JP4378677B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用あるいは各種産業機械用の変速機として利用されるトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機は、図4及び図5に示すように構成されている。
図4に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2A,2Bと2つの出力側ディスク3A,3Bとが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のスリーブ4aには、出力側ディスク3A,3Bがスプライン結合によって連結されている。
【0003】
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2Aとカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の中心軸線O1を中心に回転できる一方で、中心軸線O1方向の変位が阻止されている。
【0004】
出力側ディスク3A,3Bは、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の中心軸線O1を中心に回転自在に支持されている。
また、入力側ディスク2A,2Bは、入力軸1にボールスプライン6,6を介して支持されており、これら入力側ディスク2A,2Bは入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2A,2Bの内側面(凹面)2a,2bと出力側ディスク3A,3Bの内側面(凹面)3a,3bとの間には、パワーローラ11,11(図5参照)が回転自在に挟持されている。
【0005】
図4中右側に位置する入力側ディスク2Bと、この入力側ディスク2Bの中心軸線O1方向の変位を規制するためのローディングナット9との間には、皿ばね10およびシム36が設けられている。
皿ばね10は、シム36を介して入力側ディスク2Bを出力側ディスク3Bに向けて押圧しており、この皿ばね10は、ローディングナット9およびシム36とともに、各ディスク2A,2B,3A,3Bの内側面2a,2b,3a,3bとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する予圧付与装置を構成する。
【0006】
左側の入力側ディスク2Aの内側面2aと左側の出力側ディスク3Aの内側面3aとの間の部分である第1キャビティ39、および右側の入力側ディスク2Bの内側面2bと右側の出力側ディスク3Bの内側面3bとの間の部分である第2キャビティ40には、図5に示すように、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15がそれぞれ設けられている。
【0007】
各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
【0008】
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2A,2Bおよび各出力側ディスク3A,3Bの間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
【0009】
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク34,35に対して揺動自在およびその軸線O2方向(図4および図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク34,35により、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。すなわち、枢軸14,14は、一対のヨーク34,35により水平方向の移動を規制されるように支持されている。
【0010】
各ヨーク34,35は鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。図6に示すように、各ヨーク34,35の四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15,15の両端部に設けた枢軸14,14がラジアルニードル軸受30,30を介して揺動自在に支持されている。ラジアルニードル軸受30の外面は、支持孔18の内面に接する球面になっている。
【0011】
また、各ヨーク34,35の中央部にはそれぞれ、貫通孔37,37が設けられており、これらの貫通孔37,37にはそれぞれ、各ポスト64,68が挿通されている。上側のポスト64は、ケーシング50に固定部材52を介して固定されており、下側のポスト68は、ケーシング50に固定された駆動シリンダ31の上側バルブボディ61に固定されている。
【0012】
また、各ポスト64,68の両端部にはそれぞれ、挿通孔64a,68aが入力軸1の中心軸線O1に平行な軸線O3に沿って形成され、一方各ヨーク34,35にもそれぞれ、各貫通孔37,37を横切る挿通孔34a,35aが入力軸1の中心軸線O1に平行な軸線(揺動軸線)O3に沿って形成されている。上側のポスト64の挿通孔64aおよび上側ヨーク34の挿通孔34aは、一直線状に配置されており、これらの挿通孔64a,34aには、上側ヨーク34を上側のポスト64に揺動自在に支持する支持ピン51が挿通されている。同様に、下側のポスト68の挿通孔68aおよび下側ヨーク35の挿通孔35aは一直線状に配置されており、これらの挿通孔68a、35aには、下側ヨーク35を下側のポスト68に揺動自在に支持する支持ピン51が挿通されている。
【0013】
なお、支持ピン51によるピン結合の代わりに、図7および図8に示すように、外面を球面とした球面ポスト64A,68Aを、ヨーク34,35に形成された円形の係止孔38に嵌合させて揺動自在に支持する方法も採用されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、球面ポスト64A,68Aの中心を結ぶ線が揺動軸線O3となる。図5および図7のいずれの場合も、入力軸1の中心軸線O1と揺動軸線O3を含む面は、これらの断面図においてトロイダル型無段変速機を左右にほぼ二分する仮想対称面Mとなる。
【0014】
また、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、各ディスク2A,2B,3A,3Bの回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)となっている。この偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の中心軸線O1方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
【0015】
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11,11の外側面に、外輪軌道は各外輪28,28の内側面にそれぞれ形成されている。
【0016】
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
【0017】
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側バルブボディ61と下側バルブボディ62とによって構成されたシリンダ室31a,31aに油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33とシリンダ室31a,31aとで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸線O2方向にそれぞれ変位させる駆動装置32,32を構成している。
【0018】
このように構成されたトロイダル型無段変速機においては、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2A,2Bに伝えられる。そして、これら入力側ディスク2A,2Bの回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3A,3Bに伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3A,3Bの回転が、出力歯車4より取り出される。
【0019】
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2A,2Bおよび各出力側ディスク3A,3Bの内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク34,35に枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
【0020】
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと入力側ディスク2Aおよび出力側ディスク3Bの各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11及びこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a,23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
【0021】
【特許文献1】
特開平2−283949号公報
【特許文献2】
特開平11−63184号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなトロイダル型無段変速機においては、パワーローラが受けるトラクション力によってトラニオンに回転モーメントが発生し、これはトラニオンの枢軸を受ける軸受においてヨークに負荷される。また、変速時には、トラニオンの上下動に伴い、ヨークはピンを中心にシーソー運動する。したがって、ヨークの支持剛性が低下すると、パワーローラの接触点位置がずれ、効率が低下したり、変速制御が安定しなくなってしまい、また耐久性も確保できない。
【0023】
しかしながら、近年、このような無段変速機が使用される自動車等の装置における設計上の要請から、上述したようなヨークの支持構造を確保することが難しい場合がある。図4および図5において、トラニオンを駆動する駆動装置側にある下側ヨーク35は、必然的に駆動シリンダ31のバルブボディ61に支持されるので、変更の要請は、対向する上側ヨーク34の支持構造に向けられる。
【0024】
例えば、近年、小型乗用車に頻用される前輪駆動方式を想定したトランスミッションを構成する場合、トランスミッションは車体の前部に配置されたエンジンと前輪の間に配置されるため、軸方向寸法は短くしなければならない。また、車体幅は決められており、床下部分の最低地上高も確保しなければならず、床上の乗員収容空間も確保しなければならない。その結果、必然的に、無段変速機とその出力を伝える第二軸は、軸方向にオーバーラップし、且つ、水平または垂直ではなく斜め方向にオフセット配置される(例えば、特許文献2参照)。このため、無段変速機の反バルブボディ側に強固なケーシングを配置することが難しくなっており、逆に、この部分にケーシングを設置すれば、無段変速機の他の部分を小さくして容量が低下する、あるいは上述した乗用車としての設計の自由度が減少するなどの不具合が起きる。
【0025】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、ヨークの近傍においてヨークを支持するケーシング等の支持構造部を設置するのが難しい場合でも、支持剛性の高いヨーク支持構造を構成して、変速機の動力伝達効率、制御安定性、耐久性を確保することができ、かつ装置の小型化、設計の自由度の向上を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、入力軸と、該入力軸とともに回転する入力側ディスクと、該入力側ディスクに互いの内側面を対向させた状態で同心的に且つ回転自在に支持された出力側ディスクと、これら両ディスク間に挟持されるパワーローラと、前記入力軸の中心軸線に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた上部の枢軸および下部の枢軸を中心に揺動するとともに前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記トラニオンを前記枢軸の軸線方向に変位させる駆動装置と、前記トラニオンの前記上部の枢軸および前記下部の枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸線方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により前記中心軸線に平行な揺動軸線回りに揺動する一対のヨークと、前記一対のヨークをそれぞれ揺動自在に支持するヨーク支持部材とを備えるトロイダル型無段変速機において、前記一対のヨークの少なくとも一方を支持するヨーク支持部材は、前記ヨークから離れた位置にある固定部に取り付けられているとともに、前記ヨークの近傍に配置された動力伝達部材としての回転軸に軸受を介して取り付けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項1に記載の発明においては、ヨークから離れた位置にある固定部を適宜に選択し、これにヨーク支持部材を固定することによって、ヨークを中心軸線に平行な揺動軸線回りに揺動自在に支持することができる。
【0035】
また、ヨークの近傍に設けられた、適宜の回転軸を第2の固定部として用いることにより、高い支持剛性を有するヨーク支持構造が構築される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の各図において、図4ないし図8と同様な構成要素には、同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0039】
図1は本発明の第1実施の形態を示す図である。図1に示すように、第1のキャビティ39および第2のキャビティ40のそれぞれにおいて、上側ヨーク34は、その上方に取り付けられた支持部材(ヨーク支持部材)70によって支持され、一方、下側ヨーク35は、図7の場合と同様に上側バルブボディ61の上面に取り付けられた球面ポスト(ヨーク支持部材)68Aによって、それぞれの揺動軸線O3回りに揺動自在に支持されている。なお、上側ヨーク34、下側ヨーク35のいずれも、その形状は、図8において示す球面ポスト64A,68Aに嵌合する係止孔38,38を有するものと同一である。
【0040】
支持部材70は、一体のL字状部材であり、上側ヨーク34を支持するために充分な剛性を有する素材から形成されている。支持部材70は、入力軸1の中心軸線O1と上側ヨーク34の揺動軸線O3を含む仮想対称面Mから外れた位置、すなわち、上側ヨーク34の斜め上方にあるケーシング50の縦壁(固定部)50Aと、仮想対称面M上にある回転軸(第2の固定部)71に取り付けられて支持されている。
【0041】
支持部材70は、互いに直交する第1の部分72、第2の部分73およびそれらが交差する位置に円筒部74を有する。第1の部分72は、仮想対称面Mに沿って上下に延びており、下端に、図7の球面ポスト64Aと同様の凸球面座75が形成され、上端は円筒部74に連結している。そして、図7の場合と同様に、凸球面座75を上側ヨーク34の係止孔38に内嵌させることにより、上側ヨーク34を揺動軸線O3回りに揺動自在に支持している。円筒部74は、仮想対称面M上に軸線O4を有し、その内側に第2の固定部である回転軸71を、玉軸受76を介して挿通させている。第2の部分73は、円筒部74から水平面内においてその軸線O4と直交する方向に延び、その先端の取付フランジ77を固定部である縦壁50Aに取り付けることにより支持されている。
【0042】
このように、支持部材70は、上側ヨーク34の中央部から離間した位置にある支持構造体である縦壁50A(固定部)と、上側ヨーク34の中央部に存在する本来支持構造でない部材である回転軸71とにそれぞれ取り付けられて支持されることにより、上側ヨーク34を支持するための高い支持剛性を得ている。
【0043】
このように構成されたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機においては、変速時には、例えば、図1において、左側の駆動ピストン33が下側に変位し、右側の駆動ピストン33が上側に変位すると、これらの駆動ピストン33,33と結合されている各トラニオン15,15が互いに逆方向、すなわち、左側のトラニオン15は下側に変位し、右側のトラニオン15は上側に変位する。これにより、上側のヨーク34は、この上側ヨーク34の右側が上になる方向に、揺動軸線O3を中心に傾く。同様に、下側のヨーク35も、揺動軸線O3を中心に、上側のヨーク34と同じ方向に傾く。
【0044】
一方、左側の駆動ピストン33が上側に変位し、右側の駆動ピストン33が下側に変位した場合には、上側のヨーク34は左側が上になる方向に傾き、下側のヨーク35も上側ヨーク34と同方向に傾く。そして、これら各ヨーク34,35の揺動により、各ヨーク34,35に支持された各トラニオン15,15の変位動作を同期させる。
【0045】
上記の過程において、トラニオン15,15には、パワーローラ11,11と入出力側ディスク2A,2B,3A,3Bとの接触部におけるトラクション力によって回転モーメントを受け、これは、ヨーク34,35と枢軸14との連結部である支持孔18においてヨーク34,35に負荷される。ヨーク34,35に掛かる力の合力は凸球面座75および球面ポスト68Aを介して、それぞれ支持部材70および上側バルブボディ61に負荷される。
【0046】
この実施の形態において、球面ポスト68Aは上側バルブボディ61により充分な支持剛性をもって支持され、また、上側の支持部材70も固定部である縦壁50Aおよび第2の固定部である回転軸71によって、同様に充分な支持剛性をもって支持されている。したがって、両ヨーク34,35も充分な支持剛性をもって支持され、これらのヨーク34,35で支持している各トラニオン15,15の位置決めの精度が維持されるため、入力側ディスク2A,2Bおよび出力側ディスク3A,3Bと各パワーローラ11,11との接触部の位置のばらつきを防止することができる。
【0047】
したがって、これらの接触部の一部に応力が集中することを防止できるので、各パワーローラ11,11の耐久性を向上させることができるとともに、各パワーローラ11,11の傾転運動を確実に同期させることができるので、動力伝達効率を向上させることができる。また、精度良く位置決めされた両ヨーク34,35が揺動軸線O3を中心に揺動するので、各トラニオン15,15の変位動作を安定して同期させることができるため、トロイダル型無段変速機の変速特性を安定化させることができる。
【0048】
また、この実施の形態においては、上側ヨーク34を仮想対称面Mから外れた、すなわち、斜め方向に離間した位置にある支持構造体であるケーシング50の縦壁50Aを用いて支持しているので、仮想対称面M上にケーシング50を配置する必要が無い。したがって、この部分にケーシング50の壁が不要であり、変速機やトランスミッションを小型化することができ、無段変速機の反駆動装置側に強固なケーシング50を配置することが難しい小型の前輪駆動車のような場合でも採用することができる。また、変速機の近傍のスペースに、この実施の形態のように回転軸71を配置したり、その他、歯車機構、クラッチ、デフなどを効率よく配置できるので、自動車の設計やレイアウトの自由度が増す。また、この実施の形態のように、それらの構成要素を適宜に第2の固定部として用いて、支持剛性を向上させることができる。
【0049】
なお、上記の実施の形態において、固定部である縦壁50Aの位置や形状、寸法、壁面の傾斜等、および第2の固定部である回転軸71の位置等は、例えば、トランスミッションや変速機等を設計したり、これらの車載位置をレイアウトする際に決められたものを適宜に採用することができ、それぞれの状況に応じて、支持部材70の構造や固定部の選択を行えばよい。
【0050】
その際、凸球面座75を有する第1の部分72は、仮想対称面M上にあるいはこれにほぼ沿うように配置することが、上側ヨーク34との干渉を避けるため、および上側ヨーク34の支持の対称性を保つためにも好ましい。したがって、例えば、回転軸71の位置が図1より右側にある時には、第1の部分72を第2の部分73の途中からから分岐させるようにし、回転軸71の位置が図1より左側にある時には、第1の部分72を円筒部74より更に延長して、その先端部に第1の部分72を接続するのが望ましい。
【0051】
図2は、本発明の第2実施の形態を示す。上記実施の形態では、図7、図8において説明した球面ポスト64A,68Aと同様の凸球面座75および球面ポスト68Aを介してヨーク34,35を支持したが、この実施の形態では、図5、図6において説明した支持ピン51によるピン結合を用いてヨーク34,35を支持している。すなわち、支持部材70Aの第1の部分72の下端は断面が矩形のポスト部64Cとして形成され、これに形成された挿通孔64aおよび上側ヨーク34の挿通孔34aに支持ピン51を挿通させて上側ヨーク34を揺動自在に支持している。下側ヨーク35は図5、図6と全く同じ支持構造である。この実施の形態も先の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0052】
上記実施の形態では、第2の固定部として仮想対称面M上に位置する部材(回転軸71)を採用したが、そのような適当な部材が無い場合には、図1または図2において、固定部である縦壁50Aのみによる支持としてもよく、その場合には、図1または図2の場合よりも支持部材70自体の剛性を上げることが望ましい。
【0053】
図3は第3実施の形態を示す。この実施の形態では、仮想対称面Mに対して固定部である縦壁50Aと対称な位置に第2の縦壁50Bが有り、これを第2の固定部として用いている。すなわち、支持部材70Bは、これらの縦壁50A,50Bに両端を固定された第2の部分73aと、これと直交する第1の部分72とからT字状に構成されている。このように、第2の固定部を、仮想対称面Mに対して固定部とは反対側に設けることにより、梁構造を持つ支持剛性の高い支持部材70Bを得ることができる。
【0054】
以上、3つの実施の形態により本発明を説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施の形態のダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機において、同じ実施の形態の支持部材70、70A、70Bを第1キャビティ39および第2キャビティ40の両方に設けたが、必要に応じて、第1キャビティ39または第2キャビティ40のいずれかに、いずれかの実施の形態またはその変形の支持部材70、70A、70Bを設けるようにしてもよい。例えば、図1または図2において、第1のキャビティ39には左側に縦壁50Aが有り、第2のキャビティには右側に縦壁50Bが有る場合、それぞれのキャビティ39,40において第2の部分73が逆方向に延びるような支持構造を採用すればよい。また、図4ないし図8に記載の従来の支持構造と組み合わせて用いてもよい。
【0055】
また、上述した実施の形態では、本発明をダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機について適用したが、キャビティが1つであるシングルキャビティ式のトロイダル型無段変速機に適用することも可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトロイダル型無段変速機によれば、ヨークから離れた位置にある固定部を適宜に選択し、これから支持部材を延ばしてくることによって、ヨークを中心軸線に平行な揺動軸線回りに揺動自在に支持することができる。したがって、ヨークの近傍においてヨークを支持するケーシング等の支持構造部を設置するのが難しい場合でも、支持剛性の高いヨーク支持構造を構成して、変速機の動力伝達効率、制御安定性、耐久性を確保することができ、その結果、装置の小型化、設計の自由度の向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の断面図である。
【図2】本発明の第2実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の断面図である。
【図3】本発明の第3実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の断面図である。
【図4】従来のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図4のヨークを示す平面図である。
【図7】従来の他のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。
【図8】図7のヨークを示す平面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2A,2B 入力側ディスク
3A,3B 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
31 駆動シリンダ
32 駆動装置
33 駆動ピストン
34 上側ヨーク
35 下側ヨーク
50A 縦壁(固定部)
50B 縦壁(第2の固定部)
68A 球面ポスト(ヨーク支持部材)
70 ヨーク支持部材
70A 支持部材(ヨーク支持部材)
70B 支持部材(ヨーク支持部材)
71 回転軸(第2の固定部)
72 第1の部分
73 第2の部分
73a 第2の部分
M 仮想対称面
O1 中心軸線
O2 軸線
O3 揺動軸線
O4 軸線

Claims (1)

  1. 入力軸と、該入力軸とともに回転する入力側ディスクと、該入力側ディスクに互いの内側面を対向させた状態で同心的に且つ回転自在に支持された出力側ディスクと、これら両ディスク間に挟持されるパワーローラと、前記入力軸の中心軸線に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた上部の枢軸および下部の枢軸を中心に揺動するとともに前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記トラニオンを前記枢軸の軸線方向に変位させる駆動装置と、前記トラニオンの前記上部の枢軸および前記下部の枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸線方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により前記中心軸線に平行な揺動軸線回りに揺動する一対のヨークと、前記一対のヨークをそれぞれ揺動自在に支持するヨーク支持部材とを備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記一対のヨークの少なくとも一方を支持するヨーク支持部材は、前記ヨークから離れた位置にある固定部に取り付けられているとともに、前記ヨークの近傍に配置された動力伝達部材としての回転軸に軸受を介して取り付けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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