JP4378949B2 - 多層配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接続基板の製造方法、および該接続基板を用いた多層配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、我々を取り巻く社会環境は、情報通信網の進展と共に大きく変化している。その中に、携帯機器の成長があり、小型・高機能化と共にその市場は拡大している。このため、半導体パッケージの更なる小型化と、それらを高密度に実装できる多層配線基板が要求され、高密度配線が可能な層間接続、すなわち高密度多層化技術が重要となっている。
【0003】
主な多層化方法としては、ドリル穴明けとめっきプロセスを組み合わせたスルーホール接続があり、広く一般に知られているが、全ての層にわたって穴があくので、配線収容量に限界がある。
【0004】
そこで、接続部の穴体積を減らすため、絶縁樹脂組成物層の形成−穴あけ−回路形成を繰り返すビルドアップ技術が主流となりつつある。このビルドアップ技術は、大別して、レーザ法とフォトリソ法があり、レーザ法は、絶縁樹脂組成物層に穴をあけるのにレーザ照射を行うものであり、一方、フォトリソ法は、絶縁樹脂組成物層に感光性の硬化剤(光開始剤)を用い、フォトマスクを重ねて、露光・現像して穴を形成するものである。
【0005】
また、更なる低コスト化・高密度化を目的とするいくつかの層間接続方法が提案されている。中でも、穴明けと導電層めっき工程を省略できる工法が注目されている。この方法は、まず、基板の配線上に導電性ペーストを印刷してバンプを形成した後、Bステージ状態にある層間接続絶縁材と金属層を配置して、プレスによりバンプを成形樹脂内に貫挿させ金属層と導通接続させるものである。このバンプを貫挿する方法は、学会や新聞でも発表されており(非特許文献1および2参照)、プリント板業界で広く認知されている。
【0006】
また、シリコンゴムなどのエラストマの中にめっきしたワイヤを厚さ方向に埋め込んだものが開発され、2層の導体を接続する簡易ツールとして利用されている。
【0007】
【非特許文献1】
大平洋、他2名:新製法(B2it)によるプリント配線板の提案、第9回 回路実装学術講演大会講演論文集、ISSN 0916−0043,15A−10,PP.55−56,(平成7年3月)
【非特許文献2】
森崇浩、他5名:バンプによる層間接続技術を用いた基板の応用と微細化、第10回 回路実装学術講演大会講演論文集、ISSN 0916−0043,15A−09,PP.79−80,(平成8年3月)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術のうちレーザ法では、絶縁材料の選択範囲が広く、隣接する層間の穴あけだけでなく、さらに隣接する層までの穴あけも行えるが、レーザ照射して蒸散した樹脂かすを除去するためにデスミア処理を必要とし、穴数に比例した加工費増大を伴うという課題がある。
【0009】
一方、フォトリソ法では、従来の配線板製造設備を利用でき、穴加工も一度に行うことができ低コスト化に有利ではあるが、層間絶縁材料の解像度と、耐熱性および回路と絶縁樹脂組成物層間の接着強度の両立が困難であるという課題がある。
【0010】
また、バンプを貫挿する方法は、バンプの形成を導電ペースト印刷やめっきにより行うため、その精度が印刷技術の限度に依存し、さらにめっきによるバンプ高さのばらつきを抑制するのが困難であるという課題がある。
【0011】
さらに、シリコンゴムなどのエラストマの中にめっきしたワイヤを厚さ方向に埋め込んだものは、簡便ではあるが、接続したい任意の箇所にだけワイヤを埋め込むことが困難であり、格子状に埋め込むと、接触させる必要のない箇所でワイヤが邪魔になるという課題がある。
【0012】
本発明者は、この様な課題を解決するために、これまでにバンプ群が埋設された接続基板を考案・発明してきた。この接続基板は、絶縁樹脂組成物層、および少なくとも導体回路を接続する箇所に該絶縁樹脂組成物層を厚さ方向に貫くように形成されたバンプ群である接続用導体からなるが、その厚みが非常に薄い。そこで、この接続基板を製造するにあたっては、エッチングによる接続用導体の形成、ストッパー金属層のエッチング、粗化処理、プレス、樹脂研磨、コンベア装置の使用やその他治工具に取り付ける際のテンションなどによる皺発生や破れなどを防止するために、ハンドリング性の向上が必要である。なかでも接続用導体を露出させるために行う樹脂研磨は極めて難しく、これまでは、レジストを用いて基板を仮固定して研磨を行っていたが、この方法の場合、研磨工程の前工程におけるハンドリングにおいて、皺の発生やテンション印加などによる寸法安定性に不安があり、注意深い作業が必要であるため、接続基板の製造効率向上を妨げる大きな要因の1つとなっていた。
【0013】
さらに、上記のような工程を得て作製した接続基板を複数枚積層し、多層配線板を製造する方法においては、複数枚の接続基板を精度よく位置あわせする必要がある。
【0014】
本発明は、上記を鑑みて、効率よく接続基板を製造する方法、および複数枚の接続基板を高精度に位置あわせして一括積層することのできる多層配線板の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、以下のことを特徴とする。
【0016】
(1)支持基材の片面もしくは両面に、少なくとも第2の金属層と該第2の金属層と除去条件の異なる第1の金属層とからなる複合金属層を、第2の金属層側が支持基材側となるように配置し、加熱加圧して仮固定する工程、第1の金属層を選択的に除去して接続用導体を形成する工程、少なくとも接続用導体の側面を覆うように1又は2以上の絶縁樹脂組成物層を形成する工程、接続用導体が露出するように絶縁樹脂組成物層を研磨する工程、および接続用導体が絶縁樹脂組成物層の厚さ方向に貫くように形成された複合金属層を支持基材から剥離する工程、を含むことを特徴とする接続基板の製造方法。
【0017】
(2)複合金属層が、第1の金属層と、第2の金属層と、当該第1の金属層および当該第2の金属層の中間に位置し、これらと除去条件の異なる第3の金属層とからなり、第1の金属層を選択的に除去した後、さらに第3の金属層を選択的に除去することで接続用導体を形成することを特徴とする上記(1)に記載の接続基板の製造方法。
【0018】
(3)第2の金属層の、絶縁樹脂組成物層が形成される表面に対して粗化処理を行うことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の接続基板の製造方法。
【0019】
(4)接続用導体が露出するように絶縁樹脂組成物層を研磨した後に、第2の金属層を選択的に除去し、導体回路を形成する工程をさらに含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の接続基板の製造方法。
【0020】
(5)接続用導体が露出するように前記絶縁樹脂組成物層を研磨した後に、露出した接続用導体の表面および/または接続用導体表面上に形成された導体回路の表面にさらに導体回路を追加形成する工程をさらに含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の接続基板の製造方法。
【0021】
(6)絶縁樹脂組成物よりなる少なくとも1枚以上の接着剤シートを接続用導体を覆うように載置し、これを加熱・加圧することで絶縁樹脂組成物層を形成することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の接続基板の製造方法。
【0022】
(7)絶縁樹脂組成物層が熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の接続基板の製造方法。
【0023】
(8)支持基材が、離型基材、接着樹脂、離型基材の順に重ねて配置されたものであること特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の接続基板の製造方法。
【0024】
(9)離型基材が、複合金属層より面積が小さいものであることを特徴とする上記(8)に記載の接続基板の製造方法。
【0025】
(10)離型基材の外周より内側を切断面として裁断した後、接続用導体が形成された複合金属層を支持基材から剥離することを特徴とする上記(8)または(9)のいずれかに記載の接続基板の製造方法。
【0026】
(11) 上記(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法により得られた複数枚の接続基板の所定位置にガイド穴を形成する工程、位置あわせ治具を用いて、複数枚の接続基板に形成されたガイド穴にガイドピンを通して位置あわせし、所定箇所を熱融着し、複数枚の接続基板を位置決め固定する工程、および位置決め固定された複数枚の接続基板を位置あわせ治具から外し、これを加熱加圧し一括積層する工程、を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
【0027】
(12)ガイド穴を一部の接続用導体に形成することを特徴とする上記(11)に記載の多層配線板の製造方法。
【0028】
(13)位置あわせ治具が、所定の位置にガイドピンが溶接された台座、ならびに所定の位置に前記ガイドピンを通すガイド穴が形成された位置補正用中間板、下受けシート、上置きシート、および押さえ治具から少なくともなり、複数枚の前記接続基板を前記下受けシートおよび前記上置きシートの間に挟んで位置あわせを行うものであることを特徴とする上記(11)または(12)に記載の多層配線板の製造方法。
【0029】
(14)最外層となる絶縁樹脂組成物層に液晶ポリマーを用いることを特徴とする上記(11)〜(13)のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
【0030】
(15)加熱・加圧して一括積層した後に外層回路をさらに形成する工程を含むことを特徴とする上記(11)〜(14)のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
【0031】
(16)接続基板と共に導体回路および/または金属箔を有する基板を一括積層することを特徴とする上記(11)〜(15)のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
【0032】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の接続基板の製造方法では、まず、支持基材の片面もしくは両面に、少なくともキャリアとなる第2の金属層と該第2の金属層と除去条件の異なる第1の金属層とからなる複合金属層を、前記第2の金属層側が前記支持基材側となるように配置し、加熱加圧して仮固定する。図1(a)では、上記支持基材として、離型基材451、接着樹脂452、離型基材451の順に重ねて配置された支持基材45を用い、上記支持基材の両面に複合金属層として、第1の金属層41と、第2の金属層42と、当該第1の金属層41および当該第2の金属層42の中間に位置し、これらと除去条件の異なる第3の金属層43とからなる3層の複合金属層4を配置した図である。図1(b)は、図1(a)の複合金属層4と支持基材45を加熱加圧して仮固定された状態の図である。
【0034】
本発明に用いる支持基材としては、例えば、上記のように離型基材、接着樹脂、離型基材の順に重ねて配置されたものなどを用いることができる。離型基材としては、例えば、電解銅箔、圧延銅箔等を用いる事ができ、さらに、その面積は複合金属層と接着樹脂のそれより小さくしておく。また、接着樹脂としては、半硬化および/または硬化した熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0035】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは、硬化したものが使用できる。
【0036】
上記光硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その光開始剤、硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを露光あるいは加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。光硬化性樹脂を用いる場合は、支持基材の片面のみにしか複合金属層を仮固定することができないが、効率良く支持基材に仮固定することができる。
【0037】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、六フッ化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシベンゾエート樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、液晶ポリマーなどのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。
【0038】
これらの樹脂は、異種の樹脂の混合体からなる樹脂組成物であってもよく、さらに、充填剤としてシリカや金属酸化物などの無機フィラーを含むものでもよい。無機フィラーとしては、例えば、ニッケル、金、銀などの導電粒子、あるいはこれらの金属をめっきした樹脂粒子であってもよい。ただし、充填材を添加する場合、樹脂組成物の剛性および樹脂組成物と複合金属層との密着力を保持できる範囲とすることが重要である。
【0039】
また、本発明に用いる複合金属層は、少なくともキャリアとなる第2の金属層と該第2の金属層と除去条件の異なる第1の金属層とからなる複合金属層を用いるが、図1(a)に示すような3層の複合金属層4を用いることが経済的に好ましい。
【0040】
というのも、第1の金属層には経済的な理由から銅を用いることが好ましく、その銅とエッチング除去条件の異なる第2の金属層には、ニッケルやその合金を用いることが考えられるが、ニッケルやその合金は銅に比べて高価である。しかし、複合金属層が2層からなる場合、第1の金属層から形成される接続用導体の支えとなる第2の金属層には、高い機械的強度が要求されるため、一定の厚みを必要とし、高価な金属を大量に使用せざるをえない。その点、第3の金属層として、第1と第2の金属層とエッチング除去条件が異なる高価な金属層をこれらの間に比較的薄く形成して得られる3層の複合金属層は、第2の金属層を第1の金属層と同じ銅とすることができるため、経済的でありかつ機械的強度にも優れている。
【0041】
このような3層からなる複合金属層の第3の金属層の厚みは上記の通り薄い方がよく、0.05〜5μmの範囲であることが好ましい。0.05μm未満であると、ニッケルやその合金の層を形成するめっき膜に析出欠陥があると薄いために十分にめっき膜で覆われないので、いわゆるピット(めっき欠け)が発生し、第1の金属層をエッチング除去するときに、第2の金属層を浸食したり、そのエッチング液が残り、接続の信頼性が低下するおそれがある。5μmを越えても工程上では支障がないが、材料の費用が高くなり、経済的でない。
【0042】
また、第1の金属層の厚さは、接続用導体を形成するため、所望の絶縁層厚さより厚めに形成する事が望ましい。その程度は、絶縁樹脂組成物層の研磨工程で第1の金属層が研磨除去される量に応じて決めなければならないが、5〜100μmの範囲であることが好ましい。厚さが5μm未満であると、接続しようとする導体回路の距離が小さくなり、絶縁性が低下することがあり、厚さが100μmを越えると、金属箔の不要な箇所をエッチング除去するときの加工精度が低下し、好ましくない。より好ましくは、20〜80μmの範囲である。
【0043】
また、第2の金属層の厚さは、5〜100μmの範囲であることが好ましい。厚さが5μm未満であると機械的強度が低下し、第1の金属層を選択的にエッチング除去したときに折れたり曲がりやすくなり、100μmを越えると、その後に第2の金属層を除去する場合に時間がかかり経済的でない。より好ましくは10〜80μmの範囲である。
【0044】
次に、第1の金属層を選択的に除去して接続用導体を形成するが、図1のように3層からなる複合金属層4を用いている場合には、第1の金属層41を選択的に除去した後に、エッチングレジストを除去し、引き続き第3の金属層43を選択的に除去すればよい。図1(c)は、支持基材の両面に仮固定された複合金属層の、接続用導体を形成する箇所にエッチングレジスト44が形成された状態を示す図であり、図1(d)は、第1の金属層41および第3の金属層43が順次選択的に除去され、接続用導体13が形成された状態を示す図である。
【0045】
次いで、図2(e)に示すように、少なくとも接続用導体13の側面を覆うように1又は2以上の絶縁樹脂組成物層121を形成する。
【0046】
この絶縁樹脂組成物層は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の絶縁性樹脂を少なくとも含む組成物が半硬化および/または硬化した層である。
【0047】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは、硬化したものが使用できる。
【0048】
上記光硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その光開始剤、硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを露光あるいは加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。
【0049】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、六フッ化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシベンゾエート樹脂、(全)芳香族ポリエステル樹脂、液晶ポリマーなどのうちから選択された1種以上を使用することができる。さらに、上記熱可塑性樹脂の少なくとも1種以上を加熱し、成型・冷却してフィルム化したものも使用できる。
【0050】
本発明の接続基板の絶縁樹脂組成物層には、上記のような絶縁樹脂を単独で用いても、異種の絶縁樹脂の混合体を用いてもよく、さらに、充填剤として無機フィラーを含むものを用いてもよい。無機フィラーとしては、従来公知のものでよく、特に限定されないが、例えば、ニッケル、金、銀などの導電粒子、シリカ、金属酸化物、あるいはこれらを金属めっきした樹脂粒子等が挙げられる。望ましくは、絶縁樹脂組成物の絶縁性を確保するために、不導体のものがよい。
【0051】
また、本発明に用いる絶縁樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含むことが、多層化する際に基板表面に改めて樹脂を塗布する手間を省くことができ、好ましい。より好ましくは熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを含む絶縁樹脂組成物である。液晶ポリマーを含む絶縁樹脂組成物を用いた場合、その線膨張係数を銅の線膨張係数に近付けることができるため、接続用導体の接続と同時に絶縁樹脂組成物を一括積層する上で効果的である。本発明において用いられる液晶ポリマーとしては、スメクチック相からネマチック相への相転移温度が180℃以上のものが好ましく、280℃以上のものが鉛レスはんだのリフロー処理温度に耐えられる点でより好ましい。具体的には、Xydar SRT−300、SRT−500、FSR−315、RC−210、FC−110、FC−120、FC−130(以上、日本石油化学(株)製、商品名)、エコノールE2000(住友化学工業(株)製、商品名)シリーズ、エコノールE6000(住友化学工業(株)製、商品名)シリーズ、ベクトラA950、ベクトラA130、ベクトラC130、ベクトラA230、ベクトラA410(以上、ポリプラスチックス(株)製、商品名)、EPE−240G30(三菱化成(株)製、商品名)、ロッドランLC−5000H(ユニチカ(株)製、商品名)、ノバキュレートE322G30、E335G30、EPE−240G30(以上、三菱化学(株)製、商品名)、BIAC(ジャパンゴアテックス(株)製、商品名)などがある。
【0052】
また、絶縁樹脂組成物層を形成する方法としては、直接、接続用導体を形成した基板面に絶縁樹脂組成物を塗布して形成することもできるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなプラスチックフィルムや銅箔、アルミニウム箔のような金属箔をキャリアとし、その表面に絶縁樹脂組成物を塗布し、加熱乾燥してドライフィルム状にした接着剤シートを必要な大きさに切断し、接続用導体を形成した基板にラミネートやプレスすることで形成することもできる。
【0053】
また、絶縁樹脂組成物層の厚さは、1〜100μmの範囲であることが好ましい。1μm未満では、絶縁樹脂組成物を接着強度が低下しない程度に均一な厚さに形成するのが困難となり、100μmを越えると、接続用導体を露出させることが困難になる。より好ましくは、3〜70μmの範囲である。
【0054】
また、接続用導体を覆う絶縁性樹脂組成物層中に気泡が巻き込まれていると、接続信頼性の上で好ましくないため、できる限り気泡が存在しないようにすることがより好ましい。
【0055】
また、絶縁性樹脂組成物層は1層でも2層以上でもよいが、2層以上形成することが、加圧や研磨等の工程で基板表面に発生する熱的な応力を緩和し、接続基板の反りを低減することができるため、好ましい。また、2層以上の絶縁樹脂組成物層を形成する場合、用いる絶縁樹脂組成物の種類は勿論、成形後の樹脂の硬さや成形後の樹脂の厚さ、分子の配向性の違い、充填剤の有無、充填剤の種類或いはその含有量、充填剤の平均粒径、充填剤の粒子形状、充填剤の比重などによって区別されるものであることが好ましい。また、上記のように絶縁樹脂組成物層を多層構造とするのに液晶ポリマーを用いる場合、成形した際に分子配向性に基づいて自ら多層構造を形成し易いという性質を利用し、液晶ポリマーを単独で用いて多層構造とすることもできる。
【0056】
また、絶縁樹脂組成物層を形成する前に、露出した第2の金属層の表面を粗化処理することが絶縁樹脂組成物との密着強度を向上させる上で、好ましい。
【0057】
また、絶縁樹脂組成物層は絶縁樹脂組成物よりなる接着剤シートを用いて形成することが効率的で好ましく、異種又は同種のシートを複数枚重ねて用いてもよい。
【0058】
次に、図1(f)に示すように、接続用導体13が露出するように絶縁樹脂組成物層121を研磨した後、接続用導体13が絶縁樹脂組成物層121の厚さ方向に貫くように形成された前記複合金属層46を前記支持基材から剥離することで、図1(g)に示すような接続基板11を得ることができる。さらに、第2の金属層42を選択的に除去することで図1(h)に示すような導体回路103を有する接続基板とすることができる。
【0059】
本発明においては、接続用導体が少なくとも導体回路の接続する箇所に絶縁樹脂組成物層を厚さ方向に貫くように形成されていることが重要である。従来の技術のうち、エラストマにワイヤを埋め込んだ接続ツールでは、一定間隔でワイヤが埋め込まれているため、接続を行う2層の回路導体の位置がすこしでもずれると、接続ができなかったり、あるいは予定していない箇所が接続される恐れがあり、微細な導体回路を精度よく接続することが困難であったのに対し、本発明は接続を予定していない箇所に導体が形成されないため、精度よく微細回路を形成することができる。
【0060】
また、絶縁樹脂組成物層を研磨して露出した接続用導体の表面および/または該接続用導体表面上に形成された導体回路の表面には、さらに金属箔を重ねたり、金属めっき、エッチング等の処理を行うことで、導体回路を追加形成もしくは金属皮膜を施すことができる。図1(i)は、図1(h)の接続基板11の接続用導体表面13および導体回路表面103に金属被膜を形成した図である。金属皮膜は、例えば、パラジウム付与後に無電解銅めっきを施す方法、銅スパッタやクロム下地銅スパッタ等の真空製膜法、銀ペースト等の金属ペースト印刷、置換金めっき、ニッケル/金の電解または無電解めっき、ニッケル/パラジウム/金めっきの電解または無電解めっき、錫もしくは錫合金の無電解めっきなどのめっきによって形成することが出来る。
【0061】
また、接続用導体に接続された導体回路上にバンプと呼ばれる突起状の導体を形成してもよい。このバンプを本発明の接続基板に形成するには、比較的厚い導体の突起部分以外の個所を厚さ方向にハーフエッチングして突起の部分を形成し、さらに薄くなった導体回路部分と突起部分を残してほかの部分をエッチング除去することによって形成できる。別の方法では、回路を形成した後に、接続端子の個所だけめっきによって厚くする方法でも形成できる。
【0062】
また、接続用導体の露出の状態は、絶縁樹脂組成物層の表面から突出してもよいし、絶縁樹脂組成物層の表面から、内部に入り込んでいてもよい。前者は、後述のように平坦に研磨後、新たに金属層を追加するなどして突出させることができる。後者は、例えば、エッチング液でエッチバックすることで可能である。
【0063】
また、接続用導体の厚みは、5〜100μmの範囲であることが好ましい。厚さが5μm未満であると、接続しようとする導体回路の層間距離が小さくなり、絶縁性が低下することがあり、厚さが100μmを越えると、金属箔の不要な箇所をエッチング除去するときの加工精度が低下し、好ましくない。より好ましくは、20〜80μmの範囲である。
【0064】
また、複合金属層は支持基板に接着していないので、裁断することなく、もしくは第2の金属層が接する前記支持基材面の全てが前記離型基材となるように裁断することで、接続基板を支持基板から容易に離脱させることができ、非常に効率的に接続基板を製造することができる。
【0065】
次に、本発明の多層配線板の製造方法について説明する。
【0066】
図2は、図1(i)の接続基板の、一部の接続用導体にガイド穴をあけた状態を示す図である。
【0067】
このガイド穴は、後述する治具を用いて接続基板を多層化する際にガイドピンを通し、位置あわせするためのものである。勿論、当該ガイド穴は接続用導体以外に設けてもよいが、上記のように接続用導体に形成することで、ガイド穴が補強され、位置あわせの精度を向上させることができ、好ましい。ガイド穴を接続用導体に形成する場合には、接続用導体の径をガイド穴の穴径よりも大きくする必要があり、その形成には、特に限定されないが、接続用導体に接して設けられた配線層のランド部分を画像処理し、正確な位置に穴明けすることができるNCドリルを用いることが好ましい。また、ガイド穴数が多い場合は、初めに2個所のガイド穴を形成し、そこにガイドピンを立て、ついでこれを基準としてNCドリルを配置し、他のガイド穴を形成することが、穴位置精度を向上させることができ、好ましい。
【0068】
次に、図4(a)に示すように、ガイド穴が正確に設けられた位置あわせ治具を用いて、複数枚の接続基板を挟む。
【0069】
本発明に用いる位置あわせ治具は、図3(a)に示すように、所定の位置にガイドピン311が溶接された台座31、ならびに所定の位置にガイドピン311を通すガイド穴を有する位置補正用中間板32、下受けシート33、上置きシート34、および押さえ治具35から少なくともなり、複数枚の接続基板を下受けシート33および上置きシート34の間に挟んで位置あわせを行うものである。ここで、位置補正用中間板はガイドピン揺らぎや繰り返し使用で発生する位置精度の狂いを根元から補正するものであり、また、上置きシートおよび押さえ治具は、図3(b)および図3(c)に示すように、四角形の各辺に切欠部を有している。
【0070】
ついで、複数の接続基板を挟んだ図4(a)の状態で、上置きシートおよび押さえ治具に形成された切欠部にて、はんだ鏝等を用いて複数枚の接続基板を熱融着させた後(図4(b))、これを位置あわせ治具から外すことで、図4(c)に示すような、熱融着部444により位置決め固定された複数枚の接続基板を得ることができる。さらに、位置決め固定された複数枚の接続基板の両面にポリイミドフィルムなどの離型用フィルムを載置し、加熱・加圧して一括積層した後、離型用フィルムを剥離することで、図5(a)に示すような多層配線板を得ることができる。
【0071】
また、一括積層の際、例えば、図5(b)に示すように、各層の接続用導体が接続基板を貫く方向の延長線上にない、クランク状の構造をとる場合が生じうるが、この場合、導体回路に変形が発生し、接続抵抗の安定性を損なう恐れがある。そこで、多層配線板の内側となる接続基板の絶縁樹脂組成物層には弾性率が高い絶縁樹脂組成物を用いることが好ましい。絶縁樹脂組成物層が2層以上からなる場合には、導体回路に接している樹脂層の弾性率が高いことが望ましい。弾性率の具体的な数値としては、加熱時の温度で0.0001GPa以上あることが好ましく、0.001GPa以上であることがより好ましく、0.01GPa以上あることが特に好ましい。なお、絶縁樹脂組成物の動的弾性率はレオメトリック社製ARES(パラレルプレート、周波数1Hz、5℃/min.で昇温)を用いて測定することができる。
【0072】
また、本発明の接続基板と共に導体回路および/または金属箔を有する基板を一括積層して本発明の多層配線板としてもよい。さらに、一括積層後、多層配線板の最外層にめっきやエッチングにより外層回路を形成してもよい。
【0073】
また、多層配線板の最外層となる絶縁樹脂組成物層は熱可塑性樹脂を含む絶縁樹脂組成物を用いることが好ましく、液晶ポリマーを含むものであることがより好ましい。
【0074】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0075】
【実施例】
実施例1
図1(a)に示すように、第1の金属層41が厚さ70μmの銅であり、第3の金属層43が厚さ0.2μmのニッケルであり、第2の金属層42が厚さ18μmの銅からなる複合金属層4を、第一の金属層41が外側になるようにして、間に、離型基材として電解銅箔YGP−18R(日本電解製、商品名)451、液晶ポリマーBIACフィルム100μm(ジャパンゴアテックス社製、商品名)452を3枚、離型基材として電解銅箔YGP−18R(日本電解製、商品名)451の順に配置する。この時、電解銅箔451は平滑面を外側にした。また、電解銅箔451は、図中に示すように、複合箔よりも寸法を小さくしておく。このような構成の両面にポリイミドフィルム(宇部興産製、図示せず)を、少なくともこれら構成を含む様にして、333℃の温度と4MPaの圧力を5分間加えて、加熱・加圧して仮固定した後、ポリイミドフィルムを手で剥離し、図1(b)に示すような構造体を得た。
【0076】
次に、図1(c)に示すように、第1の金属層41の表面に、接続用導体13の形状にエッチングレジスト44を形成した。このエッチングレジスト44は、レジストNCP225またはNIT225(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)を用い、ロール温度110℃、ロール速度は0.6m/minの条件でレジストをラミネートし、積算露光量約80mJ/cm2の露光条件で焼き付け、炭酸ナトリウム溶液で現像し、レジストの密着を確実なものとするために200mJ/cm2で後露光した。
【0077】
次に、ニッケルを浸食しないエッチング液であるアルカリエッチングAプロセス液(メルテックス社製、商品名)をスプレー噴霧して、第1の金属層41を選択的にエッチング除去して、接続用導体13を形成した。この後、水酸化ナトリウム溶液でエッチングレジスト44を剥離・除去した。ついで、ニッケルのエッチング液であるメルストリップN950(メルテックス社製、商品名)を用いて、第3の金属層43をエッチング除去し、表面処理液CPE900(三菱ガス化学社製)をスプレー噴霧して、露出した銅表面の粗化処理を行い、図1(d)に示す接続用導体13が形成された複合金属層46が両面に仮固定された構造体を得た。
【0078】
次に、この複合金属層46の両側に絶縁樹脂組成物として液晶ポリマーBIACシート(ジャパンゴアテックス社製)の75μm厚さのものを載置し、さらにポリイミドフィルム(宇部興産製)を液晶ポリマーシートを覆うようにして載置して、その両側から333℃の温度と4MPaの圧力を5分間加えて、加熱・加圧し、この後、ポリイミドフィルムを手で剥離し、図1(e)に示す絶縁樹脂組成物層121が形成された構造体を得た。
【0079】
その後に、図1(e)に示す構造体を図1(f)に示すように回転する研磨ロール47の間隙を荷重および回転速度を調整して、両面を一度に通過研磨した。研磨は1パス4μmの減厚条件で、4回から5回のパスで接続用導体13の先端が全面露出した。従って研磨量は、片面それぞれ20μmであった。研磨後、構成の中にある離型基材である電解銅箔より内側を裁断することにより、支持基板の界面から接続基板を離脱した。これにより図1(g)に示すように金属層と導通し接続用導体が内蔵された接続基板を得ることができた。この後、第2の金属層42を選択的にエッチングして図1(h)に示すような導体回路103をさらに形成した接続基板を得た。さらに、図1(h)の接続基板の、接続用導体13の表面および導体回路103の表面に、無電解ニッケル、無電解パラジウム、無電解金めっきの順で金属被膜21を形成し、図1(i)に示す接続基板を得た。
【0080】
実施例2
実施例1で得た図1(i)に示す接続基板の、一部の接続用導体に、図2に示すように、NCドリルを用いてφ3.0mmのガイド穴22を形成した。ここでは、はじめに2個所のガイド穴を形成しておき、これにガイドピンを立て、これを基準としてNCドリルを配置し、他のガイド穴を形成した。
【0081】
次に、図4(a)に示すように、台座31に溶接されたガイドピン311を、補正用中間板32、下受けシート33、上記で得られた4枚の接続基板、上置きシート34および押さえ治具35の順に、これらに形成されたガイド穴を通して重ねた。ここで、下受けシート33および上置きシート34はともにテフロン(登録商標)基板であり、0.3mmより少し大き目の穴を形成してある。また、下受けシート33が真四角であるのに対し、上置きシート34および押さえ治具は、図3(b)および図3(c)に示すような切り欠き部を有している。
【0082】
図4(b)に示すように、上置きシート34および押さえ治具35の切欠部であって、接続基板が露出した部分内で、265℃に熱したはんだ鏝の先端を数箇所に数秒間押し付け、接続基板間を熱溶融で位置決め固定した。
【0083】
その後、図4(c)に示すように、押さえ治具35を除去し、下受けシート33から上を持ち上げて、位置あわせ用治具から、高い精度で位置合わせされ、かつ所定箇所が熱溶融により位置決め固定された接続基板の構造体を外した。ついで、この構造体の両面にポリイミドフィルム(宇部興産製)を絶縁樹脂組成物層を覆うようにして載置して、少なくともこれら構成を含む様にして、その両側から333℃の温度と4MPaの圧力を5分間加えて、加熱・加圧して積層一体化し、この後、ポリイミドフィルムを手で剥離し、図5(a)に示す4層の多層配線板を得た。また、接続用導体が同一直線上ではなく、図5(b)に示すクランク状に導通接続されたものも作製できた。
【0084】
さらに、得られた多層配線板の金−金の合金化による導通接続を確認できた。また、接続基板への表面めっきに無電解錫めっき(置換タイプまたは還元タイプ)を用いた場合でも、同様に多層配線板が作製できた。また、最外層の接続基板の表面めっきに、無電解ニッケル、無電解パラジウム、無電解金めっきを用い、内層の接続基板の表面めっきに、無電解錫めっき(置換タイプまたは還元タイプ)を用いた、表面めっきの種類が異なる接続基板を用いても同様に多層配線板を作製することができ、その接続部では、金−錫や錫−錫の合金化による導通接続が確認できた。また、最外層の配線が絶縁樹脂組成物層に転写されており、基板の表面に段差のない平滑な面が確認できた。本発明を具体的に実施し、確認できた特徴のある構造である。これにより、微細回路の基材との引き剥がし強度向上が期待できる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、効率よく接続基板を製造する方法、および複数枚の接続基板を高精度に位置あわせして一括積層することのできる多層配線板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(i)は、本発明の接続基板を製造する過程の一形態を説明する図である。
【図2】図1で得た接続基板の接続用導体にガイド穴を形成した状態を示す図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の位置合わせ治具の概略を示す断面図および上面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の接続基板を用いて多層配線板を製造する過程の一形態を説明する図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明の多層配線板の断面図である。
【符号の説明】
11:接続基板
121:絶縁樹脂組成物層
13:接続用導体
101、102:金属箔
103:導体回路
21:金属層
22:ガイド穴
31:台座
311:ガイドピン
32:補正用中間板
33:下受けシート
34:上置きシート
35:押え治具
4:複合金属箔
41:第1の金属層
42:第2の金属層
43:第3の金属層
44:エッチングレジスト
444:熱融着部
45:支持基材
451:離型基材
452:接着樹脂
46:接続用導体13が形成された複合金属箔
47:研磨ロール
Claims (10)
- 支持基材の片面もしくは両面に、第1の金属層と、第2の金属層と、当該第1の金属層および当該第2の金属層の中間に位置し、これらと除去条件の異なる第3の金属層とからなる複合金属層を、前記第2の金属層側が前記支持基材側となるように配置し、加熱加圧して仮固定する工程、
前記第1の金属層を選択的に除去した後、さらに前記第3の金属層を選択的に除去することで接続用導体を形成する工程、
少なくとも前記接続用導体の側面を覆うように1又は2以上の絶縁樹脂組成物層を形成する工程、
前記接続用導体が露出するように前記絶縁樹脂組成物層を研磨する工程、および
前記接続用導体が前記絶縁樹脂組成物層の厚さ方向に貫くように形成された前記複合金属層を前記支持基材から剥離する工程、を含み、
前記支持基材が、離型基材、接着樹脂、離型基材の順に重ねて配置されたものであり、前記離型基材は、前記複合金属層および前記接着樹脂より面積が小さいものであり、
前記複合金属層を前記支持基材から剥離する工程を、前記離型基材の外周より内側を切断面として裁断した後、前記接続用導体が形成された前記複合金属層を前記支持基材から剥離することにより、接続基板を製造し、
次いで、得られた複数枚の接続基板の、一部の接続用導体の所定位置にガイド穴を形成する工程、
位置あわせ治具を用いて、複数枚の前記接続基板に形成されたガイド穴にガイドピンを通して位置あわせし、所定箇所を熱融着し、複数枚の前記接続基板を位置決め固定する工程、および
位置決め固定された複数枚の前記接続基板を位置あわせ治具から外し、これを加熱加圧し一括積層する工程、を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 接続基板を製造する際に、前記第2の金属層の、前記絶縁樹脂組成物層が形成される表面に対して粗化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の多層配線板の製造方法。
- 接続基板を製造する際に、前記接続用導体が露出するように前記絶縁樹脂組成物層を研磨した後に、第2の金属層を選択的に除去し、導体回路を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層配線板の製造方法。
- 接続基板を製造する際に、前記接続用導体が露出するように前記絶縁樹脂組成物層を研磨した後に、露出した前記接続用導体の表面および/または前記接続用導体表面上に形成された導体回路の表面にさらに導体回路を追加形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 接続基板を製造する際に、絶縁樹脂組成物よりなる少なくとも1枚以上の接着剤シートを前記接続用導体を覆うように載置し、これを加熱・加圧することで前記絶縁樹脂組成物層を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 接続基板を製造する際に、前記絶縁樹脂組成物層が熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 前記位置あわせ治具が、所定の位置にガイドピンが溶接された台座、ならびに所定の位置に前記ガイドピンを通すガイド穴が形成された位置補正用中間板、下受けシート、上置きシート、および押さえ治具から少なくともなり、複数枚の前記接続基板を前記下受けシートおよび前記上置きシートの間に挟んで位置あわせを行うものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 最外層となる絶縁樹脂組成物層に液晶ポリマーを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 加熱・加圧して一括積層した後に外層回路をさらに形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 前記接続基板と共に導体回路および/または金属箔を有する基板を一括積層することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
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