JP4383663B2 - スプリングブレーキ作動器のための組み合わせ弁システム - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の背景)
本発明は、複合防止弁(anti-compounding valve)を組み込むと共にスプリングブレーキチャンバに連通してこれに加圧空気を排気するための弁アセンブリに圧力試験ポイントを組み込んだスプリングブレーキ作動器のための弁システムに関するものである。
【0002】
スプリングブレーキ作動器は、ブレーキの使用を制御すべく大型自動車により用いられる。一般に、2個のブレーキチャンバが一緒に収容されて自動車ブレーキに接続される。一方のブレーキチャンバには空気を供給して、トラック運転手がブレーキペダルを踏んだ際にブレーキを作動させる。「サービスブレーキ」として知られるこの側には空気が供給されて、プッシュロッドをブレーキチャンバの外方に押圧すると共に自動車ブレーキをセットする。
【0003】
第2ブレーキチャンバはサービスブレーキチャンバの頂部に位置して、それ自身のプッシュロッドおよび大型パワースプリングで供給される。駐車もしくは緊急ブレーキチャンバとして知られるこのブレーキチャンバはそのプッシュロッドをサービスプッシュロッドに対し選択的に押圧して、駐車用ブレーキチャンバへの加圧空気の供給が排気されたら何時でもブレーキをセットする。従って、空気ブレーキシステムの空気供給が故障すれば、パワースプリングがスプリングブレーキ作動器のプッシュロッドを外方向に移動させてブレーキをセットする。さらに自動車を駐車する場合、駐車用ブレーキ弁を作動させて空気を駐車用ブレーキチャンバから排気することにより、パワースプリングがそのプッシュロッドを外方行に移動させてブレーキをセットしうるようにする。
【0004】
駐車用ブレーキをセットする或る種の場合、運転者はブレーキペダルを踏むことができる。これはブレーキの両チャンバを作動させる。ブレーキに及ぼす力は望ましくなく高くなる。これは「複合(compounding)」として知られ、望ましくない。複合ブレーキ力の問題に対処するために、多くの空気ブレーキシステムは空気供給ラインに弁を設け、サービスブレーキおよび緊急ブレーキの両者の二重使用を防止する。
【0005】
スプリングブレーキの他の特徴は「試験ポイント」を設ける点である。これらは、空気供給の圧力を試験しうる加圧空気用の供給ラインにおける接続部である。
【0006】
本発明より前には、複合防止弁および試験ポイントの両者は、スプリングブレーキ作動器の本体に組み込まれない別途の部品として供給されていた。
【0007】
(発明の概要)
開示する本発明の実施態様において、弁システムは加圧空気をサービスブレーキチャンバとスプリングブレーキチャンバとの両者に供給しかつ空気を排気すべく設けられる。弁システムには好ましくは簡単な複合防止弁を設けて供給および排気ラインに一体化させる。
【0008】
複合防止弁は、加圧流体をサービスチャンバおよび駐車用チャンバの両者に各加圧空気供給源から供給する弁マニホールドの上方に位置せしめる。サービスブレーキチャンバと選択的に連通する駐車用ブレーキチャンバへの供給部に隣接して第1タップが存在する。第2タップは、排気するためのサービスブレーキチャンバに連通する。
【0009】
加圧流体を駐車用ブレーキに供給する場合、弁は下方向に押圧されると共に第1タップを駐車用ブレーキチャンバからサービスブレーキチャンバまで閉鎖する。空気は駐車用ブレーキチャンバ中へフラップ弁の周囲で通過して、駐車用ブレーキをその解除位置に保持することができる。
【0010】
空気をサービスブレーキチャンバに供給して自動車ブレーキをセットする場合は、弁を押圧して第2タップをサービスブレーキチャンバと排気との間で閉鎖すると共に、加圧空気をフラップ弁の周囲でサービスチャンバ中へ移動させる。しかしながら、サービスブレーキチャンバと駐車用ブレーキチャンバとの間の第1タップは開口させることができる。駐車用ブレーキチャンバに加圧空気を供給する場合、サービスブレーキチャンバからのガスは駐車用ブレーキチャンバ中へ移動しない。他方、駐車用ブレーキチャンバから加圧空気を排気する場合(さもないと複合が生ずる場合)、加圧ガスはサービスブレーキチャンバから駐車用ブレーキチャンバ中へ移動して、駐車用ブレーキをその解除位置に保持する。この簡単な弁はブレーキ作動器の供給ラインに直接組み込まれ、従って複合防止作用を供給する部品の個数を減少させる。
【0011】
さらに、弁ハウジングには試験ポイント構造体も供給される。すなわち、試験ポイントは別途の流体部品の必要性なしに設けられる。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の説明および添付図面から最も良く理解しうるであろう。
【0013】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図1は、中央ハウジング24のサービスブレーキ側に接続されたサービスブレーキ非加圧チャンバ22と、中央ハウジングの駐車用ブレーキ側28に接続された駐車用ブレーキチャンバ26とを組み込んだスプリングブレーキ作動器20を示す。ブリーザーチューブ30はサービスブレーキチャンバの非加圧側を排気弁32に接続し、この排気弁は駐車用ブレーキチャンバの非加圧側に通ずるブリーザーチューブ34に連通する。空気供給ライン36および38は加圧空気をサービスブレーキチャンバおよびスプリングブレーキチャンバに供給する。試験ポイント40は弁チャンバ42の上側マニホールド部41に組み込まれ、ブレーキチャンバのハウジングの側部に固定される。弁チャンバ42は、たとえば米国特許第5,671,654号に示されたような角度付き上側および下側マニホールドを備える。本発明をピストンブレーキとして示すが本発明はダイヤフラムブレーキにも同等な用途を有する。
【0014】
図2はさらに試験ポイント40の詳細を示す。スプリング43がマニホールド41内の座部44に位置すると共に、ライン36および38に連通する。プラスチック弁46は、スプリング43を受け入れる前側端部48を有する。スプリング43は弁46を、O−リング50がブッシュ52における弁座51に対し弁46を封止する位置まで偏倚させる。流体開口部54が弁46の中心の部分を貫通する。
【0015】
試験取付部55を弁46上に装着してライン36内の圧力を試験する場合は、弁46をスプリングの力に抗して開口部54がライン36もしくは38の内部通路に連通するまで移動させる。このようにして、供給ライン内の圧力を容易に試験することができる。本発明は、試験ポイントを弁ハウジング中に直接組み込むことにより、或る種の他の位置に装着される別途の試験ポイントの必要性を排除する。
【0016】
弁ハウジング42は、一体的な複合防止弁を内蔵する点でさらに独特である。スプリングブレーキ作動器の操作の基本的説明を、複合防止弁の操作を理解すべく図3を参照して示す。プッシュロッド60は駐車用ブレーキチャンバ61内にて移動自在である。加圧空気をチャンバ61中へ供給して、たとえばピストン62のような作動器を上方向に保持する。空気をチャンバ61から排気させる場合、ピストン62は図3に示したような位置まで下方向に移動することができる。図示した強力スプリング63はピストン62およびプッシュロッド60を、空気がチャンバ61から排気される際に下方向へ押圧する。ピストンを図示するが、ピストン62は公知のようにダイヤフラムにより置換することもできる。
【0017】
第2プッシュロッド64は、サービスチャンバ66にてダイヤフラム65と一緒に移動することができる。空気をチャンバ66に供給する場合、ダイヤフラム65およびプッシュロッド64は外方向に移動してブレーキ(図示せず)をセットすることができる。代案として、プッシュロッド60を下方向に移動させると、これはダイヤフラム55およびプッシュロッド54を下方向に押圧してブレーキをセットする。
【0018】
図示したように、排気弁32は弁ハウジングに符号69の箇所でピン付けされたフラップ弁67を組み込む。ブリーザーチューブ30もしくは34内に大気圧を越える圧力が存在すれば、フラップ弁67が開口して空気を排気させる。或いは、空気はサービスブレーキとスプリングブレーキとの非加圧チャンバの間にブリーザーチューブ30および34を介し移動する。
【0019】
図示したように、供給開口部68はチャンバ61に通じて、加圧ガスを駐車用ブレーキチャンバに供給する。同様な開口部74がサービスブレーキチャンバ66にも通ずる。
【0020】
図3は、複合防止弁を備える弁42の一部を示す。弁42は上側マニホールド41および下側マニホールド75を備え、これらマニホールド間に複合防止構造体を備える。マニホールド41および75の接続および形状は基本的に米国特許第5,671,654号に示された通りである。複合防止弁は、開口部68に連通するチャンバ70を備えると共に第1タップ72に選択的に連通して開口部74に連通する。フラップ弁80を第1タップ72と選択的に閉鎖するよう示し、これについては以下説明する。チャンバ70が供給ポート36に連通して、空気をスプリングブレーキ駐車用チャンバ61に供給する。
【0021】
図4Aに示したように、開口部68はチャンバ70に連通し、このチャンバは次いでポート74に連通する第1タップ72と選択的に連通する。排気ポート84は、フラップ弁67に通ずる開口部と選択的に連通する。タップ87は、排気部84へのポート74に連通するチャンバ89と選択的に連通する。
【0022】
図4Bに示したように、壁部91はチャンバ70および89を分離する。チャンバ70中へ移動するガスは弁80を上方向に曲げて、空気がポート68と第1タップ72との間で通過しうるようにする。同様に、空気はポート74と排気部84との間を通過することができる。
【0023】
図5Aは、駐車用ブレーキチャンバを排気する際の弁の操作を示す。図5Aに示したように、空気はポート68を外方向に通過すると共にチャンバ70中へ流入する。符号95にて示したように、この空気は弁80を上方向に曲げて供給ポート36を封止する。かくして、ポート68を排気する空気は第1タップ72中へ移動し、次いでサービスブレーキチャンバ中へ流入する。図5Bに示したように、同時にこの空気はサービスチャンバにおける空気よりも大きい圧力を有する。かくして、これはポート74からチャンバ89中へ外方向に移動して弁80を上方向に屈曲させ、排気部84を介し外方向に移動する。すなわち、スプリングブレーキチャンバを排気する場合、空気は大気に排出されるが、排気部への途中でサービスチャンバに連通する。
【0024】
他方、図5Cに示したように、空気をスプリングブレーキチャンバに供給する場合は、弁80を下方向に押圧してタップ82を閉鎖すると共に空気を開口部68中へ流入させる。かくして、この状態で空気はサービスブレーキチャンバ中へ移動しない。
【0025】
図6は、サービスブレーキを排気する際の空気の排気を示す。空気は弁67を通過することができ、或いはブリーザーチューブ30および34中へ流入することができる。
【0026】
図7は、サービスチャンバへの圧力の印加を示す。図示したように、空気はその供給部38からポート74中へ移動する。弁80を下方向に押圧してタップ84を閉鎖すると共に、排気部への流動を阻止する。この加圧ガスは次いでポート74中を移動して、サービスブレーキのプッシュロッドを外方向に作動位置まで押圧する。同時に、第1タップ72もこの加圧空気を受け入れる。駐車用チャンバ61に加圧空気を供給しない場合は、この加圧空気はフラップ弁80を図4Bに示した位置まで押圧する。次いでガスはタップ72から開口部68中へ移動し、駐車用ブレーキピストン62をその解除位置まで偏倚させる。このようにして、加圧流体がサービスブレーキチャンバに供給される場合は何時でも、システムは制動作用の複合が存在しないよう自動的に確保する。何故なら、加圧ガスが駐車用ブレーキチャンバに送られて駐車用ブレーキピストンを解除位置に偏倚させるからである。
【0027】
本発明は数種のブレーキ弁部品をブレーキ作動器の単一弁に組み込み、所要部品を単純化させることにより従来技術に比べ改良となる。了解されるように、各マニホールドは角度付き表面にて出会い、弁はこれら2個のマニホールド間に捕獲される。
【0028】
以上、本発明の好適実施例につき開示したが、当業者は本発明の範囲内で種々の改変をなしうることを了解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の弁構造体を組み込んだスプリングブレーキ作動器の側面図である。
【図2】 図2は、本発明に組み込まれる試験ポイントの断面図である。
【図3】 図3は、図1に示したブレーキの一部の断面図である。
【図4A】 図4Aは、複合防止弁の端面図である。
【図4B】 図4Bは、図4AのB−B線断面図である。
【図5A】 図5Aは、図4Aに示した弁の一部分の断面図である。
【図5B】 図5Bは、図4Aに示した弁の第2部分の断面図である。
【図5C】 図5Cは、他の操作状態を示す断面図である。
【図6】 図6は、1つの操作段階を示す断面図である。
【図7】 図7は、他の操作段階を示す断面図である。

Claims (11)

  1. 作動器および前記作動器を第1方向に偏倚させるパワースプリングと、前記パワースプリングとは前記作動器の反対側における駐車用ブレーキチャンバおよび前記作動器と共に移動してブレーキをセットするプッシュロッドを有する駐車用ブレーキと、
    サービスチャンバを規定すると共に1つの面に選択的に加圧流体を供給してプッシュロッドを外方向に押圧することによりブレーキをセットするサービスチャンバ作動器と、
    加圧空気を選択的に前記駐車用およびサービスブレーキチャンバに供給する空気供給システムと、
    スプリングブレーキ作動器の本体に取り付けられて、加圧空気が前記サービスブレーキチャンバと駐車用ブレーキチャンバとの両者に同時に送られないよう確保する弁システムと
    を備えることを特徴とするスプリングブレーキ作動器。
  2. 前記弁システムが、ブレーキ作動器における外側ハウジングにボルト付けされた第1弁マニホールドと、前記第1弁マニホールドにボルト付けされた第2弁マニホールドとを一体化し、前記第1マニホールドと第2マニホールドとの間に屈曲性弁ディスクを位置せしめ、前記弁ディスクは空気が前記サービスブレーキチャンバに供給される際に前記駐車用ブレーキチャンバに空気を供給するよう確保する請求項1に記載のスプリングブレーキ作動器。
  3. 前記弁システムには前記駐車用ブレーキチャンバと前記サービスブレーキチャンバとの間にタップを設け、前記ディスクは加圧空気が加圧供給源を介し前記駐車用ブレーキチャンバに供給される際に前記タップを選択的に閉鎖するが、加圧空気を前記サービスブレーキチャンバに供給するが前記駐車用ブレーキチャンバには供給しない場合は前記サービスブレーキチャンバから前記駐車用ブレーキチャンバへの流動を可能にする請求項2に記載のスプリングブレーキ作動器。
  4. タップを前記サービスブレーキチャンバから排気するよう設け、前記タップは加圧空気を前記サービスブレーキチャンバに供給する際に閉鎖されるが、空気を前記駐車用ブレーキチャンバから排気しつつある際は前記サービスブレーキチャンバから前記排気部への流動を可能にする請求項3に記載のスプリングブレーキ作動器。
  5. 前記加圧空気供給部が前記第2マニホールドに一体化された2つの別々の加圧空気供給部を備え、前記第2マニホールド内に試験ポイントを装着して前記第1および第2供給部のそれぞれにおける圧力を試験する請求項1に記載のスプリングブレーキ作動器。
  6. 前記試験ポイントが、閉鎖位置までスプリング偏倚されるが前記マニホールド内の圧力を試験しうる作動位置まで移動しうる弁を備える請求項5に記載のスプリングブレーキ作動器。
  7. ブリーザーチューブが、前記駐車用およびサービスブレーキチャンバの両者と通路を介し連携した非加圧チャンバに連通し、前記通路は排気弁にも連通する請求項1に記載のスプリングブレーキ作動器。
  8. 前記排気弁がフラッパー弁を備えて、ブリーザーチューブ内の圧力が大気圧を越えた際にガスを前記ブリーザーチューブから大気まで排気する請求項7に記載のスプリングブレーキ作動器。
  9. 前記駐車用およびサービスブレーキ加圧チャンバからの排気がさらに前記排気弁にも選択的に連通する請求項8に記載のスプリングブレーキ作動器。
  10. 作動器および前記作動器を第1方向に偏倚させるパワースプリングと、前記パワースプリングとは前記作動器の反対側における駐車用ブレーキチャンバと、前記作動器と共に移動してブレーキをセットするプッシュロッドを有する駐車用ブレーキと、
    サービスチャンバを規定すると共に1つの面に選択的に加圧流体を供給して第2プッシュロッドを外方向に押圧することによりブレーキをセットするサービスチャンバ作動器と、
    加圧ガスを前記駐車用ブレーキチャンバに供給する第1加圧ガス供給部および前記サービスブレーキチャンバにガスを供給する第2加圧ガス供給部、前記スプリングブレーキ作動器ハウジングに取り付けられた弁マニホールドと
    を備え、前記弁マニホールドは前記第1および第2供給部内の圧力を選択的に試験する試験ポイントを組み込んだことを特徴とするスプリングブレーキ作動器。
  11. 前記試験ポイントが、閉鎖位置までスプリング偏倚されるが前記マニホールド内の圧力を試験する作動位置まで移動しうる弁を備える請求項10に記載のスプリングブレーキ作動器。
JP2000549838A 1998-05-19 1999-05-10 スプリングブレーキ作動器のための組み合わせ弁システム Expired - Lifetime JP4383663B2 (ja)

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