JP4379140B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
前記転舵制御手段に、
車両状態から前輪横すべり角を推定する横すべり角推定部と、
ステアリング操舵角と車両状態に基づいて目標車両状態を設定する目標車両状態設定部と、設定された目標車両状態を得るフィードバック(FB)目標舵角を生成する目標車両追従部とを有する車両FB制御部と、
ステアリング操舵角に基づいてあらかじめ設定されたフィードフォワード(FF)目標舵角を生成する操舵角FF制御部と、
生成されたFB目標舵角とFF目標舵角とから前輪の目標舵角を生成する目標舵角生成部と、
を設け、
前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角を超えたとき、目標舵角に対するFF目標舵角の配分比率を100%とすることを特徴とする。
すなわち、限界走行状態における車両挙動変化をドライバに伝えやすく、かつ、限界走行状態を超えたときの挙動変化を小さくして車両安定性が高められる。
図1は、実施例1の車両用操舵装置が適用されたステアバイワイヤシステムを示す全体図である。
操舵角FF制御部52は、操舵角からFF目標舵角δFF *を生成する。
δ*=δFB *・x+δFB *・(1−x) …(1)
ここで、前輪横すべり角と前輪コーナリングフォースの関係を図3に示すとき、xは前輪横すべり角に関係する図4に示す関数とする。
車両FB制御部51の目標車両状態γ*を
γ*=v・δh/{Gs・l・(1−A・v2)} …(2)
A={m・(lfKf−lrKr)}/2・l2・Kf・Kr …(3)
とする。
Dr *=v2・δh/{Gs・l・(1−A・v2)} …(4)
とすればよい。
横すべり角に対する走行状態を下記のように呼ぶこととする。
『通常走行状態』 … 前輪横すべり角がβflinmaxより小さく、重み関数xが1の時。
『遷移走行状態』 … 前輪横すべり角がβflinmaxより小さく、重み関数xがゼロ以上1未満の時。
『限界走行状態』 … 前輪横すべり角がβflinmaxより大きく、重み関数xがゼロの時。
なお、車両の限界を超えた状態とは、前輪横すべり角がβfKmaxを超え、横すべり角が増すにつれコーナリングフォースが低下する状態を指す。
例えば、特開2003−312319号公報に記載の車両の運動制御装置は、上述したように、基準となるセルフアライニングトルクと実セルフアライニングトルクの比で表されるグリップ度を用いて、グリップ度の高い時と低い時で異なる前輪転舵による車両運動制御を実施していため、保舵状態であっても、必要なときには前輪の転舵角が制御され、ステアリングホイールの操作方向と前輪転舵角とは必ずしも一致しないことがある。
(b) 限界走行状態を超え、車両状態が目標車両状態に追従できなくなった時に車両の挙動変化が急変する。
(c) ドライバの修正操舵に対する車両実転舵角の応答が車両状態と路面状態により様々に変化するため、ドライバが修正操舵に対する車両挙動を予測しづらい。
通常走行状態では、車両FB制御を用いることで外乱に対する安定性が高く、操舵に対する車両挙動の応答性が高い車両とすることができる。このとき、ドライバは自分の操舵に対する車両前輪転舵角を知ることはできないが、限界を超え、車両状態が目標車両状態に追従できなくなった時の挙動変化が激しい。
遷移走行状態では、車両FB制御成分と操舵角FF制御成分が重み関数xを用いて足しあわされた状態となるが、前記のとおり、操舵角に対する目標車両状態が車両状態FB制御と車両FF制御で同じ値となるように制御を行っているため、δFB *とδFF *が過渡応答のみが異なり定常状態で同じ値となることにより、車両特性が大きく変化することはない。
限界走行状態では、操舵角FF制御を用いることで操舵角に対して前輪転舵角が一意に決まる。そのためドライバは自分の操舵に対する前輪転舵角を知ることができ、意図した修正操舵を行うことができる。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、下記の効果が得られる。
後輪横すべり角と後輪コーナリングフォースの関係が線形とみなせる最大の後輪横すべり角をβrlinmaxとし、後輪コーナリングフォースが最大となる後輪横すべり角をβrKmaxとすると、yは後輪横すべり角がβrlinmaxより大きい時にゼロとする。また乾燥路面において通常走行中に発生する後輪横すべり角の最大値をβrnmaxとすれば、xは前輪横すべり角がβrnmaxより小さい領域で1となるように設定し、後輪横すべり角が増すにつれドライバが違和感を持たない変化率で1からゼロへと変化する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
以上、本発明を実施する最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
2 操舵角検出部
3 転舵角検出部
4 車両状態検出部
5 転舵コントローラ
51 車両FB制御部
511 目標車両状態生成部
512 目標車両状態追従部
52 操舵角FF制御部
53 β推定部
54 目標舵角生成部
55 舵角追従部
6 転舵アクチュエータ
7 前輪
8 転舵装置
Claims (6)
- ステアリング操舵角にかかわらず前輪を転舵可能な転舵アクチュエータと、この転舵アクチュエータに対し、ステアリング操舵角と車両状態に基づく目標舵角を得る制御指令を出力する転舵制御手段と、を備えた車両用操舵装置において、
前記転舵制御手段に、
車両状態から前輪横すべり角を推定する横すべり角推定部と、
ステアリング操舵角と車両状態に基づいて目標車両状態を設定する目標車両状態設定部と、設定された目標車両状態を得るフィードバック(FB)目標舵角を生成する目標車両追従部とを有する車両FB制御部と、
ステアリング操舵角に基づいてあらかじめ設定されたフィードフォワード(FF)目標舵角を生成する操舵角FF制御部と、
生成されたFB目標舵角とFF目標舵角とから前輪の目標舵角を生成する目標舵角生成部と、
を設け、
前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角を超えたとき、目標舵角に対するFF目標舵角の配分比率を100%とすることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、乾燥路面において通常走行中に発生する横すべり角最大値以下のとき、目標舵角に対するFB目標舵角の配分比率を100%とすることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2に記載の車両用操舵装置において、
前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、通常走行中に発生する横すべり角最大値と、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角との間の角度にあるとき、推定された前輪横すべり角が大きくなるのに従って、目標舵角に対するFF目標舵角の配分比率を徐々に大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項3に記載の車両用操舵装置において、
前記車両FB制御部および操舵角FF制御部は、推定された前輪横すべり角が、通常走行中に発生する横すべり角最大値と、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角との間の角度にあり、前輪横すべり角の変化が定常状態のとき、FB目標舵角とFF目標舵角を同じ値に設定することを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項3または請求項4に記載の車両用操舵装置において、
前記車両FB制御部は、目標車両状態と実車両状態の偏差の積分項に対して制限値を設けたFB目標舵角を生成することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
前記横すべり角を推定部は、車両状態から後輪横すべり角を推定し、
前記目標舵角生成部は、
推定された後輪横すべり角に応じて目標舵角に対するFF目標舵角とFB目標舵角の配分比率を設定するとともに、
前輪横すべり角に基づくFB目標舵角の配分比率と、後輪横すべり角に基づくFB目標舵角の配分比率のうち、小さな方の配分比率に基づいて目標舵角を設定することを特徴とする車両用操舵装置。
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