JP4381142B2 - 前立腺癌の検出法 - Google Patents

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Description

政府の支援に関する言及
本発明は、一部、国立衛生研究所(NIH)より授与されたNIHグラント番号1U01CA84986の下で政府の支援を受けて作成された。政府は、本発明における一定の権利を有し得る。
発明の分野
本発明は、一般に、遺伝子及び制御因子のメチル化状態の領域に関し、より具体的には、通常のPCR法及び定量的PCR法による前立腺癌の検出に関する。
発明の背景
前立腺癌は、米国の男性にとって最も一般的に診断される非皮膚癌である。人々の寿命がより長くなり、ルーチンの疾患のスクリーニングを受ける中年男性が増加しているため、罹患率は増加し続ける可能性が高い。初期段階の小体積の疾患を有すると診断された男性は、治療処置後に最良の結果を有している。従って、早期検出プログラムの目標は、初期の治癒可能な段階で癌を診断することである。
現在、診断のための至適基準アルゴリズムは、直腸診及び血清前立腺特異抗原(PSA)の測定を含んでおり、そしていずれかが疑わしい場合には、その後に経直腸的前立腺針生検が行われる。しかしながら、血清PSAは良性状態においても上昇する場合があり、針生検はサンプリング・エラーにより有意な量の癌すら同定できない場合がある。従って、付加的な診断テストの導入が、前立腺癌診断の感受性を改善するために必要とされている。
TP53及びPTENの不活性化のようないくつかの特異的な遺伝学的改変が前立腺癌において記載されているが、これらのうち最も一般的で、より初期のものの一つが、GSTP1遺伝子の5'制御領域のメチル化である。体液におけるこのエピジェネティック改変の検出は、DNAに基づく技術を使用して成功裡に達成されている。しかしながら、これらの初期の研究は、比較的少数の患者のみを含んでいたか、又は進行した疾患の症例に主として焦点を当てていた。
最近、蛍光発生PCRアッセイ法の連続的光学的モニタリングを介した、非同位体であり、迅速であり、かつ高度に正確な定量的増幅分析の実行を可能にする、特異的なリアルタイム定量的メチル特異的PCR(RTQ-MSP)法が、開発された。多発性骨髄腫を有する患者に由来する骨髄吸引液におけるp16遺伝子のメチル化状態を評価するためのこの方法の適用は、通常のMSP(C-MSP)分析との完全な一致を明らかにした。この同じ研究において、RTQ-MSPは、10ゲノム当量のメチル化p16配列を検出するのに十分な程度に高感受性であることが示された。
しかしながら、前立腺癌を検出するための高感受性かつ正確な初期段階診断アッセイ法を開発する必要が、当技術分野には存在する。
発明の概要
本発明は、バイオマーカー、例えばグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域のメチル化レベルの定量的測定が、新形成を検出するために使用され得るという発見に一部基づく。従って、本発明は、新形成、特に前立腺癌の検出に有用な方法及びキットを提供する。一つの態様において、本発明は、前立腺新形成を検出するための方法を提供する。本法は、対象由来の試料、例えば組織試料のメチル化比を決定することを含む。メチル化比とは、例えばグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域のメチル化のレベルの、参照遺伝子のある領域のメチル化のレベルに対する比である。被検対象由来の試料、例えば組織におけるメチル化比が、正常対象由来の試料もしくは組織、又は過形成を有する対象由来の組織もしくは試料のメチル化比より高い場合、それは被検対象における前立腺新形成の指標となる。
もう一つの態様において、本発明は、対象由来の尿又は血清のような体液の試料におけるグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域のメチル化レベルを決定することにより、前立腺新形成を検出するための方法を提供する。メチル化レベルは、通常のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又はリアルタイム/定量的PCR法を使用して決定される。被験対象におけるメチル化レベルが正常対象におけるメチル化レベルより高い場合、それは対象における前立腺新形成の指標となる。
さらにもう一つの態様において、本発明は、前立腺過形成を検出するためのキットを提供する。キットは、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域の増幅のためのプライマー対を含有している第一の容器、参照遺伝子の領域の増幅のためのプライマー対を含有している第二の容器、並びに第一及び第二のオリゴヌクレオチド・プローブ(GSTP1のプロモーター領域の増幅に特異的な第一のオリゴヌクレオチド・プローブ及び参照遺伝子内の領域の増幅に特異的な第二のオリゴヌクレオチド・プローブ)を含有している第三の容器、を含む。一つの局面において、少なくともGSTP1のプロモーター領域の増幅のためのプライマーのうちの1個又はオリゴヌクレオチド・プローブのうちの1個は、メチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる。
もう一つの局面において、キットは、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域の増幅のためのプライマー対(プライマーは、メチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる)を含有している第一の容器、並びにキットが対象由来の体液試料における前立腺癌の検出に有用であること、及び正常対象におけるGSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルより高い、第一の容器内のプライマーを使用した通常のポリメラーゼ連鎖反応により決定されるようなGSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルが、40%以上の感受性で、対象における前立腺癌の指標となることを開示する説明書を含む。
もう一つの態様において、本発明は、少なくとも1個の特異的オリゴヌクレオチド・プローブの存在下でオリゴヌクレオチド・プライマーにより対象由来の生物学的試料の中のグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域を増幅すること(プロモーター領域は、変換された核酸を作製するための非メチル化シトシンを修飾する薬剤により修飾されており、少なくとも1個のオリゴヌクレオチド・プライマー又は特異的オリゴヌクレオチド・プローブは、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別することができる)、及び増幅により媒介された特異的オリゴヌクレオチド・プローブの置換に基づき、プロモーター領域の増幅レベルを決定することにより、プロモーター領域のメチル化レベルを決定することにより前立腺新形成を検出するための方法を提供する。被検対象におけるメチル化レベルが正常対象におけるメチル化レベルより高い場合、それは対象における前立腺新形成の指標となる。
発明の詳細な説明
本発明は、バイオマーカー、例えばグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域のメチル化レベルの定量的測定が、新形成、例えば前立腺癌を検出するために使用され得るという発見に一部基づく。従って、本発明は、バイオマーカーのメチル化のレベル又は比を決定することによる、新形成、特に前立腺癌の検出に有用な方法及びキットを提供する。
本発明の一つの局面によると、細胞又は組織における新形成は、1個以上のバイオマーカーのメチル化レベルを定量的に測定することにより検出され得る。本発明のバイオマーカーは、そのメチル化レベルが細胞又は組織の異常な成長又は増殖に特徴的に関連している任意のマーカーであり得る。例えば、様々な癌抑制遺伝子のメチル化レベルが、新形成又は腫瘍成長に関連しており、本発明のバイオマーカーとして使用され得る。一つの態様において、本発明のバイオマーカーは、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)である。
もう一つの態様において、バイオマーカーはGSTP1のプロモーター領域である。GSTP1のプロモーター領域は、GSTP1のプロモーター内の任意の領域、例えば、CpGジヌクレオチドのようなメチル化に関連した部位を1個以上含有しており、かつポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅のような定量的測定に適している任意の領域であり得る。GSTP1のプロモーターは、通常、GSTP1の上流又は5'側に位置する制御領域を含む。GSTP1のプロモーター領域の配列分析は、ヌクレオチドのほぼ72%がCGであり、約10%がCpGジヌクレオチドであることを示している。
本発明によると、細胞又は組織における新形成は、例えば、メチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる少なくとも1個のオリゴヌクレオチドプライマー又はオリゴヌクレオチド特異的プローブを用いたリアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、1個以上のバイオマーカーのメチル化レベルを定量的に測定することにより、検出され得る。一般に、正常対象由来の生物学的試料における定量的に測定されたメチル化レベルがより高い、対象、例えばヒトに由来する生物学的試料における定量的に測定されたメチル化レベルは、対象における新形成の指標となる。
本発明において使用されるような正常対象は、本発明によって提供される方法以外の手段によって検出可能な新形成を有していない任意の対象であり得る。例えば、前立腺癌に関する正常対象は、前立腺癌の臨床症状を有しておらず、正常なPSAレベル、及び前立腺癌がないという組織学的診断を有している任意のヒトであり得る。一般に、本発明において使用されるような正常対象に関連したレベルには、正常対象の集団に関連した統計的に得られた値が含まれる。例えば、本発明において使用されるような正常対象におけるメチル化レベルには、正常対象の統計的に有意な集団についてのメチル化レベルの平均又は平均値及び範囲が含まれる。
本発明の生物学的試料は、本発明によって提供される方法に適している任意の試料であり得る。一つの態様において、本発明の生物学的試料は、組織試料、例えば針生検からの試料のような生検標本である。もう一つの態様において、本発明の生物学的試料は、体液の試料、例えば血清、血漿、尿、及び精液である。
本発明の一つの態様によると、細胞又は組織における前立腺癌は、例えばリアルタイム・メチル化特異的PCRを使用して、GSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルを定量的に測定することにより検出され得る。例えば、GSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルは、その結合部位がアンプリコン内に位置するプローブ1個以上の、増幅により媒介された置換に基づき、GSTP1のプロモーター領域の増幅レベルを決定することにより決定され得る。
一般に、リアルタイム定量的メチル化特異的PCRは、漸進性の蛍光発生PCRの光学系による連続的モニタリングに基づく。そのようなPCR系は、通常、2個の増幅プライマー、及びアンプリコン内のある部位と特異的に結合する付加的なアンプリコン特異的蛍光発生性ハイブリダイゼーション・プローブを使用する。プローブは、1個以上の蛍光標識部分を含み得る。例えば、プローブは、2個の蛍光色素:1)レポーターとして機能する、5'末に位置付けられる6-カルボキシ-フルオレセイン(FAM)、及び2)消光剤として機能する、3'末に位置付けられる6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン(TAMRA)により標識され得る。増幅が起こると、伸長期に、Taq DNAポリメラーゼの5'-3'エキソヌクレアーゼ活性がプローブからレポーターを切断し、従ってそれを消光剤から放出する。その結果生じるレポーター色素の蛍光放射の増加が、PCR過程の間、モニタリングされ、それが生成したDNA断片の数を表す。
一つの態様において、オリゴヌクレオチド・プライマーは、GSTP1遺伝子のプロモーター領域の3'末内のメチル化されたプライマー結合部位、例えば亜硫酸水素塩により変換されたDNAと特異的に結合するよう設計され、プローブは、伸長中、アンプリコン内に特異的にアニーリングするよう設計される。もう一つの態様においては、オリゴヌクレオチド・プライマーが、メチル化プライマー結合部位又は非メチル化プライマー結合部位のいずれかと結合するよう設計され、プローブが、メチル化プローブ結合部位、例えば亜硫酸水素塩により変換された結合部位に特異的にアニーリングするよう設計される。さらにもう一つの態様においては、オリゴヌクレオチド・プライマー及びオリゴヌクレオチド・プローブが、メチル化結合部位、例えば亜硫酸水素塩により変換された結合部位と特異的に結合するよう設計される。
本発明のもう一つの局面によると、バイオマーカーのメチル化比が正常対象におけるメチル化比より高い場合、生物学的試料の新形成が示される。本発明のメチル化比には、バイオマーカーのメチル化レベルと、バイオマーカーのメチル化レベルの決定に使用されたのと同じ手段によって決定された参照遺伝子内のある領域のレベルとの比が含まれる。通常、本発明のメチル化比は、バイオマーカーのメチル化レベルと、バイオマーカーのメチル化レベルの決定に使用されたのと同じ手段によって決定された参照遺伝子内のある領域のレベルとの比によって表される。
一つの態様において、本発明のメチル化比は、いずれもリアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して定量的に測定された、バイオマーカーのメチル化レベルと、参照遺伝子のある領域のレベルとの比である。例えば、対象の試料からのバイオマーカーのメチル化レベルは、プライマー対及びオリゴヌクレオチド・プローブを使用して定量的に測定され得る。ここで、1個のプライマー、両方のプライマー、オリゴヌクレオチド・プローブ、又は両方のプライマー及びオリゴヌクレオチド・プローブは、例えば、修飾剤、例えば非メチル化シトシンを変換された核酸へと変換する亜硫酸水素塩によって核酸が修飾された後、メチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる。
もう一つの態様において、本発明のメチル化比は、いずれもリアルタイムPCRを使用して定量的に測定された、GSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルと、参照遺伝子のある領域のレベルとの比である。さらにもう一つの態様において、本発明のメチル化比は、メチル化特異的リアルタイムPCRによって測定されたGSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルと、リアルタイムPCRによって測定された参照遺伝子のある領域のレベルとの比である。
本発明の参照遺伝子の領域は、メチル化部位を欠いている、例えばCpGジヌクレオチドを欠いている部位又は領域1個以上を有する遺伝子の任意の領域であり得る。例えば、参照遺伝子の領域は、CpGジヌクレオチドを欠いているPCRのような増幅のためのプライマー結合部位2個を有する領域、又はCpGジヌクレオチドを欠いているリアルタイムPCRのための特異的オリゴヌクレオチド・プローブ結合部位少なくとも1個を有する領域であり得る。一つの局面において、本発明の参照遺伝子の領域は、MYOD遺伝子の領域である。もう一つの局面において、本発明の参照遺伝子の領域は、ACTB遺伝子の領域である。さらにもう一つの態様において、本発明の参照遺伝子の領域は、遺伝子の増幅又は欠失のようなコピー数改変を高頻度には受けにくい領域である。
一般に、本発明によると、参照遺伝子の領域のレベルは、亜硫酸水素塩による変換の後の部位と特異的に結合するが、部位のメチル化状態を直接的又は間接的に区別することはないプライマー及び特異的プローブによるリアルタイムPCRを使用して定量的に測定される。
本発明の一つの態様によると、メチル化比は、GSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルと、参照遺伝子、例えばMYOD又はACTBの領域のレベルとの比×1000によって表されるため、対象由来の生物学的試料におけるGSTP1のプロモーター領域のメチル化比が5又は10より大きい場合、その対象における前立腺癌が示される。例えば、メチル化比×1000が、3又は5又はさらには10より大きい場合、それは対象における前立腺癌の指標となる。
本発明のもう一つの局面によると、本発明のメチル化比は、独立に、又は他の診断法、例えば、ゲノミック情報、プロテオミック査定、もしくは組織試料の組織学的解析に基づく診断法と組み合わせて、新形成の診断に使用され得る。一つの態様において、本発明のメチル化比は、独立に、又は組織学的解析と組み合わせて、新形成の検出において使用される。
もう一つの態様において、GSTP1のプロモーター領域のメチル化比は、前立腺癌の検出のため、組織学的解析から独立して使用される。一般に、本発明によると、本発明によって提供されるような前立腺癌の検出のためにメチル化比を使用する方法は、現在入手可能な型の組織学的解析より高感受性である。正常対象におけるメチル化比より高い、例えば5又は10より大きいGSTP1のプロモーター領域のメチル化比を有する対象は、その対象が組織学的解析によって前立腺癌がないと決定された事実を考慮しても、前立腺癌の指標となる。
又は、GSTP1のプロモーター領域のメチル化比は、前立腺癌の検出のため、組織学的解析と組み合わせて使用され得る。例えば、本発明によると、対象における前立腺癌の検出には、メチル化比の決定、及び対象由来の前立腺組織試料、例えば針生検材料の組織学的解析が含まれ得、正常より高い、例えば5又は10より大きいメチル化比が、単独で、又は前立腺癌の組織学的診断と組み合わせて、前立腺癌の指標となる。
さらにもう一つの態様において、本発明のメチル化比は、独立に、又はプロテオミック査定に基づく診断と組み合わせて使用され得る。例えば、本発明によると、対象におけるGSTP1のプロモーター領域のメチル化比は、独立に、又は対象におけるPSAレベルの決定と関連して、前立腺癌の検出において使用され得る。
本発明によると、GSTP1のプロモーター領域のメチル化比は、一般に、PSAレベルと直接相関しておらず、従って、メチル化比は、前立腺癌を検出するため、PSAレベルから独立した査定として使用され得、例えば、対象におけるGSTP1のプロモーター領域の正常より高いメチル化比が、正常なPSAレベルを有する対象においても、前立腺癌の指標となる。同様に、メチル化比は、誤って高いPSA値を有する対象における癌を除外することができる。又は、前立腺癌の検出には、GSTP1のプロモーター領域のメチル化比及びPSAレベルを決定することが含まれ得;単独の、又は異常なPSAレベルと関連した、正常より高いメチル化比が、前立腺癌の指標となる。
本発明のもう一つの局面によると、対象由来の異なる型の生物学的試料に関連したバイオマーカーのメチル化レベルの決定のための異なる様式は、新形成検出に関する異なる感受性レベルを提供する。例えば、本発明によると、体液試料の場合、通常のPCRを使用したバイオマーカーのメチル化レベルの決定は、一般に、リアルタイムPCRを使用することにより得られる感受性より良好な感受性を提供する。
一つの態様において、通常のPCR又は非リアルタイムPCRによって決定されるような、体液試料、例えば、限定的ではないが、血清、血漿、尿、又は精液におけるGSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルは、リアルタイムPCRを使用することにより得られる感受性より良好な前立腺癌検出のための感受性を提供する。従って、本発明によると、対象由来の体液からの試料におけるGSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルは、従来の非リアルタイムPCR又はリアルタイムPCRを使用することにより決定され得、例えば、対象が、リアルタイムPCRによって決定されるようなGSTP1のプロモーター領域の正常メチル化レベルを有しているという事実を考慮しても、正常対象におけるメチル化レベルより高いメチル化レベルは、前立腺癌の指標となる。
本発明のもう一つの局面によると、本発明は、例えば、新形成の検出のための本発明によって提供された方法を使用した、細胞又は組織における新形成の検出に有用なキットを提供する。一つの態様において、本発明は、バイオマーカーの増幅のためのプライマー対を含有している第一の容器、参照遺伝子内の領域の増幅のためのプライマー対を含有している第二の容器、並びにそれぞれバイオマーカー及び参照遺伝子の領域の増幅に特異的な第一及び第二のオリゴヌクレオチド・プローブを含有している第三の容器を含むキット、例えば区画されたキャリアを提供する。
もう一つの態様において、本発明によって提供されるキットは、変換された核酸、例えばウラシルを作製するための非メチル化シトシンを修飾する修飾剤を含有している第四の容器をさらに含む。任意の適当な修飾剤が、本発明によって提供されるキットに含まれ得る。例えば、修飾剤は亜硫酸水素ナトリウムであり得る。
さらにもう一つの態様において、本発明によって提供されるキットは、PSA決定のためのプローブをさらに含む。さらにもう一つの態様において、本発明によって提供されるキットは、新形成の検出のための正常メチル化比範囲及び/又は異常メチル化比範囲を開示し、キットの適用に適している試料の型及び/もしくは不適当な試料の型、並びに/又は本発明のキットを利用したアッセイ法によって提供される特異性もしくは感受性を記載している同封の説明書をさらに含む。
本発明の一つの態様によると、本発明によって提供されるキットは、GSTP1のプロモーター領域の増幅のための少なくとも一つのプライマー対を含有している第一の容器、参照遺伝子の領域の増幅のための少なくとも一つのプライマー対を含有している第二の容器、並びにそれぞれGSTP1のプロモーター領域及び参照遺伝子の領域の増幅に特異的な第一及び第二のオリゴヌクレオチド・プローブを含有している第三の容器を含む。ただし、GSTP1のプロモーター領域の増幅のためのプライマーのうちの一方もしくは両方、又はGSTP1のプロモーター領域のアンプリコンに特異的な第一のオリゴヌクレオチド・プローブ1個以上は、直接的又は間接的に、例えば亜硫酸水素塩修飾の後、メチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる。場合により、本発明のこの態様によって提供されるキットは、例えば、3、5、もしくは10より大きい本発明のGSTP1のプロモーター領域のメチル化比×1000が前立腺癌の指標となること、又はキットが前立腺組織試料と共に使用され得ること、例えば前立腺組織試料と共に使用されるのが最も適当であることを開示している同封の説明書をさらに含み得る。
本発明は、特に体液試料において、前立腺癌を検出するのに有用なキットも提供する。キットは、GSTP1のプロモーター領域の増幅のためのメチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる少なくとも一つのプライマー対を含有している第一の容器、並びにキットが対象の体液試料における前立腺癌の検出に有用であること、及び正常対象におけるGSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルより高い、提供されたプライマーを使用した通常のPCR又は非リアルタイムPCRにより決定されるようなGSTP1のプロモーター領域のメチル化レベルが、40%以上の感受性で、対象における前立腺癌の指標となることをとりわけ開示している同封の説明書を含む。
実施例
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、明示的にも又は暗示的にも、様式、形又は型に関して本発明を制限するものではない。それらは、使用され得るものの典型であり、当業者に既知の他の手法、方法論、又は技術が代用されてもよい。
実施例1
定量的GSTP1メチル化は前立腺癌六箇所生検の検出を改善する
この研究においては、癌診断の感受性を改善し得るか否かを調べるため、GSTP1 QMSPを針生検材料の標準的な組織学的検査と直接比較した。六箇所生検材料の分析により、組織に対する二つのアプローチを、後の最終的な病理学的診断と直接比較することが可能であった。組織学とGSTP1との組み合わせは、特異性に影響を与えることなく、前立腺癌の診断を有意に改善することができた。
材料及び方法
患者及び試料収集
2001年11月〜2002年5月にジョンズ・ホプキンズ病院(The Johns Hopkins Hospital)で前立腺癌のため前立腺切除術を受けた患者56人(PSA範囲0.5〜25.8、中央値5.0)、及び膀胱癌のため膀胱前立腺全摘術を受けた患者16人を、この研究に含めた。切除の直後に、72個の切除された前立腺標本全てから、細い(18ゲージ)針を使用して、六箇所生検材料(左右の尖端部、中央部、及び基底部)を採取し、即座に−80℃で凍結させた。
全ての針生検材料を10μm切片に切り分け、消化するため48℃で一夜1%ドデシル硫酸ナトリウム及びプロテイナーゼK(0.5mg/ml)の混合物の中に置いた。次いで、以前に記載されたようにして(10)、フェノール/クロロホルム及びエタノール沈殿を使用してDNAを抽出した。さらに、10スライス毎に5μm凍結切片を採取し、光による盲検のためヘマトキシリン−エオシンで染色した。次いで、切除された前立腺全てを連続切片化し、全部を前立腺癌の存在を決定するための至適基準と考えられている組織学的検査に供した。
亜硫酸水素塩処理
以前に記載されたようにして、各生検試料からの2μg DNAの亜硫酸水素ナトリウム変換を実施した。簡単に説明すると、DNA試料を水酸化ナトリウムで変性させ、亜硫酸水素ナトリウム及びヒドロキノンと共に70℃で2時間インキュベートし、ウィザード(Wizard)精製キッ(Promega,Madison,WI)を使用して精製し、さらに変性させ、脱アミノし、最後に、エタノール沈殿させた。試料を、60μl 10mMトリス(pH8)に再懸濁させた。
リアルタイム定量的MSP
修飾されたDNA試料を、蛍光発生リアルタイムQMSPを使用して、GSTP1のメチル化に関して分析した。さらに、試料を、二つの内部参照遺伝子ACTB及びMYODの増幅に関して分析した。GSTP1(8)、MYOD(8)、及びACTB(9)のためのプライマー及びプローブは、以前に記載されている。プライマーは、インビトロジェン(Invitrogen)(Gaithersburg,MD)より入手し、プローブはアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)(Foster City,CA)より入手した。反応は、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)7900シーケンス・デテクター(Sequence Detector)(Foster City,CA)を使用して、384穴プレートで実施した。最終(20μl)反応混合物は、600nMの各プライマー、200nMのプローブ、各200μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、16.6mMの硫酸アンモニウム、67mMのTrizma、6.7mMの塩化マグネシウム、10mMのメルカプトエタノール、0.1%のジメチルスルホキシド、及び3μl(100ng)の修飾されたDNAからなっていた。増幅条件は、95℃2分の開始、それに続く95℃15秒及び60℃1分50サイクルであった。
全ての試料を四つ組で流し、レプリケートの3/4が増幅を示した場合に、GSTP1陽性と見なした。各PCRプレートは、標準曲線の構築のための二つの陽性対照の段階希釈物、陰性対照、及び多数の水ブランクも含んでいた。健康個体からの白血球DNAを陰性対照として使用した。同じ白血球DNAを、完全にメチル化されたDNAを生成させるために過剰のSssIメチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)でインビトロでメチル化し、一つの陽性対照として使用した。さらに、GSTP1遺伝子座でメチル化されていることが既知の、ヒト前立腺癌細胞系LNCaP(ATCC,Manassas,VA)からのDNAも、第二の陽性対照として流した。
このアッセイ法により、二倍体細胞1個当たり6.6pg DNAという換算係数を使用して陽性対照の段階希釈物によって決定されたように、4ゲノム当量までのメチル化GSTP1 DNAの検出が可能であった。特定の試料におけるメチル化GSTP1の相対レベルを、GSTP1の平均値と対応する内部参照遺伝子の値との比率を使用して計算した。次いで、より容易な作表のため、この比に1000を掛けた。
この研究において、本発明者らは二つの異なる参照遺伝子MYOD及びACTBを使用した。これは、参照遺伝子としてのMYODの使用から、より頑強なACTBプライマー/プローブ・セットに変換し、以前に報告されたGSTP1/MYOD(G/M)値をGSTP1/ACTB(G/A)値と直接比較することを望んだためであった。統計値及び図面は全てG/M値に基づくが、G/A値は事実上同一であり、この代替的な参照遺伝子を使用しても同じ閾値が当てはまる。
統計解析
正確な二項95%信頼区間が、全ての割合について報告される。全ての分析を、分析の単位として症例を使用して行った。感受性の増加の統計的有意性及び精度は、症例内の読み取り(reading)のペアリング(pairing)を考慮に入れて、マクニマーの検定を使用して計算した。GSTP1のための異なる閾値を使用することにより作製された様々な感受性−特異性の組み合わせが、受診者動作特性(receiver operator characteristic)(ROC)曲線の形態で表示される。全ての計算を、統計パッケージStata 7.0(Stata Corp.,College Station,TX)により実施した。
結果
72セットの生検材料を、組織学及びGSTP1メチル化(既知の陽性56及び推定される陰性16)の両方を使用して、切除標本における前立腺癌の存在に関して盲検的に分析した。膀胱前立腺全摘術標本の最終的な外科病理学検査により、5/16(31%)の症例に臨床的に診断されていない前立腺癌が検出されたため、真の陽性は61に増加し、真の陰性例は11となった。これは、組織学及びGSTP1メチル化による盲検的生検材料分析を比較するための至適基準として採用された。61例の病理学的な段階及び等級は、T2a(グリーソン4〜7)19例、T2b(グリーソン6〜7)29例、T3a(グリーソン6〜7)11例、T3b 2例(グリーソン7 1例及び腺管癌1例)であった。
いずれかのテストによってある症例を陽性と呼ぶには、各症例由来の生検材料6個中1個のみが、その試験を使用して陽性と呼ばれる必要があった。これに基づき、診断テストとしての組織学及びGSTP1メチル化の感受性及び特異性を、別々に、そして組み合わせて計算した(表1)。
(表1) 組織学及び異なる閾値を使用したGSTP1 QMSPの感受性及び特異性
Figure 0004381142
生検材料の盲検的組織学的評価により、64%(CI 51〜76%)という感受性で、39/61の症例において前立腺癌が検出された。各症例の生検材料で検出された癌の程度は、0〜20mmの範囲であり、中央値は1mmであった。11の真の陰性例は、全て、陰性であることが見出された(100%の特異性)。生検標本に適用された組織学的基準は完全前立腺調査に使用されたものと同一であったため、生検材料が全ての異常細胞を除去していなければ、生検材料については100%の特異性が期待されるであろう。従って、この100%という推定の精度は、統計的信頼区間が示すより高く、それはテスト及び至適基準テストの独立性を仮定する。
GSTP1単独の場合、予備研究において以前に確立された10という閾値を使用すると、43/61の症例に癌が検出され(範囲0〜791.4、中央値41.3)、感受性は70%であった(一例が図1に示される)。11の真の陰性例は、全て、陰性(範囲0〜2.5、中央値0)であることが見出され、特異性は100%(CI:72%〜100%)であった。組織学と組み合わされたGSTP1を使用(いずれかにおける陽性を陽性と定義)すると、46/61の症例が陽性と正確に診断され、感受性が75%に増加し、組織学単独と比べて11%(CI 5〜22%)改善された。5というより低いGSTP1閾値を使用しても、依然として100%の特異性が維持された。この閾値の場合、単独のGSTP1は、75%(46/61)という感受性を有していた{p=0.06で、組織学より高感受性}。組織学と組み合わせた場合、48/61の症例が正確に診断され、感受性は79%となり、組織学単独より15%(CI 7〜26%)改善された。生検単独、GSTP1単独、組織学と組み合わされたGSTP1の性能を表示し対比させるため、ROC曲線を使用した(図2)。
最適な閾値において、GSTP1 QMSP分析は、組織学によって見落とされた前立腺癌9例を正確に診断し、組織学は、GSTP1 QMSPによって見落とされた2例を検出し、このことから、両方の基準を使用することの重要性が示される。続いて、QMSPによって見落とされた2例からの純粋な原発腫瘍DNA試料を、パラフィン・ブロック切片の顕微解剖によって入手し、GSTP1メチル化に関して分析した(示されないデータ)。一方の腫瘍は、GSTP1陰性(組織学によって1個の生検材料に検出された0.1mmの癌)であり;他方の腫瘍は、弱くGSTP1陽性であり、組織学は、2/6の生検材料に1mm及び0.1mmの癌を検出したが、GSTP1値は陽性閾値に達しなかった。GSTP1 QMSPにより検出され組織学では検出されなかったた9例について、GSTP1値は6.2〜64.2の範囲(中央値13.0)であり、3/9例については2個の生検材料において、6/9例については1個の生検材料において陽性であった。正式の外科病理学検査では、1例は非定型の重度の腺管癌であり、3例は小さなT2aであり、5例は中程度〜重度のT2a-bであった。
偶発的に前立腺癌を含有していることが見出された膀胱前立腺全摘術例5例には、両葉に存在する中程度の癌(グリーソン7)を含有している2/5(GSTP1 QMSPでは両方が検出され、生検材料分析による組織学では一方が検出された)が含まれ;残る3/5の症例は、各々、微小の癌病巣(グリーソン等級6以下)のみを含有しており、いずれのテストによっても検出されなかった。これらの微小の偶発的な病変の自然経過及び適切な治療(もし存在すれば)は、未だ完全に検討されていない。
GSTP1が針生検による前立腺癌のルーチンの診断の感受性を改善し得るか否かを調査するため、以前に診断された前立腺癌のため前立腺切除術を受けた患者、及び前立腺癌の既知の診断なしに膀胱癌のため膀胱前立腺全摘術を受けた患者から採取された六箇所生検材料を分析した。これらの六箇所生検材料を、組織学及びGSTP1 QMSPによって、切除標本における前立腺癌に関して盲検的に分析した。
5という最適な閾値において、GSTP1 QMSP分析の追加は、100%の特異性を維持しつつ、診断の感受性を(64から79%へと)15%改善した。単純な分子テストの追加による癌診断の著しい改善は、診断的経直腸的針生検における組織学に対する補助物としての将来的なGSTP1メチル化分析の使用を強く支持する。
組織病理学が、前立腺癌の診断を確立するための至適基準と考えられている。しかしながら、生検においては、サンプリング誤差及び様々な技術的アーティファクトが、そのアプローチを制限することが認識されている。この研究は、かなりの数の小さな癌(22/61、36%)が、六箇所生検の凍結切片組織学的解析により見落とされ得ることを示している。これは、前立腺切除術の前に、定方向の又はランダムな針生検に基づく以前の前立腺癌の組織学的診断により既に予備選択されていた56例のうちの18例を含んでいた。診断的六箇所生検を受ける男性の集団において、この数は、類似しているか又はさらに高い可能性が高い。
凍結切片に対する組織学検査は、パラフィン切片よりも技術的に困難であり、これが、いくつかの腫瘍が組織学で見落とされた理由であるかもしれない。ホルマリン固定パラフィン包埋切片と、同じ針生検標本に対するGSTP1分析との比較は、組織学にとってより都合のよい結果をもたらしたのかもしれない。また、凍結切片は、高等級PINの診断を特に困難にする。GSTP1分析が、組織学(癌の既知の組織学的マーカー)によって見落とされた9例のうちのいくつかにおいて高度PINを検出した可能性はある。
しかしながら、これらの症例に由来するテストされた純粋な腫瘍DNAは、全て、強くGSTP1陽性であり、正式な外科病理学検査において高等級PINを含有していることが後に報告された他の症例4/4は、GSTP1分析によって陽性と見出されなかった。従って、GSTP1 QMSPが、サンプリング誤差を克服することにより、感受性を改善する可能性はより高い。これは、(4個の癌細胞まで検出することができる)純粋な感受性によるのかもしれないし、又は多くの癌における認識されている領域効果(新生物の周囲の細胞は、原発腫瘍内の遺伝学的改変のうちのいくつかを保持しているが全部は保持しておらず、従って必ずしも新生物の形態学的特徴を示すとは限らない)によるのかもしれない。
前立腺癌の調査及び診断のため、診断を確立するために陽性であることが見出される必要があるのは1個のみであるが、多数の経直腸的針生検材料が採取される。この研究において、二次的な分析として、37/72の症例においては、両方のテストで同数の生検材料が陽性であることが見出され、31/72の症例においては、GSTP1 QMSPにより陽性であった各癌患者由来の生検材料が、組織学より陽性であったものより多く、4/72の症例は、GSTP1 QMSPより多く組織学で陽性の生検材料を有していたことを、本発明者らは見出した。1例当たりの陽性生検材料の最も一般的な数(並数)は、GSTP1 QMSPについては3/6、組織学については1/6であった。これは、採取されたあらゆる生検材料に対する分子的分析の利益を支持しており、生検材料数の増加が診断の精度を増加させ得ることを示唆する証拠が存在している、極めて小さな癌の診断に特に有用であり得る。
特定の各症例において、GSTP1レベルは、最も大きな腫瘍の程度が組織学で見られた症例に由来する生検材料において最も高かった(図1のように)。しかしながら、絶対GSTP1値は、異なる原発腫瘍間のGSTP1メチル化レベルの広い範囲のため、全ての症例で、生検材料で見られた特定の腫瘍の量と直接的に相関してはいなかった。GSTP1 QMSPレベルは、以前に示されたように、PSAの値と相関していなかった。
GSTP1 QMSPのための3〜10という様々な閾比において、分析された数が少なかったために信頼区間は依然として広いが、11の真の陰性例は全て陰性であった。特に、診断された疾患のための治療オプションが大手術を含んでいる場合、いかなる診断テストについても高い特異性は極めて重要である。GSTP1 QMSPのための10という極めて保存的な閾比を使用した場合ですら、診断の感受性は実質的に(11%)改善され、針生検における前立腺癌のための診断感受性を改善するための安全な様式を提供した。
少なくとも、可能な限り早期の癌の診断の機会を改善するため、針生検で陰性組織学を有するが上昇したGSTP1を有することが見出された患者を、高リスクとして、早期の繰り返し生検のため優先させることができる。より定方向の生検のため、疑わしいエリアを同定するために、付加的な画像化技術が使用されてもよい。(REF.)ルーチン(パラフィン)組織学へのGSTP1 QMSPの追加は、この研究において示されたものと平行した量だけ、診断的針生検の感受性を改善する可能性が高いが、さらなる研究を必要とする。
GSTP1 QMSPは、ルーチン組織学と組み合わせ使用された場合、前立腺癌診断の感受性を劇的に改善することができる、前立腺癌のための頑強で、再現性があり、かつ高度に特異的な診断テストである。多数の予備研究及びこの現在の前向きの試験は、前立腺癌のためのルーチンの診断的生検の精度を改善するための、この分子的アプローチの使用を支持し続けている。
実施例2
前立腺癌患者の体液における定量的GSTP1過剰メチル化
本発明者らは、二つの患者グループ(一方は、臨床的に限局性の前立腺癌を保有しており、対照群は、良性前立腺過形成(BPH)を有する患者からなる)において、前立腺癌特異マーカーとしての排泄尿中及び血漿中のDNAにおけるGSTP1過剰メチル化の検出の可能性を検討した。RTQ-MSPを、GSTP1メチル化レベルを定量するために使用した。結果をC-MSPと比較した。前者のアプローチの論理的基礎は、RTQ-MSPが、少量の鋳型DNAを使用した再現性の高いアッセイ法におけるより多数の試料の迅速な分析を可能にするということである。さらに、定量化は、良性疾患と新生物疾患との区別を可能にするかもしれず、この疾患のモニタリングにおいて有用であり得る。
材料及び方法
患者及び試料収集
連続的に診断され、Portuguese Oncology Institute-Portoで根治的前立腺切除術により第一に治療された臨床的に限局性の前立腺癌を有する69人の患者を、この研究のために選択した。全ての症例が、ルーチン分析において高い血清前立腺特異抗原(PSA)によって同定され、前立腺六箇所生検によって確認された(段階T1c)。さらに、経尿道前立腺切除(TURP)を受けたBPHを有する患者31人を、対象として含めた。
組織学的スライド全てを検査し、各腫瘍を段階付けし(TNM段階付けシステム)、等級付けした(グリーソンの等級付けシステム)。−80℃で保管された急速凍結組織、又はパラフィン包埋前立腺組織を、各外科標本から収集した。腺癌(根治的前立腺切除標本)及びBPH(TURP組織)の同定のために、切片を切断した。DNA抽出のため、腺癌組織及び過形成組織の濃縮(>70%)のため、平均50個の12μm厚さの切片から、これらのエリアを顕微解剖した。パラフィン包埋組織を同様にして顕微解剖したが、パラフィンを除去するため48℃で3時間キシレンの中に置いた。DNAも、以前に記載されたようにして、各患者から収集された血漿及び排泄尿から抽出した。簡単に説明すると、DNAを1%SDS/プロテイナーゼK(0.5mg/ml)の中で48℃で一夜消化し、フェノール−クロロホルムによって抽出し、エタノール沈殿させた。
亜硫酸水素塩処理
ゲノムDNAの亜硫酸水素ナトリウム変換を実施するため、以前に記載された方法を修飾したものを使用した。この方法の詳細は、他の箇所に与えられる。
リアルタイム定量的MSP
GSTP1遺伝子プロモーターのメチル化レベル、及び(鋳型DNAの増幅品質に関する対照として使用された)MYOD1遺伝子のコピー数を、以前に記載されたような蛍光に基づくRTQ-MSP20によって決定した。簡単に説明すると、亜硫酸水素塩により変換された目的の遺伝子GSTP1のためのプロモーターDNAを特異的に増幅するために、プライマー及びプローブのいずれかを設計した。組織試料の場合には、特定の各試料においてRTQ-MSP分析によって得られ、次いで1000を掛けられたGSTP1対MYOD1の値の比として、メチル化GSTP1 DNAの相対レベルを表した。
全ての血漿試料及び尿試料を、GSTP1メチル化及びMYOD1遺伝子の両方に関するRTQ-MSP分析にも供した。体液におけるGSTP1メチル化レベルは、尿試料については50ml当たり、血漿試料については1ml当たりの、メチル化GSTP1のコピー(ゲノム当量−GE)として表した21。メチル化DNAに対する反応の特異性は、陽性対照(LNCaP細胞系)及び陰性対照(Du145細胞系)を使用して別々に確認した。多数の水ブランクを各プレートに含めた。使用されたプライマー及びプローブの配列は、本発明者らの以前の論文に記載された15
陽性対照(LNCaP DNA)の段階希釈物によって決定されたように、RTQ-MSPによって検出されたゲノム当量の最低の数は、3.16GEであった。この数字は、1細胞当たり6.6pg DNAという換算係数に基づき計算された22
通常のMSP
メチル化GSTP1又は修飾された非メチル化GSTP1のいずれかのためのプライマー配列は、以前に記載されている。C-MSPは、前記のような適切な陰性対照及び陽性対照を使用して実施された。40サイクルのPCRを、62℃というアニーリング温度を使用して実施した。PCR産物を、非変性6%ポリアクリルアミド・ゲルに直接ロードし、臭化エチジウムにより染色し、UV照明下で可視化した。
統計解析
BPHを有する患者と腺癌を有するものとの間で、年齢分布及び血清PSAのレベルを比較するため、マン・ホイトニーのU検定を実施した。腫瘍メチル化比と、PSAレベル、グリーソン・スコア、及び病理学的段階との間の相関は、スピアマンの相関係数を計算することにより決定した。尿中又は血漿中のGSTP1メチル化状態と、病理学的段階及びグリーソン・スコアとの関連は、カイ二乗検定及びフィッシャーの直接法を使用して調査した。統計解析は、スタティスティカ・フォー・ウィンドウズ(Statistica for Windows)、バージョン6.0(StatSoft,Tulsa,OK)及びエピ・インフォ(Epi Info)、バージョン6(CDC,Atlanta,GA)により実施した。P<0.05で統計的有意性に達した。
結果
本発明者らは、中央年齢63歳(範囲:52〜74)の臨床的に限局性の前立腺癌を有する患者69人を前向きに研究した。対照群として、BPHを有する患者31人を含めた(中央年齢=64歳、範囲:53〜82)。これらの2グループの年齢分布に統計的有意差は見出されなかった(p=0.33)。癌患者及びBPH患者に関する術前血清PSAの中央値は、それぞれ10.3ng/mL(範囲:1.69〜48.3)及び3.43ng/mL(範囲:0.67〜31)であった(p<1E-5)。
本発明者らは、C-MSP及びRTQ-MSPによって、前立腺癌患者及び対照の両方について、組織試料中のGSTP1遺伝子のプロモーター・メチル化状態を決定した(図3a)。腺癌69のうち63(91.3%)が、GSTP1メチル化陽性であることが見出された。腫瘍試料中のメチル化比と、PSAレベル(r=0.04、p=0.74)、グリーソンスコア(r=0.13、p=0.36)、又は病理学的段階(r=0.23、p=0.57)との間に、相関は見出されなかった。BPHグループにおいても、31個中9個(29%)の組織試料がGSTP1過剰メチル化を示した。二つのMSP法間に不一致は見出されなかった。
組織中のメチル化変化に関するスクリーニングの後、本発明者らは盲検的に両MSP法を使用して、対の尿DNA試料及び血漿DNA試料を分析した。あらゆる症例において、本発明者らは、全ての試料、即ち組織、尿、又は血漿からDNAを増幅することができた。GSTP1過剰メチル化は、RTQ-MSPを使用して、前立腺癌患者に由来する尿沈渣69個中13個(18.8%)及び69個中9個(13.0%)の血漿DNA試料において見出された(図3b)。尿試料及び血漿試料についてのメチル化GSTP1のGEの中央値及び四分位範囲(IQR)は、それぞれ3.039GE/ml(IQR:0.857〜3.529)及び140.533GE/ml(IQR:54.6〜552,267)であった。C-MSPは、同じ試料からの21/69(30.4%)の尿及び25/69(36.2%)の血漿においてGSTP1メチル化を検出することができた。
さらに、RTQ-MSPによりGSTP1過剰メチル化陽性であった症例(血漿及び/又は尿)は、全て、C-MSPによっても陽性であった。重要なこととして、対応する腫瘍が陰性であった場合に、尿沈渣又は血漿のDNAがメチル化を保有していた症例は存在しなかった。血漿GSTP1メチル化状態と、病理学的段階又はグリーソン・スコアとの間に、関連は見出されなかった(それぞれ、p=0.84及びp=0.26)。同様に、本発明者らは、尿試料中のGSTP1メチル化状態と病理学的段階又はグリーソン・スコアとの間に相関を見出さなかった(それぞれ、p=0.09及びp=0.83)。
BPH患者において、GSTP1過剰メチル化は、1/31(3.2%)の尿試料に検出され、両方のMSP法が調和していた(5.549GE/ml)。マッチしたBPH組織は、GSTP1過剰メチル化を保有していなかった(潜在的な偽陽性、又は研究室でのラベリングの誤りを表している。下記考察を参照のこと)。BPH患者由来の血漿試料は、全て、(いずれの方法を使用しても)GSTP1過剰メチル化陰性であった。
以前に報告されたように、GSTP1プロモーター・メチル化は、腫瘍組織試料の90%以上において見出され、対の血清及び尿には、より低い程度で見出された。これらの所見は、この遺伝学的改変の高い頻度を確認し、DNAに基づく前立腺癌検出アプローチにおけるその適用を支持し続けるものである。定量分析によると、血清中のGSTP1過剰メチル化の中央レベルは、尿中DNAレベルより有意に高かった(図3b)。
この研究は、特に、サンプリングされるはるかに大きな全容量を考慮した場合、尿中より多量のDNAが血漿中には存在していることを明白に示している。この所見は、尿沈渣からの、即ち、尿中に流入した腫瘍細胞からのDNAの抽出に関係しているかもしれない。従って、遊離の腫瘍DNAは、前立腺導管系ではなく循環系へと優先的に放出されることが示唆される。これらの結果は、全身に初期に転移する前立腺癌の傾向とも一致している。
原発腫瘍におけるGSTP1過剰メチル化を有していた前立腺癌患者のうち、37人(53.6%)は、C-MSPを使用して、尿DNA又は血漿DNAにおいてもこの改変も示した。血漿で陽性の症例の数は、尿で見出されたものよりわずかに多かった(36.2%対30.4%)。同じ傾向は、以前の研究においても報告されており、そこでは、患者の72%が血漿又は血清で陽性であり、尿では36%のみであった。
しかしながら、Goesslらの研究と本発明者らの研究との間にはいくつかの大きな違いが存在しており、それが、それらの直接比較を妨げている。Goesslらは、循環血中腫瘍細胞の可能性がより高い段階IVの患者(治癒可能な外科的切除が不可)を多数(45%)含んでおり、おそらくはそのために検出率がより高かった。実際、彼らの研究において、進行した段階の患者は、全て、血清中のGSTP1メチル化が陽性であった。尿における検出率も本発明者らのものを上回っていたが、彼らの場合には、試料収集前に前立腺マッサージが実施されており、それが、尿中への前立腺細胞の流入を増加させた。
この研究において見出された尿における検出率は、本発明者らの以前の予備的研究の結果を補強している。従って、体液中のGSTP1過剰メチル化の検出率を改善するためには、いくつかの戦略が考えられ得る。一つのアプローチは、尿試料及び血漿試料の数及び/又は容量を増加させ、腫瘍DNAのより大きなサンプリングを可能にすることであろう。
さらに、前立腺マッサージは、尿中への細胞の流入を増加させるかもしれないが、この手法は、テストの許容性を制限する可能性がある。精液においては比較的高いGSTP1過剰メチル化の率(ほぼ50%)が検出されたが、サンプリング手法の性質が、特に高齢の男性においては、その広範な使用を妨害する可能性がある。これらの手法は実質的に最適化されているが、最終的には、PCR法のさらなる技術的な改良が感受性の増加に寄与するかもしれない。
このマーカーが腫瘍組織において改変されていない患者に由来する尿DNA及び血漿DNAには、稀にしか検出されなかったため、GSTP1過剰メチル化の特異性は高いままである。さらに、GSTP1メチル化は、膀胱癌を含む他の性尿器悪性疾患においては一般に検出されていない。
前立腺癌を保有しているという証拠がないBPH患者31人が、対照として使用された。GSTP1過剰メチル化が正常組織においては稀であることが報告されたが、これらの患者のうちの9人(29%)は前立腺組織にこの改変を示した。一見正常な組織におけるある種の遺伝子のプロモーター・メチル化が老化に関連していることを最近の証拠は示唆しているため、本発明者らの所見は、年齢に関係したGSTP1過剰メチル化によって説明されるかもしれない。しかしながら、本発明者らの試料セット(BPH及び癌の両方)において、年齢に関係したパターンは見出されなかった。さらに、GSTP1過剰メチル化を有する腺癌の小さな病巣が過形成腺と共にTURP手法において切除された可能性を無視することはできない。
1人のBPH患者においては、いずれのMSP方法によっても、GSTP1過剰メチル化が、尿には検出され、マッチした組織には検出されなかった。この結果は、この方法の特異性を減じる、偽陽性と解釈され得る。前立腺癌を有する患者において、対の非メチル化腫瘍の尿DNA又は血漿DNAには、過剰メチル化は検出されなかった。従って、それは、このBPH患者が、TURPによってサンプリングされなかった器官の末梢領域に局在する潜在性の前立腺癌を保有していたことを示唆していると考えられる。入念な追跡によって、この興味深い観察は明らかとなるかもしれない。
以前の研究において、いくつかの遺伝子のプロモーター過剰メチル化が、いくつかの型の癌からの体液、即ち肺癌患者由来の気管支洗浄液、唾液、及び血清、並びに頭頸部癌患者由来の血清において、腫瘍DNAを検出するため成功裡に使用されている。これらの研究において、C-MSP方法は、高い感受性(1:1000)を有することが見出された。しかしながら、この方法では、遺伝子メチル化状態の程度は定量され得ない。
この研究において、RTQ-MSPと比較して、C-MSPを使用した場合の方が、多くの尿試料及び血漿試料がGSTP1過剰メチル化陽性であった(53.6%対31.9%)。この所見は、おそらくは定量分析のため設計された内部プローブのより大きな特異性、及びRTQ-MSP分析に固有の蛍光の高いバックグラウンド・レベルのため、C-MSPがRTQ-MSPより有意に高感受性であることを示唆している。
にもかかわらず、当研究において決定されたRTQ-MSP検出の下限(3.16GE)は、骨髄腫においてLoらにより報告されたレベル(10GE)より高感受性であった。しかしながら、尿及び血漿に存在する前立腺癌細胞に由来するDNAの量は極めて低く、それが、RTQ-MSPによる検出を損なう可能性がある。実際、Lo及び共同研究者らは、患者の骨髄吸引液から得られた合理的な量の細胞において過剰メチル化を検出することができた。
これらの結果は、RTQ-MSPが針生検材料のような細胞に富んだ臨床材料における新生物性疾患の同定において特に有用であり得ることを示唆している。これに関して、RTQ-MSPは、メチル化正常組織と癌との区別を可能にするかもしれない、GSTP1メチル化コピーの数の定量を可能するという利点を有する。
ここで示されたように、GSTP1過剰メチル化は、大きな割合の、組織中のDNAメチル化を保有している初期段階前立腺癌患者において、尿及び血漿に検出され得る。非常に多くの患者が毎年前立腺癌で死亡しているため、これらの結果は、癌検出のための補助物としての分子的アプローチの開発にとって重要な意義を有しているかもしれない。さらに、そのようなアッセイ法は、原発腫瘍のGSTP1メチル化状態が確立された後の、患者のモニタリング及び微小残存疾患の検出において有用であるかもしれない。
参考文献
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好ましい態様に関して本発明を記載したが、本発明の本旨を逸脱することなく、様々な修飾をそれらに施し得ることが理解されるべきである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
4/6の生検材料(LB=左基底部、LM=左中央部、RA=右尖端部、RB=右基底部)におけるGSTP1 QMSPによる癌陽性例に関する増幅曲線を示す。各生検材料は、四つ組で流され、陽性対照の標準希釈物(S1〜5=それぞれ100ng、10ng、1ng、100pg、10pgの標準DNA)と比較された。さらに、この症例は、2/6の生検材料(左基底部2mm、左中央部1mm)における組織学によっても癌陽性であった。生検材料に組織学的に見られた腫瘍の程度は、測定されたGSTP1メチル化のレベルに対応した。 組織学(青)、GSTP1 QMSP(緑)、及び組み合わせテスト(赤)に関するROC曲線を示す。 組織及び体液におけるGSTP1メチル化レベルの分布を示す。(a)GSTP1メチル化は、BPHを有する患者の29%、及び臨床的に限局性の前立腺癌(TRP)を有する患者の91.3%にRTQ-MSPによって検出された。黒バーは、患者グループ内の中央値を示す。星印は、対数尺度でプロットされ得ない0値を有する試料を示す(BPH:n=31;TRP:n=69)。(b)陽性の対の尿試料(n=13)及び血漿試料(n=9)におけるGSTP1メチル化レベル(RTQ-MSP)。黒バーは、患者グループ内の中央値を示す。星印は、対数尺度でプロットされ得ない0値を有する試料を示す(尿:n=56;血漿:n=60)。

Claims (34)

  1. 対象由来の生物学的試料のメチル化比を決定することを含む、前立腺新形成を早期に検出するための方法であって、ここでメチル化比とはMYODもしくはACTB参照遺伝子内のある領域のDNAのレベルに対するグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域のメチル化されたDNAのレベルであり、正常対象由来の生物学的試料のメチル化比より高いメチル化比が対象における前立腺新形成の指標となる、方法。
  2. 試料が体液である、請求項1記載の方法。
  3. 体液が血清、血漿、精液、又は尿である、請求項2記載の方法。
  4. 試料が前立腺組織試料である、請求項1記載の方法。
  5. GSTP1のプロモーター領域のメチル化されたDNAのレベルがリアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用することにより決定される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. PCRにおいて使用される少なくとも1つのプライマーが非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別することができる;又は
    PCRにおいて使用される両方のプライマーが非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別することができる;又は
    PCRにおいて使用されるプローブが非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別することができる;又は
    PCRにおいて使用される両方のプライマー及びプローブが、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別することができる、請求項5記載の方法。
  7. 参照遺伝子内の領域のDNAのレベルがリアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用することにより決定される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 参照遺伝子内の領域のDNAのレベルがリアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用することにより決定され、その領域が第一及び第二のプライマー結合部位並びにプローブ結合部位を含有しており、かつ第一及び第二のプライマー結合部位並びにプローブ結合部位がCpGジヌクレオチドを欠いている、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 参照遺伝子内の領域がCpGジヌクレオチドを欠いている、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 3より大きいメチル化比×1000が対象における前立腺新形成の指標となる;又は
    5より大きいメチル化比×1000が対象における前立腺新形成の指標となる;又は
    10より大きいメチル化比×1000が対象における前立腺新形成の指標となる、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 試料の組織学的解析を実施することをさらに含む請求項1〜10のいずれか一項記載の方法であって、試料が前立腺組織試料である方法。
  12. 5より大きいメチル化比が対象における前立腺新形成の指標となる;又は
    10より大きいメチル化比が対象における前立腺新形成の指標となる、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  13. 対象のPSAレベルを測定することをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 対象が正常PSAレベルを有する、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 対象が正常PSAレベルより高いPSAレベルを有する、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. 前立腺新形成が前立腺癌である、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
  17. グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域の増幅のためのプライマー対を含有している第一の容器と、
    MYODもしくはACTB参照遺伝子内のある領域の増幅のためのプライマー対を含有している第二の容器と、
    第一及び第二のオリゴヌクレオチド・プローブを含有している第三の容器とを含む、前立腺癌の検出に有用なキットであって、
    該第一のオリゴヌクレオチド・プローブはGSTP1のプロモーター領域の増幅に特異的であり、該第二のオリゴヌクレオチド・プローブは参照遺伝子内の領域の増幅に特異的であり、
    GSTP1のプロモーター領域の増幅のための少なくとも1個のプライマー又は1個のオリゴヌクレオチド・プローブはメチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができるキット。
  18. 変換された核酸を作製するための非メチル化シトシンを修飾する修飾剤を含有している第四の容器をさらに含む、請求項17記載のキット。
  19. 前立腺癌の指標となるメチル化比を開示している説明書をさらに含む、請求項17記載のキット。
  20. 5より大きいメチル化比が前立腺癌の指標となることを開示している説明書をさらに含む、請求項19記載のキット。
  21. 10より大きいメチル化比が前立腺癌の指標となることを開示している説明書をさらに含む、請求項19記載のキット。
  22. 50より大きいメチル化比が前立腺癌の指標となることを開示している説明書をさらに含む、請求項19記載のキット。
  23. 参照遺伝子内の領域がCpGジヌクレオチドを欠いている、請求項17〜22のいずれか一項記載のキット。
  24. 参照遺伝子の領域が第一及び第二のプライマー結合部位並びにオリゴヌクレオチド結合部位を含有しており、かつ第一及び第二のプライマー結合部位並びにオリゴヌクレオチド結合部位がCpGジヌクレオチドを欠いている、請求項17〜23のいずれか一項記載のキット。
  25. GSTP1のプロモーター領域の増幅のためのプライマーがメチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる、請求項17〜24のいずれか一項記載のキット。
  26. 第一のオリゴヌクレオチド・プローブがメチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる、請求項17〜25のいずれか一項記載のキット。
  27. キットが対象由来の前立腺組織試料における前立腺癌の検出に有用であることを開示している説明書をさらに含む、請求項17〜26のいずれか一項記載のキット。
  28. PSAのためのプローブをさらに含む、請求項17〜27のいずれか一項記載のキット。
  29. 請求項1〜4のいずれか一項もしくは請求項16記載の方法であって、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GSTP1)のプロモーター領域のメチル化されたDNAのレベルが、少なくとも1個の特異的オリゴヌクレオチド・プローブの存在下でオリゴヌクレオチド・プライマーを用いて増幅することにより決定され、
    プロモーター領域は、変換された核酸を作製するための非メチル化シトシンを修飾する薬剤によって修飾されており、そして、少なくとも1個のオリゴヌクレオチド・プライマー又は特異的オリゴヌクレオチド・プローブは、メチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができ、
    プロモーター領域のメチル化されたDNAのレベルの決定が、特異的オリゴヌクレオチド・プローブの増幅により媒介された置換に基づき、
    正常対象におけるメチル化レベルより高いメチル化レベルが対象における前立腺癌の指標となる、方法。
  30. 増幅段階がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である、請求項29記載の方法。
  31. 薬剤が亜硫酸水素塩である、請求項29もしくは30記載の方法。
  32. 少なくとも2個のオリゴヌクレオチド・プライマーがメチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる、請求項29〜31のいずれか一項記載の方法。
  33. 少なくとも1個の特異的オリゴヌクレオチド・プローブがメチル化核酸と非メチル化核酸とを区別することができる、請求項29〜32のいずれか一項記載の方法。
  34. 特異的オリゴヌクレオチド・プローブが少なくとも1個の蛍光標識部分をさらに含む、請求項29〜33のいずれか一項記載の方法。
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