JP4380893B2 - 情報提供システム - Google Patents

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JP4380893B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報提供システムに関する。
【0002】
【背景技術】
近年、インターネットなどに接続されたネットワーク端末を介し、様々な製品の情報を自由に取得することが可能になってきた。このような情報提供を行うサイトでは、同種の製品を扱う複数会社(企業)のホームページ(URL)を紹介しており、ネットワーク端末から各会社のホームページにアクセスすることで、必要な製品の情報を容易かつ迅速に入手することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような会社のホームページには、ネットワーク上にある端末から誰でも自由にアクセスできるため、会社側で提供する情報としては、一般の顧客が望む程度の情報に限られてしまい、より密接した関係にある顧客等への情報としては十分とはいえなかった。
【0004】
ところで、前記会社の顧客がさらに顧客をかかえている場合がある。例えば、前記会社が製品メーカー、その直接の顧客が販売代理店、さらに、販売代理店の顧客が製品の使用者(エンドユーザ)といった場合である。
このような場合、エンドユーザーがメーカー側の情報を得るためには、販売代理店を訪ねるのが一般的である。インターネット等を介してエンドユーザが直接メーカーにアクセスすることも可能であるが、前述のように、得られる情報には限界がある。
【0005】
一方、ネットワークを利用した会員制の情報提供システム(サービス)が知られている。このシステムは、情報提供者が許可した会員にのみ詳細な情報を提供するものである。このようなシステムをメーカー側で構築し、販売代理店やエンドユーザが会員として許可されれば、必要な情報が詳細にわたって取得可能である。
【0006】
しかし、この会員制の情報提供システムでは、直接の顧客でないエンドユーザに対しても、メーカー側が会員としての許可を与えるため、そのエンドユーザが自社の詳細な情報の提供先として相応しいか否かの判断が容易につかない場合がある。これは、ネットワークに接続された端末間で許可作業を行う場合など、瞬時に応答できない可能性が生じ、特に問題となる。
【0007】
なお、エンドユーザは、直接取り引きがある販売代理店にアクセスし、販売代理店に蓄積されたメーカーの情報を取得することも考えられるが、このような場合には、販売代理店側に膨大なデータベースを構築する必要があるうえ、そのメンテナンスも必要であり、販売代理店にとって費用の負担が大きいという問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、特定の情報取得希望者に必要な情報を容易かつ確実に提供できるとともに、大きな費用負担を強いられることなく情報を取得できる情報提供システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報提供システムは、ネットワークサーバに記憶された複数の情報提供者の情報をネットワークを介して情報取得希望者に提供する情報提供システムであって、前記ネットワークサーバは、前記複数の情報提供者毎の情報が蓄積された複数の記憶部と、情報提供者が自身の情報の公開を許可した第1の情報取得希望者に対してセキュリティキーを付与するとともに、前記第1の情報取得希望者が第2の情報取得希望者に対して、前記情報を前記情報提供者から直接取得することを許可した際、前記第2情報取得希望者に別のセキュリティキーを付与するキー付与手段と、第1、第2の情報取得希望者から入力されたセキュリティキーを確認して当該情報取得希望者に対する情報提供の可否を判定するキー判定手段と、前記セキュリティキーに対応した記憶部から第1、第2の情報取得希望者の要求する情報を呼び出す情報検索・取得手段とを備え、前記キー付与手段は、前記第1の情報取得希望者のアクセスによる前記情報提供者からの情報取得希望が初めての時には、当該第1の情報取得希望者を情報提供先として承認するか否かを前記情報提供者側に決定させ、前記第2の情報取得希望者のアクセスによる前記情報提供者からの情報取得希望が初めての時には、当該第2の情報取得希望者を情報提供先として承認するか否かを前記第1の情報取得希望者に決定させ、承認された第1の情報取得希望者および第2の情報取得希望者に対してのみ、セキュリティキーを付与し、前記記憶部には複数の記憶エリアが設けられているとともに、前記第1の情報取得希望者は前記複数の記憶エリアのうちの前記情報提供者が選択した記憶エリアへのみアクセス可能であり、前記第2の情報取得希望者がアクセス可能な記憶エリアとしては、前記情報提供者が選択した記憶エリアのうちのさらに限定した記憶エリアに設定可能であることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、情報提供者側からは、当該情報提供者が選定した特定の第1の情報取得希望者にのみセキュリティキーが付与されるので、選定した第1の情報取得希望者に対しては、通常一般に公開する情報よりもより詳細な情報の提供が行える。
また、第1の情報取得希望者は、情報提供者に代わって第2の情報取得希望者に情報取得のための許可を与えるから、情報提供者は第1の情報取得希望者との間での信頼関係があれば、第2の情報取得希望者との間に直接的な関係がなくても、第1の情報取得希望者の許可行為を信頼して第2の情報取得希望者への情報提供が行える。これにより、情報提供者では、第2の情報取得希望者との間での手間のかかる許可作業が省かれ、第2の情報取得希望者への同様な詳細情報の提供が容易に行えることになる。
この際、第2の情報取得希望者には、情報提供者からの情報取得が直接行えるようにセキュリティキーが付与されるので、第1の情報取得希望者から情報を取得する必用がなく、第1の情報取得希望者側でデータベースを構築するといった費用負担が避けられる。
【0011】
また、このような構成では、第1、第2の情報取得希望者間で開示可能な情報の機密レベルに差を付けることが可能であり、例えば、第1の情報取得希望者がアクセス可能な複数記憶エリアのうち、さらに限定した記憶エリアの情報のみを第2の情報取得希望者に開示することが可能になる。
なお、第2の情報取得希望者に対する記憶エリアの限定は、情報提供者側で行ってもよく、第1の情報提供者側で行ってもよい。
【0012】
本発明の情報提供システムでは、前記情報は、少なくともイメージ情報と、このイメージ情報内の文字に関連付けられた文字情報とで構成されていてもよい。イメージ情報としては、例えば、情報提供者が扱う製品や部品の図面、あるいはイメージ図、文字情報としては、例えば、その製品や部品の名称、使用個数、単価等であり、これらの情報に基づき、図面と当該図面内の前記文字に関連した文字情報とを各情報取得希望者の端末に同時に表示させることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報提供システム1の概略を示す模式図である。図1において、情報提供システム1は、ネットワークコンピュータ技術を用いて実現されるものであって、例えば、インターネット等のネットワーク2上にあるネットワークサーバ10に対し、製品メーカー(企業)A,B,C…で扱っているそれぞれの製品等の情報をデータベース化して蓄積しておき、この情報を販売代理店a1,b1,c1,d1…、あるいは製品の使用者(エンドユーザ)a2,b2,c2,d2…にネットワークサーバ10から直接提供するものである。
【0016】
この際、情報提供者としてのメーカーA〜Cは、予めユーザIDおよびセキュリティキーとしてのパスワードを第1の情報取得希望者としての販売代理店a1〜d1に付与してあり、また、この販売代理店a1〜d1は、メーカーA〜Cに代わってユーザIDおよび別のパスワードを予め第2の情報取得希望者としての使用者a2〜d2に付与してある。そして、販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2は、メーカーA〜Cのうち、パスワードに関連したメーカーの情報のみを取得することが可能である。
【0017】
ネットワークサーバ10は、図2に示すように、CPUやメモリーからなる制御手段11と、一記憶媒体としてのハードディスクからなる記憶手段12とを備え、図1に示すメーカーA,B,C…のメーカー端末20、販売代理店a1,b1,c1,d1…の代理店端末30、および使用者a2,b2,c2,d2…の使用者端末50に対しては、ネットワーク2を介して情報通信可能である。なお、このような各端末20,30,50としては、ネットワーク2と有線形式で接続されるもの他、携帯電話、PHS、無線通信機能を備えたパーソナルコンピュータなど、各種無線形式のモバイルツールを適用できる。
【0018】
ネットワークサーバ10の制御手段11は、それぞれ前記CPUで実行可能なソフトウェア等からなるID・パスワード付与手段111、ID・パスワード書込手段112、ID・パスワード判定手段113、情報検索・取得手段114を含んで構成されている。
記憶手段12は、Aメーカー用記憶部121、Bメーカー用記憶部122、Cメーカー用記憶部123…、コモン記憶部124を含んで構成されている。
【0019】
制御手段11のID・パスワード付与手段111は、本システム1のホームページ等を開いた販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2が、メーカーA〜Cのうちのいずれかのメーカー(全メーカーでもよい)から情報を取得したいと考えた場合、この販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2のアクセスが初めてか否かを確認する機能を有する。
【0020】
さらに、ID・パスワード付与手段111は、販売代理店a1〜d1のアクセスが初めての時には、販売代理店a1〜d1を情報提供先として承認するか否かをメーカーA〜C側に決定させ、使用者a2〜d2のアクセスが初めての時には、使用者a2〜d2を情報提供先として承認するか否かを販売代理店a1〜d1に決定させ、承認された販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2に対してのみ、メーカーA〜Cから直接情報を取得できるようにユーザIDおよびパスワードを付与する。
【0021】
ID・パスワード書込手段112は、販売代理店a1〜d1、使用者a2〜d2が情報提供先として承認された場合に付与されるユーザID、パスワード、およびいずれのメーカーが情報提供もとであるかの情報を、互いに関連付けされた状態で記憶手段12のコモン記憶部124に記憶させる機能を有する。
【0022】
ID・パスワード判定手段113は、ユーザIDおよびパスワードを既に所持している販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2が情報取得のためにホームページ等を開いた場合に、販売代理店a1〜d1、使用者a2〜d2が入力した自身のユーザID、パスワード、およびアクセス先のメーカー名(メーカーのID等)と、コモン記憶部124に予め記憶された内容とを照合する機能を有する。
【0023】
情報検索・取得手段114は、販売代理店a1〜d1、使用者a2〜d2が入力したユーザID、パスワード、およびアクセス先のメーカー名が適正と判断された場合に、販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2が希望する情報を該当するメーカーA〜Cの各メーカー用記憶部121〜123内から検索し、呼び出す機能を有する。
【0024】
記憶手段12の各メーカー用記憶部121〜123には、各メーカーA〜Cの公開したい情報が記憶されている。具体的には、各メーカー用記憶部121〜123には、例えば、建設機械を扱うメーカーAのAメーカー用記憶部121を図3に代表して示すと、製品の情報として、クレー、ブルドーザ、ホイルローダ、油圧ショベル…等に関する情報が各記憶エリアA1-1,A1-2,A1-3,A1-4…に各々記憶され、製品を構成する部品の情報として、部品名称、部品番号、部品単価、部品のイメージ情報…等に関する情報が記憶エリアA2-1,A2-2,A2-3,A2-4…に各々記憶され、ドキュメント情報として、製品の取扱説明書、整備作業標準マニュアル、サービス管理マニュアル、苦情対処報告書…等に関する情報が記憶エリアA3-1,A3-2,A3-3,A3-4…に各々記憶されている。他のB、Cメーカー用記憶部122,123でも、記憶される情報の内容は各メーカーB,Cの業種等で異なるが、各情報はやはり複数に区分けされた記憶エリアに記憶される。
【0025】
コモン記憶部124には、前述したように、販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2のそれぞれが所有するユーザID、パスワード、このパスワードに関連したメーカのID等が記憶されている。また、制御手段11で実行される各種ソフトウェアなども、このコモン記憶部124に記憶されている。
【0026】
メーカーA〜Cが直接取り引きのある販売代理店a1〜d1に付与するパスワードには、いずれの情報を取得可能であるかが各メーカー用記憶部121〜123の記憶エリアを単位として設定されている。これによれば、例えば、メーカーAは販売代理店a1に対して、製品情報やドキュメント情報としては、全ての記憶エリアA1-1,A1-2,A1-3,A1-4,A3-1,A3-2,A3-3,A3-4の情報を提供できるように設定するが、部品情報としては、機密性の高い部品単価に関する情報(すなわち記憶エリアA2-3の情報)を除いた記憶エリアA2-1,A2-2,A2-4の情報を提供するように設定可能である。
【0027】
一方、販売代理店a1〜d1が直接取り引きのある使用者a2〜d2に付与するパスワードにも、いずれの情報を取得可能であるかが各メーカー用記憶部121〜123の記憶エリアを単位として設定されている。これによれば、例えば、販売代理店a1は使用者a2に対して、製品情報や部品情報としては、既にメーカーAからのアクセスが許可されている全ての記憶エリアA1-1,A1-2,A1-3,A1-4,A3-1,A2-1,A2-2,A2-4の情報を提供できるように設定するが、ドキュメント情報としては、メーカーAと販売代理店a1との間でしか開示できない機密性の高い苦情対処報告に関する情報(すなわち記憶エリアA3-4の情報)を除いた記憶エリアA3-1,A3-2,A3-3の情報を提供するように設定することが可能である。
【0028】
このような設定では、販売代理店a1がメーカーAから付与されたパスワードを用いて情報取得を試みた場合、部品単価に関する情報を取得することはできない。ただし、そのような記憶エリアA2-3内の機密性の高い情報は、メーカーA内での複数の端末等からはアクセス可能であり、社内における異なる部署間で情報が共有化されている。
また、使用者a2が販売代理店a1から付与されたパスワードを用いてメーカーAから直接情報取得を試みた場合、部品単価に関する情報に加え、苦情対処報告に関する情報を取得することはできない。
そして、パスワードとアクセス可能な記憶エリアとを対応させたテーブルがコモン記憶部124に記憶される。
【0029】
以下には、図4のフローチャート、および図5〜図10に示す代理店端末30側でのディスプレイ画面をも参照し、先ず、本システム1によるメーカーおよび販売代理店間の情報提供の流れを説明する。なお、説明の便宜上、情報提供もとを建設機械メーカーであるメーカーA、提供先をその販売を請け負う販売代理店a1として説明する。また、サーバ10の各メーカー用記憶部121〜123への情報蓄積作業は、既に完了しているものとする。
【0030】
図4のST(ステップ)1において、販売代理店a1がインターネット等を介して本システム1のホームページにアクセスすると、ネットワークサーバ10は、販売代理店a1の代理店端末30に、図5に示すホームページ画面41を表示する。次いで、販売代理店a1は、建設機械の情報を提供しているメーカーAから必要な情報が得られると考え、「メーカーA」をマウス等でクリックして選択する。
なお、実際には、画面41(の表示用データ)をコモン記憶部124等から呼び出してサーバ10内のメモリに一時記憶し、これを端末30がネットワーク2を介してビューアソフトで見ることになる。以下の画面等も同様である。
【0031】
ST2において、ネットワークサーバ10のID・パスワード付与手段111は、代理店端末30に、図6に示すID・パスワード入力画面42を表示する。販売代理店a1がメーカーAに初めてアクセスを試みた場合には、販売代理店a1は自身のユーザIDおよびパスワードを所有していないので、情報取得を断念してホームページ画面41に戻るか、ユーザ登録を行ってIDおよびパスワードをメーカーAから付与してもらう。メーカーAが既にIDおよびパスワードを販売代理店a1に付与している場合には、それらを入力する。
【0032】
ST3は、販売代理店a1がメーカーAによるユーザ登録を希望する場合、つまり、入力画面42で「ユーザ登録」を選択した場合である。ここでID・パスワード付与手段111は、図7に示すID・パスワード付与申請画面43を代理店端末30に表示する。販売代理店a1は、申請画面43の申請者入力欄において、申請したいユーザID、パスワードの他、住所、電話番号を入力し、販売代理店の項目にチェック印を付け、「OK」を選択する。すると、ID・パスワード付与手段111は、図8に示すように、申請画面43で入力した内容と同じ内容を含むID・パスワード承認および記憶エリア設定画面44をメーカーA側の端末20に表示する。
【0033】
ST4において、メーカーAは、設定画面44の表示内容に基づき、販売代理店a1に対して情報提供を承認するか否かを決定する。承認しない場合には、メーカーAは「承認しない」を選択する。これにより、ID・パスワード付与手段111は、販売代理店a1の端末30の画面表示をホームページ画面41に戻すとともに、承認しない旨のメッセージを表示する。一方、販売代理店a1への情報提供を承認する場合には、メーカーAは引き続き、販売代理店a1がアクセスできる記憶エリアA1-1,A1-2…等を選定し、設定画面44上で入力する。
なお、情報提供の承認の可否は、メーカー端末20内に予め取り引き先である販売代理店のテーブルを記憶しておき、このテーブル内に販売代理店a1が実際の取り引き先として存在するか否か等を確認することで行われる。
【0034】
ST5は、販売代理店a1への情報提供が承認された場合である。ここでID・パスワード書込手段112は、承認された販売代理店a1のユーザIDおよびパスワードを、メーカーAからの情報取得に用いられるものとしてコモン記憶部124に記憶する。また、ID・パスワード書込手段112は、申請したユーザIDおよびパスワードがメーカーAによって承認され、登録された旨を端末30に表示する。これにより、メーカーAから販売代理店a1へのユーザIDおよびパスワードの付与が完了する。この後、ST7に進む。
【0035】
ST2に戻って、メーカーAがIDおよびパスワードを既に販売代理店a1に付与している場合、販売代理店a1は、それらを図6のID・パスワード入力画面42上で入力する。
【0036】
ST6において、ID・パスワード判定手段113は、入力されたIDおよびパスワードがメーカーAからの情報取得のために適切であるか否かを、コモン記憶部124に予め記憶されている内容と照合して判定する。不適切と判定すれば、端末30の画面にその旨を表示して再入力を促す等する。適切と判定すれば、ST7に進む。
【0037】
ST7において、サーバ10の情報検索・取得手段114は、販売代理店a1の端末30に、図9に示すメニュー画面45を表示する。販売代理店a1は、メーカーAが提供する製品情報、部品情報、ドキュメント情報の中から取得したい情報を選択する。本実施形態では、「部品情報」を選択したものとする。すると、情報検索・取得手段114は、図示しない検索項目入力画面などを表示し、取得したい情報に係る部品名称や部品番号等の入力を販売代理店a1に促す。
【0038】
ST8において、販売代理店a1が情報取得を止める場合には、メニュー画面45上で「キャンセル」を選択すればよく、情報検索・取得手段114は、端末30の画面表示をホームページ画面41に戻す。
【0039】
ST9において、情報検索・取得手段114は、販売代理店a1から前記検索項目入力画面への入力があった時、その入力内容に基づく情報をAメーカー用記憶部121から検索し、検索した情報を端末30に表示する。図10には、そのうよな検索項目入力画面上で部品番号としての「201−30−72140」を入力し、その検索した結果が検索結果表示画面46として示されている。
【0040】
図10の検索結果表示画面46に示すように、本実施形態では、部品番号を入力すると、この部品番号の部品を含んで描かれた図面461と、当該図面461に描かれた全ての部品の部品リスト462とを端末30に同時に表示するようになっている。
【0041】
ここで、図面461は、ビットマップファイル等のイメージ情報からなるが、このイメージ情報内にある文字、すなわち図面461内に表示された部品符号は、部品リスト462のインデックス(IDX)番号に対応しており、図面461中の例えば部品符号「2」をマウスポインタで選択すると、その部品符号が「2」から「▲2▼」に変化するとともに、部品リスト462では、この部品符号「2」と同じインデックス番号「2」が付された部品の部品情報が文字色の変化等によって自動的に強調表示されるようになっている。逆に、部品リスト462において、インデックス番号「2」が付された部品の部品情報を先に選択して強調表示させ、これに連動して図面461の部品符号を「2」から「▲2▼」に変化させることも可能である。
【0042】
このような機能は、イメージ情報(図面461)内の文字としての部品符号をOCR(optical character reader)で読みとった後、この読みとった部品符号と、インデックス番号と、当該インデックス番号毎の部品番号、部品名称、使用する個数、単価等の文字情報とを互いに関連付けすることで実現可能であり、実現するためのソフトウェアが記憶手段12に格納され、制御手段11で実行れる。
【0043】
以上販売代理店a1は、検索結果表示画面46から部品情報等の必要な情報を取得した後、画面右上の×印をクリックして図示しない検索項目入力画面に戻り、必要に応じて次の検索を行ったり、終了してホームページ画面41に戻る。
なお、説明を省略するが、販売代理店a1はメーカーAの他、メーカーB,Cと取り引きがある場合など、このメーカーB,Cに対しても同様な操作で情報取得を試みることができる。販売代理店b1〜d1に関しても同じである。
【0044】
次に、本システム1によるメーカーおよび使用者間の情報提供の流れであるが、これについては、前述したST1〜ST9のうち、ST2〜ST5に相当する流れのみを説明する。他のST1、ST6〜ST9は、販売代理店a1にかかる事項を使用者a2に置き換えることで容易に理解できるからである。
【0045】
すなわち、図4のST2においては、ネットワークサーバ10のID・パスワード付与手段111は、使用者端末50に、ID・パスワード入力画面42(図6)を表示する。使用者a2がメーカーAに初めてアクセスを試みた場合など、、使用者a2が自身のユーザIDおよびパスワードを所有していない時には、情報取得を断念してホームページ画面41に戻るか、ユーザ登録を行ってIDおよびパスワードを販売代理店a1から付与してもらう。販売代理店a1が既にIDおよびパスワードを使用者a2に付与している場合には、それらを入力する。
【0046】
ST3において、使用者a2が販売代理店a1によるユーザ登録を希望する場合、つまり、入力画面42で「ユーザ登録」を選択した場合には、ID・パスワード付与手段111は、図9に示すID・パスワード付与申請画面63を使用者端末50に表示する。使用者a2は、申請画面63の申請者入力欄において、申請したいユーザID、パスワードの他、住所、電話番号を入力し、製品の使用者の項目にチェック印を付け、「OK」を選択する。すると、ID・パスワード付与手段111は、製品の使用者の項目にチェック印が付されているのを受けて、図10に示すID・パスワード承認および記憶エリア設定画面64を販売代理店a1側の端末30に表示する。
【0047】
ST4では、販売代理店a1は、設定画面64の表示内容に基づき、使用者a2に対して情報提供を承認するか否かを決定する。承認しない場合には、販売代理店a1は「承認しない」を選択する。これにより、ID・パスワード付与手段111は、使用者a2の端末50の画面表示をホームページ画面41に戻すとともに、承認しない旨のメッセージを表示する。一方、使用者a2への情報提供を承認する場合には、販売代理店a1は引き続き、使用者a2がアクセスできる記憶エリアA1-1,A1-2…等を選定し、設定画面64上で入力する。
なお、情報提供の承認の可否は、代理店端末30内に予め取り引き先である使用者のテーブルを記憶しておき、このテーブル内に使用者a2が実際の取り引き先として存在するか否か等を確認することで行われる。また、アクセスできる記憶エリアA1-1,A1-2…等を選定は、販売代理店a1がメーカーAから許可されている記憶エリア内から選択されることになる。
【0048】
ST5は、使用者a2への情報提供が承認された場合である。ここでID・パスワード書込手段112は、承認された使用者a2のユーザIDおよびパスワードを、メーカーAから直接情報を取得するのに用いられるものとしてコモン記憶部124に記憶する。また、ID・パスワード書込手段112は、申請したユーザIDおよびパスワードが販売代理店a1によって承認され、登録された旨を端末50に表示する。これにより、販売代理店a1から使用者a2へのユーザIDおよびパスワードの付与が完了する。この後、ST7に進む。
【0049】
ST2に戻って、販売代理店a1がIDおよびパスワードを既に使用者a2に付与している場合、使用者a2は、それらをID・パスワード入力画面42上(図6)で入力すればよい。
なお、説明を省略するが、使用者a2は販売代理店a1の他、販売代理店b1〜d1から同様な操作でユーザID、パスワードを付与してもらい、これらの販売代理店b1〜d1と取り引きのあるメーカーB,Cからの情報取得を直接試みることができる。使用者b2〜d2に関しても同じである。
【0050】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)情報提供システム1では、メーカーA〜Cからは、メーカーA〜C側で選定した特定の販売代理店a1〜d1にのみセキュリティキーとしてのパスワードが付与されるので、選定した販売代理店a1〜d1に対しては、通常一般に公開する情報よりも詳細な情報を提供することができ、販売代理店a1〜d1側の満足度を大幅に向上させることができる。
【0051】
(2)また、販売代理店a1〜d1からは、メーカーA〜Cに代わって選定した使用者a2〜d2に情報取得のための許可、すなわちパスワードが与えられるため、メーカーA〜Cは販売代理店a1〜d1との間での取り引き上の信頼関係があることにより、使用者a2〜d2との間に直接取り引きがなくても、販売代理店a1〜d1の許可行為を信頼して使用者a2〜d2への情報提供を行うことができる。これにより、メーカーA〜Cでは、直接取り引きのない使用者a2〜d2との間での手間のかかる許可作業を省くことができ、使用者a2〜d2への同様な詳細情報の提供を容易に行うことができる。
【0052】
(3)この際、使用者a2〜d2には、メーカーA〜Cからの情報取得を直接行えるようにパスワードが付与されるので、販売代理店a1〜d1から情報を取得する必用がなく、販売代理店a1〜d1側でデータベースを構築するといった費用負担を避けることができる。
【0053】
(4)複数の販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2がネットワーク2を介して複数のメーカーA〜Cから情報を取得する場合、メーカーA〜Cの各メーカー用記憶部121〜123に記憶された情報を同一のソフトウェアからなる情報検索・取得手段114で呼び出すことができ、販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2側としては、異なるメーカーA〜Cからの情報を同様な端末操作で取得できる。従って、端末30,50の操作の煩雑さを解消して情報取得をより迅速かつ容易に行うことができる。
【0054】
(5)サーバ10の各メーカー用記憶部121〜123には複数の記憶エリア(例えば、Aメーカー用記憶部121に代表される記憶エリアA1-1,A1-2,A1-3,A1-4…,A2-1,A2-2,A2-3,A2-4…,A3-1,A3-2,A3-3,A3-4…)が設けられ、複数の記憶エリアのうち、販売代理店a1〜d1はメーカーA〜Cが選択した記憶エリアのみに、また、使用者a2〜d2は販売代理店a1〜d1が選択した記憶エリアのみにアクセス可能であるから、メーカーAとしては、販売代理店a1〜d1と使用者a2〜d2との間で、提供できる情報の機密レベルに差を付けることができる。例えば、本実施例でいえば、販売代理店a1〜d1には苦情対処報告に関する情報を提供できるが、使用者a2〜d2に対しては提供できないようにすることが可能である。
【0055】
(6)そして、複数の記憶エリアA1-1,A1-2,A1-3,A1-4…,A2-1,A2-2,A2-3,A2-4…,A3-1,A3-2,A3-3,A3-4が設定されていることにより、メーカーA〜Cとしては、アクセスされることのない記憶エリアに機密レベルの高い苦情処理報告や部品単価等の情報を格納しておくことができ、選定された販売代理店a1〜d1や使用者a2〜d2にそれらの情報が流出するのを防止できる。
【0056】
(7)機密性の高い情報であっても、各メーカー用記憶部121〜123に記憶されていることにより、例えば、メーカーAにおける異なる複数部署の端末20等から同社の機密情報をアクセスでき、一つのメーカー内での情報の共有化を促進できる。
【0057】
(8)部品情報としては、多数の部品が描かれた図面461のイメージ情報と、このイメージ情報内の部品符号に関連付けられた部品番号、部品名称、使用個数などの部品情報とで構成されているため、図面461と、この図面461内の部品符号に関連した部品の部品情報とを同時に表示させることができ、部品に対するより正確な情報を販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2に対して提供できる。
【0058】
(9)ネットワークサーバ10内に蓄積された情報の管理はサーバ10側で一括して行えるので、各メーカーA〜Cで個別に行う必要がなく、メーカーA〜C内での情報管理にかかる経費を大幅に削減できる。また、全ての情報がデータ化されているため、例えば、情報を紙の資料として管理する場合に比し、資料の印刷費や資料の販売代理店a1〜d1および使用者a2〜d2への運送費等を削減でき、この点からも経費削減を促進できる。
【0059】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、メーカーAが販売代理店a1、使用者a2にのみ情報提供を承認した例を説明したが、一メーカーが複数の販売代理店および使用者に情報提供を承認したり、一販売代理店および使用者が複数のメーカーから情報を取得してもよい。
【0061】
その他、情報提供者、第1の情報取得希望者、第2の情報取得希望者は、メーカー、販売代理店、使用者に限定されるものではなく、他の任意の法人や個人であってもよい。また、提供する情報の種類も任意であり、前記実施形態のような建設機械に限定されない。さらに、端末への表示画面の様式等も、見易さや入力し易さ等を勘案して任意に決定してよく、図5〜図12に示すものに限定されない。
【0062】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、特定の情報取得希望者に必要な情報を容易かつ確実に提供できるとともに、大きな費用負担を強いられることなく情報を取得できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一本実施形態に係る情報提供システムの概略を示す模式図である。
【図2】前記実施形態のネットワークサーバを示すブロック図である。
【図3】前記実施形態の一記憶部を示す模式図である。
【図4】情報取得までを示すフローチャートである。
【図5】ホームページ画面を示す図である。
【図6】 ID・パスワード入力画面を示す図である。
【図7】第1の情報取得希望者側でのID・パスワード付与申請画面を示す図である。
【図8】情報提供者側でのID・パスワード承認および記憶エリア設定画面を示す図である。
【図9】メニュー画面を示す図である。
【図10】検索結果表示画面を示す図である。
【図11】第2の情報取得希望者側でのID・パスワード付与申請画面を示す図である。
【図12】第1の情報取得希望者側でのID・パスワード承認および記憶エリア設定画面を示す図である。
【符号の説明】
1…情報提供システム
2…ネットワーク
10…ネットワークサーバ
12…一記憶媒体である記憶手段
20…メーカー端末
30…代理店端末
50…使用者端末
111…キー付与手段であるID・パスワード付与手段
113…キー判定手段であるID・パスワード判定手段
114…情報検索・取得手段
121…Aメーカー用記憶部
122…Bメーカー用記憶部
123…Cメーカー用記憶部
124…コモン記憶部
A〜C…情報提供者であるメーカー
a1〜d1…第1の情報取得希望者である販売代理店
a2〜d2…第2の情報取得希望者である製品の使用者(エンドユーザ)
A1-1,A1-2,A1-3,A1-4,A2-1,A2-2,A2-3,A2-4,A3-1,A3-2,A3-3,A3-4…記憶エリア

Claims (2)

  1. ネットワークサーバに記憶された情報提供者の情報をネットワークを介して情報取得希望者に提供する情報提供システムであって、前記ネットワークサーバは、
    前記情報提供者の情報が蓄積された記憶部と、
    情報提供者が自身の情報の公開を許可した第1の情報取得希望者に対してセキュリティキーを付与するとともに、前記第1の情報取得希望者が第2の情報取得希望者に対して、前記情報を前記情報提供者から直接取得することを許可した際、前記第2情報取得希望者に別のセキュリティキーを付与するキー付与手段と、
    第1、第2の情報取得希望者から入力されたセキュリティキーを確認して当該情報取得希望者に対する情報提供の可否を判定するキー判定手段と、
    前記セキュリティキーに対応した記憶部から第1、第2の情報取得希望者の要求する情報を呼び出す情報検索・取得手段とを備え、
    前記キー付与手段は、前記第1の情報取得希望者のアクセスによる前記情報提供者からの情報取得希望が初めての時には、当該第1の情報取得希望者を情報提供先として承認するか否かを前記情報提供者側に決定させ、前記第2の情報取得希望者のアクセスによる前記情報提供者からの情報取得希望が初めての時には、当該第2の情報取得希望者を情報提供先として承認するか否かを前記第1の情報取得希望者に決定させ、承認された第1の情報取得希望者および第2の情報取得希望者に対してのみ、セキュリティキーを付与し、
    前記記憶部には複数の記憶エリアが設けられているとともに、前記第1の情報取得希望者は前記複数の記憶エリアのうちの前記情報提供者が選択した記憶エリアへのみアクセス可能であり、前記第2の情報取得希望者がアクセス可能な記憶エリアとしては、前記情報提供者が選択した記憶エリアのうちのさらに限定した記憶エリアに設定可能である
    ことを特徴とする情報提供システム。
  2. 請求項1に記載の情報提供システムにおいて、前記情報は、少なくともイメージ情報と、このイメージ情報内の文字に関連付けられた文字情報とで構成されていることを特徴とする情報提供システム。
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