JP2003268356A - 撥水性多孔質シリカ膜の製造方法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およびその用途 - Google Patents

撥水性多孔質シリカ膜の製造方法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およびその用途

Info

Publication number
JP2003268356A
JP2003268356A JP2002077109A JP2002077109A JP2003268356A JP 2003268356 A JP2003268356 A JP 2003268356A JP 2002077109 A JP2002077109 A JP 2002077109A JP 2002077109 A JP2002077109 A JP 2002077109A JP 2003268356 A JP2003268356 A JP 2003268356A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
porous silica
silica film
repellent porous
repellent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002077109A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Tanaka
中 博 文 田
Kazuo Takamura
村 一 夫 高
Shunsuke Oike
池 俊 輔 大
Takeshi Kubota
田 武 司 窪
Masami Murakami
上 雅 美 村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2002077109A priority Critical patent/JP2003268356A/ja
Publication of JP2003268356A publication Critical patent/JP2003268356A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明に係る撥水性多孔質シリカ膜の製造
方法は、一般式:Si(CH3)n4-n(n=1〜4)で表
されるメチルシラン類、および/または、一般式:Si
(CH3O)n4-n(n=1〜4)で表されるメトキシシラ
ン類、を用いて、放電分解法、または、UV光照射によ
る光CVD法により、ほぼ均一な細孔径を有する多孔質
シリカ膜を撥水処理することを特徴とする。 【効果】本発明の撥水性多孔質シリカ膜の製造方法によ
れば、光機能材料や電子機能材料に応用可能なほぼ均一
な細孔径を有し、400℃以上のプロセス温度にも撥水
性を維持することができ、膜強度が向上し、さらに誘電
率が低減された撥水性多孔質シリカ膜を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光機能材料や電子機能材
料に用いることができる撥水性多孔質シリカ膜の製造方
法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およ
びその用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、テトラエトキシシランを主
原料として形成されるほぼ均一なメソ細孔を有する多孔
質の無機化合物は、従来から用いられているゼオライト
等の酸化物に比べ、大きな細孔を有するため、触媒担
体、分離吸着剤、燃料電池、センサー、層間絶縁膜など
への利用が検討されている。
【0003】しかしながら、このほぼ均一なメソ細孔を
有する多孔質の無機化合物は、細孔容積が大きく、表面
積が大きく、さらに細孔表面に多数の水酸基が存在する
ため、吸湿性が高く、その吸着水によってメソ細孔を有
する多孔質構造が変化し、細孔の周期的な構造が崩壊す
るなどの問題点を有している。そのような課題を解決す
べく、例えば、特開昭56−14413号公報では、原
料に有機ハロゲン化ケイ素化合物を用いて、有機溶媒中
でSiO2と反応させることにより撥水性を付与するこ
とを提案している。この場合、結合した有機基がSiO
2に撥水性を付与しているが、有機物は耐熱性が低いた
め、400℃以上の耐熱性が要求される多孔質材料の吸
湿性を改善する方法としては、充分とは言えなかった。
【0004】また、カスタムLSI、ダイレクトランダ
ムアクセスメモリ(DRAM)等の層間絶縁膜にはこれ
まで、シリカ膜が使用されてきた。しかし、昨今、半導
体デザインルールの微細化に伴い、この絶縁膜の電気的
な誘電率を低減する必要が生じている。そこで、400
℃以上のプロセス温度にも撥水性を維持することがで
き、弾性率Eが平均値として6GPa以上である膜強度
を有し、さらに誘電率kが2以下である多孔質材料が求
められている。
【0005】例えば、有機Low−k膜といった多孔質
材料は、ポリアリレンエーテル(PAE)の誘電率kが
約2.6であり使用することができない。また、これま
でに知られているナノポーラスシリカ膜は強度が不足す
るため、化学・機械的研磨法(CMP)による平坦化プ
ロセスが適用できないといった問題があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
課題を解決するものであって、光機能材料や電子機能材
料に応用可能なほぼ均一な細孔径を有しており、400
℃以上のプロセス温度にも撥水性を維持することがで
き、膜強度が向上し、さらに誘電率が低減された撥水性
多孔質シリカ膜の製造方法を提供することを目的として
いる。
【0007】また、本発明は、このような方法によって
得られた撥水性多孔質シリカ膜を提供することを目的と
している。さらに本発明は、上記撥水性多孔質シリカ膜
を電子材料、または熱履歴、化学・機械研磨に耐えうる
0.13μm世代以降の次世代LSI用の低誘電率絶縁
膜材料に用いることを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る撥水性多孔質シリカ膜の製
造方法は、一般式:Si(CH3)n4-n(n=1〜4)で
表されるメチルシラン類、および/または、一般式:S
i(CH3O)n4-n(n=1〜4)で表されるメトキシシ
ラン類、を用いて、放電分解法により、ほぼ均一な細孔
径を有する多孔質シリカ膜を撥水処理すること、また
は、一般式:Si(CH3)n4-n(n=1〜4)で表され
るメチルシラン類、および/または、一般式:Si(C
3O)n4-n(n=1〜4)で表されるメトキシシラン
類、を用いて、UV光照射による光CVD法により、ほ
ぼ均一な細孔径を有する多孔質シリカ膜を撥水処理する
ことを特徴としている。
【0009】上記メチルシラン類および/またはメトキ
シシラン類と共に、さらに、ジボランおよび/またはホ
スフィンを用いることが好ましい。上記メチルシラン類
が、トリメチルシランであることも好ましい。本発明に
係る撥水性多孔質シリカ膜は、上記の方法によって製造
されたことを特徴としている。
【0010】また、上記撥水性多孔質シリカ膜のフッ素
含有率が、0.3〜15.0重量%の量(ただし、撥水
性多孔質シリカ膜が100重量%)であることが好まし
い。さらに、上記撥水性多孔質シリカ膜が、窒素ガス吸
着法で測定した場合に、平均細孔径1.3〜10nmの
細孔を有し、かつ、六方晶系の周期的な結晶構造を有し
ていることも好ましい。
【0011】本発明に係る電子材料、または半導体素子
用層間絶縁膜は、上記の撥水性多孔質シリカ膜が用いら
れていることを特徴としている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に係る撥水性多孔質シリカ膜の製造方法
は、一般式:Si(CH3)n4-n(n=1〜4)で表され
るメチルシラン類、および/または、一般式:Si(C
3O)n4-n(n=1〜4)で表されるメトキシシラン
類、を用いて、グロー放電分解法、または、UV光照射
による光CVD法により、ほぼ均一な細孔径を有する多
孔質シリカ膜を撥水処理することにより行われる。
【0013】本発明において撥水性とは、特に限定され
ないが、本発明の撥水性多孔質シリカ膜の水滴接触角が
90°以上、好ましくは120°以上であることを指
す。まず、以下に、ほぼ均一な細孔径を有する多孔質シ
リカ膜の製造方法について、説明する。[塗布液の調製] 本発明に用いられるほぼ均一な細孔径
を有する多孔質シリカ膜を調製するには、まず塗布液の
調製を行なう。
【0014】そのような塗布液の調製は、具体的には、
(1)それぞれ後述するような成分であるフッ素含有ト
リアルコキシシラン類、テトラアルコキシシラン類、界
面活性剤、pH調整剤、および水、さらに必要に応じて
溶媒を一度に添加して数分〜5時間程度攪拌して得るこ
とができ、また、(2)フッ素含有トリアルコキシシラ
ン類、テトラアルコキシシラン類、pH調整剤、および
水、さらに必要に応じて溶媒を添加し、10分〜5時間
程度攪拌して、一部加水分解を行った後に、界面活性剤
を添加し、さらに数分〜5時間程度攪拌して得ることも
できる。
【0015】本発明において塗布液の調製は、室温下
で、界面活性剤を添加した後、数分〜5時間程度攪拌す
ることが好ましい。上記反応により、フッ素含有トリア
ルコキシシラン類とテトラアルコキシシラン類とが部分
的に加水分解する。それにより、フッ素原子またはフッ
素含有基は、シリカフィルムの母体となる共重合体中に
高分散化および固定化された後、空孔部におけるシリカ
表面にフッ素が固定化され、シリカへの水の吸着阻害に
よるものとみられる膜の誘電率低下という効果が得られ
る。
【0016】上記反応は、pH7以下、好ましくはpH
1〜4の範囲で行うことが望ましい。上記pHの範囲内
で加水分解を行なうことにより、アルコキシシラン類の
縮合を抑制することができる。フッ素含有トリアルコキシシラン類 上記フッ素含有トリアルコキシシラン類は、 一般式;(ZO)3SiR 〔式中、Zは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブ
チル基、またはsec−ブチル基を示し、複数のZは、
互いに同一でも異なっていてもよく、Rは、フッ素原
子、 一般式;(CH2a(CF2b(O(CF2cdX (式中、Xはフッ素原子、OCF3、OCF(C
32、OC(CF33、アルキル基、フェニル基を示
し、a=0〜3、b=0〜3、c=1〜3、d=0〜3
である。)、あるいは、 一般式;C6e5-e (式中、e=0〜4である。)を示す。〕で表される。
このようなフッ素含有トリアルコキシシラン類として
は、具体的には、トリメトキシフルオロシラン、トリエ
トキシフルオロシラン、トリイソプロポキシフルオロシ
ラン、トリブトキシフルオロシラン等が挙げられる。こ
れらうちでフッ素含有トリアルコキシシラン類として
は、好ましくは、トリエトキシフルオロシランを用いる
ことが望ましい。これらのフッ素含有トリアルコキシシ
ラン類は1種または2種以上の組み合わせで用いること
ができる。
【0017】本発明において、フッ素含有トリアルコキ
シシラン類として、トリエトキシフルオロシランを用い
ることにより、Si−F結合導入によるものと思われる
膜の吸水率低下効果が得られる。テトラアルコキシシラン類 また、上記塗布液の製造に用いられるテトラアルコキシ
シラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブチ
ルシラン等のアルコキシ基の炭素数が1〜5程度のもの
が挙げられる。これらのテトラアルコキシシラン類のう
ちでは、好ましくは、テトラエトキシシランを用いるこ
とが望ましい。これらのテトラアルコキシシラン類は1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】本発明において、テトラアルコキシシラン
類として、テトラエトキシシランを用いることにより、
テトラメトキシシランを用いた場合よりも、加水分解し
てできるエタノールを除去する温度での蒸気圧を低く抑
えることができ温度マージンを取ることができる。上記
フッ素含有トリアルコキシシラン類とテトラアルコキシ
シラン類とのモル比を変えることにより、シリカ骨格内
に固定化できるフッ素量(フッ素含有基量)を変えるこ
とができる。シリカ骨格内のフッ素含有率は、XPS等
の元素分析によって測定することができる。
【0019】そのようなフッ素含有トリアルコキシシラ
ン類とテトラアルコキシシラン類とのモル比(フッ素含
有トリアルコキシシラン類/テトラアルコキシシラン
類)は、好ましくは0.01〜1.2、さらに好ましく
は0.01〜0.5、特に好ましくは0.05〜0.3
の範囲が望ましい。モル比が上記範囲にあることによ
り、立方晶系の周期的な結晶構造を有し、細孔の大きさ
が揃っている撥水性多孔質シリカ膜を得ることができ
る。
【0020】上記モル比が、この範囲より小さいと、多
孔質シリカ膜に撥水性の効果が得られない傾向があり、
また、この範囲より大きいと細孔の大きさは不揃いとな
り、上記周期構造を形成できない傾向がある。さらに、
上記の範囲内であっても配列が短期的に変わるために、
ミクロ的には上記周期構造を形成していても小角X線回
折法でははっきりしたピークが得られない可能性があ
る。つまり、いわゆる不規則な配列構造も製造条件によ
っては得られる可能性があるが、この場合においても、
上記周期構造を有し、細孔の大きさが揃っている撥水性
多孔質シリカ膜を得ることができる。六方晶系の周期的
な結晶構造は、断面TEM観察により確認され、細孔の
大きさは窒素ガス吸着法により確認される。
【0021】界面活性剤 また、上記塗布液の製造に用いられる界面活性剤として
は、通常、長鎖アルキル基および親水基を有する化合物
を使用することができる。長鎖アルキル基としては、好
ましくは炭素原子数8〜24のもの、さらに好ましくは
炭素原子数12〜18のものが望ましく、また、親水基
としては、例えば、4級アンモニウム塩、アミノ基、ニ
トロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げら
れ、好ましくは4級アンモニウム塩、またはヒドロキシ
ル基であることが望ましい。
【0022】そのような界面活性剤としては、具体的に
は、 一般式:Cn2n+1N(CH33X (式中、nは8〜24の整数であり、Xはハロゲン化物
イオン、HSO4 -または有機アニオンである。)で表さ
れるアルキルアンモニウム塩の使用が好ましい。上記一
般式で表される界面活性剤は、ミセルを形成し、規則的
に配列する。本発明においては、このミセルをテンプレ
ートとして、シリカと複合体をつくり、テンプレートを
除去すると均一で規則的な細孔を有する多孔質シリカ膜
を調製することができる。
【0023】本発明に用いられる多孔質シリカ膜の製造
方法において、界面活性剤と、フッ素含有トリアルコキ
シシラン類およびテトラアルコキシシラン類とのモル比
を変えることにより、得られる多孔質シリカ膜の結晶構
造を制御することができる。界面活性剤のモル数は、フ
ッ素含有トリアルコキシシラン類およびテトラアルコキ
シシラン類の合計モル数に対して、好ましくは0.03
〜1倍、さらに好ましくは0.05〜0.2倍、特に好
ましくは0.07〜0.15倍の範囲が望ましい。上記
一般式で表される界面活性剤が上記範囲にあることによ
り、自己組織化に寄与できない過剰なシリカが混在する
ことがないため、フィルムの多孔質性が向上し、さら
に、ほぼ均一な細孔を有する六方晶系の周期的な結晶構
造を形成することができるため、焼成によってその構造
が崩壊しない。
【0024】また、界面活性剤としては、ポリアルキレ
ンオキサイド構造を有する化合物も使用できる。ポリア
ルキレンオキシド構造としてはポリエチレンオキシド構
造、ポリプロピレンオキシド構造、ポリテトラメチレン
オキシド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げら
れる。
【0025】そのようなポリアルキレンオキサイド構造
を有する化合物としては、具体的には、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、
ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルなどのエーテル型化合物;ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げるこ
とができる。本発明において、界面活性剤は、これらか
ら選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いるこ
とできる。
【0026】界面活性剤が、ポリアルキレンオキサイド
構造を有する化合物の場合には、界面活性剤のモル数が
アルコキシシラン類のモル数に対して、好ましくは0.
003〜0.05倍、さらに好ましくは0.005〜
0.03倍、特に好ましくは0.007〜0.02倍の
範囲が望ましい。上記ポリアルキレンオキサイド構造を
有する界面活性剤が上記範囲にあることにより、自己組
織化に寄与できない過剰なシリカが混在することがない
ため、フィルムの多孔質性が向上し、さらに、ほぼ均一
な細孔を有する立方晶系の周期的な結晶構造を形成する
ことができるため、焼成によってその構造が崩壊しな
い。
【0027】界面活性剤が上記に示した範囲で添加され
るのであれば、界面活性剤の状態は問われず、固体状
態、溶媒に溶解した状態の何れの状態であってもよい。pH調整剤 さらに、上記塗布液の製造に用いられるpH調整剤とし
ては酸が用いられ、酸であれば特に限定されないが、具
体的には、塩酸、臭酸、硝酸等を挙げることができる。
【0028】またさらに、添加する水の量はアルコキシ
シラン1モル当たり、0.5〜20モルの範囲が好まし
い。溶剤 またさらに、上記塗布液の製造に用いられる溶媒として
は、メタノール、エタノール、1−プロパノール等の一
級アルコール;2−プロパノール、2−ブタノール等の
二級アルコール;ターシャリーブチルアルコール等の三
級アルコール;アセトン、アセトニトリル等が挙げられ
る。溶媒は、これらから選ばれる1種または2種以上を
組み合わせて用いることできる。
【0029】ほぼ均一な細孔を有する多孔質シリカ膜の
製造方法 本発明に用いられるほぼ均一な細孔を有する多孔質シリ
カ膜の製造方法は、上記のようにして得られた塗布液
を、基材に塗布し、さらに乾燥し、その後焼成あるいは
抽出により界面活性剤を除去して製造する方法である。
なお、本発明において、ほぼ均一な細孔径を有すると
は、断面TEMで、周期的コントラストが得られること
を意味する。
【0030】本発明に用いられる多孔質シリカ膜は、上
記のようにして得られた塗布液を、基材に塗布し、さら
に乾燥し、その後焼成あるいは抽出により界面活性剤を
除去して製造される。基材に塗布液を塗布する方法とし
ては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、デ
ィップコート法等の一般的な方法が挙げられる。スピン
コート法の場合、スピナー上に基材を置き、該基材上に
試料を滴下し、500〜10000rpmで回転させるこ
とにより、フィルム表面が平滑性に優れる均一な膜厚の
多孔質シリカ膜が得られる。
【0031】また、乾燥条件は特に限定されず、溶媒が
蒸発できればよい。またさらに、焼成条件も特に限定さ
れず、界面活性剤が除去できる温度であればよく、焼成
雰囲気も、大気中、不活性ガス中、真空中のいずれでも
行なうことができる。上記基材としては、一般的に用い
られるものであれば何れのものも使用できる。例えば、
ガラス、石英、シリコンウエハー、ステンレス等が挙げ
られる。また、板状、皿状等の何れの形状であってもよ
い。
【0032】該多孔質シリカ膜の膜厚は、0.01〜
2.0μm、好ましくは0.05〜0.15μmが望ま
しい。膜厚は、接触式膜厚測定装置によって測定され
る。多孔質シリカ膜の膜厚が上記範囲にあることによ
り、得られる撥水性多孔質シリカを膜層間絶縁膜に適用
することができる。また、上記多孔質シリカ膜を撥水処
理する前に、光洗浄法等の方法によって多孔質シリカ膜
の有機物を除去することが好ましい。該多孔質シリカ膜
の有機物を除去することにより、下記の撥水処理を効率
よく行なうことができる。光洗浄法は、1〜100Pa
圧力下、エキシマランプ(ウシオ電機;UER20-172
V)等を使用し、波長172nm、照度10mW/cm
2のUV光を照射して行なう。照射時間は、多孔質シリ
カ膜の有機物の量や照射条件等によって変化するが、U
V照射後の多孔質シリカ膜に水滴を滴下した場合に、水
滴が多孔質シリカ膜に濡れ広がり、水滴接触角が測定で
きない程度にまでUV照射することが好ましい。
【0033】このようにして得られた多孔質シリカ膜を
用い、さらに該表面および空孔部のシリカ表面を撥水処
理することにより、本発明の撥水性多孔質シリカ膜が製
造される。以下に、本発明に係る撥水性多孔質シリカ膜
の製造方法について説明する。[撥水性多孔質シリカ膜の製造方法] 本発明に係る撥水
性多孔質シリカ膜の製造方法は、一般式:Si(CH3)n
4-n(n=1〜4)で表されるメチルシラン類、および
/または、一般式:Si(CH3O)n4-n(n=1〜4)
で表されるメトキシシラン類、を用いて、グロー放電分
解法、または、UV光照射による光CVD法により、上
記の製造方法で得られた多孔質シリカ膜の表面を撥水処
理することにより行なう。
【0034】上記多孔質シリカ膜の撥水処理は、通常行
われるプロセスが適用可能であり、真空排気、基板温度
の調整、ガス(原料ガス、必要に応じて、副原料ガスま
たは希釈ガスなど)の導入、グロー放電の発生またはU
V光照射といった工程により行われる。以下、図面を参
照しながら本発明に用いられるグロー放電分解法、UV
光照射による光CVD法について説明する。
【0035】上記グロー放電分解法としては、プラズマ
CVD装置が用いられる。図1は、プラズマCVD装置
の概略図を示している。図1に示したように、プラズマ
CVD装置1は、基本的には、プラズマCVDチャンバ
ー10、真空排気部20、ガス供給部30、グロー放電
発生部(高周波電源)40、基板加熱部(ヒーター電
源)11を備えている。多孔質シリカ膜が形成された基
板12(以下、基板12とも言う。)はグロ─放電発生
部40のアノ─ド電極側に設置され、基板加熱部11に
より基板温度が50〜450℃、好ましくは350〜4
00℃とすることが望ましい。上記基板温度とすること
により、膜中の水分が膜外へ排出された後に、ガスのグ
ロー放電処理により疎水基を導入することにより、膜の
撥水性が保たれ、さらに、誘電率を保つことができる。
【0036】基板12の温度の調整を行った後、プラズ
マCVDチャンバー10を真空排気部20により1〜1
0Pa程度に減圧した後、プラズマCVDチャンバー1
0が、0.1〜1.0×105Pa、好ましくは100
〜1.0×104Paの範囲となるようにガス供給部3
0からガスを供給する。ガスを導入した後、ガスが多孔
質シリカ内に適量導入するように、プラズマCVDチャ
ンバー10内において、基板12を10〜3600秒の
間、ガス中に滞留された後、グロー放電発生部40でグ
ロー放電を発生させ、ガス分解を行い、基板12に形成
された多孔質シリカ膜の撥水処理を行なう。
【0037】放電は、工業的には、13.56MHzの
高周波電源を用い、電力密度1.0×10-3〜1W/c
2、印加時間1〜5秒間で行われる。また、ガスを真
空排気した後、この操作を1回または複数回繰り返し行
う。また、100MHz,2.45GHzといった、V
HF、マイクロ波を用いて分解を行なってもよく、この
場合、放電が可能な範囲で高周波印加電極を膜側へ接近
させ、膜内部への電界を強くすることで膜内部へのグロ
ー放電強度を強くすることができるため、より好ましい
方法である。
【0038】また、上記UV光照射による光CVD法と
しては、光CVD装置が用いられる。図2は、光CVD
装置の概略図を示している。図2に示したように、光C
VD装置2は、基本的には、光CVDチャンバー60、
真空排気部70、ガス供給部80、UV光源61、基板
加熱部(ヒーター電源)62を備えている。多孔質シリ
カ膜が形成された基板63(以下、基板63とも言
う。)は、基板加熱部62により、グロー放電分解法の
場合と同様の温度範囲に加熱される。
【0039】基板63の温度の調整を行った後、グロー
放電分解法の場合と同様の条件で、光CVDチャンバー
60を真空排気部70により減圧した後、ガス供給部8
0からガスを供給し、基板63を10〜3600秒の
間、ガス中に滞留させる。その後、UV光源61からU
Vを照射して、ガス分解を行い、基板63に形成された
多孔質シリカ膜の撥水処理を行なう。UV光源61とし
ては、ガスが光吸収分解を起す波長を励起する光源を用
いる。例えば、ガスがトリメチルシランであれば、エキ
シマランプを用いて、必要量照射して行なう。具体的に
は、波長172nm、照度10mW/cm2のUV光
を、10〜3600秒間照射して行なう。
【0040】上記多孔質シリカ膜の撥水処理に用いられ
る原料ガスとしては、一般式:Si(CH3)n4-n(n=
1〜4)で表されるメチルシラン類、および/または、
一般式:Si(CH3O)n4-n(n=1〜4)で表される
メトキシシラン類が用いられ、本発明においてはメチル
シラン類を用いることが好ましい。
【0041】上記一般式:Si(CH3)n4-n(n=1〜
4)で表されるメチルシラン類としては、n=1である
ところのモノメチルシラン、n=2であるところのジメ
チルシラン、n=3であるところのトリメチルシラン、
n=4であるところのテトラメチルシランが挙げられ
る。特に本発明で解決しようとしている層間絶縁膜の作
成にはn=3のトリメチルシランを使用した場合が、工
業的にみて有用である。
【0042】上記一般式:Si(CH3O)n4-n(n=1
〜4)で表されるメトキシシラン類としては、n=1で
あるところのモノメトキシシラン、n=2であるところ
のジメトキシシラン、n=3であるところのトリメトキ
シシラン、n=4であるところのテトラメトキシシラン
が挙げられる。好ましくはトリメトキシシランが有用で
ある。このようなメトキシシラン類は、室温で液体のた
め、加熱することによりガス状にし、撥水性多孔質シリ
カ膜の製造に用いられる。
【0043】また、上記多孔質シリカ膜の撥水処理に用
いられる副原料ガスとしては、水素、アルゴン、ヘリウ
ム、クリプトン、キセノンなどを挙げることができる。
このような副原料ガスを添加することにより、シリカ表
面で不活性な部分においてもシリル化が可能となり、さ
らに膜の撥水性を高めることができる。さらに、ジボラ
ン(B26)、ホスフィン(PH3)等のドーパントガ
スを、1種または2種以上添加することができる。該ジ
ボランやホスフィン等のドーパントガスを微量導入する
ことで、得られる撥水性多孔質シリカ膜の電気絶縁性を
向上させることができ、その中でも、特に、ホスフィン
等のPを含有するガスを用いると、層間絶縁膜としての
銅バリア性の向上に寄与するため好ましい。
【0044】上記撥水処理は、上述のように多孔質シリ
カ膜の化学的処理によって行なわれ、具体的には、原料
ガスとしてトリメチルシランまたはトリメトキシシラン
を用いた場合、下記一般式で表されるような多孔質シリ
カ膜の水酸基と、トリメチルシラン(またはトリメトキ
シシラン)とが、脱水反応または脱水素反応し、Si−
Si結合、または、Si−O−Si結合によって多孔質
シリカ膜表面に固定化されると考えられる。また、原料
ガスとして、モノメチルシランまたはジメチルシランを
用いた場合、モノメトキシシランまたはジメトキシシラ
ンを用いた場合においても同様の反応が起こり、多孔質
シリカ膜表面に固定化されると考えられる。さらに、テ
トラメチルシランまたはテトラメトキシシランを用いた
場合においては、反応機構は不明であるが、Si−Si
結合、または、Si−O−Siによって多孔質シリカ膜
表面に固定化されると考えられる。また、固定化された
メチルシラン類、メトキシシラン類は、互いにSi−S
i結合、または、Si−O−Si結合によって結合する
と考えられ、さらに、多孔質シリカ膜の表面に形成され
た撥水処理層(膜)の表面には、メチル基または水素原
子が配列していると考えられる。
【0045】
【化1】
【0046】上記撥水処理により、多孔質シリカ膜に撥
水処理層(膜)が形成され、その膜厚は、原料ガスによ
って異なり一概に決定されないが、0.1〜2nm、好
ましくは0.2〜0.5nmであることが望ましい。該
膜厚が上記範囲にあることにより、多孔質シリカ膜が持
つ物性を変化させずに膜表面の化学的性質だけを変化さ
せることができる。また、膜厚は窒素ガス吸着法の疎水
化前後の平均空孔径の変化によって測定される。
【0047】また、多孔質シリカ膜の撥水処理には、原
料ガスとしてメチルシラン類および/またはメトキシシ
ラン類が用いられるが、これらに替えて、エチル基を有
するシラン類やエトキシ基を有するシラン類などを用い
ることは、特に本発明を妨げるものではない。しかしな
がら、エチル基はメチル基に比べてその分子が大きいた
め、多孔質シリカ膜を撥水処理する場合、多孔質シリカ
膜の1.3〜10nmの微細孔に対して、ガス浸透が遅
くなることは容易に類推でき、また、該処理によって得
られる多孔質シリカ膜は、その空孔率が下がり、膜誘電
率が上昇する傾向がある。
【0048】[撥水性多孔質シリカ膜]上記の製造方法
により得られた、本発明の撥水性多孔質シリカ膜は、シ
リカ骨格内にメチル基が共有結合により固定化されたシ
リカ骨格を有し、かつほぼ均一な細孔を有する撥水性多
孔質シリカからなるフィルムである。上記撥水性多孔質
シリカ膜のフッ素含有率が、0.3〜15.0重量%、
好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは2〜5重量
%の量(ただし、撥水性多孔質シリカ膜が100重量
%)であることが望ましい。それによりポーラスシリカ
の周期構造を維持し、膜強度を5GPaに保ったまま、
大気中の誘電率を2以下とすることが可能となった。
【0049】上記撥水性多孔質シリカ膜は、窒素ガス吸
着法で測定した平均細孔径が1.3〜10nm、好まし
くは3〜9nm、さらに好ましくは4〜7nmの細孔を
有していることが望ましい。さらに、上記撥水性多孔質
シリカ膜は、立方晶系の周期的な結晶構造を有している
ことが望ましい。それにより、50%以上の空孔率を有
する低密度膜においても、実用性のある膜強度を維持す
ることができる。また、立方晶系の周期的な結晶構造を
有していることは、断面TEM観察により確認される。
【0050】さらに、上記撥水性多孔質シリカ膜の誘電
率kが3以下、好ましくは2以下であることが望まし
い。それによりLSI配線遅延を小さくすることができ
る。またさらに、膜強度の指標である弾性率Eが、3G
Pa以上、好ましくは5GPa以上であることが望まし
い。弾性率Eが上記範囲であることにより、本発明の撥
水性多孔質シリカ膜を、化学・機械的研磨法(CMP)
による平坦化プロセスに適用することができる。
【0051】またさらに、上記撥水性多孔質シリカ膜の
吸水率(30℃、80%RH、100時間放置後)は、
1%以下、好ましくは0.1%以下であることが望まし
い。該撥水性多孔質シリカ膜の吸水率が上記範囲にある
ことにより、大気中での誘電率変化は、実用上問題がな
くなる。[撥水性多孔質シリカ膜の用途] 本発明の撥水性多孔質
シリカ膜は、LSIの層間絶縁膜、誘電体の絶縁材料な
どの半導体材料に用いられる。
【0052】本発明の撥水性多孔質シリカ膜を、トラン
ジスタの層間絶縁膜として形成することで、従来のシリ
カ膜(kが約4)を適用した、同一設計の半導体メモリ
と比較して、トランジスタ間の寄生容量を100%低減
することが可能である。また、本発明においては、撥水
性多孔質シリカ膜としてだけではなく、撥水性多孔質シ
リカとして得ることが可能である。
【0053】その場合、撥水性多孔質シリカの製造方法
は、多孔質シリカを用い、上述と同様の方法で、該多孔
質シリカ表面の撥水処理を行なう。得られた撥水性多孔
質シリカの用途は、ガス吸着剤などが挙げられる。
【0054】
【発明の効果】本発明の撥水性多孔質シリカ膜の製造方
法によれば、光機能材料や電子機能材料に応用可能なほ
ぼ均一な細孔径を有し、400℃以上のプロセス温度に
も撥水性を維持することができ、膜強度が向上し、さら
に誘電率が低減された撥水性多孔質シリカ膜を得ること
ができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、以下の実施例で行ったフィルム膜
厚の測定、水滴接触角の測定、誘電率の測定、吸水率の
測定、平均細孔径の測定、フッ素含有率の測定、弾性率
の測定、処理層(膜)の膜厚の測定、は以下のようにし
て行った。
【0056】<フィルム膜厚dの測定>接触式膜厚測定
装置(型式:DEKTAK3030(ULVAC社
製))を用い、走査範囲1mm(speed;midd
le)でフィルムの膜厚を測定した。 <水滴接触角の測定>疎水化処理された膜表面に注射針
を用いて純水を滴下した後、角度目盛り付き光子顕微鏡
で、接触角を横から測定した。
【0057】<誘電率kの測定>HP4197Aを用い
て、100KHのときの容量値c、電極面積s、膜厚d
から以下の式を用いて求めた。
【0058】
【数1】
【0059】<吸水率の測定>得られた撥水性多孔質シ
リカ膜を、25℃、50%RH、常圧下において100
時間放置し、水晶振動子の重量変化を換算して吸水率を
測定した。 <平均細孔径の測定>窒素ガス吸着装置(ユアサ AU
TOSORB 1−MP)を用いて測定を行った。
【0060】<フッ素含有率の測定>XPSプロファイ
ル測定により深さ方向分布を測定して求めた。(表面部
の変化しているところを除いた平均値) <弾性率の測定>ナノインデンテーターにより測定を行
った。
【0061】<処理層(膜)の膜厚の測定>平均細孔径
の処理前後の変化の1/2で示した。
【0062】
【実施例1】テトラエトキシシラン(和光純薬(株)
製)7.0g、トリエトキシフルオロシラン(TCI社
製)0.3gおよび1-プロパノール17mLを混合攪
拌した後、1N塩酸0.4mLおよび水2.0mLを添
加し、さらに1.5時間攪拌した。次いで、2-ブタノ
ール9.0mLを添加し,水4.5mLに溶解した塩化
セチルトリメチルアンモニウム(和光純薬(株)製)
0.95gを混合した。2時間攪拌後、透明、均一な塗
布液を得た。
【0063】この塗布液をトレンチ加工(Cuメッキ埋
込み/SiNキャップ膜形成)された6inchシリコンウ
ェハー表面上に10mLのせ、2000rpmで10秒
間回転させ、シリコンウエハー表面に塗膜(湿潤状態)
を調製した。得られた上記塗膜を100℃で60分間乾
燥し、さらに、窒素雰囲気下で400℃で1時間焼成し
て、空孔を有するフッ素化シリカ膜の形成を行なった。
接触式膜厚測定装置によって測定したところ、膜厚は約
0.25μmであった。
【0064】次に、プラズマCVD装置(ULVAC社
製)のチャンバー内に上記フッ素化シリカ膜が形成され
た基板を入れ、5Pa程度に減圧した後、基板温度40
0℃に加熱し、トリメチルシランガスおよび水素ガスを
導入し、トリメチルシランガス分圧10,000Pa、
水素ガス分圧100Paにて、60秒間チャンバー内に
保持した。その後、13.56MHzの高周波電力を電
力密度0.1W/cm 2印加して、ガス分解を行なっ
た。高周波電力印加時間は、5秒間であった。その後、
真空排気し、水素ガスを導入し、圧力100Pa、電力
密度0.1W/cm2で30秒間処理を行った。処理
後、基板を取り出し、上記測定法に従い物性を測定した
ところ、水滴接触角;115°、誘電率k;2.0、吸
水率;0.5%、平均細孔径;3.9nm、フッ素含有
率;4重量%、弾性率E;5.4GPaであった。ま
た、フッ素化シリカ膜表面に形成された処理層(膜)の
膜厚は、0.5nmであった。さらに、断面TEM観察
により、立方晶系の周期的な結晶構造を有していること
が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、プラズマCVD装置の概略図である。
【図2】図2は、光CVD装置の概略図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・プラズマCVD装置 2・・・・・・・光CVD装置 10・・・・・・プラズマCVDチャンバー 11,62・・・基板加熱部(ヒーター電源) 12,63・・・多孔質シリカ膜が形成された基板 20,70・・・真空排気部 30,80・・・ガス供給部 40・・・・・・グロー放電発生部(高周波電源) 60・・・・・・光CVDチャンバー 61・・・・・・UV光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 池 俊 輔 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 窪 田 武 司 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 村 上 雅 美 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4G072 AA25 BB09 BB15 GG01 GG03 HH14 HH29 HH30 QQ06 4H020 BA31 5F058 BA20 BC02 BF05 BF07 BH17 BH20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式:Si(CH3)n4-n(n=1〜4)
    で表されるメチルシラン類、および/または、 一般式:Si(CH3O)n4-n(n=1〜4)で表される
    メトキシシラン類、を用いて、放電分解法により、ほぼ
    均一な細孔径を有する多孔質シリカ膜を撥水処理するこ
    とを特徴とする撥水性多孔質シリカ膜の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式:Si(CH3)n4-n(n=1〜4)
    で表されるメチルシラン類、および/または、 一般式:Si(CH3O)n4-n(n=1〜4)で表される
    メトキシシラン類、を用いて、UV光照射による光CV
    D法により、ほぼ均一な細孔を有する多孔質シリカ膜を
    撥水処理することを特徴とする撥水性多孔質シリカ膜の
    製造方法。
  3. 【請求項3】上記メチルシラン類および/またはメトキ
    シシラン類と共に、さらに、ジボランおよび/またはホ
    スフィンを用いることを特徴とする請求項1または2に
    記載の撥水性多孔質シリカ膜の製造方法。
  4. 【請求項4】上記メチルシラン類が、トリメチルシラン
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の撥水性多孔質シリカ膜の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の方法によ
    って製造されたことを特徴とする撥水性多孔質シリカ
    膜。
  6. 【請求項6】上記撥水性多孔質シリカ膜のフッ素含有率
    が、0.3〜15.0重量%の量(ただし、撥水性多孔
    質シリカ膜が100重量%)であることを特徴とする請
    求項5に記載の撥水性多孔質シリカ膜。
  7. 【請求項7】上記撥水性多孔質シリカ膜が、窒素ガス吸
    着法で測定した場合に、平均細孔径1.3〜10nmの
    細孔を有し、かつ、六方晶系の周期的な結晶構造を有し
    ていることを特徴とする請求項5または6に記載の撥水
    性多孔質シリカ膜。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれかに記載の撥水性多
    孔質シリカ膜が用いられていることを特徴とする電子材
    料。
  9. 【請求項9】請求項5〜7のいずれかに記載の撥水性多
    孔質シリカ膜が用いられていることを特徴とする半導体
    素子用層間絶縁膜。
JP2002077109A 2002-03-19 2002-03-19 撥水性多孔質シリカ膜の製造方法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およびその用途 Pending JP2003268356A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002077109A JP2003268356A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 撥水性多孔質シリカ膜の製造方法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002077109A JP2003268356A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 撥水性多孔質シリカ膜の製造方法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003268356A true JP2003268356A (ja) 2003-09-25

Family

ID=29205601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002077109A Pending JP2003268356A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 撥水性多孔質シリカ膜の製造方法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003268356A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005191437A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Ricoh Co Ltd 半導体装置、その製造方法、および表示装置
JP2012006783A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Mitsui Chemicals Inc 多孔質無機酸化物およびその製法
US8384208B2 (en) 2006-07-12 2013-02-26 Sanyo Electric Co., Ltd. Semiconductor device and method of fabricating the same
JP2013227206A (ja) * 2012-03-27 2013-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp シリカ多孔質膜
WO2022137985A1 (ja) 2020-12-24 2022-06-30 富士フイルム株式会社 内視鏡用可撓管、内視鏡型医療機器、及びこれらの製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001351911A (ja) * 2000-04-03 2001-12-21 Ulvac Japan Ltd 多孔質sog膜の作製方法
JP2002075982A (ja) * 2000-08-29 2002-03-15 Clariant (Japan) Kk 低誘電率多孔質シリカ質膜、半導体装置およびコーティング組成物
JP2002293529A (ja) * 2000-04-28 2002-10-09 Mitsui Chemicals Inc 撥水性多孔質シリカ、その製造方法および用途

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001351911A (ja) * 2000-04-03 2001-12-21 Ulvac Japan Ltd 多孔質sog膜の作製方法
JP2002293529A (ja) * 2000-04-28 2002-10-09 Mitsui Chemicals Inc 撥水性多孔質シリカ、その製造方法および用途
JP2002075982A (ja) * 2000-08-29 2002-03-15 Clariant (Japan) Kk 低誘電率多孔質シリカ質膜、半導体装置およびコーティング組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005191437A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Ricoh Co Ltd 半導体装置、その製造方法、および表示装置
US8384208B2 (en) 2006-07-12 2013-02-26 Sanyo Electric Co., Ltd. Semiconductor device and method of fabricating the same
JP2012006783A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Mitsui Chemicals Inc 多孔質無機酸化物およびその製法
JP2013227206A (ja) * 2012-03-27 2013-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp シリカ多孔質膜
WO2022137985A1 (ja) 2020-12-24 2022-06-30 富士フイルム株式会社 内視鏡用可撓管、内視鏡型医療機器、及びこれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7381441B2 (en) Low metal porous silica dielectric for integral circuit applications
KR100468795B1 (ko) 발수성 다공질 실리카, 그의 제조 방법, 및 그의 용도
JP2004511896A (ja) 誘電フィルム及び材料における疎水性を回復する方法
KR100627098B1 (ko) 저유전율 절연막의 형성 방법
KR20110021951A (ko) 다공성 물질의 제조 방법 및 그 방법으로 제조된 다공성 물질
CN1782125A (zh) 形成介电膜的方法和介电膜
US20090206453A1 (en) Method for Preparing Modified Porous Silica Films, Modified Porous Silica Films Prepared According to This Method and Semiconductor Devices Fabricated Using the Modified Porous Silica Films
JP2004161601A (ja) 低誘電率材料を調製するための組成物
WO2007020878A1 (ja) 多孔質シリカの製造方法および製造装置
WO2013080832A1 (ja) 保護膜形成用薬液の調製方法
KR20070069194A (ko) 저유전율 비정질 실리카계 피막 형성용 도포액, 그조제방법 및 이로부터 얻어지는 저유전율 비정질 실리카계피막
WO2004026765A1 (ja) 多孔質フィルムの改質方法及び改質された多孔質フィルム並びにその用途
JP2012015335A (ja) 保護膜形成用薬液、および、ウェハ表面の洗浄方法
JP5818523B2 (ja) メソポーラスシリカ膜、メソポーラスシリカ膜を有する構造体、反射防止膜、光学部材及びそれらの製造方法
TW594879B (en) Process for optimizing mechanical strength of nanoporous silica
WO2008026387A1 (fr) Procédé de formation d'un revêtement de silice amorphe à faible constante diélectrique et revêtement de silice amorphe à faible constante diélectrique obtenu grâce à celui-ci
JP4411067B2 (ja) シロキサン樹脂
KR20050052406A (ko) 다공질 재료의 제조 방법
JP2003268356A (ja) 撥水性多孔質シリカ膜の製造方法、該方法によって得られた撥水性多孔質シリカ膜およびその用途
JP4574054B2 (ja) 撥水性多孔質シリカ、その製造方法および用途
JP2004210579A (ja) 多孔質シリカフィルムの製造方法、該方法により得られた多孔質シリカフィルム、並びにそれからなる半導体装置
JP4261297B2 (ja) 多孔質フィルムの改質方法、改質された多孔質フィルム及びその用途
JP4422643B2 (ja) 多孔質フィルムの製造方法ならびに層間絶縁膜、半導体材料および半導体装置
JP2000077399A (ja) シリカ系多孔質膜およびその製造方法
JP2005272188A (ja) 疎水化多孔質シリカの製造方法、疎水化多孔質シリカおよび疎水化多孔質シリカ薄膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070508