JP4379705B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スピーカ装置に関する。
従来より、スピーカユニットが取付けられたバッフルと、前記スピーカユニットの背面側を覆って該バッフルにネジ止めされるキャビネットと、を備えた各種のスピーカ装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
更に、これらバッフルとキャビネットとの突き合わせ部をシールするパッキンを備えたスピーカ装置も知られている。
例えば、図1及び図2に示したスピーカ装置1は、スピーカユニット10が取付けられたバッフル3と、スピーカユニット10の背面側であるバッフル3の開放部を覆って該バッフル3にネジ止めされるキャビネット5と、これらバッフル3とキャビネット5との突き合わせ部におけるバッフル3に突設された複数のネジ穴ボス(取付ボス)11a〜11e,12a〜12eと、前記突き合わせ部に挟装されて該突き合わせ部をシールする遮音パッキン7,8と、を備えたボックス・ウーファーである。
ところで、上述の如きバッフル3とキャビネット5との突き合わせ部におけるシール領域は長方形状の枠型となるが、一般にパッキンはシート状のパッキン素材より所定形状に打ち抜かれて形成されるので、パッキンを枠型に打ち抜いた際にはパッキン素材の歩留りが悪くなると共に成形型が大型化し、パッキンの生産コストが高くなってしまう。
そこで、図1に示したように、長方形状の枠型であるシール領域を2つのL字形状の類似シール領域A,Bに分割し、これに対応して略L字状の外郭形状を有する一対の遮音パッキン7,8を用意することで、コスト低減を図っている。
また、バッフル3に突設される複数の円筒状のネジ穴ボス11a〜11e,12a〜12eは、ネジ止めされるキャビネット5の取付け方向を特定する為、敢えて互いに非対称に配置されることも少なくない。
例えば、図3に示したように、遮音パッキン7,8が載置されるバッフル3の開口縁上の二つの類似シール領域A,Bにおいては、大半のネジ穴ボス11a,11b,11c,12a,12b,12cの突設位置が、これらの二つの類似シール領域A,Bで互いに点対称となる配置になっている。
しかしながら、キャビネット5の取付け方向を特定する為に、一方の長辺上のネジ穴ボス11d,11e間の間隔Waと、他方の長辺上のネジ穴ボス12d,12e間の間隔Wbとが相違しており、その結果二つの類似シール領域A,B間でのネジ穴ボス11d,11eとネジ穴ボス12d,12eの突設位置が、互いに非対称な配置になっている。
一方、各遮音パッキン7,8に形成される取付穴7a〜7f,8a〜8fは、挿通されるネジ穴ボス11a〜11e,12a〜12eの横断面形状に応じて設定された円形の穴であり、上述のような一方の長辺上のネジ穴ボス11d,11eと他方の長辺上のネジ穴ボス12d,12eとの突設位置の相違に対しては、遮音パッキン7の取付穴7d,7e間の間隔と遮音パッキン8の取付穴8d,8e間の間隔とをそれぞれ前記間隔Waと前記間隔Wbとに合わせて相違させることで対応していた。
特開2003−289592号号公報
ところが、上記のような対応では、遮音パッキン7,8は、全体的な外郭形状や寸法が殆ど同じでも、一部の取付穴7d,7eと取付穴8d,8eとの形成位置が僅かにずれているだけで別部品となり、共用することができない。
例えば、図4に示したように、一方の長辺上のネジ穴ボス11d,11eを装備した類似シール領域Aに、他方の長辺上のネジ穴ボス12d,12eを装備した類似シール領域Bの為に用意した遮音パッキン8を載置して取付けようとしても、取付穴8d,8eにネジ穴ボス11d,11eを挿通させることができない。
そこで、スピーカ装置1の組立時等においては、類似している別の遮音パッキン7,8をそれぞれ誤って取り付けることが無いように取り扱いに注意が必要となり、スピーカ装置1の組立性の低下を招いたり、遮音パッキン7,8毎に成形型を用意して個別に製造管理しなければならず、製造しなければならないパッキンの種類が多種小量生産となって生産コストの増大を招くという問題が一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、スピーカユニットが取付けられたバッフルと、前記スピーカユニットの背面側を覆って前記バッフルに取付固定されるキャビネットと、前記バッフルと前記キャビネットとの突き合わせ部における何れか一方に突設された複数の取付ボスと、前記突き合わせ部に挟装されて該突き合わせ部をシールするパッキンと、を備えたスピーカ装置であって、前記パッキンは、前記スピーカ装置の中心に対して点対称に配置された同形状の一対のパッキンから成っており、前記一対のパッキンのそれぞれに前記取付ボスを挿入する複数の取付穴があり、前記複数の取付穴はそれぞれ前記スピーカ装置の中心に対して点対称に設置されており、かつ、前記取付穴の対はそれぞれ同じ形状であるとともに、前記複数の取付ボスの一部のみが前記スピーカ装置の中心に対して点対称で、かつ他の一部が該スピーカ装置の中心に対して非対称の位置に設置され、前記非対称位置の取付ボスに対応する前記取付穴は長穴となっており、前記バッフルと前記キャビネットが前記取付ボスと前記パッキンの前記取付穴とを介して取付固定されることを特徴とする。
本発明に係わるスピーカ装置の実施の形態について説明する。
本発明のスピーカ装置は、スピーカユニットが取付けられたバッフルと、前記スピーカユニットの背面側を覆って前記バッフルに取付固定されるキャビネットと、前記バッフルと前記キャビネットとの突き合わせ部における何れか一方に突設された複数の取付ボスと、前記突き合わせ部に挟装されて該突き合わせ部をシールするパッキンと、を備えたスピーカ装置であり、前記突き合わせ部には、一部の取付ボスの突設位置のみが僅かにずれているがそれ以外の全体的なシール領域の形状寸法は略共通となる複数の類似シール領域が存在しており、これらの類似シール領域には、前記一部の取付ボスに対応する取付穴を類似シール領域相互間での位置ずれを吸収する長穴とし、外郭形状及び寸法を共通にしたパッキンが使用される。
即ち、バッフルとキャビネットとの突き合わせ部に挟装されて該突き合わせ部をシールするパッキンは、突設位置が僅かにずれた一部の取付ボスに対応する取付穴が類似シール領域相互間での位置ずれを吸収する長穴とされるので、一部の取付ボスの僅かな位置ずれのために個別に各類似シール領域に応じた取付穴の位置を変更したパッキンを製造する必要がなくなると共に、パッキンの取付け方向の制約がなくなる。
従って、パッキンの種類を削減してコストの低減を図ることができると共に、スピーカ装置の組立時等においても類似している多種のパッキンを一々識別したり、取付け方向に注意したりする負担が減り、組立性の向上を実現することができる。
更に、前記突き合わせ部が長方形状に形成されると共に、前記パッキンが略L字状の外郭形状を有する一対のパッキンから成ることにより、同一形状の各パッキンをシート状のパッキン素材より打ち抜き形成する際の歩留りが向上すると共に成形型が小型化し、パッキンの生産コストを低減できる。
以下、本発明の一実施例に係るスピーカ装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図5は本発明の一実施例に係るスピーカ装置の分解斜視図であり、図6は図5に示したバッフルに遮音パッキンを載置した状態を示す平面図である。
本実施例のスピーカ装置21は、図5に示すように、スピーカユニット10が取付けられたバッフル3と、スピーカユニット10の背面側であるバッフル3の開放部を覆って該バッフル3にネジ止めされるキャビネット5と、これらバッフル3とキャビネット5との突き合わせ部におけるバッフル3に突設された複数のネジ穴ボス(取付ボス)11a〜11e,12a〜12eと、前記突き合わせ部に挟装されて該突き合わせ部をシールする一対の遮音パッキン(パッキン)23,23と、を備えたボックス・ウーファーである。
そして、図5及び図6に示したように、一対の遮音パッキン23,23が載置されるバッフル3の開口縁上の二つの類似シール領域A,Bにおいては、大半のネジ穴ボス11a,11b,11c,12a,12b,12cの突設位置が、これらの二つの類似シール領域A,Bで互いに点対称となる配置になっている。
しかしながら、キャビネット5の取付け方向を特定する為に、一方の長辺上のネジ穴ボス11d,11e間の間隔Waと、他方の長辺上のネジ穴ボス12d,12e間の間隔Wbとが相違しており、これら一部のネジ穴ボス11d,11e及びネジ穴ボス12d,12eの突設位置のみが僅かにずれている。その結果、二つの類似シール領域A,B間でのネジ穴ボス11d,11eとネジ穴ボス12d,12eの突設位置は、互いに非対称な配置になっている。
一方、前記遮音パッキン23は、長方形状の枠型であるシール領域を2つに分割したL字形状の類似シール領域A,Bに対応して、略L字状の外郭形状を有している。そこで、遮音パッキン23をシート状のパッキン素材より打ち抜き形成する際の歩留りが向上すると共に成形型が小型化し、パッキンの生産コストを低減できる。
そして、それぞれの類似シール領域A,Bに使用する遮音パッキン23に形成される取付穴23a,23b,23c,23fは、挿通されるネジ穴ボス11a〜11c,12a〜12cの横断面形状に応じて設定された円形の穴である。
又、類似シール領域A,B間での突設位置が互いに非対称な配置になっているネジ穴ボス11d,11e又はネジ穴ボス12d,12eに挿通される遮音パッキン23の取付穴23d,23eは、類似シール領域A,B相互間での取付穴の位置ずれを吸収する長穴である長円形に設定されている。
図6に示したように、前記取付穴23d,23eは、互いに隣接した側の円弧中心の間隔が前記ネジ穴ボス11d,11e間の間隔Waに相応すると共に、互いに離れた側の円弧中心の間隔が前記ネジ穴ボス12d,12e間の間隔Wbに相応するように、長軸方向の長さが設定されている。
以上に説明した本実施例のスピーカ装置21によれば、バッフル3とキャビネット5との突き合わせ部に挟装されて該突き合わせ部をシールする遮音パッキン23は、突設位置が僅かにずれた一部のネジ穴ボス11d,11e及びネジ穴ボス12d,12eに対応する取付穴23d,23eが類似シール領域A,B相互間での位置ずれを吸収する長円形とされている。
そこで、本実施例のスピーカ装置21は、一部のネジ穴ボス11d,11e及びネジ穴ボス12d,12eの僅かな位置ずれのために個別に各類似シール領域A,Bに応じて取付穴7d,7eと取付穴8d,8eの形成位置を変更した二種類の遮音パッキン7,8を用意する必要がなく、一種類の遮音パッキン23を製造すればよい(図1、参照)。従って、パッキンの種類を削減してコストの低減を図ることができる
また、遮音パッキン23は、各取付穴23a〜23fが長辺部分又は短辺部分の各中心線に対して線対称に配置されているので、バッフル3の開口縁上に載置する際の取付け方向の制約がなくなる。従って、スピーカ装置1の組立時においては、類似している複数種の遮音パッキンを一々識別したり、取付け方向に注意したりする負担が減り、組立性の向上を実現することができる。
尚、本発明のスピーカ装置におけるスピーカユニット、バッフル、キャビネット、取付ボス及びパッキン等の構成は、上記実施例のスピーカ装置21の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは勿論である。
上記実施例のスピーカ装置21では、長方形状の枠型であるシール領域をL字形状の類似シール領域A,Bの2つに分割したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、バッフル3とキャビネット5との突き合わせ部の大きさによっては、長方形状の枠型のシール領域を各辺毎に4つに分割し、長辺用及び短辺用の2種の遮音パッキンにより突き合わせ部をシールする構成も考えられる。
又、一部のネジ穴ボス11d,11e及びネジ穴ボス12d,12eの突設位置のみが僅かにずれているがそれ以外の全体的なシール領域の形状寸法は略共通となる複数の類似シール領域に応じた取付穴を有する本発明のパッキンとしては、長方形状の枠型に形成した遮音パッキンを除外するものではなく、シート状のパッキン素材より打ち抜き形成する際の歩留りが悪くなる点を除いては、上述した遮音パッキン23と略同様の作用効果を得ることができる。
更に、上記実施例スピーカ装置21では、一部のネジ穴ボス11d,11e及びネジ穴ボス12d,12eの突設位置のみが僅かにずれている2つの類似シール領域A,Bが同一バッフル3上に存在する場合を示したが、ステレオスピーカ等のように、左右のスピーカ装置の異なるバッフル上に複数の類似シール領域が存在するような場合にも応用可能である。
又、バッフル3にキャビネット5をネジ止めする為のネジ穴ボス11a〜11e,12a〜12eに換えて、バッフル3に取付ボスである溶着ボスを突設し、バッフル3とキャビネット5を熱溶着により取付固定することもできる。
従来のスピーカ装置の分解斜視図である。 図1に示したスピーカ装置の組立斜視図である。 図1に示したバッフルに遮音パッキンを載置した状態を示す平面図である。 図3に示したバッフルに遮音パッキンを誤って載置した状態を示す平面図である。 本発明の一実施例に係るスピーカ装置の分解斜視図である。 図5に示したバッフルに遮音パッキンを載置した状態を示す平面図である。
符号の説明
3 バッフル
5 キャビネット
10 スピーカユニット
11a〜11e ネジ穴ボス(取付ボス)
23 遮音パッキン(パッキン)
23a〜23f 取付穴
A,B 類似シール領域

Claims (2)

  1. スピーカユニットが取付けられたバッフルと、前記スピーカユニットの背面側を覆って前記バッフルに取付固定されるキャビネットと、前記バッフルと前記キャビネットとの突き合わせ部における何れか一方に突設された複数の取付ボスと、前記突き合わせ部に挟装されて該突き合わせ部をシールするパッキンと、を備えたスピーカ装置であって、
    前記パッキンは、前記スピーカ装置の中心に対して点対称に配置された同形状の一対のパッキンから成っており、
    前記一対のパッキンのそれぞれに前記取付ボスを挿入する複数の取付穴があり、
    前記複数の取付穴はそれぞれ前記スピーカ装置の中心に対して点対称に設置されており、かつ、
    前記取付穴の対はそれぞれ同じ形状であるとともに、
    前記複数の取付ボスの一部のみが前記スピーカ装置の中心に対して点対称で、かつ他の一部が該スピーカ装置の中心に対して非対称の位置に設置され、
    前記非対称位置の取付ボスに対応する前記取付穴は長穴となっており、
    前記バッフルと前記キャビネットが前記取付ボスと前記パッキンの前記取付穴とを介して取付固定されることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記突き合わせ部が長方形状の枠型に形成されると共に、前記パッキンが略L字状の外郭形状を有する一対のパッキンから成ることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
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