JP4377520B2 - カラー画像形成装置及び印刷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式のカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、コピー機などに代表される電子写真方式の多色画像形成装置には、タンデム方式、中間転写体方式、一括多重現像方式、転写ドラム方式などがあるが、いずれにしても、Y(黄色)、M(マゼンダ:赤),C(シアン:青)、及びK(黒)の4色のトナーにより順次印刷するため、それぞれの色のトナーカートリッジ及びそれぞれの色の現像装置を持っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の様に電子写真方式の多色画像形成装置はそれぞれのトナー色に対応するトナーカートリッジ及び現像装置を必要とするため、装置が大きくなると共に、部品が多く高価なものとなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本発明は、所定の温度以下に加熱した状態では第1の色であり、該所定の温度以上に加熱した状態では第2の色であるトナーによる第1の画像を現像し、前記現像したトナー像を前記所定の温度以上に温度にさらして変色させ、前記トナーによる第2の画像を現像するものである。本発明はこのように構成することにより、第1の画像を形成すると共に変色させ、その上に同じトナーであるが異なる色の画像を形成することにより1種類のトナーで選択的に多色画像を形成することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態の構成)
図1は本発明にかかる多色画像形成装置における第1の実施の形態を説明するためのタンデム型電子写真カラープリンタの断面図である。
【0006】
本実施例におけるカラープリンタは、所定の温度以下で第1の色、それ以上の温度で第2の色に発色するトナーを用いることにより、1種類のトナーで2色の画像を形成する。そして、2種類のトナーで4色の画像を得ることによりフルカラーの印刷を行うことを可能とするものである。
【0007】
図1において、プリンタは、第1の印刷部10と第2の印刷部20とから構成される。
【0008】
第1の印刷部は、感光体11と、感光体11を帯電させる帯電装置12と、帯電した感光体11に制御部からの信号により静電潜像を発生させる露光装置13と、トナー14が収納されるトナーカートリッジ15が接続され、感光体11の静電潜像を現像する現像装置16と、感光体11の現像を印刷媒体1に転写する転写装置17と、この印刷媒体を搬送する搬送ローラ18−1及び18−2と、印刷媒体1の用紙端を検出するセンサ19とから構成される。
【0009】
第2の印刷部20も第1の印刷部10と同様に、感光体21と、帯電装置22と、露光装置23と、トナー24が収納されるトナーカートリッジ25、現像装置26、転写装置27、搬送ローラ28−1及び28−2、センサ29とから構成される。
【0010】
これら第1の印刷部、及び第2の印刷部で転写された印刷媒体1は、搬送切り替え低温定着部3又は高温定着部4で定着される。
【0011】
トナー14は、所定温度(150℃)以下で赤色であり、それ温度以上で黒色に変色するトナーを用いる。また、トナー24は所定の温度以下(150℃)で黄色であり、それ以上で青となるトナーを用いる。
【0012】
まず、第1の印刷部を用いて赤色と黒色の2色の印刷を行う方法を説明する。黒色と赤色の2色画像を形成する際は、まず黒色の画像を形成し、しかる後に赤色の画像を形成することになる。
【0013】
プリンタが、黒色の画像の印刷データを受信し印刷指令を受けると図1に示すように第1の印刷部10では、帯電装置12、露光装置13,現像装置16及び転写装置17を用いて、周知の電子写真プロセスと同様に帯電、露光、現像、及び転写が行われ、紙などの印刷媒体1上にトナー14による画像が形成される。トナー14は上述のように所定温度以下で赤色のため、黒色の画像が要求された場合は最初赤色のトナー画像が形成される。この赤色のトナー画像は後述するように所定温度以上で定着による熱処理を行うことで黒色のトナー画像に変化する。
【0014】
これに用いられるトナーは、例えば、温度によって変色しない赤色の色素の樹脂を混入したコアの周囲に透明から黒色に発色する色素(染料前駆体)を混入したシェルを配したカプセルトナーが好ましい。この黒色の染料前駆体としては3−ジ−n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン等を用いることができる。また、発色剤として、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、およびビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用いることができる。
【0015】
また、これらカプセルトナーのコア、又はシェルに用いる樹脂としてはビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0016】
この転写工程では、印刷媒体のトナー画像を乱さないために搬送ローラ18−1、18−2の上ローラは下ローラから離間し印刷媒体表面に接触しないようになっている。
【0017】
この赤色の画像が転写された印刷媒体1は印刷媒体の切替ガイド2が下がった状態で送られることにより、高温定着部4に搬送され、180℃の高温で定着される。この定着工程により赤色のコアが見えていたカプセルトナーは黒色に発色したシェルに覆われることにより、赤色のトナーは黒色に変色し黒色の画像の印刷データ通りの黒色の画像が発生する。
【0018】
ここで、高温定着部4は定着のため印刷媒体1を送っていくが、センサ5−2が用紙後端を検出すると逆に回転し印刷媒体1を逆送させる。逆戻りの際は搬送ローラ18−1及び18−2の上下のローラは密着し、印刷媒体1を逆方向に搬送するように駆動する。一方転写装置17は下方向に退避し印刷媒体1と感光体11との摩擦が発生しないようにする。
【0019】
次に、印刷媒体1の先端がセンサ19で検出できない位置まで戻ると、赤色の印刷を行う。
【0020】
プリンタが、赤色の画像の印刷データを受信し印刷指令を受けると同様に第1の印刷部10では、帯電、露光、現像、及び転写が行われ、戻された印刷媒体1上にトナー14による画像が形成される。トナー14は上述のように赤色のため、赤色のトナー画像として印刷媒体上に発生する。
【0021】
この赤色の画像が転写された印刷媒体1は印刷媒体の切替ガイド2が上がった状態で送られることにより、低温定着部3に搬送され、120℃の低温で定着される。この定着工程により赤色のトナーは黒色に変化することなく黄色の画像のまま定着される。
【0022】
尚、トナーの黒色のシェルの更に外層にはガラス転移温度が100℃程度の定着層を有し、トナーが紙などの印刷媒体に溶着するように構成されている。
【0023】
定着された印刷媒体1は図示しない排出ローラにより排出される。
【0024】
以上のように、最初にトナーの変色温度以上の高温定着、次にトナーの変色温度以下の低温定着を行うため、異なる2種類の画像を1種類のトナーにより発生することができる。
【0025】
尚、テキスト文字の印刷など、黒色1色の印刷の場合は印刷媒体1を逆送させることなく排出することにより、高速に印刷することが可能である。
【0026】
同様にして、第1の印刷部に加え第2の印刷部を同時に用いて、Y,M,C,Kの異なる4色からなる画像を組み合わせフルカラーの印刷を行うことができる。
【0027】
フルカラーの印刷方法を次に説明する。まず、制御部から青色の画像データと黒色の画像データを受信し印刷指令を受けると第2の印刷部20では青色の画像データにより上記と同様に、帯電、露光、現像、及び転写が行われ、印刷媒体1上にトナー24による黄色の画像が形成される。そのまま印刷媒体1は第1の印刷部10に送られ、センサ19により印刷媒体の先端位置を検出すると、第1の印刷部1は、黒色の画像データにより上記の様に、帯電、露光、現像、及び転写が行われ、印刷媒体1の黄色のトナー画像の上に重ね合わせてトナー14による赤色のトナー画像が形成される。
【0028】
第2の印刷部20で形成された黄色のトナー画像は後述するように高温で定着による熱処理を行うことで青色のトナー画像に変化する。
【0029】
これに用いられるトナーは、例えば、温度によって変色しない黄色の色素を混入した樹脂からなるコアの周囲に透明から青色に発色する色素(染料前駆体)を混入した樹脂からなる比較的厚め(体積比でコア:シェル=1:1が好ましい)のシェルを配したカプセルトナーが好ましい。この黒色の染料前駆体としては3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、および3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオランを5%〜20%wt樹脂層に混入して用いることができる。また、発色剤、及び樹脂としては上記黒の発色剤として説明したものと同じものを用いることができるを用いることができる。
【0030】
この黄色と赤色のトナー画像は上記センサ19により印刷媒体1の先端位置を検出することにより黄色と赤色のトナー画像形成タイミングの調整が行われ、元の画像データである青色の画像データと黒色の画像データの重なり通り位置合わせして重ねられる。
【0031】
この黄色のトナー画像上に赤色のトナー画像が転写された印刷媒体1は印刷媒体の切替ガイド2が下がった状態で送られることにより、高温定着部4に搬送され、180℃の高温で定着される。この定着工程により黄色のトナー14は青色に変色し、赤色のトナー24は黒色に変色することにより青色と黒色からなる画像が形成される。
【0032】
高温定着部4は定着のため印刷媒体1を送っていき、センサ5−2が用紙後端を検出すると逆に回転し印刷媒体1をセンサ29が印刷媒体1の先端を検出するまで逆戻りさせる。
【0033】
次に、制御部から黄色の画像データと赤色の画像データを受信し印刷指令を受けるとことにより、同様に印刷媒体1上に同様に黄色のトナー画像と赤色のトナー画像が転写され、印刷媒体1の青色と黒色のトナー画像の上に更に黄色と赤色のトナー画像が形成される。
【0034】
この黄色と赤色のトナー画像が転写された印刷媒体1は印刷媒体の切替ガイド2が上がった状態で送られることにより、低温定着部3に搬送され、100℃の低温で定着される。この定着工程により黄色のトナー24及び、赤色のトナー14は青色や黒色に変色ことなく、4色のトナーによるフルカラー画像が形成される。
【0035】
このようにして定着された印刷媒体1は図示しない排出ローラにより排出される。
【0036】
次にこのような制御を行うための制御部を説明する。
【0037】
図2は、本発明の第1の実施例の制御ブロック図である。
【0038】
図2に示すようにプリンタ制御部から色毎の画像データ31を印刷データ入力部32が受信すると、印刷色判定部33により印刷色が判定され、印刷色が黄色又は黒色である場合には黄,黒画像形成部34に画像データを送り、印刷色が赤色又は青色である場合には赤,青画像形成部35に画像データを送る。
【0039】
黄,黒画像形成部34は入力した画像データをビットデータからなる印刷データに変換し印刷制御部36に送り、この印刷データによりヘッド駆動部37が駆動され図1の露光装置13により印刷がなされる。また、赤,青画像形成部35は入力した画像データをビットデータからなる印刷データに変換し印刷制御部38に送り、この印刷データによりヘッド駆動部39が駆動され、図1の露光装置23により印刷がなされる。
【0040】
このときに、印刷制御部36,38は、センサ19及び29により検出した印刷媒体1の先端位置を考慮して露光を開始し、露光装置13,23を駆動する。搬送制御部40は、露光装置13、23と同期して搬送制御を行い搬送ローラ18及び28を動作させて印刷媒体1に赤色と黄色の画像を転写しつつ印刷媒体1を搬送する。
【0041】
このときに、切替ガイド駆動部41は印刷色判定部33の判定信号により切替ガイド2を下がった状態に維持し、印刷媒体1を高温定着部4に導く。
【0042】
印刷媒体1が高温定着部4で定着され、センサ5−2が印刷媒体1の後端を検出すると、検出信号は搬送制御部に出力され、搬送系を逆転させる。このときに図示しない転写装置制御部により感光体11、21と転写装置17、27の間を離間させ、印刷媒体の逆送を妨げないようにする。
【0043】
印刷媒体1が逆送されセンサ29が後端を検知すると、逆送は止められ上記と同様にして次の赤色及び黄色の印刷工程が行われる。
【0044】
(第1の実施の形態の効果)
本実施例によれば、温度により色が変わるトナーを用い、第1回目の定着時に高温で定着、第2回目の定着時に低温で定着することにより1種類のトナーで複数色の画像を選択的に得ることができ、現像装置及びトナーカートリッジの数を減らすことができ、小型で低価格のカラープリンタが得られる。また、2種類のトナーで黄色、黒色、赤色及び青色のトナー像を形成することができるので2種類のトナーでフルカラーの印刷を行うことができる。
【0045】
尚、上記実施例ではトナーとしてコアの色は変化せずシェルの色のみ変化する例を説明した。これは、上記所定温度で急激に発色する様にトナーを生成するのは高い技術力を必要とするため、ある幅を持って発色が行われても確実に複数色の発色をできるようにしたものである。
【0046】
従って、染料前駆体あるいは発色剤の選択及び樹脂中への固定が確実にすることにより、室温から80℃まではコア及びシェルとも透明であり80℃から150℃の間では第1の色、に変化するコアと150℃以上で第2の色に変化するシェルを持つトナーを用いるのが好ましい。また、室温から150℃までは第1の色であるが150℃を越えた際に透明に変化するコアと、室温から150℃までは透明であるが150℃を越えた際に第2の色に変化するシェルからなるトナーを用いると更によい。
【0047】
(第2の実施の形態の構成)
次に第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態を説明するためのタンデム型電子写真カラープリンタの断面図である。
【0048】
図3に示すプリンタにおいて、第1の実施例と異なる部分は、印刷媒体搬1の送路上に低温定着部3と高温定着部4とが順に並んだことと、印刷媒体1を逆送されることなく第2の印刷部20に搬送するための印刷媒体ガイド8−1、8−2及び搬送ローラ9−1、9−2、9−3、9−4を有することである。
【0049】
図3において、印刷媒体1に黒色を印刷する際は、実施例1で説明したように第1の印刷部10で赤色のトナー像を印刷媒体1上に形成する。このとき、第1ガイド及び第2ガイドを下げておくことにより印刷媒体1は低温定着部3、高温定着部4を経由して印刷媒体ガイド8−1方向に搬送される。
【0050】
このときに印刷媒体1は低温定着部3で室温からいったん120℃に加熱され、高温印刷部4で180℃にほぼ正確に加熱される。すなわち、印刷媒体1は、低温定着部3を経由することにより高温定着部と温度と室温の中間の温度に加熱されているため高温定着部4では奪われる熱量が減り安定した変色を行うことができる。従って、印刷媒体1の先端温度も後端温度もほぼ180℃を維持することができ、高温定着部においてむらなくトナーの変色を行うことができるようになる。また、高速で定着を行うことができるようになる。
【0051】
トナー像が黒色に変色した印刷媒体は1、印刷媒体ガイド8−1、搬送ローラ9−1、9−2、9−39−4及び印刷媒体ガイド8−2を経由して第2の印刷部20に戻される。
【0052】
次に、再度第1の印刷部で赤色の印刷データによるトナー画像を形成し低温定着部3に搬送する。このときは、第1ガイド6は上がっており上方向に印刷媒体をガイドし図示しない排出ローラにより排出される。
【0053】
また、黒色の一色の印刷が行われる場合は、第2ガイド7を上げておき、印刷媒体1を高温定着部4で定着したあと図示しない排出ローラにより排出すればよい。
【0054】
ここで、ガイド8及び搬送ローラ9は以下のように構成するのが好ましい。すなわち、ガイド8は金属などの熱の吸収、放熱が行われやすいもので形成するとよい。また、搬送ローラ9のうち少なくとも一組は印刷媒体1と同じ幅を持ち、印刷媒体1に全面で接触するように構成する。これにより、印刷媒体1は容易に冷却され、印刷部10、20に戻って次のトナー像が形成されてもこのトナー像を変色させることがなくなる。これらガイド、搬送ローラは図示しないファンなどで冷却すると更によい。
【0055】
更に、感光体11にはクリーニング部51及び52を設け、第2の印刷部20と第1の印刷部10のトナーの混色を防止すると更によい。
【0056】
(第2の実施の形態の効果)
上記の様に高温定着部4を経由することにより高温に加熱された印刷媒体1は、印刷媒体ガイド8及び搬送ローラ9を経由するうちに冷却されるので、この上にトナー画像をすぐに形成しても変色するおそれはない。従って、高速かつ連続的に印刷を行うことが可能となる。
【0057】
また、印刷媒体1を逆送させる必要がないので、搬送ローラあるいは定着装置を上下させるなどの構成が不要となる。
【0058】
(第3の実施の形態の構成)
図4を用いて第3の実施の形態を説明する。図4は中間転写型電子写真カラープリンタの断面図である。
【0059】
図4において、中間転写型電子写真カラープリンタは、第1の実施例と同様に、感光体11、帯電装置12,露光装置13,トナーカートリッジ15、現像装置16,を持つ第1の印刷部と、同様な構成の第2の印刷部と、中間転写媒体53と、中間転写媒体53に感光体11、21からトナー像を転写する転写装置17,27と中間転写媒体53を加熱するヒータ54と、中間転写媒体53からトナー像を印刷媒体1に転写する印刷媒体転写装置55と、定着装置56とを有する。ここで、中間転写媒体53は、ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂の表面にフッ素系樹脂を表面コーティングしたものを用いることによりトナー像がこの中間転写媒体53から離れやすくなり、中間転写媒体53から印刷媒体1にトナー像を効率的に転写することができる。
【0060】
このような中間転写型電子写真カラープリンタによる多色印刷を、第1の印刷部1を用いて説明すると、以下のように行うことができる。
【0061】
まず、黒色の画像を得るには、第1の実施例と同様なトナーを用いて、感光体11上に赤色のトナー像を現像し、転写装置17を用いて中間転写媒体53に赤色のトナー像を形成する。このトナー像は、中間転写媒体53ごと反時計回りに送られ、キセノンランプなどを用いたヒータ54により所定温度150℃以上の180℃に加熱され、赤色から黒色に変化する。この黒色に変色したトナー像が転写装置17に送られるまでの間、転写装置55は中間転写トナー像を乱さないように転写条件のバイアスと逆のバイアスを印加しておく。黒色に変色したトナー像が転写部17に戻るのにタイミングを合わせて赤色のトナー像が感光体11上に現像され、中間転写媒体53上の黒色のトナー画像上に転写される。中間転写媒体53上で重ねられた赤色のトナー画像は同様に反時計回りに送られるが今度はヒータ54による加熱を行わないので変色することはない。
【0062】
このトナー像は更に送られ、転写装置55により印刷媒体1に転写され、定着装置56で120℃で定着される。
【0063】
(第3の実施の形態の効果)
上記の様に、オンオフ自在のヒータを用い、1回目に所定温度以上で加熱し、2回目は加熱しないようにすることで、第1又は第2の実施例のように定着温度によらずトナー像を変色させることができるので、中間転写媒体上で多色画像を形成することができる。従って、中間転写方式の電子写真画像形成装置であっても、少ない印刷部でカラー画像を得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、温度により色が変わるトナーを用い、第1回目の画像形成後にトナー像を色が変化する以上の高温にさらし、第2回目の画像形成後には色が変化する温度にさらさないようにすることで1種類のトナーで複数色の画像を選択的に得ることができ、現像装置及びトナーカートリッジの数を減らすことができ、小型で低価格の多色画像形成装置が得られる。また、2種類のトナーで黄色、黒色、赤色及び青色のトナー像を形成することができるので2種類のトナーでフルカラーの印刷を行うことができる。
【0065】
尚、以上の実施例では1回だけ色の変わるトナーを用いた例で説明したが、定着温度を順次下げていくことにより、複数回色の変わるトナーにあっても同様に選択的に色の異なる画像を形成することができる。
【0066】
更に、以上の実施例では、温度により色相が異なる色に変化する例を用いて説明したが、温度により濃度が変化するトナーを用いることができる。この場合、従来のように4色のトナーを用いての印刷に加え更に濃度の薄いトナーによる印刷を重ねることにより、より階調変化に富んだ高画質の印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタの断面図である。
【図2】プリンタの制御ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかるプリンタの断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態にかかるプリンタの断面図である。
【符号の説明】
1:印刷媒体
2,6,7:ガイド
8:印刷媒体ガイド
9:搬送ローラ
10:第1の印刷部
11:感光体
12:帯電装置
13:露光装置
14:トナー
16:現像装置
17:転写装置
18:搬送ローラ
19:センサ
20:第2の印刷部
Claims (6)
- 所定の温度以下では第1の色であり、該所定の温度以上では第2の色である第1のトナーを現像する第1の現像装置と、
所定の温度以下では第3の色であり、該所定の温度以上では第4の色である第2のトナーを現像する第2の現像装置と、
印刷媒体に前記第1の現像装置で現像した第1のトナー像を転写する第1の転写装置と、
該第1のトナー像が転写された印刷媒体に前記第2の現像装置で現像した第2のトナー像を転写する第2の転写装置と、
該第1及び第2のトナー像を転写した印刷媒体を前記所定の温度以上で加熱する第1の定着部と、
該定着部から前記第1の転写装置に前記第1及び第2のトナー像を定着後の前記印刷媒体を戻す搬送手段と、
前記第1の転写装置により第3のトナー像が転写され、前記第2の転写装置により第4のトナー像が転写された前記印刷媒体を前記所定の温度以下で加熱する第2の定着部とを有し
前記第1の色から第4の色は、黄、赤、青及び黒のそれぞれいずれかに対応するカラー画像形成装置。 - 請求項1記載のカラー画像形成装置において、前記搬送手段は、前記印刷媒体を前記高温定着部により加熱した後、逆戻りして前記転写装置に戻すカラー画像形成装置。
- 請求項1記載のカラー画像形成装置において、前記低温定着部と高温定着部は前記用紙の搬送路上に並んで配置され、高温定着時に前記印刷媒体の加熱動作を行う低温定着部を経由して印刷媒体が加熱されるカラー画像形成装置。
- 請求項1記載のカラー画像形成装置において、前記印刷媒体を冷却する冷却ローラを有し、該冷却ローラを経由して該印刷媒体が前記転写装置に戻されるカラー画像形成装置。
- 所定の温度以下では第1の色であり、該所定の温度以上では第2の色であるトナーを現像する現像装置と、
中間転写媒体に前記現像装置で現像した第1のトナー像を転写する転写装置と、
該第1のトナー像を転写した中間転写媒体を前記所定の温度以上にさらし、該第1のトナー像を変色させる変色部と、
該変色部から前記転写装置に前記中間転写媒体の前記第1のトナー像部分を送る搬送手段と、
前記転写装置により第2のトナー像が転写された該中間転写媒体から印刷媒体にトナー像を転写する第2の転写装置と、
該トナー像が転写された該印刷媒体を前記所定の温度以下で加熱する定着部とを有するカラー画像形成装置。 - 所定の温度以下では第1の色であり、該所定の温度以上に加熱した状態では第2の色である第1のトナーによる第1のトナー像を現像する第1の現像ステップと、
前記第1のトナー像上に所定の温度以下では第3の色であり、該所定の温度以上に加熱した状態では第4の色である第2のトナーによる第2のトナー像を現像する第2の現像ステップと、
前記現像した第1及び第2のトナー像を前記所定の温度以上の温度にさらす変色ステップと、
前記第1及び第2のトナー像上に前記第1のトナーによる第3のトナー像を現像する第3の現像ステップと、
前記第1、第2及び第3のトナー像上に前記第2のトナーによる第4のトナー像を現像する第4の現像ステップと、
該第1〜第4のトナー像を印刷媒体上で前記所定の温度以下の温度にさらし該トナー像を印刷媒体に定着させる定着ステップとを有し、
前記第1の色から第4の色は、黄、赤、青及び黒のそれぞれいずれかに対応するカラー画像印刷方法。
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JP2000120216A JP4377520B2 (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | カラー画像形成装置及び印刷方法 |
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