JP4379140B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング操舵角にかかわらず前輪を転舵可能な転舵アクチュエータを備えた車両用操舵装置の技術分野に属する。
従来の車両用操舵装置としては、基準となるセルフアライニングトルクと実セルフアライニングトルクの比で表されるグリップ度を用いて、グリップ度の高い時と低い時で異なる前輪転舵による車両運動制御を実施するものが知られている(例えば、特許文献11参照)。
特開2003−312319号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、グリップ度の低い限界走行状態において、ヨーレートや横加速度といった車両状態を目標車両状態に追従させる制御を行うため、限界走行状態を超えるまでの車両挙動の変化が少なく、限界走行状態が近いことをドライバが感知しづらい。また、限界走行状態を超え、車両状態が目標車両状態に追従できなくなった時に車両の挙動変化が急変するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、限界走行状態における車両挙動変化をドライバに伝えやすく、かつ、限界走行状態を超えたときの挙動変化を小さくして車両安定性を高めた車両用操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、ステアリング操舵角にかかわらず前輪を転舵可能な転舵アクチュエータと、この転舵アクチュエータに対し、ステアリング操舵角と車両状態に基づく目標舵角を得る制御指令を出力する転舵制御手段と、を備えた車両用操舵装置において、
前記転舵制御手段に、
車両状態から前輪横すべり角を推定する横すべり角推定部と、
ステアリング操舵角と車両状態に基づいて目標車両状態を設定する目標車両状態設定部と、設定された目標車両状態を得るフィードバック(FB)目標舵角を生成する目標車両追従部とを有する車両FB制御部と、
ステアリング操舵角に基づいてあらかじめ設定されたフィードフォワード(FF)目標舵角を生成する操舵角FF制御部と、
生成されたFB目標舵角とFF目標舵角とから前輪の目標舵角を生成する目標舵角生成部と、
を設け、
前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角を超えたとき、目標舵角に対するFF目標舵角の配分比率を100%とすることを特徴とする。
本発明の車両用操舵装置にあっては、前輪横すべり角が、限界走行状態、すなわち、すべり角と前輪に加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角を超えたとき、前輪の転舵角がステアリング操舵角から一意に決まる。よって、ドライバは自分の操舵に対する転舵角を知ることができ、意図した修正操舵を行うことができる。また、車両の応答性の低下が連続的に起こるため、限界を超えた時の車両挙動の変化を小さくできる。
すなわち、限界走行状態における車両挙動変化をドライバに伝えやすく、かつ、限界走行状態を超えたときの挙動変化を小さくして車両安定性が高められる。
以下に、本発明の車両用操舵装置を実施する最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用操舵装置が適用されたステアバイワイヤシステムを示す全体図である。
実施例1装置が適用されたステアバイワイヤシステムは、図1に示すように、ステアリングホイール1と、前輪7および転舵アクチュエータ6を有する転舵装置8との間に機械的つながりがない。
ドライバは、ステアリングホイール1を回転し目標車両状態に関係したステアリング操舵角を入力する。操舵角検出部2は、ドライバの入力したステアリング操舵角を検出し、転舵コントローラ5へ出力する。転舵角検出部3は、前輪7の転舵角を検出し、転舵コントローラ(転舵制御手段)5へ出力する。
車両状態検出部4は、各種車両状態量を検出し、転舵コントローラ5へ出力する。ここで使用される各種車両状態には、車両運動制御に関わる車両状態量である、車速、ヨーレート、横加速度または前後加速度の内の少なくとも1つを指す。
転舵角検出部5は、前輪7の転舵角を検出し、転舵コントローラ5へ出力する。転舵コントローラ5では、操舵角と車両状態量から目標舵角を生成し、目標舵角と実転舵角から転舵アクチュエータ6の指令出力を生成し、転舵アクチュエータ6へ出力する。転舵装置8は、転舵アクチュエータ6の発生した出力に応じて前輪7を転舵させる。
図2は、転舵コントローラ5の制御ブロック図であり、転舵コントローラ5は、車両FB制御部51と、操舵角FF制御部52と、β推定部(横すべり角推定部)53と、目標舵角生成部54と、舵角追従部55とを備えている。
車両FB制御部51は、車両FB制御部51は、車両状態検出部4で検出された車速v、ヨーレートγ、横加速度Gの各種車両状態量と操舵角δhから、目標車両状態生成部511で目標車両状態量を生成し、目標車両状態追従部512で各種車両状態量をフィードバックし目標車両状態量に追従するためのFB目標舵角δFB *を生成する。
操舵角FF制御部52は、操舵角からFF目標舵角δFF *を生成する。
β推定部53では、転舵角検出部3で検出された前輪の転舵角δと車両状態から前輪横すべり角βfを推定し、目標舵角生成部54へ出力する。βの推定はオブザーバー等を使った既に知られている方法を用いればよい。
目標舵角生成部54では、δFB *とδFF *と下記の式(1)に従って目標舵角δ*を生成する。
δ*=δFB *・x+δFB *・(1−x) …(1)
ここで、前輪横すべり角と前輪コーナリングフォースの関係を図3に示すとき、xは前輪横すべり角に関係する図4に示す関数とする。
前輪横すべり角と前輪コーナリングフォースの関係が線形とみなせる最大の前輪横すべり角をβflinmaxとし、前輪コーナリングフォースが最大となる前輪横すべり角をβfKmaxとすると、xは前輪横すべり角がβflinmaxより大きい時にゼロとする。また乾燥路面において通常走行中に発生する前輪横すべり角の最大値をβfnmaxとすれば、xは前輪横すべり角がβfnmaxより小さい領域で1となるように設定し、前輪横すべり角が増すにつれドライバが違和感を持たない変化率で1からゼロへと変化する。
車両FB制御部51が目標値生成の際に入力となる目標車両状態と実車両状態の偏差の積分項を持つ場合には、重み関数xに従ってxが1の時無限大、xがゼロの時ゼロとなる制限値を設ける。
また、δFB *とδFF *は、定常状態で同じ値になるように設定する。例えば、転舵角FF制御部52でステアリングギア比Gsの一定舵角比制御を行い、車両FB制御部51でヨーレート制御を行う場合、
車両FB制御部51の目標車両状態γ*
γ*=v・δh/{Gs・l・(1−A・v2)} …(2)
A={m・(lff−lrr)}/2・l2・Kf・Kr …(3)
とする。
ここで、mは車両重量、lfは重心からの前輪位置、lrは重心からの後輪位置、lはホイールベース長、Kfは前輪コーナリングフォース、Krは後輪コーナリングフォースである。
例えば、車両FB制御部51でヨーレートと横加速度の線形結合で表されるD*を用いた追従制御を行う場合、目標D*値Dr *は、
r *=v2・δh/{Gs・l・(1−A・v2)} …(4)
とすればよい。
舵角追従部55では、既に知られているモデルマッチング等の手法を用いて、実転舵角δを目標転舵角δ*に一致させる制御を行う。
上記の方法で、δFB *とδFF *が定常状態で同じ値となるように設定することで、車両FB制御部51で行われる車両FB制御を用いて転舵を行った場合と、操舵角FF制御部52で行われる操舵角FF制御を用いて転舵を行った場合とで、操舵角に対する目標車両状態が同じとなり、前輪横すべり角に応じて制御を車両FB制御から操舵角FF制御へと切り替えても車両特性が大きく変化することがない。
次に、作用を説明する。
横すべり角に対する走行状態を下記のように呼ぶこととする。
『通常走行状態』 … 前輪横すべり角がβflinmaxより小さく、重み関数xが1の時。
『遷移走行状態』 … 前輪横すべり角がβflinmaxより小さく、重み関数xがゼロ以上1未満の時。
『限界走行状態』 … 前輪横すべり角がβflinmaxより大きく、重み関数xがゼロの時。
なお、車両の限界を超えた状態とは、前輪横すべり角がβfKmaxを超え、横すべり角が増すにつれコーナリングフォースが低下する状態を指す。
[従来技術の問題点]
例えば、特開2003−312319号公報に記載の車両の運動制御装置は、上述したように、基準となるセルフアライニングトルクと実セルフアライニングトルクの比で表されるグリップ度を用いて、グリップ度の高い時と低い時で異なる前輪転舵による車両運動制御を実施していため、保舵状態であっても、必要なときには前輪の転舵角が制御され、ステアリングホイールの操作方向と前輪転舵角とは必ずしも一致しないことがある。
すなわち、従来技術にあっては、グリップ度の低い限界走行状態において、ヨーレートや横加速度といった車両状態を目標車両状態に追従させる制御を行うため、下記に列挙するような問題があった。
(a) 限界走行状態を超えるまでの車両挙動の変化が少なく、限界走行状態が近いことをドライバが感知しづらい。
(b) 限界走行状態を超え、車両状態が目標車両状態に追従できなくなった時に車両の挙動変化が急変する。
(c) ドライバの修正操舵に対する車両実転舵角の応答が車両状態と路面状態により様々に変化するため、ドライバが修正操舵に対する車両挙動を予測しづらい。
これに対し、実施例1の車両用操舵装置では、前輪横すべり角の大きさに応じて目標舵角に対するFF目標舵角とFB目標舵角の重み付けを変化させることにより、上記問題点を解決している。
[通常走行状態における車両FB制御と操舵角FF制御の重み付け作用]
通常走行状態では、車両FB制御を用いることで外乱に対する安定性が高く、操舵に対する車両挙動の応答性が高い車両とすることができる。このとき、ドライバは自分の操舵に対する車両前輪転舵角を知ることはできないが、限界を超え、車両状態が目標車両状態に追従できなくなった時の挙動変化が激しい。
通常走行状態では、車両挙動は目標車両挙動に一致するため車両の挙動が不安定となることはない。ドライバは自分の操舵に対する車両挙動を知ることができ、意図した修正操舵を行うことができる。
[遷移走行状態における車両FB制御と操舵角FF制御の重み付け作用]
遷移走行状態では、車両FB制御成分と操舵角FF制御成分が重み関数xを用いて足しあわされた状態となるが、前記のとおり、操舵角に対する目標車両状態が車両状態FB制御と車両FF制御で同じ値となるように制御を行っているため、δFB *とδFF *が過渡応答のみが異なり定常状態で同じ値となることにより、車両特性が大きく変化することはない。
また、車両FB制御部51において目標車両状態と実車両状態の偏差の積分項に対して制限値を設けているために、車両FB制御部51において過大な出力が発生しない。目標車両状態が通常走行状態の時と同じであり、通常走行状態と同様に車両挙動が目標車両挙動に一致するため車両の挙動が不安定となることはなく、ドライバは自分の操舵に対する車両挙動を知ることができ修正操舵を行うことができる。
[限界走行状態における車両FB制御と操舵角FF制御の重み付け作用]
限界走行状態では、操舵角FF制御を用いることで操舵角に対して前輪転舵角が一意に決まる。そのためドライバは自分の操舵に対する前輪転舵角を知ることができ、意図した修正操舵を行うことができる。
また、前輪横すべり角が増すにつれコーナリングフォースの増加率が低下していることが車両の応答性の低下からわかることで、車両の限界が近づいていることを知ることができる。さらに、車両の応答性の低下は連続的に起こるため、限界を超えた時の車両挙動の変化は小さい。
また、車両の最大旋回横加速度や最大コーナリングパワー等の限界性能自体は車両FB制御を行った場合と転舵角FF制御を行った場合で変わらない。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、下記の効果が得られる。
(1) 目標舵角生成部54は、限界走行状態のとき、目標舵角δ*に対するFF目標舵角δFF *の配分比率を100%とするため、限界走行状態における車両挙動変化をドライバに伝えやすく、かつ、限界走行状態を超えたときの挙動変化を小さくして車両安定性を高めることができる。
(2) 目標舵角生成部54は、通常走行状態のとき、目標舵角δ*に対するFB目標舵角δFB *の配分比率を100%とするため、車両挙動を目標車両挙動と一致させることができ、車両の挙動が不安定となるのを防止できる。また、ドライバは自分の操舵に対する車両挙動を知ることができ、意図した修正操舵を行うことができる。
(3) 目標舵角生成部54は、遷移走行状態のとき、前輪横すべり角βfが大きくなるのに従って、目標舵角δ*に対するFF目標舵角δFF *の配分比率を徐々に大きくするため、ドライバに違和感を与えることなく、FB制御からFF制御に徐々になめらかに移行させることができる。
(4) 車両FB制御部51および操舵角FF制御部52は、遷移走行状態で、前輪横すべり角βfが定常状態となったとき、FB目標舵角δFB *とFF目標舵角δFF *を同じ値に設定するため、遷移走行状態における車両特性の急変を防止できる。
(5) 車両FB制御部51は、目標車両状態と実車両状態の偏差の積分項に対して制限値を設けたFB目標舵角δFB *を生成するため、車両FB制御部51において過大な出力が発生するのを抑制できる。
実施例2では、図2に示した実施例1の転舵コントローラ5において、β推定部53が前輪7の転舵角δと車両状態から、前輪横すべり角βfに加えて後輪横すべり角βrを推定し、これらを目標舵角生成部55へ出力する点で、実施例1と異なる。なお、他の構成は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
ここで、後輪横すべり角と後輪コーナリングフォースKrの関係を図5に示すとき、横すべり角に関係する関数yを図6に示す。
後輪横すべり角と後輪コーナリングフォースの関係が線形とみなせる最大の後輪横すべり角をβrlinmaxとし、後輪コーナリングフォースが最大となる後輪横すべり角をβrKmaxとすると、yは後輪横すべり角がβrlinmaxより大きい時にゼロとする。また乾燥路面において通常走行中に発生する後輪横すべり角の最大値をβrnmaxとすれば、xは前輪横すべり角がβrnmaxより小さい領域で1となるように設定し、後輪横すべり角が増すにつれドライバが違和感を持たない変化率で1からゼロへと変化する。
実施例1に記載の方法で導出したxとyを比較し、小さいほうの値を新たなxとして実施例1に示した方法を用いて目標転舵角を生成する。
以上の構成により、後輪横すべり角が大きくなるオーバーステア時にも、操舵角と前輪舵角が一意に決まるため、ドライバが前輪舵角を知ることができ、意図した修正操舵を行うことができる。また、後輪横すべり角が増すにつれコーナリングフォースの増加率が低下していることが車両が旋回内側を向くことからわかることで、車両の限界が近づいていることを知ることができる。後輪横すべり角の増加は連続的に起こり、車両挙動の変化は小さい。また、車両の最大旋回横加速度や最大コーナリングパワー等の限界性能自体は車両FB制御を行った場合と転舵角FF制御を行った場合で変わらない。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(6) 目標舵角生成部54は、前輪横すべり角βfに基づく関数xと、後輪横すべり角βrに基づく関数yのうち、小さな方を新たなxとして目標舵角δ*を生成するため、後輪横すべり角が増すにつれコーナリングフォールの増加率が低下していることが車両が旋回内側を向くことからわかるため、実施例1と比較して、車両の限界が近づいていることがより運転者に伝わりやすい。
(他の実施例)
以上、本発明を実施する最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例2において、重み関数xを、後輪横すべり角と車両横すべり角のうち、1つ以上の状態量と前輪横すべり角とを用いて決定してもよい。
また、実施例1,2では、本発明をステアバイワイヤシステムに適用した例を示したが、本発明は、ステアリングホイールと操向輪とが機械的に連結され、前輪の転舵角に対するステアリング操舵角の比であるステアリングギア比を可変する可変ギア比アクチュエータを備えたシステムにも適用可能である。
実施例1の車両用操舵装置が適用されたステアバイワイヤシステムを示す全体図である。 転舵コントローラ5の制御ブロック図である。 前輪横すべり角と前輪コーナリングフォースの関係を示す図である。 前輪横すべり角の関数xの特性を示す図である。 後輪横すべり角と後輪コーナリングフォースの関係を示す図である。 後輪横すべり角の関数yの特性を示す図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 操舵角検出部
3 転舵角検出部
4 車両状態検出部
5 転舵コントローラ
51 車両FB制御部
511 目標車両状態生成部
512 目標車両状態追従部
52 操舵角FF制御部
53 β推定部
54 目標舵角生成部
55 舵角追従部
6 転舵アクチュエータ
7 前輪
8 転舵装置

Claims (6)

  1. ステアリング操舵角にかかわらず前輪を転舵可能な転舵アクチュエータと、この転舵アクチュエータに対し、ステアリング操舵角と車両状態に基づく目標舵角を得る制御指令を出力する転舵制御手段と、を備えた車両用操舵装置において、
    前記転舵制御手段に、
    車両状態から前輪横すべり角を推定する横すべり角推定部と、
    ステアリング操舵角と車両状態に基づいて目標車両状態を設定する目標車両状態設定部と、設定された目標車両状態を得るフィードバック(FB)目標舵角を生成する目標車両追従部とを有する車両FB制御部と、
    ステアリング操舵角に基づいてあらかじめ設定されたフィードフォワード(FF)目標舵角を生成する操舵角FF制御部と、
    生成されたFB目標舵角とFF目標舵角とから前輪の目標舵角を生成する目標舵角生成部と、
    を設け、
    前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角を超えたとき、目標舵角に対するFF目標舵角の配分比率を100%とすることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、乾燥路面において通常走行中に発生する横すべり角最大値以下のとき、目標舵角に対するFB目標舵角の配分比率を100%とすることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記目標舵角生成部は、推定された前輪横すべり角が、通常走行中に発生する横すべり角最大値と、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大横すべり角との間の角度にあるとき、推定された前輪横すべり角が大きくなるのに従って、目標舵角に対するFF目標舵角の配分比率を徐々に大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    前記車両FB制御部および操舵角FF制御部は、推定された前輪横すべり角が、通常走行中に発生する横すべり角最大値と、すべり角とタイヤに加わるコーナリングフォースとの関係が線形とみなせる最大の横すべり角との間の角度にあり、前輪横すべり角の変化が定常状態のとき、FB目標舵角とFF目標舵角を同じ値に設定することを特徴とする車両用操舵装置。

  5. 請求項3または請求項4に記載の車両用操舵装置において、
    前記車両FB制御部は、目標車両状態と実車両状態の偏差の積分項に対して制限値を設けたFB目標舵角を生成することを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記横すべり角を推定部は、車両状態から後輪横すべり角を推定し、
    前記目標舵角生成部は、
    推定された後輪横すべり角に応じて目標舵角に対するFF目標舵角とFB目標舵角の配分比率を設定するとともに、
    前輪横すべり角に基づくFB目標舵角の配分比率と、後輪横すべり角に基づくFB目標舵角の配分比率のうち、小さな方の配分比率に基づいて目標舵角を設定することを特徴とする車両用操舵装置。
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