JP4383563B2 - 顔料分散剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキ・塗料分野において、顔料分散剤として使用される、新規なアルミニウム含有高分子誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の印刷技術の進歩は目覚しく、印刷速度の高速化、印刷の自動化を達成するために印刷インキの高機能化が必要になっている。印刷を高速化するとミスチングおよびガイドローラー汚れ等が問題になってくる。これらの欠点を改良するためには、印刷インキのゲルワニス製造時に適度なゲル化反応を起こしたり、顔料の分散性を良好にして印刷インキの粘弾性を適正にする必要があり、樹脂の改良、ゲル化剤および分散剤等の改良が行なわれている。
【0003】
通常、印刷インキの製造において、顔料の濡れや分散性の向上、沈降防止、塗料のタレ防止、顔料の色浮き予防や流動性の制御等を行う為に種々の添加剤、分散剤が使用されるが、これらは印刷インキの粘弾性の特性を悪化させることが多く、特にオフセット印刷インキでは、乳化のバランスに悪影響を与えることが多く、従来から知られている分散剤では満足な結果は得られなかった。
【0004】
また、印刷インキのゲル化剤としては一般的に金属石鹸、アルミニウムキレート、アルミニウムオリゴマーのような有機金属化合物が使用されており、一部のアルミニウムキレートやチタンキレートは、印刷インキ・顔料用分散剤としても使用されている。しかし、これらの分散剤は例えば反応性が高すぎ、インキ製造時に部分的にゲルが生成する場合があり、取り扱いにくい為、用途によっては必ずしも最適なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、インキ・塗料の分野において従来課題であった高速印刷に適し、オフセット印刷時の乳化バランスに悪影響を及ぼさない顔料分散剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、顔料分散効果を有するアルミニウム含有高分子誘導体を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、一般式(1)
HO−X−COOH (1)
(式中Xは、3〜23の炭素原子を含有し且つ少なくとも3個の炭素原子がヒドロキシ基およびカルボン酸基の間に存在する飽和または不飽和の脂肪族基である)
で示されるヒドロキシカルボン酸から誘導される分子量600〜6000のポリエステルまたは一般式(2)
【0008】
【化2】
Figure 0004383563
【0009】
(式中R1は、炭素数2〜24の水酸基を含有してもよい直鎖または、分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、pは2〜11の整数を示し、qは2〜1000の整数を示す)
で示されるポリエステルをアルミニウムオキサイドアルコレートの含有アルミニウムに対してモル比で1〜2等量縮合させて得られるアルミニウム含有高分子誘導体を含む顔料分散剤に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の顔料分散剤は、インキや塗料に用いられる顔料の分散剤として好適なものであり、前記一般式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸またはそのようなヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含まないカルボン酸の混合物から誘導される分子量600〜6000のポリエステルまたは前記一般式(2)で示されるポリエステルから選ばれる少なくとも一つのポリエステルをアルミニウムオキサイドアルコレートの含有アルミニウムに対して1〜2等量縮合させて得たアルミニウム含有高分子誘導体を含むものである。
【0011】
一般式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸としては、9−および10−ヒドロキシステアリン酸の混合物、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、顔料に対する分散性の点で特に12−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
【0012】
前記一般式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸には、ヒドロキシル基を有しないカルボン酸を含んでいてもよい。このようなカルボン酸としては、ヒドロキシカルボンに不可避的に含まれるカルボン酸や、炭素数3〜24の分岐鎖を有してもよいカルボン酸を挙げることができる。
【0013】
前記一般式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸から誘導される分子量600〜6000のポリエステルの製造方法は、例えば前記一般式(1)のヒドロキシカルボン酸(例えば工業用グレードの12−ヒドロキシステアリン酸)にキシレンを加え、160〜200℃の範囲で攪拌し、水が生成したらそれを留去し、所望の分子量が得られるまで加熱することにより製造することができる。
【0014】
一般式(2)で示されるポリエステルは、例えば以下の反応式のように、脂肪酸に環状ラクトンを公知の技術で開環重合することにより得られる。
【0015】
【化3】
Figure 0004383563
【0016】
(式中R1、pおよびqは前記定義に同じ)
上記開環重合の条件としては、例えば、ε−カプロラクトンと脂肪酸の混合物にテトラブチルチタネートを加え、窒素雰囲気で140℃、3時間程度攪拌することにより製造することができる。
【0017】
脂肪酸の好ましい例としては、リシノール酸、9−および10−ヒドロキシステアリン酸の混合物、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、特に12−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
【0018】
環状ラクトンとしてはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物が望ましく、特にε−カプロラクトンが好ましい。
【0019】
本発明で示されるアルミニウム含有高分子誘導体は例えば以下のような方法により製造することができる。
【0020】
一般式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸から縮合により誘導されるポリエステル、または一般式(2)で示される各種ポリエステルを単独あるいは任意の割合に混合してアルミニウムオキサイドアルコレートの含有アルミニウムに対してモル比で1〜2等量を石油系溶媒中で150℃〜250℃の範囲、好ましくは180〜200℃の範囲内の温度に加熱し、副成するアルコールを留去させつつ縮合させてアルミニウム含有高分子誘導体を得る。反応温度が150℃未満では、、得られる化合物がゲル状になるため好ましくなく、250℃を超えるとポリエステルが熱分解するため好ましくない。
【0021】
反応溶媒として用いられる石油系溶媒としては、例えば、Kソルベント、5号ソルベント、7号ソルベント、AF−5号ソルベント、AF−7号ソルベント(以上、日本石油製)を挙げることができる。
【0022】
この時使用するアルミニウムオキサイドアルコレートは、アルミニウムオキサイドイソプロピレート、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート等があるが、高い反応性と入手し易い点で環状アルミニウムオキサイドイソプロピレートが特に好ましい。
【0023】
環状アルミニウムオキサイドアルコレートを用いた場合、反応部位はアルミニウム原子一個に付き一箇所となるが、発明者らの検討によると環状アルミニウムオキサイドアルコレートは、ポリエステルの縮合を受ける際部分的に環構造が開裂するためか実際にはアルミニウム原子に対してモル比で2等量までエステルを導入できる。ポリエステルを、アルミニウムオキサイドアルコレートの含有アルミニウムに対して1等量以下縮合した場合、インキの分散性において従来のヒドロキシカルボン酸縮合物からなる分散剤以上の効果が無く、2等量以上縮合した場合は、反応物がゲル状になるため好ましくない。本発明の分散剤においてはアルミニウム原子に対するポリエステルの反応モル比が1.0〜2.0の時、液状且つ良好な分散性能を示し、特に反応モル比を1.0〜1.5とした場合、最も高い分散性能が得られる。。
【0024】
実際に印刷インキに使用する場合、印刷に適した性能を得るためには印刷インキ中に本発明品を顔料に対して概ね0.1〜10.0wt%程度となるように添加すればよい。
【0025】
本発明の化合物は、アルミニウム環状オリゴマー部位の高い反応性により、インキ用顔料表面のヒドロキシ基、カルボキシル基等の官能基と反応或いは吸着により結合するため、従来のポリエステル系化合物と比較して良好な顔料分散性を与え、顔料の発色性が大幅に改善されるとともに、オフセット印刷での乳化の問題も無く、印刷の仕上がりが大幅に改善される。
【0026】
本発明の作用機構については詳しくは解明されていないがインキビヒクル中で生成するAl−OH残基とポリエステル残基が、オフセットインキ中の樹脂や顔料と反応し、且つ印刷時に使用される湿し水と適度に作用し、印刷に適した乳化系を作り出しているものと考えられる。
【0027】
さらに本発明の化合物のポリエステル残基がインキビヒクルとの相溶性が良好であることから、顔料の分散性が向上し、鮮明度を改善しているものと考えられる。
【0028】
さらに、TiO2等の無機顔料の分散においても、従来のポリエステル系または界面活性剤系の高分子分散剤では十分な分散効果、粘度低下が得られなかったが、本発明の分散剤はAl−OH残基と、ポリエステル残基が両方存在することで配合系の粘度低下を大幅に改善することができた。
【0029】
本発明による新規アルミニウム含有高分子誘導体は、インキ・塗料用の顔料分散剤として使用することができるが、本発明の顔料分散剤を用いて、インキや塗料を調製するには常法に従えばよい。
【0030】
例えば、インキの調製は以下のような方法で行えばよい。まずロジン変性フェノール樹脂、アマニ油、石油系溶剤を200℃で1時間程度攪拌したものをインキ用ゲルワニスとする。これに有機または無機顔料、石油系溶剤および本発明品を顔料に対して0.1〜10.0wt%加え、3本ロールミル等で練肉混合して印刷用インキとする。
【0031】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明で使用するポリエステルは次の様に製造した。
【0032】
製造例1
キシレン100gと市販の12−ヒドロキシステアリン酸(酸価182.4mgKOH/gおよびヒドロキシル価161.2mgKOH/g)500gの混合物を190℃〜200℃で10時間攪拌反応し、反応で生成する水を反応媒体に戻される留出物のキシレン中から分離する。水24gを捕集した後で、キシレンを窒素流中で200℃に加熱することにより除去し、酸価約35.0mgKOH/gを有する褐色粘稠液体が得られた。この褐色粘稠液体をGPCで測定した結果、平均分子量約1600(ポリスチレン換算)のポリエステルであった。
【0033】
製造例2
ε−カプロラクトン684.8g,12−ヒドロキシステアリン酸300.5gに、テトラブチルチタネート0.68gを加え、窒素雰囲気中で140℃、7時間攪拌反応した。生成物は酸価約38.0mgKOH/gを有する室温でワックス状の物質が得られた。この褐色粘稠液体をGPCで測定した結果、平均分子量約1400(ポリスチレン換算)のポリエステルであった
実施例1
容量500mlのガラス製反応器に製造例1の方法で得られた12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物(酸価35.0mgKOH/g)173.5g(0.11mol)および環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート〔AlO(i−C37O)〕3 7.4g(0.024mol、含有Al 0.07mol)、7号ソルベント(日本石油製)101.4gを投入し、温度180〜200℃で攪拌しながら反応させた。
【0034】
その後、反応液から副成する2−プロパノールを留去して、目的とする黄褐色粘稠液体の環状アルミニウムオキサイドヒドロキシアルカン酸縮合物アシレートを含む溶液278.0gを得た。またこの化合物はトルエン、キシレン、ヘキサン等の溶剤に可溶であった。
【0035】
得られた生成物の構造を確認する為に、Al含量、IRスペクトルの測定を行った。
【0036】
Al含量:0.68%(理論値:0.7%)
IRスペクトル(cm-1):
2960〜2920(−CH2−および−CH3のC−H間の伸縮振動)
2854(−CH2−のC−H間の伸縮振動)
1740〜1730(C=O間の伸縮振動)
1586(環状アルミニウムアシレートのC=CおよびC=O間の伸縮振動)
1465(CH2の対称変角振動)
1440〜1300(C−O伸縮またはOH変角振動)
1176(C−O間の変角振動)
IR測定結果より、反応前には脂肪族カルボン酸のC=O間の伸縮振動(1712cm-1)の吸収がみられたが、得られた化合物にはこの吸収が消失し、代わりにアシレートのC=CおよびC=O間の伸縮振動(1586cm-1)が確認された。このことからヒドロキシアルカン酸縮合物のCOOH基が環状アルミニウムオキサイドと反応して目的とする化合物が得られたと考えられる。
【0037】
実施例2
容量300mlのガラス製反応器に製造例1の方法で得られた12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物(酸価35.0mgKOH/g)115.8g(0.07mol)および環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート〔AlO(i−C37O)〕3 7.4g(0.024mol、含有Al 0.07mol)、7号ソルベント(日本石油製)115.8gを投入し、温度180〜200℃で攪拌しながら反応させた。
【0038】
その後、反応液した副成する2−プロパノールを留去して、目的とする黄褐色粘稠液体の環状アルミニウムオキサイドヒドロキシアルカン酸縮合物アシレートを含む溶液187.2gを得た。またこの化合物はトルエン、キシレン、ヘキサン等の溶剤に可溶であった。この生成物のAl含量(%)は、1.01%(理論値1.04%)であった。
【0039】
実施例1と同様に反応の前後でIR測定を行った結果、反応前には脂肪族カルボン酸のC=O間の伸縮振動(1712cm-1)の吸収がみられたが、得られた化合物にはこの吸収が消失し、代わりにアシレートのC=CおよびC=O間の伸縮振動(1586cm-1)が確認された。このことからヒドロキシアルカン酸縮合物のCOOH基が環状アルミニウムオキサイドと反応して目的とする化合物が得られたと考えられる。
【0040】
実施例3
容量300mlのガラス製反応器に製造例1の方法で得られた12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物(酸価35.0mgKOH/g)231.6g(0.14mol)および環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート〔AlO(i−C37O)〕3 7.4g(0.024mol、含有Al 0.07mol)、7号ソルベント(日本石油製)133.9gを投入し、温度180〜200℃で攪拌しながら反応させた。
【0041】
その後、反応液から副成した2−プロパノールを留去して、目的とする黄褐色粘稠液体の環状アルミニウムオキサイドヒドロキシアルカン酸縮合物アシレートを含む溶液368.6gを得た。またこの化合物はトルエン、キシレン、ヘキサン等の溶剤に可溶であった。この生成物のAl含量(%)は、0.5%(理論値0.53%)であった。
【0042】
実施例1と同様に反応の前後でIR測定を行った結果、反応前には脂肪族カルボン酸のC=O間の伸縮振動(1712cm-1)の吸収がみられたが、得られた化合物にはこの吸収が消失し、代わりにアシレートのC=CおよびC=O間の伸縮振動(1586cm-1)が確認された。このことからヒドロキシアルカン酸縮合物のCOOH基が環状アルミニウムオキサイドと反応して目的とする化合物が得られたと考えられる。
【0043】
実施例4
容量500mlのガラス製反応器に製造例2の方法で得られたポリカルボニルアルキレンオキシ酸(PCAO酸)重縮合物(酸価38.0mgKOH/g)147.66g(0.10mol)および環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート〔AlO(i−C37O)〕310.21g(0.10mol)、7号ソルベント(日本石油製)233.84gを投入し、攪拌しながら加熱反応させた。
【0044】
その後、反応液から副成した2−プロパノールを留去して、目的とする黄色粘稠液体の環状アルミニウムオキサイドヒドロキシアルカン酸縮合物アシレートを含む溶液391.3gを得た。またこの化合物はトルエン、キシレン、ヘキサン等の溶剤に可溶であった。この生成物のAl含量(%)は、0.69%(理論値0.7%)であった。
【0045】
実施例1と同様に反応の前後でIR測定を行った結果、反応前には脂肪族カルボン酸のC=O間の伸縮振動(1712cm-1)の吸収がみられたが、得られた化合物にはこの吸収が消失し、代わりにアシレートのC=CおよびC=O間の伸縮振動(1586cm-1)が確認された。このことからヒドロキシアルカン酸縮合物のCOOH基が環状アルミニウムオキサイドと反応して目的とする化合物が得られたと考えられる。
【0046】
比較例1
容量200mlのガラス製反応器に製造例1の方法で得られた12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物(酸価35.0mgzKOH/g)25.4g(0.016mol)および環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート〔AlO(i−C37O)〕316.2g(0.053mol,含有Al 0.16mol)、7号ソルベント(日本石油製)23.3gを投入し、温度180〜200℃で攪拌しながら反応させた。
【0047】
その後、反応液から副成した2−プロパノールを留去して、目的とする黄色粘稠液体の環状アルミニウムオキサイドヒドロキシアルカン酸縮合物アシレートを含む溶液63.9gを得た。またこの化合物はトルエン、キシレン、ヘキサン等の溶剤に可溶であった。この生成物のAl含量(%)は、6.5%(理論値6.7%)であった。
【0048】
比較例2
容量500mlのガラス製反応器に製造例1の方法で得られた12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物(酸価35.0mgzKOH/g)104.22g(0.063mol)および環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート〔AlO(i−C37O)〕37.4g(0.024mol,含有Al 0.07mol)、7号ソルベント(日本石油製)133.9gを投入し、温度180〜200℃で攪拌しながら反応させた。
【0049】
その後、反応液から副成した2−プロパノールを留去した後、100℃まで冷却して製造例1の方法で得られた12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物(酸価35.0mgzKOH/g)127.38g(0.077mol)を混合して、目的とする黄色粘稠液体の環状アルミニウムオキサイドヒドロキシアルカン酸縮合物アシレートと12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物との混合物368.6gを得た。またこの化合物はゲル状であった。この生成物のAl含量(%)は、0.50%(理論値0.54%)であった。
【0050】
印刷インキ中に比較例2で合成した化合物を顔料に対して概ね0.1〜10.0wt%程度となるように添加した場合、オフセット印刷において乳化現象が生じ、必要とされる印刷適性が得られなかった。
【0051】
実施例5(展色試験)
本発明の新規アルミニウム含有高分子誘導体の印刷インキにおける鮮明度向上効果をみるために、本発明の新規アルミニウム含有高分子誘導体(実施例1)を有機顔料(大日本精化製:製品名セイカファーストイエロー)とゲルワニス(ロジン変性フェノール樹脂40.0部、アマニ油30.0部、AF7号ソルベント(日本石油(株)製溶剤)を200℃で1時間加熱攪拌して調製)を混合したものに5%添加し混練した後、展色試験を行った。
【0052】
その結果、本発明の新規アルミ含有高分子誘導体を添加しないブランクとの肉眼による比較では、明らかな鮮明度の向上が認められた。
【0053】
実施例6(簡易分散試験)
本発明の新規アルミニウム含有高分子誘導体のインキ用顔料の分散作用の効果を見るために、本発明の新規アルミ含有高分子誘導体(実施例1〜3)を0.01g、有機顔料(大日本精化製:製品名セイカファーストイエロー)0.2g、トルエン10mlを試験管中に加え、30回倒立攪拌静置させ、2時間後の分散層の厚みを測定した。
【0054】
本発明の新規アルミニウム含有高分子誘導体と比較するため、ブランク、比較例1で製造した化合物および比較例3として市販のポリエステル系分散剤である12−ヒドロキシオクタデカン酸縮合物(KF−1000、太陽化学製、分子量1200〜1800)を用いて同様の試験を行い、その結果を表1に示す。
【0055】
・分散層の厚み(%)=(分散層の厚み/溶液全体の厚み)×100
【0056】
【表1】
Figure 0004383563
【0057】
表1の結果より、実施例1〜3の本発明品は分散層の厚み(%)が大きく,分散性が良好であることを示している。一方、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレートの含有アルミニウムに対する12−ヒドロキシステアリン酸重縮合物の反応モル比が0.1当量である比較例1や市販のポリエステル系分散剤は、本発明品と比して、分散性に劣るものであった。
【0058】
実施例7(減粘試験)
本発明の新規アルミニウム含有高分子誘導体のインキ用顔料の減粘作用の効果を見るために、実施例1〜3までの本発明の新規アルミ含有高分子誘導体を無機顔料(CaCO3)に0.5wt%添加し、25℃における粘度を測定した。
【0059】
測定は、乳鉢にDOPを50g入れ、これにCaCO3と供試試料を加え(CaCO3に対し0.5wt%)、5分間乳棒で混練し、B型粘度計を用いて、粘度計を回転させてから15分後の粘度を測定した。
【0060】
無機顔料の充填率が20、30、50%でのブランクおよび比較例として比較例1で製造した化合物を用いて同様の試験を行ない、その結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
Figure 0004383563
【0062】
実施例5から7および表1から2に示した結果から明らかなように、本発明の新規な顔料分散剤は従来品と同等もしくはそれ以上の優れた鮮明度向上、分散能、減粘効果を有している。
【0063】
【発明の効果】
本発明の新規な顔料分散剤は従来品と同等もしくはそれ以上の優れた鮮明度向上、分散能、減粘効果を有しており、印刷インキ・塗料等の顔料分散剤として有用である。

Claims (2)

  1. 一般式(1)
    HO−X−COOH (1)
    (式中Xは、3〜23の炭素原子を含有し且つ少なくとも3個の炭素原子がヒドロキシ基およびカルボン酸基の間に存在する飽和または不飽和の脂肪族基である)
    で示されるヒドロキシカルボン酸から誘導される分子量600〜6000のポリエステルまたは一般式(2)
    Figure 0004383563
    (式中R1は、炭素数2〜24の水酸基を含有してもよい直鎖または、分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、pは2〜11の整数を示し、qは2〜1000の整数を示す)
    で示されるポリエステルをアルミニウムオキサイドアルコレートの含有アルミニウムに対してモル比で1〜2等量縮合させて得られるアルミニウム含有高分子誘導体を含む顔料分散剤。
  2. アルミニウムオキサイドアルコレートが環状アルミニウムオキサイドイソプロピレートである請求項1記載のアルミニウム含有高分子誘導体を含む顔料分散剤。
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