JP4381659B2 - 薬草酒の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、薬草酒の製造方法に関し、付加価値が高く、食欲を誘うような黄金色ないし黄色系の色を発するような薬草酒を製造可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
沖縄は薬草が多いことでも知られており、各種の薬草を泡盛に漬け込んで薬草の成分を抽出することが行われている。また、沖縄以外でも、各種の薬草酒が提案されており、特許も出願されている。
【0003】
各種の薬草を泡盛などの蒸留酒に漬け込んで薬効成分を抽出する場合、複数種類の薬草を一緒に浸漬すれば、多くの薬効成分を抽出できるので、複数の薬草を一緒に浸漬する製法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、複数の薬草を浸漬して成分を抽出した場合、抽出液の色が黒褐色になる場合が多い。そのため、見た目に悪く、たとえ優れた薬効成分が含まれていたとしても、まずそうに見えるので、飲む気が進まないのが通常である。
【0005】
特開2000−312578号公報に記載のウコン酒の場合は、薄い黄金色の半透明の抽出液となるので、比較的きれいな色になる。しかしながら、ウコンのみを浸漬し抽出しているので、ウコン単独の成分しか抽出できない。したがって、ウコン以外の各種薬草も抽出した場合は、やはり黒褐色になってしまう。
【0006】
したがって、複数の薬草の抽出液からなる薬草酒において、黄金色ないしオレンジ色など、黄色系統の美しい色の抽出液を実現できると、たとえ苦みの多い抽出液であっても、見た目にきれいため、食欲をそそるし、飲んでみたくなるものである。このほか、薬草酒を陳列して販売する場合でも、黄色系だと目立つし美しいので、消費者の目を引きつける力がある。
【0007】
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、複数の薬草の成分を抽出してなる薬草酒において、消費者の食欲をそそり、飲みたくなるような気にさせる力の強い黄色系を実現することにある。このように美しい黄色系を実現できると、付加価値も高くなり、商品価値が認められて、薬草酒の消費も増え、国民の健康維持に貢献できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合する工程を有すること、
前記の各抽出液を別々に製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なうことを特徴とする薬草酒の製造方法である。
なお、混合した後に、原酒や水を混合してアルコール度数調整する工程を有していてもよい。
【0009】
このように、少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合することにより、黄色の発色がシャープな明るいオレンジ色がかった黄色は多少犠牲になるが、8種類の薬草を用いるので、より多くの薬効成分が含まれた薬草酒を実現できる。
【0010】
しかも、8種類もの薬草を使用した割りには、美しく食欲をそそる紅茶色を呈する。そして味は、マイルドで飲み易い。香りは、柔らかで甘い香りではあるが、ニッキの香りが目立つ割には、味に特にこれといったパンチがない。したがって、片寄りの無い、無難な味である。
【0011】
味に関しては、ウコンの苦みを少し感じるので、ウコン酒といった感じの味である。しかしながら、基本的にはマイルドな味であり、通常のウコン酒と違って、抵抗なく飲める。香りは、総体的には、柔らかな香りである。どちらかというと甘い香りではあるが、秋ウコンの香りを特に強く感じる。
【0012】
加えて、このように、黄色系の色を発する薬草酒を抽出製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なうので、抽出液の水分子が微細化されるため、黄色系の色がより鮮明になると共に、味も円やかとなり、味や臭いの刺激なども緩和され、飲みやすくなる。抽出期間も短縮される。
【0013】
請求項2は、前記のくこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量にすることを特徴とする請求項2に記載の薬草酒の製造方法である。
【0014】
このように、少なくとも8種類の薬草を用いて抽出する場合、くこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量にすると、黄色に近い薄い紅茶色となるが、適度な甘さが出て、ハッキリした味になる。
すなわち、秋ウコンやサルノコシカケの苦みが少し強いのか、多少の苦さが残るが、基本的にはマイルドな味である。香りに関しては、柔らかな甘い香りである。さわやかな清涼感のある香りではあるが、やはりニッキの香りが強い。
【0015】
請求項3は、少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合してなる薬草酒であって、
前記の各抽出液を製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なってあることを特徴とする薬草酒である。
【0016】
このように、少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合してある薬草酒であって、前記の各抽出液を製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なってあるので、抽出液の水分子が微細化され、黄色系の色がより鮮明になると共に、味も円やかとなり、味や臭いの刺激なども緩和され、飲みやすくなる。抽出期間も短縮される。
【0017】
しかも、8種類もの薬草を使用した割りには、美しく食欲をそそる紅茶色を呈する。そして味は、マイルドで飲み易い。香りは、柔らかで甘い香りではあるが、ニッキの香りが目立つ割には、味に特にこれといったパンチがない。したがって、片寄りの無い、無難な味である。
味に関しては、ウコンの苦みを少し感じるので、ウコン酒といった感じの味である。しかしながら、基本的にはマイルドな味であり、通常のウコン酒と違って、抵抗なく飲める。香りは、総体的には、柔らかな香りである。どちらかというと甘い香りではあるが、秋ウコンの香りを特に強く感じる。
【0018】
請求項4は、前記のくこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量で配合してあることを特徴とする請求項3に記載の薬草酒である。
【0019】
このように、前記のくこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量で配合してあるので、適度の甘さとなり、さらにハッキリした味を出すことができる。
すなわち、秋ウコンやサルノコシカケの苦みが少し強いのか、多少の苦さが残るが、基本的にはマイルドな味である。香りに関しては、柔らかな甘い香りである。さわやかな清涼感のある香りではあるが、やはりニッキの香りが強い。
【発明の実施の形態】
次に本発明による薬草酒の製造方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。本発明においては、抽出液が美しい黄金色ないし黄色を発するような原料並びに複数の抽出液をブレンドすることによって優れた薬効を発するような薬草を選択し使用することに重点を置いている。
【0020】
このような観点から選択した薬草は、以下の8種類である。いずれも乾燥したものを、泡盛に浸漬して成分を泡盛中に抽出する。なお、薬草は、購入前に、販売業者により加熱殺菌処理が行われている。
【0021】
1.くこの実は、強壮・動脈硬化・抗脂肝・高血圧予防・目の疲れなどに有効と言われている。成分は、ベタイン・シトステロール・リノレン酸・ルチン・ベータシトステロール配糖体・ミネラル・アミノ酸・ゼアキサンチン・フィサリエン等である。
【0022】
2.くちなし(梔子)の実は、疲労回復・腰痛・小児マヒ・肝障害・黄疸・沈静効果(軽い不眠症や神経衰弱)・神経痛・炎症の止血・肺炎や子宮関係の異常出血・胆汁分泌促進・利尿などに有効と言われている。成分は、クロシン(カロチノイト゛色素)・ゲニポシド・ゲニピン・ガルデノシド・脂肪油・マンニトール・ベータシトステロール等である。
【0023】
3.ロブスターユーカリ(おおばゆーかり)は、葉(細く切ったもの)を使用する。効能は、解熱・解毒・感冒・急性腸炎・痢疾・腎孟腎炎(急に高熱が出て、寒気と震えがおこる)・丹毒などに有効と言われている。
【0024】
4.秋うこんは、根茎(薄くスライス)を乾燥した後、煎じて成分を抽出する。効能は、蓄膿症・胆のう・黄疸・肺炎・胆石症・腎臓炎・肝炎・胃炎・消化不良・浮腫などに有効と言われている。成分は、黄色素クルクミン・ターメロン・チンギベレン等である。
【0025】
5.にっけい(ニッキ)は、シナモンとも呼ばれている。根皮(細かく刻んだもの)を煎じて成分を抽出する。効能は、解熱/発汗・鎮痛・鎮痙・抗炎症・抗アレルギー・健胃(芳香作用に拠る)などである。成分は、ケイヒアルデヒド・オイゲノール・オルトメトキシケイヒアルデヒド・ケイヒ酢酸・ジテルペノイド・シンカシオールA・シンゼイラノール・シンゼイラニン・糖・タンニン等である。
【0026】
6.さるのこしかけは、子実体(細かく刻んだもの)を使用する。効能は、利尿作用があり、下腹部の炎症や浮腫などに有効と言われている。成分は、エルゴステロール誘導体、多糖体、ポリポルステローネなどである。
【0027】
7.甘草(かんぞう)は、根や茎を細かく刻んだものを使用する。効能は、沈静・鎮痙・抗胃潰瘍・消炎・解毒・肝臓保護・抗アレルギー・ステロイドホルモン様・鎮咳などに有効と言われている。成分は、サポニンのグリチルリチン・フラボノイドのリクイリチン・ショ糖・ぶどう糖である。
【0028】
8.紅花(べにばな)は、管状花を使用する。効能は、婦人諸症・高血圧・通経・血行障害・炎症・冷え症・更年期障害・コレステロール除去などに有効と言われている。成分は、カルタミン・サフロールイエロー・カルタミジン・ネオカルタミン・脂肪油(リノール酸・オレイン酸)である。
【0029】
なお、以上の各薬草に関するデータは、おきなわの薬草百科、沖縄の薬草、これでわかる薬用植物、沖縄の民間療法と薬草、基礎からの漢方薬などの書籍から引用した。
【0030】
抽出に用いる原酒は、アルコール度数43%程度の泡盛が適しているが、43%前後であればよい。また、泡盛以外の焼酎でもよい。つまり、蒸留酒であればよい。
【0031】
甘味を出すためにグラニュー糖が適しているが、これに限定されない。抽出した後の泡盛は、アルコール度数が高い場合は、必要に応じて水を加えて希釈するが、使用する水は、静電誘導処理された活性水が適している。
【0032】
次に、これらの原料を用いて薬草酒を製造する方法を具体的に説明する。図1は本発明による薬草酒の製造方法を工程順に示したフローチャートである。まず、前記の8種の薬草を用意する。これらの薬草は、販売業者により加熱殺菌処理が行われている。
【0033】
したがって、ステップS1のように、これらの薬草を別々の容器に泡盛と一緒に入れて、ステップS2のように、別々に薬草の成分の抽出を行なう。泡盛による抽出の容易な薬草と抽出の困難な薬草がある。通常の浸漬期間は、約3か月程度で足りるが、抽出が不十分な場合は、さらに延期してもよい。
【0034】
抽出に際して、抽出中の液に電圧を印加して、静電誘導処理などの電気的な処理を加えると、抽出がより円滑に行われ、オレンジ色の発色もより鮮やかになる。したがって、抽出中に静電誘導処理をすると、約2週間程度の短期間の抽出で足りる。
【0035】
抽出に使用する泡盛は、アルコール度数が高い方が抽出は容易であるが、入手し易い濃度は40%前後である。実際に使用した泡盛は、アルコール度数が43%の減圧蒸留泡盛である。
【0036】
抽出が行われた頃合いをみて、ステップS3のように、それぞれの抽出液ごとに、フィルターを用いてろ過し、残渣を除去する。この場合のろ過用フィルターは、1μm程度のメッシュを用いる。
【0037】
次に、ステップS4のように、製品の特徴に適合した種類の抽出液を選択して、調合しブレンドする。すなわち、明るいオレンジ色がかったシャープな黄色を実現したい場合であれば、秋ウコンと、クチナシと、サルノコシカケの抽出液を選択してブレンドする。
【0038】
色は多少犠牲にしても、薬草の種類を増やしたり、ハッキリした味にしたい場合であれば、前記の秋ウコンと、クチナシと、サルノコシカケの抽出液に加えて、くこの実と、甘草の根と、ニッキの抽出液もブレンドする。
【0039】
それぞれの抽出液の配合割合は、等量ずつでもよいが、くこの実の抽出液と甘草の根の抽出液の分量のみを、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍程度の分量にすると、適度の甘さとなり、さらにハッキリした味を出すことができる。
【0040】
図2の右側の写真は、くこの実の抽出液と甘草の根の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し2倍の分量にした場合であり、半透明のオレンジ色ないし黄色を呈している。これに対し、従来の方法によって、各種の薬草を一緒に泡盛に漬け込んで抽出した場合は、左側の写真のように褐色ないしコーヒー色となり、品質的に好ましく無く、購買意欲もあまりわかない。
【0041】
薬草をさらに増やしたい場合は、紅花やロブスターユーカリの抽出酒もブレンドする。必要に応じて、これら以外をブレンドすることも可能であるが、オレンジ色ないし黄色が次第に犠牲になる恐れはある。
【0042】
各薬草の味の特徴として、甘草やくこ、ニッキは甘く、中でも甘草は最も甘く、くこはフルーティな甘味を呈する。ニッキは、シナモンの味であり、女性が好みそう。後に引かない甘さを呈し、清涼感もある。
【0043】
ロブスターユーカリや秋ウコン、サルノコシカケは苦みを呈する。中でも、ロブスターユーカリは、強い苦みがする。秋ウコンは、やや苦みはあるが、芳香があり、高貴な感じもする。そして、サルノコシカケは少し苦い程度である。なお、クチナシや紅花は、やや酸味があるが、苦くもなく、甘くもなく、中間の味を呈する。
【0044】
本発明によると、各薬草ごとに別々に泡盛で抽出した後、それぞれの抽出液を調合して製品にするので、調合に際しては、前記のような各薬草の味の特徴を勘案しながら、商品として適する味を選択し使用することもできる。
【0045】
調合に際しては、甘味を強める必要がある場合は、グラニュー糖などを添加する。また、アルコール度数を調整するために、静電誘導処理された活性水などの水を添加する。そして、例えば20%に調整する。
【0046】
こうして調整した後、ステップS5のように、再度ろ過を行なう。つまり、最終ろ過を行なうが、この場合は、例えば0.45μm程度のメッシュが適している。
【0047】
最終ろ過の後、ステップS6のように、容器に充填し、ラベルを貼ると完成であるが、出荷前に、ボトルに充填し箱詰めした状態で例えば1け月程度ねかせて熟成させるのがよい。
【0048】
前記のようにして、各薬草ごとに泡盛に浸漬して抽出する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気処理すると、より有効である。図3は、電圧印加の例として静電誘導処理装置を示した模式図である。
【0049】
1は変圧器であり、絶縁体からなるケース2中において、一次側の巻線3と二次側の巻線4を鉄芯5に巻いてあり、二次側の巻線4の一端6をケース2の外に出した状態で、絶縁処理してある。そして、絶縁体ケース2の内部にエポキシ樹脂などの絶縁樹脂7を充填してある。
【0050】
10は絶縁碍子であり、その上にチャージ台11を取付けてあり、チャージ台11の上に、抽出用の容器8…を載せる。容器8…には、前記のように、各種薬草ごとに泡盛を一緒に入れておく。この装置において、変圧器1の一次側に交流を通電すると、変圧器1の二次側巻線4と各容器8…中の電極9…とが導通し、各容器中の電極9…が周期的に帯電される。
【0051】
その結果、容器8中の抽出液に逆極性の静電気が周期的に誘起されて静電処理が行われる。つまり、周期的に発生する静電気の作用で液体の水分子の回転や震動などで離合集散が繰り返され、水分子が微細化されることで、水質の改善や各種の熟成が促進されることが明らかになっている。その結果、本発明による薬草抽出液の味がまろやかになり、また抽出処理時間が短縮される。
【0052】
図3は抽出中の液体に電圧を印加する一例であって、他の方法で電圧印加しても差し支えない。また、液体の水質改善の手法として、電気的な処理方法のほかに、遠赤外線を発する物質で処理したり、超音波で処理するなどの手法も知られているので、これらの手法で処理することもできる。
【0053】
【実施例】
次に、実際に各種薬草を泡盛で抽出する際の実施例を詳述する。分量は、薬草は重量(g)を、酒は容量(ml)を基準とする。紅花以外の7種は、薬草1に対し原酒9の割合を入れる。(例.100gの薬草に対し原酒900ml)
紅花のみは、紅花1に対し原酒11の割合にする。(例.紅花100gに対し原酒1100ml)
【0054】
以下、各工程順に説明する。
(1)遮光性の密閉容器8に薬草を入れる。抽出は各薬草ごと別々に行う。
(2)前記の密閉容器8に原酒を加える。
(3)原酒を加えた密閉容器8の中へ静電誘導をかける際の帯電体となるコイル9を入れる。なお、コイルに代えて、密閉容器8の外に帯電電極を配置しても足りる。
(4)約2週間、静電誘導処理を加えながら薬草抽出を行う。遮光性の無い、透明容器中で抽出する場合は、光の影響による退色や変色を防ぐために、抽出中は黒いカバーをかけておく。
(5)抽出終了後、図1のステップS3のように、1μm程度のフィルターを用いて原料の残りカスを除去した後、ステップS4の調合を行なう。調合の後に、0.45μm程度のチェックフィルターで再度ろ過する。
【0055】
ろ過の際に、薬草の成分を残すために目の粗いフィルターでろ過すると、成分は残るが濁りが生じ、時間が経過するとオリとなってボトルの底にドロドロとたまり、見た目に良くない。しかし、この課題は、静電誘導技術を併用してエキス抽出を行い、液体の分子を微細化することで、薬草の有効成分を残しつつ液をクリアーにすることが可能となる。
【0056】
泡盛で薬草を抽出する場合、抽出エキスの濃度も発色や味、香りに影響する。つまり、薬草エキスの濃度が高ければよいというものではなく、濃度が高いと、苦みが強すぎたり、色が濁ったり、刺激の強い香りがするなどの問題が発生する。
【0057】
したがって、抽出用の原酒に浸漬する薬草の分量も重要であり、全量に対し原酒90%、薬草10%程度が適している。抽出の難易度や原酒のアルコール濃度などにもよるが、薬草5〜15%程度が許容される。この程度の抽出濃度にすると、色や味、香りともに、中庸を維持できる。なお、%は重量%である。
【0058】
このような抽出濃度の薬草酒を複数調合する。最適な調合は、秋ウコンと、クチナシと、サルノコシカケと、くこの実と、甘草の根と、ニッキと、ロブスターユーカリと、紅花の抽出泡盛をそれぞれブレンドするが、秋ウコンやクチナシ、サルノコシカケ、ニッキ、ロブスターユーカリ、紅花の抽出泡盛は、それぞれ1リットルブレンドするのに対し、くこの実と甘草の根の抽出泡盛は、約2倍の2リットルずつブレンドするのが好ましい。
【0059】
なお、抽出した薬草酒の発色や味、香り、薬効などに応じて、請求項1のような調合でもよいし、請求項2のような調合でもよい。
【0060】
また、抽出した薬草酒をそのまま製品にすることもできるが、前記のように調合した薬草酒は、全量に対し10〜20%程度配合するのがよい。すなわち、残りの80〜90%は、エキスの入っていない原酒を混ぜたり、水を混ぜる。この原酒と水の割合によって、製品のアルコール度数も調整する。本発明の場合は、20%に調整しているが、20%に限定されない。
【0061】
以上のように、本発明の製造方法によると、各種の薬草を独立して別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した薬草酒をそれぞれ用意し、それぞれの薬草酒を所定の比率で調合して製品するが、どの薬草酒を採択するかを最終消費者の好みに委ねることもできる。
【0062】
例えば、居酒屋などにおいて、別々に抽出した各種の薬草酒を用意しておき、来客の要望に応じて所望の薬草酒を所望の割合で混合して提供する。店頭に各薬草の効能や味、香りなどの特徴を表示しておけば、来客は自分の症状に応じた、好みの薬草を指示してブレンドするよう注文できる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1のように、少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合することにより、黄色の発色がシャープな明るいオレンジ色がかった黄色は多少犠牲になるが、8種類の薬草を用いるので、より多くの薬効成分が含まれた薬草酒を実現できる。
【0064】
しかも、8種類もの薬草を使用した割りには、美しく食欲をそそる紅茶色を呈する。そして味は、マイルドで飲み易い。香りは、柔らかで甘い香りではあるが、ニッキの香りが目立つ割には、味に特にこれといったパンチがない。したがって、片寄りの無い、無難な味である。
【0065】
味に関しては、ウコンの苦みを少し感じるので、ウコン酒といった感じの味である。しかしながら、基本的にはマイルドな味であり、通常のウコン酒と違って、抵抗なく飲める。香りは、総体的には、柔らかな香りである。どちらかというと甘い香りではあるが、秋ウコンの香りを特に強く感じる。
【0066】
加えて、このように、黄色系の色を発する薬草酒を抽出製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なうので、抽出液の水分子が微細化されるため、黄色系の色がより鮮明になると共に、味も円やかとなり、味や臭いの刺激なども緩和され、飲みやすくなる。抽出期間も短縮される。
【0067】
請求項2のように、少なくとも8種類の薬草を用いて抽出する場合、くこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量にすると、黄色に近い薄い紅茶色となるが、適度な甘さが出て、ハッキリした味になる。
すなわち、秋ウコンやサルノコシカケの苦みが少し強いのか、多少の苦さが残るが、基本的にはマイルドな味である。香りに関しては、柔らかな甘い香りである。さわやかな清涼感のある香りではあるが、やはりニッキの香りが強い。
【0068】
請求項3のように、少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合してある薬草酒であって、前記の各抽出液を製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なってあるので、抽出液の水分子が微細化され、黄色系の色がより鮮明になると共に、味も円やかとなり、味や臭いの刺激なども緩和され、飲みやすくなる。抽出期間も短縮される。
【0069】
しかも、8種類もの薬草を使用した割りには、美しく食欲をそそる紅茶色を呈する。そして味は、マイルドで飲み易い。香りは、柔らかで甘い香りではあるが、ニッキの香りが目立つ割には、味に特にこれといったパンチがない。したがって、片寄りの無い、無難な味である。
味に関しては、ウコンの苦みを少し感じるので、ウコン酒といった感じの味である。しかしながら、基本的にはマイルドな味であり、通常のウコン酒と違って、抵抗なく飲める。香りは、総体的には、柔らかな香りである。どちらかというと甘い香りではあるが、秋ウコンの香りを特に強く感じる。
【0070】
請求項4のように、前記のくこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量で配合してあるので、適度の甘さとなり、さらにハッキリした味を出すことができる。
すなわち、秋ウコンやサルノコシカケの苦みが少し強いのか、多少の苦さが残るが、基本的にはマイルドな味である。香りに関しては、柔らかな甘い香りである。さわやかな清涼感のある香りではあるが、やはりニッキの香りが強い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薬草酒の製造方法を工程順に示したフローチャートである。
【図2】従来の方法で製造した薬草酒の写真と本発明の方法で製造した薬草酒の写真である。
【図3】抽出中の液を静電誘導処理する装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 変圧器
2 ケース
3 一次側巻線
4 二次側巻線
5 鉄芯
6 二次側の巻線の開放端
7 絶縁樹脂
8 抽出用の容器
9 電極

Claims (4)

  1. 少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合する工程を有すること、
    前記の各抽出液を別々に製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なうことを特徴とする薬草酒の製造方法。
  2. 前記のくこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量にすることを特徴とする請求項1に記載の薬草酒の製造方法。
  3. 少なくとも秋ウコンと、クチナシの実と、サルノコシカケと、くこの実と、甘草と、ニッキと、紅花と、ロブスターユーカリとを乾燥状態で別々に蒸留酒に漬けて成分抽出した後、それらすべての抽出液を混合してなる薬草酒であって、
    前記の各抽出液を製造する際に、抽出中の液に電圧を印加して電気的な処理を行なってあることを特徴とする薬草酒。
  4. 前記のくこの実の抽出液と甘草の抽出液の分量を、他のそれぞれの抽出液の分量に対し1.5〜2.5倍の分量で配合してあることを特徴とする請求項3に記載の薬草酒。
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