持ち運びの際に容器の形態変化が少なくなる。また、容器内容物がこぼれるのを防ぐために、蓋2が容器部4に一体成形されていることが好ましく、さらに、ツバ部1と蓋2とに少なくとも一対の凹凸部3−a、3−bを有することがより好ましい。凹部3−aと凸部3−bは蓋2を閉めた状態でお互いに重なる位置に形成されており、これによりゴムバンドや紐等を用いることなく、容器に蓋をしておくことができる。
【0030】
上記容器の製造方法としては、特に限定されるものではなく、真空成形、圧空成形、および真空・圧空成形等の絞り成形や、ダイレクトブロー法、射出ブロー成形法、さらには延伸ブロー成形法等に代表されるブロー成形、及び一般的な射出成形法、ガス射出成形、射出プレス成形等を採用できる。射出成形時のシリンダ温度は生分解性樹脂のTmまたは流動開始温度以上であることが必要であり、好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは190〜220℃の範囲である。成形温度が低すぎると成形時にショートが発生したりして成形が不安定になったり、過負荷に陥りやすく、逆に成形温度が高すぎると生分解性ポリエステル樹脂が分解し、得られる成形体の強度が低下したり、着色する等の問題が発生するため、好ましくない。
【0031】
本発明の容器の用途としては、食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、およびプレススルーパック容器等が挙げられる。食品用容器の具体的例としては、生鮮食品のトレー、インスタント食品容器、ファーストフード容器、弁当箱等が挙げられる。農業・園芸用容器の具体例としては、育苗ポット等が挙げられる。また、ブリスターパック容器の具体的例としては、食品以外にも事務用品、玩具、乾電池等の多様な商品群の包装容器が挙げられる。また、本発明における容器として、流動体用容器が挙げられる。流動体用容器の具体的例としては、乳製品や清涼飲料水および酒類等の飲料用コップおよび飲料用ボトル、醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、食用油等の調味料の一時保存容器、シャンプー・リンス等の容器、化粧品用容器、農薬用容器等が挙げられる。
【0032】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
実施例及び比較例の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)ガラス転移温度、融点(℃):
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、生分解性樹脂を昇温速度20℃/分で測定した融解吸収曲線の初期極値と最大値を与える温度をガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)とした。
(2)結晶化温度(℃):
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、生分解性樹脂を昇温速度20℃/分で200℃まで昇温した後、降温速度20℃/分で−50℃まで降温した際の融解吸収曲線の初期極値を与える温度を結晶化温度(Tc)とした。
(3)分子量測定:
示差屈折率検知器を備えたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(島津製作所製)を用い、テトラヒドロフランを溶出液として40℃で分析を行い、標準ポリスチレン換算で分子量を求めた。
(4)MFI:
JIS K7210のD法に基づき測定した。但し、荷重が2.16kg(標準条件)のときをMFI−1とし、荷重が13.225kgのときをMFI−2とした。
(5)見掛け密度(g/cm3):
得られた発泡体を水中に浸漬した際に増加する体積で、発泡体の質量を割って見掛け密度を算出した。
(6)発泡倍率(倍):
発泡体を構成する樹脂の真密度を前記発泡体の見掛け密度で割って算出した。
(7)成形性:
真空・圧空成形機(浅野研究所製)を用い、容器を成形した時の成形性をみた。
◎:問題なく良好に成形できる。
○:若干の問題があるものの、容器の特性に問題はなく、良好に成形できる。
×:薄肉、偏肉、破れ、ブローダウン等の問題により容器が成形できない。
(8)結晶化度(%):
容器から試料片を採取し、RAD−rBX線回折装置(理学電機工業社製)を用い、WAXD反射粉末法(X線:Cu−Kα線/50kV/200mA、スキャンスピード:4°/min)により測定した。具体的には、密度法測定により結晶化度が明確な試料(結晶化度:0.1〜1%)のX線強度を測定し、その値を用いて補正した結晶化度0%完全非晶試料のX線強度をブランク(基準値)とする。また、結晶化度が明確な試料と同重量の容器試料を採取し、そのX線強度も測定する。この時、ブランクX線強度と容器試料のX線強度との比較をルーランド法により算出して、容器を構成する樹脂の結晶化度を求めた。
(9)寸法安定性(%):
容器を70℃の熱風乾燥機(タバイエスペック社製)に1時間投入した後の容器容積V1と、投入前の容器容積V0から、次式に基づいて算出した。
寸法安定性(%)=V1/V0×100
(10)耐熱性:
容器に水10mlを入れ、500Wの電子レンジで2分間温め、温めた後の容器の状態を目視観察した。
◎:全く変化なし
○:表面が若干肌荒れしているものの、変形していない。
△:表面が肌荒れしており、変形している。
×:ほとんどもとの形状を維持していない。
(11)生分解性:
試料片(縦10cm×横5cm×厚み2cm)を採取し、家庭用生ゴミよりなる発酵コンポストにて、ISO14855に準じてコンポスト処理を行った。試料片を、温度58℃で45日処理したのち、コンポスト中より掘り出して、目視観察および分子量測定を行って、生分解性を判定した。
×:全く変化なし。
△:形態を保持しているが、分子量低下が見られる。
○:部分的又は半分程度崩壊し、分子量低下が著しい。
◎:殆ど崩壊した。
【0034】
実施例1〜2、比較例1〜2
ガラス転移温度60℃、融点168℃、重量平均分子量15万であるポリL−乳酸樹脂(カーギル・ダウ社製)を用い、これに平均粒径2.5μmのタルクを0.5質量%ドライブレンドしたのち、温度200℃の二軸混練機(池貝製PCM−45)に供給した。一方、エチレングリコールジメタクリレート(以下EGDMと記す)とジブチルパーオキサイド(混合溶液質量比率1:2)を用い、樹脂成分100質量部に対し、それぞれ0.18質量部、0.36質量部になるよう二軸混練機の途中より注入混練して、生分解性樹脂のペレットを採取した。
このペレットを乾燥した後の、MFI−1は0.7g/10分、MFI−2/MFI−1比は26であり、ガラス転移温度(Tg)は58℃、融点(Tm)は167℃、結晶化温度(Tc)は110℃であり、結晶化速度指数は1(分)であった。
得られた生分解性樹脂のペレットを、二軸混練押出発泡体製造装置(東芝機械製TEM−48BS)に供給した。温度200℃で溶融し、吐出量100kg/h下で炭酸ガス2質量%添加して発泡体シートを作製した。得られた発泡体シートは、独立気泡からなる見掛け密度0.13g/cm3、発泡倍率9倍で厚みが1.5mmの均一なシートであった。
このシートを用いて、真空・圧空成形機(浅野研究所製)を用いて、蓋と容器部を一体成形する金型による食品用トレー(容器の絞り比(L/D)=0.5)を表1に示す条件で作製した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004383748
【0036】
表1から明らかなように実施例で得られた容器は、成形性も良好で、結晶化度が高いため、寸法安定性と耐熱性があり、生分解性についても極めて良好なものであった。比較例においては、容器の結晶化度が低いため、寸法安定性が劣り、耐熱性も著しく劣るものであった。
【0037】
実施例3、4
ガラス転移温度60℃、融点168℃、重量平均分子量18万であるポリL−乳酸樹脂(カーギル・ダウ社製)に平均粒径1.0μmのタルクを1.0質量%ドライブレンドしたものを、90mmφの単軸押出しTダイフィルム化装置に供給し、温度210℃で幅900mm、厚み0.1mmのフィルムAを得た。また同様の方法により、実施例1で作製した生分解性樹脂チップを用いて幅900mm、厚み0.1mmのフィルムBを得た。
次に、これらのフィルムと実施例1で得られた発泡シートとを積層形態として供給し、真空・圧空成形機(浅野研究所製)を用いて、蓋と容器部を一体成形する金型による食品用トレー(容器部の絞り比(L/D)=1.0)を表2に示す条件で積層成形を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0004383748
【0039】
表2から明らかなように実施例で得られた容器は、フィルムからなる樹脂層が内部に形成されることで表面の平滑性がより向上し、結晶化度が高いため、寸法安定性と耐熱性があり、生分解性についても良好なものであった。また、成形性も良好であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、自然環境下で炭酸ガスと水とに分解することが可能であり、さらに、電子レンジ等の使用に耐えうる耐熱性を有し、寸法安定性にも優れた容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終的に到達する結晶化度(θ)の2分の1に到達するまでの時間(分)で示される結晶化速度指数を求める際の結晶化度(θ)と時間の模式図を示す。
【図2】容器の絞り比(L/D)を示す斜視図である。
【図3】本発明の容器の一実施形態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 ツバ部
2 蓋
3−a 凹部
3−b 凸部
4 容器部

Claims (4)

  1. 生分解性樹脂を成形してなる気泡を含有した樹脂容器であって、前記容器を構成する樹脂の結晶化度が18%以上であり、生分解性樹脂が、ポリ乳酸系樹脂に(メタ)アクリル酸エステル化合物及び有機過酸化物を配合して溶融混練された樹脂であることを特徴とする生分解性樹脂容器。
  2. 容器の外面及び/又は内面に樹脂層が積層され、前記樹脂層が、結晶化度が18%以上である生分解性樹脂からなり気泡を含有しない層であることを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂容器。
  3. 容器がツバ部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の生分解性樹脂容器。
  4. 容器のツバ部に蓋部が一体成形され、前記ツバ部と蓋部には、蓋を閉めた状態で組み合わさるように少なくとも一対の凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の生分解性樹脂容器。
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