JP4377633B2 - 位相差光学素子、その製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

位相差光学素子、その製造方法及び液晶表示装置 Download PDF

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本発明は、液晶表示装置等に組み込まれて用いられる位相差光学素子に係り、とりわけ、負のCプレートとして作用する位相差層と、Aプレートとして作用する位相差層とを備え、液晶セルへ入射及び/又は液晶セルから出射された光のうち当該液晶セルの法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償する位相差光学素子、その製造方法、及び位相差光学素子を備えた液晶表示装置に関する。
図9は、従来の一般的な液晶表示装置を示す概略分解斜視図である。
図9に示すように、従来の液晶表示装置100は、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bと、液晶セル104とを備えている。
このうち、偏光板102A、102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル104は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102A、102Bの間に配置されている。
ここで、このような液晶表示装置100において、液晶セル104が、負の誘電異方性を有するネマチック液晶が封止されたVA(Vertical Alignment)方式(図中、液晶のダイレクターを点線で模式的に図示)を採用している場合を例に挙げると、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光は、液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分を透過する際に、位相シフトされずに透過し、出射側の偏光板102Bで遮断される。これに対し、液晶セル104のうち駆動状態のセルの部分を透過する際には、直線偏光が位相シフトされ、この位相シフト量に応じた量の光が出射側の偏光板102Bを透過して出射される。これにより、液晶セル104の駆動電圧を各セル毎に適宜制御することにより、出射側の偏光板102B側に所望の画像を表示することができる。なお、液晶表示装置100としては、上述したような光の透過及び遮断の態様をとるものに限らず、液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分から出射された光が出射側の偏光板102Bを透過して出射される一方で、駆動状態のセルの部分から出射された光が出射側の偏光板102Bで遮断されるように構成された液晶表示装置も存在している。
ところで、上述したようなVA方式の液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分を直線偏光が透過する場合を考えると、液晶セル104は複屈折性を有しており、厚さ方向の屈折率と面方向の屈折率とが異なるので、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光のうち液晶セル104の法線に沿って入射した光は位相シフトされずに透過するものの、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光のうち液晶セル104の法線から傾斜した方向に入射した光は液晶セル104を透過する際に位相差が生じて楕円偏光となる。この現象は、VA方式の液晶セル104内のあるセルが非駆動状態であるときに、液晶セル104内で垂直方向に配向した液晶分子が、正のCプレートとして作用することに起因したものである。なお、液晶セル104を透過する光(透過光)に対して生じる位相差の大きさは、液晶セル104内に封入された液晶分子の複屈折値や、液晶セル104の厚さ、透過光の波長等にも影響される。
以上の現象により、液晶セル104内のあるセルが非駆動状態であり、本来的には直線偏光がそのまま透過され、出射側の偏光板102Bで遮断されるべき場合であっても、液晶セル104の法線から傾斜した方向に出射された光の一部が出射側の偏光板102Bから洩れてしまうことになる。
このため、上述したような従来の液晶表示装置100においては、正面から観察される画像に比べて、液晶セル104の法線から傾斜した方向から観察される画像の表示品位が悪化しやすいという問題(視角依存性の問題)がある。
上述したような従来の液晶表示装置100における視角依存性の問題を改善するため、現在までに様々な技術が開発されており、その一つとして、例えば特許文献1に記載されているように、コレステリック規則性の構造を有する位相差層(複屈折性を示す位相差層)を備えた位相差光学素子を用い、このような位相差光学素子を液晶セルと偏光板との間に配置することにより光学補償を行うようにした液晶表示装置が知られている。
ここで、コレステリック規則性の構造を有する位相差光学素子では、λ=nav・p(p:液晶分子の螺旋構造における螺旋(ヘリカル)ピッチ、nav:螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率)で表される選択反射波長が、例えば特許文献2に記載されているように、透過光の波長よりも小さくなるか又は大きくなるように調整している。
上述したような位相差光学素子においては、上述した液晶セルの場合と同様に、位相差層の法線から傾斜した方向に入射する直線偏光は、位相差層を透過する際に位相差が生じて楕円偏光となる。この現象は、コレステリック規則性の構造が、負のCプレートとして作用することに起因したものである。なお、位相差層を透過する光(透過光)に対して生じる位相差の大きさは、位相差層内の液晶分子の複屈折値や、位相差層の厚さ、透過光の波長等にも影響される。
従って、上述したような位相差光学素子を用いれば、正のCプレートとして作用するVA方式の液晶セルで生じる位相差と、負のCプレートとして作用する位相差光学素子の位相差層で生じる位相差とが相殺するように、位相差光学素子の位相差層を適宜設計することにより、液晶表示装置の視角依存性の問題を大幅に改善することが可能である。
なお、このような液晶表示装置の視角依存性の問題は、例えば特許文献3に記載されているように、負のCプレートとして作用する位相差層(即ち、面方向の屈折率をNx,Ny、厚さ方向の屈折率をNzとしたときに、Nx=Ny>Nzの関係を有する位相差層)と、Aプレートとして作用する位相差層(即ち、面方向の屈折率をNx,Ny、厚さ方向の屈折率をNzとしたときに、Nx>Ny=Nzの関係を有する位相差層)とを併用すると、さらに大幅に改善することが可能である。
しかしながら、上述した従来の位相差光学素子(コレステリック規則性の構造を有し、負のCプレートとして作用する位相差層)を液晶セルと偏光板との間に配置する場合には、視覚依存性の問題は改善することができるものの、表示画像に明暗模様等が発生して、表示品位を著しく低下させることがあることが判明した。特に、上述したように、位相差光学素子において、負のCプレートとして作用する位相差層とAプレートとして作用する位相差層とを併用する場合に、表示品位の低下が顕著であることが判明した。
本発明の発明者は、このような位相差光学素子(負のCプレートとして作用する位相差層とAプレートとして作用する位相差層とを備えたもの)により明暗模様等が発生する原因について実験及びコンピュータシミュレーションを用いて鋭意研究を行った結果、その原因の一つが位相差層の表面における液晶分子のダイレクターの方向にあることを突き止めた。
なお、本発明者は既に、コレステリック規則性を有する液晶層を一つ又は複数備えた円偏光抽出光学素子において、液晶層の表面における液晶分子のダイレクターの方向や、隣接した液晶層の界面近傍の液晶分子のダイレクターの方向に関して各種の提案をしているが(特許文献4及び5)、これらの提案はあくまでもコレステリック規則性を有する単層の液晶層又は互いに積層された複数の液晶層を備えた円偏光抽出光学素子に関するものであり、上述したような位相差光学素子(負のCプレートとして作用する位相差層とAプレートとして作用する位相差層とを備えたもの)に好適な構成は必ずしも明確ではなかった。
特開平3−67219号公報 特開平4−322223号公報 特開平11−258605号公報 特開2002−189124号公報 特願2001−60392号(特開2002−258053号公報参照)
本発明はこのような背景の下でなされたものであり、液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも表示画像に明暗模様等を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる、負のCプレートとして作用する位相差層とAプレートとして作用する位相差層とを含んでなる位相差光学素子、その製造方法及び位相差光学素子を備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の解決手段として、プレーナー配向されたコレステリック規則性の構造を有し、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層であって、前記構造に起因した選択反射光の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように前記構造の螺旋ピッチが調整されたCプレート型位相差層と、前記Cプレート型位相差層に隣接して積層され、ネマチック規則性の構造を有し、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層とを備え、前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面のうち前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向と、前記Aプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面のうち前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向とが実質的に一致していることを特徴とする位相差光学素子を提供する。
なお、上述した第1の解決手段において、前記Cプレート型位相差層の前記2つの主たる表面のうち、前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向と、前記Aプレート型位相差層から離間している側の表面における液晶分子のダイレクターの方向とが実質的に平行であることが好ましい。
また、上述した第1の解決手段において、前記Cプレート型位相差層のうち前記Aプレート型位相差層から離間している側の表面における液晶分子のダイレクターの方向と、前記Aプレート型位相差層のうち前記Cプレート型位相差層から離間している側の表面における液晶分子のダイレクターの方向とが実質的に平行であることが好ましい。
さらに、上述した第1の解決手段において、前記Cプレート型位相差層の前記2つの主たる表面のうち、前記Aプレート型位相差層側の表面と、前記Aプレート型位相差層から離間している側の表面との間に、実質的に0.5×整数倍のピッチ数の螺旋構造を有することが好ましい。
さらに、上述した第1の解決手段において、前記Cプレート型位相差層は、カイラルネマチック液晶が3次元架橋されて固定化された構造、又は、高分子コレステリック液晶がガラス状に固定化された構造を有することが好ましい。
さらに、上述した第1の解決手段において、前記Aプレート型位相差層は、ネマチック液晶が3次元架橋されて固定化された構造、又は、高分子ネマチック液晶がガラス状に固定化された構造を有することが好ましい。
本発明は、第2の解決手段として、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、コレステリック規則性を有する第1液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第1液晶をコーティングする工程と、コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程と、形成された前記Cプレート型位相差層上に直接、ネマチック規則性を有する第2液晶をコーティングする工程と、コーティングされた前記第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程とを含むことを特徴とする、位相差光学素子の製造方法を提供する。
なお、上述した第2の解決手段において、前記第1液晶は、コレステリック規則性を有する重合性モノマー分子及びコレステリック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化され、前記第2液晶は、ネマチック規則性を有する重合性モノマー分子及びネマチック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化されることが好ましい。
また、上述した第2の解決手段において、前記第1液晶は、コレステリック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化され、前記第2液晶は、ネマチック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化されることが好ましい。
ここで、上述した第2の解決手段において、前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向が実質的に平行となるように、前記第1液晶のコーティングの厚さを調整することが好ましい。
また、上述した第2の解決手段において、前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記液晶を固化させるように、前記配向膜の表面から離間している側の表面に他の配向膜を当接させることが好ましい。
さらに、上述した第2の解決手段において、前記Aプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記液晶を固化させるように、前記Cプレート型位相差層の表面から離間している側の表面に他の配向膜を当接させることが好ましい。
本発明は、第3の解決手段として、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、ネマチック規則性を有する第1液晶をコーティングする工程と、コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程と、形成された前記Aプレート型位相差層上に直接、コレステリック規則性を有する第2液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第2液晶をコーティングする工程と、コーティングされた前記第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程とを含むことを特徴とする、位相差光学素子の製造方法を提供する。
なお、上述した第3の解決手段において、前記第1液晶は、ネマチック規則性を有する重合性モノマー分子及びネマチック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化され、前記第2液晶は、コレステリック規則性を有する重合性モノマー分子及びコレステリック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化されることが好ましい。
また、上述した第3の解決手段において、前記第1液晶は、ネマチック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化され、前記第2液晶は、コレステリック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化されることが好ましい。
ここで、上述した第3の解決手段において、前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向が実質的に平行となるように、前記第2液晶のコーティングの厚さを調整することが好ましい。
また、上述した第3の解決手段において、前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記第2液晶を固化させるように、前記Aプレート型位相差層の表面から離間している側の表面に他の配向膜を当接させることが好ましい。
さらに、上述した第3の解決手段において、前記Aプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記第2液晶を固化させるように、前記配向膜の表面から離間している側の表面に他の配向膜を当接させることが好ましい。
本発明は、第4の解決手段として、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された一対の偏光板と、前記液晶セルと前記一対の偏光板の少なくとも一方との間に配置された、上述した第1の解決手段に係る位相差光学素子とを備え、前記位相差光学素子は、前記液晶セルへ入射及び/又は前記液晶セルから出射された所定の偏光状態の光のうち当該液晶セルの法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明の第1の解決手段に係る位相差光学素子によれば、プレーナー配向されたコレステリック規則性の構造を有し、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層に、ネマチック規則性の構造を有し、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を隣接して積層した位相差光学素子において、Cプレート型位相差層の構造に起因した選択反射光の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように前記構造の螺旋ピッチを調整し、且つ、Cプレート型位相差層及びAプレート型位相差層の互いに隣接する側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を実質的に一致させるようにしているので、液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも表示画像に明暗模様等を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる。
ここで、本発明の第1の解決手段に係る位相差光学素子においては、Cプレート型位相差層の2つの主たる表面における液晶分子のダイレクターの方向が実質的に平行であるようにすることにより、明暗模様等の発生をより効果的に抑制して、表示品位の低下をさらに抑制することができる。
また、本発明の第1の解決手段に係る位相差光学素子においては、互いに隣接して積層されたCプレート型位相差層及びAプレート型位相差層の互いに離間する2つの主たる表面における液晶分子のダイレクターの方向が実質的に平行であるようにすることにより、明暗模様等の発生をさらに効果的に抑制することができる。
さらに、本発明の第1の解決手段に係る位相差光学素子においては、Cプレート型位相差層の2つの主たる表面の間に、実質的に0.5×整数倍のピッチ数の螺旋構造を有するようにすることにより、Cプレート型位相差層の2つの主たる表面における液晶分子のダイレクターの方向を正確に一致させることができ、これにより、明暗模様等の発生をより効果的に抑制して、表示品位の低下をさらに抑制することができる。
本発明の第2の解決手段に係る位相差光学素子の製造方法によれば、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、コレステリック規則性を有する第1液晶をコーティングして、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成し、次いで、この形成されたCプレート型位相差層上に直接、ネマチック規則性を有する第2液晶をコーティングして、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成しているので、負のCプレートとして作用する位相差層とAプレートとして作用する位相差層とを含んでなる位相差光学素子であって、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、且つ、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる位相差光学素子を容易に製造することができる。
本発明の第3の解決手段に係る位相差光学素子の製造方法によれば、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、ネマチック規則性を有する第1液晶をコーティングして、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成し、次いで、この形成されたAプレート型位相差層上に直接、コレステリック規則性を有する第2液晶をコーティングして、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成しているので、負のCプレートとして作用する位相差層とAプレートとして作用する位相差層とを含んでなる位相差光学素子であって、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、且つ、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる位相差光学素子を容易に製造することができる。
本発明の第4の解決手段によれば、液晶表示装置の液晶セルと偏光板との間に位相差光学素子を配置し、液晶セルへ入射及び/又は液晶セルから出射された所定の偏光状態の光のうち当該液晶セルの法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償するので、液晶表示装置における明暗模様の発生を抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1により、本実施の形態に係る位相差光学素子について説明する。
図1に示されるように、位相差光学素子10は、プレーナー配向されたコレステリック規則性の構造を有するCプレート型位相差層12と、Cプレート型位相差層12に隣接して積層され、ネマチック規則性の構造を有するAプレート型位相差層14とを備えている。
このうち、Cプレート型位相差層12は、厚さ方向(法線15の方向)に直交するように配置された互いに対向する2つの主たる表面(広い方の表面)12A、12Bを有している。なお、Cプレート型位相差層12は、コレステリック規則性の構造に起因して異方性、即ち複屈折性を有し、厚さ方向の屈折率と面方向の屈折率とが異なるので、負のCプレートとして作用する。即ち、3次元直交座標系で、Cプレート型位相差層12の面方向の屈折率をNx、Ny、厚さ方向の屈折率をNzとすると、Nx=Ny>Nzの関係となっている。
また、Aプレート型位相差層14は、厚さ方向(法線15の方向)に直交するように配置された互いに対向する2つの主たる表面(広い方の表面)14A、14Bを有している。なお、Aプレート型位相差層12は、ネマチック規則性の構造に起因して異方性、即ち複屈折性を有し、面方向の屈折率が異なるので、(正の)Aプレートとして作用する。即ち、3次元直交座標系で、Aプレート型位相差層14の面方向の屈折率をNx、Ny、厚さ方向の屈折率をNzとすると、Nx>Ny=Nzの関係となっている。
ここで、Cプレート型位相差層12のうちAプレート型位相差層14側の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターCbの方向と、Aプレート型位相差層14のうちCプレート型位相差層12側の表面14Aにおける液晶分子のダイレクターNaの方向とが実質的に一致している。なお、Cプレート型位相差層12の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターCbの方向とAプレート型位相差層14の表面14Aにおける液晶分子のダイレクターの方向のばらつきの範囲は、±10°以内、好ましく±5°以内、さらに好ましくは±1°以内である。
なお、ここでいう「実質的に一致する」とは、液晶分子のダイレクターの方向がほぼ180度ずれている場合、即ち液晶分子の頭及び尻が同一の方向にある場合も含むものである。これは、多くの場合、液晶分子の頭と尻とを光学的に区別することができないからである。なお、この関係は、後述する場合(Cプレート型位相差層12の2つの主たる表面12A、12Bにおける液晶分子のダイレクターCa、Cbの方向が「実質的に平行である」場合や、Cプレート型位相差層12及びAプレート型位相差層14の互いに離間する2つの表面12A、14Bにおける液晶分子のダイレクターCa、Nbの方向が「実質的に平行である」場合)も同様である。
また、「液晶分子」という用語は、一般的には液体の流動性と結晶の異方性とを兼ね備えた分子という意味で用いられるが、本明細書においては、流動性を有する状態で有していた異方性を保持しつつ固化された分子についても便宜上、「液晶分子」という用語を用いることとする。分子が流動性を有する状態で有していた異方性を保持しつつ固化させる方法としては、例えば、重合可能な基を有する液晶性分子(重合性モノマー分子又は重合性オリゴマー分子)を架橋させる方法や、高分子液晶(液晶ポリマー)をガラス転移温度以下に冷却する方法等がある。
なお、Cプレート型位相差層12の2つの主たる表面のうち、一方の表面12Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向はその面内で実質的に一致しており、他方の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターCbの方向もその面内で実質的に一致していることが好ましい。なお、Cプレート型位相差層12の一方の表面12A及び他方の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターCa、Cbの方向のばらつきの範囲は、±10°以内、好ましく±5°以内、さらに好ましくは±1°以内であることが好ましい。
ここで、Cプレート型位相差層12の表面12A、12Bにおいて、液晶分子のダイレクターCa、Cbの方向が実質的に一致しているか否かは、Cプレート型位相差層12の断面を透過型電子顕微鏡で観察することによって判別することができる。詳細には、透過型電子顕微鏡により、コレステリック規則性の液晶構造のまま固化されたCプレート型位相差層12の断面を観察すると、コレステリック規則性の液晶構造特有の、分子の螺旋ピッチに相当する明暗模様が観察される。従って、このとき、各表面12A、12Bにおいて、面に沿って明暗の濃度にばらつきがなくほぼ同程度に見えれば、この面内の液晶分子のダイレクターの方向が実質的に一致しているものと判断することができる。
なお、図1に示す位相差光学素子10において、コレステリック規則性の構造を有し、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層12は、複屈折性を有しており、厚さ方向の屈折率と面方向の屈折率とが異なっている。従って、Cプレート型位相差層12に直線偏光が入射する場合には、Cプレート型位相差層12の法線15の方向に入射した直線偏光は位相シフトされずに透過されるものの、Cプレート型位相差層12の法線15から傾斜した方向に入射した直線偏光はCプレート型位相差層12を透過する際に位相差が生じて楕円偏光となる。なお逆に、Cプレート型位相差層12の法線15から傾斜した方向に楕円偏光が入射した場合には、入射した楕円偏光を直線偏光にすることも可能である。
これに対し、ネマチック規則性の構造を有し、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層14も複屈折性を有しているが、面方向の屈折率が異なっている。即ち、表面14A、14Bに沿った方向でも、ダイレクターNa、Nbの方向の屈折率と、ダイレクターNa、Nbに垂直な方向の屈折率とが異なる。なお、ダイレクターNa、Nbに垂直な方向の屈折率と、厚さ方向の屈折率とは等しい。
従って、このような、複屈折の態様が方向的に異なる2種類の位相差層(Cプレート型位相差層12及びAプレート型位相差層14)を併用して位相差光学素子を構成することにより、法線15の方向に透過する光及び法線15から傾斜した方向に透過する光の双方に対して位相シフト作用を施すことができ、多様な光学的補償を実現することができる。
なおこのとき、Cプレート型位相差層12及びAプレート型位相差層14が互いに隣接して積層され、且つ、Cプレート型位相差層12及びAプレート型位相差層14の互いに隣接する側の表面12B、14Aにおける液晶分子のダイレクターCb、Naの方向が実質的に一致しているので、液晶表示装置の液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも表示画像に明暗模様等を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる。
なお、Cプレート型位相差層12においては、コレステリック規則性の構造に起因した選択反射光の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲(選択反射波長が入射光の波長よりも小さくなるか又は大きくなる範囲)に存在するように構造の螺旋ピッチが調整されている。これにより、例えば入射光が可視光線であるような場合であっても、液晶分子の螺旋構造による選択反射によって入射光(可視光線)が反射されることがなく、着色等の問題が生じない。
ここで、コレステリック規則性の構造を有するCプレート型位相差層12における選択反射の現象について簡単に説明しておく。
コレステリック規則性の構造は一般的に、液晶のプレーナー配列に基づいて、一方向の旋光成分(円偏光成分)と、これと逆回りの旋光成分とを分離する旋光選択特性(偏光分離特性)を有している。
このような現象は、円偏光二色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における旋回方向を適宜選択すると、この旋回方向と同一の旋光方向を有する円偏光成分が選択的に反射される。
この場合の最大旋光偏光光散乱(選択反射のピーク)は、次式(1)の選択反射波長λ0で生じる。
λ0=nav・p … (1)
ここで、pは液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチ、navは螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率である。
一方、このときの選択反射光の波長バンド幅Δλは、次式(2)で表される。
Δλ=Δn・p … (2)
ここで、Δnは常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率との差として表される複屈折値である。
即ち、このようなコレステリック規則性の構造において、入射した無偏光は、上述したような偏光分離特性に従って、選択反射波長λ0を中心とした波長バンド幅△λの範囲の光の右旋又は左旋の円偏光成分の一方が反射され、他方の円偏光成分及び選択反射波長以外の他の波長領域の光(無偏光)が透過される。なお、反射された右旋又は左旋の円偏光成分は、通常の反射とは異なり、旋回方向が反転されることなく反射される。
ここで、着色が問題となる可視光線の波長バンド幅は380〜780nmであるので、コレステリック規則性の構造に起因した選択反射光の選択反射波長が380nm以下か又は780nm以上であるようにコレステリック規則性の構造を構成するとよい。これにより、Cプレート型位相差層12に負のCプレートとしての作用を発現させながら、入射光(可視光線)を反射してしまうことによる着色等の問題を防止することができる。なお、選択反射光の選択反射波長が入射光の波長よりも小さい場合には、旋光作用が小さくなるので、より好ましい。
次に、図2により、本実施の形態に係る位相差光学素子の変形例について説明する。
図2に示されるように、位相差光学素子20は、プレーナー配向されたコレステリック規則性の構造を有するCプレート型位相差層22と、Cプレート型位相差層22に隣接して積層され、ネマチック規則性の構造を有するAプレート型位相差層14とを備えている。
このうち、Cプレート型位相差層22は、図1に示す位相差光学素子10のCプレート型位相差層12と同様に負のCプレートとして作用するものであり、厚さ方向(法線15の方向)に直交するように配置された互いに対向する2つの主たる表面(広い方の表面)22A、22Bを有している。
ここで、Cプレート型位相差層22の2つの主たる表面22A、22Bのうち、Aプレート型位相差層14側の表面22Bにおける液晶分子のダイレクターCbの方向と、Aプレート型位相差層14から離間している側の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向とは実質的に平行である。なお、Cプレート型位相差層22の一方の表面22Bにおける液晶分子のダイレクターCbの方向(平均方向)と他方の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向(平均方向)とがなす角度は±10°以内、好ましく±5°以内、さらに好ましくは±1°以内であることが好ましい。
また、Cプレート型位相差層22のうちAプレート型位相差層14から離間している側の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向と、Aプレート型位相差層14のうちCプレート型位相差層22から離間している側の表面14Bにおける液晶分子のダイレクターNbの方向とは実質的に平行である。なお、Cプレート型位相差層22の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向(平均方向)とAプレート型位相差層14の表面14Bにおける液晶分子のダイレクターNbの方向(平均方向)とがなす角度は±10°以内、好ましく±5°以内、さらに好ましくは±1°以内であることが好ましい。
ここで、図2に示す位相差光学素子20においては、Cプレート型位相差層22の2つの主たる表面22A、22Bにおける液晶分子のダイレクターCa、Cbの方向を正確に一致(即ち平行に)させるため、Cプレート型位相差層22の厚さを、コレステリック規則性の構造(螺旋構造)の螺旋ピッチpの0.5×整数倍とし、表面22A、22Bの間に、実質的に0.5×整数倍のピッチ数の螺旋構造が形成されるようにするとよい。このようにすることにより、例えば図3(A)〜(C)に模式的に示されるように、光学的に、液晶分子のコレステリック規則性の螺旋ピッチpの半分の距離で厚さが割り切れることとなり、単純化された理論式である上式(1)からの光学的なズレ、特に螺旋軸に沿って入射する入射光に対する位相シフト差による偏光状態の乱れが抑制される。
なお、図2に示す位相差光学素子20は、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層の構成が異なる点を除いて、他は、図1に示す位相差光学素子10の構成と略同一であるので、その他の構成についての詳細な説明は省略する。
ここで、位相差光学素子10、20のCプレート型位相差層12、22及びAプレート型位相差層14の材料としては、3次元架橋可能な液晶性モノマー又は液晶性オリゴマー(重合性モノマー分子又は重合性オリゴマー分子)を用いることができる他、冷却によりガラス状に固化することが可能な高分子液晶(液晶ポリマー)を用いることもできる。
このうち、Cプレート型位相差層12、22及びAプレート型位相差層14の材料として、3次元架橋可能な重合性モノマー分子を用いる場合は、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報に開示されているような、液晶性モノマー及びキラル化合物の混合物を用いることができる。また、3次元架橋可能な重合性オリゴマー分子を用いる場合は、特開昭57−165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等が望ましい。なお、「3次元架橋」とは、重合性モノマー分子又は重合性オリゴマー分子を互いに3次元的に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることを意味する。このような状態にすることにより、液晶分子をコレステリック規則性の構造又はネマチック規則性の構造のままで光学的に固定化することができ、光学膜としての取り扱いが容易な、常温で安定したフィルム状の膜とすることができる。
ここで、3次元架橋可能な重合性モノマー分子を用いる場合を例に挙げると、液晶性モノマーを所定の温度で液晶相にするとネマチック液晶になる。また、この液晶性モノマーにカイラル剤を添加することによりカイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)が得られる。より具体的な例を示すと、例えば一般式(1)〜(11)に示されるような液晶性モノマーを用いることができる。なお、一般式(11)で示される液晶性モノマーの場合には、Xは2〜5(整数)であることが好ましい。
Figure 0004377633
また、カイラル剤としては、例えば一般式(12)〜(14)に示されるようなカイラル剤を用いることが好ましい。なお、一般式(12)、(13)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜12(整数)であることが好ましく、また、一般式(14)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜5(整数)であることが好ましい。なお、一般化式(12)において、Rは水素又はメチル基を示す。
Figure 0004377633
一方、Cプレート型位相差層12、22及びAプレート型位相差層14の材料として、液晶ポリマーを用いる場合には、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖及び側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態に係る位相差光学素子10(20)の製造方法について説明する。
(第1の製造方法)
まず、図4(A)〜(E)により、Cプレート型位相差層12(22)及びAプレート型位相差層14の材料として、重合性モノマー分子又は重合性オリゴマー分子を用いる場合の製造方法について説明する。
(1) Cプレート型位相差層の形成
この場合には、図4(A)に示されるように、ガラス基板又はTAC(三酢酸セルロース)フィルム等の高分子フィルム16上に配向膜17を形成しておき、その上に、図4(B)に示されるように、コレステリック規則性を有する重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18をコーティングし、配向膜17の配向規制力によって配向させる。このとき、コーティングされた重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18は液晶層を構成している。
なお、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18を所定の温度で液晶層にした場合には、ネマチック液晶になるが、ここに任意のカイラル剤を添加すれば、カイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)となる。具体的には例えば、重合性モノマー分子又は重合性オリゴマー分子に、カイラル剤を数%〜10%程度入れるとよい。なお、カイラル剤の種類を変えてカイラルパワーを変えるか、あるいは、カイラル剤の濃度を変化させることにより、重合性モノマー分子又は重合性オリゴマー分子の分子構造に起因する選択反射波長を制御することができる。なお、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18は、その固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整されている。
また、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18は、コーティングし易いように粘度を低下させるため、必要に応じて、トルエンやMEK等の溶媒に溶かしてコーティング液としてもよい。この場合には、紫外線や電子線の照射により3次元架橋する前に溶媒を蒸発させるための乾燥工程が必要となる。好ましくは、コーティング液をコーティングするコーティング工程を行った後、溶媒を蒸発させる乾燥工程を行い、次いで、液晶層になる温度を保持した後、液晶を配向させる配向工程を行うようにするとよい。
次に、この配向状態のまま、即ち、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18の配向膜17側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、配向膜17の表面の配向規制力によって規制した状態で、図4(C)に示されるように、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18を、予め添加しておいた光重合開始剤と外部から照射した紫外線とによって重合を開始させるか、又は電子線で直接重合を開始させることにより、3次元架橋(ポリマー化)して固化すれば、上述したような負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層12が形成される。
ここで、配向膜17の配向規制力の方向を配向膜17上の全範囲で実質的に一致させておけば、Cプレート型位相差層12のうち配向膜17に接触する表面12Aにおける液晶分子のダイレクターの方向を、その接触面内で実質的に一致させることができる。
この場合、Cプレート型位相差層12のうち配向膜17から離間している側の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターの方向を、当該表面12Bの全範囲において実質的に一致させるためには、Cプレート型位相差層12の膜厚を均一にするとよい。また、図5(A)〜(D)に示されるように、図4(A)〜(C)に示される工程のうち、重合性モノマー分子(重合性オリゴマー分子)18を配向膜17上にコーティングした後であって、重合性モノマー分子(重合性オリゴマー分子)18を3次元架橋する前に、第2の配向膜17Aを、コーティングした重合性モノマー分子(重合性オリゴマー分子)18上に重ねるようにしてもよい(図5(C))。これにより、Cプレート型位相差層12の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターの方向を、より確実に表面12Bの全範囲において実質的に一致させることができる。
この状態で、図4(C)におけると同様に、紫外線又は電子線の照射により配向膜17と第2の配向膜17Aとの間で重合性モノマー分子(重合性オリゴマー分子)18を3次元架橋することにより、上述したような負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層12が形成される(図5(D))。
なお、第2の配向膜17Aは、紫外線又は電子線の照射の後工程でCプレート型位相差層12から剥離するとよい。
ここで、配向膜17及び/又は第2の配向膜17Aは、従来から知られている方法で作製することができる。例えば、上述したようなガラス基板又はTACフィルム等の高分子フィルム16上にPI(ポリイミド)又はPVA(ポリビニルアルコール)を成膜してラビングする方法や、ガラス基板又はTACフィルム等の高分子フィルム16上に光配向膜となる高分子化合物を成膜して偏光UV(紫外線)を照射する方法を用いる他、延伸したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等を用いることもできる。
また、配向膜17が形成される基材としてTACフィルム等の高分子フィルム(有機材料)を用いる場合には、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18を溶かしたコーティング液中の溶媒で基材が侵されないように、高分子フィルム上にPVA(ポリビニルアルコール)等の耐溶剤性のあるバリア層を設けて、その上にコーティング液をコーティングするようにするとよい。なお、PVAをバリア層として用いる場合には、このPVAをラビングすればそれが配向膜を兼ねることとなる。
(2) Aプレート型位相差層の形成
その後、図4(D)に示されるように、以上のようにして形成されたCプレート型位相差層12上に直接、別に用意しておいた、所定の温度でネマチック液晶相を呈する、ネマチック規則性を有する他の重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)19をコーティングし、Cプレート型位相差層12の表面12Bの配向規制力によって配向させる。このとき、コーティングされた重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)19は液晶層を構成している。
なお、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)19は、コーティングし易いように粘度を低下させるため、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)18と同様に、必要に応じて、トルエンやMEK等の溶媒に溶かしてコーティング液としてもよい。この場合には、紫外線や電子線の照射により3次元架橋する前に溶媒を蒸発させるための乾燥工程が必要となる。好ましくは、コーティング液をコーティングするコーティング工程を行った後、溶媒を蒸発させる乾燥工程を行い、次いで、液晶層になる温度を保持した後、液晶を配向させる配向工程を行うようにするとよい。
次に、この配向状態のまま、即ち、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)19のCプレート型位相差層12側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、Cプレート型位相差層12の表面の配向規制力によって規制した状態で、図4(E)に示されるように、重合性モノマー分子(又は重合性オリゴマー分子)19を、予め添加しておいた光重合開始剤と外部から照射した紫外線とによって重合を開始させるか、又は電子線で直接重合を開始させることにより、3次元架橋(ポリマー化)して固化すれば、上述したようなAプレートとして作用するAプレート型位相差層14が形成される。
ここで、Aプレート型位相差層14のうちCプレート型位相差層12から離間している側の表面14Bにおける液晶分子のダイレクターの方向を、当該表面14Bの全範囲において実質的に一致させるためには、Cプレート型位相差層12の膜厚を均一にした上でさらにAプレート型位相差層14の膜厚を均一にしたり、又、Cプレート型位相差層14を3次元架橋して固化する際に、図5(A)〜(D)に示される第2の配向膜17Aを用いた上でさらに、Aプレート型位相差層14を3次元架橋して固化する際にも、重合性モノマー分子(重合性オリゴマー分子)19のうちCプレート型位相差層12の表面12Bから離間している側の表面に、図5(C)(D)に示される第2の配向膜17Aと同様の第2の配向膜を設けるようにしてもよい。
なお、図2に示されるような位相差光学素子20を製造する場合には、Cプレート型位相差層22のうち配向膜17から離間している側の表面22Bにおける液晶分子のダイレクターCbの方向を、Cプレート型位相差層22のうち配向膜17側の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向と一致させたり、Aプレート型位相差層14のうちCプレート型位相差層22から離間している側の表面14Bにおける液晶分子のダイレクターNbの方向を、Cプレート型位相差層22のうちAプレート型位相差層14から離間している側の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向と一致させる必要がある。この場合には、Cプレート型位相差層22及びAプレート型位相差層14の厚さが、液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチの0.5×整数倍となるように、コーティングされる液晶の厚さを調整するか、図5(C)(D)に示されるような第2の配向膜17Aを用いるようにするとよい。なお、第2の配向膜17Aを用いる場合は、Cプレート型位相差層22における配向膜17と反対側の表面22B、又はAプレート型位相差層14におけるCプレート型位相差層22と反対側の表面14Bに第2の配向膜17Aを当接させる。
以上により、Cプレート型位相差層12(22)及びAプレート型位相差層14が隣接して積層された位相差光学素子10(20)が製造される。
(第2の製造方法)
次に、図6(A)〜(E)により、Cプレート型位相差層12(22)及びAプレート型位相差層14の材料として、液晶ポリマーを用いる場合の製造方法について説明する。
(1) Cプレート型位相差層の形成
この場合には、図6(A)に示されるように、ガラス基板又はTACフィルム等の高分子フィルム16上に配向膜17を形成しておき、その上、図6(B)に示されるように、コレステリック規則性を有する液晶ポリマー32をコーティングし、配向膜17の配向規制力によって配向させる。このとき、コーティングされた液晶ポリマー32は液晶層を構成している。
なお、液晶ポリマー32としては、液晶ポリマーそれ自体にカイラル能を有しているコレステリック液晶ポリマーそのものを用いてもよいし、ネマチック系液晶ポリマーとコレステリック系液晶ポリマーの混合物を用いてもよい。具体的には例えば、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖及び側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
このような液晶ポリマー32は、温度によって状態が変わり、例えばガラス転移温度が90℃、アイソトロピック転移温度が200℃である場合は、90℃〜200℃の間でコレステリック液晶の状態を呈し、これを室温まで冷却すればコレステリック構造を有したままでガラス状に固化させることができる。
なお、液晶ポリマー32のコレステリック規則性の構造に起因する、入射光の選択反射波長を調整する方法としては、コレステリック系液晶ポリマーを用いる場合には、公知の方法で液晶分子中のカイラルパワーを調整すればよい。また、ネマチック系液晶ポリマーとコレステリック系液晶ポリマーとの混合物を用いる場合は、その混合比を調整すればよい。
また、液晶ポリマー32は、コーティングし易いように粘度を低下させるため、必要に応じて、トルエンやMEK等の溶媒に溶かしてコーティング液としてもよい。この場合には、冷却する前に溶媒を蒸発させるための乾燥工程が必要となる。好ましくは、コーティング液をコーティングするコーティング工程を行った後、溶媒を蒸発させる乾燥工程を行い、次いで、液晶を配向させる配向工程を行うようにするとよい。
次に、この配向状態のまま、即ち、液晶ポリマー32の配向膜17側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で、図6(C)に示されるように、液晶ポリマー32をガラス転移温度(Tg)以下に冷却してガラス状に固化すれば、上述したような負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層12が形成される。
ここで、配向膜17の配向規制力の方向を配向膜17上の全範囲で実質的に一致させておけば、Cプレート型位相差層12のうち配向膜17に接触する表面12Aにおける液晶分子のダイレクターの方向を、その接触面内で実質的に一致させることができる。
この場合、Cプレート型位相差層12のうち配向膜17から離間している側の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターの方向を、当該表面12Bの全範囲において実質的に一致させるためには、Cプレート型位相差層12の膜厚を均一にするとよい。また、液晶ポリマー32のうち配向膜17から離間している側の表面にも図5(C)(D)に示されるような第2の配向膜17Aを設けるようにするとよい。これにより、Cプレート型位相差層12の表面12Bにおける液晶分子のダイレクターの方向を、より確実に表面12Bの全範囲において実質的に一致させることができる。なお、第2の配向膜17Aは、冷却後の後工程でCプレート型位相差層12から剥離するとよい。
ここで、配向膜17及び/又は第2の配向膜17Aは、上述した第1の製造方法と同様のものを用いることができる。また、配向膜17が形成される基材としてTACフィルム等の高分子フィルム(有機材料)を用いる場合には、液晶ポリマー32を溶かしたコーティング液中の溶媒で基材が侵されないように、上述した第1の製造方法と同様に、高分子フィルム上にPVA(ポリビニルアルコール)等の耐溶剤性のあるバリア層を設けて、その上にコーティング液をコーティングするようにするとよい。
(2) Aプレート型位相差層の形成
その後、図6(D)に示されるように、以上のようにして形成されたCプレート型位相差層12上に直接、別に用意しておいた、所定の温度でネマチック液晶相を呈する、ネマチック規則性を有する他の液晶ポリマー34をコーティングし、Cプレート型位相差層12の表面12Bの配向規制力によって配向させる。このとき、コーティングされた液晶ポリマー34は液晶層を構成している。
なお、液晶ポリマー34としては、例えば上述した特開平11−293252号公報に記載されているようなネマチック系液晶ポリマーを用いる。
このような液晶ポリマー34は、温度によって状態が変わり、所定の温度範囲でネマチック液晶の状態を呈し、これを室温まで冷却すればネマチック構造を有したままでガラス状に固化させることができる。
なお、液晶ポリマー34は、コーティングし易いように粘度を低下させるため、液晶ポリマー32と同様に、必要に応じて、トルエンやMEK等の溶媒に溶かしてコーティング液としてもよい。この場合には、冷却する前に溶媒を蒸発させるための乾燥工程が必要となる。好ましくは、コーティング液をコーティングするコーティング工程を行った後、溶媒を蒸発させる乾燥工程を行い、次いで、液晶を配向させる配向工程を行うようにするとよい。
次に、この配向状態のまま、即ち、液晶ポリマー34のCプレート型位相差層12側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、Cプレート型位相差層12の表面の配向規制力によって規制した状態で、図6(E)に示されるように、液晶ポリマー34を液晶ポリマーをガラス転移温度(Tg)以下に冷却してガラス状に固化すれば、上述したようなAプレートとして作用するAプレート型位相差層14が形成される。
ここで、Aプレート型位相差層14のうちCプレート型位相差層12から離間している側の表面14Bにおける液晶分子のダイレクターの方向を、当該表面14Bの全範囲において実質的に一致させるためには、Cプレート型位相差層12の膜厚を均一にした上でさらにAプレート型位相差層14の膜厚を均一にしたり、又、Cプレート型位相差層14を冷却して固化する際に、図5(A)〜(D)に示される第2の配向膜17Aを用いた上でさらに、Aプレート型位相差層14を冷却して固化する際にも、液晶ポリマー34のうちCプレート型位相差層12の表面12Bから離間している側の表面に、図5(C)(D)に示される第2の配向膜17Aと同様の第2の配向膜を設けるようにしてもよい。
なお、図2に示されるような位相差光学素子20を製造する場合には、Cプレート型位相差層22のうち配向膜17から離間している側の表面22Bにおける液晶分子のダイレクターCbの方向を、Cプレート型位相差層22のうち配向膜17側の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向と一致させたり、Aプレート型位相差層14のうちCプレート型位相差層22から離間している側の表面14Bにおける液晶分子のダイレクターNbの方向を、Cプレート型位相差層22のうちAプレート型位相差層14から離間している側の表面22Aにおける液晶分子のダイレクターCaの方向と一致させる必要がある。この場合には、Cプレート型位相差層12及びAプレート型位相差層14の厚さが、液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチの0.5×整数倍となるように、コーティングされる液晶の厚さを調整するか、図5(C)(D)に示されるような第2の配向膜17Aを用いるようにするとよい。なお、第2の配向膜17Aを用いる場合は、Cプレート型位相差層12における配向膜17と反対側の表面22B、又はAプレート型位相差層14におけるCプレート型位相差層12と反対側の表面14Bに第2の配向膜17Aを当接させる。
以上により、Cプレート型位相差層12(22)及びAプレート型位相差層14が隣接して積層された位相差光学素子10(20)が製造される。
なお、上述した実施の形態においては、いずれの場合も、ガラス基板又はTACフィルム等の高分子フィルム16上に形成された配向膜17上にて、最初にコレステリック規則性の構造を有するCプレート型位相差層12(22)を形成した後、このCプレート型位相差層12(22)上にネマチック規則性の構造を有するAプレート型位相差層14を形成するようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでなく、最初にネマチック規則性の構造を有するAプレート型位相差層14を形成した後、このAプレート型位相差層14上にコレステリック規則性の構造を有するCプレート型位相差層12(22)を形成するようにしてもよい。なお、この場合には、Aプレート型位相差層14上に直接、コレステリック規則性を有する液晶をコーティングし、この液晶のAプレート型位相差層14側の表面における液晶分子のダイレクターの方向をAプレート型位相差層14の表面の配向規制力によって規制した状態で液晶を固化させ、Cプレート型位相差層12(22)を形成することとなる。なお、このような製造方法におけるその他の手順及び条件等は、上述した製造方法の場合と基本的に同様であるので、詳細な説明は省略する。
また、上述した実施の形態においては、いずれの場合も、位相差光学素子は一層のCプレート型位相差層12(22)及び一層のAプレート型位相差層14からなる二層構成をとっているが、本発明はこれに限定されるものでなく、上述したようなCプレート型位相差層及びAプレート型位相差層の少なくとも一方を二層以上とし、三層以上の構成をとるようにしてもよい。これにより、一層多様な態様の光学的補償を実現することができる。
さらに、上述した実施の形態に係る位相差光学素子10、20は、例えば、図7に示されるような液晶表示装置60に組み込んで用いることができる。
図7に示す液晶表示装置60は、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bと、液晶セル104とを備えている。
このうち、偏光板102A、102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル104は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102A、102Bの間に配置されている。
ここで、液晶表示装置60において、液晶セル104は、負の誘電異方性を有するネマチック液晶が封止されたVA方式を採用しており、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光は、液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分を透過する際には、位相シフトされずに透過し、出射側の偏光板102Bで遮断される。これに対し、液晶セル104のうち駆動状態のセルの部分を透過する際には、直線偏光が位相シフトされ、この位相シフト量に応じた量の光が出射側の偏光板102Bを透過して出射される。これにより、液晶セル104の駆動電圧を各セル毎に適宜制御することにより、出射側の偏光板102B側に所望の画像を表示することができる。
このような構成からなる液晶表示装置60において、液晶セル104と出射側の偏光板102B(液晶セル104から出射された所定の偏光状態の光を選択的に透過させる偏光板)との間に、上述した実施の形態に係る位相差光学素子10(20)が配置されており、このような位相差光学素子10(20)により、液晶セル104から出射された所定の偏光状態の光のうち液晶セル104の法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償することができるようになっている。
ここで、位相差光学素子10(20)は、位相差光学素子10(20)に含まれるCプレート型位相差層12(22)が液晶セル104側を向き、位相差光学素子10(20)に含まれるAプレート型位相差層14が偏光板102B側を向くように配置することが好ましく、これにより、所望の性能を効果的に得ることができる。
以上のとおり、上述した構成からなる液晶表示装置60によれば、液晶表示装置60の液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間に、上述した実施の形態に係る位相差光学素子10(20)を配置し、液晶セル104から出射された光のうち液晶セル104の法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償するので、視角依存性の問題を効果的に改善しながら、液晶表示装置60における明暗模様の発生を抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を抑制することができる。
なお、図7に示す液晶表示装置60は、光が厚さ方向の一方の側から他方の側へ透過する透過型であるが、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、上述した実施の形態に係る位相差光学素子10(20)は反射型の液晶表示装置や反射/透過両用型の液晶表示装置にも同様に組み込んで用いることができる。
また、図7に示す液晶表示装置60では、上述した実施の形態に係る位相差光学素子10(20)を液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間に配置しているが、光学補償の態様によっては、位相差光学素子10(20)を液晶セル104と入射側の偏光板102Aとの間に配置してもよい。また、位相差光学素子10(20)を液晶セル104の両側(液晶セル104と入射側の偏光板102Aとの間、及び液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間)に配置してもよい。なお、液晶セル104と入射側の偏光板102Aとの間、又は液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間に配置される位相差光学素子は一つに限らず、複数配置されていてもよい。ただし、いずれの場合にも、位相差光学素子10(20)は、位相差光学素子10(20)に含まれるCプレート型位相差層12が液晶セル104側を向き、位相差光学素子10(20)に含まれるAプレート型位相差層14が偏光板102A又は偏光板102B側を向くように配置することが好ましい。
次に、上述した実施の形態の実施例について、比較例を参照しながら述べる。
(実施例1)
実施例1では、負のCプレートとして作用する位相差層及びAプレートとして作用する位相差層の膜厚を一定として、各位相差層の表面における液晶分子のダイレクターの方向を一致させた。
両端末に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと前記アクリレートとの間にスペーサーを有する、ネマチックアイソトロピック転移温度が110℃であるモノマー分子(上記化学式(11)で示されるような分子構造を有するもの)90部と、両端末に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤分子(上記化学式(14)で示されるような分子構造を有するもの)10部とを溶解させたトルエン溶液(カイラルネマチック液晶溶液)を準備した。なお、前記トルエン溶液には、前記モノマー分子に対して5重量%の光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、イルガキュア(登録商標)907)を添加した。(なお、このようにして得られるカイラルネマチック液晶に関しては、配向膜上で、そのラビング方向±5度の範囲に液晶分子のダイレクターが揃うことを確認している。)
一方、透明なガラス基板上に、溶媒に溶かしたポリイミド(JSR株式会社製、オプトマー(登録商標)AL1254)をスピンコータによりスピンコーティングし、乾燥後、200℃で成膜し(膜厚0.1μm)、一定方向にラビングして配向膜として機能するようにした。
そして、このような配向膜付きのガラス基板をスピンコ一ターにセットし、前記モノマー分子等を溶解したトルエン溶液をできるだけ膜厚が一定になるような条件でスピンコーティングした。
次に、80℃で前記トルエン溶液中のトルエンを蒸発させ、さらに、コーティングされた塗膜のうち前記配向膜付きのガラス基板(第1の配向膜)とは反対側の表面上に、別に用意しておいた配向膜付きのガラス基板(第2の配向膜)を配置して塗膜を両側から挟み込んだ。なおこのとき、第1の配向膜及び第2の配向膜のラビング方向が一致するようにした。
そして、前記塗膜に紫外線を照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによってモノマー分子のアクリレートを3次元架橋して固化(ポリマー化)し、コレステリック規則性の構造を有する層を形成した。またこのとき、上述した、別に用意しておいた配向膜付きのガラス基板(第2の配向膜)は剥離した。なお、このときの塗膜の膜厚は2.0μm±1.5%であった。また、分光光度計で測定したところ、塗膜の選択反射帯域の中心波長は280nmであった。
また、このようにして形成した、上記コレステリック規則性の構造を有する層を自動複屈折測定装置(王子計測機器(株)製 商品名KOBRA(商標登録)21ADH)で測定したところ、負のCプレート(位相差層)として作用していることが確認できた。
次に、以上のようにして形成した、上記コレステリック規則性の構造を有する層の上に、カイラル剤を含んでいないこと以外は上記と同一の成分を含むトルエン溶液(ネマチック液晶溶液)をできるだけ膜厚が一定になるような条件でスピンコーティングした。
その後、80℃で前記トルエン溶液中のトルエンを蒸発させて塗膜を形成し、さらに、この塗膜上に紫外線を照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによってモノマー分子のアクリレートを3次元架橋して固化(ポリマー化)し、ネマチック規則性の構造を有する層を形成した。
これにより、最終的に、コレステリック規則性の構造を有する層及びネマチック規則性の構造を有する層が隣接して積層された位相差光学素子が製造された。なお、このときの総膜厚は3.5μm±1.5%だった。
また、このようにして製造された位相差光学素子を自動複屈折測定装置(王子計測機器(株)製 商品名KOBRA(商標登録)21ADH)を用いて測定したところ、負のCプレートとAプレートとが複合した状態で作用していることが確認できた。
さらに、コレステリック規則性の構造を有する層(負のCプレートとして作用する位相差層)及びネマチック規則性の構造を有する層(Aプレートとして作用する位相差層)の断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、負のCプレートとして作用する位相差層内の明暗模様は互いに平行な状態であった(このことから、負のCプレートとして作用する位相差層では螺旋軸の方向が一致していることが分かる)。また、Aプレートとして作用する位相差層内には明暗模様はなかった(このことから、Aプレートとして作用する位相差層内では液晶分子のダイレクターの方向が一致していることが分かる)。また、Aプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面のコントラストは一致しており、さらに、負のCプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面のコントラストも一致していた(このことから、Aプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面の液晶分子のダイレクターの方向が一致しており、負のCプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面の液晶分子のダイレクターの方向も一致していることが分かる。)
さらに、図8に示されるように、直線偏光板70A、70Bをクロスニコル状態にして、その間に、作製した位相差光学素子10を挟んで目視で観察したところ、面内に観察される明暗模様は極僅かだった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1において、負のCプレートとして作用する位相差層の膜厚を不均一にして、液晶分子のダイレクターの方向を乱した。
即ち、スピンコーターの条件を変更して、コレステリック規則性の構造を有する層(負のCプレートとして作用する位相差層)の膜厚を2.0μm±5%にし、第2の配向膜を用いなかった以外は実施例1と同様に作製した位相差光学素子を、同様に観察したところ、面内にはっきりとした明暗模様が観察された。
(比較例2)
比較例2では、実施例1において、負のCプレートとして作用する位相差層が形成される配向膜のラビング方向を不均一にして、液晶分子のダイレクターの方向を乱した。
即ち、配向膜のラビング方向を面内で不均一にした以外は実施例1と同様に作製した位相差光学素子を、同様に観察したところ、面内にはっきりとした明暗模様が観察された。
(実施例2)
実施例2では、負のCプレートとして作用する位相差層の膜厚を一定とし、且つ、螺旋ピッチを合わせることにより、その層の互いに対向する2つの主たる表面における液晶分子のダイレクターの方向を平行にした。
即ち、負のCプレートとして作用する位相差層の膜厚を、用いる材料の屈折率からコレステリック規則性の構造の始点と終点のダイレクターの方向が平行になるような膜厚にした以外は実施例1と同様に作製した位相差光学素子を、同様に観察したところ、そうしなかった場合に比較して、面内に観察される明暗模様は明らかに減少した。
なお、図8に示されるように、直線偏光板70A、70Bをクロスニコル状態にして、その間に、作製した位相差光学素子20を挟んで目視で観察したところ、面内に観察される明暗模様は極僅かだった。また、作製した位相差光学素子20の両側に配置された直線偏光板70A、70B(図8参照)のそれぞれを回転させて、位相差光学素子20におけるコレステリック規則性の構造の始点と終点のダイレクターの方向がなす角度を目視で透過光強度で観察したところ、±5度以内に入っていた。
(比較例3)
比較例3では、実施例2において、負のCプレートとして作用する位相差層の膜厚を不均一にして、液晶分子のダイレクターの方向を乱した。
即ち、スピンコーターの条件を変更して、コレステリック規則性の構造を有する層(負のCプレートとして作用する位相差層)の膜厚を2.0μm±5%にし、第2の配向膜を用いなかった以外は実施例2と同様に作製した位相差光学素子を、同様に観察したところ、面内にはっきりとした明暗模様が観察された。
(実施例3)
実施例3では、負のCプレートとして作用する位相差層及びAプレートとして作用する位相差層の材料として液晶ポリマーを用い、且つ、それらの位相差層の膜厚を一定として、各位相差層の表面における液晶分子のダイレクターの方向を一致させた。
ガラス転移温度が80℃でアイソトロピック転移温度が200℃であるアクリル系の側鎖型液晶ポリマーを溶解させたトルエン溶液(高分子コレステリック液晶溶液)を準備した。(なお、このようにして得られた高分子コレステリック液晶に関しては、配向膜上で、そのラビング方向±5度の範囲に液晶分子のダイレクターが揃うことを確認している。)
一方、透明なガラス基板上に、溶媒に溶かしたポリイミド(JSR株式会社製、オプトマー(登録商標)AL1254)をスピンコータによりスピンコーティングし、乾燥後、200℃で成膜し(膜厚0.1μm)、一定方向にラビングして配向膜として機能するようにした。
そして、このような配向膜付きのガラス基板をスピンコーターにセットし、前記液晶ポリマーを溶解させたトルエン溶液をできるだけ膜厚が一定になるような条件でスピンコーティングした。
次に、90℃で前記トルエン溶液中のトルエンを蒸発させ、さらに、コーティングされた塗膜のうち前記配向膜付きのガラス基板(第1の配向膜)とは反対側の表面上に、別に用意しておいた配向膜付きのガラス基板(第2の配向膜)を配置して塗膜膜を両側から挟み込んだ。なおこのとき、第1の配向膜及び第2の配向膜のラビング方向が一致するようにした。
そして、上記塗膜を150℃で10分間保持し、コレステリック相を呈することを目視で選択反射により確認した。さらに、前記塗膜を室温まで冷却して液晶ポリマーをガラス状に固化させ、コレステリック規則性の構造を有する層を形成した。またこのとき、上述した、別に用意しておいた配向膜付きのガラス基板(第2の配向膜)は剥離した。なお、このときの塗膜の膜厚は2.0μm±1.5%であった。また、分光光度計で測定したところ、塗膜の選択反射帯域の中心波長は280nmであった。
また、このようにして形成した、上記コレステリック規則性の構造を有する層を自動複屈折測定装置(王子計測機器(株)製 商品名KOBRA(商標登録)21ADH)で測定したところ、負のCプレート(位相差層)として作用していることが確認できた。
次に、以上のようにして形成した、上記コレステリック規則性の構造を有する層の上に、ネマチック系液晶ポリマーを含むトルエン溶液(高分子ネマチック液晶溶液)をできるだけ膜厚が一定になるような条件でスピンコーティングした。
その後、90℃で前記トルエン溶液中のトルエンを蒸発させた後、このようにして得られた塗膜を室温まで冷却して液晶ポリマーをガラス状に固化させ、ネマチック規則性の構造を有する層を形成した。
これにより、最終的に、コレステリック規則性の構造を有する層及びネマチック規則性の構造を有する層が隣接して積層された位相差光学素子が製造された。なお、このときの総膜厚は3.5μm±1.5%だった。
また、このようにして製造された位相差光学素子を自動複屈折測定装置(王子計測機器(株)製 商品名KOBRA(商標登録)21ADH)を用いて測定したところ、負のCプレートとAプレートとが複合した状態で作用していることが確認できた。
さらに、コレステリック規則性の構造を有する層(負のCプレートとして作用する位相差層)及びネマチック規則性の構造を有する層(Aプレートとして作用する位相差層)の断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、負のCプレートとして作用する位相差層内の明暗模様は互いに平行な状態であった(このことから、負のCプレートとして作用する位相差層では螺旋軸の方向が一致していることが分かる)。また、Aプレートとして作用する位相差層内には明暗模様はなかった(このことから、Aプレートとして作用する位相差層内では液晶分子のダイレクターの方向が一致していることが分かる)。また、Aプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面のコントラストは一致しており、さらに、負のCプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面のコントラストも一致していた(このことから、Aプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面の液晶分子のダイレクターの方向が一致しており、負のCプレートとして作用する位相差層の2つの主たる表面の液晶分子のダイレクターの方向も一致していることが分かる。)
さらに、図8に示されるように、直線偏光板70A、70Bをクロスニコル状態にして、その間に、作製した位相差光学素子10を挟んで目視で観察したところ、面内に観察される明暗模様は極僅かだった。
(比較例4)
比較例4では、実施例3において、負のCプレートとして作用する位相差層の膜厚を不均一にして、液晶分子のダイレクターの方向を乱した。
即ち、スピンコーターの条件を変更して、コレステリック規則性の構造を有する層(負のCプレートとして作用する位相差層)の膜厚を2.0μm±5%にし、第2の配向膜を用いなかった以外は実施例3と同様に作製した位相差光学素子を、同様に観察したところ、面内にはっきりとした明暗模様が観察された。
本発明の一実施の形態に係る位相差光学素子の一部を拡大して模式的に示す斜視図。 本発明の一実施の形態に係る位相差光学素子の変形例の一部を拡大して模式的に示す斜視図。 コレステリック規則性を有する液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチと位相差層の表面における液晶分子のダイレクターとの関係を示す模式図。 本発明の一実施の形態に係る位相差光学素子の第1の製造方法を説明するための概略断面図。 本発明の一実施の形態に係る位相差光学素子の第1の製造方法を変形例を説明するための概略断面図。 本発明の一実施の形態に係る位相差光学素子の第2の製造方法を説明するための概略断面図。 本発明の一実施の形態に係る位相差光学素子を備えた液晶表示装置を示す概略分解斜視図。 位相差光学素子を偏光板により挟んで観察する場合の構成を示す概略分解斜視図。 従来の液晶表示装置を示す概略分解斜視図。
符号の説明
10、20 位相差光学素子
12 負のCプレートとして作用する位相差層(Cプレート型位相差層)
14 Aプレートとして作用する位相差層(Aプレート型位相差層)
12A、12B、14A、14B、22A、22B 表面
15 法線
16 ガラス基板又は高分子フィルム
17 配向膜
17A 第2の配向膜
18、19 重合性モノマー分子(重合性オリゴマー分子)
32、34 液晶ポリマー
60、100 液晶表示装置
70A、70B、102A、102B 偏光板
104 液晶セル
Ca、Cb、Na、Nb ダイレクター

Claims (20)

  1. プレーナー配向されたコレステリック規則性の構造を有し、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層であって、前記構造に起因した選択反射光の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように前記構造の螺旋ピッチが調整されたCプレート型位相差層と、
    前記Cプレート型位相差層に隣接して積層され、ネマチック規則性の構造を有し、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層とを備え、
    前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面のうち前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向と、前記Aプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面のうち前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向とが実質的に一致し
    前記Cプレート型位相差層の前記2つの主たる表面のうち、前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向と、前記Aプレート型位相差層から離間している側の表面における液晶分子のダイレクターの方向とが実質的に平行であることを特徴とする位相差光学素子。
  2. プレーナー配向されたコレステリック規則性の構造を有し、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層であって、前記構造に起因した選択反射光の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように前記構造の螺旋ピッチが調整されたCプレート型位相差層と、
    前記Cプレート型位相差層に隣接して積層され、ネマチック規則性の構造を有し、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層とを備え、
    前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面のうち前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向と、前記Aプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面のうち前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向とが実質的に一致し
    前記Cプレート型位相差層のうち前記Aプレート型位相差層から離間している側の表面における液晶分子のダイレクターの方向と、前記Aプレート型位相差層のうち前記Cプレート型位相差層から離間している側の表面における液晶分子のダイレクターの方向とが実質的に平行であることを特徴とする位相差光学素子。
  3. 前記Cプレート型位相差層の前記2つの主たる表面のうち、前記Aプレート型位相差層側の表面と、前記Aプレート型位相差層から離間している側の表面との間に、実質的に0.5×整数倍のピッチ数の螺旋構造を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の位相差光学素子。
  4. 前記Cプレート型位相差層は、カイラルネマチック液晶が3次元架橋されて固定化された構造を有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の位相差光学素子。
  5. 前記Cプレート型位相差層は、高分子コレステリック液晶がガラス状に固定化された構造を有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の位相差光学素子。
  6. 前記Aプレート型位相差層は、ネマチック液晶が3次元架橋されて固定化された構造を有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の位相差光学素子。
  7. 前記Aプレート型位相差層は、高分子ネマチック液晶がガラス状に固定化された構造を有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の位相差光学素子。
  8. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、コレステリック規則性を有する第1液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Cプレート型位相差層上に直接、ネマチック規則性を有する第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向が実質的に平行となるように、前記第1液晶のコーティングの厚さを調整することを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
  9. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、コレステリック規則性を有する第1液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Cプレート型位相差層上に直接、ネマチック規則性を有する第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Cプレート型位相差層の厚さが、前記第1液晶の液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチの0.5×整数倍となるように、コーティングされる第1液晶の厚さを調整することを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
  10. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、コレステリック規則性を有する第1液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Cプレート型位相差層上に直接、ネマチック規則性を有する第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記第1液晶を固化させるように、前記配向膜の表面から離間している側の表面に、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に前記配向膜と同一になっている他の配向膜を当接させることを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
  11. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、コレステリック規則性を有する第1液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Cプレート型位相差層上に直接、ネマチック規則性を有する第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Aプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記第2液晶を固化させるように、前記Cプレート型位相差層の表面から離間している側の表面に、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に前記配向膜と同一になっている他の配向膜を当接させることを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
  12. 前記第1液晶は、コレステリック規則性を有する重合性モノマー分子及びコレステリック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化され、
    前記第2液晶は、ネマチック規則性を有する重合性モノマー分子及びネマチック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化されることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記第1液晶は、コレステリック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化され、
    前記第2液晶は、ネマチック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Cプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Cプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化されることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、ネマチック規則性を有する第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Aプレート型位相差層上に直接、コレステリック規則性を有する第2液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向が実質的に平行となるように、前記第2液晶のコーティングの厚さを調整することを特徴とする位相差光学素子の製造方法
  15. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、ネマチック規則性を有する第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Aプレート型位相差層上に直接、コレステリック規則性を有する第2液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Cプレート型位相差層の厚さが、前記第2液晶の液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチの0.5×整数倍となるように、コーティングされる第2液晶の厚さを調整することを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
  16. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、ネマチック規則性を有する第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Aプレート型位相差層上に直接、コレステリック規則性を有する第2液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Cプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記第2液晶を固化させるように、前記Aプレート型位相差層の表面から離間している側の表面に、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に前記配向膜と同一になっている他の配向膜を当接させることを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
  17. 配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に同一とされた配向膜上に、ネマチック規則性を有する第1液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向を前記配向膜の配向規制力によって規制した状態で固化させ、Aプレートとして作用するAプレート型位相差層を形成する工程と、
    形成された前記Aプレート型位相差層上に直接、コレステリック規則性を有する第2液晶であって、固化時の選択反射波長が入射光の波長と異なる範囲に存在するように調整された第2液晶をコーティングする工程と、
    コーティングされた前記第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向を、前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制した状態で固化させ、負のCプレートとして作用するCプレート型位相差層を形成する工程とを含む位相差光学素子の製造方法であって、
    前記Aプレート型位相差層の互いに対向する2つの主たる表面の両方における液晶分子のダイレクターの方向を規制した状態で前記第1液晶を固化させるように、前記配向膜の表面から離間している側の表面に、配向規制力の方向が膜上の全範囲で実質的に前記配向膜と同一になっている他の配向膜を当接させることを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
  18. 前記第1液晶は、ネマチック規則性を有する重合性モノマー分子及びネマチック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化され、
    前記第2液晶は、コレステリック規則性を有する重合性モノマー分子及びコレステリック規則性を有する重合性オリゴマー分子のうちの少なくとも一つを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で3次元架橋により固化されることを特徴とする、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記第1液晶は、ネマチック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第1液晶の一方の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記配向膜の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化され、
    前記第2液晶は、コレステリック規則性を有する液晶ポリマーを含む液晶であり、当該第2液晶の前記Aプレート型位相差層側の表面における液晶分子のダイレクターの方向が前記Aプレート型位相差層の表面の配向規制力によって規制された状態で冷却によりガラス状に固化されることを特徴とする、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 液晶セルと、
    前記液晶セルを挟むように配置された一対の偏光板と、
    前記液晶セルと前記一対の偏光板の少なくとも一方との間に配置された、請求項1乃至のいずれか一項に記載の位相差光学素子とを備え、
    前記位相差光学素子は、前記液晶セルへ入射及び/又は前記液晶セルから出射された所定の偏光状態の光のうち当該液晶セルの法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償することを特徴とする液晶表示装置。
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