JP4382453B2 - 多孔質材の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波回路の誘電体層、半導体集積回路(LSI)の層間絶縁膜の他、触媒材料、固体電解質、電子放出素子、光学素子などに用いられる多孔質材の形成方法に関する。
半導体素子などにおける層間絶縁膜としてSiO2 を主成分とする絶縁膜が広く利用されている。SiO2 は比誘電率が3.9であり、固体としては比誘電率が比較的低い値を有するが、半導体素子の高集積化、多層化に伴いより一層低誘電率のものが望まれている。近年では比誘電率として2.0以下を有するものが求められるようになっている。
比誘電率として2.0以下を実現するためには材料自体の密度を下げることが不可欠であり、多孔質材料を用いることが必要となる。しかし、低誘電率化するために多孔質材料の密度を下げていくと、一般的にその機械的強度が著しく低下する。これは低密度化のために導入された空孔が不均一に分散することに起因している。密度を下げた場合でも強度を維持するためには、例えばハニカム構造のような規則性の高い構造を実現することが有効である。
規則的な構造を有する多孔質材料の製造方法として、特開平10−194720号公報(特許文献1)には、アルコキシシラン、水および界面活性剤を混合、反応させてシリカ/界面活性剤複合体を形成した後に、熟成、乾燥、焼成する方法が開示されている。また、周期構造を有する多孔質材料の薄膜を得る方法として、特開平9−194298号公報(特許文献2)には、テトラアルコキシシランを酸性下で加水分解し、これに界面活性剤を混合した溶液を塗布、乾燥して得られたシリカ−界面活性剤ナノ複合体を焼成する方法が開示されている。
しかしながら、これらの技術においては、多孔質構造を実現するために多孔質構造の空孔の基になる孔源材料である界面活性剤を500℃以上の高温にて焼成するプロセスが必要である。このため、半導体素子の層間絶縁膜の形成には適用することができない。
一方、低温において多孔質化が可能な方法として、特開2001−55508号公報(特許文献3)には、シリケート領域および非シリケート領域よりなる材料から、溶媒交換、流体交換にて非シリケート材料を抽出することにより多孔質シリケートを形成する方法が開示されている。また、抽出手段として超臨界流体を用いることも挙げられている。広く一般的に知られているように、超臨界流体を利用するプロセスでは毛管収縮力が働かないため、溶媒抽出時における対象構造物の変形を非常に少なくすることができる。前記公報には実施例においてはイソプロパノール単体の超臨界流体を用いることが記載されている。
また、特開2002−367984号公報(特許文献4)や特開2002−363286号公報(特許文献5)に開示されているように、超臨界媒質に抽出すべき対象の成分との相溶性に優れる他の溶剤を添加することが知られている。
また、多孔質材料の経時的な劣化に関しては、多孔質材料が吸湿することによる問題が知られている。かかる問題に対して、特開平7−138375号公報(特許文献6)や特開2003−119052号公報(特許文献7)には、疎水化処理による安定性向上の方法が、またこの疎水化処理を超臨界流体中にて行う方法が開示されている。
特開平10−194720号公報 特開平9−194298号公報 特開2001−55508号公報 特開2002−367984号公報 特開2002−363286号公報 特開平7−138375号公報 特開2003−119052号公報
本発明者は超臨界流体を用いて孔源材料を抽出した後の多孔質膜を子細に観察したところ、抽出後の多孔質膜はその膜厚が経時的に減少していくという現象が見出された。このような膜厚変化が生じると、所期の構造、特性が得られないという問題がある。なお、前記特許文献6および7の技術は、既に空孔が完全に形成された後の多孔質構造に対する後処理として材料表面を疎水化させる方法であり、空孔を形成する段階における安定化を図るものではない。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、孔源材料を抽出した後の多孔質材に対して、多孔質材の経時的な安定性を向上させる多孔質材の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、多孔質材に経時的寸法変化が生じる原因を追及した結果、以下の原因によることを知見した。すなわち、抽出すべき孔源材料である界面活性剤は、図1に示すように、ミセルを形成し、その外周側に形成された骨格(図例ではシリカ骨格)と電気的極性などに起因した引力により結合している。超臨界流体による界面活性剤の抽出は、この引力より強い力により界面活性剤分子をシリカの骨格から超臨界流体中へ引き離すことにより達成される。一方、界面活性剤分子が引き剥がされたシリカ骨格は、図2に示すように、空孔の内部が電気的に不釣合いな状態にあり、反応性の高い反応活性表面(部分)が形成される。前記反応活性表面は、図2ではSi−O- やSi−OHであり、前記Si−O- は周囲環境の水分により容易にSi−OHに変化する。この反応活性表面は、エネルギー的に不安定な状態にあるため、近隣に存在する同様な反応活性表面と下記式に従って容易に結合する。
(Si−OH)+(HO−Si)→(Si−O−Si)+(H2O )
この反応は脱水重合反応であり、これによりシリカ骨格が形成されていくとともに、シリカ骨格としては体積収縮を伴い、多孔質材全体としては体積の減少として観察される。すなわち、前記経時的な膜厚減少はこの脱水重合反応に起因するものと理解できる。従って、孔源材料が離脱した後の空孔内部の骨格の反応活性表面における前記脱水重合反応を阻止することによって多孔質材の経時変化を防止することができる。本発明はかかる知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明の第1の多孔質材の形成方法は、多孔質材の骨格の基となる骨格材料と多孔質材の空孔の基となる孔源材料を含む一次膜を形成する一次膜形成工程と、前記一次膜から孔源材料を除去する除去工程と、前記除去工程により孔源材料を除去することによって露出した骨格の反応活性表面と不活性化促進成分とを反応させて前記反応活性表面を不活性化させる不活性化工程を有する。前記骨格材料としてシリカを主成分とするアルコキシドを用い、前記孔源材料として界面活性剤を用いる。前記除去工程において前記一次膜から孔源材料を超臨界流体を用いて除去し、前記不活性化工程においてシリカで形成された骨格の反応活性表面を前記超臨界流体に供給した不活性化促進成分により不活性化させる
この第1の多孔質材の形成方法によると、孔源材料を除去する除去工程とは別に、孔源材料を除去することによって露出した、シリカで形成された骨格の反応活性表面、すなわち空孔内部の反応性の高い骨格表面を不活性化させる不活性化工程を設けたので、反応性の高い骨格表面を反応性の低い表面状態として安定化させることができ、除去工程後の多孔質材の経時的安定性を向上することができる。さらに、前記除去工程および不活性化工程において、超臨界流体を用いることにより、超臨界流体の有する、高密度かつ高拡散性、低粘性な特性を利用して、微細な孔源材料を効果的に除去することができる。また、超臨界流体に不活性化促進成分を供給し、含ませることで、孔源材料が除去された微細な空孔内部にまで不活性化促進成分を容易に行き渡らせることができ、効率的な不活性化処理を実現することができる。
前記形成方法において、前記除去工程によって孔源材料が除去された直後、すなわち孔源材料の除去完了と略同時に前記不活性化工程を実施し、骨格の反応活性表面を不活性化させることが好ましい。これにより、除去工程において形成された反応性の高い空孔内部の骨格表面が近隣に存在する同様な反応活性表面と反応することなく不活性化され、より安定性が向上する。また、骨格の反応活性表面と不活性化促進成分との反応は、誘導体化反応を利用することで効率よく反応活性表面の不活性化を図ることができる。
また、本発明の第2の多孔質材の形成方法は、多孔質材の骨格の基となる骨格材料と多孔質材の空孔の基となる孔源材料を含む一次膜を形成する一次膜形成工程と、前記一次膜から孔源材料を除去すると共に孔源材料の除去によって露出した骨格の反応活性表面と不活性化促進成分とを反応(好ましくは誘導体化反応)させて前記反応活性表面を不活性化させる除去・不活性化工程を有する。前記骨格材料としてシリカを主成分とするアルコキシドを用い、前記孔源材料として界面活性剤を用いる。前記除去・不活性化工程において前記一次膜から孔源材料を不活性化促進成分を含む超臨界流体を用いて除去すると共に孔源材料の除去によって露出した、シリカで形成された骨格の反応活性表面を前記超臨界流体に含まれる不活性化促進成分により不活性化させる
この第2の多孔質材の形成方法によると、孔源材料の除去と反応活性表面の不活性化とが一工程で実施することができるため、生産性に優れる。また、孔源材料の除去と不活性化が同時並行的に実行されるので、反応活性表面同士の反応を確実に防止することができ、より経時的安定性に優れた多孔質材を得ることができる。さらに、前記除去・不活性工程において、超臨界流体を用いることにより、第1の多孔質材の形成方法と同様、微細な孔源材料を効果的に除去することができ、また効率的な不活性化処理を実現することができる。
また、前記超臨界流体を用いるに際しては、前記不活性化促進成分と超臨界流体とに相溶性を有する混合促進溶媒を含ませることが好ましい。これにより、不活性化促進成分を均一に含んだ超臨界流体を容易に得ることができ、不活性化処理性がより向上する。前記混合促進溶媒としては、不活性化促進成分が有機質であるため、有機溶媒を用いることが好ましく、また前記混合促進溶媒に対する前記不活性化促進成分の濃度は不活性化促進成分の不活性化能力を損なうことなく、かつ超臨界流体に相溶させることが可能な範囲にて適宜調整すればよいが、50 vol%以下とすることが好ましい。
前記超臨界流体の主たる成分としては、二酸化炭素またはアルキルアルコールまたはこれら二種類以上の混合物を用いることが工業的には好ましい。いずれも種々の物質と幅広く相溶させることができるためである。
上記第1、第2の多孔質材の形成方法において、前記孔源材料として界面活性剤が用いられる。界面活性剤は、骨格材料中に孔源として容易に分散させることができ、また骨格中にミセルが形成されるので規則的に孔源を配置させることが可能になる。前記孔源を除去すれば規則的な空孔構造を容易に導入することができ、多孔質構造の機械的強度を向上させることができる。
また、上記第1、第2の多孔質材の形成方法において、多孔質材の骨格の基となる骨格材料としてシリカを主成分とするアルコキシドが用いられる。この材料は、熱安定性、加工性、機械的強度の面で優れ、またこの材料を用いることにより特に誘電率の低いシリカで形成された骨格を有する多孔質材が得られる。
前記不活性化促進成分は、骨格となる材料表面に対して反応可能な官能基と、反応不活性な官能基、好ましくは疎水基とを併せ持つ化合物からなるものが好ましい。このような特性を有する不活性化促進成分として、誘導体化試薬を利用することができる。
本発明の多孔質材の形成方法は、孔源材料を除去する除去工程とは別に、孔源材料を除去することによって露出した骨格の反応活性表面を不活性化させる不活性化工程を設け、特に前記除去工程において前記一次膜から孔源材料を超臨界流体を用いて除去し、前記不活性化工程においてシリカで形成された骨格の反応活性表面を前記超臨界流体に供給した不活性化促進成分により不活性化させるものである。また、本発明の他の多孔質材の形成方法は、孔源材料を除去すると共に孔源材料の除去によって露出した骨格の反応活性表面を不活性化させる除去・不活性化工程を設け、特に前記除去・不活性化工程において前記一次膜から孔源材料を不活性化促進成分を含む超臨界流体を用いて除去すると共に孔源材料の除去によって露出した、シリカで形成された骨格の反応活性表面を前記超臨界流体に含まれる不活性化促進成分により不活性化させるものである。本発明によれば、超臨界流体の有する、高密度かつ高拡散性、低粘性な特性を利用して、微細な孔源材料を効果的に除去することができ、しかも超臨界流体に供給した不活性成分を孔源材料が除去された微細な空孔内部にまで容易に行き渡らせることができるので、空孔内部に露出した骨格の反応活性表面を速やかに不活性化することができる。このため、反応性の高い骨格表面を反応性の低い表面状態として十分に安定化させることができ、孔源材料の除去後の多孔質材の経時的安定性をより向上させることができる。
本発明の第1実施形態にかかる多孔質膜の形成方法は、(1) 多孔質材の骨格の基となる骨格材料と多孔質材の空孔の基となる孔源材料を含む一次膜を形成する一次膜形成工程、(2) 前記一次膜から孔源材料を除去する除去工程、(3) 前記除去工程により孔源材料を除去することによって露出した骨格の反応活性表面と不活性化促進成分とを反応させて前記反応活性表面を不活性化させる不活性化工程の3工程を有する。
前記不活性化工程は、前記除去工程による孔源材料の除去直後に実施することが好ましい。孔源材料の除去後に隣接する骨格の反応活性表面同士による反応を可及的に阻止することができるからである。また、不活性化工程における反応活性表面と不活性化促進成分との反応は、反応効率の良い誘導体化反応を利用することが好ましい。
前記除去工程における孔源材料の抽出除去、および不活性化工程における空孔内部に露呈した骨格の反応活性表面の不活性化に際しては、微細部への浸透性に優れた超臨界流体を用いて行う。前記超臨界流体の主たる成分としては、種々の物質の相溶性に優れた二酸化炭素またはアルキルアルコールまたはこれら二種類以上の混合物を用いることが好ましい。
超臨界流体を用いて除去工程を実施する場合、二酸化炭素のみからなる超臨界流体を単独で使用するよりもアルキルアルコールを含む混合流体を用いる方が、有機物である孔源材料の溶解抽出性に優れる。また、超臨界流体としてアルキルアルコールを含む混合流体を用いることにより、後述するようにアルキルアルコールが混合促進溶媒となるため、超臨界流体への不活性化促進成分の溶解を促進することができる。
また、超臨界流体を用いて不活性化工程を実施する場合、除去工程において超臨界流体により孔源材料を除去した後、その超臨界流体に不活性化促進成分を供給することにより、不活性化促進成分を含む超臨界流体を得ることができる。これにより、孔源材料を除去した直後の空孔の内部まで不活性化促進成分を容易に送り込むことができ、骨格の反応活性表面の不活性化を促進することができる。
前記不活性化促進成分としては、骨格の反応活性表面に対して反応可能な官能基と、反応不活性な官能基とを併せ持つ化合物を用いることができる。前記反応可能な官能基としては、ハロゲン、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基などを例示することができる。一方、反応不活性な官能基としては疎水基が好ましく、アルキル基、フェニル基、およびそれらのフッ化物などを例示することができる。このような特性を有する不活性化促進成分としては、誘導体化試薬が利用可能であり、シランカップリング剤、シリル化剤、機能性シランなどのシラン化合物を例示することができる。なお、後述の混合促進溶媒として用いることができるアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒も加熱条件下で不活性化作用を有するが、微弱であるため本発明にかかる不活性化促進成分としては不適当である。
具体的には、シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−トリクロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
また、シリル化剤としては、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルクロロシラン、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、N,O−ビストリメチルシリルアセタミド、N,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−ターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−トリメチルシリルイミダゾール、tert−ブチルジメチルクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)尿素、1,1,3,3−テトライソプロピル−1,3−ジクロロジシロキサンが挙げられる。
また、機能性シランとしては、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフロロデシルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメチルシラン、1,3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシラザン、1,2−ビス(ジメチルクロロシリル)エタン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルトリメチルシラン、ジエチルジクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エチルジクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、エチニルトリメチルシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヒドロキシメチルトリメチルシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、メチルジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクチルトリクロロシラン、フェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメチルシラン、n−プロピルトリクロロシラン、トリクロロシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエチルシラン、トリフルオロアセトキシトリメチルシラン、トリメチルブロモシラン、1−トリメチルシリル−1,2,4−トリアゾール、トリフルオロ酢酸トリメチルシリル、トリメチルビニルシラン、トリフェニルクロロシラン、トリフェニルシラン、トリフェニルシラノール、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシランを挙げることができる。
上記例示した不活性化促進成分の中でも、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルクロロシラン、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、N,O−ビストリメチルシリルアセタミド、N,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、tert−ブチルジメチルクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)尿素が好ましい。これらの不活性化促進成分は一種または二種以上の混合物として用いてもよい。
前記不活性化促進成分の超臨界流体への溶解を促進させるには、予め不活性化促進成分と超臨界流体とに相溶性を有する混合促進溶媒を超臨界流体に添加しておくことが好ましい。混合促進溶媒として利用可能な有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒を例示することができる。
具体的には、アルコール系溶媒として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノールを例示することができる。
また、ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトンを例示することができる。
また、アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンを例示することができる。
前記混合促進溶媒の使用量は、混合促進溶媒に対して不活性化促進成分の量が少なすぎると、不活性化促進性が損なわれ、一方、多すぎると超臨界流体に相溶し難くなる。従って、混合促進溶媒の量は、不活性化促進成分の不活性化能力を損なうことなく、かつ超臨界流体に相溶させることが可能な範囲で適宜調整すればよい。通常、混合促進溶媒に対して不活性化促進成分の量を0.1vol%以上、50vol%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.5vol%以上、30vol%以下である。
次に、本発明の第2実施形態にかかる多孔質膜の形成方法について説明する。この方法は、(1) 多孔質材の骨格を形成する骨格材料と多孔質材の空孔の基となる孔源材料を含む一次膜を形成する一次膜形成工程、(2) 前記一次膜から孔源材料を除去すると共に孔源材料の除去によって露出した骨格の反応活性表面と不活性化促進成分とを反応させて前記反応活性表面を不活性化させる除去・不活性化工程の2工程を有する。この第2実施形態においても、骨格の反応活性表面と不活性化促進成分との反応は誘導体化反応を利用することが好ましい。
この第2実施形態の多孔質材の形成方法は、前記第1実施形態における除去工程と不活性化工程とを同時並行的に行うことができるため、孔源材料が抽出、除去された空孔内部の骨格の反応活性表面を速やかに不活性化することができる。
前記除去・不活性化工程は、不活性化促進成分を含んだ超臨界流体を用いることによって、孔源材料の抽出、除去と、これによって空孔内部に露出した骨格の反応活性表面の不活性化を同時並行的に行う。不活性化促進成分の超臨界流体への溶解を促進するには、既述のように混合促進溶媒を超臨界流体に溶解させておくことが好ましい。
上記第1、第2実施形態の多孔質膜の形成方法において、一次膜形成工程は、常法に従って、孔源材料および骨格材料を水及び/又はアルコールに溶解した粘性溶液をガラス板、金属板等の基材に塗布することにより行うことができる。ここでは、一次膜の形成において好適に使用される孔源材料および骨格材料を中心に説明する。
前記孔源材料としては、界面活性剤が好適である。骨格中にミセルを形成し、規則的に孔源を配置し、規則的な空孔構造を形成することができるからである。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤を利用することができる。
前記ノニオン性界面活性剤として、酸化エチレン誘導体、酸化プロピレン誘導体などが利用可能である。
具体的には、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル、ポリオキシエチレンヤシアルコールエーテル、ポリオキシエチレン精製ヤシアルコールエーテル、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル、ポリオキシエチレンセカンダリーアルコールエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンβ−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノール−A−エーテル、ポリオキシエチレンビスフェノール−F−エーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレン牛脂プロピレンジアミン、ポリオキシエチレンステアリルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンN−シクロヘキシルアミン、ポリオキシエチレンメタキシレンジアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミド、ポリオキシエチレンステアリルアミド、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノ牛脂オレエート、ポリオキシエチレンモノトール油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンウールグリスエーテル、ポリオキシエチレンラノリンエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセロールエーテル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールエーテル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールジオレエートエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモステアレートエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン合成アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレン合成アルコールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンビスフェノール−A−エーテル、ポリオキシプロピレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンメタキシレンジアミンなどを挙げることができる。これらの界面活性剤は、1種あるいは2種以上を同時に使用することも可能である。
また、カチオン性界面活性剤としては、CnH2n+1(CH3)3N+X-、CnH2n+1(C2H5)3N+X- (Xは負イオンとなる元素を示す)、CnH2n+1NH2、H2N(CH2)nNH2で表される炭素数8〜24のアルキル基を有する第4級アルキルアンモニウム塩を用いることができる。
具体的には、ドデカニルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデカニルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデカニルトリメチルアンモニウムクロリド、
ドデカニルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデカニルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクタデカニルトリメチルアンモニウムブロミド、
ドデカニルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラデカニルトリエチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウムクロリド、オクタデカニルトリエチルアンモニウムクロリド、
ドデカニルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデカニルトリエチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウムブロミド、オクタデカニルトリエチルアンモニウムブロミドなどを挙げることができる。
またこのほか、1分子中に複数の親水性基と複数の疎水性基を有する、いわゆるジェミニ界面活性剤、例えば、CnH2n+1X2N+M-(CH3)SN+M-X2CmH2m+1(n、m=5〜20、S=1〜10)のような構造のものを用いることができる。前記構造式で、は水素原子または塩形成性の陰イオン(具体的にはCl-、Br-など)を示し、は水素原子または低級アルキル基(具体的にはCH3、C2H5など)を示す。
具体的には、C12H25(CH3)2N+Cl-(CH3)4N+Cl-(CH3)2C12H25、C12H25(CH3)2N+Br-(CH3)4N+Br-(CH3)2C12H25、C16H33(CH3)2N+Cl-(CH3)4N+Cl-(CH3)2C16H33、C16H33(CH3)2N+Br-(CH3)4N+Br-(CH3)2C16H33などを挙げることができる。
一般的に、多孔質材の骨格となる材料としては、チタン、珪素、アルミニウム、硼素、ゲルマニウム、ランタン、マグネシウム、ニオブ、リン、タンタル、スズ、バナジウム、ジルコニウムなどの酸化物を例示することができる。とりわけ、これらの元素を主成分とするアルコキシドは骨格材料(原料)として、前記孔源材料との混合性に優れるため好ましい。特に、シリカを主成分とするアルコキシドは誘電率が低いシリカ骨格を形成することができるので好ましい。
シリカを主成分とするアルコキシドを以下に例示する。テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラノルマルブトキシシラン、トリエトキシフロロシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシフロロシラン、トリメトキシフロロシラン、トリメトキシシラン、トリノルマルブトキシフロロシラン、トリノルマルプロポキシフロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルジエトキシクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリスメトキシエトキシビニルシラン。これらのアルコキシドは一種または二種以上の混合物として用いてもよい。
ここで、上記第1実施形態における除去工程および不活性化工程、並びに第2実施形態における除去・不活性化工程を超臨界流体を用いて実施するための除去・不活性化処理装置の例を図3に基づいて説明する。
この除去・不活性化処理措置は、超臨界流体の主原料である二酸化炭素ガスを収容した二酸化炭素ボンベ1と、例えばアルキルアルコールを収容した第1薬液ボンベ2と、例えばアルキルアルコールに不活性化促進成分を溶解混合した混合溶液を収容した第2薬液ボンベ3を備える。前記二酸化炭素ボンベ1、第1薬液ボンベ2および第2薬液ボンベ3は、それぞれポンプ4,6,8、開閉弁5,7,9を介して高圧容器10に配管接続される。前記ポンプ4,6,8の下流側の管路にはヒータ(図示省略)が適宜付設される。また、前記高圧容器10の下流側管路には高圧容器10内の圧力を調整するための調圧弁11が設けられている。
この処理装置の使用方法について簡単に説明する。一次膜が形成された基材を高圧容器10内に設置した後、高圧容器10内に適宜の温度に加熱した二酸化炭素を導入し、調圧弁を調整することによって高圧容器10内の圧力を調整し、超臨界状態とする。その後、第1薬液ボンベ2からアルキルアルコールを導入して超臨界流体に混合し、これによって一次膜から孔源材料を抽出除去する。その後、第1薬液ボンベ2からのアルコールの導入を止め、第2薬液ボンベ3から不活性化促進成分を含むアルキルアルコールを高圧容器10内に導入し、不活性化促進成分を含む超臨界流体によって一次膜を処理し、孔源材料が除去された空孔内部の骨格の反応活性表面と前記不活性化促進成分とを反応させて不活性化する。その後、二酸化炭素ガスおよび第2薬液ボンベ3からの薬液の導入を止め、高圧容器10を減圧した後、基材を取り出す。
また、孔源材料を除去する段階から二酸化炭素の超臨界流体に第2薬液ボンベ3より不活性化促進成分を含むアルキルアルコールを高圧容器10内に導入し、アルキルアルコール、不活性化促進成分を含む超臨界流体によって一次膜に対し、孔源材料の抽出除去と孔源材料が除去された空孔内部の骨格の反応活性表面の不活性化とを同時並行的に処理することもできる。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
(実施例1)
まず、一次膜を形成後、一次膜の孔源材料の除去と空孔内部の骨格の反応活性表面の不活性化を除去・不活性化工程により同時並行的に実施した実施例1について説明する。
骨格材料としてテトラエトキシシランSi(C25O)4 を1.6gとエタノール7.8g、pH=3の水0.7gと孔源材料としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.4gを均一に混合し、透明で粘性を有する溶液を調整した。この溶液をスピンコート法により基材上に回転塗布し、一次膜を形成した。続いて大気中、200℃にて乾燥させた後、孔源材料であるヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを図3の処理装置を用いて下記の要領により超臨界抽出するとともに不活性化処理を施した。
前記一次膜を形成した基材を高圧容器内に配置した後、高圧容器に80℃の二酸化炭素を導入し、容器内圧力を15MPaまで上昇させ超臨界状態とした。この状態にてヘキサメチルジシラザンを10vol%混合したメタノール溶液を高圧容器内に導入し、この混合溶液を二酸化炭素超臨界流体に均一に混合した。導入したメタノール溶液の量は二酸化炭素に対して体積比1/10とした。この状態で30分間保持した後、メタノール溶液の導入を停止した。メタノール溶液の導入停止後、さらに二酸化炭素をガス換算で50リットル流通させ、容器内を完全に二酸化炭素のみで置き換えた。その後容器を減圧し、基材を取り出した。
得られた多孔質膜に対してFTIR(フーリエ変換赤外分光法)分析を行った結果、超臨界流体を用いた除去・不活性化処理前には強く観察された2920cm-1付近のCH2 の伸縮振動に起因するピークは、処理後には全く観察されなかった。これから孔源材料として用いたヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドは完全に除去されていることが確認された。一方、2860cm-1および2960cm-1付近にCH3 の伸縮振動に起因するピークが観察され、上記のヘキサメチルジシラザンを含んだ超臨界流体を用いた処理によりシリカ表面がCH3 基により終端されたことが確認された。
(実施例2)
次に、一次膜を形成後、一次膜の孔源材料を除去した後、続いて空孔内部の骨格の反応活性表面の不活性化する実施例2について説明する。
実施例1と同様の手法にて粘性溶液を調整後、これを基材上に回転塗布し、大気中200℃にて乾燥させた後、実施例1と同様の処理装置を用いて、以下の要領で孔源材料であるヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドの超臨界抽出を行ったのち、不活性化処理を行った。
基材を高圧容器内に配置した後、高圧容器に80℃の二酸化炭素を導入し、容器内圧力を15MPaまで上昇させ超臨界状態とした。この状態にてメタノールを高圧容器内に導入した。導入したメタノールの量は二酸化炭素に対して体積比1/10とした。この状態で20分間保持した後、メタノールの導入を停止し、引き続いてヘキサメチルジシラザンを10vol%混合させたメタノール溶液を導入した。この状態で10分間保持した後、メタノール溶液の導入を停止し、さらに二酸化炭素をガス換算で50リットル流通させ、容器内を完全に二酸化炭素のみで置き換えた。その後容器を減圧して基材を取り出した。
得られた多孔質膜に対してFTIR分析を行った結果、処理前には強く観察された2920cm-1付近のCH2 の伸縮振動に起因するピークは全く観察されず、孔源材料として用いたヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドは完全に除去されていることが確認された。一方、2860cm-1および2960cm-1付近にCH3 の伸縮振動に起因するピークが観察され、上記ヘキサメチルジシラザンを含んだ超臨界流体を用いた不活性化処理により、骨格を形成するシリカ表面がCH3 基により終端されたことが確認された。
(比較例1)
比較例1として、実施例2における不活性化処理の際に不活性促進成分を超臨界流体に供給しない場合の処理結果について説明する。
上記実施例と同様にして一次膜を形成した基材を高圧容器内に配置した後、容器に80℃の二酸化炭素を導入し、容器内圧力を15MPaまで上昇させて超臨界状態とした。この状態にてメタノールを高圧容器内に導入した。導入したメタノールの量は二酸化炭素に対して体積比1/10とした。この状態で30分間保持した後、メタノールの導入を停止した。メタノールの導入停止後、さらに二酸化炭素をガス換算で50リットル流通させ、容器内を完全に二酸化炭素のみで置き換えた。その後容器を減圧して基材を取り出した。
得られた多孔質膜に対してFTIR分析を行った結果、処理前には強く観察された2920cm-1付近のCH2 の伸縮振動に起因するピークは全く観察されず、孔源材料として用いたヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドは完全に除去されていることが確認できたが、わずかではあるものの2860cm-1および2960cm-1付近にCH3 の伸縮振動に起因するピークが認められ、メタノールによるエステル化だけでは、シリカ表面がCH3 基により完全には終端されないことが確認された。
(比較例2)
比較例2として、上記比較例1において、高圧容器に40℃の二酸化炭素を導入し、他は同様の条件にて処理を行ったところ、孔源材料は完全に除去されたことが確認されたが、CH3 の伸縮振動に起因するピークは認められず、40℃の温度ではシリカ表面がCH3 基により全く終端されないことが分かった。
上記の実施例1、2および比較例1、2によって得られた多孔質膜の経時安定性を、膜厚およびXRD分析により求めた規則構造周期により評価した。評価結果を表1に示す。膜厚測定は光学干渉式膜厚計(大日本スクリーン社製ラムダエース)を用いて行った。またXRD分析は理学電機製RINT−1500により行った。線源にはCu、Kαを用いた。表1では所定時間経過後の膜厚として超臨界処理前の膜厚に対する比(%)を示し、規則構造周期(nm)は処理から1日経過した時点での測定結果を示す。表1より、実施例にかかる多孔質膜は、経時安定性に優れているが、比較例では経時変化が著しく、1週間を経ても安定化していないことが分かる。
Figure 0004382453
ミセルを形成する界面活性剤分子およびその周囲(一部図示省略)に形成されたシリカ骨格を示す説明図である。 界面活性剤分子が除去された空孔内部のシリカ骨格の表面状態を示す説明図である。 本発明を実施するための除去・不活性化処理装置の全体配置図を示す。

Claims (12)

  1. 多孔質材の骨格の基となる骨格材料と多孔質材の空孔の基となる孔源材料を含む一次膜を形成する一次膜形成工程と、
    前記一次膜から孔源材料を除去する除去工程と、
    前記除去工程により孔源材料を除去することによって露出した骨格の反応活性表面と不活性化促進成分とを反応させて前記反応活性表面を不活性化させる不活性化工程を有し、
    前記骨格材料としてシリカを主成分とするアルコキシドが用いられ、前記孔源材料として界面活性剤が用いられ、
    前記除去工程において前記一次膜から孔源材料を超臨界流体を用いて除去し、前記不活性化工程においてシリカで形成された骨格の反応活性表面を前記超臨界流体に供給した不活性化促進成分により不活性化させる、多孔質材の形成方法。
  2. 前記除去工程によって孔源材料の除去が完了したのと略同時に前記不活性化工程によって骨格の反応活性表面を不活性化させる請求項1に記載した多孔質材の形成方法。
  3. 多孔質材の骨格の基となる骨格材料と多孔質材の空孔の基となる孔源材料を含む一次膜を形成する一次膜形成工程と、前記一次膜から孔源材料を除去すると共に孔源材料の除去によって露出した骨格の反応活性表面と不活性化促進成分とを反応させて前記反応活性表面を不活性化させる除去・不活性化工程を有し、
    前記骨格材料としてシリカを主成分とするアルコキシドが用いられ、前記孔源材料として界面活性剤が用いられ、
    前記除去・不活性化工程において前記一次膜から孔源材料を不活性化促進成分を含む超臨界流体を用いて除去すると共に孔源材料の除去によって露出した、シリカで形成された骨格の反応活性表面を前記超臨界流体に含まれる不活性化促進成分により不活性化させる、多孔質材の形成方法。
  4. 前記骨格の反応活性表面と不活性化促進成分との反応が誘導体化反応である請求項1又は2に記載した多孔質材の形成方法。
  5. 前記骨格の反応活性表面と不活性化促進成分との反応が誘導体化反応である請求項3に記載した多孔質材の形成方法。
  6. 前記超臨界流体は、前記不活性化促進成分と超臨界流体とに相溶性を有する混合促進溶媒を含む請求項1から5のいずれか1項に記載した多孔質材の形成方法。
  7. 前記混合促進溶媒は有機溶媒である請求項6に記載した多孔質材の形成方法。
  8. 前記混合促進溶媒に対する前記不活性化促進成分の濃度が50 vol%以下である請求項6又は7に記載した多孔質材の形成方法。
  9. 前記超臨界流体は、その主成分が二酸化炭素、アルキルアルコールまたはこれら二種類以上の混合物からなる請求項1から8のいずれか1項に記載した多孔質材の形成方法。
  10. 前記不活性化促進成分は骨格の反応活性表面に対して反応可能な官能基と、反応不活性な官能基とを併せ持つ化合物からなる請求項1から9のいずれか1項に記載した多孔質材の形成方法。
  11. 前記反応不活性な官能基が疎水基である請求項10に記載した多孔質材の形成方法。
  12. 前記不活性化促進成分は誘導体化試薬である請求項10又は11に記載した多孔質材の形成方法。
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